JP5636693B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Description
〔2〕 前記再成長層を形成する際に、前記再成長層の原料ガスとして、トリエチルガリウムを用いることを特徴とする〔1〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔3〕 前記再成長層を形成する際に、前記再成長層のキャリアガスとして窒素ガスのみを用いることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔4〕 前記再成長層にMgを1×1017/cm3未満の濃度で含有させることを特徴とする〔1〕乃至〔3〕のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔5〕前記再成長層にMgを1×1016/cm3未満の濃度で含有させることを特徴とする〔4〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔6〕 前記再成長層の成膜速度を0.2nm/min〜10nm/minとすることを特徴とする〔1〕乃至〔5〕のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔7〕 前記再成長層の原料ガスのV/III比を、10000以上とすることを特徴とする〔2〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔8〕 前記第一n型半導体層形成後から前記再成長層形成前までの間に、窒素とアンモニアを含む雰囲気で500℃〜1200℃の範囲の熱処理を行うことを特徴とする〔1〕乃至〔7〕のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔9〕 基板上に第一n型半導体層と前記第一n型半導体層の再成長層と第二n型半導体層と発光層とp型半導体層とが積層された半導体発光素子であって、前記第一n型半導体層の再成長層の膜厚が10nm〜100nmであり、かつ再成長層に含有されるMg濃度が1×1017/cm3未満であることを特徴とする半導体発光素子。
〔10〕 前記再成長層に含有されるMg濃度が1×1016/cm3未満であることを特徴とする〔9〕に記載の半導体発光素子。
図1に示す本実施形態の半導体発光素子1は、基板11と、基板11上に積層された積層半導体層20と、積層半導体層20の上面に積層された透光性電極15と、透光性電極15上に積層されたp型ボンディングパッド電極16と、積層半導体層20の露出面20a上に積層されたn型電極17と、から概略構成されている。
また、p型半導体層14の上面には、透光性電極15およびp型ボンディングパッド電極16が積層されている。これら、透光性電極15およびp型ボンディングパッド電極16によって、p型電極18が構成されている。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
基板11としては、例えば、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン等からなる基板を用いることができる。上記基板の中でも、特に、c面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。
バッファ層21は、設けられていなくてもよいが、基板11と下地層22との格子定数の違いを緩和して、基板11の(0001)C面上にC軸配向した単結晶層の形成を容易にするために、設けられていることが好ましい。バッファ層21の上に単結晶の下地層22を積層すると、より一層結晶性の良い下地層22が積層できる。
バッファ層21は、例えば、多結晶のAlxGa1−xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01〜0.5μmのものとすることができる。バッファ層21の厚みが0.01μm未満であると、バッファ層21により基板11と下地層22との格子定数の違い緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、バッファ層21の厚みが0.5μmを超えると、バッファ層21としての機能には変化が無いのにも関わらず、バッファ層21の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下する問題がある。
下地層22としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)が挙げられるが、AlxGa1−xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層22を形成できるため好ましい。
下地層22の膜厚は0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1−xN層が得られやすい。また、下地層22の膜厚は10μm以下が好ましい。
下地層22の結晶性を良くするために、下地層22には不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合には、下地層22にアクセプター不純物あるいはドナー不純物を添加することができる。
(n型半導体層12)
n型半導体層12はさらに、nコンタクト層12a(第一n型半導体層12cおよび再成長層12d)と、nクラッド層12b(第二n型半導体層)とから構成されている。
nコンタクト層12aは、n型電極17を設けるための層であり、後述する第一工程において形成された第一n型半導体層12c(第一工程成長層とも言う)と、後述する第二工程において形成された再成長層12dとからなる。第一n型半導体層12cと再成長層12dとは、好ましくは同一の材料からなるものがよく、第一n型半導体層12cは、再成長層12dよりも厚く形成されている。
また、本実施形態においては、図1に示すように、第一n型半導体層12cにn型電極17を設けるための露出面20aが形成されている。なお、n型電極17を設けるための露出面20aは、再成長層12dに形成されていてもよい。
このとき、Mgの濃度が1×1017/cm3以上であると、再成長層12dの結晶性が不十分となり、その成長面表面が十分に平坦化されない。また、再成長層12dの抵抗率が十分に低くならず、半導体発光素子に電流を流した際の駆動電圧Vfが高くなり、半導体発光素子1の発光出力が低下するため好ましくない。
発光層13は、障壁層13aと井戸層13bとが交互に複数積層された多重量子井戸構造からなる。多重量子井戸構造における積層数は3層から10層であることが好ましく、4層から7層であることがさらに好ましい。
井戸層13bの厚みは、15オングストローム以上50オングストローム以下の範囲であることが好ましい。井戸層13bの厚みが上記範囲内であることにより、より高い発光出力を得ることができる。
また、井戸層13bは、Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体であることが好ましい。Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体は、青色の波長領域の強い光を発光するものであるため、好ましい。また、井戸層13bには、不純物をドープすることができる。ドーパントとしては、発光強度を増進するものであるSi、Geを用いることが好ましい。ドープ量は1×1017cm−3〜1×1018cm−3程度が好適である。ドープ量が上記範囲である場合、より発光強度の強いものとなる。
障壁層13aの膜厚は、20オングストローム以上100オングストローム未満の範囲であることが好ましい。障壁層13aの膜厚が薄すぎると、障壁層13a上面の平坦化を阻害し、発光効率の低下やエージング特性の低下を引き起こす。また、障壁層13aの膜厚が厚すぎると、駆動電圧の上昇や発光の低下を引き起こす。このため、障壁層13aの膜厚は70オングストローム以下であることがより好ましい。
また、障壁層13aは、GaNやAlGaNのほか、井戸層を構成するInGaNよりもIn比率の小さいInGaNで形成することができる。中でも、GaNが好適である。
p型半導体層14は、通常、pクラッド層14aおよびpコンタクト層14bから構成される。また、pコンタクト層14bがpクラッド層14aを兼ねることも可能である。
pクラッド層14aは、発光層13へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入を行なう層である。pクラッド層14aとしては、発光層13のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層13へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、AlxGa1−xN(0≦x≦0.4)からなるものであることが好ましい。pクラッド層14aが、このようなAlGaNからなるものである場合、発光層13へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。
pコンタクト層14bは、正極を設けるための層である。pコンタクト層14bは、AlxGa1−xN(0≦x≦0.4)からなるものであることが、良好な結晶性の維持およびpオーミック電極との良好なオーミック接触の点で好ましい。また、pコンタクト層14bがp型不純物(ドーパント)を1×1018〜1×1021/cm3を5×1019〜5×1020/cm3の濃度で含有しているものである場合、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えばMgを用いることが好ましい。pコンタクト層14bの膜厚は、特に限定されないが、10〜500nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。pコンタクト層14bの膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
n型電極17は、ボンディングパットを兼ねており、積層半導体層20のn型半導体層12に接するように形成されている。このため、n型電極17を形成する際には、少なくともp半導体層14および発光層13の一部を除去してn型半導体層12を露出させ、n型半導体層12の露出面20a上にボンディングパッドを兼ねるn型電極17を形成する。n型電極17としては、各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
透光性電極15は、p型半導体層14の上に積層されるものであり、p型半導体層14との接触抵抗が小さいものであることが好ましい。また、透光性電極15は、発光層13からの光を効率良く半導体発光素子1の外部に取り出すために、光透過性に優れたものであることが好ましい。また、透光性電極15は、p型半導体層14の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、優れた導電性を有していることが好ましい。
p型ボンディングパッド電極16はボンディングパットを兼ねており、透光性電極15の上に積層されている。p型ボンディングパッド電極16としては、各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
p型ボンディングパッド電極16は、透光性電極15上であれば、どこへでも形成することができる。例えばn型電極17から最も遠い位置に形成してもよいし、半導体発光素子1の中心などに形成してもよい。しかし、あまりにもn型電極17に近接した位置に形成すると、ボンディングした際にワイヤ間、ボール間のショートを生じてしまうため好ましくない。
図示しない保護膜層は、必要に応じて透光性電極15の上面および側面と、n型半導体層12の露出面20a、発光層13およびp型半導体層14の側面、n型電極17およびp型ボンディングパッド電極16の側面や周辺部を覆うよう形成される。保護膜層を形成することにより、半導体発光素子1の内部への水分等の浸入を防止でき、半導体発光素子1の劣化を抑制することができる。
保護膜層としては、絶縁性を有し、300〜550nmの範囲の波長において80%以上の透過率を有する材料を用いることが好ましく、例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タンタル(Ta2O5)、窒化シリコン(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)等を用いることができる。このうちSiO2、Al2O3は、CVD成膜で緻密な膜が容易に作製でき、より好ましい。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
はじめに、サファイア等からなる基板11を用意する。
次に、基板11を第一MOCVD装置(第一有機金属化学気相成長装置)の成長室内に設置し、MOCVD法によって、基板11上に、バッファ層21と、下地層22を順次積層する。
次いで下地層22上に、nコンタクト層12aの一部を構成する第一n型半導体層12cを積層する。このとき、第一n型半導体層12cの膜厚は0.5〜5μm厚で形成することが好ましく、2μm〜4μm厚で形成することが特に好ましい。上記範囲内で形成することにより、半導体の結晶性を良好に維持できるためである。
また、第一n型半導体層12cを成長させる原料としては、トリメチルガリウム(TMG)などのIII族金属の有機金属原料とアンモニア(NH3)などの窒素原料とを用い、熱分解によりバッファ層上にIII族窒化物半導体層を堆積させる。MOCVD装置の成長室内の圧力は15〜80kPaとすることが好ましく、15〜60kPaとすることがより好ましい。キャリアガスは水素ガスのみであってもよいし、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスであってもよい。
第二工程はさらに、第一n型半導体層12c上に第一n型半導体層12cの再成長層12dを形成する工程と、nクラッド層12b(第二n型半導体層)を形成する工程と、発光層13を形成する工程と、p型半導体層14を形成する工程と、から構成されている。以下それぞれについて詳細を説明する。
まず、第一n型半導体層12cまでの各層の形成された基板11を第二有機金属化学気相成長装置(第二MOCVD装置)の成長室内に設置する。次いで、MOCVD法によって第一n型半導体層12c上に、nコンタクト層12aの再成長層12dを形成する。
なお、第一n型半導体層12cの表面が汚染されたままである場合、逆方向電流(IR)が十分に低くならなかったり、静電気放電(ESD)耐圧が不足したりする恐れがあり、半導体発光素子1の信頼性が低下する。
本実施形態のように、基板温度600℃〜900℃という比較的低い温度で半導体層を成長させる場合、結晶性の良好な半導体層を形成することは困難である。しかし、上記のV/III比、膜厚および成膜速度とすることにより、良好な結晶性の再成長層12dを形成することができる。また、それにより、再成長層表面の平坦性を改善することが可能となる。
Mgの濃度を1×1017/cm3以上とすると、再成長層12dの結晶性が不十分となり、その成長面表面が十分に平坦化されない。また、再成長層12dに電流を流した際の駆動電圧Vfが高くなり、半導体発光素子1の発光出力が低下するため好ましくない。
次いで、再成長層12d上に超格子構造のnクラッド層12bを形成する。
まず始めに、膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなる図示しないn側第一層と、n側第一層と組成が異なる膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるn側第二層とを交互に10ペア数(20層)〜40ペア数(80層)繰返し積層する。
次いで、多重量子井戸構造の発光層13を形成する。まず、井戸層13bと障壁層13aとを交互に繰返し積層する。このとき、n型半導体層12側及びp型半導体層14側に障壁層13aが配されるように積層することが好ましい。
井戸層13bおよび障壁層13aの組成や膜厚は、所定の発光波長になるように適宜設定することができる。また、発光層13の成長温度は600〜900℃とすることができ、キャリアガスとしては窒素ガスを用いることができる。
p型半導体層14の形成は、pクラッド層14aと、pコンタクト層14bとを順次積層すればよい。なお、pクラッド層14aを、超格子構造を含む層とする場合には、膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるp側第一層と、p側第一層と組成が異なる膜厚100オングストローム以下III族窒化物半導体からなるp側第二層とを交互に繰返し積層すればよい。
以上のようにして、図2に示す積層半導体層20が製造される。
続いて、例えばフォトリソグラフィーの手法によりパターニングして、所定の領域の積層半導体層20の一部をエッチングしてnコンタクト層12aの第一n型半導体層12cの一部を露出させ、nコンタクト層12aの露出面20aにn型電極17を形成する。
その後、透光性電極15の上にp型ボンディングパッド電極16を形成する。
以上のようにして、図1に示す半導体発光素子1が製造される。
これらにより、抵抗率が低く結晶性の高い再成長層12dを得ることができるとともに、再成長層12dの発光層13側表面を平坦に形成することができる。
これらにより、逆方向電流(IR)が十分に低く、発光出力(Po)の高い半導体発光素子1を得ることができる。また、半導体発光素子1の不良を防ぎ規格内のLEDチップ収得率を向上することが可能となる。
本実施形態のランプは、本発明の半導体発光素子1を備えるものであり、上記の半導体発光素子1と蛍光体とを組み合わせてなるものである。本実施形態のランプは、当業者周知の手段によって当業者周知の構成とすることができる。例えば、本実施形態のランプにおいては、半導体発光素子1と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変える技術を何ら制限されることなく採用できる。
(実施例1)
以下に示す方法により、図1に示す半導体発光素子1を製造した。
実施例1の半導体発光素子1では、サファイアからなる基板11上に、AlNからなるバッファ層21、厚さ5μmのアンドープGaNからなる下地層22、厚さ3μmのSiドープn型GaNからなる第一n型半導体層12cと、厚さ20nmのn型GaN再成長層12dとからなるnコンタクト層12a、GaInNからなる厚さ2nmのn側第一層と、GaNからなる厚さ2nmのn側第二層とからなる薄膜層を20層(ペア数)繰り返し成長させてなる厚さ80nmの超格子構造のnクラッド層12b、厚さ5nmのSiドープGaN障壁層および厚さ3.5nmのIn0.15Ga0.85N井戸層を6回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層13、厚さ20nmのMgドープ単層Al0.07Ga0.93Nからなるpクラッド層14a、厚さ150nmのMgドープp型GaNからなるpコンタクト層14bと、を順に積層した。
再成長層12dはトリエチルガリウムと、アンモニア(NH3)などの窒素原料を用いて第一n型半導体層12c上に成膜させた。
このときのMOCVD成長炉内の圧力は40kPa、基板温度は760℃、キャリアガスはオール窒素とした。また、このときの再成長層12dの成膜速度は、0.2nm/分であった。
次に、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチングを施し、所望の領域にnコンタクト層12aの露出面20aを形成し、その上にTi/Auの二層構造のn型電極17を形成した。
また、透光性電極15の上に、200nmのAlからなる金属反射層と80nmのTiからなるバリア層と1100nmのAuからなるボンディング層とからなる3層構造のp型ボンディングパッド構造16を、フォトリソグラフィの手法を用いて形成した。
以上のようにして、図1に示す実施例1の半導体発光素子1を形成した。
従来の製造方法により再成長層12dを形成した。具体的には、トリメチルガリウムと、アンモニア(NH3)などの窒素原料を用いて第一n型半導体層12c上に再成長層12dを成膜させた。
このとき、のMOCVD成長炉内の圧力は40kPa、基板温度は1080℃、キャリアガスはオール水素とした。また、このときの再成長層12dの成膜速度は、33nm/分であった。この後の工程においては実施例1と同様な操作を行い、半導体発光素子1を形成した。
また、実施例1、比較例1の半導体発光素子についてTO−18缶パッケージに実装し、テスターによって印加電流0〜100mAの範囲における発光出力(Po)を測定した結果を表2に示す。また、出力変動の測定の結果を表3に示す。
また、表2に示すように、実施例1の半導体発光素子は、比較例1の半導体発光素子と比べて発光出力(Po)が高く、高輝度で低消費電力であった。この発光出力(Po)の差は、電流を高くするほど顕著に現れた。
また、表3に示すように、実施例1の半導体発光素子は、100時間の通電後を行ったところ、比較例1と異なりPo低下が見られなかった。つまり、本実施形態の半導体発光素子は、通電後のPo変動が抑制され信頼性が改善されることが示された。
Claims (8)
- 第一有機金属化学気相成長装置において、基板上に第一n型半導体層を積層する第一工程と、
第二有機金属化学気相成長装置において、前記第一n型半導体層上に前記第一n型半導体層の再成長層と第二n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順次積層する第二工程とを具備し、
前記第二工程において、前記再成長層を形成する際の基板温度を、600℃〜900℃の範囲とし、かつ形成される前記再成長層の膜厚を10nm〜100nmとすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記再成長層を形成する際に、前記再成長層の原料ガスとして、トリエチルガリウムを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層を形成する際に、前記再成長層のキャリアガスとして窒素ガスのみを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層にMgを1×1017/cm3未満の濃度で含有させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層にMgを1×1016/cm3未満の濃度で含有させることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層の成膜速度を0.2nm/min〜10nm/minとすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層の原料ガスのV/III比を、10000以上とすることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第一n型半導体層形成後から前記再成長層形成前までの間に、窒素とアンモニアを含む雰囲気で500℃〜1200℃の範囲の熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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