実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における光源装置を含む投写型表示装置の構成を示す図である。図1に示すように、実施の形態1における投写型表示装置7aは、光源装置1、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群(リレー光学系)6、画像表示素子(ライトバルブ)3及び投写光学系8を有する。光源装置1は、光束を出射する。集光レンズ4は、光源装置1から出射された光束を集光する。光強度均一化素子5は、集光レンズ4により集光された光束の強度分布を均一化する。リレーレンズ群(リレー光学系)6は、光強度均一化素子5により強度が均一化された光束を画像表示素子3に導く。画像表示素子(ライトバルブ)3は、リレーレンズ群6から入射した光束を入力映像信号に応じて変調して映像光(画像光)に変換する。投写光学系8は、映像光をスクリーン9に拡大投写する。なお、「映像光(画像光)」とは、画像情報を有する光のことである。
ここでは、集光レンズ4と、光強度均一化素子5と、リレーレンズ群6と、画像表示素子3と、投写光学系8とが共通(同軸上)の光軸C1を有する場合を示しているが、画像表示素子3と投写光学系8とは同軸上になくてもよい。以下では、図の説明を容易にするために、X軸、Y軸及びZ軸が各々直交する座標軸を設けて説明する。光軸C1の方向をZ方向とし、光源装置1に対してスクリーン9の方向を+Z方向とし、反対の方向を−Z方向とする。また、Z方向に直交する面をXY面とする。XY面において、スクリーン9の水平軸と平行な方向をX方向とし、光源装置1からスクリーン9を見て左側を+X方向とし、右側を−X方向とする。スクリーン9の鉛直軸と平行な方向をY方向とし、上方を+Y方向とし、下方を−Y方向とする。図1は、投写型表示装置7aを上方(+Y側)から見た図に相当する。
光源装置1は、第1の光源群2aと第2の光源群2bとを有している。第1の光源群2aの光軸と第2の光源群2bの光軸とは、互いに直交している。
第1の光源群2aは、Z方向の光軸を有する複数の光源11r,11b,11gを有している。ここでは第1の光源群2aを3個としているが、この数に限られるものではない。光源11r,11b,11gは、光軸C1に直交する方向に一列に配列されている。ここでは、光源11r,11b,11gをX方向に配列しているが、これに限るものではない。ミラーなどの反射部材を利用して、Y軸方向に配列することもできる。
具体的には、+X側から順に、赤色の光(赤色の波長帯域の光)を発する光源11rと、青色の光(青色の波長帯域の光)を発する光源11bと、緑色の光(緑色の波長帯域の光)を発する光源11gとが配列されている。光源11r,11b,11gは、+Z方向に光を発する。つまり、光源11r,11b,11gは、集光レンズ4に向かう方向に光を発する。
第2の光源群2bは、X方向の光軸を有する複数の光源12r,12b,12gを有している。ここでは、第2の光源群2bを3個としているが、この数に限られるものではない。光源12r,12b,12gは、光軸C1と平行に一行に配列されている。すなわち、光源12r,12b,12gは、Z方向に一行に配列されている。
具体的には、+Z側から順に、赤色の光を発する光源12rと、青色の光を発する光源12bと、緑色の光を発する光源12gとが配列されている。光源12r,12b,12gは、−X方向に光を発する。
光源11r,11b,11g,12r,12b,12gは、例えば、LD(レーザダイオード)で構成することが好ましい。LDは、光束の指向性が高いため光束の平行化が容易という利点があるからである。「平行化」とは、光源から出射した光を平行の光にすることである。但し、LED(発光ダイオード)またはEL(Electro−Luminescence)素子を用いることもできる。LEDまたはELの場合は、各光源に対応した平行化レンズを用意する。LDの場合も、各光源に対応した平行化レンズを用意する。しかし、平行化レンズの構成はLDの方が簡略である。なぜなら、LDの方がLEDやELに比べて指向性が高いため、光源から出射された光が平行に近いからである。
光源11r,11b,11gのそれぞれの出射側には、当該光源11r,11b,11gから出射された光束を平行光束にする平行化レンズ13r,13b,13gが配置されている。同様に、光源12r,12b,12gのそれぞれの出射側には、当該光源12r,12b,12gから出射された光束を平行光束にする平行化レンズ14r,14b,14gが配置されている。これら平行化レンズ13r,13b,13g,14r,14b,14gを総称して、平行化レンズ群(13,14)と称する。
さらに、光源11r,11b,11gから出射された平行光束15r,15b,15gと、光源12r,12b,12gから出射された平行光束16r,16b,16gとが交わる位置には、選択透過素子としての透過反射素子17が配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの透過反射素子17で平行光束15r,15b,15gを透過し、平行光束16r,16b,16gを反射して、1つの光束にできる位置である。つまり、「交わる位置」とは、1つのフィルタで、2つの光束のうち、1つの光束を透過して、他の1つの光束を反射して、これらの各光束を重ね合わせて1つの光束にできる位置である。または、「交わる位置」とは、これらの各光束を並べて1つの光束にできる位置である。光源装置1の詳細は、後述する。また、「素子」とは、装置の中で、それ自身の機能が全体としての機能に対して意味を持つ個々の構成要素のことである。つまり、「素子」とは、構成要素として全体の機能に重要な役割をもつ個々の単位部品である。
光源装置1から出射された光束は、集光レンズ4により光強度均一化素子5に向けて集光する。光強度均一化素子5は、入射した光束を当該光束断面内における光強度を均一化する。「光束断面内」とは、光軸C1に直交する面内である。すなわち、光強度均一化素子5は、照度むらを軽減する機能を有する。
光強度均一化素子5は、一般に、ガラスまたは樹脂等の透明材料で作製されている。そして、光強度均一化素子5は、側壁の内面が全反射面となるように構成されている。光強度均一化素子5は、多角形断面を有する柱状部材である。例えば、光強度均一化素子5は多角柱状のロッドである。ここで、「ロッド」とは、内部に空間を有さない棒形状のことである。または、光反射面(表面鏡)を内側に有し、多角形断面を有する管状部材で構成される。「管状部材」とは、例えば多角形のパイプである。
光強度均一化素子5が多角柱状のロッドである場合には、入射端から入射した光束を、透明材料と空気との界面での全反射作用を利用して複数回反射させた後に、出射端から出射する。光強度均一化素子5が多角形のパイプである場合には、入射端から入射した光束を、内側を向く光反射面の反射作用を利用して複数回反射させた後に、出射端から出射させる。光強度均一化素子5は、光束の進行方向に適当な長さを確保すれば、内部で複数回反射した光が光強度均一化素子5の出射端の近傍に重畳照射され、その出射端の近傍において、略均一な強度分布が得られる。つまり、光強度均一化素子5から出射する光の強度分布は、入射する際の光の強度分布に比べて、均一になっている。
光強度均一化素子5で強度が均一化された光束は、リレー光学系としてのリレーレンズ群6により、画像表示素子3に導かれる。なお、図1に示すリレーレンズ群6は3枚のレンズを有しているが、4枚以上のレンズを用いてもよいし、また、非球面レンズを用いてもよい。また、曲面ミラーを用いて画像表示素子3に光束を導いてもよい。
画像表示素子(ライトバルブ)3は、反射型および透過型のいずれであってもよい。具体的には、画像表示素子3は、例えば、液晶表示素子またはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などで構成される。図1のような光強度均一化素子5を用いた投写型表示装置7においては、光強度均一化素子5から画像表示素子3に入射する光束の偏光方向が揃っていないため、デジタルマイクロミラーデバイスがより好ましい。「ライトバルブ」とは、光を制御あるいは調節するものである。つまり、「ライトバルブ」とは、光源からの光を制御して画像光として出力する光学素子である。
また、光源装置1の構成および作用について、詳細に説明する。
図2は、透過反射素子17を集光レンズ4側(図1の+Z側)から見た図である。図2には、第1の光源群2aの光源11r,11b,11gを破線で示している。透過反射素子17は、光を透過するガラス基板等の透明基板17aで形成されている。
透過反射素子17は、さらに、反射部18r,18b,18gを有している。反射部18r,18b,18gは、図1に示す第2の光源群2bの各光源12r,12b,12gから出射された平行光束16r,16b,16gを反射する。すなわち、反射部18rは、平行光束16rを反射する。反射部18bは、平行光束16bを反射する。反射部18gは、平行光束16gを反射する。
反射部18r,18b,18gは、例えば、反射膜である。反射膜は誘電体多層膜や銀などで形成されている。反射部18r,18b,18gは、それぞれ、光源12r,12b,12gから出射された平行光束16r,16b,16gを反射する材質で構成されていればよい。例えば、反射部18rは、赤色の光のみを反射する材質で構成してもよい。
透過反射素子17は、X方向およびZ方向に対して45度の傾斜を有している。透過反射素子17は、第2の光源群2bの光源12r,12b,12gから反射部18r,18b,18gで反射した光が、集光レンズ4に向かうように配置されている。
このように構成されているため、第1の光源群2aの光源11r,11b,11gから出射されて透過反射素子17の透明部分を透過した平行光束15r,15b,15gと、第2の光源群2bの光源12r,12b,12gから出射されて透過反射素子17の反射部18r,18b,18gで反射された平行光束16r,16b,16gは、集光レンズ4に入射する。つまり、平行光束15r,15b,15gは、第1の光源群2aの光源11r,11b,11gから出射されて透過反射素子17の透明部分を透過する。平行光束16r,16b,16gは、第2の光源群2bの光源12r,12b,12gから出射されて透過反射素子17の反射部18r,18b,18gで反射される。そして、平行光束15r,15b,15g及び平行光束16r,16b,16gは、集光レンズ4に入射する。透過反射素子17の透明部分を透過部とよぶ。
透過反射素子17から集光レンズ4に入射する光束は、図1の上側(+X側)から順に、光束15r、光束16g、光束15b、光束16b、光束15gそして光束16rとなる。これらの平行光束がX方向に隙間なく並んで入射するため、集光レンズ4による集光効率を高めることができる。
また、光束15r、光束16g、光束15b、光束16b、光束15gそして光束16rは、色で表わすと、赤、緑、青、青、緑そして赤の順番となる。「色」とは、波長帯域のことである。すなわち、波長が短い光束ほど、集光レンズ4の光軸(光軸C1)に近い位置に入射するようになっている。
一般に、集光レンズ4の有効外形が大きいほど、球面収差の影響が大きい。このため、集光レンズ4の光軸C1から離れた位置に入射した光束ほど、Z方向において集光レンズ4の近くに集光する。レンズの屈折率は波長に依存する。このため、屈折率が比較的大きい低波長の青色の光を光軸C1の近傍に入射させ、屈折率が比較的小さい長波長の赤色の光を光軸C1から最も離れた位置に入射させることにより、各色の光束の集光位置をほぼ同じにすることができる。そして、集光レンズ4による集光効率を高めることができる。ここで、「集光効率」とは、光強度均一化素子5への集光効率である。
図3(A)は、上記の球面収差を説明するための模式図およびその拡大図である。レンズ200aの光軸Cから離れた位置に入射した緑色の光線201gは、光軸Cに近い位置に入射した緑色の光線202gよりも手前の集光位置f1に集光する。ここで「手前」とは、「集光レンズ200a寄り」のことである。つまり、−Z方向である。これは、X方向における入射位置によってZ方向の集光位置が変化することを示している。ここで、「入射位置」とは、レンズ200aに入射する光の光軸Cからの距離である。図3(A)において、光線201g,202gの集光位置をf1,f2とし、集光位置f1,f2の間隔をd20とする。
一方、図3(B)では、レンズ200bの光軸Cから離れた位置に、赤色の光線201rが入射し、レンズ200bの光軸Cに近い位置に、青色の光線202bが入射している。図3(B)の拡大図に示すように、間隔d21は、青色の光線202bの集光位置f4と赤色の光線201rの集光位置f3との間隔である。間隔d20は、図3(A)に示した緑色の光線201g,202gの集光位置f1,f2の間隔である。球面収差の影響は残っているが、間隔d21は、間隔d20よりも狭くなっている。このように、レンズ200bの光軸Cから離れた位置に入射する光線の波長を長く、光軸C付近の光線の波長を短くすることにより、球面収差の影響を軽減し、レンズ200bによる集光効率を向上することができる。ここでは、波長の長い光線は、赤色の光である。また、波長の短い光線は、青色の光である。
図1に戻り、第1の光源群2a(光源11r,11b,11g)および第2の光源群2b(光源12r,12b,12g)は、それぞれの冷却効率を確保するため、隣り合う光源の間隔をあけて配置する必要がある。このように光源の間隔をあけると、各光源から出射された光束の間に隙間が生じるため、光の利用効率の低下を招く可能性がある。つまり、光束が大きくなるために、レンズ等の光学素子が大きくなるからである。
そこで、この実施の形態1では、第1の光源群2aの光源11r,11b,11gから出射された光束の隙間を、第2の光源群2bの光源12r,12b,12gから出射された光束によって埋めるようにしている。これにより、集光レンズ4に到達する光束は、隙間を小さくして密な状態となり、光の利用効率を向上することできる。ここで、「光利用効率を向上する」とは、光束の輝度を高くすることができることである。つまり、高い輝度を得ることができることである。「輝度」とは、単位面積当たりの明るさである。つまり、光束の断面の単位面積当たりの明るさである。
以上、説明したように、この実施の形態1は、透過反射素子17を用いて、第1の光源群2aおよび第2の光源群2bの光束を合成して集光レンズ4に導くように構成した。このため、簡単な構成で高輝度化を実現することができる。また、光の利用効率を向上することができる。また、特許文献1に開示された光源装置のように多数のミラーの調整を行う必要がないため、複雑な調整作業が不要となる。
特に、透過反射素子17を用いて、第1の光源群2aの各光源から出射された光束15r,15b,15gを透過し、第2の光源群2bの各光源から出射された光束16r,16b,16gを反射するようにした。このため、両光源群2a,2bの各光源から出射された光束を隙間なく合成することができる。そして輝度を向上することができる。また、各光源11r,11b,11g,12r,12b,12gの配列の間隔を十分に確保することができるため、冷却効率も向上する。また、光源11r,11b,11g,12r,12b,12gを駆動する電子部品等を配置することが容易となる。また、光源11r,11b,11g,12r,12b,12gを保持する保持部品の配置も容易となる。
また、この実施の形態1では、波長が短い光束を、集光レンズ4の光軸に近い位置に入射するように構成した。このため、球面収差の影響を軽減し、集光レンズ4による集光効率を向上することができる。
また、透過反射素子17は透明基板17a上に反射膜を形成したものである。このため、様々な形状の反射膜を形成することが可能である。ここで、反射膜を施した部分は反射部である。
なお、この実施の形態1では、透過反射素子17を、X方向およびZ方向に対して45度の角度をなすように配置している。しかし、この角度は、45度に限らず、第1の光源群2aの各光源の出射した光束と第2の光源群2bの各光源の出射した光束とを合成することができる角度であればよい。
但し、第1の光源群2aの各光源11r,11b,11gの光軸と、第2の光源群2bの各光源12r,12b,12gの光軸とが直交している場合には、透過反射素子17をX方向およびZ方向に対して45度の角度となるように配置することが好ましい。最もコンパクトな装置構成で、第1の光源群2aの各光源の出射した光束と第2の光源群2bの各光源の出射した光束とを合成することができるからである。
また、ここでは、第1の光源群2aの各光源11r,11b,11gの光軸と、第2の光源群2bの各光源12r,12b,12gの光軸とが直交している。しかし、これらの光軸が必ずしも直交している必要はない。すなわち、第1の光源群2aの各光源から出射されて透過反射素子17を透過した光束と、第2の光源群2bの各光源から出射されて透過反射素子17で反射された光束とが、集光レンズ4に向けて進行するような配置であればよい。
なお、この実施の形態1では、光源装置1が3色の光束を出射する場合について説明したが、単色の光束を出射する場合であっても同様の効果が得られる。「単色の光束」とは、例えば、第1の光源群2a及び第2の光源群2bが赤色の光源のみを有する場合である。この場合、赤色の光源装置、緑色の光源装置及び青色の光源装置からの光を合成する必要がある。その場合には、各色の光束を合成するように、光源装置1の出射側に色合成ミラーを配置する等の工夫をすればよい。
また、光源11r,11b,11gと光源12r,12b,12gとは、それぞれ1行3列に配列されているが、このような配列に限らず、例えば、複数行で複数列に配列されていても良い。ここで、「行」とはX方向の並びを示し、「列」とはY方向の並びを示している。つまり、図2で示すように、光源11r,11b,11gは、X方向に1行に並んでおり、Y方向には3列に並んでいる。
また、この実施の形態1では、光源11r,11b,11gおよび光源12r,12b,12gをそれぞれ等間隔に配置している。しかし、光源の大きさに応じて間隔を変化させても良い。例えば、光源11rの配列方向(X方向)における長さが他の光源11b,11gよりも長ければ、光源11bと光源11gとの間隔を当該長さに対応させれば良い。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1に対して、第1の光源群20aおよび第2の光源群20bの光源の配列、および透過反射素子27の透過部と反射部の配列が異なる。この実施の形態2では、光源装置よりも出射側の構成要素は、実施の形態1で説明した構成要素と同一である。光源装置よりも出射側の構成要素は、図1に示した集光レンズ4からスクリーン9までの構成である。つまり、光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。
図4は、透過反射素子27上の平行光束15r,15b,15g,16r,16b,16gの照射される領域に、各光源21r,21b,21g,22r,22b,22gの位置を重ねて示した図である。
図4では、透過反射素子27は破線の四角形状で示している。平行光束15r,16rの照射される照射領域は、四角の枠の中に点を散りばめた模様で示している。以下、点を散りばめた模様を「ドット模様」とよぶ。平行光束15g,16gの照射される領域は、四角の枠の中に縦線と横線が直交する模様で示している。以下、縦線と横線が直交する模様を「格子模様」とよぶ。平行光束15b,16bの照射される領域は、四角の枠の中に横方向の破線が並ぶ模様で示している。以下、横方向の破線が並ぶ模様を「破線縞模様」とよぶ。
図4(A)は、第1の光源群20aの光源21r,21b,21gが透過反射素子27上に照射する平行光束15r,15b,15gの照射領域を示した図である。図4(B)は、第2の光源群20bの光源22r,22b,22gが透過反射素子27上に照射する平行光束16r,16b,16gの照射領域を示した図である。図4(A)は、+Z方向から見た図である。図4(B)−X方向から見た図である。
図4(A)および図4(B)には、第1の光源群20aの各光源21r,21b,21gの位置および第2の光源群20bの各光源22r,22b,22gの位置を、黒枠で囲んだ四角形で示している。図4では、透過反射素子27の裏面側に光源21r,21b,21g,22r,22b,22gが配置されているが、説明を容易にするために、光源21r,21b,21g,22r,22b,22gを実線で示している。裏面側は、図4(A)では−Z方向側で、図4(B)では+X方向側である。
図4(A)に示すように、第1の光源群20aの光源21r,21b,21gは、XY面に平行な面内に6行6列に配列されている。ここで「6行6列」とは、図4(A)でY方向に6つの並び(行)があり、X方向に6つの並び(列)があることである。すなわち、+Z方向から見て、最も右側(+X側)の列には、上(+Y側)から1行目、3行目、5行目に、赤色の光を発する光源21rが配置されている。右から2番目の列には、上から2行目、4行目、6行目に、緑色の光を発する光源21gが配置されている。右から3番目の列には、上から1行目、3行目、5行目に、青色の光を発する光源21bが配置されている。
同様に、右から4番目の列には、上から2行目、4行目、6行目に、青色の光を発する光源21bが配置されている。右から5番目の列には、上から1行目、3行目、5行目に、緑色の光を発する光源21gが配置されている。最も左側(−X側)の列には、上から2行目、4行目、6行目に、赤色の光を発する光源21rが配置されている。
光源21r,21b,21gの光軸方向は、Z方向である。また、光源21r,21b,21gの出射側には、実施の形態1で説明した平行化レンズ13r,13b,13g(図4では省略)が各色の光源で6枚、合計18枚配置されている。
図4(B)に示すように、第2の光源群20bの光源22r,22b,22gは、YZ面に平行な面内に6行6列に配列されている。ここで「6行6列」とは、図4(B)でY方向に6つの並び(行)があり、Z方向に6つの並び(列)があることである。すなわち、−X方向から見て、最も右側(+Z側)の列には、上(+Y側)から1行目、3行目、5行目に、赤色の光を発する光源22rが配置されている。右から2番目の列には、上から2行目、4行目、6行目に、緑色の光を発する光源22gが配置されている。右から3番目の列には、上から1行目、3行目、5行目に、青色の光を発する光源22bが配置されている。
同様に、右から4番目の列には、上から2行目、4行目、6行目に、青色の光を発する光源22bが配置されている。右から5番目の列には、上から1行目、3行目、5行目に、緑色の光を発する光源22gが配置されている。最も左側(−Z側)の列には、上から2行目、4行目、6行目に、赤色の光を発する光源22rが配置されている。
光源22r,22b,22gの光軸方向は、X方向である。また、光源22r,22b,22gの出射側には、実施の形態1で説明した平行化レンズ14r,14b,14g(図4では省略)が各色の光源で6枚、合計18枚配置されている。
図4(C)は、光源群20a,20bを組み合わせた状態を示す斜視図である。つまり、図4(C)は、透過反射素子27上の各光源21r,21b,21g,22r,22b,22gの照射領域を、XY面に平行な面上およびYZ面に平行な面上に投影した図である。第1の光源群20aの照射領域は、XY平面に平行な面上に投影されている。第2の光源群20bの照射領域は、YZ面に平行な面上に投影されている。透過反射素子27は破線の四角形状で示されている。Z方向の光軸を有する第1の光源群20aと、X方向の光軸を有する第2の光源群20bとは、互いに90度となるように配置される。
第1の光源群20a(光源21r,21b,21g)から出射された後に平行となった平行光束15r,15b,15gと、第2の光源群20b(光源22r,22b,22g)から出射された後に平行となった平行光束16r,16b,16gの交わる位置には、選択透過素子としての透過反射素子27が配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの透過反射素子27で平行光束15r,15b,15gを透過し、平行光束16r,16b,16gを反射して、1つの光束にできる位置である。
図5は、透過反射素子27を示す正面図である。すなわち、+Y方向から見て、Y軸を中心として、+X方向から45度時計回りに回転した方向から透過反射素子27を見た図である。これは、同様に+Y方向から見て、+Z方向から45度反時計回りに回転した方向から見た図である。このため、図5に示された座標は、向かって左側が+Z方向となり、右側が+X方向として示されている。実際は、X軸およびZ軸は、紙面の手前側に45度傾いた方向を示している。
透過反射素子27は、例えばガラス基板等の透明基板上に、第2の光源群20b(光源22r,22b,22g)から出射された光束を反射する反射部28r,28b,28gを設けたものである。図5において、反射部28rは、「ドット模様」で示されている。反射部28gは、「格子模様」で示されている。反射部28bは、「破線縞模様」で示されている。
透過反射素子27は、X方向およびZ方向に対して45度の角度で傾斜している。このため、反射部28r,28b,28gの個々のX方向長さL1は、Y方向長さL2の√2倍となる。
透過反射素子27の反射部28r,28b,28g以外の部分は、第1の光源群20aの光源21r,21b,21gから出射されて平行となった平行光束15r,15b,15gを透過する部分となる。
このように構成されているため、透過反射素子27は、第1の光源群20a(光源21r,21b,21g)から出射された平行光束15r,15b,15gを透過させ、第2の光源群20b(光源22r,22b,22g)から出射された平行光束16r,16b,16gを反射させて、集光レンズ4(図1)に導く。
実施の形態1でも説明したように、光源群20a,20bの各光源は、冷却のために一定の間隔をあけて配列する必要がある。このため、透過部と反射部28r,28b,28gとを交互に有する透過反射素子27を用いることにより、各光源から出射された光束を隙間なく合成し、高輝度化を実現することができる。
図6は、光源装置1から出射された光束の断面(XY断面)を示す模式図である。光源装置1から出射された光束は、透過反射素子27の反射部28r,28b,28gで反射された光束と、透過反射素子27の透過部を透過した光束とが合成した光束となる。よって、図6に示すように、Y方向に長く、X方向に短い断面形状を有する6つの光束40r、光束40g、光束40b、光束40b、光束40gおよび光束40rが、−X方向から+X方向に向けて隙間なく密に配列される。図6において、光束40rは、「ドット模様」で示している。光束40gは、「格子模様」で示している。光束40bは、「破線縞模様」で示している。また、図6に示した光束の断面は、X方向の長さとY方向の長さの比が略同じである。すなわち、縦横比はほぼ1対1である。ここでは、便宜上、光束を四角形状としているが、実際には概ね円形状となる。なお、「便宜上」とは、説明するのに都合が良いということである。
また、図6に示した光束は、青色の光束40bが光軸C1に最も近く、赤色の光束40rが光軸C1から最も遠くなるように配列されている。従って、実施の形態1で説明したように、集光レンズ4による集光効率を高めることができる。ここで、「集光効率」とは、光強度均一化素子5への集光効率である。
この実施の形態2では、図4(A)および(B)に示した配列の光源群20a,20bを用いたが、このような構成には限定されない。すなわち、透過反射素子27から出射された光束の断面において各光束が隙間を小さくして密に配列されていれば、光の利用効率を向上することができる。例えば、外周近傍の光源を赤色の光源とし、中心近傍の光源を青色の光源としてもよい。
以上説明したように、この実施の形態2によれば、光源を複数の行および複数の列に配列した場合でも、第1の光源群20aの各光源および第2の光源群20bの各光源から出射された光束を透過反射素子27で隙間なく合成することができる。これにより、高輝度化を実現することができる。また、光の利用効率を向上することができる。また、特許文献1に開示された光源装置のように多数のミラーの調整を行う必要が無いため、複雑な調整作業が不要となる。
また、図6に示すように、光源装置1の出射した光束のX方向とY方向の長さを略同じとすることにより、光強度均一化素子5への集光効率を向上することができる。すなわち、実施の形態1では、光源装置1の出射した光束のX方向とY方向の長さが異なっている。しかし、実施の形態2では、X方向の長さとY方向の長さとが略同じであるため、X方向の球面収差とY方向の球面収差との影響が等しい。そのため光の利用効率が高くなる。例えば、6行6列に配列することで、4行9列に配列するよりも、光の利用効率が高くなる。ここで、「略同じ」とは、例えば、LDは速軸方向と遅軸方向とで発散角が異なるため、正確にX方向とY方向とが一致しない場合も含むことを示している。
なお、この実施の形態2では、光源装置1が3色の光束を出射する場合について説明した。しかし、光源装置1から単色の光束を出射する場合であっても同様の効果が得られる。つまり、光源装置を3つ用意して、第1の光源装置からは赤色の光束を出射し、第2の光源装置からは緑色の光束を出射し、第3の光源装置からは青色の光束を出射する場合である。その場合には、各色の光源装置から出射する光束を合成するように、光源装置の出射側に色合成ミラーを配置する等の工夫をすればよい。
また、この実施の形態2では、第1の光源群20aの各光源21r,21b,21gと、第2の光源群20bの各光源22r,22b,22gとが、互いに直交する面内に配列されている。すなわち、第1の光源群20aの各光源21r,21b,21gは、XY面に配列されている。第2の光源群20bの各光源22r,22b,22gは、YZ面に配列されている。しかし、このような配列に限らず、透過反射素子27で光源群20a,20bの出射した光束を合成できるような配列であればよい。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3における光源装置を備えた投写型表示装置7bの構成を示す構成図である。この実施の形態3における光源装置は、2つの光源ユニット101a,101bを有し、偏光分離素子68を用いて、2つの光源ユニット101a,101bから出射された光束を合成するものである。ここで、「光源ユニット」とは、例えば単体でも実施の形態1に示した光源装置1のようになり得るが、光量を上げるために複数の光源装置を備えた場合に、その1つ1つを光源ユニットと呼ぶ。つまり、実施の形態3では、実施の形態1又は2で示した光源装置1を光源ユニット101a,101bとして示している。投写型表示装置7bの光源装置よりも出射側の構成要素は、実施の形態1と同じである。光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。なお、図1で示した投写光学系8およびスクリーン9は、図示を省略している。「偏光」とは、ある決まった方向の振動面を持つ光のことである。「偏光分離素子」とは、偏光方向によって、入射した光の一部を反射し、一部を透過する素子である。
第1の光源ユニット101aは、光源群102a,102bを有している。光源群102aは、Z方向の光軸を有している。また、光源群102aは、X方向に配列された複数の光源31r,31b,31gを有している。図7では、光源31r,31b,31gは3つで示している。また、+X側から順に、赤色の光を発する光源31rと、青色の光を発する光源31bと、緑色の光を発する光源31gとが配列されている。光源群102aは第1の光源群である。
光源群102bは、X方向の光軸を有している。また、光源群102bは、Z方向に配列された複数の光源32r,32b,32gを有している。図7では、光源32r,32b,32gは3つで示している。また、+Z側から順に、赤色の光を発する光源32rと、青色の光を発する光源32bと、緑色の光を発する光源32gとが配列されている。光源群102bは第2の光源群である。
光源31r,31b,31g,32r,32b,32gは、特定の偏光を有する光束を出射する。「特定の偏光」とは、例えばP偏光やS偏光である。例えば、光源31r,31b,31g,32r,32b,32gがP偏光の光を出射する場合、偏光分離素子68に到達する光束はP偏光の光となる。なお、光源31r,31b,31g,32r,32b,32gとしては、偏光が揃った光束を出射することができるLDが好ましい。
光源31r,31b,31gのそれぞれの出射側には、当該光源31r,31b,31gから出射された光束を平行光束にする平行化レンズ33r,33b,33gが配置されている。同様に、光源32r,32b,32gのそれぞれの出射側には、当該光源32r,32b,32gから出射された光束を平行光束にする平行化レンズ34r,34b,34gが配置されている。
光源群102aの各光源31r,31b,31gから出射された平行光束35r,35b,35gと、光源群102bの各光源32r,32b,32gから出射された平行光束36r,36b,36gとが交わる位置には、透過反射素子37が配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの透過反射素子37で平行光束35r,35b,35gを透過し、平行光束36r,36b,36gを反射して、1つの光束にできる位置である。なお図7では、図が煩雑となるため各光束を中心光線のみで示している。透過反射素子37は、透過部と反射部38r,38b,38gとを有している。透過部は、光源31r,31b,31gから出射された平行光束35r,35b,35gを透過する。反射部38r,38b,38gは、光源32r,32b,32gから出射された平行光束36r,36b,36gを反射する。
透過反射素子37は、例えば、透明基板上に、誘電体多層膜や銀等により反射膜を形成したものである。反射膜の施された部分は、反射部38r,38b,38gである。なお、反射部38r,38b,38gは、それぞれ特定の色の光のみを反射するものであってもよい。
第2の光源ユニット101bは、光源群102c,102dを有する。光源群102cは、X方向の光軸を有している。また、光源群102cは、Z方向に配列された複数の光源51r,51b,51gを有している。光源群102cは、第1の光源群である。図7では、光源51r,51b,51gは3つで示している。また、+Z側から順に、赤色の光を発する光源51rと、青色の光を発する光源51bと、緑色の光を発する光源51gとが配列されている。
光源群102dは、Z方向の光軸を有している。また、光源群102dは、X方向に配列された複数の光源52r,52b,52gを有している。光源群102dは、第2の光源群である。図7では、光源52r,52b,52gは3つで示している。また、+X側から順に、緑色の光を発する光源52gと、青色の光を発する光源52bと、赤色の光を発する光源52rとが配列されている。
第2の光源ユニット101bの各光源51r,51b,51g,52g,52b,52rは、上述した第1の光源ユニット101aの各光源から出射される光束の偏光方向と90度異なる方向の偏光を有する光束を出射する。すなわち、第1の光源ユニット101aの各光源がP偏光の光を出射する場合には、第2の光源ユニット101bの各光源はS偏光の光を出射する。また、第1の光源ユニット101aの各光源がS偏光の光を出射する場合には、第2の光源ユニット101bの各光源はP偏光の光を出射する。なお、光源51r,51b,51g,52g,52b,52rとしては、偏光が揃った光束を出射することができるLDが好ましい。
光源51r,51b,51gのそれぞれの出射側には、当該光源51r,51b,51gから出射された光束を平行光束55r,55b,55gにする平行化レンズ53r,53b,53gが配置されている。同様に、光源52g,52b,52rのそれぞれの出射側には、当該光源52g,52b,52rから出射された光束を平行光束56g,56b,56rにする平行化レンズ54g,54b,54rが配置されている。
光源群102cの各光源から出射された平行光束55r,55b,55gと、光源群102dの各光源から出射された平行光束56g,56b,56rとが交わる位置には、透過反射素子57が配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの透過反射素子57で平行光束55r,55b,55gを透過し、平行光束56g,56b,56rを反射して、1つの光束にできる位置である。透過反射素子57は、透過部と反射部58g,58b,58rとを有している。透過部は、光源51r,51b,51gから出射された平行光束55r,55b,55gを透過する。反射部58g,58b,58rは、光源52g,52b,52rから出射された平行光束56g,56b,56rを反射する。
透過反射素子57は、例えば、透明基板上に、誘電体多層膜や銀等により反射膜を形成したものである。反射膜の施された部分は、反射部58g,58b,58rである。なお、反射部58g,58b,58rは、それぞれ特定の色の光のみを反射するものであってもよい。
第1の光源ユニット101aから出射されて+Z方向に進行する光束と、第2の光源ユニット101bから出射されて−X方向に進行する光束とが交わる位置には、偏光分離素子68が配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの偏光分離素子68で+Z方向に進行する光束を透過し、−X方向に進行する光束を反射して、1つの光束にできる位置である。偏光分離素子68は、特定の偏光の光(例えば、P偏光の光)を透過し、特定の偏光の光と偏光方向が90度異なる偏光の光(例えば、S偏光の光)を反射する特性を有する。
ここでは、偏光分離素子68は、第1の光源ユニット101aから出射された光束を透過し、第2の光源ユニット101bから出射された光束を反射する。つまり、第1の光源ユニット101aから出射された光束は、P偏光の光である。また、第2の光源ユニット101bから出射された光束は、S偏光の光である。これにより、第1の光源ユニット101aから出射された光束は、偏光分離素子68を透過して集光レンズ4に到達する。第2の光源ユニット101bから出射された光束は、偏光分離素子68によりZ方向に反射されて集光レンズ4に到達する。
また、偏光分離素子68は、光源ユニット101a,101bから出射された同じ色の光束を、同じ位置で透過または反射するように構成されている。すなわち、例えば、第1の光源ユニット101aの光源31rから出射された光束(P偏光の光)は偏光分離素子68上のある位置を透過する。そして、その偏光分離素子68上の同じ位置で、第2の光源ユニット101bの光源52rから出射された光束(S偏光の光)は反射される。すなわち、偏光分離素子68を透過した光束と反射された光束とが、同一光路上を進行する。従って、P偏光の光とS偏光の光とが重ね合わされた光束(赤色の光)66rが、集光レンズ4に到達する。
同様にして、P偏光の光とS偏光の光とが重ね合わされた光束(緑色の光)66g、および、P偏光の光とS偏光の光とが重ね合わされた光束(青色の光)66bが、集光レンズ4に到達する。
このように、実施の形態3は、2つの光源ユニット101a,101bを用いている。その2つの光源ユニット101a,101bは、偏光の方向を選択することが可能な光源(例えばLD)を用いることにより、実施の形態1の約2倍の明るさを得ることが可能となる。そして、投写型表示装置のさらなる高輝度化を実現することができる。
また、図7に示したように、光源群102aの各光源31r,31b,31gから出射された平行光束35r,35b,35gの隙間を、光源群102bの各光源32r,32b,32gから出射された平行光束36r,36b,36gによって埋めるようにした。また、光源群102cの各光源51r,51b,51gから出射された平行光束55r,55b,55gの隙間を、光源群102dの各光源52g,52b,52rから出射された平行光束56g,56b,56rによって埋めるようにした。このため、集光レンズ4に到達する光束は、隙間が小さくなり密な状態となる。これにより、光の利用効率を向上することができる。
以上説明したように、この実施の形態3によれば、第1の光源ユニット101aにおいて、光源群102a,102bの出射した光束を透過反射素子37で合成している。それと共に、第2の光源ユニット101bにおいて、光源群102c,102dの出射した光束を透過反射素子57で合成している。さらに、これら光源ユニット101a,101bの出射した光束を偏光分離素子68で合成している。このため、高輝度化を実現することができる。また、光の利用効率も向上することができる。また、特許文献1に開示された光源装置のように多数のミラーの調整を行う必要が無いため、複雑な調整作業が不要となる。
なお、ここでは、光源群102aの光源31r,31b,31g、光源群102bの光源32r,32b,32g、光源群102cの光源51r,51b,51gおよび光源群102dの光源52g,52b,52rを、それぞれ1行3列に配列した例について説明した。しかし、実施の形態2のように、複数行および複数列に配列しても良い。このようにすれば、光源装置の出射した光束の断面形状のX方向の寸法およびY方向の寸法(縦方向の寸法および横方向の寸法)を略同じとして、集光レンズ4による集光効率を向上し、高輝度化を実現することができる。つまり、実施の形態2と同様に、X方向の長さとY方向の長さとが略同じであるため、X方向の球面収差とY方向の球面収差との影響が等しい。そのため光の利用効率が高くなる。例えば、6行6列に配列することで、4行9列に配列するよりも、光の利用効率が高くなる。ここで、「略同じ」とは、例えば、LDは速軸方向と遅軸方向とで発散角が異なるため、正確にX方向とY方向とが一致しない場合も含むことを示している。
また、この実施の形態3では、光源装置が3色の光束を出射する場合について説明した。しかし、単色の光束を出射する場合であっても同様の効果が得られる。その場合には、各色の光束を合成するように、光源装置の出射側に色合成ミラーを配置する等の工夫をすればよい。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4における光源装置を備えた投写型表示装置7cの構成を示す構成図である。実施の形態4における光源装置は、2つの光源ユニット101c,101dを有している。また、光源装置は、透過反射素子88を有する。各光源ユニット101c,101dは、選択透過素子としての偏光分離素子77b,87bを用いて光源群102e,102fおよび光源群102g,102hの出射した光束を合成している。さらに、各光源ユニット101c,101dが合成した光束を、透過反射素子88によってさらに合成している。なお、投写型表示装置7cの光源装置よりも出射側の構成要素は、実施の形態1と同じである。光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。なお、図1で示した投写光学系8およびスクリーン9は、図示を省略している。
実施の形態4は、実施の形態3で示した透過反射素子37,57を偏光分離素子77b,87bに置き換えることができることを示している。また、実施の形態4は、実施の形態3で示した偏光分離素子68を透過反射素子88に置き換えることができることを示している。つまり、透過反射素子と偏光分離素子とは相互に交換または選択することができることを示している。
なお、実施の形態4の光源装置は、光源ユニット101c,101dが合成した光束を、透過反射素子88によってさらに合成している。しかし、光源ユニット101c,101dは、それ自体で光源装置となり得る。つまり、光源ユニット101cは、光源71b,72bから出射した光束を偏光分離素子77bで合成する光源装置となり得る。また、光源ユニット101dは、光源81b,82bから出射した光束を偏光分離素子87bで合成する光源装置となり得る。これらの光源装置は、単色の光を発する光源となる。実施の形態4では、光源ユニット101c,101dは、青色の光を発する光源装置となる。
例えば、青色のLDの場合には、青色の光はピーク波長が450nm、460nm付近の光強度分布を有する。また、緑色のLDの場合には、緑色の光はピーク波長530nm付近の光強度を有する。赤色のLDの場合には、赤色の光はピーク波長が640nm付近の光強度分布を有する。LDの光の波長帯域の幅は、10nm以下が一般的である。LDの光の波長帯域の幅は、透過反射素子を使用する場合には、5nmより小さいことが望ましい。
この実施の形態4の光源装置は、全ての光源が同一色(単色)の光束を出射する場合に特に効果が得られる。ここでは、第1の光源ユニット101cの光源群102e,102fの各光源、および第2の光源ユニット101dの光源群102g,102hの各光源が、全て青色の光を出射する場合について説明する。
第1の光源ユニット101cは、光源群102e,102fを有している。また、第1の光源ユニット101cは、偏光分離素子77bを有している。光源群102eは、Z方向の光軸を有し、X方向に配列された複数の光源71bを有している。光源群102eは、第1の光源群である。図8では、光源71bは3つで示している。また、光源群102fは、X方向の光軸を有し、Z方向に配列された複数の光源72bを有している。光源群102fは、第2の光源群である。図8では、光源72bは3つで示している。
光源71bは、特定の偏光(例えばP偏光)を有する青色の光(第1の光束)を発する。光源72bは、光源71bと偏光方向が90度異なる偏光(例えばS偏光)を有する青色の光(第2の光束)を出射する。なお、光源71b,72bとしては、偏光が揃った光束を出射することができるLDが好ましい。上述したように、「LD」とは、レーザのことである。
3つの光源71bのそれぞれの出射側には、当該光源71bから出射された光束を平行光束75bにする3つの平行化レンズ73bが配置されている。同様に、3つの光源72bのそれぞれの出射側には、当該光源72bから出射された光束を平行光束76bにする3つの平行化レンズ74bが配置されている。
光源群102eの各光源71bから出射された平行光束75bと、光源群102fの各光源72bから出射された平行光束76bとが交わる位置には、偏光分離素子77bが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの偏光分離素子77bで平行光束75bを透過し、平行光束76bを反射して、1つの光束にできる位置である。なお図8では、図が煩雑となるため各光束を中心光線のみで示している。偏光分離素子77bは、特定の偏光の光(第1の偏光の光で、例えばP偏光の光)を透過し、特定の偏光の光と偏光方向が90度異なる偏光の光(第2の偏光の光で、例えばS偏光の光)を反射する特性を有する。ここでは、偏光分離素子77bは、光源群102eの各光源71bから出射された平行光束75b(P偏光の光)を透過し、光源群102fの各光源72bから出射された平行光束76b(S偏光の光)を反射する。
従って、光源群102eの各光源71bから出射された平行光束75b(P偏光の光)は、偏光分離素子77bを透過して透過反射素子88に到達する。また、光源群102fの各光源72bから出射された平行光束76b(S偏光の光)は、偏光分離素子77bでZ方向に反射されて透過反射素子88に到達する。
つまり、偏光分離素子77bは、平行光束75b(P偏光の光)と平行光束76b(S偏光の光)とが入射して、平行光束75bを透過し、平行光束76bを反射して、同一の光路上で平行光束75bと平行光束76bとを合成する。
第2の光源ユニット101dは、光源群102g,102hを有している。また、第2の光源ユニット101dは、偏光分離素子87bを有している。光源群102gは、X方向の光軸を有し、Z方向に配列された複数の光源81bを有している。光源群102gは、第1の光源群である。図8では、光源81bは3つで示している。また、光源群102hは、Z方向の光軸を有し、X方向に配列された複数の光源82bを有している。光源群102hは、第2の光源群である。図8では、光源82bは3つで示している。
光源81bは、特定の偏光(例えばP偏光)を有する青色の光(第1の光束)を発する。光源82bは、光源81bと偏光方向が90度異なる偏光(例えばS偏光)を有する青色の光(第2の光束)を出射する。なお、光源81b,82bとしては、偏光が揃った光束を出射することができるLDが好ましい。
3つの光源81bのそれぞれの出射側には、当該光源81bから出射された光束を平行光束85bにする3つの平行化レンズ83bが配置されている。同様に、3つの光源82bのそれぞれの出射側には、当該光源82bから出射された光束を平行光束86bにする3つの平行化レンズ84bが配置されている。
光源群102gの各光源81bから出射された平行光束85bと、光源群102hの各光源82bから出射された平行光束86bとが交わる位置には、偏光分離素子87bが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの偏光分離素子87bで平行光束85bを透過し、平行光束86bを反射して、1つの光束にできる位置である。偏光分離素子87bは、特定の偏光の光(例えばP偏光の光)を透過し、特定の偏光の光と偏光方向が90度異なる偏光の光(例えばS偏光の光)を反射する特性を有する。ここでは、偏光分離素子87bは、光源群102gから出射された平行光束85b(P偏光の光)を透過し、光源群102hから出射された平行光束86b(S偏光の光)を反射する。
従って、光源群102gから出射された平行光束85b(P偏光の光)は、偏光分離素子87bを透過して透過反射素子88に到達する。また、光源群102hから出射された平行光束86b(S偏光の光)は、偏光分離素子87bで−X方向に反射されて透過反射素子88に到達する。
つまり、偏光分離素子87bは、平行光束85b(P偏光の光)と平行光束86b(S偏光の光)とが入射して、平行光束85bを透過し、平行光束86bを反射して、同一の光路上で平行光束85bと平行光束86bとを合成する。
第1の光源ユニット101cから出射された光束と、第2の光源ユニット101dから出射された光束とが交わる位置には、透過反射素子88が配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの透過反射素子88で第1の光源ユニット101cから出射された光束を透過して、第2の光源ユニット101dから出射された光束を反射し、1つの光束にできる位置である。透過反射素子88は、第1の光源ユニット101cから出射された光束を透過する透過部と、第2の光源ユニット101dから出射された光束を反射する反射部88bとを有している。
透過反射素子88は、例えば、ガラス基板等の透明基板上に、誘電体多層膜や銀等により反射膜を形成したものである。
第1の光源ユニット101cから出射された光束は、透過反射素子88を透過して+Z方向に進行し、集光レンズ4に入射する。第2の光源ユニット101dから出射された光束は、透過反射素子88の反射部88bで+Z方向に反射され、集光レンズ4に入射する。
このように、実施の形態4によれば、第1の光源ユニット101cは、光源群102e,102fの各光源の出射した光束75b,76bを偏光分離素子77bで合成している。また、第2の光源ユニット101dは、光源群102g,102hの各光源の出射した光束85b,86bを偏光分離素子87bで合成している。さらに、光源ユニット101c,101dの出射した光束を、透過反射素子88で合成している。このため、高輝度化を実現することができる。また、光の利用効率を向上することができる。また、特許文献1に開示された光源装置のように多数のミラーの調整を行う必要が無いため、複雑な調整作業が不要となる。
また、光源ユニット101c,101dのそれぞれにおいて、偏光分離素子77b,87bを用いて光束を合成しているため、同一の光路上に光束を合成することが可能となる。これにより、実施の形態3で説明したように、各光源ユニットから出射される光束の輝度を約2倍にすることができる。
更に、透過反射素子88によって、第1の光源ユニット101cから出射された光束の隙間を、第2の光源ユニット101dから出射された光束によって埋めるようにした。これにより、集光レンズ4に到達する光束は、隙間が小さくなる。また、集光レンズ4に到達する光束は、密な状態となる。これにより、光の利用効率を向上することができる。
また、例えば特許文献1に記載されているように、蛍光体をLDで照明することによって緑色の光を出力させる投写型表示装置では、単色LDの高輝度化が必要であるが、この実施の形態4の光源装置は、光の利用効率を向上させることができるため、光源自体の高輝度化を抑えて光源装置の高輝度化が可能となる。
なお、ここでは、全ての光源が同一色の光束(青色の光束)を出射する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。複数の色の光束を発する光源を用いた場合であっても、光源群102e,102fから出射される光束の偏光方向が互いに90度異なり、光源群102g,102hから出射される光束の偏光方向が互いに90度異なっていればよい。
また、複数の色の光束を発する光源を用い、光源装置の出射した光束を単色の光とする場合には、集光レンズ4の入射側に光合成素子(色合成ミラー)を配置する等の工夫をすればよい。
なお、ここでは、光源群102eの光源71b、光源群102fの光源72b、光源群102gの光源81bおよび光源群102hの光源82bを、それぞれ1行3列に配列した例について説明した。しかし、実施の形態2のように、複数の行および複数の列に配列しても良い。このようにすれば、光源装置の出射した光束の断面形状のX方向の寸法およびY方向の寸法(縦の寸法及び横の寸法)を略同じとすることができる。そのため、集光レンズ4による集光効率を向上し、高輝度化を実現することができる。つまり、実施の形態2と同様に、X方向の長さとY方向の長さとが略同じであるため、X方向の球面収差とY方向の球面収差との影響が等しい。そのため光の利用効率が高くなる。例えば、6行6列に配列することで、4行9列に配列するよりも、光の利用効率が高くなる。ここで、「略同じ」とは、例えば、LDは速軸方向と遅軸方向とで発散角が異なるため、正確にX方向とY方向とが一致しない場合も含むことを示している。
また、光源群102e,102f,102g,102hからの出射光の偏光を同一の偏光とすることにより、光源群102e,102f,102g,102hの共用化を図ることができる。例えば全ての光源群がP偏光の光を出射する場合、光源群102f,102hの平行化レンズ74b,84bの直後に偏光方向を90度回転させるλ/2位相差板を配置すればよい。これにより、4つの光源群を同一の光源で実現することが可能になる。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態4と同一の装置構成において、偏光分離素子77b,87bの構造が異なるものである。実施の形態4で説明した偏光分離素子77b,87bは、反射型の偏光分離素子である。しかし、一般的な反射型の偏光分離素子は、反射率および透過率が80%〜90%であり、光量損失が比較的存在する。つまり、一般的な反射型の偏光分離素子は、光量損失が無視できない程度に大きい。この実施の形態5は、偏光分離素子として、誘電体多層膜を形成した色分離フィルタを用いることにより、光量損失の低減を図るものである。
実施の形態5は、実施の形態4で示した偏光分離素子77b,87b以外の構成要素は同じである。偏光分離素子77b,87b以外の構成要素は、光源71b,72b,81b,82b、平行化レンズ73b,74b,83b,84b、透過反射素子88、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。なお、図8では、図1で示した投写光学系8およびスクリーン9は、図示を省略している。
図9は、青色の色分離フィルタの波長に対する透過特性を示す図である。図9に実線で示す曲線8aは、ピーク波長が450nmの青色の光の光強度分布である。青色のLDの光の場合は、波長帯域の幅が5nmより小さいのが一般的である。
図9に一点鎖線で示す曲線8pは、色分離フィルタのP偏光の光に対する透過特性である。また、図9に破線で示す曲線8sは、S偏光の光に対する透過特性である。図9は、色分離フィルタが、P偏光の光については、波長が略460nm以下の光束を透過し、波長が略460nm以上の光束を反射することを示している。また、S偏光の光については、波長が略440nm以下の光束を透過し、波長が略440nm以上の光束を反射することを示している。ここで、例えば略460nm以下の光束と記載したのは、一点鎖線で示す曲線8pの立下りが僅かながら傾斜しているためである。460nm等の数値は、透過率50%の値を示している。
図9の特性から、色分離フィルタは、青色の光(ピーク波長450nm)のP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する。このような色分離フィルタを用いることにより、約99%の透過率を確保することができ、約98%の反射率を確保することができる。これにより、光の利用効率の高い光源装置を実現することができる。
ここで、青色の光のピーク波長を450nmとしたが、ピーク波長460nmの青色の光を用いて、ピーク波長460nmのP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する色分離フィルタを用いてもよい。それにより、長波長側の光を利用することができる。また、ピーク波長450nmの光と比較して、ランプ光源を用いた場合の青色に近い色を表示することが可能となる。なお、ピーク波長450nmの光は、青色から若干紫よりの色となる。上記の色分離フィルタは、図9の色分離フィルタの特性を10nm長波長側にシフトした特性を有していれば良い。ピーク波長460nmのP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射することとなる。
なお、色分離フィルタのP偏光の光に対する透過率を表わす曲線8pおよびS偏光の光に対する透過率を表わす曲線8sは、できるだけ急峻であることが好ましい。また、図9では、曲線8pと曲線8sの半値位置の差は20nmであるが、20nmに限らず、差が大きいほうが好ましい。「半値位置」とは、透過率が50%のときの波長の値である。
以上説明したように、この実施の形態5によれば、実施の形態4で説明した偏光分離素子77b,87b(図8)に色分離フィルタを用いることにより、光束の透過率および反射率を改善し、光の利用効率をさらに向上することができる。
この実施の形態5では、青色の光を発するLDについて説明したが、緑色の光を発するLDおよび赤色の光を発するLDについても同様に、色分離フィルタを用いて偏光分離することができる。
また、ここでは、実施の形態4の偏光分離素子77b,87b(図8)に色分離フィルタを用いると説明したが、実施の形態3の偏光分離素子68(図7)に色分離フィルタを用いてもよい。図7の場合、光源が3色になっている。この場合、偏光分離素子68は、赤色の光に対応する領域、青色の光に対応する領域および緑色の光に対応する領域に、それぞれ特性の異なる色分離フィルタを用いる。例えば、ピーク波長640nmの赤色の光に対応する領域は、図20に示すような特性を有する。ピーク波長530nmの緑色の光に対応する領域は、図18に示すような特性を有する。ピーク波長450nmの青色の光に対応する領域は、図9に示すような特性を有する。
実施の形態6.
図10は、本発明の実施の形態6における光源装置111を備えた投写型表示装置7dの構成を示す図である。投写型表示装置7dの光源装置よりも出射側の構成は、実施の形態1と同じである。光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。なお、図1で示した投写光学系8およびスクリーン9は、図示を省略している。
実施の形態6は、実施の形態1で示した光源装置1の透過反射素子17を反射素子98r,98b,98g(後述)および透過反射素子108r,108b,108g(後述)で置き換えている。これにより、実施の形態1で示した光源群2aの位置を実施の形態6の光源群112iのように光源群112jと対向する位置に変更している。
図10に示すように、この実施の形態6における投写型表示装置7dの光源装置111は、第1の光源群112iと、第2の光源群112jとを有している。第1の光源群112iは、X方向の光軸を有している。また、第1の光源群112iは、YZ面内に配列された複数の光源91r,91b,91gを有している。第2の光源群112jは、X方向の光軸を有している。また、第2の光源群112jは、YZ面内に配列された複数の光源92r,92b,92gを有している。
図11は、−X方向から見た光源91r,91b,91g,92r,92b,92g、反射素子98r,98b,98g(後述)および透過反射素子108r,108b,108g(後述)の位置関係を示した図である。図11(A)は、光源91r,91b,91gと反射素子98r,98b,98gとの位置関係を示す図である。図11(B)は、光源92r,92b,92gと透過反射素子108r,108b,108gとの位置関係を示す図である。なお、平行化レンズ94r,94b,94g,104r,104b,104gは、説明する上で必要が無いため省略している。図11では、反射部Rrは、ドット模様を施している。反射部Rbは、破線縞模様を施している。反射部Rgは、格子模様を施している。
図11(A)に示すように、第1の光源群112iの光源91r,91b,91gは、Y方向に2行でZ方向に3列の2行3列に配列されている。一方、図11(B)に示すように、第2の光源群112jの光源92r,92b,92gは、Y方向に3行、Z方向に3列(3行3列)に配列されている。
図10に示すように、第1の光源群112iの光源91r,91b,91gのそれぞれの出射側(+X方向側)には、平行化レンズ94r,94b,94gが配置されている。平行化レンズ94r,94b,94gのさらに出射側(+X方向側)には、光源91r,91b,91gから出射された平行光束105r,105b,105gを集光レンズ4に向けて反射する反射素子98r,98b,98gが配置されている。つまり、反射素子98r,98b,98gは、平行光束105r,105b,105gを+Z方向に向けて反射する。
第2の光源群112jの光源92r,92b,92gのそれぞれの出射側(−X方向側)には、平行化レンズ104r,104b,104gが配置されている。平行化レンズ104r,104b,104gのさらに出射側(−X方向側)には、光源92r,92b,92gから出射された平行光束106r,106b,106gを集光レンズ4に向けて反射する透過反射素子108r,108b,108gが配置されている。つまり、透過反射素子108r,108b,108gの反射部Rr,Rb,Rgは、平行光束106r,106b,106gを+Z方向に向けて反射する。
図11(A)は、反射素子98r,98b,98gを−X方向から見た図である。図11(B)は、透過反射素子108r,108b,108gを−X方向から見た図である。図11(A)には、第1の光源群112iの各光源91r,91b,91gを反射素子98r,98b,98gとの位置関係が分かるように示している。図11(B)には、第2の光源群112jの各光源92r,92b,92gを透過反射素子108r,108b,108gとの位置関係が分かるように示している。光源91r,91b,91g,92r,92b,92gは、黒枠で囲んだ四角形で示している。なお、図11(B)では、透過反射素子108r,108b,108gの裏面側(+X方向側)に光源92r,92b,92gが配置されている。しかし、図面上では、位置関係を明確にするために光源92r,92b,92gを実線で描いている。
図11(A)に示すように、反射素子98r,98b,98gは、Y方向に長い矩形形状を有している。また、反射素子98r,98b,98gは、Z方向に等間隔に配列されている。
また、図10に示すように、透過反射素子108gの−X方向端面と、透過反射素子108bの+X方向端面とは、X座標上で一致して配置されている。同様に、透過反射素子108bの−X方向端面と、透過反射素子108rの+X方向端面とは、X座標上で一致して配置されている。ここで、「一致」とは、部品ばらつきの範囲や組立てばらつきの範囲で生じる隙間や重なりを含むものである。
反射素子98r,98b,98gは、例えばガラス等の透明基板の表面に、反射膜等により反射部Rr,Rb,Rgを形成したものである。反射素子98r,98b,98gは、それぞれ全面に反射部Rr,Rb,Rgが形成されている。
図11(B)に示すように、透過反射素子108r,108b,108gは、Y方向に長い矩形形状を有している。また、透過反射素子108r,108b,108gは、Z方向に等間隔に配列されている。
透過反射素子108r,108b,108gは、例えばガラス等の透明基板の表面に、反射膜等の反射部Rr,Rb,Rgを形成したものである。透過反射素子108r,108b,108gは、光源92r,92b,92gから出射された光束が入射する領域に、それぞれ反射部Rr,Rb,Rgを有している。透過反射素子108r,108b,108gにおいて、反射部Rr,Rb,Rgが形成されていない領域は、光束を透過する領域となる。「光束を透過する領域」は、透過部である。
このように構成されているため、第1の光源群112iの光源91r,91b,91bから出射された平行光束105r,105b,105gは、反射素子98r,98b,98gで+Z方向に反射され、さらに透過反射素子108r,108b,108gの透過部を通過して、集光レンズ4に入射する。
また、第2の光源群112jの光源92r,92b,92gから出射された平行光束106r,106b,106gは、透過反射素子108r,108b,108gで+Z方向に反射されて、集光レンズ4に入射する。
図12は、集光レンズ4に入射する光束の分布図である。図12(A)は、光源群112i,112jのうち、第2の光源群112jのみを用いた場合の集光レンズ4に入射する光束の分布図である。図12(B)は、この実施の形態6において、第1の光源群112iと第2の光源群112jとを用いた場合の集光レンズ4に入射する光束の分布図である。
図12(A)に示すように、第2の光源群112jのみを用いた場合、集光レンズ4の入射面には、合計9つの光源92r,92b,92gから出射された赤色、青色および緑色の光束106r,106b,106gが、Y方向に3行に並び、X方向に3列に並んで入射する(3行3列)。光束106r,106b,106gは、X方向には密に配列されているが、Y方向には隙間が生じており、光の利用効率が良くない。
一方、この実施の形態6は、第1の光源群112iと第2の光源群112jとを用いている。この場合には、3行3列に並んで入射する上記の光束106r,106b,106gのY方向の隙間を埋めるように、合計6つの光源91r,91b,91gから出射された赤色、青色および緑色の光束105r,105b,105gが、Y方向に2行に並び、X方向に3列に並んで入射する(2行3列)。このように、集光レンズ4の入射面には、光束が隙間を小さくして入射するため、光の利用効率を向上することができる。
以上説明したように、この実施の形態6では、第1の光源群112iの各光源から出射された光束と、第2の光源群112jの各光源から出射された光束とを合成している。これにより、集光レンズ4の入射面における光束の隙間を小さくして、光の利用効率の高い光源装置を実現することができる。
また、第1の光源群112iおよび第2の光源群112jは、互いに対向する方向(X方向)に光束を出射する。しかし、光源91r,91b,91gと光源92r,92b,92gとは、Z方向に位置をずらして配置されている。このため、互いに出射する平行光束105r,105b,105gおよび平行光束106r,106b,106gが、対向する光源群に到達することを抑制できる。そのため、対向する光源からの出射される光束を受けて加熱することによる光源の寿命の低下を防止することができる。
また、光源群112i,112jを対向して配置しているため、集光レンズ4上の光束の分布を密にすることができると共に、小型化を実現することができる。例えば、図10の第1の光源群112iにおいて、集光レンズ4上の光束の分布はX方向に密となる。つまり、図10の第1の光源群112iの光源91r,91b,91gは、隙間を有して配置されている。そのため、平行光束105r,105b,105gはZ方向に隙間を有している。しかし、反射素子98r,98b,98gで反射されて集光レンズ4に向かう平行光束105r,105b,105gはX方向の隙間が無くなって集光レンズ4に入射する。これに対し、例えば、図1の第1の光源群2aの場合、集光レンズ4に入射する際にも平行光束15r,15b,15gはX方向に隙間が生じる。そのため、この実施の形態6の方が、同一個数の光源を使用した場合に、集光レンズ4に集光する光束の幅を狭くすることができる。従って、集光レンズ4の小型化を実現することができる。つまり、反射素子98r,98b,98gは、単に平行光束105r,105b,105gを反射するだけの機能を有するだけでなく、隙間のある平行光束105r,105b,105gを隙間のない平行光束105r,105b,105gに変換する機能を有する。
なお、この実施の形態6では、第1の光源群112iの各光源の光軸と第2の光源群112jの各光源の光軸は平行であるが、両光軸が平行でなくても、反射素子98r,98b,98gと透過反射素子108r,108,108gによって合成した光束が集光レンズ4に向かうように、両光源群112i,112jの各光源が配置されていればよい。
また、反射素子98r,98b,98gは、透過領域が存在しないため、反射率の高い反射膜を用いることができる。これにより、光の利用効率を向上することができる。
また、ここでは、赤色、青色および緑色の光源を用いたが、単色の光源を用いても同様の効果が得られる。
また、透過反射素子108r,108b,108gとして、偏光分離素子を用いてもよい。その場合、第1の光源群112iの各光源から出射される光束の偏光方向と、第2の光源群112jの各光源から出射される光束の偏光方向とが90度異なっていることが好ましい。さらに、第1の光源群112iと第2の光源群112jとの偏光方向が90度異なる場合、透過反射素子108r,108b,108gの全面を偏光分離膜とすることができる。これにより、第1の光源群112iから出射する光束105r,105b,105gのうち、透過反射素子108r,108b,108gの反射部Rr,Rb,Rgで反射され集光レンズ4に到達しなかった一部の光束が到達することとなる。この透過反射素子108r,108b,108gを用いた場合の光の利用効率の低下は、部品のばらつきや製品の組立てばらつき等によって生じる。部品のばらつきや製品の組立てばらつき等を考慮すると、偏光分離素子を用いることによって、透過反射素子を用いた場合より光の利用効率を高めることができる。その場合、透過反射素子108rは、赤色の光のピーク波長を640nmとすると、全面が図20に示した透過率特性を有していればよい。透過反射素子108gは、緑色のピーク波長が530nmとすると、全面が図18の透過率特性を有していればよい。透過反射素子108bは、青色のピーク波長が450nmとすると、全面が図9の透過率特性を有していればよい。
また、この実施の形態6では、図11(A)に示すように、第1の光源群112iの光源91r,91b,91gは、Y方向に2行に配列されているが、3行以上であっても良い。
また、光束が集光レンズ4の光軸C1から離れた位置に入射するほど収差が発生することを考慮すると、集光レンズ4の光軸C1の近傍にできるだけ多くの光束を集めた方が、光の利用効率を大きくすることができる。そのため、図12(B)に示すように、各光源群112i,112jを合わせた全光源を、集光レンズ4の入射面で重ね合わせた場合に、X方向とY方向との光源の数が同じである方が好ましい。従って、例えばX方向に4列でY方向に9行の配列よりも、X方向に6列でY方向に6行の配列の方が、光の利用効率を向上できるため好ましい。
また、第1の光源群112iおよび第2の光源群112jは、蛍光体を励起するための単色光源でもよい。この場合には、光束の集光位置に蛍光体を配置し、蛍光体に集光した単色光源と異なる色(波長)の光束を出射する構成となる。
実施の形態7.
図13は、本発明の実施の形態7における光源装置1eを含む投写型表示装置7eの構成を概略的に示す図である。この実施の形態7は、上述した実施の形態5に関連する実施の形態である。
実施の形態7は、実施の形態4で示した光源ユニット101cの平行光束75bと平行光束76bとを合成する構成を、複数並べている。つまり、色分離フィルタ317bから出射される光束の進行方向の上に色分離フィルタ317gを配置して、平行光束316gを合成している。また、色分離フィルタ317gから出射される光束の進行方向の上に色分離フィルタ317rを配置して、平行光束316rを合成している。
図13に示すように、実施の形態7における投写型表示装置7eは、光源装置1e、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子(ライトバルブ)3および投写光学系(投写レンズ)8を有している。光源装置1eは、光束を出射する。集光レンズ4は、光源装置1eから出射された光束を集光する。光強度均一化素子5は、集光レンズ4により集光された光束の強度分布を均一化する。リレーレンズ群6は、光強度均一化素子5により強度が均一化された光束を画像表示素子3に導く。画像表示素子(ライトバルブ)3は、リレーレンズ群6から入射した光束を入力映像信号に応じて変調して画像光に変換する。投写光学系(投写レンズ)8は、映像光をスクリーン9(図1)に拡大して投写する。ここでは、図1で示しているスクリーン9および投写光学系8を省略している。ライトバルブ3は、反射型あるいは透過型のいずれであってもよい。投写型表示装置7eの光源装置よりも出射側の構成要素は、実施の形態1と同じである。光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。
光源装置1eは、青色の光を発する光源群302a,302b(第1の光源群302aおよび第2の光源群302b)と、緑色の光を発する光源群302g(第3の光源群302g)と、赤色の光を発する光源群302r(第4の光源群302r)とを有している。そして、光源群302aの出射光の進行方向であるZ方向に沿って、−Z方向から+Z方向に向かって光源群302b、光源群302gおよび光源群302rが順に配列されている。
光源群302aは、複数の光源311bを有する。ここでは、光源311bは3つである。各光源311bは、P偏光の光を出射する。そして、光源311bは、450nm付近にピーク波長を有する光束(青色の光束)を出射する。各光源311bは、Z方向の光軸を有している。そして、各光源311bはX方向に一行に配列されている。また、各光源311bの出射側には、各光源311bから射出される光束を平行光束315bにする平行化レンズ313bが配置されている。「450nm付近」とは、図14に示した青色の色分離フィルタの波長に対する透過特性の範囲の440nmから460nmまでの中心付近であることを示している。
光源群302bは、複数の光源312bを有する。ここでは、光源312bは3つである。各光源312bは、S偏光の光を出射する。そして、光源312bは450nm付近にピーク波長を有する光束(青色の光束)を出射する。各光源312bは、X方向の光軸を有している。そして、各光源312bはZ方向に一行に配列されている。また、各光源312bの出射側には、各光源312bから射出される光束を平行光束316bにする平行化レンズ314bが配置されている。「450nm付近」とは、図14に示した青色の色分離フィルタの波長に対する透過特性の範囲の440nmから460nmまでの中心付近であることを示している。
光源群302aの各光源311bから出射された平行光束315b(第1の光束)と、光源群302bの各光源312bから出射された平行光束316b(第2の光束)とが交わる位置には、偏光分離素子としての色分離フィルタ317bが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの色分離フィルタ317bで平行光束315bを透過し、平行光束316bを反射して、1つの光束にできる位置である。色分離フィルタ317bは、光源群302aの各光源311bからのP偏光の光を透過し、光源群302bの各光源312bからのS偏光の光を反射する。これにより、光源群302aから出射されて平行化レンズ313bを透過した青色の光と、光源群302bから出射されて平行光化レンズ314bを透過した青色の光とが同一の光路上で合成されて、+Z方向に進行する。このように同一の光路上に同一の波長の光束を合成することにより、光の利用効率が向上する。
本実施の形態では、光源311b,312bは、いずれも青色LDであり、同じ波長帯域の光束を発する。但し、光源311b,312bの発する光束の波長帯域が若干異なっていてもよい。すなわち、色分離フィルタ317bが、光源群302a(光源311b)の光束を透過して、光源群302b(光源312b)の光束を反射することができればよい。なお、光源311b,312bから出射される青色の光の波長帯域は、例えば、450nm付近にピークを有し、幅が10nm以下の帯域である。「450nm付近」とは、図14に示した青色の色分離フィルタの波長に対する透過特性の範囲の440nmから460nmまでの中心付近であることを示している。
図14は、青色の色分離フィルタ317bの透過特性を示す図である。図14に実線で示す曲線20aは、ピーク波長450nmの青色の光の光強度分布である。一点鎖線で示す曲線20pは、P偏光の光に対する透過特性である。破線で示す曲線20sは、S偏光の光に対する透過特性である。この特性により、色分離フィルタ317bは、上記の通りP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する。
図13に戻り、光源群302gは、複数の光源312gを有する。ここでは、光源312gは3つである。各光源312gは、例えば緑色LDで構成され、530nm付近にピーク波長を有する光束(緑色の光束)を出射する。光源312gの出射する光束は、P偏光の光またはS偏光の光である。各光源312gは、X方向の光軸を有している。そして、各光源312gはZ方向に一行に配列されている。また、各光源312gの出射側には、各光源312gから射出される光束を平行光束316gにする平行化レンズ314gが配置されている。なお、光源312gから出射される緑色の光の波長帯域は、530nm付近にピークを有し、幅が10nm以下の波長帯域である。「530nm付近」とは、図15に示した緑色の色分離フィルタの波長に対する透過特性の範囲の510nmまでよりも波長が長いことを示している。
光源群302gの各光源312gから−X方向に出射された光束316g(第3の光束)と、上述した色分離フィルタ317bで合成されて+Z方向に進行する光束とが交わる位置には、偏光分離素子(第1の選択透過素子)としての色分離フィルタ317gが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの色分離フィルタ317gで、色分離フィルタ317bで合成されて+Z方向に進行する光束を透過し、光束316gを反射して、1つの光束にできる位置である。
色分離フィルタ317gは、光源群302gの各光源312gから出射された光束316gを反射し、上記の色分離フィルタ317bで合成されて+Z方向に進行してきた光束を透過する。これにより、光源群302gの各光源312gから出射されて平行化レンズ314gを透過した緑色の光が、色分離フィルタ317bからの青色の光と同一光路上で合成されて、+Z方向に進行する。
図15は、緑色の色分離フィルタ317gの透過特性を示す図である。図15に実線で示す曲線30aは、ピーク波長530nmの緑色の光の光強度分布である。一点鎖線で示す曲線30pは、P偏光の光に対する透過特性である。破線で示す曲線30sは、S偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ317gは、P偏光の光(曲線30pの透過特性)およびS偏光の光(曲線30sの透過特性)のいずれについても、透過率が約0%である。つまり、緑色の色分離フィルタ317gは、波長510nm以下のP偏光の光を透過し、波長490nm以下のS偏光の光を透過する。このため、ピーク波長530nmの緑色の光は透過率が約0%となる。従って、光源群302gからの光束(緑色の光束)がP偏光の光およびS偏光の光のいずれであっても、全て反射する。また、色分離フィルタ317gは、波長490nm以下の光束を透過するため、上記の色分離フィルタ317bからの青色の光は透過する。このように構成されているため、光源群302gからの緑色の光を、色分離フィルタ317bからの青色の光と同一光路上で合成することができる。
なお、色分離フィルタ317gの特性は、図15に示した特性に限定されるものではない。例えば、色分離フィルタ317bの特性(図14)を、長波長側に約20nmシフトした特性であっても良い。
図13に戻り、光源群302rは、複数の光源312rを有する。ここでは、光源312rは3つである。各光源312rは、例えば赤色LDで構成され、640nm付近にピーク波長を有する光束(赤色の光束)を出射する。光源312rの出射する光束は、P偏光の光またはS偏光の光である。各光源312rは、X方向の光軸を有している。そして、各光源312rはZ方向に一行に配列されている。また、各光源312rの出射側には、各光源312rから射出される光束を平行光束316rにする平行化レンズ314rが配置されている。なお、光源312rから出射される赤色の光の波長帯域は、640nm付近にピークを有し、幅が10nm以下の帯域である。「640nm付近」とは、図16に示した赤色の色分離フィルタの波長に対する透過特性の範囲の600nmまでよりも波長が長いことを示している。
光源群302rの各光源312rから出射された光束316r(第4の光束で赤色の光束)と、上述した色分離フィルタ317gで合成されて+Z方向に進行する光束(青色の光束および緑色の光束)とが交わる位置には、偏光分離素子(第2の選択透過素子)としての色分離フィルタ317rが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの色分離フィルタ317rで、色分離フィルタ317gで合成されて+Z方向に進行する光束を透過し、光束316rを反射して、1つの光束にできる位置である。
色分離フィルタ317rは、光源群302rの各光源312rから−X方向に出射された光束を反射し、上記の色分離フィルタ317gで合成されて+Z方向に進行してきた光束を透過する。これにより、光源群302rの各光源312rから出射されて平行化レンズ314rを透過した赤色の光が、上記の色分離フィルタ317gからの青色の光および緑色の光と同一の光路上で合成されて、+Z方向に進行する。このように色分離フィルタ317rで合成された青色の光、緑色の光および赤色の光は、集光レンズ4に入射する。
図16は、赤色の色分離フィルタ317rの透過特性を示す図である。図16に実線で示す曲線40aは、ピーク波長640nmの赤色の光の光強度分布である。一点鎖線で示す曲線40pは、P偏光の光に対する透過特性である。破線で示す曲線40sは、S偏光の光に対する透過特性である。赤色の色分離フィルタ317rは、波長600nm以下のP偏光の光(曲線40pの透過特性)を透過し、波長560nm以下のS偏光の光(曲線40sの透過特性)を透過する。このため、ピーク波長640nmの赤色の光は透過率が約0%となる。従って、光源群302rからの光束(赤色の光束)がP偏光の光およびS偏光の光のいずれであっても、全て反射する。また、色分離フィルタ317rは、波長560nm以下の光束を透過するため、上記の色分離フィルタ317gからの青色の光および緑色の光は透過する。このように構成されているため、光源群302rからの赤色の光を、色分離フィルタ317gからの青色の光および緑色の光と同一光路上で合成することができる。
なお、色分離フィルタ317rの特性は、図16に示した特性に限定されるものではない。例えば、色分離フィルタ317gの特性(図15)を、長波長側に約60nmシフトした特性であっても良い。
このように、本発明の実施の形態7は、光源群302aから出射される光束の進行方向(+Z方向)に沿って、光源群302b,302g,302rを配列している。そして、これら光源群302a,302b,302g,302rの光束を色分離フィルタ317b,317g,317rで合成するように構成している。このため、青色の光、緑色の光および赤色の光を効率よく合成し、高輝度化を実現することができる。また、色分離フィルタの利用により、光の利用効率を向上することができる。
なお、ここでは、光源群302a(第1の光源群302a)の出射光の進行方向に沿って、3つの光源群302b,302g,302r(第2の光源群302b、第3の光源群302g、第4の光源群302r)を配列した例を示した。しかし、配列する光源群の数は3つに限らず、1つ以上であればよい。
この実施の形態7は、青色の光のP偏光の光と青色の光のS偏光の光とを合成する場合を示している。しかし、緑色の光のP偏光の光と緑色の光のS偏光の光を合成することも可能である。その場合の構成の概略図を、図17に示す。図13と比較して、光源312bは、P偏光の光またはS偏光の光のどちらでもよい。さらに、図13の光源311bは、図17では緑色のP偏光の光の光源311gとなる。
色分離フィルタ317b2は、図19(後述する実施の形態8)に示す色分離フィルタ417bと同様の特性を有している。色分離フィルタ417b(色分離フィルタ317b2)の特性は、図22に示されている。図22に示すように、ピーク波長450nmの青色の光の光源312bは、P偏光の光とS偏光の光とに関わらず、透過率が約0%であり、反射されることが確認できる。すなわち、光源312bから出射された青色の光(平行光束316b)は、色分離フィルタ317b2で反射される。また、ピーク波長530nmの緑色の光源311gは、P偏光の光とS偏光の光とに関わらず、透過率が100%である。ここでは、次に説明する色分離フィルタ317g2での合成を考慮して、光源311gの出射する光を、P偏光の光とする。光源311gから出射された光束は、平行化レンズ313gによって平行光束315gとなって、色分離フィルタ317b2を透過する。
次に、青色の光と緑色の光が合成された光は、色分離フィルタ317g2に入射する。この色分離フィルタ317g2には、光源群302gの各光源312gから出射された緑色の光(平行光束316g)も入射する。
図18に、色分離フィルタ317g2の特性を示す。図18に実線で示す曲線100aは、ピーク波長450nmの青色の光の光強度分布である。実線で示す曲線100bは、ピーク波長530nmの緑色の光の光強度分布である。一点鎖線で示す曲線100pは、P偏光の光に対する透過特性である。破線で示す曲線100sは、S偏光の光に対する透過特性である。波長520nm以下の光は偏光に関係なく透過するため、青色の光は透過することが確認できる。また、光源311gから出射されたピーク波長530nmの光は、P偏光の光であるため、透過する。さらに、光源312gから出射されたピーク波長530nmの光は、S偏光の光であれば、反射される。従って、緑色の光に関して、光源311gの光をP偏光の光とし、光源312gの光をS偏光の光とする。これにより、色分離フィルタ317g2を透過あるいは反射することで、青色の光と、P偏光の緑色の光と、S偏光の緑色の光とが合成される。
色分離フィルタ317g2によって合成された光は、色分離フィルタ317rに入射する。この色分離フィルタ317rには、光源群302rの各光源312rから出射された赤色の光(平行光束316r)も入射する。色分離フィルタ317rの構成は、実施の形態7で説明したとおりである。このように色分離フィルタ317rによってさらに赤色の光が合成され、集光レンズ4に3色の光が到達することとなる。
なお、実施の形態7は、選択透過素子として偏光分離素子を採用したが、各光束の配置を適切に選択すれば、選択透過素子として透過反射素子を採用することができる。つまり、実施の形態4の図8で示した光源ユニット101cの光源群102e,102f及び色分離フィルタ77bを光源群302a,302b及び色分離フィルタ317bに置き換えて考える。また、実施の形態4の図8で示した光源ユニット101dを光源群302gに置き換えて考える。そうすると、図13に示す色分離フィルタ317gを図8に示す透過反射素子88に置き換えることが容易であることが分かる。ただし、選択透過素子を透過反射素子とした場合には、色分離フィルタを用いた場合のように平行光束315b,316bと平行光束316gとを合成することはできない。つまり、平行光束315b,316bの隙間を、平行光束316gによって埋める構成となる。これにより、集光レンズ4に到達する光束は、隙間がなくなる。また、集光レンズ4に到達する光束は、密な状態となる。これにより、光の利用効率を向上することができる。
同様に、実施の形態4の図8で示した透過反射素子88に−Z方向から入射する光束を、図13に示す色分離フィルタ317rに−Z方向から入射する光束に置き換えて考える。また、実施の形態4の図8で示した光源ユニット101dを光源群302rに置き換えて考える。そうすると、図13に示す色分離フィルタ317rを図8に示す透過反射素子88に置き換えることが容易であることが分かる。ただし、選択透過素子を透過反射素子とした場合には、色分離フィルタを用いた場合のように平行光束315b,316b,316gと平行光束316rとを合成することはできない。つまり、平行光束315b,316b,316gの隙間を、平行光束316rによって埋める構成となる。これにより、集光レンズ4に到達する光束は、隙間がなくなる。また、集光レンズ4に到達する光束は、密な状態となる。これにより、光の利用効率を向上することができる。
実施の形態8.
図19は、本発明の実施の形態8における光源装置1fを含む投写型表示装置7fの構成を概略的に示す図である。この実施の形態8は、上述した実施の形態7に関連する実施の形態である。実施の形態7では、光源群302b,302g,302rを配置する順番が集光レンズ4から遠い方から光源群302b、光源群302gそして光源群302rの順に並んでいる。一方、実施の形態8では、光源群302b,302g,302rを配置する順番が集光レンズ4から遠い方から光源群302r、光源群302gそして光源群302bの順に並んでいる。このように、異なる波長帯域の光源群302b,302g,302rを配置する順番を変更できることを示している。実施の形態8における投写型表示装置7fの光源装置よりも出射側の構成要素は、実施の形態7(図13)と同じである。実施の形態7と同じということは、つまり実施の形態1と同じである。光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8およびスクリーン9である。なお、図1で示した投写光学系8およびスクリーン9は、図示を省略している。
光源装置1fは、赤色の光を発する光源群402a,402rと、緑色の光を発する光源群402gと、青色の光を発する光源群402bとを有している。そして、Z方向に沿って−Z方向から+Z方向に向かって、光源群402r、光源群402gおよび光源群402bの順に配列されている。光源群402aの出射光の進行方向は+Z方向である。
光源群402aは、複数の光源411rを有する。ここでは、光源411rは3つである。各光源411rは、P偏光の光を出射する。各光源411rは、640nm付近にピーク波長を有する光(赤色の光)を出射する。各光源411rは、Z方向の光軸を有している。そして、各光源411rはX方向に一行に配列されている。また、各光源411rの出射側(+Z方向側)には、各光源411rから射出される光束を平行光束415rにする平行化レンズ413rが配置されている。
光源群402rは、複数の光源412rを有する。ここでは、光源412rは3つである。各光源412rは、S偏光の光であって、640nm付近にピーク波長を有する光(赤色の光)を出射する。各光源412rは、X方向の光軸を有している。そして、各光源412rはZ方向に一行に配列されている。また、各光源412rの出射側(−X方向側)には、各光源412rから射出される光束を平行光束416rにする平行化レンズ414rが配置されている。
光源群402aの各光源411rから出射された光束415r(第1の光束)と、光源群402rの各光源412rから出射された光束416r(第2の光束)とが交わる位置には、偏光分離素子としての色分離フィルタ417rが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの色分離フィルタ417rで光束415rを透過し、光束416rを反射して、1つの光束にできる位置である。色分離フィルタ417rは、光源群402aの各光源411rからのP偏光の光を透過し、光源群402rの各光源412rからのS偏光の光を反射する。これにより、光源群402aから出射されて平行化レンズ413rを透過した赤色の光と、光源群402rから出射されて平行光化レンズ414rを透過した赤色の光とが同一の光路上で合成されて、+Z方向に進行する。
本実施の形態では、光源411r,412rは、いずれも赤色のLDであり、同じ波長帯域の光束を発する。但し、光源411r,412rの発する光束の波長帯域が若干異なっていてもよい。すなわち、色分離フィルタ417rが、光源群402a(光源411r)の光束を透過して、光源群402r(光源412r)の光束を反射することができればよい。
図20は、赤色の色分離フィルタ417rの透過特性を示す図である。図20に実線で示す曲線60aは、ピーク波長640nmの赤色の光の光強度分布である。破線で示す曲線60pは、P偏光の光に対する透過特性である。620nm以上でP偏光の光を透過する。一点鎖線で示す曲線60sは、S偏光の光に対する透過特性である。660nm以上でS偏光の光を透過する。この特性により、色分離フィルタ417rは、ピーク波長640nmの赤色の光では、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する。
なお、図20では、色分離フィルタ417rの偏光の光の透過特性は、640nmに対して±20nmの幅を有しているが、±20nmに限らず、±10nmでもよく、あるいは±20nm以上でもよい。すなわち、光源群402aの光束と光源群402rの光束とを合成することができる特性であれば良い。
図19に戻り、光源群402gは、複数の光源412gを有する。ここでは、光源412gは3つである。各光源412gは、例えば緑色のLDで構成され、530nm付近にピーク波長を有する光束(緑色の光束)を出射する。光源412gの光束は、P偏光の光またはS偏光の光である。各光源412gは、X方向の光軸を有している。そして、各光源412gはZ方向に一行に配列されている。また、各光源412gの出射側(−X方向側)には、各光源412gから射出される光束を平行光束416gにする平行化レンズ414gが配置されている。
光源群402gの各光源412gから出射された光束416g(第3の光束)と、上述した色分離フィルタ417rで合成されて+Z方向に進行する光束とが交わる位置には、偏光分離素子(第1の選択透過素子)としての色分離フィルタ417gが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの色分離フィルタ417gで、色分離フィルタ417rで合成されて+Z方向に進行する光束を透過し、光束416gを反射して、1つの光束にできる位置である。
色分離フィルタ417gは、光源群402gの各光源412gから出射された光束を反射し、上記の色分離フィルタ417rで合成されて+Z方向に進行してきた光束を透過する。これにより、光源群402gの各光源412gから出射されて平行化レンズ414gを透過した緑色の光が、色分離フィルタ417rからの赤色の光と同一の光路上で合成されて、+Z方向に進行する。
図21は、緑色の色分離フィルタ417gの透過特性を示す図である。図21に実線で示す曲線70aは、ピーク波長530nmの緑色の光の光強度分布である。破線で示す曲線70pは、P偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ417gは、波長550nm以上のP偏光の光を透過する。一点鎖線で示す曲線70sは、S偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ417gは、波長590nm以上のS偏光の光を透過する。色分離フィルタ417gは、ピーク波長530nmの緑色の光に対しては、P偏光の光(曲線70pの透過特性)およびS偏光の光(曲線70sの透過特性)のいずれについても、透過率が約0%である。従って、光源群402gからの光(緑色の光)がP偏光の光およびS偏光の光のいずれであっても、全て反射する。また、色分離フィルタ417gは、波長590nm以上の光を透過するため、上記の色分離フィルタ417rからの赤色の光は透過する。このように構成されているため、上述したように光源群402gからの緑色の光を、色分離フィルタ417rからの赤色の光と同一の光路上で合成することができる。
なお、色分離フィルタ417gの特性は、図21に示した特性に限定されるものではない。例えば、色分離フィルタ417r(図20)の特性を、短波長側に約40nmシフトした特性であっても良い。
図19に戻り、光源群402bは、複数の光源412bを有する。ここでは、光源412bは3つである。各光源412bは、例えば青色のLDで構成され、450nm付近にピーク波長を有する光束(青色の光)を出射する。光源412bの光束は、P偏光の光またはS偏光の光である。各光源412bは、X方向の光軸を有している。そして、各光源412bはZ方向に一行に配列されている。また、各光源412bの出射側(−X方向側)には、各光源412bから射出される光束を平行光束416bにする平行化レンズ414bが配置されている。
光源群402bの各光源412bから出射された光束(青色の光束)と、上述した色分離フィルタ417gで合成されて+Z方向に進行する光束(赤色の光束および緑色の光束)とが交わる位置には、偏光分離素子(第2の選択透過素子)としての色分離フィルタ417bが配置されている。ここで、「交わる位置」とは、1つの色分離フィルタ417bで、色分離フィルタ417gで合成されて+Z方向に進行する光束を透過し、光束416bを反射して、1つの光束にできる位置である。
色分離フィルタ417bは、光源群402bの各光源412bから出射された光束を反射し、上記の色分離フィルタ417gで合成されて+Z方向に進行してきた光束を透過する。これにより、光源群402bの各光源412bから出射されて平行化レンズ414bを透過した青色の光が、上記の色分離フィルタ417gからの赤色の光および緑色の光と同一の光路上で合成されて、+Z方向に進行する。このように色分離フィルタ417bで合成された青色の光、緑色の光および赤色の光は、集光レンズ4に入射する。
図22は、青色の色分離フィルタ417bの透過特性を示す図である。図22に実線で示す曲線80aは、ピーク波長450nmの青色の光の光強度分布である。破線で示す曲線80pは、P偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ417bは、波長470nm以上のP偏光の光を透過する。一点鎖線で示す曲線80sは、S偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ417bは、波長510nm以上のS偏光の光を透過する。色分離フィルタ417bは、P偏光の光(曲線80pの透過特性)またはS偏光の光(曲線80sの透過特性)のいずれについても、透過率が約0%である。従って、光源群402bからの光束(青色の光束)がP偏光の光またはS偏光の光のいずれであっても、全て反射する。また、色分離フィルタ417bは、波長510nm以上の光を透過するため、上記の色分離フィルタ417gからの赤色の光および緑色の光は透過する。このように構成されているため、光源群402bからの青色の光を、色分離フィルタ417gからの赤色の光および緑色の光と同一の光路上で合成することができる。
このように、実施の形態8によれば、光源群402aから出射される光束の進行方向(+Z方向)に沿って、光源群402r,402g,402bを配列している。また、光源群402a,402r,402g,402bの光束を色分離フィルタ417r,417g,417bで合成するように構成している。このため、赤色の光、緑色の光および青色の光を効率良く合成すると共に、高輝度化を実現することができる。また、色分離フィルタ417r,417g,417bの利用により、光の利用効率を向上することができる。
なお、ここでは、光源群402a(第1の光源群)の出射光の進行方向(+Z方向)に沿って、3つの光源群402r,402g,402b(第2の光源群402r、第3の光源群402g、第4の光源群402b)を配列した例を示した。しかし、配列する光源群の数は3つに限らず、1つ以上であればよい。
本実施の形態では、赤色の光のP偏光の光とS偏光の光とを合成する場合について説明した。しかしながら、緑色の光のP偏光の光とS偏光の光とを合成することも可能である。その際の構成の概略図を、図23に示す。図19の光源装置1fと比較して、光源412rは、P偏光の光またはS偏光の光のどちらでもよい。さらに、図23の光源装置1fでは、図19の光源装置1fの光源411rの代わりに、緑色のP偏光の光を出射する光源411gを有する。
色分離フィルタ417r2は、実施の形態7の色分離フィルタ317r(図13)と同様の特性を有していれば良い。図16に示したように、赤色の光(640nm)は、P偏光の光またはS偏光の光に関わらず反射される。更に、530nmにピーク波長を有するP偏光の光である緑色の光は、波長が600nm以下であるから、透過することが確認できる。すなわち、色分離フィルタ417r2は、光源群402aの各光源411gから出射された緑色の光を透過し、光源群402bの各光源412rから出射された赤色の光を反射する。つまり、色分離フィルタ417r2によって、赤色の光と緑色の光とが合成される。
次に、赤色の光と緑色の光とが合成された光は、色分離フィルタ417g2に入射する。この色分離フィルタ417g2には、光源群402gの各光源412gから出射された緑色の光(平行光束416g)も入射する。
図24に色分離フィルタ417g2の特性を示す。図24に実線で示す曲線101gは、ピーク波長530nmの緑色の光の光強度分布である。破線で示す曲線101pは、P偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ417g2は、波長510nm以上のP偏光の光を透過する。一点鎖線で示す曲線101sは、S偏光の光に対する透過特性である。色分離フィルタ417g2は、波長550nm以上のS偏光の光を透過する。色分離フィルタ417g2は、波長550nm以上の光を透過するため、赤色の光は透過することが確認できる。530nmにピーク波長を有する光源411gの光は、P偏光の光のため、色分離フィルタ417g2を透過する。更に、530nmにピーク波長を有する光源412gの光に関しては、S偏光の光の場合には、色分離フィルタ417g2で反射されることが確認できる。従って、緑色の光に関して、光源411gの光をP偏光の光とすることにより、色分離フィルタ417g2を透過する。また、光源412gの光をS偏光の光とすることにより、色分離フィルタ417g2で反射される。これにより、赤色の光、P偏光の緑色の光およびS偏光の緑色の光が合成される。
色分離フィルタ417g2によって合成された光は、色分離フィルタ417bに入射する。この色分離フィルタ417bには、光源群402bの光源412bから出射された青色の光(平行光束416b)も入射する。色分離フィルタ417bの構成は、実施の形態8で説明したとおりである。このように色分離フィルタ417bによってさらに青色の光が合成され、集光レンズ4に3色の光が到達することとなる。
なお、実施の形態8は、選択透過素子として偏光分離素子を採用したが、各光束の配置を適切に選択すれば、選択透過素子として透過反射素子を採用することができる。
実施の形態9.
図25は、本発明の実施の形態9における光源装置113を備えた投写型表示装置7gの構成を示す図である。図26(A)は、光源と色分離フィルタとの位置関係を、−X方向から見た模式図である。図26(B)は、集光レンズ4上の光束W1,W2,W3の入射位置を、+Z方向から見た模式図である。
投写型表示装置7gの光源装置113よりも出射側の構成要素は、実施の形態1で説明した構成要素と同一である。光源装置よりも出射側の構成要素は、図1に示した集光レンズ4からスクリーン9までの構成である。つまり、光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8及びスクリーン9である。なお、図25では、投写光学系8及びスクリーン9を省略している。
図25に示すように、実施の形態9における投写型表示装置7gの光源装置113は、第1の光源群114iと、第2の光源群114jとを有している。
第1の光源群114iは、X方向の光軸を有している。第1の光源群114iは、複数の光源1rp,1gp,1bpを有している。複数の光源1rp,1gp,1bpは、YZ面内のY方向に各3個ずつ配列されている。つまり、光源1rpはY方向に3個並んでいる。光源1gpはY方向に3個並んでいる。光源1bpはY方向に3個並んでいる。
第2の光源群114jは、X方向の光軸を有している。第2の光源群114jは、複数の光源2rs,2gs,2bsを有している。複数の光源2rs,2gs,2bsは、YZ面内のY方向に各3個ずつ配列されている。つまり、光源2rsはY方向に3個並んでいる。光源2gsはY方向に3個並んでいる。光源2bsはY方向に3個並んでいる。
ここで、光源1rp及び光源2rsは、赤色の光源である。光源1gp及び光源2gsは、緑色の光源である。光源1bp及び光源2bsは、青色の光源である。
第1の光源群114iの光源1rp,1gp,1bpは、Y方向に3行でZ方向に1列の3行1列に配列されている。また、第2の光源群114jの光源2rs,2gs,2bsも、Y方向に3行でZ方向に1列の3行1列に配列されている。ここで、「行」とは、Y方向の並びを示し、「列」とは、Z方向の並びを示している。
第1の光源群114iの光源1rp,1gp,1bpのそれぞれの出射側(+X方向側)には、平行化レンズ3rp,3gp,3bpが配置されている。平行化レンズ3rp,3gp,3bpのさらに出射側(+X方向側)には、色分離フィルタ7rp,7gp,7bpが配置されている。色分離フィルタ7rp,7gp,7bpは、光源1rp,1gp,1bpから出射された平行光束5rp,5gp,5bpを集光レンズ4の方向(+Z方向)に向けて反射する。
また、色分離フィルタ7rp,7gp,7bpは、特定の波長のみを透過させる。つまり、色分離フィルタ7rp,7gp,7bpは、波長によって光を透過または反射する機能を有する。なお、色分離フィルタ7rp,7gp,7bpは、偏光分離機能を有していても良い。偏光分離機能とは、光の偏光方向によって光を透過または反射する機能である。また、色分離フィルタ7rpは、単なる反射機能を有するだけでも良い。なぜなら、色分離フィルタ7rpは、平行光束5rpを集光レンズ4に向けて反射しているだけであり、他の光線を透過していないからである。
第2の光源群114jの光源2rs,2gs,2bsのそれぞれの出射側(−X方向側)には、平行化レンズ4rs,4gs,4bsが配置されている。平行化レンズ4rs,4gs,4bsのさらに出射側(−X方向側)には、色分離フィルタ8rs,8gs,8bsが配置されている。色分離フィルタ8rs,8gs,8bsは、光源2rs,2gs,2bsから出射された平行光束6rs,6gs,6bsを集光レンズ4の方向(+Z方向)に向けて反射する。また、色分離フィルタ8rs,8gs,8bsは、偏光分離機能を有する。また、色分離フィルタ8rs,8gs,8bsは、特定の波長のみを透過させる。つまり、色分離フィルタ8rs,8gs,8bsは、光の偏光方向及び波長によって光を透過または反射する機能を有する。
色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、板形状を有している。色分離フィルタ7rp,7gp,7bpは、+Y方向から見て、XY平面を時計回りに45度回転させた面に対して平行に配置されている。色分離フィルタ8rs,8gs,8bsは、+Y方向から見て、XY平面を反時計回りに45度回転させた面に対して平行に配置されている。
色分離フィルタ7rpの+Z方向の端面は、色分離フィルタ8rsの−Z方向の端面に接続されている。色分離フィルタ8rsの+Z方向の端面は、色分離フィルタ7gpの−Z方向の端面に接続されている。色分離フィルタ7gpの+Z方向の端面は、色分離フィルタ8gsの−Z方向の端面に接続されている。色分離フィルタ8gsの+Z方向の端面は、色分離フィルタ7bpの−Z方向の端面に接続されている。色分離フィルタ7bpの+Z方向の端面は、色分離フィルタ8bsの−Z方向の端面に接続されている。
このように各色分離フィルタを接続した構成としているのは、光源装置113のZ方向の大きさを小さくするためである。各色分離フィルタを接続することは、各光源からの光束を重畳するための必須の要件ではない。実施の形態9では、光源装置113の小型化に有利な構成を例にとって説明する。
また、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、同一の光軸上に配置されている。図25では、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、光軸C1上に配置されている。つまり、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsの面上の中心は、光軸C1上に位置する。
ここで、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsの特性を説明する。色分離フィルタ7rpは、例えばピーク波長が約640nmである赤色の光を反射する反射膜であればよい。例えば、図16で説明した透過特性である。図16の色分離フィルタは、波長が560nm以下のS偏光の光を透過し、波長が600nm以下のP偏光の光を透過する。
色分離フィルタ7gpは、例えばピーク波長が約640nmである赤色の光を透過して、ピーク波長が約530nmである緑色の光を反射すればよい。例えば、図21で説明した透過特性である。図21の色分離フィルタは、波長が590nm以上のS偏光の光を透過し、波長が550nm以上のP偏光の光を透過する。
色分離フィルタ7bpは、例えばピーク波長が約640nmである赤色の光及びピーク波長が約530nmである緑色の光を透過し、ピーク波長が約450nmである青色の光を反射すればよい。例えば、図22で説明した透過特性である。図22の色分離フィルタは、波長が510nm以上のS偏光の光を透過し、波長が470nm以上のP偏光の光を透過する。
また、色分離フィルタ8rsは、例えばピーク波長が約640nmである赤色の光のうち、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射すればよい。例えば、図20で説明した透過特性である。図20の色分離フィルタは、波長が660nm以上のS偏光の光を透過し、波長が620nm以上のP偏光の光を透過する。
色分離フィルタ8gsは、例えばピーク波長が約640nmである赤色の光を透過して、ピーク波長が約530nmである緑色の光のS偏光の光を反射すればよい。例えば、図24で説明した透過特性である。図24の色分離フィルタは、波長が550nm以上のS偏光の光を透過し、波長が510nm以上のP偏光の光を透過する。
色分離フィルタ8bsは、例えばピーク波長が約640nmである赤色の光及びピーク波長が約530nmである緑色の光を透過し、ピーク波長が約450nmである青色のS偏光の光を反射すればよい。例えば、図27で示す透過特性である。図27の色分離フィルタは、波長が460nm以上のS偏光の光を透過し、波長が430nm以上のP偏光の光を透過する。
図27は、色分離フィルタの透過特性を示す図である。図27に実線で示す曲線111aは、ピーク波長450nmの青色の光の光強度分布である。破線で示す曲線111pは、P偏光の光に対する透過特性である。一点鎖線で示す曲線111sは、S偏光の光に対する透過特性である。この特性により、色分離フィルタは、ピーク波長450nmの青色の光のうち、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する。
図27の色分離フィルタの透過特性によれば、波長が460nm以上の光を透過するため、赤色の光及び緑色の光を透過することが確認できる。また、波長が430nm以上のP偏光の光を透過するため、ピーク波長が450nmである青色の光のうち、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する。
図25に戻り、光源2rsは、光源1rpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2gsは、光源1gpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2bsは、光源1bpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。
光源1rpから出射された平行光束5rpは、色分離フィルタ7rpで集光レンズ4に向けて反射される。光源2rsから出射された平行光束6rsは、色分離フィルタ8rsで集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7rpで反射された平行光束5rpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8rsを透過する。平行光束5rp,6rsは、第1の波長帯域の光である。
光源1gpから出射された平行光束5gpは、色分離フィルタ7gpで集光レンズ4に向けて反射される。光源2gsから出射された平行光束6gsは、色分離フィルタ8gsで集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7gpで反射された平行光束5gpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8gsを透過する。平行光束5gp,6gsは、第2の波長帯域の光である。平行光束5rp,6rsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7gp,8gsを透過する。
光源1bpから出射された平行光束5bpは、色分離フィルタ7bpで集光レンズ4に向けて反射される。光源2bsから出射された平行光束6bsは、色分離フィルタ8bsで集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7bpで反射された平行光束5bpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8bsを透過する。平行光束5bp,6bsは、第3の波長帯域の光である。平行光束5rp,6rs及び平行光束5gp,6gsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7bp,8bsを透過する。
色分離フィルタ8gsを透過した平行光束5rp、平行光束6rs及び平行光束5gpと、色分離フィルタ8gsで反射された平行光束6gsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8gsを透過した平行光束5rp、平行光束6rs及び平行光束5gpと、色分離フィルタ8gsで反射された平行光束6gsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
また、色分離フィルタ8bsを透過した平行光束5rp、平行光束6rs、平行光束5gp、平行光束6gs及び平行光束5bpと、色分離フィルタ8bsで反射された平行光束6bsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8bsを透過した平行光束5rp、平行光束6rs、平行光束5gp、平行光束6gs及び平行光束5bpと、色分離フィルタ8bsで反射された平行光束6bsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
図26(A)に示した光源群Z1,Z2,Z3は、それぞれY方向に3個ずつ並んで配置された光源1rp,1gp,1bp,2rs,2gs,2bsを、Y方向の位置毎にグループ分けしたものである。
図26(A)に示した光源群Z1の光源1rp,1gp,1bp,2rs,2gs,2bsから出射された光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsで反射され、または透過して、+Z方向に進む。反射または透過した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsのX方向の位置は同じであるため、各光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsは重ね合わされて白色の光束W1となる。
つまり、光源群Z1から出射されて色分離フィルタ8gsを透過した光束5rp,5gp,6rsと、色分離フィルタ8gsで反射された光束6gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z1から出射されて色分離フィルタ8bsを透過した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gsと、色分離フィルタ8bsで反射された光束6bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W1となる。
図26(A)に示した光源群Z2の光源1rp,1gp,1bp,2rs,2gs,2bsから出射された光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsで反射され、または透過して、+Z方向に進む。反射または透過した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsのX方向の位置は同じであるため、各光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsは重ね合わされて白色の光束W2となる。
つまり、光源群Z2から出射されて色分離フィルタ8gsを透過した光束5rp,5gp,6rsと、色分離フィルタ8gsで反射された光束6gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z2から出射されて色分離フィルタ8bsを透過した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gsと、色分離フィルタ8bsで反射された光束6bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W2となる。
図26(A)に示した光源群Z3の光源1rp,1gp,1bp,2rs,2gs,2bsから出射された光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsで反射され、または透過して、+Z方向に進む。反射または透過した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsのX方向の位置は同じであるため、各光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsは重ね合わされて白色の光束W3となる。
つまり、光源群Z3から出射されて色分離フィルタ8gsを透過した光束5rp,5gp,6rsと、色分離フィルタ8gsで反射された光束6gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z3から出射されて色分離フィルタ8bsを透過した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gsと、色分離フィルタ8bsで反射された光束6bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W3となる。
また、光源群Z1から出射されて重畳した光束5rp,5gp,6rs,6gsと、光源群Z2から出射されて重畳した光束5rp,5gp,6rs,6gsと、光源群Z3から出射されて重畳した光束5rp,5gp,6rs,6gsとは、一定の間隔を有している。また、光源群Z1から出射されて重畳した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsと、光源群Z2から出射されて重畳した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsと、光源群Z3から出射されて重畳した光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsとは、一定の間隔を有している。
また、実施の形態9の各光源は、−Z方向から光源1rp,2rs、光源1gp,2gs、光源1bp,2bsの順に配置されている。光源1rp,2rsは、赤色の光を発する光源である。光源1gp,2gsは、緑色の光を発する光源である。光源1bp,2bsは、青色の光を発する光源である。
しかしながら、各光源は、−Z方向から光源1bp,2bs、光源1gp,2gs、光源1rp,2rsの順に配置する等、赤色の光を発する光源、緑色の光を発する光源及び青色の光を発する光源をどの順序で配置しても構わない。その際には、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsの特性を適宜設定することで、実施の形態9で説明した光の透過及び反射を実現することができ、同等の効果を得ることができる。
本実施の形態では、図25及び図26(B)に示すようにX方向の光束を広げることなく、赤色、青色及び緑色の3色を合成することが可能なため、光利用効率が高まる。「X方向の光束を広げることなく」とは、集光レンズ4に入射する光束のXY平面上のX方向の幅が、各々の平行光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsのYZ平面上のZ方向の幅と同じであることを示している。つまり、平行光束5rp,5gp,5bp,6rs,6gs,6bsの各々のYZ平面上のZ方向の幅と同じである。
また、「光利用効率が高まる」とは、光束の輝度を高くすることができることである。つまり、高い輝度を得ることができることである。「輝度」とは、単に面積当たりの明るさである。つまり、光束の断面の単位面積当たりの明るさである。
また、本実施の形態では、光源1rp,1gp,1bp,2rs,2gs,2bsを、−Z方向から+Z方向に向けて、赤色の光源1rp,2rs、緑色の光源1gp,2gs及び青色の光源1bp,2bsの順で配置している。しかし、青色の光源1bp,2bs、緑色の光源1gp,2gs及び赤色の光源1rp,2rsの順で配置しても、同様の効果が得られる。但し、その際には色分離フィルタの特性を適宜設定する必要がある。「適宜」とは、その状況に合っていることである。つまり、光源の配列に合わせて色分離フィルタの特性を設定することになる。
実施の形態10.
図28は、本発明の実施の形態10における光源装置120を備えた投写型表示装置7hの構成を示す図である。図29は、光源と色分離フィルタの位置関係を−X方向から見た模式図である。図30は、集光レンズ4上の光束W1a,W2a,W3a,W1b,W2b,W3b,W1c,W2c,W3cの入射位置を、+Z方向側から見た模式図である。
投写型表示装置7hの光源装置120よりも出射側の構成要素は、実施の形態1で説明した構成要素と同一である。光源装置よりも出射側の構成要素は、図1に示した集光レンズ4からスクリーン9までの構成である。つまり、光源装置よりも出射側の構成要素は、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8及びスクリーン9である。なお、図28では、投写光学系8及びスクリーン9を省略している。
実施の形態10の光源装置120は、実施の形態9の光源装置113を複数備えた構成を有している。実施の形態10では、3つの光源ユニット113a,113b,113cを備えている。図28において、−Z方向側から、第1の光源ユニット113a、第2の光源ユニット113b及び第3の光源ユニット113cとする。
図28及び図29に示すように、第1の光源ユニット113aの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsに対して、第2の光源ユニット113bの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、集光レンズ4に入射する光束のXY平面上のX方向の幅の分だけ、−X方向にずらして配置されている。また、第1の光源ユニット113aの色分離フィルタ8bsの+Z方向の端部と、第2の光源ユニット113bの色分離フィルタ7rpの−Z方向の端部とは、X方向から見て近接する位置に配置されている。
「近接」とは、近くにあることである。このため、「近接」とは、接しているとは限らない。また、「近接」とは、光束と光束との間の隙間が、光束の幅以下であることを目安とする。
同様に、第2の光源ユニット113bの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsに対して、第3の光源ユニット113cの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、集光レンズ4に入射する光束のXY平面上のX方向の幅の分だけ、−X方向にずらして配置されている。また、第2の光源ユニット113bの色分離フィルタ8bsの+Z方向の端部と、第3の光源ユニット113cの色分離フィルタ7rpの−Z方向の端部とは、X方向から見て近接する位置に配置されている。
つまり、第2の光源ユニット113bの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、第1の光源ユニット113aの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsに対して、平行光束の幅の分だけ、−X方向にずれている。また、第3の光源ユニット113cの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsは、第2の光源ユニット113bの色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsに対して、平行光束の幅の分だけ、−X方向にずれている。
第1の光源ユニット113a、第2の光源ユニット113b及び第3の光源ユニット113cの各々の光源1rp,1gp,1bpは、Y方向にずらさずに、Z軸方向に並べて配置されている。第1の光源ユニット113a、第2の光源ユニット113b及び第3の光源ユニット113cの各々の光源2rs,2gs,2bsは、Y方向にずらさずに、Z軸方向に並べて配置されている。
3つの光源ユニット113a,113b,113cは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsのX方向の位置以外は、同じ構成をしているので、光束、色分離フィルタ及び集光レンズ4の関係について、光源ユニット113aを例にとって説明する。また、実施の形態9と同様に、色分離フィルタ7rpは、単なる反射機能を有するだけでも良い。なぜなら、色分離フィルタ7rpは、平行光束5rpaを集光レンズ4に向けて反射しているだけで、他の光束を透過していないからである。
光源ユニット113aは、第1の光源群121iと、第2の光源群121jとを有している。第1の光源群121iは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1rp,1gp,1bpを有している。第2の光源群121jは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源2rs,2gs,2bsを有している。
光源2rsは、光源1rpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2gsは、光源1gpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2bsは、光源1bpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。
光源1rpから出射された平行光束5rpaは、色分離フィルタ7rpで集光レンズ4に向けて反射される。光源2rsから出射された平行光束6rsaは、色分離フィルタ8rsで集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7rpで反射された平行光束5rpaは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8rsを透過する。平行光束5rpa,6rsaは、第1の波長帯域の光である。
光源1gpから出射された平行光束5gpaは、色分離フィルタ7gpで集光レンズ4に向けて反射される。光源2gsから出射された平行光束6gsaは、色分離フィルタ8gsで集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7gpで反射された平行光束5gpaは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8gsを透過する。平行光束5gpa,6gsaは、第2の波長帯域の光である。平行光束5rpa,6rsaは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7gp,8gsを透過する。
光源1bpから出射された平行光束5bpaは、色分離フィルタ7bpで集光レンズ4に向けて反射される。光源2bsから出射された平行光束6bsaは、色分離フィルタ8bsで集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7bpで反射された平行光束5bpaは、色分離フィルタ8bsを光の偏光の方向に基づいて透過する。平行光束5bpa,6bsaは、第3の波長帯域の光である。平行光束5rpa,6rsa及び平行光束5gpa,6gsaは、色分離フィルタ7bp,8bsを光の波長帯域に基づいて透過する。
色分離フィルタ8gsを透過した平行光束5rpa、平行光束6rsa及び平行光束5gpaと、色分離フィルタ8gsで反射された平行光束6gsaとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8gsを透過した平行光束5rpa、平行光束6rsa及び平行光束5gpaと、色分離フィルタ8gsで反射された平行光束6gsaとは、集光レンズ4に向けて進行する。
また、色分離フィルタ8bsを透過した平行光束5rpa、平行光束6rsa、平行光束5gpa、平行光束6gsa及び平行光束5bpaと、色分離フィルタ8bsで反射された平行光束6bsaとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8bsを透過した平行光束5rpa、平行光束6rsa、平行光束5gpa、平行光束6gsa及び平行光束5bpaと、色分離フィルタ8bsで反射された平行光束6bsaとは、集光レンズ4に向けて進行する。
図29に示すように、光源1rp,2rs、光源1gp,2gs及び光源1bp,2bsは、Y方向に3個配列されている。光源ユニット113aは、3つの光源群Z1a,Z2a,Z3aを有する。各光源群Z1a,Z2a,Z3aは、Z方向に並んだ光源1rp,2rs,1gp,2gs,1bp,2bsを有する。各光源群Z1a,Z2a,Z3aの光源1rp,2rs,1gp,2gs,1bp,2bsは、X方向の位置及びY方向の位置が同じである。3つの光源群Z1a,Z2a,Z3aは、+Y方向側から−Y方向側に向けて光源群Z1a、光源群Z2a及び光源群Z3aの順番でならんでいる。
光源ユニット113aでは、光源群Z1aから出射された平行光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsで反射され、または透過して、+Z方向に進む。各平行光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaは、重ね合わされて白色の光束W1aとなる。
つまり、光源群Z1aから出射されて色分離フィルタ8gsを透過した光束5rpa,5gpa,6rsaと、色分離フィルタ8gsで反射された光束6gsaとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z1aから出射されて色分離フィルタ8bsを透過した光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsaと、色分離フィルタ8bsで反射された光束6bsaとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W1aとなる。
同様に、光源群Z2aから出射された平行光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsで反射され、または透過して、+Z方向に進む。各平行光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaは、重ね合わされて白色の光束W2aとなる。
つまり、光源群Z2aから出射されて色分離フィルタ8gsを透過した光束5rpa,5gpa,6rsaと、色分離フィルタ8gsで反射された光束6gsaとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z2aから出射されて色分離フィルタ8bsを透過した光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsaと、色分離フィルタ8bsで反射された光束6bsaとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W2aとなる。
また、光源群Z3aから出射された平行光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaは、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsで反射され、または透過して、+Z方向に進む。各平行光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaは、重ね合わされて白色の光束W3aとなる。
つまり、光源群Z3aから出射されて色分離フィルタ8gsを透過した光束5rpa,5gpa,6rsaと、色分離フィルタ8gsで反射された光束6gsaとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z3aから出射されて色分離フィルタ8bsを透過した光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsaと、色分離フィルタ8bsで反射された光束6bsaとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W3aとなる。
また、光源群Z1aから発せられて重畳した光束5rpa,5gpa,6rsa,6gsaと、光源群Z2aから発せられて重畳した光束5rpa,5gpa,6rsa,6gsaと、光源群Z3aから発せられて重畳した光束5rpa,5gpa,6rsa,6gsaとは、一定の間隔を有している。また、光源群Z1aから発せられて重畳した光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaと、光源群Z2aから発せられて重畳した光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaと、光源群Z3aから発せられて重畳した光束5rpa,5gpa,5bpa,6rsa,6gsa,6bsaとは、一定の間隔を有している。
同様に、光源ユニット113bでは、光源群Z1bから出射された平行光束5rpb,5gpb,5bpb,6rsb,6gsb,6bsbは、白色の光束W1bとなる。光源群Z2bから出射された平行光束5rpb,5gpb,5bpb,6rsb,6gsb,6bsbは、白色の光束W2bとなる。光源群Z3bから出射された平行光束5rpb,5gpb,5bpb,6rsb,6gsb,6bsbは、白色の光束W3bとなる。
同様に、光源ユニット113cでは、光源群Z1cから出射された平行光束5rpc,5gpc,5bpc,6rsc,6gsc,6bscは、白色の光束W1cとなる。光源群Z2cから出射された平行光束5rpc,5gpc,5bpc,6rsc,6gsc,6bscは、白色の光束W2cとなる。光源群Z3cから出射された平行光束5rpc,5gpc,5bpc,6rsc,6gsc,6bscは、白色の光束W3cとなる。
これにより、3色(赤色、緑色及び青色)の各2個(S偏光の光及びP偏光の光)の光源をY方向に3個並べて、集光レンズ4に入射する光束をY方向に3個(例えば、光束W1a,W2a,W3a)としている。つまり、3色の光源を各色2個で1つの光束となっている。つまり、6つの光束を1つの白色の光束としている。また、その3個にまとまった光束をX方向に3ユニット並べている。このため、集光レンズ4に入射する光束は、3行×3列の配列の9つとなっている。つまり、54個の光源が発する光束を9つにまとめて集光レンズ4に出射しているため、光利用効率が向上することとなる。
「光利用効率が高まる」とは、光束の輝度を高くすることができることである。つまり、高い輝度を得ることができることである。「輝度」とは、単に面積当たりの明るさである。つまり、光束の断面の単位面積当たりの明るさである。
また、実施の形態10の各光源は、−Z方向側から、光源1rp,2rs、光源1gp,2gs、光源1bp,2bsの順に配置されている。光源1rp,2rsは、赤色の光を発する光源である。光源1gp,2gsは、緑色の光を発する光源である。光源1bp,2bsは、青色の光を発する光源である。
しかしながら、各光源は、−Z方向から光源1bp,2bs、光源1gp,2gs、光源1rp,2rsの順に配置する等、赤色の光を発する光源、緑色の光を発する光源及び青色の光を発する光源をどの順序で配置しても構わない。その際には、色分離フィルタ7rp,7gp,7bp,8rs,8gs,8bsの特性を適宜設定することで、実施の形態10で説明した光の透過及び反射を実現することができ、同等の効果を得ることができる。
実施の形態11.
図31は、本実施の形態11における光源装置150を備えた投写型表示装置7iの構成を示す図である。図32は、光源と色分離フィルタの位置関係を−X方向から見た模式図である。図33は、集光レンズ4上の光束W1a,W2a,W3a,W1b,W2b,W3b,W1c,W2c,W3cの入射位置を、+Z方向側から見た模式図である。
投写型表示装置7iの光源装置150よりも出射側の構成要素は、実施の形態1で説明した構成要素と同一である。光源装置よりも出射側の構成要素は、図1に示した集光レンズ4からスクリーン9までの構成である。つまり、光源装置よりも出射側の構成要素とは、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8及びスクリーン9である。なお、図31では、投写光学系8及びスクリーン9を省略している。
実施の形態11の光源装置150は、実施の形態6の光源装置111をZ軸方向に3個並べた構成を有している。−Z軸方向側から、第1の光源ユニット160Ra、第2の光源ユニット160Gb及び第3の光源ユニット160Bcが並んでいる。光源装置111と異なる点は、各光源ユニット160Ra,160Gb,160Bcは同じ色の光源を有する点である。つまり、第1の光源ユニット160Raの光源1rp,2rp,3rpは、赤色のP偏光の光を発し、光源1rs,2rs,3rsは、赤色のS偏光の光を発する。同様に、第2の光源ユニット160Gbの光源1gp,2gp,3gpは、緑色のP偏光の光を発し、光源1gs,2gs,3gsは、緑色のS偏光の光を発する。第3の光源ユニット160Bcの光源1bp,2bp,3bpは、青色のP偏光の光を発し、光源1bs,2bs,3bsは、青色のS偏光の光を発する。
第1の光源ユニット160Raは、第1の光源群151iと、第2の光源群151jとを有している。第1の光源群151iは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1rp,2rp,3rpを有している。第2の光源群151jは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1rs,2rs,3rsを有している。
第2の光源ユニット160Gbは、第1の光源群151iと、第2の光源群151jとを有している。第1の光源群151iは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1gp,2gp,3gpを有している。第2の光源群151jは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1gs,2gs,3gsを有している。
第3の光源ユニット160Bcは、第1の光源群151iと、第2の光源群151jとを有している。第1の光源群151iは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1bp,2bp,3bpを有している。第2の光源群151jは、X方向の光軸を有し、YZ面内に配列された複数の光源1bs,2bs,3bsを有している。
第1の光源ユニット160Raの6つの光源1rp,2rp,3rp,1rs,2rs,3rsは、全て赤色の光を出射する。光源1rp,2rp,3rpは、P偏光の光を出射する。光源1rs,2rs,3rsは、S偏光の光を出射する。光源1rp、光源2rp、光源3rp、光源1rs、光源2rs及び光源3rsは、各々Y方向に3個の光源を有している。そのため、光源の個数は18個である。
第2の光源ユニット160Gbの6つの光源1gp,2gp,3gp,1gs,2gs,3gsは、全て緑色の光を出射する。光源1gp,2gp,3gpは、P偏光の光を出射する。光源1gs,2gs,3gsは、S偏光の光を出射する。光源1gp、光源2gp、光源3gp、光源1gs、光源2gs及び光源3gsは、各々Y方向に3個の光源を有している。そのため、光源の個数は18個である。
第3の光源ユニット160Bcの6つの光源1bp,2bp,3bp,1bs,2bs,3bsは、全て青色の光を出射する。光源1bp,2bp,3bpは、P偏光の光を出射する。光源1bs,2bs,3bsは、S偏光の光を出射する。光源1bp、光源2bp、光源3bp、光源1bs、光源2bs及び光源3bsは、各々Y方向に3個の光源を有している。そのため、光源の個数は、18個である。
色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3,7gp1,7gp2,7gp3,7bp1,7bp2,7bp3,8rs1,8rs2,8rs3,8gs1,8gs2,8gs3,8bs1,8bs2,8bs3は、板形状をしている。
色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3,7gp1,7gp2,7gp3,7bp1,7bp2,7bp3は、+Y方向から見て、XY平面を時計回りに45度回転させた面に平行に配置されている。色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3,8gs1,8gs2,8gs3,8bs1,8bs2,8bs3は、+Y方向から見て、XY平面を反時計回りに45度回転させた面に平行に配置されている。
また、実施の形態9と同様に、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、単なる反射機能を有するだけでも良い。なぜなら、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、平行光束151rp,152rp,153rpを集光レンズ4に向けて反射しているだけで、他の光線を透過していないからである。
色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、実施の形態9(図25)の色分離フィルタ7rpと同様の透過特性であればよい。色分離フィルタ7rpの特性は、図16に示す特性である。また、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、は単なる反射膜でも良い。
同様に、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3は、実施の形態9(図25)の色分離フィルタ8rsと同様の透過特性であればよい。色分離フィルタ8rsの特性は、図20に示す特性である。
色分離フィルタ7gp1,7gp2,7gp3は、実施の形態9(図25)の色分離フィルタ7gpと同様の透過特性であればよい。色分離フィルタ7gpの特性は、図21に示す特性である。
色分離フィルタ8gs1,8gs2,8gs3は、実施の形態9(図25)の色分離フィルタ8gsと同様の透過特性であればよい。色分離フィルタ8gsの特性は、図24に示す特性である。
色分離フィルタ7bp1,7bp2,7bp3は、実施の形態9(図25)の色分離フィルタ7bpと同様の透過特性であればよい。色分離フィルタ7bpの特性は、図22に示す特性である。
色分離フィルタ8bs1,8bs2,8bs3は、実施の形態9(図25)の色分離フィルタ8bsと同様の透過特性であればよい。色分離フィルタ8bsの特性は、図27に示す特性である。
第1の光源ユニット160Raでは、色分離フィルタ8rs1の−X方向端面と、色分離フィルタ8rs2の+X方向端面とが、X座標上で一致して配置されている。同様に、色分離フィルタ8rs2の−X方向端面と、色分離フィルタ8rs3の+X方向端面とが、X座標上で一致して配置されている。
第1の光源ユニット160Raでは、また、色分離フィルタ8rs1の+Z方向端面と、色分離フィルタ7rp2の−Z方向端面とが、Z座標上で一致して配置されている。同様に、色分離フィルタ8rs2の+Z方向端面と、色分離フィルタ7rp3の−Z方向端面とが、Z座標上で一致して配置されている。
さらに、色分離フィルタ7rp1の+Z方向端面と、色分離フィルタ8rs1の−Z方向端面とは接続されている。色分離フィルタ7rp2の+Z方向端面と、色分離フィルタ8rs2の−Z方向端面とは接続されている。同様に、色分離フィルタ7rp3の+Z方向端面と、色分離フィルタ8rs3の−Z方向端面とは接続されている。
第2の光源ユニット160Gbでは、色分離フィルタ8gs1の−X方向端面と色分離フィルタ8gs2の+X方向端面がX座標上で一致して配置されている。同様に、色分離フィルタ8gs2の−X方向端面と色分離フィルタ8gs3の+X方向端面がX座標上で一致して配置されている。
第2の光源ユニット160Gbでは、また、色分離フィルタ8gs1の+Z方向端面と色分離フィルタ7gp2の−Z方向端面がZ座標上で一致して配置されている。同様に、色分離フィルタ8gs2の+Z方向端面と色分離フィルタ7gp3の−Z方向端面がZ座標上で一致して配置されている。
さらに、色分離フィルタ7gp1の+Z方向端面と、色分離フィルタ8gs1の−Z方向端面とは接続されている。色分離フィルタ7gp2の+Z方向端面と、色分離フィルタ8gs2の−Z方向端面とは接続されている。同様に、色分離フィルタ7gp3の+Z方向端面と、色分離フィルタ8gs3の−Z方向端面とは接続されている。
第3の光源ユニット160Bcでは、色分離フィルタ8bs1の−X方向端面と、色分離フィルタ8bs2の+X方向端面がX座標上で一致して配置されている。同様に、色分離フィルタ8bs2の−X方向端面と色分離フィルタ8bs3の+X方向端面がX座標上で一致して配置されている。
第3の光源ユニット160Bcでは、また、色分離フィルタ8bs1の+Z方向端面と色分離フィルタ7bp2の−Z方向端面がZ座標上で一致して配置されている。同様に、色分離フィルタ8bs2の+Z方向端面と色分離フィルタ7bp3の−Z方向端面がZ座標上で一致して配置されている。
さらに、色分離フィルタ7bp1の+Z方向端面と、色分離フィルタ8bs1の−Z方向端面とは接続されている。色分離フィルタ7bp2の+Z方向端面と、色分離フィルタ8bs2の−Z方向端面とは接続されている。同様に、色分離フィルタ7bp3の+Z方向端面と、色分離フィルタ8bs3の−Z方向端面とは接続されている。
ここで、「一致」とは、実施の形態6で説明した通りである。つまり、「一致」とは、部品ばらつきの範囲や組立てばらつきの範囲で生じる隙間や重なりを含むものである。
第1の光源ユニット160Raでは、光源1rpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151rpは、色分離フィルタ7rp1で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源2rpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束152rpは、色分離フィルタ7rp2で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源3rpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束153rpは、色分離フィルタ7rp3で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。
また、光源1rsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151rsは、色分離フィルタ8rs1で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源2rsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束152rsは、色分離フィルタ8rs2で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源3rsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束153rsは、色分離フィルタ8rs3で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。
第2の光源ユニット160Gbでは、光源1gpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151gpは、色分離フィルタ7gp1で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源2gpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束152gpは、色分離フィルタ7gp2で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源3gpから+X方向に出射して平行化レンズで平行化された平行光束153gpは、色分離フィルタ7gp3で反射されて+Z方向に進行して集光レンズ4に到達する。
また、光源1gsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151gsは、色分離フィルタ8gs1で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源2gsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束152gsは、色分離フィルタ8gs2で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源3gsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束153gsは、色分離フィルタ8gs3で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。
第3の光源ユニット160Bcでは、光源1bpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151bpは、色分離フィルタ7bp1で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源2bpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束152bpは、色分離フィルタ7bp2で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源3bpから+X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束153bpは、色分離フィルタ7bp3で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。
また、光源1bsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151bsは、色分離フィルタ8bs1で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源2bsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束152bsは、色分離フィルタ8bs2で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。光源3bsから−X方向に出射されて平行化レンズで平行化された平行光束153bsは、色分離フィルタ8bs3で反射されて+Z方向に進行して、集光レンズ4に到達する。
3つの光源ユニット160Ra,160Gb,160Bcは、次の2つの点で異なる。第1の相違点は、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3,7gp1,7gp2,7gp3,7bp1,7bp2,7bp3,8rs1,8rs2,8rs3,8gs1,8gs2,8gs3,8bs1,8bs2,8bs3の透過特性及び反射特性が異なる点である。
第2の相違点は、光源1rp,2rp,3rp,1rs,2rs,3rs,1gp,2gp,3gp,1gs,2gs,3gs,1bp,2bp,3bp,1bs,2bs,3bsが異なる色の光を発光する点である。
第1の光源ユニット160Raは、赤色の光を発する光源1rp,2rp,3rp,1rs,2rs,3rsを有する。第2の光源ユニット160Gbは、緑色の光を発する光源1gp,2gp,3gp,1gs,2gs,3gsを有する。第3の光源ユニット160Bcは、青色の光を発する光源1bp,2bp,3bp,1bs,2bs,3bsを有する。
なお、異なる色の光を発光する光源は、光源自体の内部の構成が異なることはあり得る。光源ユニット160Ra,160Gb,160Bcは、上記の2つの相違点を除き、同じ構成を有している。そのため、光束、色分離フィルタ及び集光レンズ4の関係について、光源装置160Raを例にとって説明する。
図32に示すように、光源1rp,1rs,2rp,2rs,3rp,3rsは、Y方向に3個配列されている。第1の光源ユニット160Raは、3つの光源群Z1a,Z2a,Z3aを有する。各光源群Z1a,Z2a,Z3aは、Z方向に並んだ光源1rp,1rs,2rp,2rs,3rp,3rsを有する。各光源群Z1a,Z2a,Z3aの光源1rp,1rs,2rp,2rs,3rp,3rsは、X方向の位置及びY方向の位置が同じである。
第1の光源ユニット160Raでは、光源群Z1aから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151rp,151rs,152rp,152rs,153rp,153rsは、色分離フィルタ7rp1,8rs1,7rp2,8rs2,7rp3,8rs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151rp,151rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW1aの位置に進む。平行光束152rp,152rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW1bの位置に進む。平行光束153rp,153rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW1cの位置に進む。
同様に、光源群Z2aから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151rp,151rs,152rp,152rs,153rp,153rsは、色分離フィルタ7rp1,8rs1,7rp2,8rs2,7rp3,8rs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151rp,151rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW2aの位置に進む。平行光束152rp,152rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW2bの位置に進む。平行光束153rp,153rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW2cの位置に進む。
また、光源群Z3aから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151rp,151rs,152rp,152rs,153rp,153rsは、色分離フィルタ7rp1,8rs1,7rp2,8rs2,7rp3,8rs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151rp,151rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW3aの位置に進む。平行光束152rp,152rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW3bの位置に進む。平行光束153rp,153rsは重ね合わされて赤色の光束となり、集光レンズ4のW3cの位置に進む。
第2の光源ユニット160Gbでは、光源群Z1bから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151gp,151gs,152gp,152gs,153gp,153gsは、色分離フィルタ7gp1,8gs1,7gp2,8gs2,7gp3,8gs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151gp,151gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW1aの位置に進む。平行光束152gp,152gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW1bの位置に進む。平行光束153gp,153gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW1cの位置に進む。
同様に、光源群Z2bから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151gp,151gs,152gp,152gs,153gp,153gsは、色分離フィルタ7gp1,8gs1,7gp2,8gs2,7gp3,8gs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151gp,151gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW2aの位置に進む。平行光束152gp,152gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW2bの位置に進む。平行光束153gp,153gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW2cの位置に進む。
同様に、光源群Z3bから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151gp,151gs,152gp,152gs,153gp,153gsは、色分離フィルタ7gp1,8gs1,7gp2,8gs2,7gp3,8gs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151gp,151gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW3aの位置に進む。平行光束152gp,152gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW3bの位置に進む。平行光束153gp,153gsは重ね合わされて緑色の光束となり、集光レンズ4のW3cの位置に進む。
第3の光源ユニット160Bcでは、光源群Z1cから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151bp,151bs,152bp,152bs,153bp,153bsは、色分離フィルタ7bp1,8bs1,7bp2,8bs2,7bp3,8bs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151bp,151bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW1aの位置に進む。平行光束152bp,152bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW1bの位置に進む。平行光束153bp,153bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW1cの位置に進む。
同様に、光源群Z2cから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151bp,151bs,152bp,152bs,153bp,153bsは、色分離フィルタ7bp1,8bs1,7bp2,8bs2,7bp3,8bs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151bp,151bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW2aの位置に進む。平行光束152bp,152bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW2bの位置に進む。平行光束153bp,153bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW2cの位置に進む。
同様に、光源群Z3cから出射されて平行化レンズで平行化された平行光束151bp,151bs,152bp,152bs,153bp,153bsは、色分離フィルタ7bp1,8bs1,7bp2,8bs2,7bp3,8bs3で反射され、または透過して、+Z方向に進む。
平行光束151bp,151bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW3aの位置に進む。平行光束152bp,152bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW3bの位置に進む。平行光束153bp,153bsは重ね合わされて青色の光束となり、集光レンズ4のW3cの位置に進む。
光源群Z1a、光源群Z1b及び光源群Z1cは、X方向及びY方向の位置は同じで、Z方向に一列に並んでいる。−Z方向側から+Z方向側に向かって、光源群Z1a、光源群Z1b及び光源群Z1cの順に並んでいる。
光源群Z2a、光源群Z2b及び光源群Z2cは、X方向及びY方向の位置は同じで、Z方向に一列に並んでいる。−Z方向側から+Z方向側に向かって、光源群Z2a、光源群Z2b及び光源群Z2cの順に並んでいる。
光源群Z3a、光源群Z3b及び光源群Z3cは、X方向及びY方向の位置は同じで、Z方向に一列に並んでいる。−Z方向側から+Z方向側に向かって、光源群Z3a、光源群Z3b及び光源群Z3cの順に並んでいる。
「各光源群のX方向の位置が同じ」とは、対応する光源のX方向の位置が同じであることを示す。「対応する光源」とは、光源1rp、光源1gp及び光源1bpである。また、光源1rs、光源1gs及び光源1bsである。また、光源2rp、光源2gp及び光源2bpである。また、光源2rs、光源2gs及び光源2bsである。また、光源3rp、光源3gp及び光源3bpである。また、光源3rs、光源3gs及び光源3bsである。
光源群Z1aの平行光束151rp,151rs、光源群Z1bの平行光束151gp,151gs、及び光源群Z1cの平行光束151bp,151bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW1aの位置に進む。
光源群Z1aの平行光束152rp,152rs、光源群Z1bの平行光束152gp,152gs、及び光源群Z1cの平行光束152bp,152bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW1bの位置に進む。
光源群Z1aの平行光束153rp,153rs、光源群Z1bの平行光束153gp,153gs、及び光源群Z1cの平行光束153bp,153bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW1cの位置に進む。
光源群Z2aの平行光束151rp,151rs、光源群Z2bの平行光束151gp,151gs、及び光源群Z2cの平行光束151bp,151bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW2aの位置に進む。
光源群Z2aの平行光束152rp,152rs、光源群Z2bの平行光束152gp,152gs、及び光源群Z2cの平行光束152bp,152bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW2bの位置に進む。
光源群Z2aの平行光束153rp,153rs、光源群Z2bの平行光束153gp,153gs、及び光源群Z2cの平行光束153bp,153bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW2cの位置に進む。
光源群Z3aの平行光束151rp,151rs、光源群Z3bの平行光束151gp,151gs、及び光源群Z3cの平行光束151bp,151bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW3aの位置に進む。
光源群Z3aの平行光束152rp,152rs、光源群Z3bの平行光束152gp,152gs、及び光源群Z3cの平行光束152bp,152bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW3bの位置に進む。
光源群Z3aの平行光束153rp,153rs、光源群Z3bの平行光束153gp,153gs、及び光源群Z3cの平行光束153bp,153bsは、重ね合わされて白色の光束となり、集光レンズ4のW3cの位置に進む。
上述のように実施の形態11の構成について説明した。ここで、実施の形態11の構成が、実施の形態9の構成の変形例であることについて説明する。つまり、実施の形態11の構成は、実施の形態9の構成をX方向に3つ並べた構成と同じである。
光源1rsは、光源1rpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2rsは、光源2rpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源3rsは、光源3rpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。
同様に、光源1gsは、光源1gpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2gsは、光源2gpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源3gsは、光源3gpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。
同様に、光源1bsは、光源1bpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源2bsは、光源2bpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。光源3bsは、光源3bpに対して偏光方向が90度異なる偏光の光を発する。
光源1rpから出射された平行光束151rpは、色分離フィルタ7rp1で集光レンズ4に向けて反射される。光源1rsから出射された平行光束151rsは、色分離フィルタ8rs1で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7rp1で反射された平行光束151rpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8rs1を透過する。平行光束151rp,151rsは、第1の波長帯域の光である。
光源1gpから出射された平行光束151gpは、色分離フィルタ7gp1で集光レンズ4に向けて反射される。光源1gsから出射された平行光束151gsは、色分離フィルタ8gs1で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7gp1で反射された平行光束151gpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8gs1を透過する。平行光束151gp,151gsは、第2の波長帯域の光である。平行光束151rp,151rsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7gp1,8gs1を透過する。
光源1bpから出射された平行光束151bpは、色分離フィルタ7bp1で集光レンズ4に向けて反射される。光源1bsから出射された平行光束151bsは、色分離フィルタ8bs1で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7bp1で反射された平行光束151bpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8bs1を透過する。平行光束151bp,151bsは、第3の波長帯域の光である。平行光束151rp,151rs及び平行光束151gp,151gsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7bp1,8bs1を透過する。
色分離フィルタ8gs1を透過した平行光束151rp、平行光束151rs及び平行光束151gpと、色分離フィルタ8gs1で反射された平行光束151gsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8gs1を透過した平行光束151rp、平行光束151rs及び平行光束151gpと、色分離フィルタ8gs1で反射された平行光束151gsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
また、色分離フィルタ8bs1を透過した平行光束151rp、平行光束151rs、平行光束151gp、平行光束151gs及び平行光束151bpと、色分離フィルタ8bs1で反射された平行光束151bsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8bs1を透過した平行光束151rp、平行光束151rs、平行光束151gp、平行光束151gs及び平行光束151bpと、色分離フィルタ8bs1で反射された平行光束151bsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
光源2rp,2rs,2gp,2gs,2bp,2bsの場合も、同様である。
光源2rpから出射された平行光束152rpは、色分離フィルタ7rp2で集光レンズ4に向けて反射される。光源2rsから出射された平行光束152rsは、色分離フィルタ8rs2で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7rp2で反射された平行光束152rpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8rs2を透過する。平行光束152rp,152rsは、第1の波長帯域の光である。
光源2gpから出射された平行光束152gpは、色分離フィルタ7gp2で集光レンズ4に向けて反射される。光源2gsから出射された平行光束152gsは、色分離フィルタ8gs2で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7gp2で反射された平行光束152gpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8gs2を透過する。平行光束152gp,152gsは、第2の波長帯域の光である。平行光束152rp,152rsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7gp2,8gs2を透過する。
光源2bpから出射された平行光束152bpは、色分離フィルタ7bp2で集光レンズ4に向けて反射される。光源2bsから出射された平行光束152bsは、色分離フィルタ8bs2で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7bp2で反射された平行光束152bpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8bs2を透過する。平行光束152bp,152bsは、第3の波長帯域の光である。平行光束152rp,152rs及び平行光束152gp,152gsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7bp2,8bs2を透過する。
色分離フィルタ8gs2を透過した平行光束152rp、平行光束152rs及び平行光束152gpと、色分離フィルタ8gs2で反射された平行光束152gsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8gs2を透過した平行光束152rp、平行光束152rs及び平行光束152gpと、色分離フィルタ8gs2で反射された平行光束152gsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
また、色分離フィルタ8bs2を透過した平行光束152rp、平行光束152rs、平行光束152gp、平行光束152gs及び平行光束152bpと、色分離フィルタ8bs2で反射された平行光束152bsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8bs2を透過した平行光束152rp、平行光束152rs、平行光束152gp、平行光束152gs及び平行光束152bpと、色分離フィルタ8bs2で反射された平行光束152bsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
光源3rp,3rs,3gp,3gs,3bp,3bsの場合も同様である。
光源3rpから出射された平行光束153rpは、色分離フィルタ7rp3で集光レンズ4に向けて反射される。光源3rsから出射された平行光束153rsは、色分離フィルタ8rs3で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7rp3で反射された平行光束153rpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8rs3を透過する。平行光束153rp,153rsは、第1の波長帯域の光である。
光源3gpから出射された平行光束153gpは、色分離フィルタ7gp3で集光レンズ4に向けて反射される。光源3gsから出射された平行光束153gsは、色分離フィルタ8gs3で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7gp3で反射された平行光束153gpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8gs3を透過する。平行光束153gp,153gsは、第2の波長帯域の光である。平行光束153rp,153rsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7gp3,8gs3を透過する。
光源3bpから出射された平行光束153bpは、色分離フィルタ7bp3で集光レンズ4に向けて反射される。光源3bsから出射された平行光束153bsは、色分離フィルタ8bs3で集光レンズ4に向けて反射される。色分離フィルタ7bp3で反射された平行光束153bpは、光の偏光の方向に基づいて、色分離フィルタ8bs3を透過する。平行光束153bp,153bsは、第3の波長帯域の光である。平行光束153rp,153rs及び平行光束153gp,153gsは、光の波長帯域に基づいて、色分離フィルタ7bp3,8bs3を透過する。
色分離フィルタ8gs3を透過した平行光束153rp、平行光束153rs及び平行光束153gpと、色分離フィルタ8gs3で反射された平行光束153gsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8gs3を透過した平行光束153rp、平行光束153rs及び平行光束153gpと、色分離フィルタ8gs3で反射された平行光束153gsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
また、色分離フィルタ8bs3を透過した平行光束153rp、平行光束153rs、平行光束153gp、平行光束153gs及び平行光束153bpと、色分離フィルタ8bs3で反射された平行光束153bsとは、同一の方向に進行する。つまり、色分離フィルタ8bs3を透過した平行光束153rp、平行光束153rs、平行光束153gp、平行光束153gs及び平行光束153bpと、色分離フィルタ8bs3で反射された平行光束153bsとは、集光レンズ4に向けて進行する。
光源群Z1a,Z1bから出射されて色分離フィルタ8gs1を透過した光束151rp,151gp,151rsと、色分離フィルタ8gs1で反射された光束151gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z1a,Z1b,Z1cから出射されて色分離フィルタ8bs1を透過した光束151rp,151gp,151bp,151rs,151gsと、色分離フィルタ8bs1で反射された光束151bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W1aとなる。
光源群Z2a,Z2bから出射されて色分離フィルタ8gs1を透過した光束151rp,151gp,151rsと、色分離フィルタ8gs1で反射された光束151gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z2a,Z2b,Z2cから出射されて色分離フィルタ8bs1を透過した光束151rp,151gp,151bp,151rs,151gsと、色分離フィルタ8bs1で反射された光束151bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W2aとなる。
光源群Z3a,Z3bから出射されて色分離フィルタ8gs1を透過した光束151rp,151gp,151rsと、色分離フィルタ8gs1で反射された光束151gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z3a,Z3b,Z3cから出射されて色分離フィルタ8bs1を透過した光束151rp,151gp,151bp,151rs,151gsと、色分離フィルタ8bs1で反射された光束151bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W3aとなる。
光源群Z1a,Z1bから出射されて色分離フィルタ8gs2を透過した光束152rp,152gp,152rsと、色分離フィルタ8gs2で反射された光束152gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z1a,Z1b,Z1cから出射されて色分離フィルタ8bs2を透過した光束152rp,152gp,152bp,152rs,152gsと、色分離フィルタ8bs2で反射された光束152bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W1bとなる。
光源群Z2a,Z2bから出射されて色分離フィルタ8gs2を透過した光束152rp,152gp,152rsと、色分離フィルタ8gs2で反射された光束152gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z2a,Z2b,Z2cから出射されて色分離フィルタ8bs2を透過した光束152rp,152gp,152bp,152rs,152gsと、色分離フィルタ8bs2で反射された光束152bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W2bとなる。
光源群Z3a,Z3bから出射されて色分離フィルタ8gs2を透過した光束152rp,152gp,152rsと、色分離フィルタ8gs2で反射された光束152gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z3a,Z3b,Z3cから出射されて色分離フィルタ8bs2を透過した光束152rp,152gp,152bp,152rs,152gsと、色分離フィルタ8bs2で反射された光束152bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W3bとなる。
光源群Z1a,Z1bから出射されて色分離フィルタ8gs3を透過した光束153rp,153gp,153rsと、色分離フィルタ8gs3で反射された光束153gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z1a,Z1b,Z1cから出射されて色分離フィルタ8bs3を透過した光束153rp,153gp,153bp,153rs,153gsと、色分離フィルタ8bs3で反射された光束153bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W1cとなる。
光源群Z2a,Z2bから出射されて色分離フィルタ8gs3を透過した光束153rp,153gp,153rsと、色分離フィルタ8gs3で反射された光束153gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z2a,Z2b,Z2cから出射されて色分離フィルタ8bs3を透過した光束153rp,153gp,153bp,153rs,153gsと、色分離フィルタ8bs3で反射された光束153bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W2cとなる。
光源群Z3a,Z3bから出射されて色分離フィルタ8gs3を透過した光束153rp,153gp,153rsと、色分離フィルタ8gs3で反射された光束153gsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。また、光源群Z3a,Z3b,Z3cから出射されて色分離フィルタ8bs3を透過した光束153rp,153gp,153bp,153rs,153gsと、色分離フィルタ8bs3で反射された光束153bsとは、同一の方向に進行する際に重畳する。そして重畳した光束は、白色の光束W3cとなる。
また、光源群Z1a,Z1b,Z1cから発せられて重畳した光束152rp,152rs,152gp,152gs,152bp,152bs(図30の光束W1bの位置の光束)は、光源群Z1a,Z1b,Z1cから発せられて重畳した光束151rp,151rs,151gp,151gs,151bp,151bs(図30の光束W1aの位置の光束)及び光源群Z1a,Z1b,Z1cから発せられて重畳した光束153rp,153rs,153gp,153gs,153bp,153bs(図30の光束W1cの位置の光束)と近接している。
光源群Z2a,Z2b,Z2cから発せられて重畳した光束152rp,152rs,152gp,152gs,152bp,152bs(図30の光束W2bの位置の光束)は、光源群Z2a,Z2b,Z2cから発せられて重畳した光束151rp,151rs,151gp,151gs,151bp,151bs(図30の光束W2aの位置の光束)及び光源群Z2a,Z2b,Z2cから発せられて重畳した光束153rp,153rs,153gp,153gs,153bp,153bs(図30の光束W2cの位置の光束)と近接している。
光源群Z3a,Z3b,Z3cから発せられて重畳した光束152rp,152rs,152gp,152gs,152bp,152bs(図30の光束W3bの位置の光束)は、光源群Z3a,Z3b,Z3cから発せられて重畳した光束151rp,151rs,151gp,151gs,151bp,151bs(図30の光束W3aの位置の光束)及び光源群Z3a,Z3b,Z3cから発せられて重畳した光束153rp,153rs,153gp,153gs,153bp,153bs(図30の光束W3cの位置の光束)と近接している。
また、光束W1bは、光束W1a及び光束W1cと近接している。同様に、光束W2bは、光束W2a及び光束W2cと近接している。光束W3bは、光束W3a及び光束W3cと近接している。
「近接している」とは、近くにあることである。そのため、「近接している」とは、接しているとは限らない。また、「近接」とは、光束と光束との間の隙間が、光束の幅以下であることを目安とする。
また、実施の形態11の各光源は、−Z方向側から、光源1rp,1rs、光源1gp,1gs、光源1bp,1bsの順に配置されている。しかしながら、各光源は、−Z方向側から、光源1bp,1bs、光源1gp,1gs、光源1rp,1rsの順に配置する等、赤色の光を発する光源、緑色の光を発する光源、及び青色の光を発する光源を、どの順序で配置してもよい。
同様に、実施の形態11の各光源は、−Z方向側から、光源2rp,2rs、光源2gp,2gs、光源2bp,2bsの順に配置されている。しかしながら、各光源は、−Z方向側から、光源2bp,2bs、光源2gp,2gs、光源2rp,2rsの順に配置する等、赤色の光を発する光源、緑色の光を発する光源、及び青色の光を発する光源を、どの順序で配置してもよい。
同様に、実施の形態11の各光源は、−Z方向側から、光源3rp,3rs、光源3gp,3gs、光源3bp,3bsの順に配置されている。しかしながら、各光源は、−Z方向側から、光源3bp,3bs、光源3gp,3gs、光源3rp,3rsの順に配置する等、赤色の光を発する光源、緑色の光を発する光源、及び青色の光を発する光源を、どの順序で配置してもよい。
光源1rp,1rs,2rp,2rs,3rp,3rsは、赤色の光を発する光源である。光源1gp,1gs,2gp,2gs,3gp,3gsは、緑色の光を発する光源である。光源1bp,1bs,2bp,2bs,3bp,3bsは、青色の光を発する光源である。色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3、7gp1,7gp2,7gp3、7bp1,7bp2,7bp3、8rs1,8rs2,8rs3、8gs1,8gs2,8gs3、8bs1,8bs2,8bs3の特性を適宜設定することで、実施の形態11で説明した光の透過及び反射を実現することができ、同等の効果を得ることができる。
次に、光源ユニット160Raについて確認する。光源1rp,2rp,3rpは、光束151rp,152rp,153rpを出射する。光源1rs,2rs,3rsは、光束151rp,152rp,153rpに対して偏光方向が90度異なる光束151rs,152rs,153rsを出射する。
色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、光束151rp,152rp,153rpを反射する色分離フィルタである。色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、板形状の色分離フィルタである。
色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3は、光の偏光の方向に基づいて、光束151rp,152rp,153rpを透過して光束151rs,152rs,153rsを反射する色分離フィルタである。色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3は、板形状の色分離フィルタである。なお、上述のように、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3は、単なる反射機能を有するだけでも良い。
光源1rp,2rp,3rp、光源1rs,2rs,3rs、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3及び色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3を有するモジュールを、光源モジュールとする。
光源モジュールでは、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3の一面と、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3の一面とが、180度及び0度以外の角度をなすように色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3の端部と、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3の端部とが接続されている。この角度は、実施の形態11では、90度としている。
光束151rp,152rp,153rpは、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3とのなす角度が180度より小さい側の色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3の面で反射される。そして、光束151rp,152rp,153rpは、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3とのなす角度が180度より小さい側の色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3の面に入射して、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3を透過する。
光束151rs,152rs,153rsは、色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3とのなす角度が180度より大きい側の色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3の面で反射する。
光源モジュールは、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3を透過した光束151rp,152rp,153rpと、色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3の面で反射された光束151rs,152rs,153rsとを、同じ方向に進行する光束として出射する。
光源ユニット160Raは、複数の光源モジュールを有する。複数の光源モジュールは、各々の光源モジュールが有する色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3に対する光源1rp,2rp,3rpの配置されている方向が同一となるように配置されている。それと共に、複数の光源モジュールは、各々の光源モジュールが有する色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3に対する光源1rs,2rs,3rsの配置されている方向が同一となるように配置されている。
複数の光源モジュールのうち、1つの光源モジュールの色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3及び色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3は、他の1つの光源モジュールの色分離フィルタ7rp1,7rp2,7rp3及び色分離フィルタ8rs1,8rs2,8rs3に対して、当該1つの光源モジュールの有する光源1rp,2rp,3rpまたは光源1rs,2rs,3rsの配置された側にずれて配置されている。
また、光源1rp,2rp,3rp及び光源1rs,2rs,3rsは、同一の波長帯域の光を出射する。同様に、光源1gp,2gp,3gp及び光源1gs,2gs,3gsは、同一の波長帯域の光を出射する。光源1bp,2bp,3bp及び光源1bs,2bs,3bsは、同一の波長帯域の光を出射する。
光源装置150は、以上のように構成されているので、集光レンズ4を透過する平行光束の配置は、+Z方向から見て、赤色の平行光束がXY平面に9つ並んでいる。緑色の平行光束は、XY平面に9つ並んでいる。青色の平行光束は、XY平面に9つ並んでいる。これらの平行光束は、各光源からの平行光束がXY平面のX方向に3つ並んだ形状を有している。また、XY平面のY方向に3つ並んだ形状を有している。この9つ並んだ形状の平行光束が、各色合成されるため、白色の平行光束がXY平面に9つ並ぶこととなる。つまり、図33に示すように、集光レンズ4を、3行×3列の平行光束が透過する。
これにより、3色の各2個の光源(合計6個の光源)の光束を合成して白色の光束を生成している。この白色の光束をY方向に3個及びX方向に3個並べている。そのため、集光レンズ4には、3行×3列に配列された9つの光束が入射する。つまり、54個の光源が発する光束を9つにまとめて集光レンズ4に入射させるため、光利用効率が向上することとなる。
「光利用効率が高まる」とは、光束の輝度を高くすることができることである。つまり、高い輝度を得ることができることである。「輝度」とは、単に面積当たりの明るさである。つまり、光束の断面の単位面積当たりの明るさである。
なお、本実施の形態では、青色の光のピーク波長を約450nmとしたが、約460nmとしても構わない、但し、その際には、上述した色分離フィルタの設定を、適宜変更する必要がある。例えば、図27に示すS偏光の光の透過特性が、波長470nm以上のS偏光の光を透過する透過特性となるように、透過特性をシフトすればよい。
実施の形態12.
図34は、上述した実施の形態6における光源装置111(図10)を変形した投写型表示装置7jの構成を示す図である。投写型表示装置7jの光源装置よりも出射側の構成は、実施の形態1で説明したとおりである。「光源装置よりも出射側の構成」とは、図1に示した集光レンズ4からスクリーン9までの構成である。つまり、「光源装置よりも出射側の構成」とは、集光レンズ4、光強度均一化素子5、リレーレンズ群6、画像表示素子3、投写光学系8及びスクリーン9である。なお、図34では、投写光学系8及びスクリーン9を省略している。
図34に示すように、投写型表示装置7jは、光源装置1000を有する。光源装置1000は、第1の光源群のみで構成される点において、実施の形態6の光源装置111と異なる。第1の光源群1001は、X方向の光軸を有している。また、第1の光源群1001は、複数の光源g100,g200,b100,b200,r100,r200を有している。光源g100,g200,b100,b200,r100,r200は、YZ面内に配列されている。「YZ面内」とは、「YZ平面上」という意味である。同様に、「XY面内」は「XY平面上」という意味である。また、「ZX面内」は「ZX平面上」という意味である。
複数の光源g100,b100,r100は、Y方向に2行及びZ方向に1列(2行1列)に配列されている(図35参照)。一方、複数の光源g200,b200,r200は、Y方向に3行及びZ方向に1列(3行1列)に配列されている(図35参照)。
複数の光源g100,g200,b100,b200,r100,r200のそれぞれの出射側には、平行化レンズg101,g201,b101,b201,r101,r201が配置されている。つまり、複数の光源g100,g200,b100,b200,r100,r200のそれぞれの−X方向側には、平行化レンズg101,g201,b101,b201,r101,r201が配置されている。
平行化レンズg101のさらに出射側には、反射素子g103が配置されている。平行化レンズg201のさらに出射側には、透過反射素子g203が配置されている。平行化レンズb101のさらに出射側には、反射素子b103が配置されている。平行化レンズb201のさらに出射側には、透過反射素子b203が配置されている。平行化レンズr101のさらに出射側には、反射素子r103が配置されている。平行化レンズr201のさらに出射側には、透過反射素子r203が配置されている。
反射素子g103は、平行化レンズg101で平行化された平行光束g102を集光レンズ4に向けて(+Z方向に)反射する。透過反射素子g203は、平行化レンズg201で平行化された平行光束g202を集光レンズ4に向けて(+Z方向に)反射する。反射素子b103は、平行化レンズb101で平行化された平行光束b102を集光レンズ4に向けて(+Z方向に)反射する。透過反射素子b203は、平行化レンズb201で平行化された平行光束b202を集光レンズ4に向けて(+Z方向に)反射する。反射素子r103は、平行化レンズr101で平行化された平行光束r102を集光レンズ4に向けて(+Z方向に)反射する。透過反射素子r203は、平行化レンズr201で平行化された平行光束r202を集光レンズ4に向けて(+Z方向に)反射する。
反射素子g103及び透過反射素子g203は、X方向及びY方向において、互いに同じ位置に配置されている。このため、反射素子g103で反射された平行光束g102は、透過反射素子g203を透過してZ方向に進行する。反射素子b103及び透過反射素子b203は、X方向及びY方向において、互いに同じ位置に配置されている。このため、反射素子b103で反射された平行光束b102は、透過反射素子b203を透過してZ方向に進行する。反射素子r103及び透過反射素子r203は、X方向及びY方向において、互いに同じ位置に配置されている。このため、反射素子r103で反射された平行光束r102は、透過反射素子r203を透過してZ方向に進行する。
X方向において、反射素子b103及び透過反射素子b203は、反射素子g103及び透過反射素子g203に対して−X方向側に位置している。X方向において、反射素子b103及び透過反射素子b203は、+Z方向に進行する平行光束g102,g202を遮らない位置に配置されている。また、X方向において、反射素子r103及び透過反射素子r203は、反射素子b103及び透過反射素子b203に対して−X方向側に位置している。X方向において、反射素子r103及び透過反射素子r203は、+Z方向に進行する平行光束b102,b202を遮らない位置に配置されている。
図35は、反射素子g103,b103,r103及び透過反射素子g203,b203,r203を−X方向から見た構成図である。図35では、反射素子g103,b103,r103の位置及び透過反射素子g203,b203,r203の位置と、光源g100,g200,b100,b200,r100,r200との位置関係を示すために、第1の光源群1001の各光源g100,g200,b100,b200,r100,r200を実線で示している。
図35に示すように、反射素子g103,b103,r103は、Y方向に長い矩形形状を有している。また、透過反射素子g203,b203,r203は、Y方向に長い矩形形状を有している。また、反射素子g103,b103,r103及び透過反射素子g203,b203,r203は、Z方向に等間隔に配列されている。
また、光源g100のZ方向の位置は、反射素子g103のZ方向の中心の位置と一致している。光源g200のZ方向の位置は、透過反射素子g203のZ方向の中心の位置と一致している。光源b100のZ方向の位置は、反射素子b103のZ方向の中心の位置と一致している。光源b200のZ方向の位置は、透過反射素子b203のZ方向の中心の位置と一致している。光源r100のZ方向の位置は、反射素子r103のZ方向の中心の位置と一致している。光源r200のZ方向の位置は、透過反射素子r203のZ方向の中心の位置と一致している。光源g100,b100,r100は、Y方向に2個配置されている。光源g200,b200,r200は、Y方向に3個配置されている。
反射素子g103,b103,r103は、例えばガラス等の透明基板の表面に、反射膜等により反射部Rg,Rb,Rrを形成したものである。反射素子g103,b103,r103は、それぞれ全面に反射部Rg,Rb,Rrが形成されている。
透過反射素子g203,b203,r203は、例えばガラス等の透明基板の表面に、反射膜等の反射部Rg,Rb,Rrを形成したものである。透過反射素子g203,b203,r203は、光源g200,b200,r200から出射された光束が入射する領域に、それぞれ反射部Rg,Rb,Rrを有している。透過反射素子g203,b203,r203において、反射部Rg,Rb,Rrが形成されていない領域は、光束を透過する領域となる。
Y方向において、光源g100は、透過反射素子g203の光束を透過する領域に対応する位置に配置されている。同様に、Y方向において、光源b100は、透過反射素子b203の光束を透過する領域に対応する位置に配置されている。また、Y方向において、光源r100は、透過反射素子r203の光束を透過する領域に対応する位置に配置されている。
このように構成されているため、光源g100,b100,r100から出射されて、平行化レンズg101,b101,r101で平行化された平行光束g102,b102,r102は、反射素子g103,b103,r103で+Z方向に反射され、さらに透過反射素子g203,b203,r203の透過領域を通過して、集光レンズ4に入射する。
また、光源g200,b200,r200から出射されて、平行化レンズg201,b201,r201で平行化された平行光束g202,b202,r202は、透過反射素子g203,b203,r203で+Z方向に反射されて、集光レンズ4に入射する。
図36(A)は、平行光束g102,b102,r102の集光レンズ4に入射する位置を示した模式図である。平行光束g102,b102,r102は、第1の光源群1001の光源g100,b100,r100から出射されて、平行化レンズg101,b101,r101で平行化された光束である。
図36(A)に示すように、光源g100,b100,r100のみを用いた場合には、集光レンズ4の入射面に、合計6つの平行光束が入射する。光源g100から出射された緑色の平行光束g102は、Y方向に2行及びX方向に1列(2行1列)に並んで集光レンズ4に入射する。光源b100から出射された青色の平行光束b102は、Y方向に2行及びX方向に1列(2行1列)に並んで集光レンズ4に入射する。光源r100から出射された赤色の平行光束r102は、Y方向に2行及びX方向に1列(2行1列)に並んで集光レンズ4に入射する。平行光束g102,b102,r102は、X方向には密に配列されているが、Y方向には隙間が生じるため、光の利用効率が良くない。
一方、この実施の形態12において、全ての光源g100,g200,b100,b200,r100,r200を用いた場合には、集光レンズ4の入射面に、合計15つの平行光束が入射する。光源g200,b200,r200(合計9つ)から出射されて、平行化レンズg201,b201,r201で平行化された平行光束g202,b202,r202は、Y方向に3行及びX方向に3列(3行3列)に並んで集光レンズ4に入射する。平行光束g202は、緑色の光束である。平行光束b202は、青色の光束である。平行光束r202は、赤色の光束である。3行3列に並んで集光レンズ4に入射する平行光束g202,b202,r202のY方向の隙間を埋めるように、平行光束g102,b102,r102は、2行3列に並んで集光レンズ4に入射する。このように、集光レンズ4の入射面には、平行光束g102,b102,r102,g202,b202,r202が隙間なく入射するため、光の利用効率を向上することができる。
以上説明したように、この実施の形態12の光源装置1000は、光源g100,b100,r100から出射された光束と、光源g200,b200,r200から出射された光束とを合わせて、集光レンズ4の入射面における光束の隙間をなくしている。これにより、光の利用効率の高い光源装置1000を実現することができる。
また、反射素子g103,b103,r103は、透過領域が存在しないため、反射率の高い反射膜を用いることができる。
また、ここでは、緑色の光源、青色の光源及び赤色の光源を用いたが、単色の光源を用いても同様の効果が得られる。
また、透過反射素子g203,b203,r203として、偏光分離素子を用いてもよい。その場合、光源g100,b100,r100から出射される光束の偏光方向と、光源g200,b200,r200から出射される光束の偏光方向とが90度異なっていることが好ましい。
さらに、光源g100,b100,r100の偏光方向と光源g200,b200,r200の偏光方向とが90度異なる場合には、透過反射素子g203,b203,r203の全面を偏光分離膜とすることができる。透過反射素子g203,b203,r203を用いた場合には、光源g100,b100,r100から出射した平行光束g102,b102,g102の一部が、反射部Rg,Rb,Rrで反射され集光レンズ4に到達しなかった。偏光分離膜を用いることにより、反射部Rg,Rb,Rrで反射され集光レンズ4に到達しなかった一部の平行光束を、集光レンズ4に到達させることができる。これにより、光源装置1000の光の利用効率を高めることができる。
その場合、透過反射素子r203は、赤色のピーク波長が640nmとすると全面が図20の透過率特性を有していればよい。透過反射素子g203は、緑色のピーク波長が530nmとすると全面が図18の透過率特性を有していればよい。透過反射素子b203は、青色のピーク波長が450nmとすると全面が図14の透過率特性を有していればよい。
また、この実施の形態12では、図36(A)に示すように、光源g100,b100,r100は、Y方向に2行に配列されているが、3行以上であっても良い。
また、本実施の形態では光源g200と光源b100のZ方向の間隔、光源b200と光源r100のZ方向の間隔が、集光レンズ4に到達する際の平行光束g102,g202とb102,b202とのX方向の間隔、平行光束b102,b202とr102、r202とのX方向の間隔に相当し、X方向の間隔がそれぞれ近接しているため、光利用効率が高まる。
さらに、一つの光源装置1000で集光レンズ4に密な平行光束を到達されることが可能となるため、冷却が容易となる。
また、第1の光源群1001は、蛍光体を励起するための単色光源でもよい。この場合には、光束の集光位置に蛍光体を配置し、蛍光体に集光した単色光源と異なる色(波長)の光束を出射する構成となる。
本発明は、例えば、LEDやLD等の光源を用いた光源装置、及びその光源装置を用いた投写型表示装置に適用することができる。
また、本発明は、例えば、赤色の光を発するLEDと青色の光を発するLEDを用い、さらにLDの発する青色の光を蛍光体に集光させて緑色の光を発する投写型表示装置に適用することができる。光源として一般的に使用される高圧水銀ランプを使用しないため、水銀フリーを実現することができる。また、ランプは電極摩耗により明るさが低下するため、長寿命化が難しいのに対し、本発明を適用した投写型表示装置は長寿命化が可能である。
上述した各実施の形態では、光源から出射された光を、平行化レンズにより平行光束としている。しかしながら、光束を平行化することは必須の要件ではない。集光レンズに向けて集光する光束であっても、同様の効果を得ることができる。但し、各光源と集光レンズ4との距離が異なるため、平行光束とした方が、光源の出射側に配置するレンズの設計が容易になるというメリットがある。
また、上述した各実施の形態では、対向する光源の光軸が互いに平行になるように配置されている。しかしながら、本発明はこのような配置に限定されない。各光源から発せられる光の光軸は、透過反射素子や偏光分離素子などで反射された際に集光レンズ4に向かうように配置されていれば良い。互いに対向する位置に配置された光源の光軸を平行としないことで、対向する光源から発せられた光が自らの光源内に入射することを避けることができる。これにより、光源の劣化を防ぎ、光源の寿命が短くなることを防止することができる。
なお、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。