JP2012084667A - 化合物半導体発光素子及びその製造方法、ランプ、電子機器並びに機械装置 - Google Patents
化合物半導体発光素子及びその製造方法、ランプ、電子機器並びに機械装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012084667A JP2012084667A JP2010228967A JP2010228967A JP2012084667A JP 2012084667 A JP2012084667 A JP 2012084667A JP 2010228967 A JP2010228967 A JP 2010228967A JP 2010228967 A JP2010228967 A JP 2010228967A JP 2012084667 A JP2012084667 A JP 2012084667A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- transparent conductive
- conductive film
- compound semiconductor
- light emitting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Led Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】化合物半導体発光素子は、基板11上に、化合物半導体からなるn型半導体層12、発光層13及びp型半導体層14がこの順で積層され、さらに、p型半導体層上の導電型透光性電極からなる正極15及びn型半導体層上の導電型電極からなる負極17を備えてなる化合物半導体発光素子であって、正極をなす導電型透光性電極が、スパッタ法で加熱されながら成膜されたIn2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜であり、p型半導体層と前記透明導電膜との界面にはオーミック層が形成され、オーミック層の酸素濃度(相対元素濃度mol%)が、In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜のバルク中の酸素濃度(相対元素濃度mol%)よりも低い。
【選択図】図1
Description
β≦1、α+β=1)等の窒化ガリウム系化合物半導体層を発光層とする、近紫外帯、青色帯または緑色帯の短波長LEDが知られている。
従来、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の特徴として、横方向への電流拡散が小さい特性があり、電極直下の半導体層にしか電流が注入されないため、発光層で発光した光が電極によって遮られ、外部に取り出され難いという問題があった。そこで、このような窒化ガリウム系化合物半導体発光素子においては、通常、正極として透光性電極が用いられ、正極を通して光が取り出される構成とされている。
また、本発明は、上記化合物半導体発光素子が備えられ発光特性に優れるランプ、及びこのランプが組み込まれてなる電子機器、並びにこの電子機器が組み込まれてなる機械装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に関する。
[2] 前記オーミック層が、スパッタ法で成膜され、ITO、IZO、ZnO、TiO2及びn―GaNからなる群より選ばれた一種であることを特徴とする前項1に記載の化合物半導体発光素子。
[3] 前記オーミック層にはSnO2が含まれ、当該のSnO2濃度(相対元素濃度mol%)は、前記In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜のバルク中のSnO2濃度(相対元素濃度mol%)よりも高いことを特徴とする前項2に記載の化合物半導体発光素子。
[4] 前記オーミック層の厚みが、2nm〜70nmの範囲である前項1乃至3の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
[5] 前記In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜が、ITO、IZO又はIGOであることを特徴とする前項1乃至4の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
[6] 前記透明導電膜の比抵抗が、2E−4Ω・cm以下であることを特徴とする前項1乃至5の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
[7] 前記透明導電膜上に電流拡散の為の線状部が形成され、当該線状部の面積は、前記透明導電膜との面積比で1〜10%であることを特徴とする前項1乃至6の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
[8] 前記透明導電膜の膜厚が、30〜300nmの範囲にあることを特徴とする前項1乃至7の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
[9] (a)基板上に、化合物半導体からなるn型半導体層、発光層及びp型半導体層をこの順で積層して半導体ウェーハを作製する半導体層形成工程と、(b)前記p型半導体層上に、ITO、IZO、ZnO、TiO2及びn−GaNからなる群より選ばれた一種のオーミック層をスパッタ法で成膜するオーミック層成膜工程と、
(c)前記オーミック層上に導電型透光性電極からなる正極をスパッタ法にて、所定の成膜圧力下、100〜800℃の基板加熱をしながら成膜する導電型透光性電極積層工程と、(d)前記透明導電膜を所定形状にエッチングするエッチング工程と、を有することを特徴とする化合物半導体発光素子の製造方法。
[10] 前記導電型透光性電極積層工程において、前記成膜圧力が、0.2〜3Paであり、酸素濃度が0.5〜6体積%の範囲にあることを特徴とする前項9に記載の化合物半導体発光素子の製造方法。
[11] 前項1乃至8の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子が備えられてなるランプ。
[12] 前項11に記載のランプが組み込まれてなる電子機器。
[13] 前項12に記載の電子機器が組み込まれてなる機械装置。
また、本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に限定されるものではなく、上述の各種化合物半導体を用いた発光素子に適用される。
本実施形態の化合物半導体発光素子(以下、発光素子と略称することがある)1は、図1に示す例のように、基板11上に、化合物半導体(以下、半導体と略称することがある)からなるn型半導体層12、発光層13及びp型半導体層14がこの順で積層され、さらに導電型透光性電極からなる正極15及び導電型電極17からなる負極を備えてなるものである。正極15をなす導電型透光性電極は、スパッタ法で所定温度下で加熱されながら成膜されたIn2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜としている。さらには、p型半導体層と前記透明導電膜との界面にはオーミック層が形成され、当該オーミック層の酸素濃度(相対元素濃度mol%)が、前記In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜のバルク中の酸素濃度(相対元素濃度mol%)よりも低いことを特徴とすることができる。
さらに、オーミック層は、スパッタ法で成膜され、ITO(インジウム・スズ・酸化物)、IZO、ZnO、TiO2及びn−GaNからなる群より選ばれた一種で構成される。
また、図示例の発光素子1は、導電型透光性電極からなる正極15の上に導電型電極材料からなる正極ボンディングパッド16が設けられている。また、透明導電膜上には、透明導電膜の一部と接触して、電流拡散の為の線状部を形成して構成される。
以下、本実施形態の発光素子1の積層構造について詳細に説明する。
基板11の材料には、サファイア単結晶(Al2O3;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl2O4)、ZnO単結晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶及びZrB2のホウ化物単結晶等、公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。
なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
n型半導体層12、発光層13及びp型半導体層14としては、各種構造のものが周知であり、これら周知のものを何ら制限なく用いることができる。特に、p型半導体層14には、キャリア濃度が一般的な濃度のものを用いれば良く、比較的キャリア濃度の低い、例えば1×1017cm−3程度のp型半導体層に対しても、本発明で用いられ、詳細を後述する透明導電膜からなる正極15を適用することができる。
本発明では、基板21上にバッファ層(図示略)を形成し、その上に下地層22を形成することが好ましい。バッファ層は、例えば、AlXGa1−XN(0≦x≦1)なる組成で基板11上に積層され、例えば、V族元素を含むガスと金属材料とをプラズマで活性化して反応させる反応性スパッタ法によって形成することができる。本実施形態のような、プラズマ化した金属原料を用いた方法で成膜された膜は、配向が得られ易いという作用がある。
本発明の発光素子1に備えられる下地層(III族窒化物半導体層)22は、上述したようにIII族窒化物半導体からなり、従来公知のMOCVD法によってバッファ層上に積層して成膜することができる。
下地層22上に形成される半導体層は、III族窒化物半導体から各々なるn型半導体層12、発光層13及びp型半導体層14とからなる。このような半導体層の各層は、MOCVD法で形成することにより、より結晶性の高いものが得られる。
n型半導体層12は、通常、n型コンタクト層23とn型クラッド層24とから構成される。また、n型コンタクト層23はn型クラッド層24を兼ねることも可能である。
n型半導体層12の上に積層される発光層13(又は25)としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造等の構造を有する発光層13が挙げられる。図1に示すような量子井戸構造の井戸層としては、青色発光を呈する構成とする場合には、通常、Ga1−yInyN(0<y<0.4)なる組成のIII族窒化物半導体が用いられる。
p型半導体層14は、通常、p型クラッド層26およびp型コンタクト層27から構成される。また、p型コンタクト層26がp型クラッド層27を兼ねることも可能である。
上述のように、p型クラッド層6aを、超格子構造を含む層構成とすることで、発光出力が格段に向上し、電気特性に優れた発光素子1とすることが可能となる。
上述したような半導体層の最上層に設けられるp型半導体層14の上には、導電型透光性電極からなる正極15が積層される。本実施形態の正極15をなす導電型透光性電極は、In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜から構成されている。In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜は、結晶系には限定されないが、六方晶構造又はビックスバイト結晶を含んでいてもよい。透明導電膜は、IZO(インジウム・亜鉛系酸化物)膜、ITO(インジウム・スズ系酸化物)膜、IGO(インジウム・ガリウム系酸化物)膜のいずれかであることが好ましい。
例えば、本実施形態の正極15をなす導電型透光性電極は、IZO(インジウム・亜鉛系酸化物)膜からなるとともに、好ましくは結晶化されたIZO膜が選ばれ、該IZO膜が六方晶構造を有するIn2O3なる組成の結晶を含むものとすることができる。また、例えば、本実施形態の正極15をなす導電型透光性電極は、IZOのほかITO膜も好ましく選ばれ、該ITO膜も六方晶構造を有するIn2O3なる組成の結晶を含むことができる。
本実施形態においては、p型半導体層14と透明導電膜15との界面にはオーミック層(図示省略)が形成される。このオーミック層の酸素濃度(相対元素濃度mol%)は、In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜のバルク中の酸素濃度(相対元素濃度mol%)よりも低く設定されるのが良い。
負極17は、図1及び図2に示すように、正極15を構成する透明導電膜やp型半導体層14、発光層13及びn型半導体層12の一部をエッチングによって除去してn型半導体層12の一部を露出させ、この露出したn型半導体層12上に、例えば、Ti/Auからなる従来公知の負極17を設ける。負極17としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができる。
正極(導電型透光性電極)15をなす透明導電膜上の少なくとも一部には、発光素子外部の回路基板やリードフレーム等と電気的に接続するための正極ボンディングパッド16が設けられている。正極ボンディングパッド16としては、Au、Al、Ni及びCu等の材料を用いた各種構造が周知であり、これら周知の材料、構造のものを何ら制限無く用いることができる。
正極ボンディングパッド16の形状は平面視円形に限定されず、また、その配置も特に限定されるものではなく、例えば、平面視矩形の半導体層10の4つの頂点から選ばれる1つの頂点の近傍に配置されていてもよい。
また、線状部Lは正極ボンディングパッド16と連結せずに、分離した構成であってもよい。
なお、負極17が線状部Lを備えた構成とすることもできる。
本実施形態では、透明導電膜からなる正極15の酸化や外部からの水分の浸入を防ぐため、正極15上に図示略の保護層が設けられた構成とすることがより好ましい。このような保護層としては、正極ボンディングパッド16が形成される領域を除く正極15上の全領域を覆うため、透光性に優れた材料を用いることが好ましく、また、p型半導体層14とn型半導体層12とのリークを防ぐために絶縁性材料からなることが好ましく、例えば、SiO2やAl2O3等を用いれば良い。また、保護層の膜厚としては、透明導電膜からなる正極15の酸化や外部からの水分の浸入を防ぐことができ、かつ透光性が維持できる膜厚であれば良く、具体的には、例えば、20nm〜500nmの範囲であることが好ましい。
本実施形態の化合物半導体発光素子の製造方法は、下記(a)〜(d)に示す各工程を有する方法により、図1及び図2に例示するような発光素子1を製造する方法である。
(a)基板上に、化合物半導体からなるn型半導体層、発光層及びp型半導体層をこの順で積層して半導体ウェーハを作製する半導体層形成工程、
(b)p型半導体層上に、ITO(インジウム・スズ系酸化物)、IZO、ZnO、TiO2及びn−GaNからなる群より選ばれた一種のオーミック層をスパッタ法で成膜するオーミック層成膜工程、
(c)オーミック層上に導電型透光性電極からなる正極をスパッタ法にて、所定の成膜圧力下、100〜800℃の基板加熱をしながら成膜する導電型透光性電極積層工程、及び、
(d)透明導電膜を所定形状にエッチングするエッチング工程。
本実施形態の製造方法では、まず、上記(a)に示した半導体層形成工程において、基板11上に、化合物半導体からなるn型半導体層12、発光層13及びp型半導体層14をこの順で積層して半導体ウェーハ10を作製する。
具体的には、基板11上に、例えばAlN等からなる図示略のバッファ層を形成した後、このバッファ層上に、窒化ガリウム系化合物半導体をエピタキシャル成長させることによってn型半導体層12、発光層13及びp型半導体層14を順次積層し、半導体層を形成する。
次いで、上記(b)に示したオーミック層成膜工程において、上記半導体層形成工程で形成された半導体層のp型半導体層14上に、透明導電膜からなる正極(導電型透光性電極)15を形成する前にオーミック層を公知のスパッタ装置を用いてスパッタ法により成膜される。
具体的には、まず、p型半導体層14の上面全域に、ITO(インジウム・スズ系酸化物)、IZO、ZnO、TiO2及びn−GaNからなる群より選ばれた一種のオーミック層をスパッタ法で成膜する。この際のオーミック層の成膜方法としては、ITO(インジウム・スズ系酸化物)、IZO、ZnO、TiO2及びn−GaNからなる群より選ばれた一種のターゲット材料を用い、公知なスパッタ法で成膜することができる。また、p型半導体層12へのプラズマによるダメージを軽減するため、スパッタの放電出力は1000W以下であることが好ましい。
また、オーミック層の熱処理を800℃超の温度で行なった場合には、オーミック層は結晶化されるものの、光透過率が充分に高い膜とならない虞がある。また、800℃を超える温度で熱処理を行なった場合、オーミック層の下にある半導体層を劣化させる虞がある。
なお、オーミック層の熱処理は、p型半導体層上にスパッタ法で成膜後に行なわれるが、後述する透明導電膜の熱処理を行なうことで、オーミック層の熱処理を省略することができる。
次いで、上記(c)に示した導電型透光性電極形成工程において、上記オーミック層成膜工程で成膜されたオーミック層(図示省略)上に、透明導電膜からなる正極(導電型透光性電極)15を形成する。
具体的には、まず、オーミック層上の透明導電膜を前記温度範囲で加熱しながら形成する。また、この加熱温度は、好ましくは150〜600℃、さらに好ましくは200〜400℃で行なうのが良い。
一方、成膜時の基板加熱温度が800℃を超える場合には、導電性が低下する虞があり、半導体層へのダメージを与える虞があり、好ましくない。
また、スパッタ装置内の酸素濃度が0.5体積%未満であるときには、透明導電膜が着色してしまい、透過率が低下し正極としての性能低下を引き起こしてしまう。一方、スパッタ装置内の酸素濃度が6体積%を超える場合には、透明導電膜の導電性が低下しまい好ましくない。
次いで、上記(d)に示したエッチング工程において、上記導電型透光性電極形成工程で成膜された透明導電膜を所定形状にエッチングする。
具体的には、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いて透明導電膜をパターニングすることにより、オーミック層上の透明導電膜形成領域を除く領域の透明導電膜を除去し、図2に示すように、正極15の形成領域にのみ透明導電膜を形成する。
透明導電膜表面への凹凸加工によって発光出力が向上する理由としては、1.正極の薄膜化による光透過率の向上、2.凹凸加工による光取り出し面積(透明導電膜表面積)の増加、3.正極表面での全反射の低減等が考えられる。また、透明導電膜表面に凹凸加工を施すことにより、凹凸側面の面積を大きくすることができることから、図5及び図6に示すようなドット形状とすることがより好ましい。
本実施形態の化合物半導体発光素子の製造方法では、上記エッチング工程においてパターニングされた透明導電膜に対して熱処理を行ない、透明導電膜の結晶性や透過率を向上させることができる。
具体的には、パターニングされた透明導電膜に対し、100〜800℃の温度範囲で保持時間を制御しながら熱処理を行なうことにより、透明導電膜を、六方晶構造を有するIn2O3なる組成の結晶を含む正極15とすることができる。
次いで、上記半導体層形成工程において形成されたn型半導体層12、発光層13、p型半導体層14からなる半導体層の一部やオーミック層及び透明導電膜の一部を除去することにより、n型半導体層12を露出させ、負極17を形成する。
具体的には、図1及び図2に示すように、透明導電膜15、オーミック層、p型半導体層14、発光層13及びn型半導体層12の一部をエッチングによって除去することによってn型半導体層12の一部を露出させ、この露出したn型半導体層12上に、例えば、Ti/Auからなる負極17を従来公知の方法によって形成する。
次いで、正極(導電型透光性電極)15をなす透明導電膜上に、正極ボンディングパッド16を形成する。
具体的には、図1及び図2に示すように、透明導電膜(正極15)上の少なくとも一部に、Au、Al、Ni及びCu等の材料を用いて、従来公知の方法によって正極ボンディングパッド16を形成する。
次いで、本実施形態では、正極15をなす透明導電膜の酸化防止や外部環境からの水分の浸入を防止するため、正極15上に図示略の保護層を形成する。
具体的には、SiO2やAl2O3等の、透光性及び絶縁性を有する材料を用いて、正極15上において、正極ボンディングパッド16の形成領域を除く全領域を覆うようにして、従来公知の方法で保護層を形成する。
次いで、上記各手順により、半導体層上に正極15、正極ボンディングパッド16及び負極17が形成された半導体ウェーハ10を、基板11の裏面を研削及び研磨してミラー状の面とした後、例えば、350μm角の正方形に切断することにより、発光素子チップ(化合物半導体発光素子1)とすることができる。
以上説明したような、本発明に係る化合物半導体発光素子は、例えば、当業者周知の手段により、透明カバーを設けてランプを構成することができる。また、本発明に係る化合物半導体発光素子と蛍光体を有するカバーとを組み合わせることにより、白色のランプを構成することもできる。
また、上述のようなランプ30によれば、上記本発明に係る半導体化合物発光素子1が備えられてなるものなので、発光特性に優れたものとなる。
上述したような、本発明に係る化合物半導体発光素子を用いて作製したランプは、発光出力が高く、また駆動電圧が低いので、このような技術によって作製したランプを組み込んだ携帯電話、ディスプレイ、パネル類等の電子機器や、この電子機器を組み込んだ自動車、コンピュータ、ゲーム機等の機械装置は、低電力での駆動が可能となり、高い機器特性並びに装置特性を実現することが可能である。特に、携帯電話、ゲーム機、玩具、自動車部品等のバッテリ駆動させる機器類においては、省電力の効果を最大限に発揮する。
以下に示す方法により、図1に示す半導体発光素子1を製造した。
実施例1の半導体発光素子1では、4インチ径のサファイアからなる基板11上に、AlNからなるバッファ層21、厚さ6μmのアンドープGaNからなる下地層22、厚さ3μmのSiドープn型GaNからなるn型コンタクト層23、GaInNからなる厚さ2nmのn側第1層と、GaNからなる厚さ2nmのn側第2層とからなる薄膜層を20層(ペア数)繰り返し成長させてなる厚さ80nmの超格子構造のnクラッド層24、厚さ5nmのSiドープGaN障壁層および厚さ3.5nmのIn0.15Ga0.85N井戸層を6回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層25、厚さ0.01μmのMgドープ単層Al0.07Ga0.93Nからなるpクラッド層26、厚さ0.15μmのMgドープp型GaNからなるpコンタクト層27とを順に積層した。ここでは、バッファ層21は公知なスパッタ法で成膜し、下地層22、nコンタクト層23、nクラッド層24、発光層25、pクラッド層26及びpコンタクト層27は、公知なMOCVD法で積層した。
以上のようにして、図1に示す実施例1の半導体発光素子1を得た。
オーミック層形成条件や透明導電膜形成条件を表1に記載したような条件に変えた以外は、実施例1と同様に実施して、[実験例2]〜[実験例7]及び[比較例1]〜[比較例6]の半導体発光素子1を製造した。但し、[実験例2]〜[実験例7]において、オーミック層を形成する工程では、酸素濃度を透明導電膜形成工程での酸素濃度未満に設定して実施した。
駆動電圧及び発光出力について、半導体発光素子の製造条件及び発光素子の特性と共に表1にまとめた。
Claims (13)
- 基板上に、化合物半導体からなるn型半導体層、発光層及びp型半導体層がこの順で積層され、さらに、p型半導体層上の導電型透光性電極からなる正極及びn型半導体層上の導電型電極からなる負極を備えてなる化合物半導体発光素子であって、
前記正極をなす導電型透光性電極が、スパッタ法で加熱されながら成膜されたIn2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜であり、
前記p型半導体層と前記透明導電膜との界面にはオーミック層が形成され、当該オーミック層の酸素濃度(相対元素濃度mol%)が、前記In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜のバルク中の酸素濃度(相対元素濃度mol%)よりも低いことを特徴とすることを特徴とする化合物半導体発光素子。 - 前記オーミック層が、スパッタ法で成膜され、ITO、IZO、ZnO、TiO2及びn-GaNからなる群より選ばれた一種であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体発光素子。
- 前記オーミック層にはSnO2が含まれ、当該SnO2濃度(相対元素濃度mol%)は、前記In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜のバルク中のSnO2濃度(相対元素濃度mol%)よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の化合物半導体発光素子。
- 前記オーミック層の厚みが、2nm〜70nmの範囲である請求項1乃至3の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
- 前記In2O3なる組成の結晶を含む透明導電膜が、ITO、IZO又はIGOであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
- 前記透明導電膜の比抵抗が、2E−4Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
- 前記透明導電膜上に電流拡散の為の線状部が形成され、当該線状部の面積は、前記透明導電膜との面積比で1〜10%であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
- 前記透明導電膜の膜厚が、30〜300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子。
- (a)基板上に、化合物半導体からなるn型半導体層、発光層及びp型半導体層をこの順で積層して半導体ウェーハを作製する半導体層形成工程と、
(b)前記p型半導体層上に、ITO、IZO、ZnO、TiO2及びn−GaNからなる群より選ばれた一種のオーミック層をスパッタ法で成膜するオーミック層成膜工程と、
(c)前記オーミック層上に導電型透光性電極からなる正極をスパッタ法にて、所定の成膜圧力下、100〜800℃の基板加熱をしながら成膜する導電型透光性電極積層工程と、
(d)前記透明導電膜を所定形状にエッチングするエッチング工程と、を有することを特徴とする化合物半導体発光素子の製造方法。 - 前記導電型透光性電極積層工程において、前記成膜圧力が、0.2〜3Paであり、酸素濃度が0.5〜6体積%の範囲にあることを特徴とする請求項9に記載の化合物半導体発光素子の製造方法。
- 請求項1乃至8の何れか1項に記載の化合物半導体発光素子が備えられてなるランプ。
- 請求項11に記載のランプが組み込まれてなる電子機器。
- 請求項12に記載の電子機器が組み込まれてなる機械装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010228967A JP2012084667A (ja) | 2010-10-08 | 2010-10-08 | 化合物半導体発光素子及びその製造方法、ランプ、電子機器並びに機械装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010228967A JP2012084667A (ja) | 2010-10-08 | 2010-10-08 | 化合物半導体発光素子及びその製造方法、ランプ、電子機器並びに機械装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012084667A true JP2012084667A (ja) | 2012-04-26 |
Family
ID=46243252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010228967A Pending JP2012084667A (ja) | 2010-10-08 | 2010-10-08 | 化合物半導体発光素子及びその製造方法、ランプ、電子機器並びに機械装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012084667A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014045197A (ja) * | 2012-08-27 | 2014-03-13 | Samsung Electronics Co Ltd | フレキシブル半導体素子及び製造方法 |
KR20160100684A (ko) * | 2015-02-16 | 2016-08-24 | 서울바이오시스 주식회사 | 발광 소자 |
WO2016133292A1 (ko) * | 2015-02-16 | 2016-08-25 | 서울바이오시스 주식회사 | 광 추출 효율이 향상된 발광 소자 |
JP2019522356A (ja) * | 2016-05-20 | 2019-08-08 | ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 発光デバイスにおいて層を成長させるためにリモートプラズマ化学気相堆積およびスパッタリング堆積を使用するための方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001237461A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-31 | Toshiba Corp | 半導体発光素子 |
JP2007103538A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Toshiba Corp | 発光ダイオード及びその製造方法 |
JP2007165611A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-28 | Showa Denko Kk | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びその製造方法 |
JP2009260237A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-11-05 | Showa Denko Kk | 化合物半導体発光素子及びその製造方法、化合物半導体発光素子用導電型透光性電極、ランプ、電子機器並びに機械装置 |
JP2010153565A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Toshiba Corp | 半導体発光素子 |
-
2010
- 2010-10-08 JP JP2010228967A patent/JP2012084667A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001237461A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-31 | Toshiba Corp | 半導体発光素子 |
JP2007103538A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Toshiba Corp | 発光ダイオード及びその製造方法 |
JP2007165611A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-28 | Showa Denko Kk | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びその製造方法 |
JP2009260237A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-11-05 | Showa Denko Kk | 化合物半導体発光素子及びその製造方法、化合物半導体発光素子用導電型透光性電極、ランプ、電子機器並びに機械装置 |
JP2010153565A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Toshiba Corp | 半導体発光素子 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014045197A (ja) * | 2012-08-27 | 2014-03-13 | Samsung Electronics Co Ltd | フレキシブル半導体素子及び製造方法 |
KR101922118B1 (ko) * | 2012-08-27 | 2018-11-26 | 삼성전자주식회사 | 플렉서블 반도체소자 및 그 제조방법 |
KR20160100684A (ko) * | 2015-02-16 | 2016-08-24 | 서울바이오시스 주식회사 | 발광 소자 |
WO2016133292A1 (ko) * | 2015-02-16 | 2016-08-25 | 서울바이오시스 주식회사 | 광 추출 효율이 향상된 발광 소자 |
CN107251240A (zh) * | 2015-02-16 | 2017-10-13 | 首尔伟傲世有限公司 | 光提取效率得到提高的发光元件 |
US10326050B2 (en) | 2015-02-16 | 2019-06-18 | Seoul Viosys Co., Ltd. | Light-emitting device with improved light extraction efficiency |
CN107251240B (zh) * | 2015-02-16 | 2019-08-16 | 首尔伟傲世有限公司 | 光提取效率得到提高的发光元件 |
KR102331337B1 (ko) | 2015-02-16 | 2021-11-26 | 서울바이오시스 주식회사 | 발광 소자 |
JP2019522356A (ja) * | 2016-05-20 | 2019-08-08 | ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 発光デバイスにおいて層を成長させるためにリモートプラズマ化学気相堆積およびスパッタリング堆積を使用するための方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5201566B2 (ja) | 化合物半導体発光素子及びその製造方法 | |
KR101324442B1 (ko) | Ⅰⅰⅰ족 질화물 반도체 발광 소자 및 그의 제조 방법, 및 램프 | |
JP5068475B2 (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法及び窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、並びにランプ | |
US8368103B2 (en) | Compound semiconductor light-emitting element and method of manufacturing the same, conductive translucent electrode for compound semiconductor light-emitting element, lamp, electronic device, and mechanical apparatus | |
JP5265090B2 (ja) | 半導体発光素子およびランプ | |
WO2007119822A1 (ja) | 半導体発光素子の製造方法及び半導体発光素子とそれを備えたランプ | |
JPWO2009113659A1 (ja) | 半導体発光素子及びその製造方法 | |
WO2010150501A1 (ja) | 発光素子、その製造方法、ランプ、電子機器及び機械装置 | |
JP2005244207A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
JP2012084667A (ja) | 化合物半導体発光素子及びその製造方法、ランプ、電子機器並びに機械装置 | |
WO2010100900A1 (ja) | Iii族窒化物半導体発光素子及びその製造方法、並びにランプ | |
JP2006024913A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用透光性正極および発光素子 | |
JP2007073690A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
JP5648446B2 (ja) | 半導体発光素子の製造方法 | |
JP4252622B1 (ja) | 半導体発光素子の製造方法 | |
JP5549546B2 (ja) | 半導体発光素子の製造方法およびランプ、電子機器、機械装置 | |
JP2006013475A (ja) | 正極構造及び窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
JP2009253056A (ja) | Iii族窒化物半導体発光素子及びランプ | |
JP2011138893A (ja) | 半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子、ランプ、電子機器、機械装置 | |
JP2011060900A (ja) | 半導体発光素子の製造方法およびランプ、電子機器、機械装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130206 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130527 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140513 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140710 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140909 |