以下、この発明によるセンサ端末の実施形態を、所定の監視対象エリア内の各所の環境状況及び電力消費を監視する無線センサネットワークシステムに適用した場合を例にとって、図を参照しながら説明する。
図1は、この実施形態のセンサ端末が適用される無線センサネットワークシステムの全体の構成の概要を説明するための図である。
図1において、この例では四角で囲んで示すエリア1は、この実施形態におけるシステムの監視対象のエリア(以下、監視エリアと略称する)であり、コンビニエンスストアやスーパーやデパートの同一フロアの売り場全体、あるいは工場やオフィス空間などである。監視エリア1は、平面的なエリアではなく、互いに直交する横方向(X方向)、縦方向(Y方向)、高さ方向(Z方向)からなる3次元の空間エリアであり、図1は、高さ方向を省略した図である。なお、監視エリア1の空間形状は、X方向及びY方向で規定されるエリアが、図1の例のような四角形で囲まれるものに限られるものではなく、任意の空間形状で良いことは言うまでもない。
この監視エリア1内には、複数のセンサ端末21〜2nと、複数の中継装置31〜3mが配設される。複数のセンサ端末21〜2nのそれぞれは、例えば、事前に策定される環境監視計画に応じて、監視エリア1内の、予め定められた位置に配設される。監視エリア1内を、その位置の違いに応じて詳細に監視するためには、監視エリア1内には、多数のセンサ端末21〜2nを異なる位置に配設する必要がある。そこで、この実施形態では、センサ端末21〜2nは、例えば1000個(n=1000)が、監視エリア1内に配設可能とされている。しかし、図1では、紙面の都合上、6個(n=6)のセンサ端末21〜26が、監視エリア1内に配設されている。
複数のセンサ端末21〜2nのそれぞれは、この発明によるセンサ端末の実施形態からなり、自立電源により駆動するもので、全く同様の構成を有する。以下の説明において、センサ端末21〜2nのそれぞれを区別する必要のないときには、便宜上、センサ端末2と記載する。
センサ端末2には、検知対象が異なる複数種のセンサが同時に接続可能とされている。センサの検出対象は、当該監視エリア1の空間環境の環境要素、例えば、電源線の電流、温度、塵埃量、気流、照明の照度、消費電力などとされ、各センサは、その検出対象の検出出力としてのセンシングデータを、センサ端末2に出力する。センサ端末2は、これに接続されているセンサからのセンシングデータを、順時に所定のタイミングで取り込み、当該取り込んだセンシングデータを、そのセンサ種別を示す識別情報(センサID)と共に、無線送信する機能を有する。
センサ端末2の自立電源は、センサ端末2に対して外付けとされている。この例では、センサ端末2は、発電方式が異なる複数種の自立電源が接続可能であり、後述するように、接続された自立電源の種別を判別する機能を有する。また、この実施形態では、センサ端末2は、複数種の自立電源を同時に接続可能であり、その複数の自立電源を併用するための電源マネージメント機能をも備えている。
中継装置31〜3mのそれぞれは、この実施形態では、監視エリア1内において、監視エリア1内に配設された複数のセンサ端末21〜2nから無線送信信号を受信することができるような位置であって、互いに異なる位置に配設されている。この実施形態では、複数の中継装置31〜3mのそれぞれは、通信網4を通じて監視センタ装置5に接続されている。通信網4は、既設の電話回線など有線による通信ネットワークでも良いし、無線による通信ネットワークでもよい。また、通信網4は、LAN(Local Area Network)の構成であっても良いし、WAN(Wide Area Network)の構成であっても良い。
中継装置31〜3mのそれぞれは、センサ端末21〜2nのそれぞれからの送信信号を受信し、その受信した送信信号に、所定の情報を付加した後、通信網4を通じて監視センタ装置5に転送する。なお、複数個の中継装置31〜3mは同じ構成を備えるものであり、以下の説明において、複数個の中継装置31〜3mのそれぞれを区別する必要がないときには、便宜上、中継装置3と記述する。
中継装置31〜3mのそれぞれは、複数のセンサ端末21〜2nからの送信信号を受信して監視センタ装置5に転送するので、監視センタ装置5には、同じセンサ端末からの送信信号が、最大、中継装置31〜3mの数分だけ送られることになる。なお、中継装置31〜3mのそれぞれは、必ずしも監視エリア1内に配設された全てのセンサ端末2からの無線送信信号を受信することができなくてもよい。
この実施形態においては、センサ端末2は、自立電源の電力消費を低減するために、取り込んだセンシングデータを、間欠的に無線送信する。この場合に、中継装置3は、複数個のセンサ端末2からのセンシングデータを、確実且つ信頼性良く受信して、監視センタ装置5に転送することが肝要である。
そのための方策として、従来は、センサ端末からの送信信号にエラー検出符号の付加、エラー検出時のセンシングデータの再送、送受信間で同期を取る方法、などが一般的に採用されている。しかし、エラー検出時にセンシングデータの再送をするためには、センサ端末2が、中継装置3からのエラー通知を受け取るための受信部を備える必要があり、その分、消費電力が増加してしまう。また、送信信号にエラー訂正符号を付加する方法では、そのエラー訂正符号の分だけ、送信情報が増加して、送信時間が増加し、それも消費電力の増加に繋がる。また、送受信間で同期を取る方法を採用する場合には、当該同期を取るための構成が特に必要となり、構成が複雑となってしまう。
以上のことに鑑み、この実施形態では、センサ端末2と中継装置3との間の無線通信は、非同期として、エラー検出符号などの付加は伴わず、また、センサ端末2は、中継装置3からの信号を受信する機能を備えていない。センサ端末2は、図2(A)に示すように、センサ端末21〜2nのそれぞれの識別情報(端末ID)及びセンサの識別信号(前述のセンサID)とセンシングデータとからなる送信データDAを、非同期で送出する機能を備えるだけの簡単な構成とされている。
一方、中継装置3は、センサ端末2からの送信信号を常に監視して、センサ端末2からの送信信号を受信したと判別したときには、当該送信信号を取り込むことで、非同期で送られてくるセンサ端末からの送信信号を確実に受信して、監視センタ装置5に転送するようにしている。
また、この実施形態では、センサ端末2における自立電源の電力消費を、極力抑えることができるような工夫が更に加えられている。
すなわち、後述するように、監視センタ装置5では、センサ端末2からのセンシングデータを、その取得時点(発生時点)と対応付けて格納して時系列データとして管理するようにする必要があるが、そのために、センサ端末2からのセンシングデータには、その取得時点の情報が必要になる。一般的には、センサ端末2がセンサから取り込んだ時点の情報を送信信号に含めて、中継装置3を通じ、通信網4を通じて、監視センタ装置5に転送する。しかし、それでは、センサ端末2から送信する情報が多くなり、その分だけ、電力消費も大きくなってしまう。
そこで、この実施形態では、センサ端末2は、センシングデータの取得時点の情報を含めずに中継装置3に送信する。そして、中継装置3で、センサ端末2の送信信号を受信した時点を、当該センサ端末2からの送信信号に含まれるセンシングデータの取得時点とし、この受信時点の情報を、センシングデータの情報と共に、監視センタ装置5に転送するようにする。
なお、監視センタ装置5は、自装置がセンサ端末2からの送信信号を受信した時刻を、センシングデータの取得時刻の情報として用いるようにしてもよい。
また、この実施形態では、監視センタ装置5では、監視エリア1内におけるセンサ端末21〜2nのそれぞれの配設位置を把握することで、監視エリア1内の異なる位置での環境状況を詳細に判定して、当該環境状況を見える化処理するようにする。そのためには、センサ端末21〜2nのそれぞれの監視エリア1内における位置情報が必要となる。しかし、センサ端末21〜2nのそれぞれの位置情報を送信信号に含めるようにすると、上述したように、センサ端末21〜2nのそれぞれから送信する情報が多くなり、その分だけ、電力消費も大きくなってしまう。
そこで、この実施形態では、センサ端末21〜2nのそれぞれは、監視エリア1内の配設位置情報は、送信信号には含めない。その代わりに、中継装置3において、監視センタ装置5で、センサ端末21〜2nのそれぞれの監視エリア1内の配設位置を算出することができるようにするための情報を付加するようにする。
すなわち、この例の場合に、中継装置31〜3mのそれぞれは、互いに異なる位置に配設されているので、センサ端末21〜2nのそれぞれからの距離が互いに異なる。中継装置31〜3mのそれぞれがセンサ端末21〜2nのそれぞれから受信する送信信号の電波強度は、中継装置31〜3mのそれぞれと、センサ端末21〜2nのそれぞれとの距離の違いに応じたものとなっている。
この実施形態では、中継装置3は、センサ端末21〜2nのそれぞれからの送信信号を受信したときに、その電波強度を検出する。そして、中継装置3は、この電波強度の情報を、センサ端末21〜2nのそれぞれから受信した受信信号に付加して、監視センタ装置5に転送する。
中継装置3から監視センタ装置5に転送されるデータのデータフォーマットを、図2(B)に示す。この図2(B)において、白抜きで示されている端末ID、センサID及びセンシングデータは、センサ端末2からの無線送信信号を復調して得た、センサ端末2からの送信データDAに含まれていたデータである。
そして、影線を付したデータサイズ、フラグ情報、中継器ID、受信時刻、電波強度、電源状況は、中継装置3で付加されたデータである。データサイズは、中継装置3から監視センタ装置5に転送される中継データの全体のデータサイズを示す情報であり、また、フラグ情報は、中継データに電波強度の情報と、電源状況情報が付加されていることを示すフラグを含む。中継器IDは、中継装置31〜3mのそれぞれの識別子である。受信時刻は、センサ端末2からの送信データDAを受信した時刻である。電波強度は、前述したセンサ端末2からの送信信号を受信したときの電波強度である。電源状況は、センサ端末2からの送信データDAのセンシングデータの代わりに、適宜のタイミングで送られてくる電源状況の情報である。
この実施形態では、監視センタ装置5は、センサ端末21〜2nのそれぞれの監視エリア1内の配設位置を算出することができるようにするための情報として、中継装置31〜3mのそれぞれから送られてくる電波強度の情報を用いる。すなわち、監視センタ装置5は、中継装置31〜3mのそれぞれから送られてくる電波強度の情報から、中継装置31〜3mのそれぞれと、センサ端末21〜2nのそれぞれとの距離を算出する。そして、中継装置31〜3mの監視エリア1内における配設位置を、監視センタ装置5に登録しておくことで、監視センタ装置5は、それらの中継装置の位置情報と、中継装置31〜3mのそれぞれと、センサ端末21〜2nのそれぞれとの距離とから、それぞれのセンサ端末21〜2nの監視エリア1内での位置を検出するようにする。
監視センタ装置5で、センサ端末21〜2nの監視エリア1内での位置(高さも含む)を検出することができるためには、中継装置31〜3mは、少なくとも3個が監視エリア1内に配設されている必要がある。図1の例では、便宜上、監視エリア1内には、3個の中継装置31〜33が配置されている場合としている。
以上のようにして、この実施形態では、センサ端末2は、送出する送信データ量をできるだけ少なくして、自立電源の低消費電力化を図るようにしている。
監視センタ装置5は、以上のようにして、複数個のセンサ端末21〜2nのそれぞれからのセンシングデータを、中継装置31〜3mを介して受信し収集する。この場合に、前述したように、監視センタ装置5には、同じセンサ端末2からの同一の情報内容の送信信号が、複数個の中継装置3から送られてくる。監視センタ装置5は、同じセンサ端末2からの同一の情報内容の送信信号を複数個、受信したときには、この実施形態では、電波強度の情報を参照して、もっとも、電波強度の大きいセンシングデータを、蓄積するセンシングデータとして選択する。この場合に、監視センタ装置5は、中継装置31〜3mで付加された受信時刻を各センシングデータの取得時点とし、各センシングデータを、当該取得時点の情報と対応付けることにより時系列データとして収集し、蓄積する。
また、監視センタ装置5は、上述したように、複数個の中継装置31〜3mから送られてくる同じセンサ端末2からの同一の情報内容の送信信号についての電波強度のそれぞれを抽出し、それらと、予め記憶している複数個の中継装置31〜3mの監視エリア1内の位置情報とを用いて、それぞれのセンサ端末2の監視エリア1内の位置を算出して保持する。
そして、蓄積したセンサ端末21〜2nからの各センサのセンシングデータの時系列データと、当該センサ端末21〜2nの監視エリア1内の位置情報とから、監視エリア1内の各センサ端末21〜2nの位置における、当該センシングデータから判定できる環境情報を見える形の表示情報に変換して、表示画面に表示する。
監視センタ装置5のオペレータは、この表示画面の見える化情報を見ることで、監視エリア1内の、当該センシングデータにより知得できる環境情報の時系列変化を把握することができる。したがって、前記オペレータは、その把握結果に応じて、監視エリア1で生じた環境変化に応じた適切な判断をして、適切な指示をすることができる。
すなわち、上述のセンサネットワークシステムによれば、監視エリア1内に多数のセンサ端末2を配置して、その監視エリア1内の位置の違いに応じた環境状況を、時系列変化を含めてセンサ端末2からのセンシングデータを見える化処理して表示することができるので、監視エリア1内の詳細な環境状況の監視をすることができる。
[センサ端末2の説明:この発明のセンサ端末2の実施形態の説明]
次に、以上説明したシステムに適用したこの発明の実施形態のセンサ端末2の詳細な構成及び詳細な処理動作について更に説明する。
図3は、センサ端末2のハードウエア構成例を示すブロック図である。図3に示すように、センサ端末2は、マイクロコンピュータにより構成されてセンサ端末2の全体を制御するための制御部20を備える。そして、センサ端末2は、センサコネクタ部21Sと、センサインターフェース22Sと、センサ種別判別部23Sと、センサ情報記憶部24Sと、電源コネクタ部21Pと、電源インターフェース22Pと、電源種別判別部23Pと、自立電源情報記憶部24Pと、情報入力端子25と、電源回路26とを備える。さらに、センサ端末2は、スケジュール情報記憶部27と、無線送信部28とを備える。
この実施形態のセンサ端末2は、センサコネクタ部21Sには、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dが同時に接続可能とされ、また、電源コネクタ部21Pには、2種の自立電源7A,7Bが同時に接続可能とされている。したがって、センサコネクタ部21Sは、4個のコネクタジャック21S1,21S2,21S3,21S4を備える。また、電源コネクタ部21Pは、2個のコネクタジャック21P1,21P2を備える。
例えばセンサ6Aは、電源線に流れる電流を検出する電流センサ、センサ6Bは赤外線アレーセンサ(温度センサ)、センサ6Cは炭酸ガス濃度センサ、センサ6DはVOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)濃度センサなどとされる。
また、自立電源7Aは、太陽光や蛍光灯などの光を受光して発電を行ういわゆる太陽電池方式の自立電源モジュールの構成とされており、この例では、充電回路(蓄電回路)を内蔵している。また、自立電源7Bは、例えば振動により発電を行う振動発電方式の自立電源モジュールで構成されており、この例では、充電回路(蓄電回路)を内蔵している。
なお、充電回路(蓄電回路)は、センサ端末2が備えるようにしても良い。その場合には、センサ端末2においては、充電回路(蓄電回路)は、自立電源毎に設けても良いし、複数種の自立電源に共通の1個としても良い。また、充電回路(蓄電回路)を、複数種の自立電源に共通の1個とする場合には、その共通の1個の充電回路に加えて、補助電源用の充電回路を持つように構成しても良い。
なお、上述した接続可能なセンサ種別の数及び接続可能な自立電源の種別の数は、一例であり、これに限られるものではないことは言うまでもない。
図3においては、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dの全てが、同時にセンサ端末2のセンサコネクタ部21Sに接続されている状態を示しているが、センサ端末2には、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dの全てが接続される必要性は無く、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dのうちの任意の1種のセンサのみが接続されても良いし、任意の2〜3種のセンサが接続されるようにしても良い。また、自立電源7A及び7Bと、電源コネクタ部21Pとの関係についても同様である。
[センサコネクタ部21S、センサ種別判別部23S及びセンサのコネクタプラグの構成例]
センサコネクタ部21Sの4個のコネクタジャック21S1,21S2,21S3,21S4は、同一の構成を備える。図4に、4個のコネクタジャック21S1,21S2,21S3,21S4のうちのコネクタジャック21S1の構成例を代表として示す。
コネクタジャック21S1は、これに接続されるセンサ6A〜6Dのいずれかに電源を供給し、そして、当該接続されたセンサ6A〜6Dのいずれかとの信号のやり取りを行うため用として4個のピンジャック211a,211b,211c,211dを備える。この例では、ピンジャック211aは、センサに供給する電源電圧の正極側端子、ピンジャック211dは、負極側端子(アース端子)とされる。また、ピンジャック211bは、センサからのセンシングデータを受ける入力端子、ピンジャック211cは、センサにコントロール信号を供給する出力端子とされている。
また、この実施形態においては、コネクタジャック21S1は、これに接続されたセンサの種別が、センサ6A〜6Dのいずれであるかを判別するための1個のセンサ種別判別用のピンジャック211eを備える。
そして、ピンジャック211a、211b,211c,211d,211eは、後述するセンサ6A〜6Dのコネクタプラグが備える5個のピンプラグのそれぞれが、抜き差し可能に挿入嵌合されて、電気的に接続される構成とされている。
ピンジャック211a、211b,211c,211dのそれぞれは、同様の構造を備え、詳細な図示は省略するが、挿入されたプラグピンとセンサ端末2の内部回路のセンサ種別判別部23Sとを電気的に接続するための1個の電気的接続部を備えて構成されている。
センサ種別判別用のピンジャック211eは、ピンジャック211a、211b,211c,211dとは異なる構造を備える。すなわち、図4に示すように、このピンジャック211eを構成する穴の内壁には、穴の底からの距離が、互いに異なるd1,d2,d3,d4(d1≠d2≠d3≠d4)である4個の位置の凹部に、互いに電気的に非接続とされている端子(以下、この凹部に形成されている端子を凹部端子という)212A,212B,212C,212Dが形成されている。そして、この凹部端子212A,212B,212C,212Dは、センサ種別判別部23Sと電気的に接続されている。
前述したように、センサコネクタ部21Sの他の3個のコネクタジャック21S2〜21S4のそれぞれは、図4に示したコネクタジャック21S1と全く同様の構造を備え、それぞれのセンサ種別判別用のピンジャック211eの4個の凹部端子212A,212B,212C,212Dが、センサ種別判別部23Sに、それぞれ接続されている。
一方、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dのそれぞれは、図5(A)〜(D)に示すように、センサコネクタ部21Sの4個のコネクタジャック21S1〜21S4のいずれにも挿入嵌合可能なコネクタプラグ61A,61B,61C,61Dをセンサ端末2への接続手段として備える。図5では、センサ6A,6B,6C,6Dのそれぞれは、接続ケーブルを介してコネクタプラグ61A,61B,61C,61Dを接続して備える構成とされている。しかし、センサ6A,6B,6C,6Dのそれぞれの筐体に、コネクタプラグ61A,61B,61C,61Dと同様のコネクタ部を形成するようにした構成であっても良い。
コネクタプラグ61A,61B,61C,61Dのそれぞれは、センサコネクタ部21Sの4個のコネクタジャック21S1〜21S4のいずれかの、4個のピンジャック211a、211b,211c,211dに挿入嵌合して、電気的にセンサ端末2の内部回路と接続される4本のピンプラグ62Aa〜62Ad,62Ba〜62Bd,62Ca〜62Cd,62Da〜62Ddをそれぞれ備える。
これらの4本のピンプラグ62Aa〜62Ad,62Ba〜62Bd,62Ca〜62Cd,62Da〜62Ddは、コネクタプラグ61A,61B,61C,61Dにおいて、全く同様の構成を備える。この例の場合、図示は省略するが、ピンプラグ62Aa,62Ba,62Ca,62Daは、センサ6A,6B,6C,6Dの電源ラインに接続されている。ピンプラグ62Ad,62Bd,62Cd,62Ddは、センサ6A,6B,6C,6Dのアース端子に接続されている。また、ピンプラグ62Ab,62Bb,62Cb,62Dbは、センサ6A,6B,6C,6Dで検出したセンシングデータの出力端子に接続されている。さらに、ピンプラグ62Ac,62Bc,62Cc,62Dcは、センサ6A,6B,6C,6Dにおいて、センサ端末2からのコントロール信号を受ける入力端子に接続されている。
コネクタプラグ61A,61B,61C,61Dのそれぞれは、この実施形態では、さらに、センサ種別毎に異なる構成の1本のセンサ種別判別用のピンプラグ62Ae,62Be,62Ce,62Deを備える。
この例においては、センサ6Aのコネクタプラグ61Aのセンサ種別判別用のピンプラグ62Aeは、その先端からの距離がd1の位置に、前述したコネクタジャック21S1〜21S4のピンジャック211eの凹部端子212Aと係合する突起として形成されている端子(以下、この突起として形成されている端子を突起端子という)63Aを備えている。また、センサ6Bのコネクタプラグ61Bのセンサ種別判別用のピンプラグ62Beは、その先端からの距離がd2の位置に、前述したコネクタジャック21S1〜21S4のピンジャック211eの凹部212Bと係合する突起端子63Bを備えている。また、センサ6Cのコネクタプラグ61Cのセンサ種別判別用のピンプラグ62Ceは、その先端からの距離がd3の位置に、前述したコネクタジャック21S1〜21S4のピンジャック211eの凹部212Cと係合する突起端子63Cを備えている。また、センサ6Dのコネクタプラグ61Dのセンサ種別判別用のピンプラグ62Deは、その先端からの距離がd4の位置に、前述したコネクタジャック21S1〜21S4のピンジャック211eの凹部212Dと係合する突起端子63Dを備えている。
そして、コネクタプラグ61A,61B,61C,61Dのセンサ種別判別用のピンプラグ62Ae,62Be,62Ce,62Deの突起端子63A,63B,63C,63Dは、センサ6A,6B,6C,6Dにおいて、例えばアース端子に接続されている。
センサ端末2のセンサ種別判別部23Sでのセンサ種別の判別方法の一例を説明する。
センサコネクタ部21Sのコネクタジャック21S1、21S2、21S3、21S4に、センサ6A,6B,6C,6Dのコネクタプラグ61A,61B,61C,61Dのいずれも接続されていないときには、コネクタジャック21S1〜21S4のセンサ種別判別用のピンジャック211eの4個の凹部端子212A,212B,212C,212Dは、遊端となっているので高インピーダンスとなっている。
一方、センサコネクタ部21Sのコネクタジャック21S1〜21S4のいずれか、例えばコネクタジャック21S1に、センサ6A,6B,6C,6Dのコネクタプラグ61A,61B,61C,61Dのいずれか、例えばセンサ6Aのコネクタプラグ61Aが接続されたときには、接続されたコネクタプラグ61Aのセンサ種別判別用のピンプラグ62Aeの突起端子63Aが、コネクタジャック21S1のセンサ種別判別用のピンジャック211eの凹部端子212Aに嵌合して接続される。
突起端子63Aは、センサ6Aにおいてアース端子に接続されているので、センサ種別判別部23Sは、コネクタジャック21S1のセンサ種別判別用のピンジャック211eの凹部端子212Aが高インピーダンスから低インピーダンスに変化したことを検出する。なお、このインピーダンス変化を検出するために、この例においては、センサ端末2のセンサ種別判別部23Sは、コネクタジャック21S1〜21S4のピンジャック211eの4個の凹部端子212A,212B,212C,212Dのそれぞれに所定の電圧を印加しておくようにする。
以上のようにして、この例においては、センサ種別判別部23Sは、コネクタジャック21S1〜21S4のそれぞれの、センサ種別判別用のピンジャックの凹部端子212A〜212Dのいずれかが、高インピーダンスから低インピーダンスに変化することを検出することで、コネクタジャック21S1〜21S4のそれぞれにセンサ6A〜6Dのいずれかが接続されたことを検出する。そして、センサ種別判別部23Sは、そのセンサ6A〜6Dのいずれかが接続されたことを検出したコネクタジャックにおいて、4個の凹部端子212A〜212Dのいずれが高インピーダンスから低インピーダンスに変化したかを検出することで、接続されたセンサが、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dのいずれであるかを判別する。そして、センサ種別判別部23Sは、そのセンサの接続の検出出力と、接続されたセンサの種別の情報を、判別結果の情報として、制御部20に出力する。
[電源コネクタ部21P、電源種別判別部23P及び自立電源のコネクタプラグの構成例]
次に、電源コネクタ部21P及び電源種別判別部23Pの構成について、図6及び図7を参照して説明する。
電源コネクタ部21Pは、この例では、2種の自立電源7A,7Bがセンサ端末2に接続可能であるので、2個のコネクタジャック21P1,21P2を備える。この電源コネクタ部21Pの2個のコネクタジャック21P1,21P2は、同一の構成を備える。図6に、2個のコネクタジャック21P1,21P2のうちのコネクタジャック21P1の構成例を代表として示す。また、図7に、2種の自立電源7A,7Bに接続されているコネクタプラグ71A,71Bの構成例を示す。
図6及び図7から明らかなように、この実施形態では、電源コネクタ部21P及び自立電源7A,7Bのコネクタプラグ71A,71Bは、上述したセンサコネクタ部21S及び4種のセンサ6A〜6Dのコネクタプラグ61A〜61Dと近似する構成を備える。
すなわち、コネクタジャック21P1は、これに接続される自立電源7Aまたは7Bからの電源供給を受け、そして、当該接続された自立電源7Aまたは7Bとの信号のやり取りを行うため用として4個のピンジャック213a,213b,213c,213dを備える。この例では、ピンジャック213aは、自立電源7Aまたは7Bからの電源電圧の給電端子、ピンジャック213dは、負極側端子(アース端子)とされる。また、ピンジャック213bは、自立電源7Aまたは7Bからの所定のデータを受ける入力端子、ピンジャック213cは、自立電源7Aまたは7Bにコントロール信号を供給する出力端子とされている。
そして、この実施形態では、コネクタプラグ71A,71Bは、自立電源の種別毎に異なる構成の電源種別判別用のピンプラグ72Ae,72Beを備える。
この電源コネクタ部21Pにおいても、センサコネクタ部21Sと全く同様にして、ピンジャック213a、213b,213c,213d,213eは、自立電源7A、7Bのコネクタプラグ71A,71Bが備える後述の5個のプラグピンのそれぞれが、抜き差し可能に挿入嵌合されて、電気的に接続される構成とされている。そして、ピンジャック213a、213b,213c,213dのそれぞれは、同様の構造を備え、詳細な図示は省略するが、挿入されたプラグピンと内部回路とを電気的に接続するための1個の電気的接続部を備えて構成されている。
電源種別判別用のピンジャック213eは、センサコネクタ部21Sのセンサ種別判別用のピンジャック211eと同様に構成されるが、この例では、2種の自立電源7A,7Bを判別するだけでよいので、その点が考慮される。すなわち、図6に示すように、このピンジャック213eを構成する穴の内壁には、穴の底からの距離が、互いに異なる例えばd5,d6(d5≠d6)である2個の位置の凹部に、互いに電気的に非接続とされている端子(以下、この凹部に形成されている端子を凹部端子という)214A,214Bが形成されている。そして、この凹部端子214A,214Bは、電源種別判別部23Pと電気的に接続されている。
電源コネクタ部21Pの他の1個のコネクタジャック21P2は、図6に示したコネクタジャック21P1と全く同様の構造を備え、そのセンサ種別判別用のピンジャック213eの2個の凹部端子214A,214Bが、図6に示すように、電源種別判別部23Pに接続されている。
一方、2種の自立電源7A,7Bは、図7(A),(B)に示すように、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1、21P2のいずれにも挿入嵌合可能なコネクタプラグ71A,71Bをセンサ端末2への接続手段として備える。図7では、自立電源7A,7Bのそれぞれは、接続ケーブルを介してコネクタプラグ71A,71Bを接続して備える構成とされている。しかし、自立電源7A,7Bのそれぞれの筐体に、コネクタプラグ71A,71Bと同様のコネクタ部を形成するようにした構成であっても良い。
コネクタプラグ71A,71Bのそれぞれは、センサ端末2の電源コネクタ部21Pの2個のコネクタジャック21P1、21P2のいずれかの、4個のピンジャック213a、213b,213c,213dに挿入嵌合して、電気的にセンサ端末2の内部回路と接続される4本のピンプラグ72Aa〜72Ad,72Ba〜72Bdをそれぞれ備える。
これらの4本のピンプラグ72Aa〜72Ad,72Ba〜72Bdは、コネクタプラグ71A,71Bにおいて、全く同様の構成を備える。この例の場合、図示は省略するが、ピンプラグ72Aa,72Baは、自立電源7A,7Bの給電端子に接続されている。そして、ピンプラグ72Ad,72Bdは、自立電源7A,7Bのアース端子に接続されている。また、ピンプラグ72Ab,72Bbは、自立電源7A,7Bからの出力情報の出力端子に接続されている。さらに、ピンプラグ72Ac,72Bcは、自立電源7A,7Bにおいて、センサ端末2からのコントロール信号を受ける入力端子に接続されている。
コネクタプラグ71A,71Bのそれぞれは、この実施形態では、さらに、電源種別毎に異なる構成の1本の電源種別判別用のピンプラグ72Ae,72Beを備える。
この例においては、自立電源7Aのコネクタプラグ71Aの電源種別判別用のピンプラグ72Aeは、その先端からの距離がd5の位置に、前述したコネクタジャック21P1、21P2のピンジャック213eの凹部端子214Aと係合する突起端子73Aを備えている。また、自立電源7Bのコネクタプラグ71Bの電源種別判別用のピンプラグ72Beは、その先端からの距離がd6の位置に、前述したコネクタジャック21P1、21P2のピンジャック213eの凹部214Bと係合する突起端子73Bを備えている。
そして、コネクタプラグ71A,71Bの電源種別判別用のピンプラグ72Ae,72Beの突起端子73A,73Bは、自立電源7A,7Bにおいて、例えば給電端子に接続されている。
センサ端末2の電源種別判別部23Pでの電源種別の判別方法の一例を説明する。
電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1または21P2に、自立電源7Aまたは7Bのコネクタプラグ71Aまたは71Bのいずれも接続されていないときには、コネクタジャック21P1または21P2の電源種別判別用のピンジャック213eの2個の凹部端子214A,214Bは、遊端となっている。
一方、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1または21P2のいずれか、例えばコネクタジャック21P1に、自立電源7Aまたは7Bのコネクタプラグ71Aまたは71Bのいずれか、例えば自立電源7Aのコネクタプラグ71Aが接続されたときには、接続されたコネクタプラグ71Aの電源種別判別用のピンプラグ72Aeの突起端子73Aが、コネクタジャック21P1の電源種別判別用のピンジャック213eの凹部端子214Aに嵌合して接続される。
突起端子73Aは、自立電源7Aにおいて給電端子に接続されているので、電源種別判別部23Pは、コネクタジャック21P1の電源種別判別用のピンジャック213eの凹部端子214Aに給電電圧が現れたことを検出する。
以上のようにして、この例においては、電源種別判別部23Pは、コネクタジャック21P1または21P2のそれぞれの、電源種別判別用のピンジャック213eの凹部端子214Aまたは214Bのいずれかに給電電圧が現れたことを検出することで、コネクタジャック21P1、21P2に、自立電源7Aまたは7Bのいずれかが接続されたことを検出する。そして、電源種別判別部23Pは、その自立電源7Aまたは自立電源7Bのいずれかが接続されたことを検出したコネクタジャック21P1または21P2において、2個の凹部端子214Aまたは214Bのいずれに給電電圧が現れたかを検出することで、接続された自立電源が、2種の自立電源7Aまたは7Bのいずれであるかを判別する。そして、電源種別判別部23Pは、その自立電源7Aまたは7Bの接続の検出出力と、接続された自立電源7Aまたは7Bの種別の情報を、判別結果の情報として、制御部20に出力する。
[センサインターフェース22S及び電源インターフェース22Pの構成例]
図8は、センサインターフェース22S及び電源インターフェース22Pの回路構成例を示す図である。
センサインターフェース22Sは、センサ動作制御回路221Sと信号処理回路222Sとからなる。センサ動作制御回路221Sは、この例では、4個のスイッチ回路221S1,221S2,221S3,221S4からなる。スイッチ回路221S1,221S2,221S3,221S4のそれぞれは、4個のスイッチ素子で構成されている。また、信号処理回路222Sは、この例では、4個の電圧・電流変換回路222S1,222S2,222S3,222S4からなる。
そして、図8に示すように、センサコネクタ部21Sの4個のコネクタジャック21S1,21S2,21S3,21S4のそれぞれは、スイッチ回路221S1,221S2,221S3,221S4のそれぞれを介して信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1,222S2,222S3,222S4のそれぞれに接続される。この場合、コネクタジャック21S1〜21S4のそれぞれのセンサの種別判別用コネクタジャック211eを除く4個のピンジャック211a,211b,211c,211dのそれぞれが、スイッチ回路221S1,221S2,221S3,221S4のそれぞれを構成する4個のスイッチ素子のそれぞれを介して、信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1,222S2,222S3,222S4のそれぞれに接続される。
センサ動作制御回路221Sのスイッチ回路221S1,221S2,221S3,221S4のそれぞれは、制御部20からのスイッチ制御信号SWsにより、独立に制御することが可能に構成されている。また、スイッチ回路221S1,221S2,221S3,221S4のそれぞれを構成する4個のスイッチ素子も、互いに独立に、制御部20からのスイッチ制御信号SWsにより、オンオフ制御することが可能に構成されている。なお、アース端子に接続されるピンジャック211dは、常にオンの状態とされていても良い。
制御部20は、センサ種別判別部23Sからの判別結果を受けて、4個のコネクタジャック21S1,21S2,21S3,21S4のうちの、いずれかの種別のセンサが接続されたコネクタジャックを認識し、そのセンサ接続を認識したコネクタジャックが接続されているスイッチ回路221S1,221S2,221S3または221S4のみをオンオフ制御する。そして、制御部20は、後述するように、センサ種別に応じたセンシングデータの取り込みスケジュール及び無線送信スケジュールに応じて、そのセンサ接続を認識したコネクタジャックが接続されているスイッチ回路221S1,221S2,221S3または221S4のみを、スイッチ制御信号SWsによりオンオフ制御する。
信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1〜222S4のそれぞれは、センサコネクタ部21Sのコネクタジャック21S1〜21S4のそれぞれに接続されたセンサと、制御部20との間での信号のやり取りを行うために、電圧・電流変換を行う。また、この実施形態では、センサ端末2に接続されるセンサ6A〜6Dは、センシングデータをアナログ信号として出力するタイプと、デジタル信号として出力するタイプの、いずれのタイプのものも接続可能としている。
このため、信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1〜222S4のそれぞれは、アナログ信号のセンシングデータは、デジタル信号に変換して制御部20に供給する機能と、デジタル信号のセンシングデータは、そのまま制御部20に供給する機能を備える。
そして、制御部20は、センサコネクタ部21Sのコネクタジャック21S1〜21S4に接続されたセンサが、センシングデータをアナログ信号として出力するタイプと、デジタル信号として出力するタイプのいずれであるかを、センサ種別判別部23Sの判別結果と、後述するようにセンサ情報記憶部24Sに格納されているセンサ6A〜6Dについてのセンサ情報とに基づいて認定するようにする。そして、その認定結果に基づいて、制御部20は、制御信号CTLsを生成し、その制御信号CTLsを信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1〜222S4に供給する。
信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1〜222S4は、この制御部20からの制御信号CTLsに基づき、センシングデータがデジタル信号か、アナログ信号かに応じた処理機能を切り替えるように構成されている。
なお、制御部20からセンサインターフェース22Sを通じてセンサにコントロール信号を供給する場合においても、センサがコントロール信号をアナログ信号として受け取るのか、デジタル信号として受け取るかに応じて、信号処理回路222Sの電圧・電流変換回路222S1〜222S4は、制御部20からの制御信号CTLsに基づき信号処理が切り替えられる。
電源インターフェース22Pは、同様に、自立電源動作制御回路221Pと、電圧・電流変換回路222Pからなる。自立電源動作制御回路221Pは、この例では、2個のスイッチ回路221P1,221P2からなる。スイッチ回路221P1,221P2のそれぞれは、前述したスイッチ回路221S1〜221S4と全く同様に、4個のスイッチ素子で構成されている。また、信号処理回路222Pは、この例では、2個の電圧・電流変換回路222P1,222P2からなる。
そして、図8に示すように、電源コネクタ部21Pの2個のコネクタジャック21P1,21P2のそれぞれは、スイッチ回路221P1,221P2のそれぞれを介して信号処理回路222Pの電圧・電流変換回路222P1,222P2のそれぞれに接続される。この場合、コネクタジャック21P1、21P2のそれぞれの自立電源の種別判別用コネクタジャック213eを除く4個のピンジャック213a,213b,213c,213dのそれぞれが、スイッチ回路221P1,221P2のそれぞれを構成する4個のスイッチ素子のそれぞれを介して、信号処理回路222Pの電圧・電流変換回路222P1,222P2のそれぞれに接続される。
自立電源動作制御回路221Pのスイッチ回路221P1,221P2のそれぞれは、制御部20からのスイッチ制御信号SWpにより、独立に制御される。また、スイッチ回路221P1,221P2のそれぞれを構成する4個のスイッチ素子は、互いに独立して、制御部20からのスイッチ制御信号SWpにより、オンオフ制御される。なお、スイッチ回路221P1,221P2は、電源コネクタ部21Pの対応するコネクタジャックに自立電源が接続されていない初期状態では、全てオンとされている。
制御部20は、電源種別判別部23Pからの判別結果を受けて、2個のコネクタジャック21P1,21P2のうちの、いずれかの種別の自立電源が接続されたコネクタジャックを認識し、その自立電源の接続を認識したコネクタジャックが接続されているスイッチ回路221P1,221P2のみをオンオフ制御する。
この場合、制御部20は、自立電源の接続を、電源種別判別部23Pからの判別結果に基づいて認識すると、その自立電源の接続が認識されたコネクタジャックに接続されているスイッチ回路221P1、221P2の4個のスイッチ素子を全てオンとするようにする。
その後、制御部20は、後述するように、自立電源についての電源マネージメント機能にしたがって、例えば接続されている自立電源の電源電圧が低下するなどした場合に、スイッチ回路221P1、221P2のピンジャック213a及び213dに接続されているスイッチ素子をオフとして、その自立電源を充電させるように制御する。
信号処理回路222Pの電圧・電流変換回路222P1及び222P2のそれぞれは、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1、21P2のそれぞれに接続された自立電源と、制御部20との間での信号のやり取りを行うために、電圧・電流変換を行う。また、この実施形態では、信号処理回路222Pの電圧・電流変換回路222P1及び222P2のそれぞれは、センサ端末2と、これに接続される自立電源7A、7Bとの間でやり取りする信号を、アナログ信号の状態で扱うタイプと、デジタル信号の状態で扱うタイプの、いずれであるかに応じて、信号処理を切り替える機能を備える。
制御部20は、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1、21P2に接続された自立電源が、信号のやり取りをアナログ信号とするタイプと、デジタル信号とするタイプのいずれであるかを、電源種別判別部23Pの判別結果と、後述するように自立電源情報記憶部24Pに格納されている自立電源7A、7Bについての自立電源情報とに基づいて認定するようにする。そして、その認定結果に基づいて、制御部20は、制御信号CTLpを生成し、その制御信号CTLpを信号処理回路222Pの電圧・電流変換回路222P1、222P2に供給する。
信号処理回路222Pの電圧・電流変換回路222P1、222P2は、この制御部20からの制御信号CTLpに基づき、やり取りする信号について、デジタル信号処理か、アナログ信号処理かを切り替えるようにする。
なお、前述した充電電圧値に応じたスイッチ回路の制御処理も、電源種別判別部23Pの判別結果と、自立電源情報記憶部24Pに格納されている自立電源7A、7Bについての自立電源情報とに基づいて認定した結果に応じて行うものである。
[センサ情報記憶部24Sの記憶情報]
センサ情報記憶部24Sには、この例では上記の4種のセンサ6A,6B,6C,6Dのそれぞれのセンサ情報が格納されている。このセンサ情報記憶部24Sに格納されるセンサ情報には、少なくとも、センサ6A,6B,6C,6Dのそれぞれについて、それぞれのセンサからのセンシングデータの取り込み及び取り込んだセンシングデータの無線送信を実行するためのスケジュール情報を生成するための条件情報を含む。
この例においては、スケジュール情報には、間欠的なセンシングデータの取り込みや無線送信を行う周期を定める情報と、各回の取り込み時のシーケンスや無線送信のシーケンスの情報を含む。
図9に、この実施形態の場合におけるセンサ情報記憶部24Sに記憶されるセンサ情報の例を示す。この実施形態では、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dに関するセンサ情報として、図9で、最左欄に示すような情報が記憶される。これらの情報の全てが、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dのそれぞれについて記憶される必要はなく、センサ種別に応じて記憶する必要の無い情報もある。
図10に示すセンサの構成例と、図11のセンシングデータの一例とを参照しながら、図9のセンサ情報のそれぞれについて説明する。なお、図10のセンサの構成例は、4種のセンサ6A,6B,6C,6Dで、同一となる基本的な機能からなる構成の例を示すものである。便宜上、図10では、センサ6Aについての構成例として示してある。以下の説明では、図10のセンサ6Aの構成例の各部を参照してセンサ情報の説明をするが、他のセンサ6B〜6Dについても、全く同様であることは言うまでも無い。
図10に示すように、この例のセンサ6Aは、検知対象を検知する検知部601と、検知部601で検知したデータを増幅して、センシングデータとして出力する増幅回路602と、検知部601を制御する制御部603とからなる。当該センサ6Aがセンサ端末2に接続されたときに、ピンプラグ62Aaとピンプラグ62Adとの間にセンサ端末2から電源電圧Vccが供給され、当該電源電圧Vccが、検知部601、増幅回路602及び制御部603に供給される。そして、増幅回路602からのセンシングデータがピンプラグ62Abに供給され、また、ピンプラグ62Acにセンサ端末2から入力されるコントロール信号が制御部603に供給される構成となっている。
図11は、検知部601で検知される検知電圧Vdの、センサ6Aに電源が投入されてからの波形変化の一例を示す図である。
図9において、センサ情報のうち、「動作電源電圧」は、そのセンサが動作可能となる電源電圧の値である。「動作時電流」は、当該動作電源電圧における動作時電流である。センサ端末2は、図示は省略するが、センサに電源電圧を供給して、作動させているときの動作時電流を監視する回路を備えると共に、「動作時電流」に比較して異常に大きい電流が流れたときには、センサインターフェース21Sの動作制御回路211Sのスイッチ回路を制御して、ピンプラグ62Aaとピンプラグ62Adとの間の電源電圧の供給を停止する過電流防止回路を備えている。
「計測頻度(間隔)」は、この例では、センサからセンシングデータを取り込んで、当該取り込んだセンシングデータを無線送信する頻度の情報である。センサからのセンシングデータの取り込みと、取り込んだセンシングデータの無線送信とを全く独立に実行することも可能であるが、この例では、センサからのセンシングデータの取り込みから、その無線送信までの一連のシーケンスを、この「計測頻度(間隔)」で定められるタイミング毎に実行する。この「計測頻度(間隔)」の情報としては、この例では、センサの種別毎に「間欠周期(間欠的に計測行われる周期)ddに1回計測」として定義されている。
なお、この「計測頻度(間隔)」は、センサを通常の状態で使用する場合の情報(通常時計測頻度という)であるが、この実施形態では、後述するように、「イベント発生時の計測頻度」の情報もセンサ情報として記憶される。
「送信時間」は、センシングデータの無線送信を実行する時間を特定する情報である。この例では、この「送信時間」の情報は、間欠的なセンサの動作開始時点(電源供給開始時点)を基準にした無線送信の開示時刻tsと、無線送信の開始から送信が完了するまでの時間teとからなる。
「出力データ種類」は、センシングデータをアナログ信号の状態で出力するか、デジタル信号の状態で出力するかの情報である。
「待機必要時間」は、図11に示すように、検知部601の検知電圧値が、センサに電源が投入されてから安定するまでの時間p1の情報である。この待機必要時間p1の間の検知部601の検知電圧値は、図11に示すように、センシングデータとしては不安定な値であり、不正確な情報となっているので、計測から排除される。
「1回の計測におけるサンプリング間隔」は、検知部601における検知電圧値のサンプリング間隔dの情報である。この「1回の計測におけるサンプリング間隔」は、図11に示すように、サンプリング周期dで定義される。センサ6Aは、図11に示すように例えば3回のサンプリングを行う場合には、その3回のサンプリング値の平均値を、センシングデータとしてセンサ端末2に出力する。
「1回の計測における動作時間」は、センサ6Aにおけるセンシングデータの取り込みを完了するまでに必要な時間Δの情報である。図11に示すように、センサ端末2から、センサ6Aに電源が供給されてから、この「1回の計測における動作時間」の時間Δだけ経過すると、センサ端末2からのセンサ6Aへの電源の供給が停止されるように定められる。
「優先度ランク」は、他のセンサと動作タイミングが重なったときに、いずれを優先するかの優先度を決定するための情報である。例えば、優先度A>優先度B>優先度C・・・と定められている。
「入力端子への入力の有無」は、制御部603がピンプラグ62Acを通じたセンサ端末2からのコントロール信号の入力信号を受け付ける機能を有するか否かの情報であり、この情報が「入力有」であれば、制御部603は、コントロール信号を受け付ける機能を有していることを示し、「入力無」であれば、制御部603は、コントロール信号を受け付ける機能を有していないことを示している。
「入力端子への入力電圧値」は、「入力端子への入力の有無」が「入力有」である場合におけるコントロール信号の電圧値を示す情報である。また、「入力端子への電圧入力時間」は、「入力端子への入力の有無」が「入力有」である場合におけるコントロール信号電圧を受け付ける時間期間の情報である。この「入力端子への電圧入力時間」の情報は、間欠的なセンサの動作開始時点(電源供給開始時点)を基準にした入力端子への電圧供給開始時刻q1と、当該電圧供給開始時刻q1から、電圧供給により駆動される対象の処理が完了するまでの時間q2とからなる。
「イベント発生時の計測頻度」は、当該センサに対して定義されているイベントが発生した場合における計測頻度の情報、すなわち、この例の場合にはセンサからのセンシングデータの取り込み及び無線送信の頻度の情報である。例えば、センサ6Cの炭酸ガス濃度センサにより検出された炭酸ガス濃度が所定値を超える変化をしたイベントが発生したときには、センサ6Bの赤外線アレーセンサによる温度の計測頻度を、当該イベント発生時点で実行すると共に、イベント発生中は、上述の通常時計測頻度よりも多頻度とされる。この「イベント発生時の計測頻度」は、図9の例では、通常時計測頻度である「計測頻度」を基準として、その倍数により表される。すなわち、センサ6Bについて、「5倍」とされていることは、計測頻度が「300秒に1回計測」のところ、「300秒に5回計測」つまり「60秒に1回計測」されることを意味する。
「関連センサ種別」は、当該センサに対して定義されているイベントが発生したか否かの検出に用いられる関連するセンサ種別の情報である。上述の例であれば、赤外線アレーセンサに対して、炭酸ガス濃度センサが関連センサ種別とされる。
以上説明したセンサ情報記憶部24Sのセンサ情報は、この例では、情報入力端子25を通じて、予め、外部から入力されて記憶される。この際、情報入力端子25に接続されたセンサ情報供給装置(例えばパソコンなど。図示せず)は、まず、情報入力端子25を通じて制御部20にセンサ情報の書き込み要求を送る。そして、センサ情報供給装置は、制御部20からのセンサ情報の書き込み許可を待ち、書き込み許可を受けたら、情報入力端子25を通じて、センサ情報記憶部24Sにセンサ情報を供給する。制御部20は、情報入力端子25から受けたセンサ情報を、センサ情報記憶部24Sに書き込むように制御する。
この場合に、操作者は、センサ端末2毎に、そのセンサコネクタ部21Sに接続を予定しているセンサ種別を定めておき、その定めた種別のセンサのセンサ情報を、センサ情報供給装置から、それぞれのセンサ端末2に供給して、記憶させるようにする。なお、センサ情報記憶部24Sにセンサ情報を記憶するセンサ種別の数は、センサコネクタ部21Sに接続を予定しているセンサ種別の数であり、センサコネクタ部21Sのコネクタジャックの数と同数とする必要はなく、コネクタジャックの数よりも少なくても、また、多くても良い。
[自立電源情報記憶部24Pの記憶情報]
自立電源情報記憶部24Pには、上記の2種の自立電源7A,7Bのそれぞれの自立電源情報が格納されている。この自立電源情報記憶部24Pに格納される自立電源情報には、少なくとも、センサ端末2の制御部20が、電源制御及び電源電圧管理(電源マネージメント)を行うために必要な条件情報を含む。
図12に、この実施形態の場合の自立電源情報記憶部24Pに記憶される自立電源情報の例を示す。この実施形態では、2種の自立電源7A,7Bのそれぞれに関する自立電源情報として、図12で、最左欄に示すような情報が記憶される。これらの情報の全てが、2種の自立電源7A,7Bのそれぞれについて記憶される必要はなく、自立電源種別に応じて記憶する必要の無い情報もある。
図13に示す自立電源の構成例を参照しながら、図12の自立電源情報のそれぞれについて説明する。なお、図13の自立電源の構成例は、2種の自立電源7A,7Bで、同一となる基本的な機能からなる構成例を示すものである。便宜上、図13では、自立電源7Bについての構成例として示してある。以下の説明では、この図13の自立電源7Bの構成例の各部を用いて自立電源情報を説明するが、他の自立電源7Aについても、全く同様であることは言うまでも無い。
すなわち、図13に示すように、この例の自立電源7Bは、発電回路701と、DC/DC変換回路702と、蓄電回路703とから構成される。
発電回路701は、この自立電源7Bが振動発電モジュールを用いるものであるので、振動から発電を行う。なお、太陽電池を用いる自立電源7Aの場合には、発電回路701は、太陽光や室内光(蛍光灯などの光)により発電を行う。
そして、この発電回路701の発生電圧は、DC/DC変換回路702を介して所定の閾値以上の電圧のみが蓄電回路703に供給されて蓄電され、その蓄電電圧が、コネクタプラグ71Bのピンプラグ72Baを通じて、供給電圧としてセンサ端末2に供給される。
なお、コネクタプラグ71Bのピンプラグ72Bdは、前述したように、自立電源7Bのアース端子(GND)に接続されている。
そして、この自立電源7Bの発電回路701は、発電を行っている振動の加速度(g)と、発電回路701の共振回路の共振周波数(振動周波数)の情報とを、出力信号として、コネクタプラグ71Bのピンプラグ72Bbを通じてセンサ端末2に供給する。なお、太陽電池を用いる自立電源7Aの場合の発電回路701は、発電を行っている際の光の照度の情報を、出力信号として、コネクタプラグ71Bのピンプラグ72Bbを通じてセンサ端末2に供給する。
そして、この自立電源7Bの場合には、センサ端末2は、自立電源7Bからの情報から、共振回路の最適パラメータを計算して、ピンプラグ72Bcを通じて発電回路701に供給する。
図12の自立電源情報の「フル充電での供給電圧」は、蓄電回路703の出力電圧値である。「供給電圧限界値」は、蓄電回路703で、供給電圧をセンサ端末2に出力することなく、蓄電動作をする必要がある電圧値である。また、「蓄電デバイスリーク特性」は、蓄電回路703における単位時間当たりの漏洩電流の値である。
また、「発電特性」は、太陽電池方式の自立電源7Aの場合には、単位照度(lux)当たりの発電量(μW)で現され、振動方式の自立電源7Bの場合には、単位加速度(g)当たりの発電量(μW)で現される。「放電特性」は、蓄電回路703の放電特性(μC/V;Cは電荷、Vは使用電圧)である。
また、「出力端子の定義」は、出力端子(例えばピンプラグ72Bb)を通じてセンサ端末2に供給する出力信号が何であるかを示す情報である。すなわち、太陽電池を用いる自立電源7Aの場合には、発電回路701からの照度(lux)の情報であり、振動発電の自立電源7Bの場合には、発電回路701からの加速度及び振動周波数の情報である。
また、「入力端子の定義」は、入力端子(例えばピンプラグ72Bc)を通じて入力される入力信号が何であるかを示している。図12の例では、上述したように、振動発電の自立電源7Bの場合に、この「入力端子の定義」は、共振回路の最適パラメータとされている。なお、この例では、太陽電池を用いる自立電源7Aについては、コントロール信号の入力は存在せず、この「入力端子の定義」の欄は、空欄となる。
以上説明した自立電源情報記憶部24Pの自立電源情報は、この例では、情報入力端子25を通じて、予め、外部から入力されて記憶される。この際、情報入力端子25に接続された自立電源情報供給装置(例えばパソコンなど。図示せず)は、まず、情報入力端子25を通じて制御部20に自立電源情報の書き込み要求を送る。そして、自立電源情報供給装置は、制御部20からの自立電源情報の書き込み許可を待ち、書き込み許可を受けたら、情報入力端子25を通じて、自立電源情報記憶部24Pに自立電源情報を供給する。制御部20は、情報入力端子25から受けた自立電源情報を、自立電源情報記憶部24Pに書き込むように制御する。
この場合に、操作者は、センサ端末2毎に、その電源コネクタ部21Pに接続を予定している自立電源の種別を定めておき、その定めた種別の自立電源の自立電源情報を、自立電源情報供給装置から、それぞれのセンサ端末2に供給して、記憶させるようにする。なお、自立電源情報記憶部24Pに自立電源情報を記憶する自立電源の種別の数は、電源コネクタ部21Pに接続を予定している自立電源の種別の数であり、電源コネクタ部21Pのコネクタジャックの数と同数とする必要はなく、コネクタジャックの数よりも少なくても、また、多くても良い。
[電源回路26について]
電源インターフェース22Pの2個の電圧・電流変換回路222P1及び222P2の供給電圧出力端子は、電源回路26にそれぞれ接続され、また、2個の電圧・電流変換回路222P1及び222P2の信号出力端子及び信号入力端子は、制御部20に接続されている。
そして、電源回路26は、電源インターフェース22Pの2個の電圧・電流変換回路222P1及び222P2からの供給電圧のそれぞれについて、センサ端末2の電源電圧Vccを生成して、センサ端末2の各部に供給する2系統の回路部を備える。電源回路26は、その2系統の回路部のうちの、いずれで生成された電源電圧をセンサ端末2の電源電圧(主電源)とするかの選択回路(図示は省略)を備える。ただし、電源コネクタ部21Pに自立電源7A,7Bのいずれも接続されていないときには、すなわち、センサ端末2に電源が投入されていない状態では、電源回路26は、上記の2系統の回路部のどちらで生成された電源電圧も有効となるように選択回路が設定されている。そして、所定電圧値以上の蓄電電圧を発生している自立電源がセンサ端末2に接続されると、その自立電源からの供給電圧を電源電圧として、センサ端末2は、即座に動作することができるように構成されている。
ここで、主電源とは、供給電圧が「供給電圧限界値」より大きく、「発電電圧値及び照度」や「発電電圧値及び加速度」の情報から、安定した供給電圧が得られている自立電源である。2種の自立電源が電源コネクタ部21Pに接続されていて、その2種の自立電源の両方ともが主電源としての条件を満足するときには、2種の自立電源のうちで、予め定められた優先順位が高い方が主電源とされる。後述する補助電源は、上記の主電源の条件を満足していないか、あるいは上記の主電源の条件を満足しているが、予め定められた優先順位が低い自立電源である。
制御部20は、電源回路26を制御して、電源制御及び電源電圧管理を行うための電源マネージメント機能部201を備える。電源マネージメント機能部201は、電源回路26の上記選択回路の選択制御信号を供給する。
前述したように、電源インターフェース221Pのスイッチ回路221P1,221P2は、電源コネクタ部21Pの対応するコネクタジャック21P1,21P2に自立電源が接続されていない初期状態では、全てオンとされている。したがって、電源コネクタ部21Pに自立電源7A,7Bのいずれかが接続されると、当該自立電源の発電電圧値が所定値以上であれば、2個の電圧・電流変換回路222P1及び222P2のうち、その接続された方の電圧・電流変換回路からの供給電圧により、電源回路26は、電源電圧Vccを生成して、各部に供給する。これにより、センサ端末2は、動作可能状態になる。
センサ端末2では、この動作可能状態においては、電源種別判別部23Pは、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1または21P2に、自立電源7Aまたは7Bが接続されたことを検知すると共に、接続された自立電源が、自立電源7Aまたは7Bのいずれであるかを判別し、その判別結果を制御部20の電源マネージメント機能部201に供給する。
制御部20の電源マネージメント機能部201は、この電源種別判別部23Pからの判別結果に基づいて、電源コネクタ部21Pに接続された自立電源についての電源マネージメント処理を開始する。
この電源マネージメント機能部201での電源マネージメント処理について、図14、図15、図16のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
制御部20の電源マネージメント機能部201は、電源種別判別部23Pからの判別結果を監視して、電源コネクタ部21Pに自立電源7Aまたは7Bが接続されたか否か判別する(ステップS101)。このステップS101で、電源コネクタ部21Pに自立電源7Aまたは7Bが接続されたと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、電源種別判別部23Pからの判別結果に基づいて、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1または21P2のいずれに自立電源が接続されたかを認識すると共に、その接続された自立電源の種別を認識する(ステップS102)。
そして、電源マネージメント機能部201は、電源コネクタ部21Pには、既に他の自立電源が接続されており、それが既に主電源として登録されているか否か判別する(ステップS103)。このステップS103で、既に主電源として登録された他の自立電源は存在していないと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、今回接続された自立電源の電源種別を、接続されたコネクタジャックと関連付けてメモリに、主電源として登録する(ステップS104)。
また、ステップS103で、既に主電源として他の自立電源が登録されていると判別したときには、電源マネージメント機能部201は、今回接続された自立電源の方が優先度の高い自立電源であるか否か判別する(ステップS105)。このステップS105で、今回接続された自立電源の方が優先度の高いと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、それまでに主電源とされていた自立電源の電源種別を、接続されたコネクタジャックと関連付けて補助電源として登録し、今回接続した自立電源の電源種別を、接続されたコネクタジャックと関連付けて主電源として登録する(ステップS106)。
また、ステップS105で、今回接続された自立電源の方が優先度の低いと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、今回接続した自立電源の電源種別を、接続されたコネクタジャックと関連付けて補助電源として登録する(ステップS107)。
そして、ステップS104、ステップS106またはステップS107の後には、電源マネージメント機能部201は、自立電源情報記憶部24Pに記憶されている主電源とされている自立電源の自立電源情報と、当該自立電源からの情報とに基づいて、当該自立電源が主電源として維持することができるかどうかを判定するための演算を実行し(図15のステップS111)、その演算の結果により、主電源として登録されている自立電源が、主電源として維持できるか否か判別する(ステップS112)。そして、電源マネージメント機能部201は、ステップS112で、主電源として登録されている自立電源が、主電源として維持できると判別したときには、処理をステップS111に戻し、このステップS111及びステップS112の処理を繰り返す。
ステップS112で、主電源として登録されている自立電源が、主電源として維持できなくなったと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、他の自立電源が補助電源として登録されているか否か判別する(ステップS113)。
電源マネージメント機能部201は、このステップS113で、他の自立電源が補助電源として登録されていると判別したときには、補助電源として登録されている自立電源が接続されている電源インターフェースのスイッチ回路をオンとする(ステップS114)。そして、電源マネージメント機能部201は、主電源として登録されていた自立電源を補助電源に登録変更し、補助電源として登録されていた自立電源を主電源に登録変更する(ステップS115)。そして、補助電源に登録を変更した自立電源が接続されている電源インターフェースのスイッチ回路をオフとする(ステップS116)。そして、電源マネージメント機能部201は、処理をステップS116からステップS111に戻し、このステップS111以降の処理を繰り返す。
また、電源マネージメント機能部201は、このステップS113で、他の自立電源が補助電源として登録されてはいないと判別したときには、主電源として登録されていた自立電源を補助電源に登録変更し(ステップS117)、当該補助電源に登録を変更した自立電源が接続されている電源インターフェースのスイッチ回路をオフとする(ステップS118)。そして、電源マネージメント機能部201は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS101で、電源コネクタ部21Pに自立電源7Aまたは7Bが接続されてはいないと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、主電源が登録されているか否か判別する(図16のステップS121)。そして、電源マネージメント機能部201は、ステップS121で、主電源が登録されていると判別したときには、ステップS111に飛んで、このステップS111以降の処理を繰り返す。
また、ステップS121で、主電源は登録されていないと判別したときには、補助電源が登録されているか否か判別する(ステップS122)。そして、このステップS122で登録された補助電源はないと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。
また、ステップS122で、補助電源が登録されていると判別したときには、電源マネージメント機能部201は、自立電源情報記憶部24Pから、補助電源として登録されている自立電源の自立電源情報を読み出し(ステップS123)、当該補助電源として登録されている自立電源が主電源として維持することができる条件を満足しているかどうかの判定をするための演算を実行する(ステップS124)。
そして、ステップS124で、演算の結果、補助電源として登録されている自立電源が主電源として維持することができる条件を満足してはいないと判別したときには、電源マネージメント機能部201は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。
また、ステップS124で、演算の結果、補助電源として登録されている自立電源が主電源として維持することができる条件を満足していると判別したときには、電源マネージメント機能部201は、当該自立電源を補助電源から主電源に登録を変更し(ステップS126)、その後、処理をステップS111にジャンプさせ、このステップS111以降の処理を繰り返す。
上述の図15のステップS111の演算を行う処理の手順は、電源コネクタ部21Pに接続された自立電源の種別によって異なる。その処理手順は、それぞれの自立電源が接続されたときに、その接続された自立電源の種別に応じた処理手順(電源チェックスケジュール)として定められる。そして、この実施形態では、その処理手順は、電源コネクタ部21Pの、自立電源が接続されたコネクタジャックと、当該自立電源の種別とに対応つけられて、スケジュール情報記憶部27に記憶される。
スケジュール情報記憶部27に記憶されているステップS111の処理は、主電源とされた自立電源が太陽電池方式の自立電源7Aである場合には、図17に示すような処理手順で実行されるようにスケジュール登録され、主電源とされた自立電源が振動発電方式の自立電源7Bである場合には、図18に示すような処理手順で実行されるようにスケジュール登録されるものである。
自立電源が太陽電池方式の自立電源7Aである場合のスケジュール情報を、図17のフローチャートに示す処理手順として説明する。
電源マネージメント機能部201は、主電源として登録されている自立電源の種別情報(電源種別判別部23Pからの判別情報に基づいて生成された情報)を用いて、自立電源情報記憶部24Pから、主電源の自立電源7Aの自立電源情報を読み出す(ステップS131)。すなわち、太陽電池方式の自立電源7Aについて、図12に示すように、「フル充電での供給電圧」、「供給電圧限界値」、「蓄電デバイスリーク特性」、「発電特性」及び「放電特性」の情報を読み込む。この自立電源情報は、主電源として登録されている自立電源7Aが変更されない間は、一度、自立電源情報記憶部24Pから読み出してバッファメモリに書き込んだら、そのバッファメモリの情報を、その後は、用いるようにすることができる。その場合には、このステップS111の処理の2度目以降においては、ステップS131における自立電源情報記憶部24Pからの読み出し処理は省略することができる。
次に、電源マネージメント機能部201は、自立電源7Aの出力信号である照度の情報を読み込む(ステップS132)。次に、電源マネージメント機能部201は、自立電源7Aからの供給電圧の値を検知する(ステップS133)。
次に、電源マネージメント機能部201は、ステップS131で読み込んだ自立電源情報と、ステップS132及びステップS133で取得した自立電源7Aからの情報とを用いて、当該自立電源7Aについて、蓄電回路703における蓄電の残量を計算する(ステップS134)。
そして、電源マネージメント機能部201は、計算した蓄電の残量の自立電源7Aにより、センサ端末2の内部回路、センサコネクタ部21Sに接続されているセンサの駆動、無線送信動作が可能であるか否か判別し、その判別結果を生成する(ステップS135)。前述したステップS112は、この判別結果に基づき、前述した判別処理を行う。以上で、ステップS111の処理を終了する。
次に、自立電源が振動発電方式の自立電源7Bである場合のスケジュール情報を、図18のフローチャートに示す処理手順として説明する。
電源マネージメント機能部201は、主電源として登録されている自立電源の種別情報を用いて、自立電源情報記憶部24Pから、ステップS131と同様にして、主電源の自立電源7Bの自立電源情報を読み出す(ステップS141)。
次に、電源マネージメント機能部201は、自立電源7Bの出力信号の加速度および振動周波数の情報を読み込む(ステップS142)。次に、電源マネージメント機能部201は、自立電源7Bからの供給電圧の値を検知する(ステップS143)。
次に、電源マネージメント機能部201は、ステップS142で取得した加速度および振動周波数の情報及びステップS143で検知した自立電源7Bからの供給電圧の値に基づき、自立電源7Bの発電回路701の共振回路の最適パラメータを計算し、自立電源7Bに供給する(ステップS144)。
次に、電源マネージメント機能部201は、ステップS141で読み込んだ自立電源情報と、ステップS142及びステップS143で取得した自立電源7Aからの情報と、ステップS144で計算した最適パラメータを用いて、当該自立電源7Bについて、蓄電回路703における蓄電の残量を計算する(ステップS145)。
そして、電源マネージメント機能部201は、計算した蓄電の残量の自立電源7Bにより、センサ端末2の内部回路、センサコネクタ部21Sに接続されているセンサの駆動、無線送信動作が可能であるか否か判別し、その判別結果を生成する(ステップS146)。前述したステップS112は、この判別結果に基づき、前述した判別処理を行う。以上で、ステップS111の処理を終了する。
以上のようにして、この実施形態のセンサ端末2は、発電方式が異なる複数種の自立電源のいずれか一つを、主電源としての条件を満足する蓄電状態で、センサ端末2に接続するだけで、接続された自立電源の種別に応じた設定を行わなくても、自動的に、センサ端末2に電源が投入されて、動作を開始する。そして、接続された自立電源について、主電源として維持することができるかどうかの管理も、自動的に、当該自立電源の種別に応じて実行される。すなわち、センサ端末2に対して、電源として用いられる複数種の自立電源の電源マネージメントについて、いわゆるプラグアンドプレイを実現することができる。
そして、上述の実施形態によれば、発電方式が異なる複数種の自立電源をセンサ端末2に同時に接続することが可能であり、その接続した複数種の自立電源のひとつを主電源として登録し、他を補助電源として登録すると共に、センサ端末2は、主電源と補助電源とを、その蓄電電圧を監視しながら適宜切り替えて使用するように電源マネージメント制御をすることができる。
したがって、例えば、昼間は、太陽電池方式の自立電源を主電源として用いて、センサ端末2に電源を供給し、夜は、昼間に他の発電方式により充電及び蓄電した他の自立電源を主電源に切り替えるようにすることで、周囲環境変化に応じた電源給電を、センサ端末2において自立電源について何等の設定をすることなく、自動的にできる。しかも、主電源及び補助電源の手動設定の必要は無く、自立電源を電源コネクタ部21Pに接続するだけで、電源に関し、いわゆるプラグアンドプレイで、電源マネージメントを実現することができる。
なお、上述の実施形態の説明では、同時に接続される自立電源は、2個としたので、その一方を主電源とし、他方を補助電源とするようにしたが、同時に接続される自立電源の数は、3個以上であってもよい。3個以上の自立電源がセンサ端末に接続される場合には、その一つを主電源として登録し、他は補助電源として登録するようにする。このように3個以上の自立電源がセンサ端末に接続される場合には、その複数個の自立電源の全てが異なる種別の自立電源である必要は無く、同じ種別の自立電源が複数個、接続されても良い。
なお、上述の例では、電源マネージメント機能部201は、主電源として自立電源が維持できなくなったときには、当該自立電源からの給電をオフとするようにしたが、主電源として使用している自立電源の発電電圧値が、主電源の条件は満足してはいるものの、低下したときには、後述する計測間隔を、予め設定したものよりも長くして、自立電源の放電を少なくすると共に、蓄電時間をより長くするように制御するようにしても良い。
[スケジュール情報記憶部27、スケジュール生成機能部202及びスケジュール実行機能部203]
制御部20は、センサ6A〜6Dの種別に応じて定められた適宜のそれぞれのタイミングで、各センサ6A〜6Dのセンシングデータを取り込み、その取り込んだセンシングデータを、センサ6A〜6Dの種別に応じて定められた周期で間欠的にそれぞれ送信するように制御する。すなわち、この実施形態では、制御部20は、センサ6A〜6Dの種別に応じたタイミングで各センサ6A〜6Dの起動、停止及びセンシングデータの取り込みの制御を行うと共に、センサ6A〜6Dの種別に応じた間欠周期でのセンシングデータの無線送信の起動、停止及びセンシングデータの一時的な記録・保存を制御する。
なお、前述もしたが、この実施形態では、間欠的な取り込みタイミングでセンサからセンシングデータの取り込みを行ったら、その直後に、当該センシングデータの間欠的な無線送信を実行するようにする。しかし、センシングデータの間欠的な取り込みタイミングと、センシングデータの無線送信のタイミングとは、この例のように同期させる必要性は無く、両タイミングは、非同期とすることができると共に、その繰り返し周期も、それぞれ個別に設定可能である。
この実施形態では、制御部20は、各センサからのセンシングデータを、そのセンサの種類に応じた周期タイミングで取り込んで、センサ種別毎に予め定められたイベント発生条件の状態となったか否かを監視するようにしている。例えば、制御部20は、赤外線アレーセンサ6Bからのセンシングデータから「温度が急激に変化した」というイベント発生条件を満たす状態になったときには、その後の間欠無線送信の間欠周期を短い周期に変更する、などの処理を行う。
また、あるセンサのセンシングデータについて、そのイベント発生条件に合致する状態になったときに、当該センサのセンシングデータを即座に無線送信すると共に、その間欠無線送信の周期を変更するだけでなく、関連付けられた他のセンサのセンシングデータについても同様の処理をするようにする。例えば、炭酸ガス濃度センサ6Cからのセンシングデータが、「炭酸ガス濃度が所定値を超えた」というイベント発生条件を満たす状態になった時点では、当該炭酸ガス濃度センサ6Cからのセンシングデータのみでなく、赤外線アレーセンサ6B及びVOCセンサ6Dからのセンシングデータを、即座に無線送信すると共に、その後の間欠無線送信の間欠周期を短い周期に変更する、などの処理を行う。
制御部20は、以上のようなセンサ6A〜6Dの種別毎のセンシングデータの取り込み及び無線送信制御のシーケンスを実行するためのスケジュール情報を、予め、センサ6A〜6Dの種別毎に生成して登録し、その登録したスケジュール情報にしたがって、センサ6A〜6Dの種別毎のセンシングデータの取り込み及び無線送信を実行する。
この実施形態では、そのために、センサ端末2は、スケジュール情報記憶部27を備えると共に、制御部20は、スケジュール生成機能部202と、スケジュール実行機能部203とを備える。スケジュール生成機能部202及びスケジュール実行機能部203は、電源マネージメント機能部201と同様に、制御部20が備えるマイコンが実行するソフトウエアプログラムにより構成される。
[スケジュール情報記憶部27の説明]
図19は、スケジュール情報記憶部27の記憶内容の例を説明するための図であり、この例においては、スケジュール情報記憶部27は、図19(A)に示すように、アドレステーブルメモリ部27Aと、スケジューリングテーブルメモリ部27Tとを備える。前述したように、この例では、スケジュール情報記憶部27には、上述した自立電源7A,7Bについてのスケジュール情報も記憶される。
アドレステーブルメモリ部27Aには、センサ6A〜6D及び自立電源7A,7Bの識別子に対応して、接続されたコネクタジャックと、スケジューリングテーブルのアドレス(記憶領域)が定義されている。
図19(B)は、アドレステーブルメモリ部27Aの記憶内容の一例を示すものである。この図19(B)に示すように、アドレステーブルメモリ部27Aには、センサコネクタ部21Sまたは電源コネクタ21Pに接続されたセンサの種別識別子及び自立電源の種別識別子と、センサ及び自立電源が接続されたコネクタジャックと、接続されたセンサのスケジューリングテーブル及び自立電源のスケジュール情報が記憶されているスケジューリングテーブルメモリ部27Tのアドレスとが、互いに対応付けられて記憶されている。
そして、図19(C)に示すように、スケジューリングテーブルメモリ部27Tには、アドレステーブルメモリ部27Aで規定されたアドレスに、当該アドレスに対応付けられているセンサのスケジューリングテーブル及び自立電源のスケジュール情報が記憶されている。
なお、図19(B)のアドレステーブルにおいては、説明の都合上、コネクタジャックについては、図3に示したコネクタジャックに付与された参照符号を用いて記載したが、実際的には、アドレステーブルには、コネクタジャック21S1〜21S4及びコネクタジャック21P1,21P2の識別子が記憶されるのは言うまでもない。
そして、図19(B)及び(C)の例は、センサコネクタ部21Sの全てのコネクタジャック21S1〜21S4に、4種のセンサ6A〜6Dが、図3に示したように接続されていると共に、電源コネクタ部21Pに、2種の自立電源7A,7Bが、図3に示したように接続されている場合におけるアドレステーブルメモリ部27Aの記憶内容の例と、スケジューリングテーブルメモリ部27Tの記憶内容の例を示すものである。
図19の例では、センサ種別の識別子IDaは電流センサ6Aの識別子、識別子IDbは赤外線アレーセンサ6Bの識別子、識別子IDcは炭酸ガス濃度センサ6Cの識別子、識別子IDdはVODセンサ6Dの識別子となっている。そして、この例では、センサ種別の識別子IDa〜IDdのセンサ6A〜6Dに対応して、スケジューリングテーブルが記憶されるアドレス(記憶領域)ADRa〜ADRdのそれぞれが定められ、そのアドレスADRa〜ADRdのそれぞれには、センサ6A〜6Dのそれぞれについて生成されたスケジュール情報が記憶されている。
そして、この例においては、図19(B),(C)に示すように、アドレステーブルメモリ部27Aには、自立電源7A,7Bの識別子IDe(太陽電池方式の自立電源),識別子IDf(振動発電方式の自立電源)に対応してアドレスADRe,ADRfのそれぞれが定められ、そのアドレスADRe,ADRfのそれぞれには、前述した自立電源7A,7Bについてのスケジュール情報が記憶される。
なお、前述もしたが、センサコネクタ部21Sのコネクタジャック21S1〜21S4の全てに、4種のセンサの全てを接続する必要は無く、同様に、電源コネクタ部21Pのコネクタジャック21P1,21P2の両方に、2種の自立電源の両方を接続する必要は無い。したがって、アドレステーブルメモリ部27A及びスケジューリングテーブルメモリ部27Tには、接続されているセンサ及び自立電源についてのアドレステーブル及びスケジューリングテーブルのみが記憶される。もしも、センサコネクタ21Sには、コネクタジャック21S1〜21S4のいずれか1つに、4種のセンサ6A〜6Dのいずれか1個のみが接続されており、また、電源コネクタ部21Pには、2種の自立電源7A,7Bのいずれか一方のみが接続されている場合には、スケジュール情報記憶部27には、その1個のセンサと1個の自立電源についてのアドレステーブル及びスケジューリングテーブルのみが記憶される。
[センサのスケジュール情報の生成及び記憶]
制御部20のスケジュール生成機能部202は、前述したように、自立電源7Aまたは7Bが電源コネクタ部21Pに接続されたときに、その自立電源用のスケジュール情報を生成して、図19に示したように、スケジュール情報記憶部27に記憶する機能を有する。制御部20のスケジュール生成機能部202は、さらに、センサコネクタ部21Sにセンサ6A〜6Dのいずれかが接続されるごとに、その接続されたセンサ用のスケジュール情報を生成して、スケジュール情報記憶部27に記憶する機能を有する。
図20に、4種のセンサ6A〜6Dのいずれかが、センサコネクタ部21Sの4個のコネクタジャック21S1〜21S4のいずれかに接続されたときの、スケジュール生成機能部202による処理動作例のフローチャートを示す。
センサ6A〜6Dのいずれかが、自立電源が主電源として動作しているセンサ端末2に接続されると、センサ種別判別部23Sは、前述したようにして、当該センサが、センサコネクタ部21Sの4個のコネクタジャック21S1〜21S4のいずれに接続されたかを示す情報と、接続されたセンサのセンサ種別を示す情報とを含む判別結果を、制御部20に供給する。
センサ端末2のスケジュール生成機能部202は、センサ種別判別部23Sからの判別結果を割り込み入力として受け、図20のフローチャートの処理を開始する。そして、まず、スケジュール生成機能部202は、センサ種別判別部23Sからの判別結果から、センサが接続されたコネクタジャックを判別すると共に、接続されたセンサの種別を判別する(ステップS151)。
次に、スケジュール生成機能部202は、判別した種別のセンサのセンサ情報を、センサ情報記憶部24Sから読み出す(ステップS152)。そして、その読み出したセンサ情報に基づいて、センサコネクタ部21Sに接続されたセンサの間欠計測周期(センシングデータの取り込みタイミング及びその無線送信タイミングを行う間欠周期)と、当該センサからのセンシングデータの取り込み処理シーケンスと、取り込んだセンシングデータの無線送信を行う処理シーケンスとからなるスケジュール情報を生成し、決定した間欠計測周期及び生成したスケジュール情報を、当該センサのセンサ種別と、それが接続されたコネクタジャックに対応付けて、スケジュール情報記憶部27に記憶する(ステップS153)。
次に、スケジュール生成機能部202は、前述したイベント発生に関して、センサコネクタ部21Sに接続されたセンサに関連付けられているセンサが、センサコネクタ部21Sの他のコネクタジャックに接続されているか否か判別する(ステップS154)。
このステップS154で、関連付けられているセンサが、センサコネクタ部21Sの他のコネクタジャックに接続されていると判別したときには、スケジュール生成機能部202は、当該関連付けられているセンサについて予め定められているイベントを検出したときの当該センサの間欠計測周期を決定して、その決定した間欠計測周期を、スケジュール情報の一部として、スケジュール情報記憶部27に記憶する(ステップS155)。
このステップS155の次には、ステップS156に進み、前記センサコネクタ部21Sに接続されたセンサに対応するタイマーを設定し、そのタイマーに、ステップS153で当該センサに対して設定された間欠計測周期をプリセットして、当該タイマーを起動する(ステップS156)。このタイマーは、後述するスケジュール実行機能部203が、当該センサについて、間欠的なセンシングデータの取り込み及び無線送信の開始時点を規定するためのものであり、ソフトウエアカウンタで構成される。
ステップS154で、関連付けられているセンサが、センサコネクタ部21Sの他のコネクタジャックに接続されていないと判別したときには、スケジュール生成機能部202は、ステップS156にジャンプし、前記センサコネクタ部21Sに接続されたセンサに対応するタイマーを設定し、そのタイマーに、ステップS153で当該センサに対して設定された間欠計測周期をプリセットして、当該タイマーを起動する。そして、このスケジュール生成処理ルーチンを終了する。
[センサ種別に対応したスケジュール情報の例]
図20のフローチャートを用いて説明したセンサの種別毎に生成されるスケジュール情報の例を、図21〜図23を参照しながら説明する。なお、図21〜図23において、後述するタイマーカウント値CNTa,CNTc,CNTdの値は、「分:秒:ミリ秒」により表したものである。
図21(A)〜(C)は、センサ6Aについてのスケジュール情報の例を説明するための図であり、図21(A)は、スケジューリングテーブルのうちのセンサ6Aについて生成されたスケジュール情報の例を示している。また、図21(B)は、図9に示したセンサ情報のうちから、センサ6Aのセンサ情報を抜き出したものであり、スケジュール生成機能部202は、このセンサ情報に基づいて、図21(A)に示すスケジュール情報を生成する。そして、図21(C)は、図21(A)に示すように生成されたスケジュール情報に基づくセンシングデータの取り込みシーケンスにおける各種タイミング及び無線送信シーケンスにおける各種タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
この図21を参照して、センサ6Aがセンサコネクタ部21Sに接続されたときに生成されるスケジュール情報の例を説明する。
図21(A)に示すように、スケジュール生成機能部202は、センサ6Aのスケジュール情報の記憶用のアドレスADRaの先頭に、この例では、図21(B)のセンサ情報の「計測頻度(間隔)dd」の情報に基づいて計算された間欠計測周期の時間をセンサ6Aに対応して設けられるタイマーのカウント値CNTaに換算した値を記憶する。このカウント値CNTaがセンサ6Aに対応して設けられるタイマーにプリセットされて当該タイマーがカウント開始されることで、センサ6Aについての間欠的な計測周期の計測が開始され、当該カウント値CNTaが満了した時点として、計測開始タイミング(この例では、センシングデータの取り込みとその無線送信の開始タイミング)が規定される。
なお、このセンサ6Aに関連して定義されているイベントが発生しているときには、センサ6Aのスケジュール情報用のアドレスADRaの先頭は、当該イベント発生時のセンサ6Aの計測頻度(間隔)に応じたタイマーのカウント値CNTa´に書き替えられる。そして、発生したイベントが終了したときには、センサ6Aのスケジュール情報用のアドレスADRaの先頭は、元のカウント値CNTaに書き替えられるものである。他の種別のセンサ6B〜6Dについても同様である。
スケジュール生成機能部202は、センサ毎に設定された間欠計測周期毎の間欠的な時点を、センサ動作開始時点t0として、図21(A)〜(C)に示すように、センサ情報記憶部24Sのセンサ6Aのセンサ情報に基づいて、センサ6Aからのセンシングデータの取り込み及び無線送信を行うための処理シーケンスの情報を生成する。
すなわち、スケジュール生成機能部202は、まず、図21(A)に示すように、センサ動作開始時点t0においては、「センサ6Aへの電源の供給を開始する」ことを定める。次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Aのセンサ情報(図21(B)参照)の「待機必要時間p1」を参照し、センサ動作開始時点t0から、当該「待機必要時間p1」を経過した時点t0+p1で、「センサ6Aからのセンシングデータの計測を開始」することを定める(図21(C)参照)。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Aのセンサ情報の「1回の計測におけるサンプリング間隔d」を参照し、計測開始の時点t0+p1から、当該「1回の計測におけるサンプリング間隔d」だけ経過した時点t0+p1+dにおいて、「センサ6Aからのセンシングデータを取得(サンプリング実行)」することを定める。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Aのセンサ情報の「1回の計測におけるサンプリング間隔d」で、「センサ6Aからのセンシングデータの取得(サンプリング実行)を繰り返す」ことを定める。次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Aのセンサ情報の「1回の計測における動作時間Δ」を参照し、時点t0+p1+Δで、「センサ6Aのセンシングデータの計測終了及びセンサ6Aへの電源供給を停止(電源供給オフ)」することを定める(図21(C)参照)。
以上までの処理シーケンスで、センサ6Aのセンシングデータのセンサ端末2への取り込みが完了する。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Aのセンサ情報の「送信時間ts,te」を参照し、時点t0+tsで、「取り込んだセンサ6Aのセンシングデータの送信を開始」することを定める(図21(C)参照)。また、スケジュール生成機能部202は、その後の時点t0+ts+teで、「センサ6Aのセンシングデータの送信を終了」することを定める(図21(C)参照)。
次に、スケジュール生成機能部202は、「センサ6Aのスケジュール情報用のアドレスADRaの先頭に記憶されているカウント値CNTaを、センサ6Aに対応して設けられるタイマーにプリセットして、そのタイマーの時間計測をスタートさせる」ことを定める。以上で、センサ6Aについての1回の計測(この例では、センシングデータの取り込み及び無線送信)を行うための処理シーケンスの情報が完成となる。スケジュール生成機能部202は、この生成したセンサ6Aの処理シーケンスの情報を、スケジュール情報に含めて、スケジューリングテーブルメモリ部27Tに記憶する。
以上のようにして、センサ6Aがセンサコネクタ部21Sに接続されたときに、スケジュール生成機能部202は、接続されたセンサ6Aのアドレステーブルを生成すると共に、当該センサ6Aについての間欠計測周期と、センサ6Aからのセンシングデータの取り込み及び無線送信の処理シーケンスの情報とからなるセンサ6Aのスケジュール情報を生成し、スケジュール情報記憶部27に記憶する。
センサ6Bがセンサコネクタ部21Sに接続されたときには、上述したセンサ6Aとほぼ同様にして、センサ情報記憶部24Sのセンサ6Bについてのセンサ情報に基づいて、スケジュール情報が生成される。そこで、ここでは、センサ6Bのスケジュール情報の詳細な例については説明を省略する。
センサ6A及びセンサ6Bのセンサ情報においては、センサ情報記憶部24Sに記憶されている対応する「入力端子への有無」が非設定あるいは「入力無」となっているのに対して、センサ6C及び6Dのセンサ情報においては、「入力端子への有無」が「入力有」となっている。このため、センサ6C,6Dに関するスケジュール情報の生成については、この入力端子を通じた入力信号について考慮する必要がである。
図22に、センサ6Cについてのスケジュール情報を示し、また、図23にセンサ6Dについてのスケジュール情報を示し、これらのスケジュール情報について説明する。
図22(A)は、スケジューリングテーブルのうちのセンサ6Cについて生成されたスケジュール情報の例を示している。また、図22(B)は、センサ6Cについて生成されたスケジュール情報に基づくセンサ6Cからのセンシングデータの取り込みシーケンスにおける各種タイミング及び無線送信シーケンスにおける各種タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
センサ6Cは、この例では、炭酸ガス濃度センサである。この炭酸ガス濃度センサは、その検知部601において周囲雰囲気を取り込んで炭酸ガス濃度を検知するようにする。このため、炭酸ガス濃度センサの検知部601は、今回の炭酸ガス濃度を検知した後に、次回の計測のために、周囲雰囲気を取り除く脱気処理を行う脱気処理部(図示は省略)を備えている。この脱気処理部は、センサ端末2から、入力信号として所定の入力電圧が供給されることにより、駆動される。図9に示したように、センサ6Cのセンサ情報には、その入力電圧値の情報と、当該入力電圧を受け付ける時間を規定する時間情報q1、q2が含まれている。前述したように、時間q1は、センサ動作開始時点t0を起点とした時間であり、q2は、時間q1を起点とした脱気処理に必要な時間長分の時間である。
図22(A)及び(B)に示すように、スケジュール生成機能部202は、センサ6Cのスケジュール情報の記憶用アドレスADRcの先頭に、センサ6Cのセンサ情報のうちの「計測頻度(間隔)dd」の情報に基づいて計算された間欠計測周期の時間を、センサ6Cに対応して設けられるタイマーのカウント値CNTcに換算した値を記憶する。
センサ6Cについては、電源供給開始時点t0から、当該センサ6Cのセンシングデータの取り込み完了までの時点t0+p1+Δまでのセンシングデータの取り込みシーケンスの情報は、センサ6Aのセンシングデータの取り込みシーケンスの情報と同様にして生成される(図21(B)及び図22(B)参照)。もっとも、図9から明らかなように、センサ6Aと6Cとでは、そのセンサ情報の各種の時間情報が異なるので、スケジュール情報では、それぞれの具体的な時間値は異なっている。
そして、このセンサ6Cの場合には、図22(A)及び(B)に示すように、スケジュール生成機能部202は、センシングデータの取り込み完了後、時点t0+q1において、センサ端末2から、センサ6Cの脱気処理部に所定の入力電圧を供給することを意味する「センサ6Cへの電圧入力ON」を定める。次に、スケジュール生成機能部202は、時点t0+q1+q2において、センサ端末2からセンサ6Cへの入力電圧の供給を停止することを意味する「センサ6Cへの電圧入力OFF」を定める。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Cのセンサ情報の「送信時間ts,te」を参照し、時点t0+q1+q2の後の時点t0+tsで、「取り込んだセンサ6Cのセンシングデータの送信を開始」することを定める。また、スケジュール生成機能部202は、その後の時点t0+ts+teで、「センサ6Cのセンシングデータの送信を終了」することを定める。
次に、スケジュール生成機能部202は、「センサ6Cのスケジュール情報用のアドレスADRcの先頭に記憶されているカウント値CNTcを、センサ6Cに対応して設けられるタイマーにプリセットして、そのタイマーの時間計測をスタートさせる」ことを定める。以上で、センサ6Cについての1回の計測(この例では、センシングデータの取り込み及び無線送信)を行うための処理シーケンスの情報が完成となる。スケジュール生成機能部202は、この生成したセンサ6Cの処理シーケンスの情報を、スケジュール情報に含めて、スケジューリングテーブルメモリ部27Tに記憶する。
センサ6Dは、この例では、VOCセンサである。このVOCセンサにおいては、その検知部601は、センサ端末2から供給される周波数信号により、そのセンシングデータの取り込みを行うようにする。このため、VOCセンサの検知部601は、今回の計測のために、センサ端末2から、入力信号として所定の周波数信号を受け取る必要がある。図9に示したように、センサ6Dのセンサ情報には、その周波数信号の入力電圧値の情報と、当該周波数信号の入力電圧を受け付ける時間を規定する時間情報q1、q2が含まれている。前述したように、時間q1は、センサ動作開始時点t0を起点とした時間であり、q2は、時間q1を起点とした脱気処理に必要な時間長分の時間である。
図23(A)及び(B)に示すように、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのスケジュール情報の記憶用アドレスADRdの先頭に、センサ6Dのセンサ情報のうちの「計測頻度(間隔)dd」の情報に基づいて計算された間欠計測周期の時間を、センサ6Dに対応して設けられるタイマーのカウント値CNTdに換算した値を記憶する。
次に、スケジュール生成機能部202は、設定された間欠計測周期毎の間欠的な時点を、センサ動作開始時点t0として、図23(A)〜(C)に示すように、センサ情報記憶部24Sのセンサ6Dのセンサ情報に基づいて、センサ6Dからのセンシングデータの取り込み及び無線送信を行うための処理シーケンスの情報を生成する。
すなわち、スケジュール生成機能部202は、まず、図23(A)に示すように、センサ動作開始時点t0においては、「センサ6Dへの電源の供給を開始する」ことを定める。次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報(図9参照)の「センサ6Dへの電圧入力時間q1」を参照し、時点t0+q1で、「センサ6Dへの入力電圧(周波数信号)の供給を開始」することを定める(図23(C)参照)。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報の「待機必要時間p1」を参照し、センサ動作開始時点t0から、当該「待機必要時間p1」を経過した時点t0+p1で、「センサ6Dからのセンシングデータの計測を開始」することを定める(図23(B)参照)。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報の「1回の計測におけるサンプリング間隔d」を参照し、計測開始の時点t0+p1から、当該「1回の計測におけるサンプリング間隔d」だけ経過した時点t0+p1+dにおいて、「センサ6Dからのセンシングデータを取得(サンプリング実行)」することを定める。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報の「1回の計測におけるサンプリング間隔d」で、「センサ6Dからのセンシングデータの取得(サンプリング実行)を繰り返す」ことを定める。次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報の「1回の計測における動作時間Δ」を参照し、時点t0+p1+Δで、「センサ6Dのセンシングデータの計測終了」することを定める。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報の「センサ6Dへの電圧入力時間q2」を参照し、時点t0+q1+q2で、「センサ6Dへの入力電圧(周波数信号)の供給を停止すると共に、センサ6Dへの電源供給を停止(電源供給OFF)」することを定める(図23(C)参照)。
以上までの処理シーケンスで、センサ6Dのセンシングデータのセンサ端末2への取り込みが完了する。
次に、スケジュール生成機能部202は、センサ6Dのセンサ情報の「送信時間ts,te」を参照し、時点t0+tsで、「取り込んだセンサ6Dのセンシングデータの送信を開始」することを定める。また、スケジュール生成機能部202は、その後の時点t0+ts+teで、「センサ6Dのセンシングデータの送信を終了」することを定める。
次に、スケジュール生成機能部202は、「センサ6Dのスケジュール情報用のアドレスADRdの先頭に記憶されているカウント値CNTdを、センサ6Dに対応して設けられるタイマーにプリセットして、そのタイマーの時間計測をスタートさせる」ことを定める。以上で、センサ6Dについての1回の計測(この例では、センシングデータの取り込み及び無線送信)を行うための処理シーケンスの情報が完成となる。スケジュール生成機能部202は、この生成したセンサ6Dの処理シーケンスの情報を、スケジュール情報に含めて、スケジューリングテーブルメモリ部27Tに記憶する。
なお、センサや自立電源がセンサコネクタ部21Sや電源コネクタ部21Pから外されたときには、それがセンサ種別判別部23S、電源種別判別部23Pで判別され、スケジュール情報記憶部27に記憶されている当該外されたセンサや自立電源のスケジュール情報は、削除される。
[スケジュール実行機能部203]
上述したように、センサ端末2においては、スケジュール生成機能部202により、センサコネクタ部21Sに接続されたセンサ毎に、設定された間欠計測周期の計測を行うタイマーが設けられる。そして、この例のセンサ端末2の制御部20においては、そのタイマーで、プリセットされた間欠計測周期分のカウント値が計数されると、当該タイマーは、割り込みにより、スケジュール実行機能部203を起動させるように構成されている。
スケジュール実行機能部203は、センサコネクタ部21Sに接続されているセンサに対応したタイマーによる割り込み起動に基づいて、この実施形態では、図24及びその続きである図25のフローチャートに示すような処理を行う。
すなわち、スケジュール実行機能部203は、まず、割り込み起動をかけてきたタイマーが、いずれのセンサ種別に対応して設けられているタイマーであるかを判別する(ステップS161)。
次に、スケジュール実行機能部203は、ステップS161で判別したセンサ種別のスケジューリングテーブルを、スケジュール情報記憶部27から読み出して、その読み出したスケジューリングテーブルに基づいて、当該センサ種別のセンサからのセンシングデータの取り込み及び無線送信のシーケンス処理を実行する(ステップS162)。
ステップS162のセンシングデータの取り込み及び無線送信のシーケンス処理を終了すると、スケジュール実行機能部203は、当該センサに関して定義されているイベントの発生中であるか否か判別する(ステップS163)。ここで、イベントの発生中であるか否かは、後述するイベントの発生フラグが立っているか否かにより判別する。
このステップS163で、イベント発生中ではないと判別したときには、スケジュール実行機能部203は、今回取り込んだセンシングデータと、それ以前のセンシングデータとから、当該センサに関して定義されているイベントが発生したか否か判別する(ステップS164)。
このステップS164で、イベントが発生していないと判別したときには、スケジュール実行機能部203は、スケジューリングテーブルの先頭に記憶されているカウント値を、当該センサに対応するタイマーにプリセットして、タイマーを再スタートさせる(ステップS165)。そして、スケジュール実行機能部203は、この割り込み処理ルーチンを終了する。
また、ステップS164で、イベントが発生したと判別したときには、スケジュール実行機能部203は、当該イベントの発生フラグを立てる(図25のステップS171)。そして、スケジュール実行機能部203は、割り込み起動をかけてきたタイマーに対応するセンサのスケジューリングテーブルの間欠計測周期のカウント値を、イベント発生時の値に変更し、その変更後のカウント値を、割り込み起動をかけてきたタイマーにプリセットして、当該タイマーを再スタートさせる(ステップS172)。
次に、スケジュール実行機能部203は、発生したイベントに関連して登録されているセンサ種別のセンサを、センサ情報記憶部24Sのセンサ情報を参照して判別する(ステップS173)。そして、スケジュール実行機能部203は、ステップS173で判別したセンサ種別のスケジューリングテーブルを、スケジュール情報記憶部27から読み出して、その読み出したスケジューリングテーブルに基づいて、当該センサ種別のセンサからのセンシングデータの取り込み及び無線送信のシーケンス処理を実行する(ステップS174)。
次に、スケジュール実行機能部203は、発生したイベントに関連して登録されているセンサ種別のセンサのスケジューリングテーブルの間欠計測周期のカウント値を、イベント発生時の値に変更し、その変更後のカウント値を、当該センサ種別のセンサに対応するタイマーにプリセットして、そのタイマーを再スタートさせる(ステップS175)。そして、この割り込み処理ルーチンを終了する。
また、ステップS163で、イベント発生中であると判別したときには、スケジュール実行機能部203は、今回取り込んだセンシングデータと、それ以前のセンシングデータとから、当該センサに関して定義されているイベントが終了したか否か判別する(ステップS166)。このステップS166で、イベントが終了してはいないと判別したときには、スケジュール実行機能部203は、処理をステップS163に戻し、このステップS163以降の処理を繰り返す。
また、ステップS166で、イベントが終了したと判別したときには、スケジュール実行機能部203は、当該センサに関連して定義されているイベントの発生フラグを、イベント発生状態でない状態に戻す(ステップS167)。そして、スケジュール実行機能部203は、割り込み起動をかけてきたタイマーに対応するセンサのスケジューリングテーブルの間欠計測周期のカウント値を、イベント発生時ではない通常時の値に戻す(ステップS168)。
そして、スケジュール実行機能部203は、処理をステップS165に進め、スケジューリングテーブルの先頭に記憶されているカウント値を、当該センサに対応するタイマーにプリセットして、タイマーを再スタートさせた後、この割り込み処理ルーチンを終了する。
なお、上記の割り込み処理において、もしも割り込み起動が、複数個のタイマーから同時にかけられたときには、センサ情報記憶部24Sのセンサ情報の優先度の情報を参照し、より優先度の高い方のセンサから順次にステップS162以降の処理を実行する。
上述したスケジュール実行機能部203によるシーケンス処理における無線送信は、無線送信部28を通じて行われる。この無線送信部28では、送信情報は、所定の変調を施して、無線送信する。
この場合に、センサ端末2から中継装置3への送信は非同期であると共に、監視エリア1内に配設可能なセンサ端末2の数が1000個と言うように多数であることから、それら多数個のセンサ端末2からの間欠送信の開始タイミングが重なって、送信信号が衝突する恐れがあることを考慮しなければならない。このような送信信号の衝突が生じると、センサ端末2からのセンシングデータを受信できなくなって、監視センタ装置5での監視結果についての信頼性が低下することになる。
このことに鑑み、この実施形態では、センサ端末2のそれぞれは、乱数発生器(図示は省略)を備え、その乱数発生器からの乱数値により間欠送信の開始タイミングを決定することで、間欠送信の開始タイミングが、互いに重ならないようにしている。すなわち、上述のようにスケジュール情報は生成するが、間欠計測周期をカウンタで計測することにより得られる開始タイミングにおいて、乱数発生器の乱数値を参照し、その乱数値に応じて開始タイミングをずらす処理をするようにしている。
また、中継装置3でセンサ端末2からの送信信号を、より確実に受信することができるようにして信頼性を向上させるために、この実施形態では、センサ端末2は、同一の情報を、互いに異なる周波数帯域の送信信号として、複数回、時分割で送出するようにする。具体的には、この例では、センサ端末2は、間欠送信の期間に、例えば315MHz帯で送信情報を送出した後、引き続いて、異なる周波数帯、例えば920MHz帯で、再度、同じ送信情報を送出するようにする。
[実施形態の変形例]
上述の実施形態では、センサコネクタ部21Sは、複数個のセンサが同時に接続可能となるように、複数個のコネクタジャック21S1〜21S4を備える構成としたが、複数種のセンサが接続可能であるが、単独のコネクタジャックのみを備えるものであってもよい。その場合でも、センサ端末2は、センサコネクタ部21Sに接続されたセンサの種別をセンサ種別判別部23Sで判別して、その接続されたセンサについてのセンシングデータの取り込みスケジュール及び無線送信スケジュールを作成して、メモリに登録記憶するのは、上述と同様である。以上の変形例は、センサコネクタ部21Sに限らず、電源コネクタ部21Pについても全く同様である。
また、上述の実施形態では、センサコネクタ部21Sと電源コネクタ部21Pとにコネクタを分けたが、センサと自立電源とを共通のコネクタ部に接続できるように構成することもできる。その場合には、上述の実施形態の場合には、判別用のピンジャックの凹部端子の位置を、センサのコネクタプラグの判別用ピンプラグの突起の位置と、自立電源のプラグの判別用ピンプラグの突起の位置とで変えるようにする。
また、上述の実施形態では、センサ6A〜6Dからのセンシングデータの取り込みと、当該取り込んだセンシングデータの無線送信を、同期して連続的に行うようにしたが、センサ6A〜6Dからのセンシングデータの取り込みと、当該取り込んだセンシングデータの無線送信とを、非同期で、それぞれ別々の開始タイミングで実行するようにすることもできる。その場合には、センサ端末2は、スケジュール情報として、センサ6A〜6Dからのセンシングデータの取り込み用と、当該取り込んだセンシングデータの無線送信用との2個を別々に用意するようにする。そして、間欠計測周期も、センシングデータの取り込み用と、取り込んだセンシングデータの無線送信用とを、それぞれ別々に計測する必要があるので、それぞれの計測用のタイマーを設けるようにする。そして、センシングデータの取り込み用のスケジュール情報には、その間欠的なデータ取り込み開始タイミングを決定するためのタイマー用のプリセットカウント値を含めておくようにすると共に、無線送信用のスケジュール情報には、その間欠的な送信開始タイミングを決定するためのタイマー用のプリセットカウント値を含めておくようにする。
また、上述の実施形態では、センサからのセンシングデータの取り込みスケジュールは、センサ毎に別々に行うようにしたが、センシングデータの取り込みと、無線送信とを別々のスケジュールで行う場合には、センシングデータの取り込みは、複数のセンサについて、同一タイミングで行うようにしても良い。
また、上述の実施形態では、センサ6A〜6Dからのセンシングデータの取り込み及び無線送信のスケジュールにおいて、間欠計測周期は、タイマーをセンサ6A〜6Dのそれぞれに対応付けて設け、そのタイマーで間欠計測周期を計測して、間欠的な計測の開始タイミングを検出するようにした。しかし、センサ6A〜6Dに対応するタイマーのそれぞれを設ける代わりに、時計回路を設けて、その時計回路の時刻を、それぞれのセンサ6A〜6Dの間欠計測周期に合わせて、設定することで、当該時刻の時点としてセンシングデータの取り込みとその無線送信の開始タイミングを規定することもできる。その場合には、前回の計測(センシングデータの取り込み、無線送信)が終了したときに、次の回の計測の開始時刻を、センサ情報の「計測頻度(間隔)」に基づいて再計算して、スケジュール情報として再登録するようにする。センシングデータの取り込みと、当該取り込んだセンシングデータの無線送信とを、非同期で、それぞれ別々の開始タイミングで実行する場合も同様である。
[センサ種別判別及び電源種別判別の他の例]
上述の実施形態では、複数種のセンサ及び複数種の自立電源の種別は、コネクタジャックと、コネクタプラグとの間の機械的な接続態様を、種別に応じて異ならせることで、判別するようにした。この機械的な接続態様の異ならせ方は、上述の例のような突起と凹部との係合位置を変える方法に限られるものではなく、種々の変形例を用いることができることはいうまでも無い。
また、上述のような、複数種のセンサ及び複数種の自立電源の種別を判別する方法としては、上述の実施形態のようなコネクタの機械的な接続態様を種別に応じて異ならせることで判別する方法に限らない。以下に、コネクタの機械的な接続態様を用いる以外の方法について説明する。
<第1の他の例>
図26は、コネクタジャックとコネクタプラグとの機械的な接続態様を変えずに、電気的に、センサ種別を判別することができるようにした第1の例を示すものである。図26(A)では、1個のセンサ6Eについて、この例のセンサ端末2Aとの接続関係を示している。このため、図26(A)では、センサ端末2Aのセンサコネクタ部のうち、1個のコネクタジャック21S1Aを示したが、他のコネクタジャックも同様の構成となることは言うまでもない。
この図26(A)の構成例においては、センサ端末2Aのセンサコネクタ部のコネクタジャック21S1Aは、上述の実施形態と同様に、電源供給用の1対のピンジャックと、センシングデータ用のピンジャックと、コントロール信号用のピンジャックの合計4個のピンジャックを備えると共に、種別判別用のピンジャック211Aeを備える。しかし、この図26(A)の構成例の場合には、種別判別用のピンジャック211Aeは、複数種のセンサのコネクタプラグにおいて、全く同一の構成とされている。図26(A)では、説明をわかりするために、種別判別用のピンジャック211Aeの穴の長さを、他のピンジャックの穴の長さよりも長くしたが、他のピンジャックの穴の長さと同一であっても良い。センサ6Eに接続されているコネクタプラグ61Eは、コネクタジャック21S1Aに応じた5本のピンプラグを有し、そのうちの1本が、種別判別用のピンジャック211Aeと係合する種別判別用ピンプラグ62Eeとなる。
この図26(A)の例においては、センサ6Eにおいては、種別判別用ピンプラグ62Eeは、所定の抵抗値Rxを有する抵抗器64を通じてアース端子に接続されている。
一方、センサ端末2Aのセンサ種別判別部23SAは、電圧比較器231と、基準電圧値発生回路232と、抵抗器233とからなる。そして、種別判別用ピンジャック211Aeは、抵抗器233を通じて電源端子Vccに接続されている。電圧比較器231の一方の入力端子には、基準電圧値発生回路232からの基準電圧値が供給される。また、電圧比較器231の他方の入力端子には、抵抗器233と、種別判別用ピンジャック211Aeとの接続点に得られる電圧値Vinが供給される。
基準電圧値発生回路232は、制御部20Aからの制御信号により、予め定められた複数通りの基準電圧値を発生するように制御される。この例では、図26(A)と同様の構成を備える4種のセンサ6E,6F,6G,6Hを判別する場合として、4通りの基準電圧値Vp1,Vp2,Vp3,Vp4(図26(B)参照)を、基準電圧値発生回路232は発生するように構成されている。ここで、4通りの基準電圧値Vp1,Vp2,Vp3,Vp4は、Vp1<Vp2<Vp3<Vp4に選定されている。
この例においては、センサ端末2Aのセンサ種別判別部23SAの抵抗器233の抵抗値は、所定の固定抵抗値R0とされている。一方、4種のセンサ6E,6F,6G,6Hにおいては、種別判別用ピンプラグとアース端子との間に接続される抵抗器64の抵抗値Rxは、互いに異なる抵抗値R1,R2,R3,R4に選定されている。この例の場合、抵抗値R1,R2,R3,R4は、R1<R2<R3<R4に選定されている。
そして、この例においては、センサ端末2Aのセンサコネクタ部21S1Aに、センサ6E〜6Hのうちのいずれかのセンサのセンサプラグが接続されると、抵抗器233と、種別判別用ピンジャック211Aeとの接続点の電圧値Vinは、抵抗器233の抵抗値R0と、抵抗器64の抵抗値Rx(R1〜R4のいずれか)とによる分圧電圧となる。すなわち、
Vin=Vcc・Rx/(R0+Rx)
となる。
この例の場合、抵抗値R1,R2,R3,R4は、R1<R2<R3<R4に選定されていると共に、図26(C)のテーブルに示すような関係となるように定められている。センサ種別判別部23SAでは、電圧比較器231において、電圧値Vinと、基準電圧値発生回路232からの基準電圧値とを比較するが、制御部20Aは、基準電圧値を、順次に、Vp1,Vp2,Vp3,Vp4と変更する。そして、制御部20Aは、この基準電圧値の変更に応じた電圧比較器231からの比較出力を取り込み、その比較出力から、電圧値Vinが、図26(C)のテーブルのいずれの範囲にあるかを判別し、その判別結果により、接続されたセンサが、センサ6E〜6Hのいずれであるかを判別する。
この第1の例によれば、センサに接続されるコネクタプラグは、センサ種別に関係なく、同じとすることができるというメリットがある。
なお、この第1の他の例の構成は、自立電源の種別の判別にも、全く同様にして適用することができることは言うまでもない。
<第2の他の例>
上述のセンサ種別の判別及び電源種別の判別の方法においては、コネクタジャック及びコネクタプラグには、種別判別用のピンジャック及びピンプラグを設けるようにした。この第2の他の例は、コネクタジャック及びコネクタプラグには、種別判別用のピンジャック及びピンプラグを設ける必要がないようした例である。
図示は省略するが、この第2の他の例においては、センサのそれぞれには、センサ種別を示す種別識別子の情報(種別ID)を発生する種別ID発生部を備える。そして、各センサは、センサ端末に接続されたときに、センサ端末からの電源供給を受けることで、種別ID発生部から種別IDを発生させ、センサ端末に供給するようにする。センサ端末は、センサコネクタ部に接続されたセンサからの種別IDを受け取り、センサ種別を判別するようにする。
なお、この第2の他の例の構成は、自立電源の種別の判別にも、全く同様にして適用することができることは言うまでもない。
<第3の他の例>
この第3の他の例も、コネクタジャック及びコネクタプラグには、種別判別用のピンジャック及びピンプラグを設ける必要がないようした例である。
この第3の他の例においては、図示は省略するが、センサ端末は、センサコネクタ部に接続されると予定されるセンサのセンシングデータのパターンデータを予め登録しておく。そして、センサコネクタ部にセンサが接続されたときに、センサからのセンシングデータのパターンを、予め登録してあるパターンと比較することで、いずれの種別のセンサであるかを判別するようにする。
この第3の他の例の構成も、自立電源の種別の判別にも、全く同様にして適用することができる。
<その他の例>
以上の例の場合には、センサコネクタ部が備える複数個のコネクタジャックのいずれにも、センサのコネクタプラグを接続することができる場合である。これに対して、予め、センサコネクタ部が備える複数個のコネクタジャックのそれぞれの位置に応じて、接続可能なセンサを、特定の種別のセンサに限定するようにしても良い。その場合には、センサ端末は、いずれのコネクタジャックに接続されたかにより、接続されたセンサのセンサ種別を判別することができる。
[上述の実施形態のセンサ端末の効果]
以上説明した実施形態のセンサ端末2においては、センサ端末2のセンサコネクタ部21Sにセンサが接続されると、その接続されたセンサのセンサ種別に応じたセンシングデータの取り込み及び無線送信のスケジュール情報が自動的に生成され、その生成されたスケジュール情報に基づいて、当該接続されたセンサのセンシングデータの取り込み及び無線送信の処理制御が自動的に開始される。したがって、接続されたセンサの種別に応じたオペレータなどによる設定操作などは、全く不要である。つまり、センサ端末にセンサを接続するだけで、センシングデータの取り込み及び無線送信についての、いわゆるプラグアンドプレイを実現することができる。
また、上述の実施形態のセンサ端末2においては、センサコネクタ部21Sの複数個のコネクタジャックは、複数種のセンサに共通の構成としたので、複数種のセンサは、センサコネクタ部21Sのいずれのコネクタジャックに接続しても良いという効果がある。
そして、上述の実施形態のセンサ端末2においては、センサ情報記憶部24Sには、情報入力端子25を通じてセンサ情報を書き込むことができるように構成されている。このため、新たなセンサ種別のセンサを追加的にセンサ端末に接続しようとする場合においても、その新たなセンサ種別のセンサ情報を、センサ情報記憶部24Sに情報入力端子25を通じて書き込むことで、当該新たなセンサ種別のセンサについても、単にセンサコネクタ部21Sに接続するだけで、そのセンシングデータの取り込み及び無線送信に関し、いわゆるプラグアンドプレイが可能となる。
また、センサ情報記憶部24Sには、接続を予定するセンサ種別以外のセンサ種別のセンサ情報を記憶しておく必要がないというメリットもある。さらに、センサ情報記憶部24Sに、センサコネクタ部21Sのコネクタジャックの数以上のセンサ種別のセンサ情報を書き込んでおくことにより、センサ端末に接続することができるセンサ種別の数を、センサコネクタ部21Sのコネクタジャックの数以上とすることができる。
また、上述の実施形態によれば、センサ端末2は、接続されたセンサからのセンシングデータがアナログデータか、また、デジタルデータかの違いに関係なく、そのセンシングデータを受け取って、取り込むことが可能である。すなわち、センサ端末2の制御部20は、判別したセンサ種別に基づいて、そのセンシングデータがアナログデータか、デジタルデータかを認識することができ、その認識結果に基づいて、入力インターフェースの処理を、アナログデータ用か、デジタルデータ用のいずれかに切り替えることができる。したがって、センサのセンシングデータがデジタルデータまたはアナログデータのいずれかであっても良いので、この実施形態のセンサ端末に接続可能なセンサ種別としては、多種多様なセンサが可能になる。
また、上述の実施形態のセンサ端末2においては、複数種の自立電源を、その種別に応じた設定を行うことなく、接続して利用することができる。そして、上述の実施形態のセンサ端末2は、接続された自立電源の種別に応じた電源マネージメントのスケジュールを自動的に生成して、当該電源マネージメントを実行することができるので、自立電源の電源マネージメントに関しても、プラグアンドプレイを実現することができる。
さらに、上述の実施形態のセンサ端末2においては、複数種の自立電源を同時に接続して、そのうちのひとつを主電源として用いながら、他の自立電源を補助電源として、蓄電(充電)を行っていつでも主電源に切り替えることができるようにしておくことができる。そして、そのための電源マネージメントを、接続された自立電源の種別に応じてスケジュールを生成して行うようにしている。したがって、複数個の種別の異なる自立電源を同時に接続することのメリットを生かした電源マネージメントを行うことができる。
また、上述の実施形態のセンサネットワークシステムにおいては、中継装置において、センサ端末2からの受信信号について、当該受信信号の受信時点の情報を付加して監視センタ装置5に送るようにして、監視センタ装置5では、その中継装置3で付加された時刻情報を、センサ端末2からの送信信号に含まれるセンシングデータの取得時間として取り扱うようにしている。このため、センサ端末2からの送信信号には、時刻情報を付加する必要はない。
また、上述の実施形態では、中継装置3において、センサ端末2からの受信信号を受信したときの電波強度を検出し、その検出した電波強度の情報を、センサ端末2からの受信信号に付加して監視センタ装置5に送るようにして、監視センタ装置5で、その電波強度の情報を用いて、センサ端末2の監視エリア1内の位置を算出するようにしている。このため、センサ端末2からの送信信号には、センサ端末2の位置情報を付加する必要はない。
以上のことから、上述の実施形態においては、センシングデータの取得時間の情報やセンサ端末2の位置情報を有しないため、センサ端末2からの送信データは、必要最小限の識別情報とセンシングデータとからなり、非常に短文となる。このため、監視エリア1内の多数のセンサ端末2のそれぞれから、所定の間欠周期で送信データを無線送信させるようにした場合であっても、センサ端末2からの送信データの無線送信を、前記間欠周期内で分散させることが容易になり、互いに衝突することなく送信データを無線送信することが可能となる。
[その他の実施形態または変形例]
なお、上述の実施形態では、センサ端末2のそれぞれは、受信機能を有していない構成としたが、センサ端末2に受信機能を具備させ、送信信号の相手装置からの受信確認信号を受信しなかったときには、センシングデータを再送させるように構成してもよい。また、センサ端末2と送信相手装置との間の通信は、非同期としたが、例えばセンサ端末2から同期用のタイミング信号を送出した後、送信相手装置にセンシングデータを送信するようにして、同期通信を行うようにしても良い。
なお、上述の実施形態における自立電源は、太陽電池発電や振動発電などの発電回路を備えるものを例に挙げたが、乾電池やリチウムイオン電池などのいわゆるバッテリーも、自立電源に含むものである。
なお、この発明のセンサ端末2は、図1の例のようなセンサネットワークシステムに適用される場合に限られるものではなく、種々のセンサネットワークシステムに適用可能であることは言うまでもない。