JP5617704B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳片表面に発生する縦割れ防止を目的とした鋼の連続鋳造方法に関するものである。
A.鋼の連続鋳造において、C濃度が0.08〜0.18質量%である亜包晶鋼は、鋳型内で溶鋼が凝固して形成する凝固殻の厚みが不均一になりやすく、この凝固殻の厚みの不均一に起因して、鋳片表面に縦割れが発生しやすい。その中でも、Cu,Ni,Cr,Mo,Nb,V,Ti,B等の合金元素を含有する低合金鋼は、特に前記縦割れが発生しやすい。
鋳型内で形成される凝固殻の厚みを均一にするためには、凝固殻の先端部を緩やかに冷却すること(以下、緩冷却という。)が有効であり、モールドフラックスの使用が比較的簡便な緩冷却手段である。
モールドフラックスは、鋳型内に注入された溶鋼の表面に供給され、溶鋼からの熱供給を受けて溶融し、鋳型に沿って凝固殻との間隙に流入してフィルムを形成する。このフィルムは、鋳造開始直後、鋳型からの冷却によりガラス状に凝固するが、時間の経過とともにガラス中から結晶が析出する。
このフィルムの結晶化を促進させると、フィルムの鋳型側表面の粗度が増大し、鋳型とフィルムの界面熱抵抗が増大する。或いは、フィルム中の輻射伝熱も抑制され、これらの効果によってフィルムに接した溶鋼および凝固殻が緩冷却される。
フィルム中に析出する一般的な結晶の組成はカスピダイン(cuspidine:Ca4Si2F2O7)である。
凝固殻を緩冷却するためにフィルムの結晶化を促進するに際し、以下の様な方法が考えられている。
1) モールドフラックスの融体物性を制御する方法として、凝固点を高めることがフィルムの結晶化を促進する有効な方法である。
例えば特許文献1では、モールドフラックスの凝固点を1150〜1250℃に高めて、結晶性を強める方法が開示されている。但し、凝固点が1250℃より高くなると、潤滑性が阻害されてブレイクアウトを防止することができないという問題があると記載されている。
2) また、モールドフラックスの成分を制御する方法としては、CaOとSiO2の質量濃度比率(以下、塩基度という。)を上昇させることが有効である。また、MgO濃度を低減することも有効である。
特許文献2では、塩基度を1.2〜1.6とした上で、MgO濃度を1.5質量%以下にすることがフィルムの結晶化に有効であると記載されている。但し、この特許文献2に記載された発明例のモールドフラックスの結晶生成温度は最も高いものでも1145℃(発明体2)であり、それ相応の緩冷却効果が得られるに過ぎない。
一方、特許文献3では、モールドフラックス中に鉄或いは遷移金属の酸化物を添加することにより、フィルム中の輻射伝熱を抑制する方法が開示されている。但し、これらの酸化物を添加すると、モールドフラックス中のCaO,SiO2,CaF2が希釈される。特に、この特許文献3に記載の発明において、輻射伝熱の抑制効果を十分に得るためには、その適用例に示される様に、鉄或いは遷移金属の酸化物を合計で10質量%以上も添加する必要がある。その場合、適用例に示されている塩基度1.0付近の組成ではカスピダインが析出し難くなり、モールドフラックスの凝固点が低下する。適用例に示されている凝固点は1040〜1050℃程度であり、亜包晶鋼用モールドフラックスの凝固点が、特許文献1にも記載されている様に1150〜1250℃程度であることを考えると、それより100℃以上も低い。従って、特許文献3に記載の発明では、結果的に、フィルムの結晶化が阻害されて、界面熱抵抗の増大等の結晶化による緩冷却効果が損なわれることになる。
特許文献4では、カスピダインの析出しやすいモールドフラックスの組成範囲が、CaO−SiO2−CaF2−NaFの四元系において開示されている。この組成範囲は、その後に頒布された非特許文献1によるカスピダインの初晶領域と実質的に一致するものである。
特許文献5では、特許文献4で開示された発明の範囲内に調整された基本組成に対して、遷移金属酸化物を添加することにより、緩冷却効果を損なうことなく凝固点を低下させるモールドフラックスが開示されている。この特許文献5に記載の発明は、従来、潤滑性が阻害されるために使用することが困難であると考えられていた、凝固点1250℃以上のモールドフラックスの持つ緩冷却効果を、例えば発明例にあるように1209〜1239℃の一般的な凝固点の範囲で得ようとするものである。
しかしながら、亜包晶鋼の鋳造であっても、前述の低合金鋼を鋳造する場合に、溶鋼の過熱度が大きな場合は、縦割れがさらに発生し易くなる。その防止あるいは抑制に対して、特許文献4,5に記載の発明によっても、十分な効果を得られないことがあった。
B.一方、前述の低合金鋼の鋳片表面において、縦割れとは別に、粒界に沿った割れが生じるという問題がある。この問題に対しては、鋳型から下方へ引き抜かれた鋳片に対して、連続鋳造機内で施す二次冷却を利用した防止方法が提案されている。
例えば特許文献6では、Niを0.1〜50質量%の濃度範囲で含有する低合金鋼の連続鋳造において、二次冷却帯での冷却水量を調整して鋳片表面温度が1200℃を超さないようにして粒界酸化を抑制することで、粒界割れの一種である横ひび割れを防止する方法が開示されている。
また、特許文献7では、鋳片のコーナ部(引き抜き方向に平行な稜を意味する)に生じる横割れ(粒界割れ)を防止する方法が開示されている。この方法は、鋳型直下におけるコーナ部の最低温度を600℃以下として鋳型から垂直に引き抜いた後、連続鋳造機内で鋳片を連続的に緩やかに曲げて引き抜き、水平になった時点で鋳片の曲がりを矯正する矯正帯において、コーナ部の表面温度を700℃以下に抑制して鋼材が脆化する温度範囲を低温度側へ回避する方法である。
また、逆に、特許文献8では、矯正帯で鋳片の表面温度を上昇させ、鋼材が脆化する温度範囲を高温度側へ回避することにより、鋳片表層部の微細な横割れを防止する方法が開示されている。
しかしながら、これまでは、亜包晶鋼で、かつ低合金鋼である鋼種の鋼を連続鋳造する際の、鋳型内の初期凝固現象に起因した縦割れの防止を目的として、連続鋳造機内の二次冷却を利用した技術が開示された例は無い。
特開平8−197214号公報 特開平8−141713号公報 特開平7−185755号公報 特開2001−179408号公報 特開2006−289383号公報 特開平8−10920号公報 特開平10−34302号公報 特開2008−100249号公報
ISIJ International、Vol.42(2002)、p489〜497
本発明が解決しようとする問題点は、潤滑性の阻害によるブレイクアウト防止の観点から凝固温度を1250℃以下にしたモールドフラックスを使用した従来技術では、フィルムの結晶化が促進されず、それ相応の緩冷却効果しか得られないという点である。また、従来、亜包晶鋼でかつ低合金鋼である鋼種の鋼を連続鋳造する際の、鋳型内の初期凝固現象に起因した縦割れの防止に対して、連続鋳造機内の二次冷却を利用した技術について開示されたものはないという点である。
本発明は、
垂直曲げ型の連続鋳造機を使用する亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造において、
CaO,SiO2,アルカリ金属酸化物,および弗素を基本成分とし、CaOのSiO2に対する質量濃度比としての塩基度(CaO/SiO2)が1.6以上、凝固点が1250℃以上、1300℃における粘度が1poise以下であるモールドフラックスを使用し、
鋳型より鋳片の引抜き方向下流側で、曲げ部より鋳片の引抜き方向上流側の垂直部において、二次冷却の比水量を0.20リットル/kg以下にすること最も主要な特徴としている。
上記本発明は、潤滑性が阻害されてブレイクアウトを防止できないという理由で採用されなかった、1250℃以上に凝固点温度を高めたモールドフラックスを使用するので、カスピダインの結晶化が促進されて従来以上の緩冷却効果を得ることができる。そして、この緩冷却効果による鋳片の温度上昇に加えて連続鋳造機内の二次冷却を規定して、鋳片を脆化する温度範囲より高温側に回避するので、亜包晶鋼でかつ低合金鋼を連続鋳造する際の、鋳型内の初期凝固現象に起因した縦割れを防止することができる。
上記本発明においては、幅中央部での延性低下を抑制して、鋳型内の初期凝固現象に起因した縦割れを防止する観点から、前記曲げ部における鋳片幅中央の表面温度を1050℃以上にすることが望ましい。
本発明では、カスピダインの結晶化促進による従来以上の緩冷却効果によって得た温度上昇に加え、二次冷却の規定による鋳片の脆化温度範囲より高温側への回避により、亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造時に、鋳型内の初期凝固現象に起因した縦割れを防止することができる。
本発明では、亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造において、鋳型内の初期凝固現象に起因した縦割れを防止するという目的を、凝固点温度を1250℃以上に高めたモールドフラックスを使用し、かつ連続鋳造機内の二次冷却を規定することで実現した。
以下、本発明の技術内容を、従来技術と比較しつつ説明する。
特許文献1には、モールドフラックスの凝固点が1250℃より高くなると鋳型内壁と凝固殻間の潤滑性が阻害されるので、ブレイクアウトを防止できないと記載されている。
特許文献1に記載されているように、モールドフラックスの凝固点は1250℃以下とするのが従来の常識である。この1250℃を、従来考えられていた凝固点の上限とする特許文献1に記載された発明の場合、モールドフラックスの適正な粘度は1300℃において0.6〜2.5poiseの範囲と記載されており、特許文献1に記載された12個の発明例のうちの9個は1poise以上である。
鋳型内壁と凝固殻間の潤滑性を維持するためには、凝固殻を鋳型の下方へ引き抜く際の抵抗力(鋳型内の摩擦力)を低減する必要がある。この摩擦力の低減は、鋳型内壁と凝固殻との間に介在するモールドフラックスの粘度を低下させることによって可能になる。
また、凝固殻の緩冷却化促進のためにカスピダインの結晶化を促進させるには、モールドフラックスの塩基度を高くした上で、必要量の弗素(以下、Fと記す。)分を添加する必要がある。この場合、溶融時のモールドフラックスの粘度は必然的に低くなって1poise未満に低下するため、鋳型内の摩擦力が低減する。そのため、従来、上限と考えられていた1250℃以上に凝固点を高めても、鋳型内の良好な潤滑性を確保することが可能になる。
このように、従来、上限と考えられていた1250℃以上にモールドフラックスの凝固点を高めることにより、鋳型内の凝固殻を緩冷却して、均一に生成、成長させることができる様になる。
しかしながら、凝固殻の緩冷却により鋳型直下における鋳片の表面温度も明確に上昇することが判明した。この鋳型直下における鋳片の表面温度の上昇を利用し、更に、鋳型直下の二次冷却を弱く調整することにより、鋳片表面温度を鋼材の脆化する温度範囲より高温度側へ回避することができる。そして、発明者らは、この回避方法が、亜包晶鋼でかつ低合金鋼の鋳片表面に発生する縦割れの防止に対して有効であることを知見した。
ところで、鋳型内の不均一凝固により、鋳片の表面付近の凝固組織がデンドライト樹間に沿って鋳片表皮下に内部割れを起こす場合があるが、その内部割れが鋳片表面に達して開口しなければ、それは縦割れには至っていない状態である。
しかしながら、この内部割れを起こした部分が完全に凝固してオーステナイト相に変態した場合、低合金鋼特有の添加元素による析出物の生じた粒界が、その内部割れと位置的に重なった場合、その部分は周辺と比較して弱くなる。そして、そこへ鋳片の曲げ時に働く幅方向の引張応力が作用すると、割れに至らずに耐えていた部分が開口し、結果的に縦割れが生じることになる。
従って、鋳型内ではなく、二次冷却帯において開口する縦割れ発生に対しては、モールドフラックスの緩冷却および二次冷却の調整による鋳片の表面温度制御が有効になるのである。
本発明は、発明者らの上記知見に基づいてなされたものであり、
垂直曲げ型の連続鋳造機を使用する亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造において、
CaO,SiO2,アルカリ金属酸化物,およびFを基本成分とし、CaOのSiO2に対する質量濃度比としての塩基度(CaO/SiO2)が1.6以上、凝固点が1250℃以上、1300℃における粘度が1poise以下であるモールドフラックスを使用し、
鋳型より鋳片の引抜き方向下流側で、曲げ部より鋳片の引抜き方向上流側の垂直部において、二次冷却の比水量を0.20リットル/kg以下にすることを主要な特徴とするものである。
すなわち、本発明は、モールドフラックスの凝固点を1250℃以上という、従来、あまり考えられることのない範囲にまで高めることにより、カスピダインの結晶化を促進して、従来以上の緩冷却効果を得ることを可能としたのである。
また、上記の様に凝固点の高いモールドフラックスを使用して連続鋳造した場合の、鋳型直下に引き抜かれた鋳片の温度上昇を利用し、更に二次冷却を調整して鋳片の表面温度を鋼材の脆化する温度範囲から高温度側へ回避するのである。
この様な本発明によれば、鋳型内の初期凝固に起因して二次冷却帯で開口する縦割れを効果的の防止することができるようになる。
本発明で使用するモールドフラックスは、鋳型内の冷却で十分に結晶化するものが良い。そのための組成として、モールドフラックス中の基本成分をCaOおよびSiO2,アルカリ金属酸化物,Fとする。
ここで、モールドフラックスの配合原料としては酸化物だけでなく、炭酸塩、弗化物等が使用されることがあるが、陽イオンとなる金属元素はすべて酸化物に換算して濃度を表示することにする。
また、弗化物として複数種類が添加される場合、すべての弗化物中の弗素分をFとして表示する。CaO,SiO2およびFは、カスピダインの構成成分である。また、アルカリ金属の酸化物を添加すると、モールドフラックスの凝固点を容易に調整することができる。
本発明方法に使用するモールドフラックスは、CaOのSiO2に対する質量濃度比としての塩基度を1.6以上とするが、その理由は、塩基度が1.6未満であると鋳型内の緩冷却に必要な結晶相であるカスピダインの析出量が不十分になるからである。なお、塩基度の上限は特に限定しないが、塩基度が2.5を超えた場合も、鋳型内の緩冷却に必要な結晶相であるカスピダインの析出量が不十分になるため、2.5以下とすることが望ましい。
また、その結晶化の目安として、1250℃以上の凝固点を有することが望ましい。更に望ましい凝固点は1260℃以上、更には1270℃以上が望ましい。
ここで、本発明では、1300℃における粘度は1poise以下とする。1poise以下の低い粘度により、凝固点を、従来困難とされた1250℃以上に高めた状態においても潤滑性を維持することが可能になるからである。粘度が低いことに問題は無いが、通常使用されるモールドフラックスにおいては、0.1poise未満の粘度を得ることは困難であるため、実質上は0.1poise以上となる。
凝固点あるいは粘度、表面張力等、溶融時の物性を調整するために、MgO,Al2O3,MnO,BaO,B2O3等をモールドフラックスに添加しても良い。但し、カスピダインの晶出を促進するためには、これらの濃度は低い方が望ましく、合計濃度で10質量%を超えないようにすることが望ましい。通常の原料を使用する場合、不可避的に含有されるこれらの合計濃度は2〜5質量%程度であるが、プリメルト基材等の人工原料を使用することにより、それ以下にすることもできる。
上述のモールドフラックスを用いた本発明の鋳造においては、鋳型直下から曲げ部までの二次冷却を調整して曲げ部での鋳片表面温度を高めるが、幅中央部において1050℃以上にすることが望ましい。更に望ましくは1100℃以上である。このような温度とすれば、幅中央部での延性低下を抑制し、鋳型内の初期凝固現象に起因した鋳片表面の縦割れを防止することができる。
但し、連続鋳造機にかかる熱的な負担が大きくなりすぎないことを考慮すると、曲げ部での鋳片表面温度は、1300℃以下であることが望ましい。
基準とする鋳片の表面温度を幅中央部とした理由は、曲げ時の応力は、実質的には幅中央部で最も大きくなるので、縦割れが出やすく温度の高い幅中央部での評価とした。
鋳片表面温度を1050℃以上に確保するためには、二次冷却の比水量を0.20リットル/kg以下にする必要がある。ここで、単位の中のkgは、溶鋼重量を意味する。比水量が0.20リットル/kgを超えると、鋳片表面の温度が低くなりすぎるからである。更に望ましい範囲は0.15リットル/kg以下である。なお、二次冷却の比水量が0.05リットル/kg未満では、連続鋳造機にかかる熱的な負担が大きくなるため、下限は0.05リットル/kgとすることが望ましい。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験結果について説明する。
下記表1に示す組成の溶鋼300トンを供して、幅2300mm、および厚み250mmのスラブを垂直曲げ型連続鋳造機により、鋳造速度1.0m/minで鋳造した。その際に鋳型内に添加するモールドフラックスの種類、および二次冷却の比水量の条件を表2に示すように組み合わせ、得られたスラブの表面を比較した。
Figure 0005617704
Figure 0005617704
ここで、モールドフラックスは、表3に示すように、凝固点の異なる3種類を使用した。また、表2における「垂直部における二次冷却比水量」は、鋳型より引抜き方向下方に約1.7mまでの垂直部において供給した二次冷却の比水量であり、0.11〜0.25リットル/kgの範囲で変化させた。
Figure 0005617704
上記実験の条件と結果を下記表4に示す。
Figure 0005617704
鋳造中において、連続鋳造機内の曲げ部における鋳片幅中央部の表面温度を測定したところ、発明例1〜4の場合はいずれも1050℃以上であった。特に、垂直部における比水量が0.15リットル/kg以下の発明例1〜3の場合、鋳片表面温度は1100℃以上となった。その際、二次冷却の比水量が同じ発明例1と2では、モールドフラックスAを使用した発明例1よりもモールドフラックスBを使用した発明例2の方が表面温度は高くなった。
一方、本発明の条件を満たさないモールドフラックスCを使用した比較例1や、曲げ部より鋳片の引抜き方向上流側の垂直部における二次冷却の比水量が本発明の条件を満たさない比較例2では、鋳片表面温度は1050℃未満であった。
上記発明例1〜5の場合、得られた鋳片は良好な品質で縦割れなどの表面欠陥はなく、そのまま次工程の圧延が可能であった。一方、比較例1,2の場合は、幅中央部に長さ50〜100mm程度の縦割れが鋳片表面に散見され、これらを溶削する手入れが必要となった。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。

Claims (2)

  1. 垂直曲げ型の連続鋳造機を使用する亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造において、
    CaO,SiO2,アルカリ金属酸化物,および弗素を基本成分とし、CaOのSiO2に対する質量濃度比としての塩基度(CaO/SiO2)が1.6以上、凝固点が1250℃以上、1300℃における粘度が1poise以下であるモールドフラックスを使用し、
    鋳型より鋳片の引抜き方向下流側で、曲げ部より鋳片の引抜き方向上流側の垂直部において、二次冷却の比水量を0.20リットル/kg以下にすることを特徴とする亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記曲げ部における鋳片幅中央の表面温度を1050℃以上にすることを特徴とする請求項1に記載の亜包晶鋼でかつ低合金鋼の連続鋳造方法。
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