JP5633714B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
1.脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物成分と、ウレア構造を有するジアミン及び重合反応部位に2級アミンを有するジアミンを含有するジアミン成分との反応により得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸の原料であるジアミン成分に、必須成分として含まれる重合反応部位に2級アミンを有するジアミンの具体例として、例えば、下記式(1)で表されるジアミンが挙げられる。もちろん、ジアミン成分は、式(1)で表されるジアミンの代わりに、または、式(1)で表されるジアミンと共に、式(1)で表されるジアミン以外の重合反応部位に2級アミンを有するジアミンを含有していてもよい。なお、重合反応部位とは、テトラカルボン酸二無水物成分と反応する部位であり、重合反応部位に2級アミンを有するジアミンの2級アミン、すなわち−NH−が、テトラカルボン酸二無水物成分と反応する。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸の原料であるジアミン成分に、必須成分として含まれるウレア構造を有するジアミンの具体例として、下記式(2)で表されるジアミンが挙げられる。もちろん、ジアミン成分は、式(2)で表されるジアミンの代わりに、または、式(2)で表されるジアミンと共に、式(2)で表されるジアミン以外のウレア構造を有するジアミンを含有していてもよい。
本発明の液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリアミック酸の原料であるジアミン成分として、上記の重合反応部位に2級アミンを有するジアミンや、ウレア構造を有するジアミン以外に、その他のジアミン化合物を含有させることも可能である。その他のジアミン化合物の具体例を以下に挙げる。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸の原料であるテトラカルボン酸二無水物成分に、必須成分として含まれる脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、例えば下記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物である。もちろん、テトラカルボン酸二無水物成分は、式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の代わりに、または、式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物と共に、式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外の脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有していてもよい。また、脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物と共に、脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物を含有していてもよい。
上記したジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分(以下、単にテトラカルボン酸二無水物ともいう。)とを反応させて、本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を得る方法は特に限定されず、公知の方法が適用できる。一般的には、有機溶剤中でジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分を混合することにより重合反応をさせてポリアミック酸とすることができる。
本発明の液晶配向剤は、以上のようにして得られたポリアミック酸を1種類以上含有するものである。このような特定のジアミン成分と特定のテトラカルボン酸二無水物成分との反応により得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤とすることにより、後述する実施例に示すように、良好な液晶配向性及びラビング耐性を有し、イオン密度が小さく、且つ、FFSモード液晶表示素子における蓄積電荷が少ない液晶配向膜を得ることができる。なお、本発明の液晶配向剤は、通常は上記ポリアミック酸を有機溶媒に溶解させた塗布液とするが、基板上に均一な薄膜を形成することができるのであれば、本発明の液晶配向剤は他の形態であっても良い。
本発明の液晶配向剤は、基板上に塗布し焼成した後、ラビング処理または光照射などで配向処理をして、あるいは、垂直配向性の液晶表示素子に適用する場合などでは、配向処理なしに液晶配向膜として用いられる。この際に用いる基板は、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、または、アクリル基板およびポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができるが、液晶駆動のためのITO(Indium Tin Oxide)電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板を使用することができる。尚、この場合の電極としては、アルミニウムなどの光を反射する材料も使用可能である。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。
CA−1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CA−2:ピロメリット酸二無水物
CA−3:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
DA−1:4−(2−(メチルアミノ)エチル)アニリン
DA−2:1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア
DA−3:3−((メチルアミノ)メチル)アニリン
DA−4:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
DA−5:p−フェニレンジアミン
DA−6:4,4’−ジアミノジフェニルアミン
合成例または比較合成例において、ポリアミック酸溶液の粘度はE型粘度計TVE−22H(東機産業株式会社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
合成例または比較合成例において、ポリアミック酸溶液の固形分濃度の算出は以下のようにして行った。
合成例または比較合成例で得られたポリアミック酸溶液を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートで塗布し、50℃のホットプレート上で5分間乾燥後、230℃で30分間焼成して、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ローラー直径120mm、ローラー回転数1000rpm、移動速度20mm/sec、押し込み長0.6mm)した。このポリイミド膜表面における傷の有無を、共焦点レーザ顕微鏡(倍率10倍)で観察した。傷が無いものを「良好」、傷が有るものを「不良」とした。
合成例または比較合成例で得られたポリアミック酸溶液を1.0μmのフィルターで濾過した後、ITOベタ電極付きガラス基板(ガラス基板上にITO膜を全面に設けたもの)上にスピンコートで塗布し、50℃のホットプレート上で5分間乾燥後、230℃で30分間焼成して膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ローラー直径:120mm、ローラー回転数:1000rpm、移動速度:20mm/sec、押し込み長:0.3mm)した後、純水中にて1分間超音波照射をして洗浄を行い、エアブローにて水滴を除去した後、80℃で15分間乾燥して液晶配向膜付き基板を得た。このような液晶配向膜付き基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜面に6μmのスペーサを設置した後、2枚の基板のラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが6μmの空セルを作製した。このセルに液晶(MLC−2041、メルク社製)を常温で真空注入し、注入口を封止してアンチパラレル液晶セルとした。
上記のようにして作製した縦電界液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡にて観察し、配向欠陥がないものを「良好」、配向欠陥があるものを「不良」とした。
上記のようにして作製した縦電界液晶セルを用い、東陽テクニカ社製のVHR−1型電圧保持率測定システムにて測定を行った。測定は±4Vの交流電圧を60μ秒間印加し、16.67m秒後の電圧を測定することで、初期値からの変動を電圧保持率として計算した。測定の際、液晶セルの温度を60℃とし、98%以上を「良好」、98%未満を「不良」とした。
上記のようにして作製した縦電界液晶セルを用い、東陽テクニカ社製の6254型液晶物性評価システムにて測定を行った。測定は±10V、0.01Hzの三角波を印加し、得られた波形のイオン密度に相当する面積を三角形近似法により算出してイオン密度とした。測定の際、液晶セルの温度は23℃とし、100pC/cm2未満を「良好」、100pC/cm2以上を「不良」とした。
合成例または比較合成例で得られたポリアミック酸溶液を1.0μmのフィルターで濾過した後、ITO透明電極付きガラス基板上にスピンコート塗布し、70℃のホットプレート上で2分間乾燥後、230℃で15分焼成し、膜厚約220nmの塗膜(液晶配向膜)を形成させた。この塗膜表面にマスクを介してアルミを蒸着させ、1.0mmφの上部電極(アルミ電極)を形成し体積抵抗率測定用の試料とした。この試料のITO電極とアルミ電極との間に5Vの電圧を印加し、電圧印加から180秒後の電流値を測定し、この値と電極面積、膜厚の測定値とから体積抵抗率を算出した。
合成例または比較合成例で得られたポリアミック酸溶液を1.0μmのフィルターで濾過した後、ガラス基板上1層目に厚み50nmのIZO(Indium Zinc Oxide)ベタ電極、2層目に厚み500nmの窒化ケイ素絶縁膜、3層目に厚み50nmのIZO櫛歯電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm)を有するFFSモード駆動が可能な基板上にスピンコートで塗布し、50℃のホットプレート上で5分間乾燥後、230℃で30分間焼成して膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ローラー直径:120mm、ローラー回転数:500rpm、移動速度:30mm/sec、押し込み長:0.3mm、ラビング方向:3層目IZO櫛歯電極に対して10°傾いた方向)した後、純水中にて1分間超音波照射をして洗浄を行い、エアブローにて水滴を除去した後、80℃で15分間乾燥して液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板上にも、上記と同様にしてポリイミド膜を形成し、上記と同様の手順で配向処理が施された液晶配向膜付き基板を得た。これら2枚の液晶配向膜付き基板を1組とし、2枚の基板のラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが4μmの空セルを作製した。このセルに液晶(ZLI−4792、メルク社製)を常温で真空注入し、注入口を封止してアンチパラレル液晶セルとした。
上記のようにして作製したFFSモード液晶セルを用い、東陽テクニカ社製の6254型液晶物性評価システムにて測定を行った。測定は+4Vの直流電圧を30分間印加した後、1秒間放電し、その後60分間の残留DC量を計測した。測定の際、液晶セルの温度は60℃とし、放電から60分後の残留DC量が2.0V未満を「良好」、2.0V以上を「不良」とした。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの200mL四つ口フラスコにDA−1を2.83g(18.8mmol)、DA−2を5.61g(18.8mmol)、およびDA−4を2.70g(9.40mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン126gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を8.84g(45.1mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌してポリアミック酸(A−1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は135mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコにDA−1を3.55g(23.6mmol)、およびDA−2を10.6g(35.4mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン136gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を11.3g(57.6mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌してポリアミック酸(A−2)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は156mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの5LセパラブルフラスコにDA−1を72.1g(480mmol)、DA−2を71.5g(240mmol)、およびDA−4を137g(480mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン3200gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を227g(1.16mol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌してポリアミック酸(A−3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は155mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコにDA−1を1.68g(11.2mmol)、DA−2を6.68g(22.4mmol)、およびDA−4を6.42g(22.4mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン157gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を10.6g(54.0mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌してポリアミック酸(A−4)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は148mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコにDA−1を5.41g(36.0mmol)、DA−2を3.59g(12.0mmol)、およびDA−4を3.44g(12.0mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン151gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を11.5g(58.7mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌してポリアミック酸(A−5)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は159mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの500mL四つ口フラスコにDA−1を3.30g(22.0mmol)、DA−2を16.4g(55.0mmol)、およびDA−4を9.45g(33.0mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン229gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を15.1g(77.0mmol)、およびCA−3を7.79g(31.1mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、40℃で40時間撹拌してポリアミック酸(A−6)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は295mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコにDA−1を1.57g(10.4mmol)、およびDA−2を4.65g(15.6mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン57.9gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を3.44g(17.6mmol)、およびCA−2を1.70g(7.80mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌してポリアミック酸(A−7)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は196mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの200mL四つ口フラスコにDA−1を3.49g(23.2mmol)、DA−2を6.92g(23.2mmol)、およびDA−6を2.31g(11.6mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン125gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を9.10g(46.4mmol)、およびCA−3を2.57g(10.3mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸(A−8)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は348mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコにDA−1を1.68g(11.2mmol)、DA−2を2.51g(8.40mmol)、およびDA−5を0.91g(8.40mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン43gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を5.30g(27.0mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌してポリアミック酸(A−9)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は125mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコにDA−3を1.64g(12.0mmol)、およびDA−2を5.38g(18.0mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン64.7gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を5.68g(29.0mmol)を添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で3.5時間撹拌してポリアミック酸(A−10)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は211mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの2LセパラブルフラスコにDA−5を31.7g(294mmol)、およびDA−2を37.6g(126mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン864gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を78.2g(399mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で6時間撹拌してポリアミック酸(B−1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は308mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコにDA−1を5.25g(35.0mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン60.5gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を6.79g(34.7mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で4.5時間撹拌してポリアミック酸(B−2)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は275mPa・sであった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコにDA−1を3.16g(21.0mmol)、およびDA−2を2.69g(9.00mmol)取り、N−メチル−2−ピロリドン62.3gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−2を6.28g(29.7mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌してポリアミック酸(B−3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は65mPa・sであった。
合成例1で得られたポリアミック酸(A−1)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.8%で「良好」、イオン密度は6pC/cm2で「良好」、体積抵抗率は1.9×1015Ω・cm、残留DCは10分後1.05V、20分後1.08V、60分後1.11Vで「良好」であった。
合成例2で得られたポリアミック酸(A−2)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.7%で「良好」、イオン密度は0pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.87V、20分後0.96V、60分後0.99Vで「良好」であった。
合成例3で得られたポリアミック酸(A−3)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.4%で「良好」、イオン密度は59pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.69V、20分後0.74V、60分後0.81Vで「良好」であった。
合成例4で得られたポリアミック酸(A−4)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.1%で「良好」、イオン密度は73pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後1.03V、20分後1.06V、60分後1.14Vで「良好」であった。
合成例5で得られたポリアミック酸(A−5)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は99.1%で「良好」、イオン密度は2pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.38V、20分後0.52V、60分後0.65Vで「良好」であった。
合成例6で得られたポリアミック酸(A−6)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.1%で「良好」、イオン密度は13pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後1.28V、20分後1.43V、60分後1.50Vで「良好」であった。
合成例7で得られたポリアミック酸(A−7)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.5%で「良好」、イオン密度は8pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.61V、20分後0.71V、60分後0.79Vで「良好」であった。
合成例8で得られたポリアミック酸(A−8)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.7%で「良好」、イオン密度は0pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後1.58V、20分後1.79V、60分後1.88Vで「良好」であった。
合成例9で得られたポリアミック酸(A−9)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.8%で「良好」、イオン密度は0pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後1.15V、20分後1.39V、60分後1.51Vで「良好」であった。
合成例10で得られたポリアミック酸(A−10)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.7%で「良好」、イオン密度は2pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.19V、20分後0.27V、60分後0.43Vで「良好」であった。
比較合成例1で得られたポリアミック酸(B−1)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「良好」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.4%で「良好」、イオン密度は1pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後1.99V、20分後2.07V、60分後2.12Vで「不良」であった。
比較合成例2で得られたポリアミック酸(B−2)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「不良」、液晶配向性は「不良」、電圧保持率は99.0%で「良好」、イオン密度は0pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.95V、20分後1.21V、60分後1.42Vで「良好」であった。
比較合成例3で得られたポリアミック酸(B−3)を含有するポリアミック酸溶液の各評価、および各測定を行った結果、ラビング耐性は「不良」、液晶配向性は「良好」、電圧保持率は98.8%で「良好」、イオン密度は3pC/cm2で「良好」、残留DCは10分後0.29V、20分後0.42V、60分後0.67Vで「良好」であった。
Claims (8)
- 脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物成分と、ウレア構造を有するジアミン及び重合反応部位に2級アミンを有するジアミンを含有するジアミン成分との反応により得られるポリアミック酸を含有することを特徴とする液晶配向剤。
- テトラカルボン酸二無水物成分中、脂環式構造または脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物を50mol%以上含有することを特徴とする請求項1記載の液晶配向剤。
- ジアミン成分中、重合反応部位に2級アミンを有するジアミンを10〜70mol%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- ジアミン成分中、ウレア構造を有するジアミンを10〜70mol%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の液晶配向剤を用いて得られることを特徴とする液晶配向膜。
- 請求項7の液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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