JP4387765B2 - ダイアモンド様被覆物の表面処理剤 - Google Patents

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本発明は、ダイアモンド様被覆物の表面処理剤に関するものであり、更に詳しくは、ダイアモンド様被覆物の表面をフッ素コートするための、極安定パーフルオロアルキルラジカルからなる表面改質剤に関するものである。
本発明は、極安定パーフルオロアルキルラジカルを固体状物質の表面に作製したダイアモンド様カーボン膜(以下、固体状物質の表面に作製したダイアモンド様カーボン膜のことをDLC膜と略称し、基材を含めて全体を呼ぶ場合にダイアモンド様被覆物と記載する)を表面処理して高機能性材料を製造するためのDLC膜の表面処理の技術分野において、その表面をフッ素コートするための新規表面改質剤を提供するものとして有用である。
材料の高機能化は、その材料表面の高機能化によって効率的になされる。材料開発の表面機能化という分野では、特に、耐摩耗性、耐酸化性などを有し、かつ高強度を有するDLC膜に工業的な感心が寄せられている。このDLC膜の代表的な用途は、切削工具、金型などであるが、そのトライボロジー特性に注目して、各種摺動部品に採用し、動作効率をあげる研究や、自動車の低燃費化を目指した応用研究がなされている。また、DLC膜表面の修飾による更なる高機能化が、その応用範囲の拡大を目指して検討されている。中でも、DLC膜のフッ素化処理による更なる高機能化には、その用途が、例えば、磁気記録媒体などのナノテクノロジー分野にも拡大するために重要視されている。
こうしたDLC膜のフッ素化方法としては、従来、DLC膜を作製するときに、CVDの一成分ガスとしてフッ素化炭化水素を使うことでDLC膜が生成する過程で同時にフッ素化表面を形成する方式が取られている。
例えば、先行技術文献では、磁気記録媒体の強磁性金属薄膜上にDLC膜を形成するときに、炭化水素に加えてフッ化炭素化合物を含む放電ガスを用いている(特許文献1、2参照)。同様な方法を用いて種々の磁気記録媒体にフッ素化したDLC膜を形成する方法が報告されている(特許文献3、4参照)。その他、電解エミッタアレイ表面のDLC膜(特許文献5参照)、反射防止フィルム上のDLC膜(特許文献6参照)、人工関節部材表面のDLC膜(特許文献7参照)、磁気ヘッド表面のDLC膜(特許文献8参照)、シリコン表面のDLC膜(特許文献9参照)、などの表面フッ素化が同様の方法で行われている。
特許文献以外にも、多くの文献に、フッ素化炭化水素をフッ素源として用い、DLC膜形成時にフッ素を膜に取り込む方法でフッ素化DLC膜を作製する方法が提案されている(非特許文献1〜8参照)。しかしながら、これらの方法では、膜形成のための装置が複雑になることや実験条件の設定の難しさにあいまって、形状、大きさによる生成膜の性状の均一性や性状のコントロール、また、再現性の面で大きな障害がある。
また、一方では、DLC膜表面にフッ素系潤滑剤をコートする方法についても多くの事例が報告されている(特許文献10〜12参照)が、これらの方法は、吸着に基づく表面処理であるので、耐久性の点で問題がある。また、他の文献にも、DLC膜表面のフッ素系潤滑剤による処理に関して報告されている(非特許文献9参照)。更に、耐久性を持たせるために、フッ素ガスを用いて、DLC膜表面を処理する方法についても多くの事例が報告されている(特許文献13〜22参照)。
フッ素ガスによる表面処理は、フッ素という極めて反応性の高い危険な物質を使うという欠点があるだけでなく、フッ素化により撥水表面だけでなく、親水性表面を形成したりする場合があり、反応の制御を再現性良く行うことが難しい。従って、当技術分野においては、安全で、簡単な方法で、再現性良く、固体表面をフッ素化するために利用可能な新しいフッ素化表面処理剤の開発が強く望まれていた。
特開昭63−275035号公報 特開平03−183010号公報 特開平08−129747号公報 特開平08−212545号公報 特表平10−500936号公報 特開2003−98305号公報 特開平11−318960号公報 特開2003−151107号公報 WO01/40537号公報 特開平08−316083号公報 特開平11−110743号公報 特開2000−251238号公報 特開平06−123576号公報 特開平08−337874号公報 特開平09−95784号公報 特開平09−320352号公報 特開平09−313662号公報 特開平10−18037号公報 特開平10−110269号公報 特開平10−273980号公報 特開平11−106920号公報 特開平11−158631号公報 K.-L. Choy J. Zhao, ScriptaMaterialia, 39(7), 839-845 (1998) R.Hatada, K. Baba, Nuclear Instruments and Methods in Physics ResearchB 148, 655-658 (1999) M. Hakovirta,S. M. He, M. Nastasi, J. Appl.Phys. 88(3), 1456-1459 (2000) M. Hakovirta,D. H. Lee, X. M. He, M. Natasi, Materials ResearchSociety Symposium Proceedings 593 (Amorphous and NanostructuredCarbon), 285-290 (2000) M. Hakovirta,D. H. Lee, X. M. Hee, M. Nastasi,J. Vac. Sci. Technol. A 19(3), 782-784 (2001) S. C. Trippe,R. D. Mansano, Modern Physics Letters B,16(15&16), 577-582 (2002) M. Hakovirta,R. Verda, X. M. He, M. Nastasi,Diamond and Related Materials, 10, 1486-1490 (2001); C. E. Bottani,A. Lamperti, L. Nobili, P.M. Ossi, Thin Solid Films, 433, 149-154 (2003) C. Kajdas, Pol. SyntheticLubrication18(1),17-38 (2001)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、安全で、簡単な方法で、再現性良く、固体表面をフッ素化することを可能とする新しいフッ素化表面処理剤を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、DLC膜表面を極安定パーフルオロアルキルラジカルで処理することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明は、固体状物質の表面に形成されたDLC膜表面に、更に撥水・撥油性や非粘着性などの高機能特性を追加するための膜表面改質技術としてのフッ素化表面処理を、その基材を全く犯すことが無い温和な条件で、簡単に、しかも安全に、再現性良く、環境に優しい方法で行うための安価な表面処理剤を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)固体状物質とその表面に作製したダイアモンド様カーボン膜(DLC膜)からなるダイアモンド様被覆物の表面をフッ素コートするための表面処理剤であって、
1)含フッ素アルキルラジカルを発生する極安定パーフルオロアルキルラジカルを有効成分とすること、2)上記ダイアモンド様被覆物の表面のダイアモンド様カーボン膜(DLC膜)と、反応性の高い反応活性種である含フッ素アルキルラジカルとの表面処理反応に基づくフッ素化によりフッ素コートする表面処理剤であること、3)上記DLC膜の形状や複雑性に係わらず均質に表面をフッ素化することができるこを特徴とする表面処理剤。
(2)極安定パーフルオロアルキルラジカルとして、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチル、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル、又はパーフルオロ−3−エチル−3,4−ジメチル−4−ヘキシルを使用する、前記(1)に記載の表面処理剤。
)前記(1)又は(2)に記載の極安定パーフルオロアルキルラジカル表面処理剤により表面処理して、表面をフッ素コートしたことを特徴とするダイアモンド様被覆物。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々研究を進める中で、極安定パーフルオロアルキルラジカルと呼ばれる一群のペルフルオロ化合物が、DLC表面のフッ素化表面処理剤として使用可能であることを見出した。
極安定パーフルオロアルキルラジカルであるパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチルは、Schererらが、1985年に、ヘキサフルオロプロペン三量体(パーフルオロ−2,4―ジメチル−3−エチル−3−ペンテン及びパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−2−ペンテンの混合物)を直接フッ素化することで高収率に得られることを報告している(K. V. Scherer, T. Ono, K. Yamanouchi, R. Fernandez, P. Henderson, H. Goldwhite, J. Am. Chem. Soc., 107, 718-719 (1985))。
このラジカルは、温和な条件でβ開裂によりトリフルオロメチルラジカルを発生する性質がある。この性質のために、本ラジカルは、高分子合成におけるラジカル開始剤として使用可能であることが提案されている(K. V. Scherer, T. Ono, K. Yamanouchi, 米国特許第4626608号明細書)。また、フッ素にさえ反応しない極安定パーフルオロアルキルラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチルを定量的な収率で合成できる方法が開発されている(小野他、特願2001−352474号)。このパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチルも、温和な条件でβ開裂をしてトリフルオロメチルラジカルを発生する性質があることが知られており、高分子合成におけるラジカル開始剤としての利用に関する特許出願がなされている(小野他、特願2001−352475号)。
これらの極安定ラジカルは、物理的に非常に安定であるだけでなく、化学的にも非常に安定であることから、従来、知られているペルオキシド系(W. H. Gumprecht, R. H. Dettre, J. Fluorine Chem., 5, 245-263 (1975) )、又はニトロソ系(T. Umemoto, A. Ando, Bull. Chem. Soc. Jpn., 59, 447 (1986))のトリフルオロメチルラジカル発生試薬のような爆発の危険性も無く、理想的なトリフルオロメチルラジカル発生試薬となり得る。
一方、耐磨耗性や強靭性など表面の機械的特性を向上させる目的で、様々な物質の表面にDLC膜を形成することが行われている。これらのDLC膜の膜表面をフッ素化することで、更に、非粘着性や撥水性などの高機能化を計ることができることが知られている。従来、このようなDLC表面のフッ素化表面処理には、フッ素ガスを使う方法やプラズマ装置を使う方法などが知られているが、危険性、再現性などに問題がある上、複雑な装置を必要とする。高度に機能化したDLC膜の産業応用を更に進めるためには、より簡便で、再現性が良く、安価に、安全に扱え、環境負荷も無いフッ素化表面処理剤が望まれる。
含フッ素アルキルラジカルは、非常に反応性の高い反応活性種であるので、このような活性種を発生する試薬は、DLC膜を形成するsp2炭素に結合する可能性がある。このような背景のもとに、本発明者らは、極安定パーフルオロアルキルラジカルをDLC膜のフッ素化表面処理剤としての使用について、表面のぬれに関する指標(水の接触角)を基に検討し、上述の全てを満足する理想的なフッ素化表面処理剤として使用が可能であることを見出した。
含フッ素アルキルラジカルを発生する試薬には、パーフルオロアシルパーオキシドやN−パーフルオロアルキルーN−ニトロソスルホンアミド系の化合物などが考えられ、DLC膜表面のフッ素化に適応できる可能性がある。しかしながら、これらの化合物は、化学安定性に問題があり、工業的に用いるのは危険である。上述の極安定パーフルオロアルキルラジカルは、化学的に極めて安定で取り扱いが容易なパーフルオロアルキルラジカル発生試薬となる。また、パーフルオロ系化合物であることから、パーフルオロ系の溶媒に溶解する。
ここで、極安定パーフルオロアルキルラジカルがパーフルオロ系化合物に良く溶解することが本発明において重要である。この性質のために、DLC膜の液相での処理が可能になる。すなわち、パーフルオロ化合物は、化学的にも物理的にも極めて安定であることが知られており(A. V. Grosse and G. H. Cady, Ind. Eng. Chem., 1947, 39, 367-374; D. D. Dixon and D. G. Holland, Fed. Proc. 1975, 34,
1444-1448; K. C. Lowe, Sci. Prog. 1997, 80, 169-193; J. G. Riess, Chem. Rev.
2001, 101, 2797-2019, )、この化学的不活性性は、パーフルオロ系以外のあらゆる物質を溶解しないだけでなく、プラスチックなどの樹脂を溶解することも膨潤させることもない。従って、DLC膜の基材が、樹脂である場合でも、全く問題なくパーフルオロ系の溶媒を用いて液相でのDLC膜表面改質が可能になる。パーフルオロ系溶媒の不活性性は、極安定パーフルオロアルキルラジカルから温和な条件で発生するトリフルオロメチルラジカルに対する水素引き抜き反応によるラジカルの失活の可能性を与えない。従って、ラジカルーラジカル再結合による失活過程以外では、表面修飾のフッ素源として極めて有効に使われる反応場を提供できる。
また、パーフルオロ系の溶媒は、人工血液(酸素運搬輸液)としての応用(L. Clark and F. Gollan, Science, 1966, 152, 1755-1756; 横山和正、津田良夫、酸素運搬輸液“フルオゾール”in 水島裕編DDSの進歩、1995−96,東京:中山書店、1995, 228-231; 山内紘一、パーフルオロケミカル酸素運搬体の開発状況と展望、in人工臓器1994-96.東京:中山書店,1994, 22, 955-963;仲井邦彦、佐久間一郎、福島昭二、竹内由和、佐藤洋、北畠顕、人工血液, 2000, 8, 43-51)や微生物の培地(K. C. Lowe, J. Fluorine Chem., 2002, 118, 19-26 )、液体呼吸(松田兼一、平澤博之、医薬の門、2000, 10, 287-294; 松田兼一、平澤博之、平山陽、救急医学、2002, 26, 1557-1562 )、あるいは臓器保存(E. Klar, Th Kraus, P. Reuter, A. Mehrabi, L. P. Fernandes, M. Angelescu, M. M. Gebhard and Ch Herfarth, Transplantation Proc., 1998, 30, 3707-3710)に利用されるほどに毒性が無いことが知られている点も、実際の工業的な表面処理工程を構成するときに重要な点となる。
また、パーフルオロ化合物は、分子間力が小さいことが知られているが(M. Howe-Grant, Ed., Kirk-Othmer, Fluorine Chemistry: A Comprehensive Treatment, Encyclopedia Reprint Series, John Wiley & Sons, 1995, 260 )、そのために、固体状物質の分散が容易で、かつ撹拌が容易となる。更に、蒸留又は気化させることでエネルギー効率の高い回収が可能となるという利便性も持ち合わせている。この分子間力の小さいことに関連して、表面エネルギーが小さいことは、複雑形状を有するようなDLC膜の表面処理においては特に重要になる。すなわち、複雑形状の狭い間隙や微細構造などにも容易に侵入するために、DLC膜表面の均一な膜面処理が可能になる。
更に、パーフルオロ化合物は、通常のハイドロカーボン系の有機溶媒と異なり、比重が大きく粉末状固体を簡単に浮揚させることが可能であることも、撹拌による粉末状固体粒子の分散を容易にする。本発明は、以上に述べたような知見を得て完成されたものであり、本発明の表面処理剤によれば、ほとんど全ての基材の表面に形成したDLC膜を容易に、かつ再現性良く、効率的にフッ素化表面処理を行うことが可能である。
本発明は、極安定パーフルオロアルキルラジカルをDLC膜の表面改質剤として使用することを特徴とするものである。更に詳しく言えば、本発明は、極安定パーフルオロアルキルラジカルを固体状物質の表面に作製したダイアモンド様カーボン膜(DLC膜)の表面フッ素コートを目的とした表面改質剤として利用することに関するものである。
ここでいう固体状物質としては、SUSを含めたあらゆる金属、合金、多層構造を持つ金属、セラミックスなどの無機系固体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの有機系の高分子材料、更に、無機・有機の複合材料に到るまで、あらゆる素材が含まれる。固体物質であれば、全て取り扱える点が、本発明の表面処理剤の特徴である。本発明で用いる極安定パーフルオロアルキルラジカルは、パーフルオロ系の物質であり、反応溶媒として用いる溶媒もパーフルオロ系溶媒であるが、これらのパーフルオロ系物質は、化学的に不活性であり、あらゆる固体状物質と相互作用を起こさないために、DLC膜を形成させる基材に関する制約が無くなる。
ここでいうDLC膜とは、従来のDLC膜作製方法(特開2001−156013及び特開2001−207259)で作製したDLC膜が例示されるが、これらに限定されるものでは無く、市販のDLC膜製造装置を用いて作製したものでも、あるいは、アンバランスド・マグネトロンスパッター法で作製したものでも良く、sp2カーボンとsp3カーボンの両者を主成分とするアモルファス構造を持ったカーボン膜全てを意味するものである。
極安定パーフルオロアルキルラジカルは、特許文献(特願2001−352474)に記載の物質だけでなく、文献(U.Gross et al. J. Fluorine Chem. 76, 139-144 (1996) )に記載されたものも含む。基本的には、室温で化学的にも物理的にも安定なパーフルオロアルキルラジカルで、温和な条件(室温−150℃)、望ましくは(室温−120℃)でパーフルオロアルキルラジカルを徐々に発生するものであれば良い。このような性質のパーフルオロアルキルラジカルとしては、好適には、例えば、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチル、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル、パーフルオロ−3−エチル−3,4−ジメチル−4−ヘキシルなどが挙げられるが、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチル及びパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチルが安価に高い収率で合成できることから工業的な価値が高く、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチルについては、リサイクル使用が可能であることから特に好ましい。
極安定パーフルオロアルキルラジカルは、そのまま溶媒で希釈することなしに気相系で反応する方法でも、あるいは溶媒で希釈して液相系で反応する方法でも、更には、気相液相の両相が存在する系で反応する方法でも使用が可能であるが、どの方法を用いるかは、DLC膜以外の基材の性質によって適宜選択する。例えば、基材が金属であれば、基材ごとDLC膜を加熱し、加熱されたDLC膜表面に極安定パーフルオロアルキルラジカルをそのまま無希釈で、又はパーフルオロ系溶媒で希釈したものを、直接又は霧状にして吹きつける方法で表面処理反応が行える。気相でDLC膜の表面処理を行うには、DLC膜を成形した基材を密閉容器に入れ脱気し、真空下で容器ごと適当な温度に加熱した後に、容器内に表面処理剤の極安定パーフルオロアルキルラジカルを導入するか、又は表面処理剤の極安定パーフルオロアルキルラジカルを導入してから容器に熱を加える、という方法がある。このとき、真空下でなくとも、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノンなどの不活性気体が存在する中で行うこともできる。
また、液相での表面処理は、表面処理剤である極安定パーフルオロアルキルラジカルをパーフルオロ系の溶媒に溶解又は分散して行う。すなわち、DLC膜を成形した基材を密閉容器に入れ、基材が全部液面に沈むように、又は、液面の上に出る形で、表面処理剤を溶解又は分散させたパーフルオロ系溶媒を加え、密閉容器内部を完全に脱気した状態で容器を密閉し、外部から加温することで表面処理反応を行い得る。より簡便な方法としては、パーフルオロ系溶媒として沸点が高いもの、例えば、市販されているEF−L102(沸点102℃)、FC−3283(沸点128℃)、EF−155(沸点155℃)、EF−L174(沸点174℃)、EF−L215(沸点215℃)などを用いることで、密閉系でなくとも還流条件下でも表面処理反応を行い得る。
パーフルオロ系溶媒は、いずれも市販されているか、工業的に利用されている一般的な化合物である。例えば、実施例で用いたFC−72(パーフルオロヘキサンを主成分とする)、FC43(パーフルオロ−トリ−n−ブチルアミン)、などは、工業的に生産されている。
極安定パーフルオロアルキルラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチルについては、文献(K. V. Scherer, T. Ono, K. Yamanouchi, R. Fernandez, P. Henderson, J. Am. Chem. Soc., 107, 718-719 (1985))に記載の方法を用い、ヘキサフルオロプロペン三量体のパーフルオロ−2,4―ジメチル−3−エチル−3−ペンテン及びパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−2−ペンテンの混合物を直接フッ素化することで、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチルについては、特許文献(小野他、特願2001−352474)に記載の方法でパーフルオロ−2,4―ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンテンを直接フッ素化することで、パーフルオロ−3−エチル−3,4−ジメチル−4−ヘキシルについては、文献(U. Gross et al. J. Fluorine Chem. 76, 139-144 (1996))に記載の方法でテトラフルオロエチレン五量体を直接フッ素化して合成することができる。
ヘキサフルオロプロペン三量体のパーフルオロ−2,4―ジメチル−3−エチル−3−ペンテン及びパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−2−ペンテンの混合物は、文献(W. Dmowski, W. T. Flowers, R. N. Haszeldine, J. Fluorine Chem., 9, 94-96 (1977) )に記載の方法で合成することができる。
SUS304(厚さ1mm)の表面へのDLC膜の成膜は、例えば、特許文献(特開2001−156013及び特開2001−207259)に記載のプラズマイオン注入法で500nmの厚さになるまで行う方法が例示される。
本発明により、(1)種々の固体表面に形成したDLC膜の表面を、その形状によらず、極めて簡単に、かつ再現性良くフッ素化処理することができる、(2)処理したいDLC膜の形状や複雑性に係わらず、均質に表面をフッ素化できる、(3)本発明による表面処理剤は、フッ素化処理のプロセス自体が安全で、再現性が高く、しかも処理剤がリサイクルできるため、ローエミッションで、環境への負荷が無い、(4)DLC膜のフッ素化処理による、新しい表面処理技術及び高機能化技術を提供できる、(5)膜形成のための複雑な装置や難しい実験条件の設定等を必要としない、(6)従来の有機溶媒を用いた産業が、グリーンケミストリーの観点から見直されるようになると、回収が容易で毒性、爆発性などの危険因子を回避できる媒体であるペルフルオロ化合物を溶媒として反応を行う本発明の工業的プロセスが期待される、という効果が奏される。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。例えば、実施例では、SUS304の板にDLC膜を形成したものを用いているが、DLC膜を形成させる基材の材質や形状に全く制限は無く、どのような基材や形状でも、本質的に、本発明の表面処理剤で、フッ素化表面処理が可能である。
(SUS304基板上に成膜したDLC膜のフッ素化)
パイレックス(登録商標)製のアンプル(20mmφ×100mm)に、DLC膜をその表面に成膜したSUS試料片(DLC膜厚500nm,SUS板の厚さ1mm,SUS板の大きさ8×8mm)、パーフルオロ系溶媒(FC−72、10ml)、極安定ラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル(0.6mmole)を入れた。アンプルの内部をfreeze−and−thawを三回繰り返し、アルゴンに置換した後に、真空下で熔封した。アンプルを100℃に加温した油浴に浸し、10分間加熱した。室温に戻したアンプルを開封し、SUS試料片を取り出し、表面の接触角を測定した。DLC膜表面の接触角は、2μlの蒸留水をDLC表面に載せて、4箇所測定した。以下の接触角の値が得られた。65.5,65.5,62.0,66.0°;平均値64.8°。
実施例1と同様の実験を加温時間30分で行った。以下の接触角の値が得られた。76.0,76.0,76.5,76.0°;平均値76.1°。
実施例1と同様の実験を加温時間1時間で行った。以下の接触角の値が得られた。77.0,78.0,75.0,77.0°;平均値76.8°。
実施例1と同様の実験を加温時間2時間で行った。以下の接触角の値が得られた。85.0,84.0,86.0,84.0°;平均値84.8°。
実施例1と同様の実験を加温時間3時間で行った。以下の接触角の値が得られた。91.0,87.5,92.0,88.0°;平均値89.6°。
パイレックス(登録商標)製のアンプル(20mmφ×100mm)に、DLC膜をその表面に成膜したSUS試料片(DLC膜厚500nm,SUS板の厚さ1mm,SUS板の大きさ8×8mm)、パーフルオロ系溶媒(FC−72、10ml)、極安定ラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル(0.12mmole)を入れた。アンプルの内部をfreeze−and−thawを三回繰り返し、アルゴンに置換した後に、真空下で熔封した。アンプルを110℃に加温した油浴に浸し、3時間加熱した。室温に戻したアンプルを開封し、SUS試料片を取り出し、表面の接触角を測定した。DLC膜表面の接触角は、2μlの蒸留水をDLC表面に載せて、4箇所測定した。以下の接触角の値が得られた。79.0,79.0,80.5,79.0°;平均値79.4°。
実施例6と同様の実験を極安定ラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル(0.24mmole)を用いて行った。以下の接触角の値が得られた。85.0,84.5,84.5,84.5°;平均値84.6°。
実施例6と同様の実験を極安定ラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル(0.48mmole)を用いて行った。以下の接触角の値が得られた。87.0,86.5,87.0,86.5°;平均値86.8°。
実施例6と同様の実験を極安定ラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル(0.96mmole)を用いて行った。以下の接触角の値が得られた。89.3,88.0,90.5,89.5°;平均値89.3°。
実施例6−9に対する対照実験
実施例6の実験で極安定ラジカルのパーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチルを含まない対照実験を行った。以下の接触角の値が得られた。73.0,70.0,72.0,72.0°;平均値71.8°。
(実施例6でフッ素化処理したDLC膜表面のESCA測定)
実施例6の実験で得たSUS試料片表面のDLC膜表面のESCAスペクトルを図1に示した。688.5,532.7,285.0eVに、F1s,O1s,C1sに由来するピークが観察された。それぞれの面積から計算した比率は、3.56,14.95,81.49%であり、この条件では、ほとんどフッ素化は進行していないことがわかる。尚、極安定ラジカルの使用量、反応時間を増やすことによりフッ素化は進行した。
(実施例8でフッ素化処理したDLC膜表面のESCA測定)
実施例8の実験で得たSUS試料片表面のDLC膜表面のESCAスペクトルを図2に示した。688.5,532.7,285.0eVに、F1s,O1s,C1sに由来するピークが観察された。それぞれの面積から計算した比率は、20.60,10.40,68.99%であり、かなりフッ素化が進行していることが確認できた。同サンプルのDLC膜表面の水の接触角は、ほぼテフロン(登録商標)並の数値まで増大している事実と矛盾しない結果である。
以上詳述したように、本発明は、ダイアモンド様被覆物の表面処理剤に係るものであり、本発明によれば、種々の固体表面に形成したDLC膜の表面を、その形状によらず、極めて簡単に、かつ再現性良く、フッ素化処理できる。従来、固体表面のDLC膜表面の修飾は、情報産業の担い手である磁気記録媒体などのナノテクノロジーの先端的なものから、表面特性が重要な人工骨のような生体材料、果ては、パチンコの玉の表面処理まで、極めて多方面での利用があり、近年、DLCの持つ強靭性などの機械的な特性に加えて、撥水性や耐摩耗性、耐薬品性、低摩擦特性、非粘着性などの高機能化も同時に求められるような極めて多岐にわたる用途が広がっている中で、本発明の表面処理剤は、安定で、取り扱いが容易な極安定パーフルオロアルキルラジカルを、表面フッ素化処理剤として用い、気相や液相で処理することにより、処理したいDLC膜の形状や複雑性に係わらず、均質に表面をフッ素化できる。本発明の表面処理剤による表面処理のプロセスは、プロセス自体が安全で、再現性が高く、しかも処理剤がリサイクルできるために、ローエミッションで、環境への負荷が無い。このように、本発明は、環境に優しい理想的な技術であり、様々な産業応用が期待されるが、特に、これからの発展が見込まれるナノテク産業に与える波及効果は甚だ大きい。
SUS試料片表面のDLC膜表面のESCAスペクトルを示す。 SUS試料片表面のDLC膜表面のESCAスペクトルを示す。

Claims (3)

  1. 固体状物質とその表面に作製したダイアモンド様カーボン膜(DLC膜)からなるダイアモンド様被覆物の表面をフッ素コートするための表面処理剤であって、
    1)含フッ素アルキルラジカルを発生する極安定パーフルオロアルキルラジカルを有効成分とすること、2)上記ダイアモンド様被覆物の表面のダイアモンド様カーボン膜(DLC膜)と、反応性の高い反応活性種である含フッ素アルキルラジカルとの表面処理反応に基づくフッ素化によりフッ素コートする表面処理剤であること、3)上記DLC膜の形状や複雑性に係わらず均質に表面をフッ素化することができるこを特徴とする表面処理剤。
  2. 極安定パーフルオロアルキルラジカルとして、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−イソプロピル−3−ペンチル、パーフルオロ−2,4−ジメチル−3−エチル−3−ペンチル、又はパーフルオロ−3−エチル−3,4−ジメチル−4−ヘキシルを使用する、請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 請求項1又は2に記載の極安定パーフルオロアルキルラジカル表面処理剤により表面処理して、表面をフッ素コートしたことを特徴とするダイアモンド様被覆物。
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