JPH05277680A - 連続鋳造用フラックス - Google Patents

連続鋳造用フラックス

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JPH05277680A
JPH05277680A JP7719292A JP7719292A JPH05277680A JP H05277680 A JPH05277680 A JP H05277680A JP 7719292 A JP7719292 A JP 7719292A JP 7719292 A JP7719292 A JP 7719292A JP H05277680 A JPH05277680 A JP H05277680A
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flux
slag
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slab
viscosity
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JP7719292A
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Yukinobu Matsushita
行伸 松下
Kazuo Tanaka
和雄 田中
Tetsuo Takahashi
哲夫 高橋
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素含有量が0.08乃至0.16重量%で
ある中炭素鋼等の連続鋳造において、鋳片の表面割れを
防止すると共に、均一な溶融性を損なうことなく、安定
して良好な鋳造を行うことができる連続鋳造用フラック
スを提供する。 【構成】 CaO及びSiO2をCaO/SiO2(重量
%比);1.2乃至1.4の比で含有し、1乃至3重量
%のAl23、5乃至9重量% のF、1乃至4重量%
のZrO2、1乃至7重量%のCを含有し、更に、3乃
至5重量%のMgO及び2重量%以下のMnOの1種又
は2種を含有し、8重量%以下のNa2O、1.5重量
%以下のK2O及び1.5重量%以下のLi2Oからなる
群から選択された少なくとも1種の成分を総量で9重量
%以下含有し、ZrO2/(Na2O+Li2O+K2O)
(重量%比)を0.2乃至0.5に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造におい
て、鋳型内の溶鋼上に散布され溶鋼表面を被覆して溶鋼
の酸化を防止すると共に、溶融して鋳型と鋳片との間に
流れ込み、潤滑作用を発揮する連続鋳造用フラックスに
関し、特に炭素含有量が0.08乃至0.16重量%で
ある亜包晶凝固領域にある鋼の連続鋳造において、鋳片
表面に生じる割れを防止するために適用される連続鋳造
用フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼業における生産性向上及び高品質化
が推進される中で、連続鋳造においては、高速鋳造時の
鋳片の表面品質の改善が大きな課題の一つとなってい
る。特に、炭素含有量が0.08〜0.16重量%のい
わゆる中炭素鋼では鋳片表面に割れが生じ易く、これま
でに、このような割れの発生機構について種々の研究が
なされている。
【0003】これらの研究によれば、包晶反応によって
凝固が進展する鋼種では、凝固及び冷却時の収縮が大き
いため、鋳型鋳片間の隙間が一定せず、鋳型による鋳片
の冷却が不均一になりやすい。冷却が不均一であると、
凝固シェルの成長が不均一となる。こうして、凝固の不
均一が生じると、その周囲に対して凝固が遅れた部分
は、周囲から大きな引張の応力を受けることとなり、割
れが発生すると考えられている。
【0004】こうした割れを防止するためには、鋳型に
よる鋳片の冷却を均一にすることが必要であり、そのた
めには、鋳型と鋳片との間に介在して冷却状態に大きな
影響を与えるスラグを、常に安定して均一に流入させる
ことと、スラグ自体の熱伝達性を低下させて鋳片を緩冷
却化することが有効であるとされている。
【0005】スラグの熱伝達率を低下させるためには、
溶融スラグの凝固温度(又は、結晶化温度とも呼ばれる
が、以下、凝固温度という)を高めることにより達成で
きる。そして、溶融スラグの凝固温度はスラグの組成に
よって決定されるので、そのような高凝固点スラグを得
るためには、第1には鋳型内に投入するフラックスの組
成を高塩基化(CaO/SiO2比が大)すればよい。
図3にはフラッ クスの(CaO/SiO2)と凝固温度
の関係を示すが、この範囲では(CaO /SiO2)が
大きいほど、凝固温度が上昇することが分かる。
【0006】一方、最近の高速鋳造化の中では、このよ
うにスラグの凝固温度を高めていくと、鋳型と鋳片との
間へのスラグの流入性が悪くなり、特にスラグの流入が
著しく不足した場合には鋳片が鋳型に焼き付くという所
謂拘束性ブレークアウトが発生してしまう。そこで、高
凝固温度であってもスラグの流入を確保し、ブレークア
ウトを防止するためには、スラグの粘度を低くする必要
がある。
【0007】一般に、溶融スラグの低粘度化は、主成分
であるシリケートのネットワークを切断する弗化物並び
にCaO、Na2O、K2O、Li2O、MgO、MnO
等の酸化物の添加によって達成される。このうち、Ca
Oの増大は更に塩基度を増すこととなり、必要以上に凝
固温度が上昇し過ぎる。また、MgO、MnOは逆に凝
固温度を低下させる。従って、実際上、従来は、弗化物
及びNa2O、K2O、Li2Oを多量に添加することに
より低粘度化を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のアルカリ金属の酸化物及び弗化物は低融点物質である
ため、これらを多量に含むフラックスは、鋳型内に投入
されて溶融する過程で、フラックス粒子間の融着を助長
してフラックスの溶融を阻害するスラグベアを生成した
り、フラックスが塊状となって溶鋼湯面が露出したりす
る結果、溶融が不均一になったり、溶鋼の保温性を劣化
させる等の問題点がある。こうした溶融の不均一現象
は、鋳造中の、特に浸漬ノズル詰まり等のために生じる
湯面変動及びそれを防止するためにノズル内に吹き込む
Arガスの流量の不適正等によって助長される。このた
め、安定して均一な溶融スラグの供給が妨げられ、耐割
れ性が劣化したり、鋳造性が劣化するという難点があ
る。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、炭素含有量が0.08乃至0.16重量%
である中炭素鋼等の連続鋳造において、鋳片の表面割れ
を防止すると共に、均一な溶融性を損なうことなく、安
定して良好な鋳造を行うことができる連続鋳造用フラッ
クスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る連続鋳造用
フラックスは、CaO及びSiO2をCaO/SiO
2(重量%比);1.2乃至1.4の比で含有し、1乃
至3重量%のAl23、5乃至9重量% のF、1乃至
4重量%のZrO2、1乃至7重量%のCを含有し、更
に、3乃至5重量%のMgO及び2重量%以下のMnO
の1種又は2種を含有し、8重量%以下のNa2O、
1.5重量%以下のK2O及び1.5重量%以下のLi2
Oからなる群から選択された少なくとも1種の成分を総
量で9重量%以下含有し、ZrO2/(Na2O+Li2
O+K2O)(重量%比)を0.2乃至0.5に設定し
たことを特徴とする。
【0011】
【作用】本願発明者らは、割れがない良好な表面品質を
有する鋳片を連続鋳造するために、フラックスが溶融し
て得られるスラグとして必要な凝固温度及び粘度を維持
しつつ、フラックスの溶融性を阻害しているアルカリ金
属の酸化物及び弗化物の含有量を低滅することができる
フラックスを開発すべく、種々実験研究を繰り返した。
その結果、各成分の組成を特許請求の範囲に規定したよ
うに限定することによって、本発明の目的を達成できる
ことを見いだした。以下に、各成分の添加理由及び組成
限定理由について説明する。
【0012】CaO/SiO2 CaO及びSiO2はフラックスの主成分である。この
場合に塩基度を表わすCaO/SiO2比は、鋳片の表
面割れを防止するために最も基本となる要素である。C
aO/SiO2比が1.2未満では高凝固温度を安定し
て達成できない。一方、CaO/SiO2比が1.4を
超えると、凝固温度が高くなり過ぎてスラグの流入不良
を起こしたり、フラックスが高融点となるため、フラッ
クスの溶融不良を生じやすくなる。このため、CaO/
SiO2比は1.2乃至1.4とする。
【0013】Na2 Na2Oはフラックスの溶融性を高めると共に、溶融ス
ラグの粘度を低下させるために添加されるが、Na2
を8重量%を超えて含有すると、フラックス原料粒子間
の 融着を助長し、スラグベアを生成しやすくする等、
フラックスの安定した均一な溶融性を損なう。このた
め、Na2Oは8重量%以下とする。
【0014】22OはNa2Oと同様に、フラックスの溶融性を高め、
溶融スラグの粘度を低下させる作用を有する。しかし、
2OはNa2Oより高価であると共に、K2Oの多量の
添加は、原料粒子間の融着を増大し、フラックスの安定
して均一な溶融性を損なう。このため、K2Oの添加量
の上限は1.5重量%とする。
【0015】Li2 Li2OはNa2Oと同様にフラックスの溶融性を高める
と共に、溶融スラグの粘度を低減する。このLi2Oの
場合は、少量の添加で効果があり、極めて有効な成分で
ある。しかしながら、Li2Oの過剰の添加は原料粒子
間の融着を助長する。このため、Li2Oの添加量は、
1.5重量%以下とする。
【0016】これらのNa2O、K2O及びLi2Oの各
成分はそのいずれを添加してもよい。また、その少なく
とも1種を添加すればよく、複数種を複合添加しても良
い。なお、Li2O、Na2O及びK2Oを共に複合添加
する場合には、その総量を9%以下にする。過剰なアル
カリ金属成分による溶融性の阻害は、各成分による複合
効果も生じるため、個別的にその添加量を制限すると共
に、その総和量(Na2O+K2O+Li2O)を9重量
%以下にすることが必要である。
【0017】Al23 フラックス原料の融点を低減するために、原料中に添加
する。また、スラグの粘度を調整するために添加するこ
ともある。Al23の添加量が1重量%未満の場合に
は、フラックスの融点及びスラグの凝固点を著しく高め
てしまうことがある。このように、フラックスの融点及
びスラグの凝固点が高くなると、フラックスの溶融性及
びスラグの鋳型・鋳片間への流れ込みを阻害する虞があ
る。一方、Al23の過剰の添加は、粘度を増大させて
しまうため、その添加量は3重量%以下に規制する必要
がある。このため、Al23の添加量は、1乃至3重量
%とする。
【0018】 フラックスの溶融性を高めると共にスラグの粘度を低下
させる成分であるが、含有量が過剰であると融点に達す
る以前の早期時点で原料粒子の融着を助長し、均一溶融
性を損なう。また、F含有量が高いスラグは、浸漬ノズ
ルの溶損を早め、連続鋳造操業の支障になると共に、鋳
片の冷却水中にF分が多く固溶してしまい、ロール及び
軸受箱等の連続鋳造機の腐食を促進する。従って、Fの
含有量は5乃至9重量%にする。
【0019】MgO MgOの添加は粘度を低減させる効果を有する。図1は
横軸にMgO含有量をとり、縦軸に粘度をとって、両者
の関係を示すグラフ図である。この図に明らかなよう
に、MgOの添加はフラックスの粘度低減に極めて有効
であることが分かる。しかし、MgOの含有量が、3重
量%未満の場合では、アルカリ金属の低減により上昇し
た粘度分を補償する効果、即ち粘度を十分に低減するた
めの効果が不十分である。また、MgOはスラグの凝固
温度を低下するため、過剰の添加は好ましくなく、目的
のスラグ物性値を得るため、添加上限値は5重量%とす
る。このため、MgOの添加量は、3乃至5重量%とす
る。
【0020】MnO MnOはMgOと同様に低アルカリ金属組成下での粘度
を低減するために添加される。しかし、MnOは溶鋼と
の反応性が高く、溶融スラグと溶鋼との間の界面張力を
低減させる結果、鋼中へのスラグ巻き込み欠陥を増大さ
せる傾向がある。このため、MnOの添加量は2重量%
以下に規制する。なお、MnO及び前述のMgOはその
いずれか1種を添加すれば良い。
【0021】ZrO2 ZrO2は粘度の増減にあまり関与せず、凝固温度を高
める作用がある。図2は横軸にMgO添加量をとり、縦
軸に凝固温度をとって、ZrO2含有量が0〜3.5重
量%の場合の凝固温度の変化を示すグラフ図である。こ
の図に示すように、ZrO2を添加することにより、凝
固温度 が上昇する。また、MgOの添加量の増加に伴
いフラックス凝固温度は低下するが、ZrO2を併用す
ることによって、MgO添加によるフラックス凝固温度
の低下を防止できることがわかる。ZrO2添加量を更
に一層増加することによって、逆に凝固温度を高めるこ
とが可能である。ZrO2の含有量が1重量%未満では
十分な作用が得られない。また、ZrO2自身は高融点
物質であるため、4重量%を超えて添加すると、溶融性
が損なわれるため好ましくない。従って、ZrO2の添
加量は1〜4重量%とする。
【0022】 Cはフラックスの溶融速度を調整する作用があるため
に、連鋳用フラックスとしては必須の添加成分である。
Cの添加量1〜7重量%は通常の鋳造速度である0.7
〜2.0m/分での操業に対応するものである。
【0023】ZrO2/(Na2O+Li2O+K2O) 上述の如く、本発明においては、フラックスの溶融性を
低下させるZrO2を添加しているため、このフラック
スの溶融性を良好にするためには、ZrO2の添加量を
規制するだけではなく、アルカリ金属を同時に添加する
ことが必要である。そして、ZrO2と、(Na2O+L
2O+K2O)との比を0.2乃至0.5とする必要が
ある。即ち、アルカリ金属成分はフラックス全体の融剤
としての作用を有し、フラックスの溶融性を高めるが、
ZrO2の融剤効果は比較的小さい。このため、ZrO2
/(Na2O+Li2O+K2O)が大きく、0.5を超
える場合には、ZrO2が過剰となって、フラックスの
溶融性が損なわれる。一方、この比が0.2未満とアル
カリ金属成分が過剰の場合には、ZrO2の高い融点
と、それ以外のフラックスの融点との差が大きくなり、
溶融が不均一となって好ましくない。このため、ZrO
2/(Na2O+Li2O+K2O)を0.2乃至0.5と
する。
【0024】粘度・凝固温度 凝固温度はスラグの熱伝達率を低減し、鋳片を緩冷却す
るために高くする必要があり、1100℃未満ではその
効果が期待できない。一方、1250℃を超えるような
高凝固温度になると、スラグの鋳型と鋳片との間への流
入性が妨げられやすくなり、ブレークアウトが発生する
等、安定した鋳造を維持し難くなる。
【0025】粘度は、スラグの流入性を確保し、健全な
鋳造操業を維持するための適正な値とすることが重要で
ある。1300℃における粘度が0.3Poise 未満の場
合は、流入スラグの鋳型下への流出速度が増大するた
め、フラックスの溶融速度とのバランスが維持できな
く、良好な鋳造性が得られなくなる。また、粘度が低す
ぎると、溶鋼中にスラグが巻き込まれやすくなり、介在
物欠陥を増大し、内部品質の低下をもたらすので好まし
くない。一方、2.0Poise を超える高粘度スラグの場
合には、本発明のような高凝固温度スラグではスラグの
流入性が損なわれ、健全な安定鋳造が得られない。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0027】下記表1は本発明の特許請求の範囲から外
れる比較例のフラックスNo.1〜No.11の組成を示し、表
2は本発明の実施例に係るフラックスNo.12〜18の組成
を示す。但し、表1中、数値は重量%である。これらの
フラックスを使用してC含有量が0.08〜0.16重
量%の中炭素鋼を鋳造速度1.0〜1.8m/分で連続
鋳造した。表3及び表4は夫々比較例及び実施例のフラ
ックスのCaO/SiO2比、1300℃における粘
度、凝固温度、鋳片の表面疵、フラックスの溶融状況
(スラグベアの存在)、スライディングノズルの溶損状
況及びブレークアウトの予知警報発令の有無を示す。な
お、この表3及び表4には、鋳造条件も合わせて示す。
【0028】但し、マシンタイプの欄で、Sは幅が800
乃至1770mm、厚さが240mmのスラブを鋳造するスラブ連
続鋳造機である。また、Bは1辺が155mmのビレットを
鋳造するビレット連続鋳造機である。また、鋳片の表面
疵は鋳片の表面を研削する前の所謂黒皮の状態で目視に
より行った。但し、×は割れ及びストリークが大きかっ
たもの、△はこれが小さかったもの、○はこれが認めら
れなかったものである。フラックス溶融状況は、鋳型内
を目視で観察したとき、×はフラックスが塊状化し、ス
ラグベアが大きかったものであり、△はフラックスの塊
状化及びスラグベアが少し認められたもの、○はフラッ
クスの塊状化及びスラグベアが認められなかったもので
ある。フラックス流入性はフラックスの消費量で判定し
た。即ち、フラックスの消費量が多い場合が流入性が良
好であり、少ない場合が流入不良である。このため、フ
ラックス消費量が0.24kg/m2以下の場合を×、0.25乃至
0.30kg/m2の場合を△、0.31乃至0.50kg/m2の場合を○で
示した。また、スライディングノズルの溶損状況は、鋳
造後にスライディングノズルを目視で観察し、溶損が多
い場合を×、溶損が若干多い場合を△、溶損が通常操業
と同等である場合を○とした。ブレークアウトの予知警
報は、警報が作動した場合を×、軽警報を△、警報なし
の場合を○とした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】この表3、4から明らかなように、比較例
No.1はフラックス組成のCaO/SiO2が小さい場合
の例であり、凝固温度が低いため、鋳片を急冷却するこ
ととなり、冷却の均一性が得られない。このため、鋳片
表面の中央に、ストリークを伴う縦割れの発生が認めら
れた。また、比較例No.2はCaO/SiO2比が大きす
ぎる場合の例であり、鋳型と鋳片との間への溶融スラグ
の流入性が悪く、フラックス消費量が0.22kg/m2と低
く、健全性の目安である0.3kg/m2を大きく下回り、ブレ
ークアウト予知警報が作動してしまった。また、鋳片に
も鋳型への焼き付きと思われる痕跡が認められた。比較
例No.3はZrO2を含まないこと以外は本発明の規定内
に入り、フラックスの鋳型内での状況(スラグベアの生
成及びフラックスの溶融)は良好であるが、MgOを含
むために、凝固温度が低く、鋳片表面の中央に、数mmの
長さの縦割れとコーナー部に横割れが認められた。比較
例No.4はZrO2の添加量が過剰であり、フラックスの
溶融が悪く、鋳型と鋳片との間へのスラグの流れ込み量
が不足し、ブレークアウト予知警報が作動した。比較例
No.5,6はNa2O,Li2Oが過剰に含有された例で
あるが、いずれも鋳型内でのスラグベアの成長が著し
く、そのまま放置した状態では安定して鋳造を続けられ
ないと判断された。比較例No.7はAl23が多いた
め、粘度が高く、スラグの流入性が悪いため、鋳片にコ
ーナー割れが発生した。比較例No.8はF含有量が少な
く、粘度が高い場合の例であり、比較例No.7と同様
に、スラグの流入性が悪くて、鋳片に多数のコーナー割
れが発生した。比較例No.9はF含有量が多すぎる場合
の例であり、鋳型内でスラグベアの発生成長が若干顕著
であるが、溶融状況もほぼ良好であり、鋳片にも割れが
認められなかった。しかし、鋳造後の浸漬ノズルの溶損
量が多く、多連々鋳には適用不可と判断された。比較例
No.10はMgO+MnOの含有量が少ない場合の例で
あり、凝固温度が高い上に、粘度も高いため、スラグの
流入性が悪く、鋳片にコーナー割れが発生した。比較例
No.11はMgO+MnOが過剰に含有された場合の例
であり、凝固温度が低くなりすぎたため、鋳片に縦割れ
及びコーナー割れが発生した。
【0034】これに対し、実施例No.12乃至18は凝
固温度及び粘度がいずれも適正であるため、鋳型内での
状況も良好であり、鋳造性が良かった。また、鋳片には
表面疵が認められず、極めて健全な結果が得られた。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、炭素含有量が0.08
乃至0.16重量%である溶鋼の連続鋳造において、凝
固温度及び粘度を適切なものに維持しつつ、フラックス
の溶融性を高めることができ、表面疵がない健全な鋳片
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックス中のMgO含有量と粘度との関係を
示すグラフ図である。
【図2】ZrO2及びMgOの添加量とフラックス凝固
温度との関係を示すグラフ図である。
【図3】CaO/SiO2比と凝固温度との関係を示す
グラフ図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaO及びSiO2をCaO/SiO
    2(重量%比);1.2乃至1.4の比で含有し、1乃
    至3重量%のAl23、5乃至9重量% のF、1乃至
    4重量%のZrO2、1乃至7重量%のCを含有し、更
    に、3乃至5重量%のMgO及び2重量%以下のMnO
    の1種又は2種を含有し、8重量%以下のNa2O、
    1.5重量%以下のK2O及び1.5重量%以下のLi2
    Oからなる群から選択された少なくとも1種の成分を総
    量で9重量%以下含有し、ZrO2/(Na2O+Li2
    O+K2O)(重量%比)を0.2乃至0.5に設定し
    たことを特徴とする連続鋳造用フラックス。
  2. 【請求項2】 凝固温度が1100乃至1250℃であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用フラッ
    クス。
  3. 【請求項3】 粘度が0.3乃至2.0Poiseであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造用フラ
    ックス。
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