JP5628893B2 - 非晶質炭素膜からなる層への固定化方法及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に設けられた非晶質炭素膜からなる層の上に、該膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層を固定する方法及び該方法により形成された積層体に関し、特に、非晶質炭素膜からなる層上に撥水性材料、又は撥水・撥油性材料からなる層を固定する方法及びその積層体に関する。
ダイヤモンド様炭素膜(以下、「非晶質炭素膜」という。)は、耐摩耗性及び摺動性に優れ、かつ高強度を有する膜である。このため、切削工具、金型等の各種デバイスの保護膜をはじめとする様々な分野で用いられている。また、非晶質炭素膜の上に、第2の層を設けて、耐熱性、耐酸化性、耐摩耗性、潤滑性等を向上させることができることも知られている。このような性質から、非晶質炭素膜は広い分野において利用が期待されている。
しかしながら、非晶質炭素膜と第2層との密着性が充分でないという問題がある。第2層との密着性を改善する方法として、非晶質炭素膜の上に設ける第2層に、シランカップリング剤等の非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応する材料を用いる方法が知られている。シランカップリング剤が加水分解して生成されるシラノール基は、自己縮合によって高分子化すると同時に、非晶質炭層膜の表面の水酸基と縮合反応する。
非晶質炭素膜について、その表面に均一な撥水力、または撥油力を付与することが必要とされている。
非晶質炭素膜に撥水性を付与する場合、例えば、成膜時の原料ガスにフッ素を含有するガスを用いるか、又は、成膜後にフッ素を含有するガスを用いて非晶質炭素膜の表面を処理する等の方法により、非晶質炭素膜の表面をフッ素で修飾する手法が知られている。しかしながら、フッ素の添加の程度により、膜の硬度は大きく減少する。また、成膜装置や人体・環境に悪影響を及ぼすフッ素系のガスの使用は好ましくない。そこで、フッ素系のガスを用いずに非晶質炭素膜の表面にフッ素を導入する方法が検討されている。例えば、特開2005−146060号公報(特許文献1)では、種々の固体状物質の表面に作製した非晶質炭素膜表面に、フッ素ガスを用いずに、極安定パーフルオロアルキルラジカルを有効成分とする表面処理剤を用いて、非晶質炭素膜の表面にフッ素を導入することが開示されている。
また、非晶質炭素膜とその上に設けられる第2の層との密着性を改善するために、非晶質炭素膜自体の接着力を向上させる方法も提案されている。例えば、特開2008−185124号公報(特許文献2)には、Siを含有する非晶質炭素膜からなる第1層が、MoS2を含有するポリアミドイミド層からなる第2層とよく密着することが記載されている。また、特開2008−232877号公報(特許文献3)には、Siを含有する非晶質炭素質膜を用いることにより、化学修飾処理によらずに安定した固定能を備えた生体分子の固定用材料が得られることが開示されている。
特開2005−146060号公報 特開2008−185124号公報 特開2008−232877号公報
しかしながら、フッ素で修飾されたシランカップリング剤の溶液を非晶質炭素膜に塗布しても、非晶質炭素膜はシランカップリング剤を効率良く均一に保持できないことが判明した。
そこで、特許文献2、3に記載されたように、非晶質炭素膜にSi素を含有させることにより、非晶質炭素膜自体の保持力を向上させることが考えられる。すなわち、前記特許文献2、3では、Siを含有する非晶質炭素膜の密着力について、膜中のSi(ケイ素)にヒドロキシ基が結びついたシラノール基が膜表面に存在することによることが示唆されている。しかしながら、本発明者らが検討したところ、得られた非晶質炭素膜のシランカップリング剤の保持力は、未だ充分なものでないことが判明した。
本発明の様々な実施形態によって、基材上に設けられた非晶質炭素膜に、この膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層を固定する方法の改善が提供される。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記のSiを含有する非晶質炭素膜に、更に酸素を含有させることにより、その上に設ける非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層と、より一層高い密着性を発揮することを見いだした。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものである。本発明の一実施態様によれば、基材上に設けられた非晶質炭素膜からなる層の表面に、該膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層を固定する固定化方法が提供される。一実施形態において、前記非晶質炭素膜からなる層にSi及びOを含有させることにより、前記水酸基と縮合反応する材料からなる層の密着耐久性及び結合状態の均一性を向上させる。
本発明の一実施態様によれば、水酸基と縮合反応する材料が、撥水性、又は撥水・撥油性材料である。本発明の他の実施態様によれば、水酸基と縮合反応する材料が、フッ素系シランカップリング剤である。本発明の一実施態様によれば、非晶質炭素膜からなる層が、二層以上の層からなり、少なくともその最上層がSi及びOを含有する。
本発明の一実施態様に係る積層体は、少なくとも、基材、該基材上の一面側に設けられた非晶質炭素膜からなる層、及び該膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層をこの順に設けて構成され、当該非晶質炭素膜からなる層がSi及びOを含有するものである。
本発明の一実施形態に係る方法によれば、Si及びOを含有する非晶質炭素(本明細書において、「a−C:H:Si:O」ということもある。)膜は、その上に固定される非晶質炭素膜上の水酸基と縮合反応する材料からなる層と高い保持力を有するため、本発明の一実施形態で得られたa−C:H:Si:O膜を、安定したプライマー層として用いることができる。また、本発明の一実施形態に係る方法において、非晶質炭素膜上の水酸基と縮合反応する材料として、フッ素系シランカップリング剤を用いる場合、a−C:H:Si:O膜に、撥水・撥油性や耐摩耗性、耐薬品性、低摩擦性、非粘着性等の高機能を付与することができる。さらに、シランカップリング剤としての機能が低下した場合でも、再度、シランカップリング剤を含有する層を形成できるので、繰返し使用することが可能である。
実施例1の非晶質炭素膜の、FT−IRスペクトルを示す図。 実施例2の非晶質炭素膜の、FT−IRスペクトルを示す図。 実施例3の非晶質炭素膜の、FT−IRスペクトルを示す図。 比較例2の非晶質炭素膜の、FT−IRスペクトルを示す図。 実施例1の非晶質炭素膜上にフッ素系シランカップリング剤からなる層を形成したサンプルの、超音波洗浄5分後の接触角(A)及び8時間後の接触角(B)の測定結果を示す図。 実施例2の非晶質炭素膜上にフッ素系シランカップリング剤からなる層を形成したサンプルの、超音波洗浄5分後の接触角(A)及び8時間後の接触角(B)の測定結果を示す図。 実施例3の非晶質炭素膜上にフッ素系シランカップリング剤からなる層を形成したサンプルの、超音波洗浄5分後の接触角(A)及び8時間後の接触角(B)の測定結果を示す図。 比較例1の非晶質炭素膜上にフッ素系シランカップリング剤からなる層を形成したサンプルの、超音波洗浄5分後の接触角(A)及び8時間後の接触角(B)の測定結果を示す図。 比較例2の非晶質炭素膜上にフッ素系シランカップリング剤からなる層を形成したサンプルの、超音波洗浄5分後の接触角(A)及び8時間後の接触角(B)の測定結果を示す図。 実施例と比較例の各テストサンプルのプレス回数と接触角の平均値との関係を示す図。
本発明は、基材上に設けられた非晶質炭素膜からなる層の表面に、該膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層を固定する方法であって、前記非晶質炭素膜からなる層にSi及びOを含有させることにより、前記水酸基と縮合反応する材料からなる層の密着耐久性及び結合状態の均一性を向上させるものである。基材上に設けられた非晶質炭素膜において、該非晶質炭素膜として、Si及びOを含有させることにより、非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応する材料との密着力を向上させたものである。
本発明において、非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応する材料とは、シラノール基、又はエトキシ基、メトキシ基等のアルコキシ基などの加水分解基を有する材料であって、該加水分解基が、前記非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応して結合する材料である。具体的には、シラノール基の例として、シランカップリング剤や、アルコキシ基の例として、金属アルコキシド等があげられる。特に、この非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応する材料として、フッ素系のシランカップリング剤を用いることにより、非晶質炭素膜に、撥水・撥油性や耐摩耗性、耐薬品性、低摩擦性、非粘着性等の高機能を付与することができるので好ましい。
本発明において、基板は、鉄、銅、ステンレス鋼(SUS)等の合金等の金属系材料、ガラス、シリコン、セラミックス等の無機系材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の高分子材料など、用途に応じてあらゆる材料を用いることができる。
本発明の非晶質炭素膜(a−C:H膜)は、前記基板上に直接、或いは他の層を介して形成されるが、本発明においては、これにSi及びOを含有させるものである。すなわち、本発明のa−C:H:Si:O膜は、炭素(C)、水素(H)、ケイ素(Si)及び酸素(O)を主成分とするものである。膜中の、Si含有量は、4〜50原子%、好ましくは、10〜40原子%である。また、当該膜の製作時のSiを含む炭化水素系の主原料ガスへの酸素(O)の混合量は、Siを含む主原料ガスと酸素を加えた総流量中酸素の流量割合が0.01%〜12%となるようにする。一実施形態において、酸素と可燃性ガスとの混合は爆発を引き起こす可能性があることを考慮し、酸素の流量割合を装置全体の安全率を考慮した爆発限界未満とする。このような安全率を考慮した酸素の流量割合は、例えば12%以下である。一実施形態においては、酸素の流量割合は0.5〜10%である。他の実施形態においては、酸素の流量割合は0.1〜12%である。また、本発明のa−C:H:Si:O膜の膜厚は特に限定されないが、少なくとも1nm〜50μmであるのが好ましく、更に好ましくは5n〜3μmである。
本発明の一実施形態において、a−C:H:Si:O膜を製造するために、反応ガスにより成膜する方法であるプラズマCVD法を用いることができる。プラズマCVD法を用いる場合、成膜されるワークに直接電圧を印加することにより、プラズマで発生するイオンを基材へ注入することができる。反応ガスをプラズマ化して得られた酸素イオンは基材の表面のみならず内部にまで侵入することが可能であり、少なくとも非晶質炭素膜の表面層に均一なSi−O結合を形成する。本発明の一実施形態においては、プラズマ照射によって、酸素を非晶質炭素膜の表層のみならず、非晶質炭素膜中に侵入させることができる。
例えば、プラズマCVD法において酸素ガスを他の原料ガスと混合せずに、既に形成したシリコンを含む非晶質炭素膜の表面に照射することで、爆発のおそれを回避しつつ、大量の酸素を非晶質炭素膜の内部に注入することができる。また、トリメチルシラン等の有機シラン系原料ガスを用いた成膜工程と連続した工程において、酸素ガスのみを用いたガスを導入しプラズマ照射を行うことで、真空ブレイクすることなく両工程を実施することが可能となり生産性が向上する。さらに、トリメチルシラン等の有機シラン系原料ガスに酸素ガスを一定割合で混合したガスを用いてプラズマCVD法により成膜を行い、a−C:H:Si:O膜を同一バッチ処理内で一括して製造することも可能である。
本発明の一実施形態によれば、イオン化又はラジカル化された酸素をシリコンを含む非晶質炭素膜の表層に照射又は含有させることにより、非晶質炭素膜中のシリコンがSi−Oの結合を構成し易くなる。これにより、規則正しいSi−Oマトリックスによりシリコンと酸素の結合位置が規定されるので、シリコンから伸びる官能基が非晶質炭素膜表面に均一に現れる。
以下、プラズマCVD法を用いた本発明のa−C:H:Si:O膜の代表的な方法を記載するが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
(a)テトラメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジメトキシジオメチルシラン、及びテトラメチルシクロテトラシロキサンなどに、酸素を含むガスを同時に混合する方法。
(b)テトラメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジメトキシジオメチルシラン、及びテトラメチルシクロテトラシロキサンなどシリコンを含有する炭化水素系のプラズマ原料ガスで、シリコンを含む非晶質炭素膜を成膜した後、その表面に酸素、または酸素を含むガスのみで形成するプラズマを照射する方法。
(c)四塩化チタン、ペンタエトキシチタニウム、テトライソプロキシチタニウムなどの有機シラン系ガスの後工程で酸素系ガスを追加する方法。
(d)Siを含まない、アセチレンなどの炭化水素系のガスに、ヘキサメチルジシロキサン、シロキサンなどの分子中にSi−O結合を有するガスを同時に混合する方法。
また、本発明のa−C:H:Si:O膜の製造に用いるプラズマCVD法としては、高周波放電を用いる高周波プラズマCVD法や、直流放電を利用する直流プラズマCVD法、マイクロ波放電を利用するマイクロ波プラズマCVD法、高圧DCパルスプラズマCVD法などが挙げられる。いづれにしても、ガスを原料とするプラズマ装置であればいずれでもかまわない。高圧DCパルスプラズマCVD法においては、該膜を形成する基材に対して直接−15kV程度までの高電圧を印加可能で、グランドとの大きな電圧差により発生する大きな電解の傾斜によって、生成されたプラズマイオンを高エネルギー、高加速にて基材に堆積、注入することが可能である。
なお、成膜する際の基材温度、ガス濃度、圧力、時間などの条件は、作製するa−C:H:Si:O膜の組成、膜厚に応じて、適宜設定される。
本発明では、前述の方法で成膜されたa−C:H:Si:O膜上に、該膜の表面の水酸基と縮合反応する材料(以下、「シランカップリング剤等の材料」、又は該材料を代表して「シランカップリング剤」ということもある。)の層を形成する。それらの形成方法としては、シランカップリング剤等の材料の溶液を塗布するか、或いはシランカップリング剤等の材料の溶液中に浸漬した後、乾燥する方法や、シランカップリング剤を噴霧する方法が用いられる。
乾燥後のシランカップリング剤からなる層は、本発明のa−C:H:Si:O膜の密着力により、その表面に強固に固定される。本発明のa−C:H:Si:O膜上に固定されるシランカップリング剤からなる層の膜厚は特に限定されず、用いるシランカップリング剤、或いは該シランカップリング剤を介してその上に固定(カップリング)される物質により適宜決定されるが、およそ、1nm〜1μmある。
本発明において、好ましく用いられるシランカップリング剤は、特に限定されないが、特に、シランカップリング剤としてフッ素系シランカップリン剤を用いることが好ましく、その場合、a−C:H:Si:O膜に、撥水・撥油性、耐薬品性、低摩擦性、非粘着性等の高機能を付与することができる。フッ素系シランカップリン剤は、特に限定されないが、具体的には、フロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2等を用いることができる。
以下、本発明の実施例、比較例(従来例)を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例では、a−C:H:Si:O膜の製造装置として、高圧DCパルスプラズマCVD装置を用い、基材としてステンレス鋼SUS304 2B品に電解複合研磨を施し、その表面粗さRaを0.02μmとした30mm角、板厚0.5mmのものを使用した。
非晶質炭素膜の形成
実施例1
まず、装置(図示せず)に設けられた試料台上に、ステンレス鋼SUS304からなる基材を配置し、次に、反応容器を密閉し、反応容器内の空気を7×10−4Paの真空度まで排気した。ついで、Arガスプラズマにて、Arガス流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4kVの条件で、15分間基材をクリーニングした。このクリーニング処理の後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量15SCCMにて導入するとともに、テトラメチルシランとの流量混合比が4.5%になるように流量0.7SCCMの酸素ガスを導入し、反応容器内圧力1.5Pa、印加電圧−4Kv、成膜時間30分の条件で成膜を行った。その結果、膜厚約0.2μmのa−C:H:Si:O膜が得られた。この得られた試料を実施例1のテストサンプルとした。
実施例2
基材を実施例1と同様にArガスプラズマにてクリーニングした後、テトラメチルシランと酸素ガスとの流量混合比が8.5%になるように、テトラメチルシランの流量を15SCCM、酸素の流量を1.4SCCMに変更し、その他は同様の条件で成膜を行い、膜厚約0.2μmのa−C:H:Si:O膜が得られた。この得られた試料を実施例2のテストサンプルとした。
実施例3
また、基材を実施例1と同様にArガスプラズマにてクリーニングした後、テトラメチルシランのみのガスを流量15SCCMで導入し、1.5Paのガス圧、印加電圧−4Kvで30分間成膜した後、酸素ガスを流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4Kvの条件で3分プラズマ照射したものも作成した。この得られた試料を実施例3のテストサンプルとした。
各実施例の作成において、成膜条件は、いずれも高圧DCパルス電源にて、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsで行った。また、実施例1及び2は、Si−Oを非晶質炭素膜中に均一に生成するために、成膜中の原料ガスの混合比は一定とした。
比較例1
高圧DCパルス電源を用い、パルス周波数2kHzでArガスプラズマにて、Arガス流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4kVの条件で、15分間基材をクリーニングした。その後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量15SCCMで導入し、反応ガス圧1.5Pa、印加電圧−4Kvにて2分間成膜して基材に中間層を形成した後、アセチレンを流量15SCCMで導入し、1.5Paのガス圧、印加電圧−4Kvにて30分間成膜して最上層を形成し、続いて、酸素ガスを流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4Kvで3分プラズマ照射することにより比較例1の試料を得て、比較例1のテストサンプルとした。このように、比較例1のテストサンプルは、Siを含有しない非晶質炭素膜をその表面に有するものである。
比較例2
また、高圧DCパルス電源を用い、パルス周波数2kHzでArガスプラズマにてArガス流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4kVの条件で、15分間基材をクリーニングした後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量15SCCMで導入し、反応ガス圧1.5Pa、印加電圧−4Kvにて30分間成膜して比較例2の試料を得て、比較例2のテストサンプルとした。
これら比較例の成膜条件は、いずれも高圧DCパルス電源にて、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsである。
フーリエ変換赤外分光法による分析(FT−IR分析)
上記のようにして作製した実施例1〜3及び比較例2の各テストサンプルについて、FT―IR分析による吸収スペクトルから非晶質炭素膜の分子構造を推定した。この分析結果を、それぞれ図1〜4に示す。測定条件は、分析機器:Bruker社製HYPERION 3000を使用した。分析方法は、顕微ATR法で実施し、高感度反射8波数、32回の測定結果である。
これらの図のうち、図1に示された実施例1及び図2に示された実施例2においては、1050〜1100(cm−1)付近においてSi−O結合(シロキサン結合)が存在している。図4に示す比較例2より明らかに大きく検出されていることがわかる。酸素の混合量が多い実施例2の方が実施例1に比べ前述レンジでの吸収が大きく出ていることが確認できた。また、図3に示された実施例3については、1300(cm−1)付近にシフトしたピークから、Si−O結合が比較例2より大きく検出されたことがわかる。
これらにより、膜中または表面に酸素が導入されたことが推定できる。非晶質炭素膜原料ガス中のSi、又は非晶質炭素膜表層付近のSiは酸素ラジカルとの反応性が高いため、気相中又は非晶質炭素膜の成膜中にSi−O―Siのネットワークが形成されることにより、非晶質炭素膜中に均一に酸素が導入されると考えられる。また気相中のSiOの前駆体が非晶質炭素膜表面に吸着するとSi−Oのネットワークが形成されることも推定できる。
同様の原料ガスを使用し、酸素をプラズマ導入しなかった比較例2については、同様レンジでの吸収は殆ど確認できなかった。その他、図を示されていないが、3600〜3300(cm−1)付近に吸収の確認できる結合OH基が比較例2に比べ、実施例1〜3のテストサンプルのほうの吸収が大きく、それらがより多く形成されていることも確認できた。これらが、非晶質炭素膜上の水酸基となり縮合反応する材料の結合に寄与していると考えられる。
シランカップリング剤からなる層の形成
その後、上記各形成されたテストサンプルのそれぞれを、フッ素系シランカップリング剤であるフロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)にディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させた。
シランカップリング剤は、シラン系の化合物で、一般的には、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリプロポキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリアミノシラン、パーフルオロオクチルエチルトリクロロシラン等を、イソプロピルアルコール、アセトン、ハイドロフロロエーテル、パーフロロポリエーテル、ハイドロフロロカーボン、パーフロロカーボン、ハイドロフロロポリエーテルなどフッ素系アルコールよりなる群から選ばれた溶剤に溶かしたものである。
接触角度の測定
前記各テストサンプルをアセトン中にて超音波洗浄を行い、各5分後と8時間後(各1時間連続時点で、一端停止し60分放置し、アセトンの昇温を防止しつつそれを8回繰り返して、計8時間としたもの)の水の接触角の測定を行うことにより、フッ素系シランカップリング剤の固定能の比較試験を行った。なお、各接触角の測定は、携帯式接触角計PG−X(モバイル接触角計)Fibro system社製を使用し、室温25℃、湿度30%の環境にて行った。接触角測定に使用した水は純水である。超音波洗浄器は、株式会社エスエヌヂィ製、US−20KS、発振38kHz(BLT 自励発振)、高周波出力480Wを使用した。超音波洗浄は、圧電振動子からの振動によって局部的に激しい振動を発生させアセトン中にキャビティ(空洞)が発生する。このキャビティが基材表面でつぶれるときに基材表面に対して大きな物理的衝撃力を発生させるので、基材に第2の層などを密着させた場合の密着力などを確認するのに簡便で好適である。
各テストサンプルの超音波洗浄後の接触角、それぞれ図5〜図9示す。図5は実施例1のテストサンプル、図6は実施例2のテストサンプル、図7は実施例3のテストサンプルの結果、図8は比較例1のテストサンプル、図9は比較例2のテストサンプルの接触角の測定結果を、それぞれ示したものである。各図において、(A)のグラフは、超音波洗浄を5分間行った後に測定したものである。(B)のグラフは、超音波洗浄を8時間行った後に測定したものを、それぞれ示したものである。各図において、横軸は各テストサンプル上の測定位置を識別する番号を示し、縦軸は接触角の測定値を示す。但し、比較例1の結果を示す図8については、(B)は、超音波洗浄を8時間より短い1時間行った後の接触角の結果を示す。
参考までに、撥水性が最も優れているフッ素素材と、次に優れているシリコーン素材の水との接触角と接着エネルギーの関係を、下記の表に記す。
実施例1の接触角
図5に示すとおり、実施例1のテストサンプルにおいては、超音波洗浄を5分間行った後の接触角は115度であり、フッ素樹脂に近い接触角がどの位置でも安定して計測され、測定位置ごとのばらつきも小さかった。また、超音波洗浄を8時間行った後の測定では、5〜7度前後の接触角の低下は見られるが、測定位置ごとのばらつきは少なかった。このことから、実施例1で得られたテストサンプルにおいては、Si及びOを含有する非晶質炭素膜が、フッ素系シランカップリング剤の固定能に優れ、かつ面のどの点でも均一な撥水性機能の発現を有するものであることが確認できた。
実施例2の接触角
図6に示すとおり、実施例2のテストサンプルにおいては、超音波洗浄を5分間行った後の接触角は115度であり、フッ素樹脂に近い接触角がどの位置でも安定して計測され、測定位置ごとのばらつきも小さかった。また、超音波洗浄を8時間行った後の測定では、5度前後の接触角の低下は見られるが、測定位置ごとのばらつきは少なかった。このことから、実施例2で得られたテストサンプルにおいては、Si及びOを含有する非晶質炭素膜が、フッ素系シランカップリング剤の固定能に優れ、かつ面のどの点でも均一性な撥水性機能の発現を有するものであることが確認できる。
実施例3の接触角
図7に示すとおり、実施例3のテストサンプルにおいては、超音波洗浄を5分間行った後の接触角は115度であり、フッ素樹脂に近い接触角がどの位置でも安定して計測され、測定位置ごとのばらつきも小さかった。超音波洗浄を8時間後の測定でも、初期の115度からの触角の低下は見られなかった。このことから、実施例3で得られたテストサンプルのSi及びOを含有する非晶質炭素膜は、フッ素系シランカップリング剤の固定能に優れ、かつ面のどの点でも均一な撥水性機能の発現を有するものであることが確認できる。
比較例1の接触角
図8に示すとおり、比較例1のテストサンプルにおいては、超音波洗浄を5分間行った後の接触角は110度であり、1時間後の測定では接触角の測定値は大きく降下した。比較例1のテストサンプルにおいては、1時間の超音波洗浄を行った後には、非晶質炭素膜の表面からフッ素が大量に消失されたと考えられる。このことから、比較例1のSiを含有しない非晶質炭膜は、実施例1〜3のテストサンプルのSi及びOを含有する非晶質炭素膜と比較すると、そのフッ素系シランカップリング剤の固定能において劣っていることが判る。
比較例2の接触角
図9に示すとおり、比較例2のテストサンプルにおいては、超音波洗浄を5分間行った後の時点で、既に105度に近い接触角が測定された測定位置が数点あった。105度の接触角は、フッ素ではなく、下位のシリコーン樹脂の接触角に近い。また、測定位置ごとのばらつきの幅も114度付近から105度までと実施例3に比べ既に大きくなっている。このことから、比較例2のテストサンプルにおいては、フッ素系シランカップリング剤が偏在していると推定できる。また、超音波洗浄を8時間行った後の測定時点では、100度とシリコーン樹脂並みに接触角が降下した点が数点確認された。また、105度付近まで低下した点も多い。このように、超音波洗浄を8時間行った後の測定結果から、接触角が全体としてさらに低下し、測定位置ごとのばらつきが拡大したことがわかる。このことから、比較例2のテストサンプルにおけるOを含有しない非晶質炭素膜は、実施例1〜3のテストサンプルと比較して、フッ素の固定状態のムラ(ばらつき)があり、固定能及び撥水性の発現状態において劣っていることが確認できる。酸素を含有しない比較例2の非晶質炭素膜においては、フッ素系シランカップリング剤によるシリコーン材料相当の撥水性しか得ることができない。
続いて、本発明の実施形態に従って製作した積層体におけるカップリング剤膜の密着耐久性の検証を行った。まず、100mm×100mm、表面粗さRa:0.075μmのステンレス鋼SUS304製の平板状の金型を6枚準備した。続いて、洗浄液であるIPA(イソピルアルコール)を投入した超音波洗浄装置でこの6枚の金型を15分間洗浄した。次に、この洗浄後の金型を、高圧DCマイクロパルスプラズマCVD装置に投入し、各金型の一方の面に非晶質炭素膜を成膜した。
具体的な成膜方法は以下の通りである。まず、高圧DCマイクロパルスプラズマCVD装置に2枚の金型を配置し、次に、反応容器を密閉し、反応容器内の空気を7×10−4Paの真空度まで排気した。次いで、流量30SCCMのArガスプラズマにて、ガス圧2Pa、印加電圧−3kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で10分基材をクリーニングした。その後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量30SCCMにて導入するとともに、流量3SCCMの酸素ガスを導入し、この混合ガスを用いて、反応容器内圧力2Pa、印加電圧−5Kv、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で12分間成膜を行った。これにより、表面にa−C:H:Si:O膜を有する一組の金型試料が得られた。これらを、それぞれ実施例4−1及び4−2の試料とする。
また、他の一組の金型を実施例4−1、4−2と同様にクリーニング処理し、その後、テトラメチルシランのみのガス(つまり、酸素ガスは含まれない)を流量30SCCMで導入し、ガス圧2Pa、印加電圧−5Kv、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で12分間成膜を行った。その後、酸素ガスを流量30SCCM、ガス圧2Pa、印加電圧−5Kv、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で酸素プラズマを2分間照射した。表面にa−C:H:Si:O膜を有する一組の金型試料が得られた。これらの試料を、それぞれ実施例5−1及び5−2の試料とする。
また、残り一組の金型を実施例4−1、4−2と同様にクリーニング処理し、その後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量30SCCMで導入し、反応ガス圧2Pa、印加電圧−5Kv、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で12分間成膜して、表面にa−C:H:Si:O膜が存在しない一組の金型試料を得た。これらの試料を、それぞれ比較例3−1及び3−2の試料とする。
実施例4−1、4−2、5−1、5−2、及び、比較例3−1、3−2のそれぞれの試料を、成膜終了後に大気中(温度25℃、湿度30%)に24時間放置した。その後、各試料を、フロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)にディップ塗布して90分間放置した。90分後に、各試料に対して再度ディップ塗布を行った。その後、20時間室温にて自然乾燥させた。このようにして、実施例4−1、4−2、5−1、5−2、及び、比較例3−1、3−2のそれぞれの試料の一方の表面にフッ素コーティングし、テストサンプルとした。
次に、実施例4−1と4−2、5−1と5−2、及び、比較例3−1と3−2において、作製したそれぞれの実施例又は比較例ごとのテストサンプルを一対にして、それぞれの膜面を対向させた。その対向面に、セラミックグリーンシートを挟むように配置した。このセラミックグリーンシートは、次の工程で作製された。まず、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック材料粉末とPVB(ポリビニルブチラール)等の有機バインダ及びエタノール等の有機溶媒を所定の比率で混合してセラミックスラリーを得た。このスラリーをドクターブレード法等の公知のシート化手段により約20μmの厚さに成形した後、所定の寸法にカットして100mm×100mmのセラミックグリーンシートを作製した。このグリーンシート50枚を積層して約1mmの厚みのセラミックグリーンシートを得た。このときの表面の粘着力は、約600g/cmの程度であった。
このセラミックグリーンシートは、テープでそれぞれのテストサンプルに固定される。このようにして、セラミックグリーンシートを対向面に挟んだ状態で、それぞれを樹脂製のパックに入れ、パック内部の空気を抜いた。次に、この樹脂製パックを熱シールし、熱シールされた樹脂製パックを静水圧プレス装置に投入し、最大圧力150Mpa、最大圧力保持時間15分間の条件で段階的に加圧した。最大圧力保持時間後、段階的に減圧するプロファイルで加熱温度150℃を1サイクルとして、セラミックシートが金型表面から自然に剥離できなくなるプレス回数を確認した。それとともに、プレス5回毎に各金型表面の一辺の端部付近の中央と、その隣接する一片の端部付近の中央とその両角の合計4箇所について、水との接触角を計測した。
図10は、プレス回数と接触角の測定値の平均値との関係を示すグラフである。同図において、横軸はプレス回数を示し、縦軸は各試料の表面における水との接触角の平均値を示す。接触角の平均値は、前述したように各テストサンプルの表面の一辺における端部付近の中央と、その隣接する辺の端部付近の中央とその両角の合計4箇所を測定し、その測定値を平均したものである。接触角の測定には、Fibro system社製の携帯式接触角計PG−X(モバイル接触角計)を使用した。接触角測定用の水は純水を使用し、室温25℃、湿度30%の環境にて測定を行った。
図10に示されるように、プレス前の時点では、実施例4−1のテストサンプル(−△−)と実施例4−2のテストサンプル(−□−)、及び実施例5−1のテストサンプル(−◆−)と実施例5−2のテストサンプル(−■−)の接触角が、比較例3−1のテストサンプル(−▲−)、比較例3−2のテストサンプル(−●−)の接触角と比べて大きな角度となった。比較例3−1、3−2のテストサンプルの間に配置されたセラミックグリーンシートは45回目のプレス後に、金型から剥離ができなくなった。実施例4−1、4−2のテストサンプルの間に配置されたセラミックグリーンシートは、65回目のプレス後に金型から剥離できなくなった。実施例5−1、5−2のセラミックシートは、107回のプレス後に金型から剥離できなくなった。セラミックシートが剥離できなくなる主因は、各試料の表面からフッ素コーティングが脱落し、セラミックグリーンシートが非晶質炭素膜と密着するためである。このように、比較例3−1、3−2のテストサンプルに比べ、実施例4−1、4−2のテストサンプル、及び実施例5−1、5−2のテストサンプルにおいては、非晶質炭素膜と、その膜上に形成され非晶質炭素膜上の水酸基と縮合反応する材料からなる層との間の保持力が改善することが確認された。
今回試験した実施例4−1、4−2のテストサンプルについて65回プレスしセラミックシートが剥離不能となったもの、及び実施例5−1、5−2のテストサンプルについて107回プレスしセラミックシートが剥離不能となったものを以下のように再コーティングした。
まず、剥離不能となった実施例4−1、4−2のテストサンプル及び実施例5−1、5−2のテストサンプルを、IPA(イソピルアルコール)を投入した超音波洗浄を洗浄装置にてそれぞれ15分間実施した。その洗浄後に、大気中(温度25℃ 湿度30%)に24時間放置した。その後、フロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)にディップ塗布した。90分間放置後に、再度ディップ塗布を行いその後20時間室温にて自然乾燥させた。そして、IPA(イソピルアルコール)を投入した超音波洗浄装置において、自然乾燥させた実施例4−1、4−2のテストサンプル及び実施例5−1、5−2のテストサンプルを10分間洗浄した。このようにして、フッ素を再コーティングした実施例4−1、4−2の再生テストサンプル及び実施例5−1、5−2の再生テストサンプルのそれぞれについて、上記と同様の手法により水との接触角を測定した。その結果、実施例4−1の接触角は111°、実施例4−2の再生テストサンプルの接触角は109°、実施例5−1の再生テストサンプルの接触角は118°、実施例5−2の再生テストサンプルの接触角は116°であった。これにより、フッ素シランカップリング材が、実施例4−1、4−2の再生テストサンプル及び実施例5−1、5−2の再生テストサンプルの各非晶質炭素膜と再び結合したことが確認された。
このように、本発明の実施例においては、非晶質炭素膜の表面とシランカップリング剤との結合が一時的に損なわれても、非晶質炭素膜の内部に一様に分布しているSi−O結合が表面に露出しているので、非晶質炭素膜の表面と再塗布されたシランカップリング剤との結合を強固にするものと考えられる。
本発明の各実施形態によれば、図1〜4に示したFT−IRスペクトルにより、非晶質炭素膜中にSi−Oの規則正しい結合が形成されていると推定される。このようなSi−Oの規則正しい結合が非晶質炭素膜に導入されたことにより、当該非晶質炭素膜上に形成される水酸基の配置を均一化することができる。そして、水酸基の配置が均一化されることにより、シランカップリング剤を非晶質炭素膜表面に均一に分布させることができる。すなわち、シランカップリング剤の結合位置の偏在を解消できる。
また、図を示していないが、分析機器:NICOLEL社製 PROTEGE 460で、顕微ATR法で測定し、積分回数を128回の測定結果において、3600〜3300(cm−1)付近に結合HOが確認された。この結果からシランカップリング剤の固定量が増加し、接触角の大きさに寄与したと推定できる。
本明細書において説明した固定方法及び積層体は例示であり、その構成、材料、製造方法に対して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態や実施例に対して様々な変更を行うことができる。

Claims (7)

  1. 基材上に珪素が導入された非晶質炭素膜を形成する工程と、
    酸素ガスを含むガスをプラズマ化、イオン化、又はラジカル化して当該非晶質炭素膜の表面と反応させる工程と、
    当該酸素ガスと反応した当該非晶質炭素膜の表面の水酸基と縮合反応する材料からなる層を、当該非晶質炭素膜に固定する工程と、
    を備え、
    前記水酸基と縮合反応する材料が、フッ素系シランカップリング剤であることを特徴とする固定化方法。
  2. 前記該非晶質炭素膜からなる層が、二層以上の層からなり、少なくともその最上層にSi及びOを含有させることを特徴とする請求項1に記載の固定化方法。
  3. 基材上に成膜され、珪素が導入されるとともに、酸素がその表面及び内部に導入された非晶質炭素膜と、
    前記非晶質炭素膜の水酸基と縮合反応により生成される結合によって前記非晶質炭素膜の表面に固定されるカップリング剤膜と、
    を備え
    前記カップリング剤膜が、フッ素系シランカップリング剤から成る膜であることを特徴とする積層体。
  4. シロキサン結合を有する非晶質炭素膜と、
    前記非晶質炭素膜の水酸基と縮合反応により生成される結合によって前記非晶質炭素膜の表面に固定されるカップリング剤膜と、
    を備え
    前記カップリング剤膜が、フッ素系シランカップリング剤から成る膜であることを特徴とする積層体。
  5. 酸素及び珪素を含む原料ガスを用いて基材上に成膜された非晶質炭素膜と、
    前記非晶質炭素膜の水酸基と縮合反応により生成される結合によって前記非晶質炭素膜の表面に固定されるカップリング剤膜と、
    を備え
    前記カップリング剤膜が、フッ素系シランカップリング剤から成る膜であることを特徴とする積層体。
  6. 前記該非晶質炭素膜からなる層が、二層以上の層からなり、少なくともその最上層にSi及びOを含有させたことを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  7. 前記非晶質炭素膜が、酸素を実質的に均一の濃度で含む請求項3に記載の積層体。
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