JP2011044453A - 太陽電池用バックシート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、優れた防湿性を有し、他の諸特性も優れる太陽電池用バックシート及びその太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】透明なフィルム基材の片面もしくは両面に、ポリシラザン膜にプラズマ処理を施して形成されたガスバリア能を持つバリア層を有することを特徴とする太陽電池用バックシート。
【選択図】なし
【解決手段】透明なフィルム基材の片面もしくは両面に、ポリシラザン膜にプラズマ処理を施して形成されたガスバリア能を持つバリア層を有することを特徴とする太陽電池用バックシート。
【選択図】なし
Description
本発明は、太陽電池モジュールを構成する一部材である太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
近年、太陽電池は、無公害で地球環境にやさしい新たなエネルギー源として実用化されており、太陽光のエネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、半導体からできている。その構造としては、太陽電池素子単体をそのままの状態で使用することはなく、一般的に数枚〜数十枚の太陽電池素子を直列、並列に配線し、長期間に亘って素子を保護するため種々パッケージングが行われ、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼び、一般的に太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性プラスチックからなる充填材で間隙を埋め、裏面を耐熱、耐候性プラスチック材料などのバックシートで保護された構成になっている。太陽電池モジュールは、屋外で使用されるため、その構成、材質構造などにおいて、十分な耐久性、耐候性が要求される。特に、裏面に使用するバックシートは耐候性と共に水蒸気透過率の小さいことが要求される。これは水分の透過により充填材が剥離、変色したり、配線の腐蝕を起こした場合、モジュールの出力そのものに影響を及ぼす恐れがあるためである。
従来、この太陽電池モジュールに使用するバックシートとしては、白色のポリフッ化ビニルフィルムでアルミニウム箔をサンドイッチした積層構造のバックシートが多く用いられていた(例えば、特許文献1、2参照)が、前記ポリフッ化ビニルフィルムは機械的強度も弱く、太陽電池モジュール作成時に加えられる140℃〜150℃の熱プレスの熱により軟化し、太陽電池素子電極部の突起物が充填材層を貫通し、さらにバックシートを構成する内面のポリフッ化ビニルフィルムを貫通し、バックシート中のアルミニウム箔に接触することにより、太陽電池素子とアルミニウム箔が短絡して電池性能に悪影響を及ぼすという欠点があった。更に、高価であり、太陽電池モジュールの低価格化の点で一つの障害となっていた。
これらを改善するものとして、金属酸化物を蒸着した樹脂フィルムの両面にポリエチレンテレフタレートフィルムが積層される構造のもの(特許文献3参照)など種々の積層構成の太陽電池用バックシートが提案されている。また、低価格の観点よりポリシラザンを基材上に塗布して、オゾン環境下UV光照射にて水蒸気透過率の低い酸化シリカ膜を形成しようとする試みも行われている(特許文献4参照)。
しかしながら、前記提案されている太陽電池用バックシートは、防湿性の点でまだ不十分であった。本発明の課題は、安価で、優れた防湿性を有し、他の諸特性も優れる太陽電池用バックシート及びその太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.透明なフィルム支持体の片面もしくは両面に、ポリシラザン膜にプラズマ処理を施して形成されたガスバリア能を持つバリア層を有することを特徴とする太陽電池用バックシート。
2.前記バリア層の膜厚が10nm〜100nmであることを特徴とする前記1記載の太陽電池用バックシート。
3.前記バリア層の深さ方向のケイ素原子に対する、酸素原子の組成比の平均値が2.05以上、2.60以下であることを特徴とする前記1又は2記載の太陽電池用バックシート。
4.前記バリア層の上にプラズマ化学蒸着法でケイ素化合物を有する層が積層されたことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の太陽電池用バックシート。
5.前記1〜4のいずれか1項記載の太陽電池用バックシートをバックシートに用いることを特徴とする太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池用バックシートは、透明なフィルム支持体の片面もしくは両面に、ポリシラザン膜にプラズマ処理を施して形成されたガスバリアフィルムであるので、支持体との接着性がよく長期間にわたって優れた保護機能を有するため太陽電池用部材としては適合性が高く、軽量で安価であり、防湿性が良い。また、少なくとも片面の高分子フィルム層に耐候性フィルムを使用すれば、さらに優れた保護性が得られ、あるいは両面の高分子フィルム層に透明フィルムを使用すれば、採光部側の表用保護シートとしても使用でき、さらに、最外面あるいは中間に印刷層を設ければ、他との差別化が可能となる。前記太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールは、長期使用に耐え、低価格化も可能である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の太陽電池用バックシートを以下に説明する。図1(a)は本発明の太陽電池用バックシートの一実施形態を示す側断面図であり、太陽電池用バックシート(1)は、厚み方向に順に、高分子フィルム層(21)、接着剤層(23)、ガスバリアフィルム(10)、接着剤層(24)、高分子フィルム層(22)を積層した構成になっており、前記ガスバリアフィルム(10)は透明なフィルム支持体(11)の片面にポリシラザン膜から形成された無機薄膜層(12)、ガスバリア性被膜層(13)を積層したものからなっており、(b)は太陽電池用バックシートの他の実施形態を示す側断面図であり、太陽電池用バックシート(2)は、厚み方向に順に、高分子フィルム層(21)、接着剤層(23)、ガスバリアフィルム(10′)、接着剤層(24)、高分子フィルム層(22)を積層した構成になっており、前記ガスバリアフィルム(10′)は透明なフィルム支持体(11)の片面にプライマー層(14)、ポリシラザン膜から形成された無機薄膜層(12)、ガスバリア性被膜層(13)を積層したものからなっている。
前記高分子フィルム層(21)及び高分子フィルム層(22)のいずれかの表面、あるいはガスバリアフィルム(10、10′)のガスバリ性被膜層(13)と接着剤層(24)の間やフィルム支持体(11)と接着剤層(21)の間に印刷層を積層しても良い。前記印刷層を設ければ、遮光性が得られ、また差別化などができるメリットがある。
バリア層の形成方法
本発明のガスバリア層の形成方法としては、支持体上に少なくとも1層のケイ素化合物を含有する塗布液を塗布後、酸化性ガス雰囲気下でプラズマ処理することにより、ケイ素酸化物を含有するバリア層を形成する方法が挙げられる。
本発明のガスバリア層の形成方法としては、支持体上に少なくとも1層のケイ素化合物を含有する塗布液を塗布後、酸化性ガス雰囲気下でプラズマ処理することにより、ケイ素酸化物を含有するバリア層を形成する方法が挙げられる。
塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布厚みは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、塗布厚みは、乾燥後の厚みが好ましくは1nm〜1000μm程度、さらに好ましくは10nm〜100μm程度、最も好ましくは10nm〜10μm程度となるように設定され得る。1nm以下では、膜質が均一にできず、バリア性が発現が困難となる。また1000μmを超えると、クラックが生じてしまう。
本発明におけるガスバリア層は、ケイ素原子および酸素原子を含有し、酸素及び水蒸気の透過を阻止する膜で、ケイ素原子および酸素原子を含有し、バリア層の深さ方向のケイ素原子に対する、酸素原子の組成比の平均値が2.10以上、かつ2.70以下であることが好ましい。構成する材料として具体的には、ケイ素を有する無機酸化物が好ましく、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素等のセラミック層を挙げることができる。
この様な、ガスバリア層により、JISK7129B法に従って測定した水蒸気透過率が、10−4g/m2/day以下、好ましくは10−5g/m2/day以下であり、酸素透過率が0.01ml/m2/day以下、好ましくは0.001ml/m2/day以下であるガスバリア性に優れた樹脂フィルムを支持体とするフィルムが得られる。
ケイ素原子に対する、酸素原子の組成比が2.0に近い値の場合、SiO2の組成に近づく。この値が2.00を下回る場合は、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素等のセラミック層になる原料である、ケイ素化合物の酸化反応が不十分であり、高いガスバリア性を得られない。バリア層の深さ方向のケイ素原子に対する、酸素原子の組成比の平均値が2.05を下回り、かつ2.00以上の場合は、SiO2に近い組成が形成され、緻密な構造が出来る反面、柔軟性が十分に得られない。
逆にガスバリア層の深さ方向のケイ素原子に対する、酸素原子の組成比の平均値が2.60を上回る場合には、ガスバリア層に取り込まれた水分子が過剰に存在するか、ケイ素−酸素結合の一部がケイ素−水酸基に置き替わる率が高すぎるため、この場合も十分なガスバリア性を得ることができない。
次に、塗布された膜をアニールする態様がこのましい。アニール温度は、好ましくは60℃〜200℃、さらに好ましくは70℃〜160℃である。アニール時間は、好ましくは30秒〜24時間程度、さらに好ましくは1分〜2時間程度である。このような範囲でアニールを行うことにより、ポリシラザンの一部が反応して分子が固定化され、良好な特性を有する太陽電池用バックシートが得られる。具体的には、下記のようなメカニズムで分子が固定化されると推察される。なお、アニールは、一定温度で行ってもよく、段階的に温度を変化させてもよく、連続的に温度を変化(昇温および/または降温)させてもよい。アニールの際には、反応を安定化するために湿度を調節することが好ましく、通常30%RHから90%RH、より好ましくは40%RHから80%RHである。
ケイ素酸化物のバリア層を形成するためのケイ素化合物の供給は、CVDのようにガスとして供給されるよりも、フィルム支持体表面に塗布したほうがより均一で、平滑なバリア層を形成することができる。CVD法などの場合は気相で反応性が増した原料物質が支持体表面に堆積する工程と同時に、気相中で不必要なパーティクルよばれる異物が生成することは、よく知られているが、原料をプラズマ反応空間に存在させないことで、これらパーティクルの発生を抑制することが可能になる。
本発明で用いることのできるケイ素化合物としては、好ましいものとして、パーヒドロポリシラザン、シルセスキオキサン、テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,1−ジメチル−1−シラシクロブタン、トリメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリールアミノトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、メチルトリアセトキシシラン、アリールオキシジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ジアリールジメトキシシラン、ブチルジメトキシビニルシラン、トリメチル−3−ビニルチオプロピルシラン、フェニルトリメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルイソペンチロキシビニルシラン、2−アリールオキシエチルチオメトキシトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アリールアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルエチキシフェニルシラン、ベンゾイロキシトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメチル−p−トリルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルメチルフェニルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、デシルメチルジメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、フェニルトリビニルシラン、テトラアリールオキシシラン、ドデシルトリメチルシラン、ジアリールメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジアセトキシジフェニルシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジアリールジフェニルシラン、オクタデシルトリメチルシラン、メチルオクタデシルジメチルシラン、ドコシルメチルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アセトキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を挙げることができる。
なかでも常温で固体である珪素化合物が好ましく、パーヒドロポリシラザン、シルセスキオキサンなどがより好ましく用いられる。酸化ケイ素化合物への転化を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。これらを塗布する場合、塗布液と水分が反応するのを抑制するため、溶媒としてキシレン、ジブチルエーテル、ソルベッソ、ターペン等、水分を含有しにくいものを用いることが好ましい。
シルセスキオキサンとしては、Mayaterials社製Q8シリーズのOctakis(tetramethylammonium)pentacyclo−octasiloxane−octakis(yloxide)hydrate; Octa(tetramethylammonium)silsesquioxane、Octakis(dimethylsiloxy)octasilsesquioxane、Octa[[3−[(3−ethyl−3−oxetanyl)methoxy]propyl]dimethylsiloxy] octasilsesquioxane; Octaallyloxetane silsesquioxane、Octa[(3−Propylglycidylether)Dimethylsiloxy] Silsesquioxane; Octakis[[3−(2,3−epoxypropoxy)propyl] dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[[2−(3,4−epoxycyclohexyl)ethyl] dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[2−(vinyl)dimethylsiloxy]silsesquioxane; Octakis(dimethylvinylsiloxy)octasilsesquioxane、Octakis[(3−hydroxypropyl)dimethylsiloxy] octasilsesquioxane、Octa[(methacryloylpropyl)dimethylsilyloxy]silsesquioxane Octakis[(3−methacryloxypropyl)dimethylsiloxy] octasilsesquioxane、および下記構造式の化合物が挙げられる。
ケイ素化合物を酸化ケイ素化合物に転化する、上述以外のその他の方法としては、たとえば加熱処理、UVオゾン処理などが知られているが、処理条件によっては非常に転嫁率の高い酸化ケイ素の層すなわち、酸素原子とケイ素原子との組成比が2.0に近いセラミック層ができ、ガスバリア性としては良好である反面、太陽電池用バックシートとしての取り扱い、特に屈曲などの外力をかけたときに、クラックが生じる懸念が大きくなり、本来のガスバリア性が逆に大きく損なわれる場合がある。本発明で用いられるプラズマ処理においては、ケイ素化合物を酸化ケイ素化合物に転化する率を特定の範囲に制御することで、この実用的な取り扱い性を加味した、高いガスバリア性を有する太陽電池用バックシートとすることができる。このメカニズムについては定かではないが、SiO2の立体的な格子がガスを遮断すると同時に、その格子の一部がシラノール基になり、格子の一部が自由になることによってガスバリア層にフレキシビリティが付与されて、折り曲げに対しての耐性が得られたものと推測している。
本発明のガスバリア層は、単層でも、複数の同様な層を積層してもよく、複数の層で、さらにガスバリア性を向上させることも出来る。
プラズマ処理
本発明に用いられるプラズマ処理は、後述のプラズマCVD法における場合の原材料の供給を行わず、プラズマ状態になりやすい放電ガスを供給しながら、プラズマ放電処理を行う。
本発明に用いられるプラズマ処理は、後述のプラズマCVD法における場合の原材料の供給を行わず、プラズマ状態になりやすい放電ガスを供給しながら、プラズマ放電処理を行う。
反応ガスとして、酸化性を有する酸素を供給することで、酸化反応を進めることができる。放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
具体的には、国際公開番号2007−026545号に記載される様に、放電空間に異なる周波数の電界を2つ以上印加したもので、第1の高周波電界と第2の高周波電界とを重畳した電界を印加することが好ましい。
前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、且つ、前記第1の高周波電界の強さV1と、前記第2の高周波電界の強さV2と、放電開始電界の強さIVとの関係が、
V1≧IV>V2 または V1>IV≧V2 を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上である。
V1≧IV>V2 または V1>IV≧V2 を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上である。
この様な放電条件をとることにより、例えば窒素ガスのように放電開始電界強度が高い放電ガスでも、放電を開始し、高密度で安定なプラズマ状態を維持出来、高性能な薄膜形成を行うことが出来る。
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電界強度IV(1/2Vp−p)は3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の印加電界強度を、V1≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることが出来る。
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることが出来る。またこの電界波形としては、連続波でもパルス波でもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な薄膜が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
このような2つの電源から高周波電界を印加することは、第1の高周波電界によって高い放電開始電界強度を有する放電ガスの放電を開始するのに必要であり、また第2の高周波電界の高い周波数および高い出力密度によりプラズマ密度を高くして緻密で良質な薄膜を形成することが出来る。
本発明を更に詳しく説明する。
平滑層を有するフィルム
次に本発明の太陽電池用バックシートで用いられる平滑層を有するフィルムについて説明する。
次に本発明の太陽電池用バックシートで用いられる平滑層を有するフィルムについて説明する。
平滑層を有するフィルムの支持体は、後述のバリア性を有するガスバリア層を保持することができる有機材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。
例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂フィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、更には前記樹脂を2層以上積層して成る樹脂フィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられ、また、光学的透明性、耐熱性、無機層、ガスバリア層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いることができる。支持体の厚みは5〜500μm程度が好ましく、更に好ましくは25〜250μmである。
また、本発明に係る樹脂フィルム支持体は透明であることが好ましい。支持体が透明であり、支持体上に形成する層も透明であることにより、透明な太陽電池用バックシートとすることが可能となるため、太陽電池素子等の透明基板とすることも可能となるからである。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた樹脂フィルム支持体は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる樹脂フィルム支持体は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の支持体を製造することができる。また、未延伸の支持体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、支持体の流れ(縦軸)方向、または支持体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、支持体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、本発明に係る樹脂フィルム支持体においては、蒸着膜を形成する前にコロナ処理してもよい。
さらに、本発明に係る支持体表面には、蒸着膜との密着性の向上を目的としてアンカーコート剤層を形成してもよい。このアンカーコート剤層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、およびアルキルチタネート等を、1または2種以上併せて使用することができる。これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により支持体上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することによりアンカーコーティングすることができる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
平滑層
本発明の平滑層は、突起等が存在する透明樹脂フィルム支持体の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂フィルム支持体に存在する突起により透明無機化合物層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このような平滑層は、基本的には感光性樹脂を硬化させて形成される。
本発明の平滑層は、突起等が存在する透明樹脂フィルム支持体の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂フィルム支持体に存在する突起により透明無機化合物層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このような平滑層は、基本的には感光性樹脂を硬化させて形成される。
平滑層の感光性樹脂としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトリキエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタンジオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに換えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。上記の反応性モノマーは、1種または2種以上の混合物として、あるいは、その他の化合物との混合物として使用することができる。
感光性樹脂の組成物は光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらの光重合開始剤を1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
平滑層の形成方法は特に制限はないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウエットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
平滑層の形成では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、平滑層の積層位置に関係なく、いずれの平滑層においても、成膜性向上および膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
感光性樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗布液を用いて平滑層を形成する際に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
平滑層の平滑性は、JIS B 0601で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、10nm以上、30nm以下であることが好ましい。この範囲よりも値が小さい場合には、後述のケイ素化合物を塗布する段階で、ワイヤーバー、ワイヤレスバーなどの塗布方式で、平滑層表面に塗工手段が接触する場合に、塗布性が損なわれる場合がある。また、この範囲よりも大きい場合には、ケイ素化合物を塗布した後の、凹凸を平滑化することが難しくなる場合がある。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が数十μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する粗さである。
平滑層への添加剤
好ましい態様のひとつは、前述の感光性樹脂中に表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」ともいう)を含むものである。ここで光重合性を有する感光性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基に代表される重合性不飽和基などを挙げることができる。また感光性樹脂は、この反応性シリカ粒子の表面に導入された光重合反応性を有する感光性基と光重合反応可能な化合物、例えば、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物を含むものであってもよい。また感光性樹脂としては、このような反応性シリカ粒子や重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物に適宜汎用の希釈溶剤を混合することによって固形分を調整したものを用いることができる。
好ましい態様のひとつは、前述の感光性樹脂中に表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」ともいう)を含むものである。ここで光重合性を有する感光性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基に代表される重合性不飽和基などを挙げることができる。また感光性樹脂は、この反応性シリカ粒子の表面に導入された光重合反応性を有する感光性基と光重合反応可能な化合物、例えば、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物を含むものであってもよい。また感光性樹脂としては、このような反応性シリカ粒子や重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物に適宜汎用の希釈溶剤を混合することによって固形分を調整したものを用いることができる。
ここで反応性シリカ粒子の平均粒子径としては、0.001〜0.1μmの平均粒子径であることが好ましい。平均粒子径をこのような範囲にすることにより、後述する平均粒子径1〜10μmの無機粒子からなるマット剤と組合せて用いることによって、本発明の効果である防眩性と解像性とをバランス良く満たす光学特性と、ハードコート性とを兼ね備えた平滑層を形成し易くなる。尚、このような効果をより得易くする観点からは、更に平均粒子径として0.001〜0.01μmのものを用いることがより好ましい。本発明に用いられる平滑層中には、上述の様な無機粒子を質量比として20%以上60%以下含有することが好ましい。20%以上添加することで、ガスバリア層との密着性が向上する。また60%を超えると、フィルムを湾曲させたり、加熱処理を行った場合にクラックが生じたり、太陽電池用バックシートの透明性や屈折率などの光学的物性に影響を及ぼすことがある。
本発明では、重合性不飽和基修飾加水分解性シランが、加水分解性シリル基の加水分解反応によって、シリカ粒子との間に、シリルオキシ基を生成して化学的に結合しているようなものを、反応性シリカ粒子として用いることができる。
加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシリル基、アセトキシリル基等のカルボキシリレートシリル基、クロシリル基等のハロゲン化シリル基、アミノシリル基、オキシムシリル基、ヒドリドシリル基等が挙げられる。
重合性不飽和基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニイル基、シンナモイル基、マレート基、アクリルアミド基等が挙げられる。
本発明における平滑層の厚みとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、平滑層を有するフィルムとしての平滑性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、平滑フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、平滑層を透明高分子フィルムの一方の面にのみ設けた場合における平滑フィルムのカールを抑え易くすることができるようになる。
ブリードアウト防止層
ブリードアウト防止層は、平滑層を有するフィルムを加熱した際に、フィルム支持体中から未反応のオリゴマーなどが表面へ移行して、接触する面を汚染してしまう現象を抑制する目的で、平滑層を有する支持体の反対面に設けられる。
ブリードアウト防止層は、平滑層を有するフィルムを加熱した際に、フィルム支持体中から未反応のオリゴマーなどが表面へ移行して、接触する面を汚染してしまう現象を抑制する目的で、平滑層を有する支持体の反対面に設けられる。
ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に平滑層と同じ構成をとっても構わない。
ブリードアウト防止層に含ませることが可能な、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物、あるいは分子中に1個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を挙げることができる。
ここで多価不飽和有機化合物としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また単価不飽和有機化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の添加剤として、マット剤を含有しても良い。マット剤としては、平均粒子径が0.1〜5μm程度の無機粒子が好ましい。
このような無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の1種又は2種以上を併せて使用することができる。
ここで無機粒子からなるマット剤は、ハードコート剤の固形分100質量部に対して2質量部以上、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上、20質量部以下、好ましくは18質量部以下、より好ましくは16質量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
また本発明の平滑層には、ハードコート剤及びマット剤の他の成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、光重合開始剤等を含有させてもよい。
このような熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
また電離放射線硬化性樹脂としては、光重合性プレポリマー若しくは光重合性モノマーなどの1種又は2種以上を混合した電離放射線硬化塗料に電離放射線(紫外線又は電子線)を照射することで硬化するものを使用することができる。ここで光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。また光重合性モノマーとしては、上記に記載した多価不飽和有機化合物等が使用できる。
また光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
以上のようなブリードアウト防止層は、ハードコート剤、マット剤、及び必要に応じて他の成分を配合して、適宜必要に応じて用いる希釈溶剤によって塗布液として調製し、当該塗布液を支持体フィルム表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することができる。尚、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、又は走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
本発明におけるブリードアウト防止層の厚みとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、フィルムとしての耐熱性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、平滑フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、平滑層を透明高分子フィルムの一方の面に設けた場合における太陽電池用バックシートのカールを抑え易くすることができるようになる。
ケイ素化合物を有する層
本発明の太陽電池用バックシートは、さらに下記のような方法で、さらに、スパッタリング法、イオンアシスト法、後述するプラズマCVD法、後述する大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法等を適用して、ケイ素化合物を有する層が積層されて形成されたものであることが好ましく、特に大気圧プラズマCVDによる方法は、減圧チャンバー等が不要で、高速製膜ができ生産性の高い製膜方法であり好ましい。上記ケイ素化合物を有する層をプラズマCVDにより追加形成することで、一層ガスバリア性の高いガスバリア層を容易に形成することが可能となるからである。
本発明の太陽電池用バックシートは、さらに下記のような方法で、さらに、スパッタリング法、イオンアシスト法、後述するプラズマCVD法、後述する大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法等を適用して、ケイ素化合物を有する層が積層されて形成されたものであることが好ましく、特に大気圧プラズマCVDによる方法は、減圧チャンバー等が不要で、高速製膜ができ生産性の高い製膜方法であり好ましい。上記ケイ素化合物を有する層をプラズマCVDにより追加形成することで、一層ガスバリア性の高いガスバリア層を容易に形成することが可能となるからである。
スパッタリング法、イオンアシスト法、プラズマCVD法では、バリア性の高い膜を形成できる反面、製膜工程において、パーティクルと呼ばれる微粒子状の異物が発生し、ガスバリア層中あるいは表面に付着した欠陥を生じやすい欠陥がある。
本発明の太陽電池用バックシートは、この様な欠陥が生じても、前述のケイ素化合物を有する層の存在により、欠陥部からのガス透過を抑制することができ、より高いガスバリア性を実現できるものである。
本発明におけるこれらのケイ素化合物を有する層の厚さは、用いられる材料の種類、構成により最適条件が異なり、適宜選択されるが、10〜2000nmの範囲内であることが好ましい。ケイ素化合物を有する層の厚さが、上記の範囲より薄い場合には、均一な膜が得られず、ガスに対するバリア性の向上を得られにくいからである。また、ケイ素化合物を有する層の厚さが上記の範囲より厚い場合には、太陽電池用バックシートにフレキシビリティを保持させることが困難であり、成膜後に折り曲げ、引っ張り等の外的要因により、太陽電池用バックシートに亀裂が生じる等のおそれがあるからである。
厚みがこれ以下であると膜欠陥が多く、充分な防湿性が得られない。また、厚みが大きい方が理論的には防湿性は高いが、余り大きいと内部応力が不必要に大きくなり、割れやすくましい防湿性が得られない。
また、本発明においては、上記ケイ素化合物を有する層が、透明であることが好ましい。透明であることにより、太陽電池用バックシートを透明なものとすることが可能となり、EL素子の透明基板等の用途にも使用することが可能となるからである。太陽電池用バックシートの光透過率としては、例えば試験光の波長を550nmとしたとき透過率が80%以上のものが好ましく、90%以上が更に好ましい。
プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法により得られるケイ素化合物を有する層は、原材料(原料ともいう)である有機金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力などの条件を選ぶことで、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属硫化物等のセラミック層を、またこれらの混合物(金属酸窒化物、金属窒化炭化物など)も作り分けることができるため好ましい。
例えば、ケイ素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、ケイ素酸化物が生成する。また、亜鉛化合物を原料化合物として用い、分解ガスに二硫化炭素を用いれば、硫化亜鉛が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機物の原料としては、典型または遷移金属元素を有していれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することができる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガスなどが挙げられる。
金属元素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、各種の金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物を得ることができる。
これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。
このような放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、混合ガスとしてプラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで膜形成を行う。放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
本発明に係るケイ素化合物を有する層においては、含有する無機化合物が、SiOxCy(x=1.5〜2.0、y=0〜0.5)または、SiOx、SiNyまたはSiOxNy(x=1〜2、y=0.1〜1)であることが好ましく、光線透過性及び後述する大気圧プラズマCVD適性の観点から、SiOxであることが好ましい。
本発明に係るケイ素化合物を有する層が含有する無機化合物は、例えば、上記有機ケイ素化合物に、更に酸素ガスや窒素ガスを所定割合で組み合わせて、酸素原子と窒素原子の少なくともいずれかと、ケイ素原子とを含む膜を得ることができる。
以上のように、上記のような原料ガスを放電ガスと共に使用することにより様々な無機薄膜を形成することができる。
次いで、本発明の太陽電池用バックシートの製造方法において、本発明に係るケイ素化合物を有する層の形成に好適に用いることのできる大気圧プラズマCVD法について、更に詳細に説明する。
CVD法(化学的気相成長法)は、揮発・昇華した有機金属化合物が高温の支持体表面に付着し、熱により分解反応が起き、熱的に安定な無機物の薄膜が生成されるというものであり、このような通常のCVD法(熱CVD法とも称する)では、通常500℃以上の基板温度が必要であるため、プラスチック支持体への製膜には使用することが難しいが一方、プラズマCVD法は、支持体近傍の空間に電界を印加し、プラズマ状態となった気体が存在する空間(プラズマ空間)を発生させ、揮発・昇華した有機金属化合物がこのプラズマ空間に導入されて分解反応が起きた後に支持体上に吹きつけられることにより、無機物の薄膜を形成するというものである。プラズマ空間内では、数%の高い割合の気体がイオンと電子に電離しており、ガスの温度は低く保たれるものの、電子温度は非常な高温のため、この高温の電子、あるいは低温ではあるがイオン・ラジカルなどの励起状態のガスと接するために無機膜の原料である有機金属化合物は低温でも分解することができる。したがって、無機物を製膜する支持体についても低温化することができ、樹脂フィルム支持体上へも十分製膜することが可能な製膜方法である。
またこの方法によれば、樹脂フィルム上に前記セラミック層を形成させたときの膜密度が緻密であり、安定した性能を有する薄膜が得られる。
次いで、大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマCVD法を用いた前記ケイ素化合物を有する層の積層方法の一例について述べる。
プラズマ放電処理装置においては、ガス供給手段から、前記金属を含む原料ガス、分解ガスを適宜選択して、またこれらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合してプラズマ放電発生装置にガスを送りこむことで前記の層を得ることができる。
放電ガスとしては、前記のように窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
本発明に適用できる大気圧プラズマ放電処理装置としては、例えば、特開2004−68143号公報、同2003−49272号公報、国際特許第02/48428号パンフレット等に記載されている大気圧プラズマ放電処理装置を挙げることができる。
図2は本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を示す断面説明図であり、太陽電池モジュール(100)は太陽電池用バックシート(1)を用いてユニット化したものであり、上部透明材料(101)、充填材(102)、太陽電池素子(103)、配線(104)、太陽電池用バックシート(1)、シール材(105)、枠体(106)で構成されており、防湿性が良く、長期間の使用に耐える。
前記上部透明材料(101)としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが使用され、前記充填材(102)としては、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂などが使用され、前記シール材(105)としては、ブチルゴムなどが使用され、前記枠体(106)には、一般的にはアルミニウム枠材が使用される。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一例を以下に説明すると、前もって配線接続した太陽電池素子(103)を所定厚さのエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂からなる充填材シート2枚でサンドイッチ状に挟んだ後に、片方の充填材シート上に強化ガラス板からなる上部透明材料(101)を置き、反対側の充填材シート上に太陽電池用バックシートをかぶせ、しかる後に40℃で5分間予備加熱し、さらに両側から減圧下で全体を150℃で30分間程度熱プレスして太陽電池用バックシートを融着一体化させ、端部をブチルゴムでシールし、アルミニウムの枠体(106)で固定して太陽電池モジュールを製造する。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
(支持体)
熱可塑性樹脂支持体として、両面に易接着加工された125μm厚みの、ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テトロンO3)を、170℃で30分アニール加熱処理したものを用いた。
(支持体)
熱可塑性樹脂支持体として、両面に易接着加工された125μm厚みの、ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テトロンO3)を、170℃で30分アニール加熱処理したものを用いた。
(平滑層およびブリードアウト防止層を有するフィルムの作製)
以下の形成方法により、片面にブリードアウト防止層、反対面に平滑層を形成し、太陽電池用バックシート用支持体を得た。
以下の形成方法により、片面にブリードアウト防止層、反対面に平滑層を形成し、太陽電池用バックシート用支持体を得た。
(ブリードアウト防止層の形成)
上記支持体の片面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7535を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、硬化条件;1.0J/cm2空気下、高圧水銀ランプ使用、乾燥条件;80℃、3分で硬化を行い、ブリードアウト防止層を形成した。
上記支持体の片面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7535を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、硬化条件;1.0J/cm2空気下、高圧水銀ランプ使用、乾燥条件;80℃、3分で硬化を行い、ブリードアウト防止層を形成した。
(平滑層の形成)
続けて上記支持体の反対面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cm2硬化を行い、平滑層を形成した。
続けて上記支持体の反対面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cm2硬化を行い、平滑層を形成した。
このときの最大断面高さRt(p)は16nmであった。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さである。
(太陽電池用バックシートの作製)
(バリア層の形成)
次に、上記平滑層、ブリードアウト防止層を設けた試料を、この上にセラミック層を以下に示す条件で、形成した。
(バリア層の形成)
次に、上記平滑層、ブリードアウト防止層を設けた試料を、この上にセラミック層を以下に示す条件で、形成した。
セラミック層塗布液
パーヒドロキシポリシラザン(PHPS)の20質量%ジブチルエーテル溶液
AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120−20ワイヤレスバーにて、乾燥後の膜厚が、0.3μmとなるように塗布、乾燥した試料を得た。
パーヒドロキシポリシラザン(PHPS)の20質量%ジブチルエーテル溶液
AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120−20ワイヤレスバーにて、乾燥後の膜厚が、0.3μmとなるように塗布、乾燥した試料を得た。
プラズマ処理
温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で30分処理後の試料を下記の条件でプラズマ処理を行い、ガスバリア層を形成した。
温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で30分処理後の試料を下記の条件でプラズマ処理を行い、ガスバリア層を形成した。
また製膜時の支持体保持温度は、120℃とした。
ロール電極型放電処理装置を用いて処理を実施。ロール電極に対向する棒状電極を複数個フィルムの搬送方向に対し平行に設置し、各電極部に原料及び電力を投入し以下のように、塗工面をプラズマ処理した。
ここで誘電体は対向する電極共に、セラミック溶射加工のものに片肉で1mm被覆した。また、被覆後の電極間隙は、1mmに設定した。また誘電体を被覆した金属母材は、冷却水による冷却機能を有するステンレス製ジャケット仕様であり、放電中は冷却水による電極温度コントロールを行いながら実施した。ここで使用する電源は、応用電機製高周波電源(80kHz)、パール工業製高周波電源(13.56MHz)を使用した。
放電ガス:N2ガス
反応ガス:酸素ガスを全ガスに対し7%
低周波側電源電力:80kHzを3W/cm2
高周波側電源電力:13.56MHzを9W/cm2
プラズマ処理後の最大断面高さRt(p)は12nmであった。
反応ガス:酸素ガスを全ガスに対し7%
低周波側電源電力:80kHzを3W/cm2
高周波側電源電力:13.56MHzを9W/cm2
プラズマ処理後の最大断面高さRt(p)は12nmであった。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さである。
上記のようにして得られたガスバリアフィルムを、スパッタ法を用いて、バリア層(セラミック層)表面から深さ方向へエッチングを行い、XPS表面分析装置を用いて、バリア層最表面を0nmとして、10nm毎のセラミック層の原子組成比を測定した。
XPS表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる機種も使用することができるが、本実施例においてはVGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。結果を図3に示した。
バリア層(セラミック層)表面から、平滑層までのSiとOの比率は、下記の値であった。なお、平均値は、バリア層最表面から平滑層の界面までの10nm毎の測定値を平均し小数点第2位を四捨五入した値である。
最小:2.2、最大:2.5、平均:2.4
得られた、ガスバリアフィルムのフィルム支持体面に塗布量3g/m2(乾燥状態)のウレタン系接着剤からなる接着剤層を介して厚さ50μmのポリエステルフィルムからなる高分子フィルム層を積層し、他方のガスバリア性被膜層面に塗布量3g/m2(乾燥状態)のウレタン系接着剤からなる接着剤層を介して厚さ50μmの耐光性ポリエステルフィルムからなる高分子フィルム層を積層して、本発明の太陽電池用バックシートを作製した。また、試料No.1の膜厚変化を変化させて試料No.2〜5を得た。
得られた、ガスバリアフィルムのフィルム支持体面に塗布量3g/m2(乾燥状態)のウレタン系接着剤からなる接着剤層を介して厚さ50μmのポリエステルフィルムからなる高分子フィルム層を積層し、他方のガスバリア性被膜層面に塗布量3g/m2(乾燥状態)のウレタン系接着剤からなる接着剤層を介して厚さ50μmの耐光性ポリエステルフィルムからなる高分子フィルム層を積層して、本発明の太陽電池用バックシートを作製した。また、試料No.1の膜厚変化を変化させて試料No.2〜5を得た。
試料No.6の作製
上記、試料No.1におけるプラズマ処理を、UVオゾン処理に変更し、90℃に加熱しながら12時間処理を行い、試料No.6を作製した。
上記、試料No.1におけるプラズマ処理を、UVオゾン処理に変更し、90℃に加熱しながら12時間処理を行い、試料No.6を作製した。
<水蒸気バリア性評価>
あらかじめ、半径10mmの曲率になるように、180度の角度で100回屈曲を繰り返した太陽電池用バックシート試料No.1〜6のセラミック層面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、太陽電池用バックシート試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
あらかじめ、半径10mmの曲率になるように、180度の角度で100回屈曲を繰り返した太陽電池用バックシート試料No.1〜6のセラミック層面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、太陽電池用バックシート試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
得られた両面を封止した試料を60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐蝕量からセル内に透過した水分量を計算した。
なお、太陽電池用バックシート面から以外の水蒸気の透過が無いことを確認するために、比較試料として太陽電池用バックシート試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様な60℃、90%RHの高温高湿下保存を行い、1000時間経過後でも金属カルシウム腐蝕が発生しないことを確認した。
5:1×10−5g/m2/day未満
4:1×10−5g/m2/day以上、1×10−4g/m2/day未満
3:1×10−4g/m2/day以上、1×10−3g/m2/day未満
2:1×10−3g/m2/day以上、1×10−2g/m2/day未満
1:1×10−2g/m2/day以上。
5:1×10−5g/m2/day未満
4:1×10−5g/m2/day以上、1×10−4g/m2/day未満
3:1×10−4g/m2/day以上、1×10−3g/m2/day未満
2:1×10−3g/m2/day以上、1×10−2g/m2/day未満
1:1×10−2g/m2/day以上。
〈耐久性の評価〉
得られた試料No.1〜6を、85℃、85%RH条件下で5000時間保存後の外観の変化について評価し、外観の変化したものを有、変化の無いものを無とした。その結果を表1に示す。
得られた試料No.1〜6を、85℃、85%RH条件下で5000時間保存後の外観の変化について評価し、外観の変化したものを有、変化の無いものを無とした。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の太陽電池用バックシートは、水蒸気透過率も低く、更に、過酷な環境下での性能劣化が発生し難い。
実施例2
試料No.3で行ったプラズマ処理の搬送回数を20〜300回、酸素ガス濃度を0〜11%、プラズマの電圧を低周波側電源電力:80kHzを1〜5W/cm2、高周波側電源電力:13.56MHzを6〜12W/cm2の範囲で適宜調整することにより、表2の様な組成を有する試料No.7〜13を得た。得られた、試料No.7〜13について、実施例1と同様な評価を行い、結果を表2に示す。
試料No.3で行ったプラズマ処理の搬送回数を20〜300回、酸素ガス濃度を0〜11%、プラズマの電圧を低周波側電源電力:80kHzを1〜5W/cm2、高周波側電源電力:13.56MHzを6〜12W/cm2の範囲で適宜調整することにより、表2の様な組成を有する試料No.7〜13を得た。得られた、試料No.7〜13について、実施例1と同様な評価を行い、結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の太陽電池用バックシートは、水蒸気透過率も低く、更に、過酷な環境下での性能劣化が発生し難い。
実施例3
実施例1で作製した試料No.3及び6において、さらにCVD(化学蒸着法)にて下記のセラミック層を積層した以外は同様にして試料No.14及び15を作製した。
実施例1で作製した試料No.3及び6において、さらにCVD(化学蒸着法)にて下記のセラミック層を積層した以外は同様にして試料No.14及び15を作製した。
上記平滑層、ブリードアウト防止層を設けた試料No.1及び6を、この上にセラミック層を以下に示す条件で形成した。膜厚は300nmである。また製膜時の支持体保持温度は、120℃とした。
ロール電極型放電処理装置を用いて処理を実施。ロール電極に対向する棒状電極を複数個フィルムの搬送方向に対し平行に設置し、各電極部に原料及び電力を投入し以下のように薄膜を形成した。
ここで誘電体は対向する電極共に、セラミック溶射加工のものに片肉で1mm被覆した。また、被覆後の電極間隙は、1mmに設定した。また誘電体を被覆した金属母材は、冷却水による冷却機能を有するステンレス製ジャケット仕様であり、放電中は冷却水による電極温度コントロールを行いながら実施した。ここで使用する電源は、応用電機製高周波電源(100kHz)、パール工業製高周波電源(13.56MHz)を使用した。
〈セラミック層〉
放電ガス:N2ガス
反応ガス1:酸素ガスを全ガスに対し8%
反応ガス2:TEOSを全ガスに対し0.1%
低周波側電源電力:100kHzを2W/cm2
高周波側電源電力:13.56MHzを10W/cm2で変化
得られた、試料No.14及び15について、実施例1と同様な評価を行い、結果を表3に示す。
放電ガス:N2ガス
反応ガス1:酸素ガスを全ガスに対し8%
反応ガス2:TEOSを全ガスに対し0.1%
低周波側電源電力:100kHzを2W/cm2
高周波側電源電力:13.56MHzを10W/cm2で変化
得られた、試料No.14及び15について、実施例1と同様な評価を行い、結果を表3に示す。
表3に示すように、優れた防湿性を有しているので、85℃、85%RH条件下で5000時間保存後も外観は変化なく、良好であった。一方、比較用の太陽電池用バックシートは防湿性が劣り、85℃、85%RH条件下で5000時間保存後は外観が不良であった。
実施例4
図2に示す、太陽電池素子(103)の下部の太陽電池用バックシート(1)として実施例1で作製した太陽電池用バックシート試料No.3及び6と、実施例2で作製した太陽電池用バックシート試料No.7〜13をそれぞれ密着させ、周囲をシール材(105)で封止して枠体(106)を付け、太陽電池モジュール試料No.3、6〜13を作製した。
図2に示す、太陽電池素子(103)の下部の太陽電池用バックシート(1)として実施例1で作製した太陽電池用バックシート試料No.3及び6と、実施例2で作製した太陽電池用バックシート試料No.7〜13をそれぞれ密着させ、周囲をシール材(105)で封止して枠体(106)を付け、太陽電池モジュール試料No.3、6〜13を作製した。
得られた、太陽電池モジュール試料No.3、6〜13について、85℃、85%RH条件下で5000時間保存前後の開放電圧及び変換効率を測定した。
本発明の太陽電池モジュール試料No.3、7〜13については、開放電圧及び変換効率の劣化はみとめられなかったが、比較の太陽電池モジュール試料No.6は劣化が大きく実用性に乏しいことが判った。
1 太陽電池用バックシート
10、10′ ガスバリアフィルム
11 フィルム支持体
12 ガスバリア層
13 ガスバリア性被膜層
14 プライマー層
21、22 高分子フィルム層
23、24 接着剤層
100 太陽電池モジュール
101 上部透明材料
102 充填材
103 太陽電池素子
104 配線
105 シール材
106 枠体
10、10′ ガスバリアフィルム
11 フィルム支持体
12 ガスバリア層
13 ガスバリア性被膜層
14 プライマー層
21、22 高分子フィルム層
23、24 接着剤層
100 太陽電池モジュール
101 上部透明材料
102 充填材
103 太陽電池素子
104 配線
105 シール材
106 枠体
Claims (5)
- 透明なフィルム支持体の片面もしくは両面に、ポリシラザン膜にプラズマ処理を施して形成されたガスバリア能を持つバリア層を有することを特徴とする太陽電池用バックシート。
- 前記バリア層の膜厚が10nm〜100nmであることを特徴とする請求項1記載の太陽電池用バックシート。
- 前記バリア層の深さ方向のケイ素原子に対する、酸素原子の組成比の平均値が2.05以上、2.60以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池用バックシート。
- 前記バリア層の上にプラズマ化学蒸着法でケイ素化合物を有する層が積層されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池用バックシート。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の太陽電池用バックシートをバックシートに用いることを特徴とする太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009189844A JP2011044453A (ja) | 2009-08-19 | 2009-08-19 | 太陽電池用バックシート及び太陽電池モジュール |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2011044453A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9771654B2 (en) * | 2011-09-26 | 2017-09-26 | Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives | Multilayer structure offering improved impermeability to gases |
-
2009
- 2009-08-19 JP JP2009189844A patent/JP2011044453A/ja active Pending
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