JP5623578B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のエンジンに備えられる燃料噴射装置の噴射量を制御するための燃料噴射制御装置に関する。
特許文献1は、内燃機関の燃料系異常診断装置を開示している。この先行技術では、排ガスの空燃比を目標空燃比付近のフィードバック制御するためのフィードバック補正係数が求められる。また、目標空燃比からの実空燃比のずれ量を学習して学習補正係数が求められる。これらのフィードバック補正係数および学習補正係数を用いて要求燃料噴射量が算出される。学習補正係数は、バッテリでバックアップされたバックアップRAMに格納される。
特開2001−329894号公報
特許文献1には、学習補正量は、誤学習を防止するために、学習補正量の変化をフィードバック補正係数の変化と比較して、緩やかにすべきことが記載されている。
たとえば、学習速度を速くすると、学習値(上記学習補正量)がフィードバック補正係数に迅速に追従する反面、エンジン状態の短期的な変動や中期的な変動の影響を受けやすくなるため、必ずしも適切な燃料噴射制御を行うことができない。エンジン状態の短期的な変動の具体的な原因例は、加減速による一時的なリッチ/リーンの発生、燃料カットからの復帰時の一時的なリーンの発生、ガス欠によるリーンの発生などである。エンジン状態の中期的な変動の具体的な原因例の一つは、燃料の種類(ハイオクガソリン、レギュラーガソリン、粗悪燃料、アルコール燃料等)である。前回の運転時の値が引き継がれていく学習値には、これらの短期的および中期的な変動は反映すべきではない。したがって、エンジン状態の長期的な変動のみが反映されるように、学習速度が設定されることが好ましい。長期的な変動の原因例は、個体ばらつき、経年変化などであり、半ば恒久的な変動である。
しかし、特許文献1の構成において、エンジン状態の長期的な変動のみを学習値で吸収しようとすると、エンジン状態の短期的な変動のみならず、その中期的な変動への対処も、専らフィードバック補正係数に委ねられる。そのため、フィードバック制御が中断された状態では、燃料噴射量の制御は専ら長期的な変動にのみ対応した学習値によらなければならない。したがって、適切な燃料噴射量を設定できない。また、フィードバック制御中断からの復帰時には、中期的な変動および短期的な変動の両方が、フィードバック補正係数によって吸収されなければならない。そのため、追従性が充分でない。よって、燃費向上等の観点から、改善の余地がある。
そこで、この発明の目的は、燃料噴射量をより適切に制御することができる燃料噴射制御装置を提供することである。
この発明は、車両のエンジンに備えられる燃料噴射装置の燃料噴射量を制御するための燃料噴射制御装置であって、前記エンジンの排気が通る排気通路内の酸素濃度に応答する酸素センサと、前記酸素センサの出力に基づいて前記燃料噴射量を制御する噴射量制御手段とを含む燃料噴射制御装置を提供する。前記噴射量制御手段は、前記酸素センサの出力に基づいて噴射量補正値を求める噴射量補正値演算手段と、前記噴射量補正値に基づいて所定のショートタイム学習速度で更新されるショートタイム学習値を求めるショートタイム学習値演算手段と、前記ショートタイム学習値に基づいて、前記ショートタイム学習速度よりも低速なロングタイム学習速度で更新されるロングタイム学習値を求めるロングタイム学習値演算手段と、前記噴射量補正値、前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和をフィードバック補正量として演算するフィードバック補正量演算手段と、前記フィードバック補正量を用いて前記燃料噴射量の制御値を演算する噴射量制御値演算手段と、前記ロングタイム学習値を保持するロングタイム学習値保持手段とを含む。前記エンジンが始動されたときに、前記ロングタイム学習値演算手段は前記ロングタイム学習値保持手段から従前の前記ロングタイム学習値を読み出して使用する一方、前記ショートタイム学習値演算手段は従前の前記ショートタイム学習値を引き継ぐことなくショートタイム学習値の演算を新たに開始する。
この構成によれば、燃料噴射量の制御値を求めるためのフィードバック補正量は、噴射量補正値、ショートタイム学習値およびロングタイム学習値の和を用いて求められる。噴射量補正値は、排気通路内の酸素濃度に応答する酸素センサの出力に基づいて求められるので、エンジンの排気の状態に応じて速やかに変動する。ショートタイム学習値は、噴射量補正値に基づいてショートタイム学習速度で更新される。ロングタイム学習値は、ショートタイム学習値に基づいてロングタイム学習速度で更新される。ショートタイム学習速度は、ロングタイム学習速度よりも速い。すなわち、ショートタイム学習値は、ロングタイム学習値よりも速く変動する。
したがって、噴射量補正値は、ショートタイム学習速度に応じてショートタイム学習値へと徐々に移行していき、ショートタイム学習値はロングタイム学習速度に応じて徐々にロングタイム学習値へと移行していく。それによって、エンジン状態の長期的な変動の影響はロングタイム学習値によって吸収され、エンジン状態の中期的な変動の影響はショートタイム学習値によって吸収され、エンジン状態の短期的な変動の影響は噴射量補正値によって吸収されることになる。これにより、噴射量補正値の更新が一時的に中断されて噴射量補正値がリセットされても、ショートタイム学習値およびロングタイム学習値を用いることによって、エンジンの状態に応じた適切な燃料噴射量を設定できる。また、噴射量補正値の更新中断からの復帰時においても、噴射量補正値は短期的な変動の影響を吸収すればよいので、速やかに適切な燃料噴射量を設定できる。これによって、燃費を向上することができ、排気浄化用の触媒を備えたエンジンにおいては、排気の清浄度を高めることができる。
一方、エンジンの始動時には、前回運転時のロングタイム学習値が引き継がれるのに対して、ショートタイム学習値は前回運転時の値が引き継がれない。これにより、ショートタイム学習の影響が恒久化されないので、仮にその学習速度を比較的大きく設定したとしても、次回の運転に悪影響を及ぼすことがない。また、ショートタイム学習値を設けることによって、ロングタイム学習値の学習速度を充分に遅くすることができるから、中期的な変動がロングタイム学習値に及ぼす影響を低減できる。ロングタイム学習値が次回の運転に引き継がれることから、エンジンの始動時にも、酸素センサの出力を用いたフィードバック制御が開始される前から、適切な燃料噴射制御を実現できる。
この発明の一実施形態では、前記ショートタイム学習値演算手段は、前記噴射量補正値が零に近づくように前記ショートタイム学習値を更新し、前記ロングタイム学習値演算手段は、前記ショートタイム学習値を零に導くように前記ロングタイム学習値を更新する。
この構成により、噴射量補正値の変動はショートタイム学習値へと移行していき、ショートタイム学習値の変動はロングタイム学習値へと移行していく。それによって、学習が進むに従い、噴射量補正値が零に近づいていくので、噴射量補正値の更新が一時的に中断されて噴射量補正値がリセットされるオープンループ制御の状態においても、燃料噴射制御を適切に行える。
この発明の一実施形態では、前記噴射量制御手段は、所定の中断条件が成立すると、前記噴射量補正値演算手段の演算を中断して前記酸素センサの出力に基づくフィードバック制御を中断するフィードバック制御中断手段を含み、前記ショートタイム学習値演算手段は、前記フィードバック制御が中断されているときに、前記ショートタイム学習値を所定時間に渡って保持し、前記フィードバック制御が中断されている時間が前記所定時間に達すると、前記ショートタイム学習値を徐々に零に近づけ、前記フィードバック補正量演算手段は、前記フィードバック制御が中断されているときに、前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和を前記フィードバック補正量として演算する。
この構成により、所定の中断条件が成立すると、フィードバック制御が中断され、ショートタイム学習値およびロングタイム学習値の和をフィードバック補正量として用いて燃料噴射量の制御値を演算するオープンループ制御となる。ショートタイム学習値は、エンジン状態の中期的な変動を吸収した値であるので、ロングタイム学習値だけをオープンループ制御に用いる場合に比較して、適切な燃料噴射制御を行うことができる。また、オープンループ制御からフィードバック制御に復帰するときも、噴射量補正値はエンジン状態の短期的な変動の影響を吸収すればよいので、その絶対値は小さくてよい。したがって、フィードバック制御からの復帰時には、迅速に、適切な燃料噴射制御を実現できる。
上記中断条件の例は、前記排気通路に空気を導入するエアインダクション動作中であること、前記燃料噴射量を零にする燃料カット制御中であることなどである。排気通路に触媒(とくに三元触媒)が配置される場合には、排気通路に二次空気(エンジンの燃焼室を通っていない空気)を導入するエアインダクションによって排気通路内の酸素濃度を意図的に高めて、排気の浄化を図る場合がある。このときの酸素濃度は、エンジンに供給される混合気中の燃料比率を反映していないので、フィードバック制御を中断するのが適切である。また、燃料噴射量を零にする燃料カット中にフィードバック制御を中断することにより、燃料噴射再開時に燃料カットの影響が現れることを回避できる。
この発明の一実施形態では、前記ショートタイム学習値演算手段は、前記噴射量補正値の絶対値が所定の高速学習閾値よりも大きいときに、前記ショートタイム学習速度よりも高速な高速ショートタイム学習速度で前記ショートタイム学習値を更新する。この構成では、噴射量補正値の値が大きいときには、ショートタイム学習値の学習速度が高められる。それによって、噴射量補正値の絶対値を短い時間内に小さくできるので、噴射量補正値の更新が一時的に中断されて噴射量補正値がリセットされても、適切な燃料噴射制御を早期に実現できる。すなわち、噴射量補正値をショートタイム学習値に早く移行させることができるので、フィードバック制御中断時におけるオープンループ制御の際などに、適切な燃料噴射量を設定できる。
エンジン始動直後には、ショートタイム学習が新たに開始されるので、ショートタイム学習値は初期値となる。そのため、噴射量補正値の絶対値は、エンジンの中期的な変動の影響をも吸収するために大きな値となる。このような場合に、ショートタイム学習値が高速に更新される。それによって、速やかに適切な燃料噴射制御を行うことができる。
この発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置は、前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和の絶対値と所定の異常閾値とを比較して、前記エンジンの燃料供給系における異常の有無を判定する異常判定手段をさらに含む。
この構成によれば、ショートタイム学習値およびロングタイム学習値の和の絶対値を用いて燃料供給系の異常判定が行われる。それによって、中期的および長期的なエンジン状態の変動に基づいて、燃料供給系の異常を判定できる。一方、噴射量補正値を異常判定のために用いていないので、エンジン状態の短期的な変動の影響を排除しながら異常判定を行うことができるので、誤判定の確率を低減できる。
しかも、ショートタイム学習値の学習速度は比較的速いので、燃料供給系に異常が生じたときには、速やかに異常判定を行うことができる。また、ショートタイム学習値の学習速度が速いので、ロングタイム学習値の学習速度は充分に低速にしておくことができる。それによって、燃料噴射制御の安定性を損なうことなく、燃料供給系の異常判定を適切に行うことができる。また、ショートタイム学習値は、エンジンの始動時に前回値が引き継がれないので、仮に、一時的な事象のためにショートタイム学習値が大きくなったとしても、次回の運転時には引き継がれない。それによって、燃料供給系の異常判定および燃料噴射制御をいずれも適切に行うことができる。
この発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置は、所定のアイドル停止条件が充足されると前記エンジンを自動停止するアイドル停止手段と、前記アイドル停止手段によって前記エンジンが自動停止させられた自動停止状態のときに、所定の再始動条件が充足されると前記エンジンを再始動する再始動手段とをさらに含む。そして、前記再始動手段によって前記エンジンが再始動されたとき、前記ショートタイム学習値演算手段は従前の前記ショートタイム学習値を引き継ぐ。
この構成によれば、アイドル停止条件の充足によってエンジンが自動停止されることにより、燃費を向上できる。アイドル停止手段によってエンジンが自動停止したときには、燃料噴射制御には問題はないと考えられるから、従前のショートタイム学習値を引き続き用いても差し支えない。そこで、エンジン自動停止状態からのエンジン再始動時には、従前のショートタイム学習値が引き継がれる。それによって、エンジン再始動後の燃料噴射制御を適切に行える。一方、アイドル停止制御によってエンジンが自動停止したのではなく、燃料噴射制御等が妥当でないためにエンジンが停止してしまった場合には、従前のショートタイム学習値は、次回のエンジン始動時に引き継がれない。これにより、従前のショートタイム学習値を破棄して、新たに適切な学習を開始することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置が適用可能な車両の側面図である。 図2は、車両に備えられたエンジンに関連する構成を説明するための構成図である。 図3は、エンジンの制御に関連する機能的な構成を説明するためのブロック図である。 図4は、エンジンコントローラとしてのECUによる処理の概要を説明するためのフローチャートである。 図5は、噴射量補正値の演算処理を説明するためのフローチャートである。 図6は、噴射量補正値の変動例を説明するためのタイムチャートである。 図7は、ショートタイム学習値のための学習処理を説明するためのフローチャートである。 図8は、ロングタイム学習値のための学習処理を説明するためのフローチャートである。 図9は、この発明の他の実施形態に係る燃料噴射装置が適用された車両の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図10は、図9の実施形態におけるECUの処理の概要を説明するためのフローチャートである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置が適用可能な車両の側面図である。この実施形態に係る車両は、鞍乗り型車両の一例である自動二輪車1である。自動二輪車1の形式は図1に示された形式でなくてもよく、いわゆるスクータ型、モペット型、オフロード型、オンロード型等のいずれの型式の自動二輪車であってもよい。また、鞍乗り型車両の形態は、自動二輪車に限定される訳ではなく、ATV(All-Terrain Vehicle)等であってもよい。鞍乗り型車両とは、乗員が跨って乗車する形態の車両のことである。さらに、この実施形態の燃料噴射制御装置が適用可能な車両は鞍乗り型車両に限定される訳でもなく、車室を有する4輪車両等にも適用可能である。端的には、この実施形態に係る燃料噴射制御装置は、燃料噴射式エンジンを備える車両に広く適用することができる。
自動二輪車1は、燃料タンク2と、乗車シート3と、内燃機関であるエンジン4と、それらを支持する車体フレーム5とを備えている。乗員としてのライダーおよび同乗者は、鞍型の乗車シート3に跨がって着座する。車体フレーム5の前方にはヘッドパイプ6が設けられており、ヘッドパイプ6にはステアリングシャフト(図示せず)が支持されている。このステアリングシャフトの上部にハンドル12が固定されている。また、ステアリングシャフトの下部には、フロントフォーク7が設けられている。フロントフォーク7の下端部には、前輪8が回転自在に支持されている。車体フレーム5にはスイングアーム9が上下揺動自在に支持されている。スイングアーム9の後端部には後輪10が回転自在に支持されている。エンジン4の駆動力は後輪10に伝達されるようになっている。
ハンドル12の両端には、ライダーが左右の手でそれぞれ保持するための一対のグリップが設けられている。それらのうちの一方の(たとえば乗車シート3に着座したライダーから見て右側のグリップ)は、エンジン4の出力を調節するためのアクセルグリップ13である。アクセルグリップ13は、ハンドル12の一端に回動自在に結合されている。アクセルグリップ13は、アクセル操作部材の一例である。ハンドル12の前方には、表示パネル14が配置されている。表示パネル14は、たとえば、エンジン回転速度メータ、スピードメータ等のメータ類、各種インジケータ類を含む。
図2は、エンジン4に関連する構成を説明するための構成図である。エンジン4は、シリンダ21と、シリンダ21内を往復するピストン22と、クランク軸23と、ピストン22とクランク軸23とを連結するコンロッド24とを備えている。エンジン4は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、および排気行程からなるサイクルを繰り返す4ストローク式の単気筒エンジンである。ただし、エンジン4は単気筒エンジンに限らず、多気筒エンジンであってもよい。
エンジン4は、燃料を噴射する燃料噴射装置である燃料噴射弁25と、燃焼室26内の燃料に点火を行う点火装置27と、始動のためのスタータモータ28とを備えている。エンジン4には、クランク軸23の回転速度を検出する回転速度センサ31と、エンジン4の温度を検出する温度センサ32とが設けられている。クランク軸23の回転速度とは、クランク軸23の単位時間当たりの回転数のことである。以下では、クランク軸23の回転速度のことを単に「エンジン回転速度」という。温度センサ32は、エンジン4の一部(たとえば、シリンダ21)の温度を検出するセンサであってもよい。エンジン4が水冷式の場合には、温度センサ32は、冷却水の温度を検出する冷却水温センサであってもよい。すなわち、温度センサ32は、エンジン4の温度を直接検出するセンサであってもよく、冷却水等を介してエンジン4の温度を間接的に検出するセンサであってもよい。
エンジン4は、燃焼室26に空気を導入する吸気通路41と、吸気通路41と燃焼室26との間を開閉する吸気弁42と、燃焼室26内での燃焼によって生じる排気を排出する排気通路43と、燃焼室26と排気通路43との間を開閉する排気弁44とを備えている。この実施形態では、燃料噴射弁25は、吸気通路41内に燃料を噴射するように配置されている。ただし、燃料噴射弁25は、燃焼室26内に直接燃料を噴射するように構成されていてもよい。また、吸気通路41内および燃焼室26内に燃料を噴射する2種類の燃料噴射弁が備えられていてもよい。
排気通路43には、触媒45が設けられている。触媒45は、三元触媒コンバータであり、エンジン4の排気中に含まれる有害成分である炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)を同時に除去する。より具体的には、炭化水素および一酸化炭素を酸化して無害化し、窒素酸化物を還元して無害化する酸化・還元触媒である。高効率での酸化・還元のためには、エンジン4に供給される混合気中の空燃比が理論空燃比(ストイキ:stoichiometry)である必要がある。そのために、排気通路43に酸素センサ33が配置され、その出力信号に基づいて、燃料噴射量が制御される。酸素センサ33は、排気中に含まれる酸素濃度を検出する。言い換えると、酸素センサ33は、混合気中の空燃比が理論空燃比に対して燃料が過剰なリッチ領域にあるときはリッチ信号を出力し、空気が過剰なリーン領域にあるときはリーン信号を出力するセンサである。
排気通路43には、エアインダクションシステム(AIS)29が接続されている。エアインダクションシステム29は、暖機運転時のようにストイキよりもリッチで運転しているときに作動させられ、排気通路43において触媒45の上流側に二次空気を導入する二次空気導入装置である。二次空気とは、燃焼室26を通っていない空気であり、酸素を多量に含んでいる。
燃料タンク2と燃料噴射弁25とは、燃料配管46によって接続されている。燃料タンク2の内部には、燃料配管46に向かって燃料を供給する燃料ポンプ47と、燃料タンク2内の燃料量を検出する燃料センサ34とが設けられている。燃料センサ34は、液面センサ等の周知のセンサであってもよい。燃料タンク2に入れられる燃料は、ガソリンであってもよいし、ガソリンおよびエタノールを混合した混合燃料であってもよい。燃料配管46の途中には、燃料の圧力をほぼ一定に保つための燃圧レギュレータ48が配置されている。燃料タンク2、燃料噴射弁25、燃料配管46、燃料ポンプ47および燃圧レギュレータ48などによって燃料供給系が構成されている。
吸気通路41には、吸気通路41の内部圧力である吸気管圧力を検出する圧力センサ35が設けられている。吸気通路41には、スロットルバルブ40が配置されている。スロットルバルブ40は、スロットルワイヤ49に結合されている。スロットルワイヤ49は、ハンドル12の一端に設けられたアクセルグリップ13に結合されている。したがって、ライダーがアクセルグリップ13を回動操作することによって、スロットルバルブ40の開度を調節でき、それによって、エンジン4の出力(エンジン回転速度)を調節できる。スロットルバルブ40には、スロットル開度センサ36が付設されている。スロットル開度センサ36は、スロットルバルブ40の位置を検出することにより、その開度を表す信号を出力する。
自動二輪車1は、エンジン4の制御を行うエンジンコントロールユニットとして、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)50を備えている。自動二輪車1は、さらに、バッテリ15と、メインスイッチ16とを備えている。使用者によりメインスイッチ16がONされると、バッテリ15とECU50との間が通電状態となり、ECU50に電力が供給される。ECU50は、各種演算を実行する演算部51と、後述する制御を行うための制御プログラムや各種情報を記憶する記憶部52とを有している。演算部51はCPUを含み、記憶部52はROMおよびRAMを含む。この実施形態では、記憶部52は、メインスイッチ16の遮断によって記憶内容が失われる揮発性メモリ52Vと、メインスイッチ16の遮断時にも記憶内容が保持される書き込み可能な不揮発性メモリ52Nとを含む。
図3は、エンジン4の制御に関連する機能的な構成を説明するためのブロック図である。ECU50には前述のセンサ類が接続され、各センサからECU50に対して検出信号が入力されるようになっている。具体的には、ECU50には、回転速度センサ31、温度センサ32、酸素センサ33、燃料センサ34、圧力センサ35、スロットル開度センサ36が接続されている。ECU50は、これらのセンサ類の検出値等に基づき、エンジン4を制御する。
演算部51は、記憶部52に格納された動作プログラムを実行することによって、実質的に、複数の機能処理ユニットとしての働きを有する。複数の機能処理ユニットは、点火制御部61、噴射量制御部62、異常判定部63、および通知制御部64を含む。
点火制御部61は、点火装置27を制御する。噴射量制御部62は、燃料噴射弁25を制御し、燃料噴射タイミングおよび燃料噴射量を制御する。必要に応じて、噴射量制御部62は、燃料噴射量を通常時よりも加減したり、燃料噴射をカットしたりする。たとえば、エンジン4の暖機完了まで(冷機時)には、燃料噴射量を通常時よりも多くする。また、加速時においても、燃料噴射量を多くして、エンジン4の出力を増大させる。また、減速時には、燃料噴射をカットする。このように、通常時とは異なる燃料噴射制御が行われるときには、酸素センサ33の出力信号に基づく燃料噴射量のフィードバック制御が中断される。異常判定部63は、燃料供給系の異常の有無を判定する異常判定処理を実行する。通知制御部64は、異常判定部63が燃料供給系に異常が発生したと判定すると、ライダーにそのことを通知するための制御等を実行する。より具体的には、表示パネル14内に配置されたインジケータ14aを点灯させる。表示パネル14外のインジケータを用いて同様の警告を行ってもよい。
噴射量制御部62は、フィードフォワード噴射量演算部60と、フィードバック補正量演算部65と、噴射量制御値演算部69と、フィードバック制御中断部70とを含む。噴射量制御部62は、センサ類の出力に基づいて燃料噴射弁25からの一回当たりの燃料噴射量を制御する。より具体的には、噴射量制御部62は、燃料噴射時間を制御する。
フィードフォワード噴射量演算部60は、酸素センサ33の出力信号のフィードバックによることなく求められる制御値として、フィードフォワード噴射量を演算する。フィードバック補正量演算部65は、酸素センサ33の出力信号に基づいて燃料噴射量を補正するためのフィードバック補正量を演算する。
たとえば、フィードフォワード噴射量演算部60は、回転速度センサ31、温度センサ32、圧力センサ35、スロットル開度センサ36等の出力信号に基づいて、フィードフォワード噴射量を演算する。具体的には、フィードフォワード噴射量演算部60は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対して吸入空気量を対応付けたマップ、または吸気圧およびエンジン回転速度に対して吸入空気量を対応付けたマップを用いて、吸入空気量を求める。さらに、フィードフォワード噴射量演算部60は、その吸入空気量に対して目標空燃比を達成できる基本噴射量を決定する。この基本噴射量は、外気が常温の1気圧の状態での暖機後のエンジンに適合されている。そこで、フィードフォワード噴射量演算部60は、エンジン温度、外気温度、外気圧等に基づいて基本噴射量を補正する。さらに、フィードフォワード噴射量演算部60は、加減速時の過渡特性に応じた補正を行う。こうして、基本噴射量を補正したフィードフォワード噴射量が求まる。
フィードバック補正量演算部65は、酸素センサ33の出力信号を用いて、フィードフォワード噴射量を補正するためのフィードバック補正量を求める。具体的には、フィードバック補正量演算部65は、噴射量補正値演算部66と、ショートタイム学習値演算部67と、ロングタイム学習値演算部68と、加算部71とを含む。
噴射量補正値演算部66は、酸素センサ33の出力に基づいて噴射量補正値を求める。より具体的には、酸素センサ33の出力がリーン信号であれば、次回の燃料噴射量(より具体的には燃料噴射時間)が増えるように噴射量補正値を求める。さらに具体的には、酸素センサ33の出力がリーン信号のときは、噴射量補正値演算部66は、一定変量である補正変量だけ噴射量補正値を増加させる。一方、酸素センサ33の出力がリッチ信号であれば、次回の燃料噴射量(より具体的には燃料噴射時間)が減るように噴射量補正値を求める。さらに具体的には、酸素センサ33の出力がリッチ信号のときは、噴射量補正値演算部66は、前記補正変量だけ噴射量補正値を減少させる。また、酸素センサ33の出力がリーン信号からリッチ信号に転じた直後は、噴射量補正値演算部66は、前記補正変量よりも大きなスキップ変量だけ噴射量補正値を減少させる。同様に、酸素センサ33の出力がリッチ信号からリーン信号に転じた直後は、噴射量補正値演算部66は、前記スキップ変量だけ噴射量補正値を増加させる。
ショートタイム学習値演算部67は、噴射量補正値演算部66によって求められる噴射量補正値に基づいて、ショートタイム学習値を求める。ショートタイム学習値演算部67は、所定の更新周期(たとえば1秒)ごとに、前記補正変量よりも小さな一定変量であるショートタイム学習更新量ずつショートタイム学習値を更新する学習演算を実行する。具体的には、ショートタイム学習値演算部67は、酸素センサ33の出力がリーン信号とリッチ信号との間で反転した直後、すなわち、スキップ直後における噴射量補正値を用いる。より具体的には、時間的に隣接する2回のスキップの各直後の噴射量補正値の相加平均値を求める。この相加平均値は、排気通路43における酸素濃度をストイキ(リッチでもリーンでもない)付近にできる噴射量補正値に対応している。ショートタイム学習値演算部67は、その相加平均値の符号に応じて、ショートタイム学習更新量だけショートタイム学習値を増減させる。これにより、ショートタイム学習値は、噴射量補正値が零に近づくように変化していく。噴射量補正値が、酸素センサ33の出力に迅速に応答するのに対して、ショートタイム学習値の学習速度は噴射量補正値の変化よりも緩慢である。
この実施形態では、ショートタイム学習更新量は、噴射量補正値の絶対値の大きさに応じて、通常更新量と高速更新量との2種類に切り換えられる。具体的には、ショートタイム学習値演算部67は、噴射量補正値の絶対値が所定の高速学習閾値以下のときには通常更新量をショートタイム学習更新量に設定する。一方、噴射量補正値の絶対値が前記高速学習閾値を超えているときには、ショートタイム学習値演算部67は、通常更新量よりも大きな高速更新量をショートタイム学習更新量に設定する。これにより、噴射量補正値が大きいときには、ショートタイム学習更新量の変化速度、すなわち学習速度が速くなり、高速学習が実行される。
ロングタイム学習値演算部68は、ショートタイム学習値演算部67が求めるショートタイム学習値に基づいて、ショートタイム学習速度よりも低速なロングタイム学習速度で更新されるロングタイム学習値を求める。ロングタイム学習値演算部68は、所定の更新周期(たとえば3秒)ごとに、ショートタイム学習更新量よりも小さい一定変量であるロングタイム学習更新量だけロングタイム学習値を更新する。より具体的には、ロングタイム学習値演算部68は、現在のショートタイム学習値の符号に応じて、ロングタイム学習更新量だけロングタイム学習値を更新する。それによって、ロングタイム学習値は、ショートタイム学習値を徐々に零に近づけるように変化する。ロングタイム学習更新量はショートタイム学習更新量よりも小さい値であるので、それら更新周期が等しくても、ロングタイム学習値の学習速度はショートタイム学習値の学習速度よりも低速になる。
加算部71は、噴射量補正値演算部66が演算する噴射量補正値、ショートタイム学習値演算部67が演算するショートタイム学習値、およびロングタイム学習値演算68が演算するロングタイム学習値を加算して、フィードバック補正量を求める。
噴射量制御値演算部69は、下記式(A)のとおり、フィードフォワード噴射量演算部60が求めるフィードフォワード噴射量と、フィードバック補正量演算部65が求めるフィードバック補正量との和を、燃料噴射量の制御値として求める。フィードバック補正量は、前述のとおり、前記噴射量補正値、前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和である。こうして求められた燃料噴射量の制御値を用いて、燃料噴射弁25の燃料噴射量(燃料噴射時間)が求められる。この燃料噴射時間に基づいて、噴射量制御部62は、燃料噴射弁25の動作を制御する。
制御値=フィードフォワード噴射量+フィードバック補正量
=フィードフォワード噴射量
+噴射量補正値+ショートタイム学習値+ロングタイム学習値 …(A)
学習演算が進むに従って、噴射量補正値はショートタイム学習値へと移行していき、ショートタイム学習値はロングタイム学習値へと移行していく。それにより、噴射量補正値が零に近づいていき、安定した燃料噴射制御ができる状態へと導かれる。
噴射量補正値演算部66は、求めた噴射量補正値を揮発性メモリ52Vに格納する。また、ショートタイム学習値演算部67は、求めたショートタイム学習値を揮発性メモリ52Vに格納する。さらに、ロングタイム学習値演算部68は、求めたロングタイム学習値を不揮発性メモリ52Nに格納する。すなわち、この実施形態では、不揮発性メモリ52Nは、ロングタイム学習値保持手段である。メインスイッチ16が遮断されてECU50の電源が失われると、揮発性メモリ52Vに格納されている噴射量補正値およびショートタイム学習値は消滅し、ロングタイム学習値は不揮発性メモリ52N内に保持される。よって、次にメインスイッチ16が投入されてECU50の演算が開始されると、噴射量補正値およびショートタイム学習値は、それぞれの初期値から演算が開始される。ロングタイム学習値に関しては、不揮発性メモリ52Nに保持された従前の学習値を引き継いで、その学習演算が開始される。
フィードバック制御中断部70は、所定の中断条件が満たされると、噴射量補正値演算部66による噴射量補正値の演算を停止させ、噴射量補正値を零にリセットする。これにより、酸素センサ33の出力をフィードバックして燃料噴射量を制御するフィードバック制御が中断される。前記中断条件とは、この実施形態では、次の条件a,bを含む。
a:排気通路43に空気を導入するエアインダクションシステム29の動作中である。
b:燃料噴射量を零にする燃料カット制御中である。
条件a,bのいずれか充足されると、酸素センサ33の出力を用いたフィードバック制御が中断される。エアインダクションシステム29の作動中は、二次空気が排気通路43に導入される。二次空気は、燃焼室26を通っていない空気であり、酸素を多量に含んでいる。したがって、エアインダクションシステム29の作動中は、酸素センサ33が検出する酸素濃度は、燃焼室26に供給される混合気中の燃料比率とは無関係になる。そのため、エアインダクションシステム29の作動中に酸素センサ33の出力信号をフィードバックすると、噴射量補正値が適切な値にならない。また、減速のためにスロットル全閉となったときなどに実行される燃料カット制御中にも、酸素センサ33の出力は混合気中の燃料比率に対応しないので、やはりフィードバック制御を実行すべきではない。中断条件は、そのほかにも、理論空燃比(ストイキ)以外の空燃比で運転したい場合などを含んでいてもよい。
異常判定部63は、燃料供給系の異常の有無を判定する。具体的には、異常判定部63は、下記式(B)のとおり、ショートタイム学習値およびロングタイム学習値の和の絶対値を判定値として演算する。
判定値=|ショートタイム学習値+ロングタイム学習値| …(B)
異常判定部63は、前記判定値が異常閾値を超えると、燃料供給系に異常が発生したと判定し、前記判定値が異常閾値以下であれば、燃料供給系の異常はないと判定する。燃料供給系に異常が生じると、燃料の供給が適切に行われないので、排気通路43で検出されるリーン状態またはリッチ状態が解消されなくなり、噴射量補正値は絶対値の大きな値をとり続ける。それに応じて、ショートタイム学習値が大きな絶対値をとるようになり、さらにはロングタイム学習値も大きな絶対値をとるようになる。それによって、判定値が異常閾値を超えて、燃料供給系の異常判定に至る。加速時や減速時において噴射量補正値が一時的に大きな値をとっても、ショートタイム学習値またはロングタイム学習値に直ちに影響することはない。そのため、エンジン状態の短期的な変動による影響を排除して、燃料供給系の異常判定を適切に行える。
燃料供給系の異常の例は、燃料配管46の異常、燃料ポンプ47の異常、燃圧レギュレータ48の異常、燃料噴射弁25の異常などである。いずれの異常も上記判定値を監視することによって検出できる。
異常判定部63は、燃料供給系に異常が生じていると判定すると、異常判定通知を通知制御部64に与える。これを受けて、通知制御部64は、ライダーに異常を通知するための制御を実行する。具体的には、表示パネル14に備えられたインジケータ14aを点灯させて、ライダーに異常発生を通知する。
図4は、ECU50による処理の概要を説明するためのフローチャートである。メインスイッチ16が導通されてECU50に電力が供給されると、噴射量補正値Cおよびショートタイム学習値Sがそれぞれ初期値(たとえば零)に初期化される(ステップS1,S2)。その一方で、ロングタイム学習値Lには、不揮発性メモリ52Nに格納されている値がロードされる(ステップS3)。この値は、前回の運転時におけるロングタイム学習値Lの演算結果である。すなわち、ショートタイム学習値Sに関しては前回運転時の学習結果が引き継がれないのに対して、ロングタイム学習値Lに関しては前回運転時の学習結果を引き継いでその学習演算が開始される。
ライダーによってエンジン4の始動操作が行われてエンジン4が始動すると(ステップS4)、ECU50は、フィードフォワード噴射量を演算し(ステップS5)、さらに中断条件が満たされているかどうかを判断する(ステップS6)。始動操作とは、スタータモータ28を作動させるためのスタータースイッチの操作、キックスターターレバーの操作などである。中断条件は、前述のとおりであり、酸素センサ33の出力信号をフィードバックして燃料噴射量を制御するフィードバック制御を中断すべき条件である。
中断条件が不成立なら(ステップS6:NO)、ECU50は、噴射量補正値C、ショートタイム学習値S、ロングタイム学習値Lをそれぞれ演算する(ステップS7,S8,S9)。中断条件が成立する場合には(ステップS6:YES)、ECU50は、噴射量補正値Cに零を代入して従前の噴射量補正値Cを無効化し(ステップS10)、かつ噴射量補正値Cの演算(ステップS7)を省いて、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lを演算する(ステップS8,S9)。
そして、ECU50は、フィードフォワード噴射量(FF)、噴射量補正値C、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和を求め、それを燃料噴射量のための制御値とする(ステップS11)。中断条件が成立するときには、噴射量補正値Cが零になるので、フィードバック補正量は、実質的にショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和となる。したがって、制御値は、実質的に、フィードフォワード噴射量(FF)、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和となる。こうして求められた制御値を用いて、ECU50は、燃料噴射弁25の噴射時間(すなわち燃料噴射量)を制御する(ステップS12)。
ECU50は、さらに、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和の絶対値を求めて、燃料供給系異常判定のための判定値とする。ECU50は、その判定値を異常閾値THと大小比較する(ステップS13)。判定値が異常閾値THを超えているときには(ステップS13:YES)、ECU50は、インジケータ14aを点灯させ、ライダーに対して警告を発生する(ステップS14)。判定値が異常閾値TH以下であれば(ステップS13:NO)、ステップS14が省かれ、インジケータ14aは消灯状態に保持される。
ECU50は、さらに、エンジンストールが生じたかどうかを判断する(ステップS15)。エンジンストールが生じたときには(ステップS15:YES)、燃料噴射量が一時的に不適切な値となった可能性があるので、ECU50は、噴射量補正値Cおよびショートタイム学習値Sを零に初期化する(ステップS16,S17)。ロングタイム学習値Lは、短期的な影響をほとんど受けないので、エンジンストールの際にも値が保持される。
ECU50は、メインスイッチ16が遮断されたかどうかを判断し(ステップS18)、メインスイッチ16が遮断されれば(ステップS18:YES)、所定の終了処理を実行して電源を遮断する。メインスイッチ16が遮断されず、電力の供給が継続していれば(ステップS18:NO)、所定の制御周期(たとえば0.5秒)毎に(ステップS19)、ステップS5からの処理を繰り返し実行する。エンジンストールの後は、エンジン4の始動(ステップS4)を経て、ステップS5からの処理が制御周期ごとに繰り返される。
図5は、噴射量補正値Cの演算処理(噴射量補正値演算部66の演算動作)を説明するためのフローチャートである。噴射量補正値演算部66は、酸素センサ33の出力がリッチ信号かリーン信号かを判定する(ステップS31)。
リッチ信号のときは、噴射量補正値演算部66は、酸素センサ33の出力がリッチ信号となってから最初の制御周期かどうかを判断する(ステップS32)。最初の制御周期であれば(ステップS32:YES)、次式(1)に示すように、今回の制御周期n(nは自然数)の噴射量補正値C(n)に対して、前回の制御周期n−1の噴射量補正値C(n-1)からスキップ変量Δs(ただし、Δs>0)を減じた値が代入される(ステップS33)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、噴射量補正値C(1),C(0)がいずれも零であるので、C(1)=−Δsとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、噴射量補正値C(1)=0としてもよい。
C(n)=C(n-1)−Δs …(1)
酸素センサ33の出力がリッチ信号となってから2回目以降の制御周期であれば(ステップS32:NO)、次式(2)に示すように、今回の制御周期nの噴射量補正値C(n)に対して、前回の制御周期n−1の噴射量補正値C(n-1)から一定の補正変量Δ(ただし、0<Δ<Δs)を減じた値が代入される(ステップS34)。
C(n)=C(n-1)−Δ …(2)
一方、酸素センサ33の出力がリーン信号であるときは(ステップS31)、噴射量補正値演算部66は、酸素センサ33の出力がリーン信号となってから最初の制御周期かどうかを判断する(ステップS35)。最初の制御周期であれば(ステップS35:YES)、次式(3)に示すように、今回の制御周期nの噴射量補正値C(n)に対して、前回の制御周期n−1の噴射量補正値C(n-1)にスキップ変量Δsを加えた値が代入される(ステップS36)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、噴射量補正値C(1),C(0)がいずれも零であるので、C(1)=+Δsとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、噴射量補正値C(1)=0としてもよい。
C(n)=C(n-1)+Δs …(3)
酸素センサ33の出力がリーン信号となってから2回目以降の制御周期であれば(ステップS35:NO)、次式(4)に示すように、今回の制御周期nの噴射量補正値C(n)に対して、前回の制御周期n−1の噴射量補正値C(n-1)に一定の補正変量Δを加えた値が代入される(ステップS37)。
C(n)=C(n-1)+Δ …(4)
こうして、制御周期毎に、補正変量Δまたはスキップ変量Δsだけ変動するように噴射量補正値Cが求められる。求められた補正値Cは、揮発性メモリ52Vに書き込まれる(ステップS38)。したがって、噴射量補正値Cは、メインスイッチ16が遮断されてECU50への電力供給が停止されると、その値が失われる。
図6は、噴射量補正値Cの変動例を説明するためのタイムチャートである。酸素センサ33の出力がリーン信号である期間には、噴射量補正値Cは、制御周期毎に補正変量Δずつ増加していく。これによって、燃焼室26に供給される混合気中の燃料比率が高まるので、酸素センサ33の出力はやがてリッチ信号に反転する。すると、噴射量補正値Cはスキップ変量Δsだけ減少させられる(スキップ)。酸素センサ33の出力がリッチ信号である期間には、噴射量補正値Cは、制御周期毎に補正変量Δずつ減少していく。これによって、燃焼室26に供給される混合気中の燃料比率が低くなっていくので、酸素センサ33の出力はやがてリーン信号に反転する。すると、噴射量補正値Cはスキップ変量Δsだけ増加させられる(スキップ)。
図7は、ショートタイム学習値Sのための学習処理(ショートタイム学習値演算部67の演算動作)を説明するためのフローチャートである。ショートタイム学習値演算部67は、酸素センサ33の出力を用いた燃料噴射量のフィードバック制御、すなわち噴射量補正値Cの更新が中断しているかどうかを判断する(ステップS41)。フィードバック制御が中断していなければ(ステップS41:NO)、ショートタイム学習値演算部67は、さらに、噴射量補正値Cの絶対値が高速学習閾値(>0)を超えているかどうかを判断する(ステップS42)。
噴射量補正値Cの絶対値が高速学習閾値を超えているときには(ステップS42:YES)、ショートタイム学習値演算部67は、噴射量補正値Cの符号に応じて、ショートタイム学習値Sを更新する。具体的には、噴射量補正値Cが正ならば(ステップS43:YES)、次式(5)に示すように、今制御周期nのショートタイム学習値S(n)に対して、前制御周期n−1のショートタイム学習値S(n-1)に高速学習更新量SHU(ただし、SHU>0)を加算した値が代入される(ステップS44)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、ショートタイム学習値S(1),S(0)がいずれも零であるので、S(1)=+SHUとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、ショートタイム学習値S(1)=0としてもよい。
S(n)=S(n-1)+SHU …(5)
噴射量補正値Cが負の値ならば(ステップS45:YES)、次式(6)に示すように、今制御周期nのショートタイム学習値S(n)に対して、前制御周期n−1のショートタイム学習値S(n-1)から高速学習更新量SHUを減算した値が代入される(ステップS46)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、ショートタイム学習値S(1),S(0)がいずれも零であるので、S(1)=−SHUとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、ショートタイム学習値S(1)=0としてもよい。
S(n)=S(n-1)−SHU …(6)
噴射量補正値Cが零であれば(ステップS43,S45でいずれもNO)、今制御周期nのショートタイム学習値S(n)に前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)が代入され(ステップS47)、従前のショートタイム学習値が維持される。
高速学習更新量SHUは比較的大きな正の値に設定されている。そのため、酸素センサ33のフィードバックによって絶対値が大きな噴射量補正値Cが設定されているときには、ショートタイム学習値Sの学習速度を速めることができる。それによって、噴射量補正値Cの絶対値を速やかに減少させることができる。
噴射量補正値Cが高速学習閾値以下のときには(ステップS42:NO)、ショートタイム学習値演算部67は、直前の2回のスキップ直後の噴射量補正値Cの相加平均値AVの符号に応じて、ショートタイム学習値Sを更新する。より具体的には、ショートタイム学習値演算部67は、スキップが生じると、そのスキップ後の噴射量補正値Cと、その一回前のスキップ後の噴射量補正値Cとの相加平均値AVを求める(図6参照)。この2回のスキップの間に、排気通路43内の酸素濃度を目標値にすることができる制御値(適値)が存在する。したがって、相加平均値AVを用いることによって、噴射量補正値Cが零に近づくように、ショートタイム学習値Sを更新することができる。具体的には、相加平均値AVが正ならば(ステップS48:YES)、次式(7)に示すように、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に対して、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)にショートタイム学習更新量SUを加算した値が代入される(ステップS49)。ただし、0<SU<SHUである。また、SU<Δ(噴射量補正値の補正変量)である。エンジン4が始動された直後の制御周期では、ショートタイム学習値S(1),S(0)がいずれも零であるので、S(1)=+SUとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、ショートタイム学習値S(1)=0としてもよい。
S(n)=S(n-1)+SU …(7)
一方、相加平均値AVが負ならば(ステップS50:YES)、次式(8)に示すように、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に対して、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)からショートタイム学習更新量SUを減算した値が代入される(ステップS51)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、ショートタイム学習値S(1),S(0)がいずれも零であるので、S(1)=−SUとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、ショートタイム学習値S(1)=0としてもよい。
S(n)=S(n-1)−SU (8)
相加平均値AVが零であれば(ステップS48,S50でいずれもNO)、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)が代入され(ステップS52)、従前のショートタイム学習値が維持される。
一方、フィードバック制御が中断しているときには(ステップS41:YES)、ショートタイム学習値演算部67は、フィードバック制御中断からの経過時間が所定の保持時間(たとえば300秒程度)未満かどうかを判断する(ステップS53)。経過時間が保持時間未満であれば(ステップS53:YES)、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)が代入され(ステップS54)、従前のショートタイム学習値Sが維持される。
経過時間が保持時間以上になると(ステップS53:NO)、ショートタイム学習値演算部67は、ショートタイム学習値Sの絶対値を減衰量A(ただし、A>0)ずつ減じる処理を実行する。
具体的には、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)が正であれば(ステップS55)、ショートタイム学習値演算部67は、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)から減衰量Aを減じた値を代入する(ステップS56)。一方、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)が負であれば(ステップS57)、ショートタイム学習値演算部67は、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)に減衰量Aを加えた値を代入する(ステップS58)。前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)が零であれば(ステップS54,S56でいずれもNO)、ショートタイム学習値演算部67は、今制御周期のショートタイム学習値S(n)に、前制御周期のショートタイム学習値S(n-1)(=0)を代入する(ステップS54)。
こうして求められたショートタイム学習値S(n)は、揮発性メモリ52Vに格納される(ステップS59)。したがって、ショートタイム学習値S(n)は、メインスイッチ16が遮断されてECU50への電力供給が停止されると、その値が失われる。
このように、ショートタイム学習値Sは、噴射量補正値Cを零に導くように更新されていくので、学習が進むに従って、噴射量補正値Cがショートタイム学習値Sへと移行していく。また、フィードバック制御が中断している間は、所定の保持時間は従前のショートタイム学習値Sが保持され、その後にショートタイム学習値Sが減衰していく。それによって、短時間のフィードバック制御中断のときには、ショートタイム学習値Sを維持できるので、フィードバック制御中断からの復帰時に適切な燃料噴射制御を再開できる。また、所定の保持時間を超えてフィードバック制御が中断するときには、ショートタイム学習値が徐々に減衰していくので、中断時間に応じた割合でショートタイム学習値を保持できる。したがって、フィードバック制御中断からの復帰時に、妥当な割合でショートタイム学習値を燃料噴射制御に反映することができる。
図8は、ロングタイム学習値Lのための学習処理(ロングタイム学習値演算部68の演算動作)を説明するためのフローチャートである。ロングタイム学習値演算部68は、ショートタイム学習値Sの符号に応じて、ロングタイム学習値Lを更新する。具体的には、ショートタイム学習値Sが正の値ならば(ステップS61:YES)、次式(9)に示すように、今制御周期のロングタイム学習値L(n)に対して、前制御周期のロングタイム学習値L(n-1)にロングタイム学習更新量LU(ただし、0<LU<SU)を加算した値が代入される(ステップS62)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、ロングタイム学習値L(0)として不揮発性メモリ52Nから前回運転時の値がロードされるので、L(1)=(前回運転時の値)+LUとなる。ただし、エンジン始動直後には次式を適用せずに、ロングタイム学習値L(1)=L(0)=(前回運転時の値)としてもよい。
L(n)=L(n-1)+LU …(9)
一方、ショートタイム学習値Sが負の値ならば(ステップS63:YES)、次式(10)に示すように、今制御周期のロングタイム学習値L(n)に対して、前制御周期のロングタイム学習値L(n-1)からロングタイム学習更新量LUを減算した値が代入される(ステップS64)。エンジン4が始動された直後の制御周期では、ロングタイム学習値L(0)として不揮発性メモリ52Nから前回運転時の値がロードされるので、L(1)=(前回運転時の値)−LUとなる。ただし、エンジン始動直後には、次式を適用せずに、ロングタイム学習値L(1)=L(0)=(前回運転時の値)としてもよい。
L(n)=L(n-1)−LU …(10)
ショートタイム学習値Sが零であれば(ステップS61,S63でいずれもNO)、今制御周期nのロングタイム学習値L(n)に前制御周期のロングタイム学習値L(n-1)が代入され(ステップS65)、従前のロングタイム学習値が維持される。エンジン始動直後であれば、前回運転時のロングタイム学習値がそのまま用いられる。
こうして求められたロングタイム学習値L(n)は、不揮発性メモリ52Nに格納される。したがって、ロングタイム学習値L(n)は、メインスイッチ16が遮断されてECU50への電力供給が停止されても、その値が保持され、次回のエンジン4の始動時に学習に引き継がれる。
なお、ロングタイム学習値Lを揮発性メモリ52Vに格納しながら、ロングタイム学習値Lの学習演算を行ってもよい。そして、メインスイッチ16が遮断されたことに応答して、ECU50が不揮発性メモリ52Nにロングタイム学習値Lを書き込んでもよい。より具体的には、メインスイッチ16に並列にリレーを設けて、このリレーをECU50によって制御すればよい。これにより、メインスイッチ16が遮断されても、ECU50は電源を自己保持できる。そこで、メインスイッチ16が遮断されたことに応答して、ECU50は、電源を自己保持しながら、ロングタイム学習値Lを不揮発性メモリ52Nに書き込み、その後に、リレーを遮断すればよい。噴射量補正値Cおよびショートタイム学習値Sについては、不揮発性メモリ52Nへの書き込みを要しない。
以上のように、この実施形態の構成によれば、燃料噴射量の制御値は、フィードフォワード噴射量およびフィードバック補正量の和であり、フィードバック補正量は、噴射量補正値C、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和によって求められる。噴射量補正値Cは、排気通路43内の酸素濃度に応答する酸素センサ33の出力に基づいて求められるので、エンジン4の排気の状態に応じて速やかに変動する。ショートタイム学習値Sは、噴射量補正値Cに基づいてショートタイム学習速度で更新される。ショートタイム学習速度は、具体的には、ショートタイム学習値Sが更新される周期とショートタイム学習更新量SUとの積で定義される。ロングタイム学習値Lは、ショートタイム学習値Sに基づいてロングタイム学習速度で更新される。ロングタイム学習速度は、具体的には、ロングタイム学習値Lが更新される周期とロングタイム学習更新量LUとの積で定義される。ショートタイム学習速度は、ロングタイム学習速度よりも速い。すなわち、ショートタイム学習値Sは、ロングタイム学習値Lよりも速く変動する。
したがって、噴射量補正値Cは、ショートタイム学習速度に応じてショートタイム学習値Sへと徐々に移行していき、ショートタイム学習値Sはロングタイム学習速度に応じてロングタイム学習値Lへと徐々に移行していく。それによって、エンジン状態の長期的な変動の影響はロングタイム学習値Lによって吸収され、エンジン状態の中期的な変動の影響はショートタイム学習値Sによって吸収され、エンジン状態の短期的な変動の影響は噴射量補正値Cによって吸収されることになる。
これにより、噴射量補正値Cの更新が一時的に中断されても、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lを用いることによって、エンジン4の状態に応じた適切な燃料噴射量を設定できる。また、噴射量補正値Cの更新中断からの復帰時においても、噴射量補正値Cは短期的な変動の影響を吸収すればよいので、速やかに適切な燃料噴射量を設定できる。これによって、燃費を向上することができ、排気中の空燃比が理論空燃比に近い状態を保持できるので、触媒45による排気浄化機能を促進でき、それによって、排気の清浄度を高めることができる。
一方、エンジン4の始動時には、前回運転時のロングタイム学習値Lが引き継がれるのに対して、ショートタイム学習値Sは前回運転時の値が引き継がれない。これにより、ショートタイム学習の影響が恒久化されないので、仮にその学習速度を比較的大きく設定したとしても、すなわち、ショートタイム学習更新量SUを比較的大きくしても、次回の運転に悪影響を及ぼすことがない。また、ショートタイム学習値Sを設けることによって、ロングタイム学習値Lの学習速度を充分に遅くすることができる。そこで、ロングタイム学習更新量LUを比較的小さな値に設定し、ロングタイム学習値Lの学習速度を充分に遅くすることにより、エンジン状態の中期的な変動がロングタイム学習値Lに及ぼす影響を低減できる。また、ロングタイム学習値Lが次回の運転に引き継がれることから、エンジン4の始動時にも、噴射量補正値Cが非常に大きい値となることを回避できる。それによって、フィードバック制御開始前、あるいは、噴射量補正値が一時的に中断されて噴射量補正値がリセットされるオープンループ制御の状態においても適切な燃料噴射制御を実現できる。
ショートタイム学習値Sは噴射量補正値Cが零に近づくように更新されるので、噴射量補正値Cはショートタイム学習値Sへと移行していく。また、ロングタイム学習値Lはショートタイム学習値Sが零に近づくように更新されるので、ショートタイム学習値Sはロングタイム学習値Lへと移行していく。それによって、学習が進むに従い、噴射量補正値Cが零に近づいていくので、フィードバック制御開始前、あるいは、噴射量補正値が一時的に中断されて噴射量補正値がリセットされるオープンループ制御の状態においても燃料噴射制御を適切に行える。
また、この実施形態では、酸素センサ33の出力を用いたフィードバック制御が中断されると、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和をフィードバック補正量として燃料噴射量の制御値を演算するオープンループ制御となる。ショートタイム学習値Sは、エンジン状態の中期的な変動を吸収した値であるので、ロングタイム学習値Lだけをオープンループ制御時のフィードバック補正量として用いる場合に比較して、適切な燃料噴射制御を行うことができる。また、オープンループ制御からフィードバック制御に復帰するときも、噴射量補正値Cはエンジン状態の短期的な変動の影響を吸収すればよいので、その絶対値は小さくてよい。したがって、フィードバック制御からの復帰時には、迅速に、適切な燃料噴射制御を実現できる。
さらに、この実施形態では、エアインダクション動作中および燃料カット中に、フィードバック制御が中断される。エアインダクション動作中における排気通路43内の酸素濃度は、エンジン4に供給される混合気の空燃比を反映していないので、フィードバック制御を中断するのが適切である。また、燃料噴射量を零にする燃料カット中にフィードバック制御を中断することにより、燃料噴射再開時に燃料カットの影響が現れることを回避できる。
また、この実施形態では、噴射量補正値Cが高速学習閾値よりも大きいときは、ショートタイム学習値Sの学習速度が速められる。具体的には、ショートタイム学習値Sが更新される制御周期と高速学習更新量SHUとの積で表される高速ショートタイム学習速度でショートタイム学習値Sが更新される。これにより、噴射量補正値Cの値を速やかに小さくすることができるので、適切な燃料噴射制御を早期に実現できる。すなわち、噴射量補正値Cをショートタイム学習値Sに速く移行させることができるので、フィードバック制御中断時におけるオープンループ制御の際などに、適切な燃料噴射量を設定できる。
エンジン始動直後には、ショートタイム学習値Sは初期値となるので、噴射量補正値Cは、エンジン4の中期的な変動の影響をも吸収するために大きな値となる。このような場合に、ショートタイム学習値Sが高速に更新される。それによって、適切な燃料噴射制御を速やかに行える。
また、この実施形態では、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lとの和の絶対値が異常判定値とされ、この異常判定値が異常閾値THを超えると、燃料供給系に異常が生じていると判定され、インジケータ14aが点灯する。これにより、ライダーに燃料供給系の異常を通知できる。異常判定値が、ショートタイム学習値Sおよびロングタイム学習値Lの和の絶対値であるので、中期的および長期的なエンジン状態の変動に基づいて、燃料供給系の異常を判定できる。一方、噴射量補正値Cを異常判定のために用いていないので、エンジン状態の短期的な変動の影響を排除しながら異常判定を行うことができるので、誤判定の確率を低減できる。しかも、ショートタイム学習値Sの学習速度は比較的速いので、燃料供給系に異常が生じたときには、速やかに異常判定を行うことができる。また、ショートタイム学習値Sの学習速度が速いので、ロングタイム学習値Lの学習速度は充分に低速にしておくことができる。それによって、燃料噴射制御の安定性を損なうことなく、燃料供給系の異常判定を適切に行うことができる。また、ショートタイム学習値Sは、エンジン4の始動時に前回値が引き継がれないので、仮に、一時的な事象のためにショートタイム学習値Sが大きくなったとしても、次回の運転時には引き継がれない。それによって、燃料供給系の異常判定および燃料噴射制御をいずれも適切に行うことができる。
図9は、この発明の第2の実施形態に係る燃料噴射装置が適用された車両の電気的構成を説明するためのブロック図である。この第2の実施形態の説明において、前述の図1〜図8を再び参照する。図9に示された構成は、前述の図3の構成に代えて用いられる。図9において、図3に示された各部の対応部分に同一参照符号を付し、説明を省略する。
この実施形態では、ECU50の演算部51は、機能処理部として、点火制御部61と、噴射量制御部62と、異常判定部63と、通知制御部64と、アイドル停止部73と、再始動部74とを含む。アイドル停止部73は、所定のアイドル停止条件が充足されるとエンジン4を自動停止させる。再始動部74は、アイドル停止部73によってエンジン4が自動停止させられた自動停止状態のときに、所定の再始動条件が充足されるとエンジン4を再始動する。
アイドル停止条件は、次の条件A1〜A5の全てが所定時間(たとえば3秒間)継続することであってもよい。
A1:スロットル開度が全閉開度。
A2:車速が所定値(たとえば3km/h)以下。
A3:エンジン回転速度がアイドル回転速度域(たとえば2500rpm以下)。
A4:エンジン温度が所定値(たとえば60℃)以上。
A5:バッテリ15の残量が所定値以上。
再始動条件は、スロットル開度が所定開度以上となったことであってもよい。したがって、ライダーがアクセルグリップ13を操作することによって、エンジン4のクランキングを開始させて、エンジン4を再始動させることができる。
アイドル停止部73によってエンジン4が自動停止したときには、エンジンストールの場合とは異なり、燃料噴射量の制御値は適切な値であると考えられる。そこで、この実施形態では、アイドル停止部73によってエンジン4が自動停止したときには、ショートタイム学習値Sが保持される。したがって、ショートタイム学習値演算部67は、再始動部74によってエンジン4が再始動されたとき、揮発性メモリ52Vに格納されている従前のショートタイム学習値を引き継いで、学習動作を再開する。
図10は、この実施形態におけるECU50の処理の概要を説明するためのフローチャートである。図10において、前述の図4に示された各ステップと同様の処理が行われるステップに同一参照符号を付して、説明を省略する。
エンジン4が始動(ステップS4)した後、アイドル停止条件が充足されるかどうかが判断される(ステップS21)。アイドル停止条件が充足されなければ(ステップS21:NO)、ステップS5からの処理が実行される。アイドル停止条件が充足されると(ステップS21:YES)、ECU50は、点火制御および燃料噴射制御を停止して、エンジン4を自動停止させる(ステップS22)。その後は、再始動条件が充足されるかどうかが判断される(ステップS23)。
再始動条件が充足されると(ステップS23:YES)、ECU50は、スタータモータ28に通電してエンジン4のクランキングを開始し、さらに点火制御および燃料噴射制御を再開して、エンジン4を再始動させる(ステップS24)。その後、噴射量補正値Cは零にリセットされる(ステップS25)。また、ショートタイム学習値Sは前回の運転時の値が揮発性メモリ52Vからロードされて引き継がれる(ステップS26)。さらに、ロングタイム学習値Lは前回の運転時の値が不揮発性メモリ52Nからロードされて引き継がれる(ステップS27)。
再始動条件が充足されなければ(ステップS23:NO)、ECU50は、メインスイッチ16が遮断されたかどうかを判断する(ステップS28)。メインスイッチ16が遮断されなければ(ステップS28:NO)、再始動条件の成否が監視される(ステップS23)。メインスイッチ16が遮断されると(ステップS28:YES)、ECU50は、所定の終了処理を実行して電源を遮断する。したがって、揮発性メモリ52Vに保持されている噴射量補正値Cおよびショートタイム学習値Sの値は失われ、不揮発性メモリ52Nに保持されているロングタイム学習値Lは、燃料噴射制御のために引き継がれる。
このように、この実施形態によれば、アイドル停止条件の充足によってエンジン4が自動停止されるので、燃費を向上できる。アイドル停止機能によってエンジン4が自動停止した場合には、揮発性メモリ52Vに保持されているショートタイム学習値Sは、適切な値であると考えられる。そこで、アイドル停止機能によるエンジン自動停止状態からのエンジン再始動時には、従前のショートタイム学習値Sが引き継がれ、そのショートタイム学習値Sを用いて燃料噴射量のための制御値が求められる。それによって、エンジン再始動後の燃料噴射制御を、再始動直後から適切に行える。
一方、アイドル停止制御によってエンジン4が自動停止したのではなく、燃料噴射制御等が妥当でないためにエンジン4が停止してしまった場合には、従前のショートタイム学習値Sは、次回のエンジン始動時に引き継がれない(ステップS14,S16)。これにより、妥当でない可能性のある従前のショートタイム学習値Sを破棄して、適切な学習を新たに開始することができる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、ショートタイム学習値Sは、揮発性メモリ52Vに格納され、ECU50への電力供給が遮断されると消滅する。しかし、ショートタイム学習値Sを不揮発性メモリ52Nに格納しても差し支えない。この場合には、電源投入後に最初にエンジン4が始動されるときに、ECU50は、従前のショートタイム学習値Sを零に初期化すればよい。
また、前述の実施形態では、主として、ショートタイム学習更新量SUおよびロングタイム学習更新量LUの設定によって、ショートタイム学習速度およびロングタイム学習速度が設定されている。しかし、学習更新量SU,LUの設定に代えて、または学習更新量SU,LUの設定とともに、それらの更新周期を設定することによっても、それらの学習速度を設定することができる。
さらに、前述の実施形態のようにして求められるショートタイム学習値Sに対して係数(定数または変数)を乗除して得られる値を「ショートタイム学習値」として用いてもよい。同様に、前述の実施形態のようにして求められるロングタイム学習値Lに対して係数(定数または変数)を乗除して得られる値を「ロングタイム学習値」として用いてもよい。さらに言えば、噴射量補正値、学習速度が速いショートタイム学習値、および学習速度が遅いロングタイム学習値の和を用いて燃料噴射量の制御値が演算されればよく、噴射量補正値、ショートタイム学習値およびロングタイム学習値の演算は、前述の実施形態の例に限定されない。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 自動二輪車
2 燃料タンク
3 乗車シート
4 エンジン
8 前輪
10 後輪
12 ハンドル
13 アクセルグリップ
14 表示パネル
14a インジケータ
15 バッテリ
16 メインスイッチ
25 燃料噴射弁
26 燃焼室
27 点火装置
28 スタータモータ
29 エアインダクションシステム
40 スロットルバルブ
41 吸気通路
43 排気通路
45 触媒
46 燃料配管
47 燃料ポンプ
48 燃圧レギュレータ
50 ECU(エンジンコントローラ)
51 演算部
52 記憶部
52N 不揮発性メモリ
52V 揮発性メモリ
60 フィードフォワード噴射量演算部
61 点火制御部
62 噴射量制御部
63 異常判定部
64 通知制御部
65 フィードバック補正量演算部
66 噴射量補正値演算部
67 ショートタイム学習値演算部
68 ロングタイム学習値演算部
69 噴射量制御値演算部
70 フィードバック制御中断部
73 アイドル停止部
74 再始動部

Claims (7)

  1. 車両のエンジンに備えられる燃料噴射装置の燃料噴射量を制御するための燃料噴射制御装置であって、
    前記エンジンの排気が通る排気通路内の酸素濃度に応答する酸素センサと、
    前記酸素センサの出力に基づいて前記燃料噴射量を制御する噴射量制御手段とを含み、
    前記噴射量制御手段が、
    前記酸素センサの出力に基づいて噴射量補正値を求める噴射量補正値演算手段と、
    前記噴射量補正値に基づいて所定のショートタイム学習速度で更新されるショートタイム学習値を求めるショートタイム学習値演算手段と、
    前記ショートタイム学習値に基づいて、前記ショートタイム学習速度よりも低速なロングタイム学習速度で更新されるロングタイム学習値を求めるロングタイム学習値演算手段と、
    前記噴射量補正値、前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和をフィードバック補正量として演算するフィードバック補正量演算手段と、
    前記フィードバック補正量を用いて前記燃料噴射量の制御値を演算する噴射量制御値演算手段と、
    前記ロングタイム学習値を保持するロングタイム学習値保持手段とを含み、
    前記エンジンが始動されたときに、前記ロングタイム学習値演算手段は前記ロングタイム学習値保持手段から従前の前記ロングタイム学習値を読み出して使用する一方、前記ショートタイム学習値演算手段は従前の前記ショートタイム学習値を引き継ぐことなくショートタイム学習値の演算を新たに開始する
    燃料噴射制御装置。
  2. 前記ショートタイム学習値演算手段が、前記噴射量補正値が零に近づくように前記ショートタイム学習値を更新し、
    前記ロングタイム学習値演算手段が、前記ショートタイム学習値を零に導くように前記ロングタイム学習値を更新する、請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記噴射量制御手段は、所定の中断条件が成立すると、前記噴射量補正値演算手段の演算を中断して前記酸素センサの出力に基づくフィードバック制御を中断するフィードバック制御中断手段を含み、
    前記ショートタイム学習値演算手段は、前記フィードバック制御が中断されているときに、前記ショートタイム学習値を所定時間に渡って保持し、前記フィードバック制御が中断されている時間が前記所定時間に達すると、前記ショートタイム学習値を徐々に零に近づけ、
    前記フィードバック補正量演算手段は、前記フィードバック制御が中断されているときに、前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和を前記フィードバック補正量として演算する、請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記フィードバック制御中断手段は、前記排気通路に空気を導入するエアインダクション動作中および前記燃料噴射量を零にする燃料カット制御中に前記フィードバック制御を中断する、請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記ショートタイム学習値演算手段が、前記噴射量補正値の絶対値が所定の高速学習閾値よりも大きいときに、前記ショートタイム学習速度よりも高速な高速ショートタイム学習速度で前記ショートタイム学習値を更新する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記ショートタイム学習値および前記ロングタイム学習値の和の絶対値と所定の異常閾値とを比較して、前記エンジンの燃料供給系における異常の有無を判定する異常判定手段をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 所定のアイドル停止条件が充足されると前記エンジンを自動停止するアイドル停止手段と、
    前記アイドル停止手段によって前記エンジンが自動停止させられた自動停止状態のときに、所定の再始動条件が充足されると前記エンジンを再始動する再始動手段と
    をさらに含み、
    前記再始動手段によって前記エンジンが再始動されたとき、前記ショートタイム学習値演算手段は従前の前記ショートタイム学習値を引き継ぐ
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
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