JP7035654B2 - Al含有鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
そして、モールドフラックスは、鋳型壁と凝固殻との間でフラックスフィルムを形成し、鋳型と凝固殻の間で潤滑作用を奏する。
また、このフラックスフィルムによって鋳型内の溶鋼が緩冷却化されることになり、凝固により生成する凝固殻の厚みを均一に成長させることが可能となる。
特許文献1においては、モールドフラックスの組成を規定するとともに、溶鋼を注湯する浸漬ノズルの吐出角度、鋳型振動の条件、鋳型内溶鋼撹拌の条件を適正化することにより、鋳型内の溶鋼表面変動や熱流束を制御して、不均一凝固及び鋳片の表面割れの抑制を図っている。
また、特許文献2においては、Al含有鋼を2.0m/min以上の鋳造速度で鋳造するためのモールドフラックスが提案されている。このモールドフラックスにおいては、MgO濃度と塩基度を所定の範囲に規定することにより、cuspidine(Ca4Si2O7F2)の結晶化を促進して、鋳型内潤滑の安定化を図っている。
また、特許文献2に記載された方法では、単にモールドフラックスの組成を規定しているが、このモールドフラックスの組成では、鋳型内における凝固殻の生成状況を安定して制御することができず、鋳片の表面欠陥の発生を十分に抑制することができなかった。
さらに、Al含有鋼は、高温延性が比較的高いため、その凝固殻が溶鋼の静圧を受けてフラックスフィルムを押圧するため、鋳型とフラックスフィルムとが強く接触することになり、わずかな状態変化によって鋳型表面温度がさらに変動しやすくなる。
このため、緩冷却化のために結晶化しやすいモールドフラックスを用いてAl含有鋼を連続鋳造した場合には、上述の鋳型表面温度の変動に起因して、実際には凝固殻が破断していないのに、ブレイクアウト予知システムによって自動的に鋳造速度が低下し、鋳造を効率良く行うことができないといった問題があった。
(1)式:0.90≦f(1)=(CaO)h/(SiO2)h≦1.90
(2)式:0.10≦f(2)=(CaF2)h/{(CaO)h+(SiO2)h+(CaF2)h}≦0.40
(3)式:0.00≦f(3)={(アルカリ金属の弗化物)h+(Al2O3)h}/{(CaO)h+(SiO2)h+(アルカリ金属の弗化物)h+(Al2O3)h}≦0.40
ここで、
(SiO2)h=WSiO2
(Al2O3)h=WAl2O3
(CaF2)h=(WF-WLi2O×1.27-WNa2O×0.613-WK2O×0.403)×2.05
(CaO)h=(WCaO-(CaF2)h×0.718)
(アルカリ金属の弗化物)h=WLi2O×1.74+WNa2O×1.35+WK2O×1.23
さらに、本実施形態であるAl含有鋼の連続鋳造方法においては、鋳型内の溶鋼に対してモールドフラックスを供給し、鋳型壁と凝固殻との間でフラックスフィルムを形成させている。
このモールドフラックスは、質量比で、CaOを25%以上60%以下の範囲内、SiO2を15%以上45%以下の範囲内、アルカリ金属酸化物の一種以上を0%以上20%以下の範囲内、Fを5%以上25%以下の範囲内で含有し、その他の成分の合計濃度が2%以上10%以下の範囲内とされ、CaOのSiO2に対する質量濃度比(CaO/SiO2)が1.3以上とされた組成を有し、凝固点が1230℃以上とされている。すなわち、本実施形態におけるモールドフラックスは、SiO2、CaO、アルカリ金属酸化物、Fを主成分とするものとされている。なお、本実施形態におけるモールドフラックスにおいては、溶融速度を調整するために。骨材としてC(炭素)が配合されることもある。
ここで、「その他の成分」とは、配合成分に含まれるFe2O3等の不純物であり、上述のように意図的に添加する「C」等は含まないものである。
(1)式:0.90≦f(1)=(CaO)h/(SiO2)h≦1.90
(2)式:0.10≦f(2)=(CaF2)h/{(CaO)h+(SiO2)h+(CaF2)h}≦0.40
(3)式:0.00≦f(3)={(アルカリ金属の弗化物)h+(Al2O3)h}/{(CaO)h+(SiO2)h+(アルカリ金属の弗化物)h+(Al2O3)h}≦0.40
ここで、
(SiO2)h=WSiO2
(Al2O3)h=WAl2O3
(CaF2)h=(WF-WLi2O×1.27-WNa2O×0.613-WK2O×0.403)×2.05
(CaO)h=(WCaO-(CaF2)h×0.718)
(アルカリ金属の弗化物)h=WLi2O×1.74+WNa2O×1.35+WK2O×1.23
(2)式及び(3)式についても、(1)式と同様に、モールドフラックスの組成が、cuspidine(Ca4Si2O7F2)の組成に近似するようにそれぞれ規定したものである。
モールドフラックスが溶融した状態の構造は、一般的にイオンの集合体であると考えられる。すなわち、CaF2やCaO等の化合物原料を配合してモールドフラックスを製造しても、溶融状態では、Ca2+,F-,O2-の各イオンになっていると考えられる。
したがって、弗化物の状態を定量的に把握する場合には、以下の2点を考慮することで精度が向上することになる。
<1> モールドフラックス中のFは、Li,Na,Kと優先的に化合する。
<2> Li,Na,Kと化合した後に残存したFがCaと化合する。
以上のことから、上述の(1)~(3)式においては、Li2O,Na2O,K2Oの質量濃度を用いて、それぞれの化合物の質量濃度を規定している。
なお、CaOの含有量は45%以上55%以下の範囲内とすることが好ましく、SiO2の含有量は20%以上35%以下の範囲内とすることが好ましく、アルカリ金属酸化物の一種以上の含有量を合計で0.1%以上10%以下の範囲内とすることが好ましく、Fの含有量を5%以上15%以下の範囲内とすることが好ましい。また、凝固点は1230℃以上であることが好ましい。
なお、モールドフラックスの組成をさらにcuspidineの組成に近似させるためには、f(1)が、1.10≦f(1)≦1.70の範囲であることが好ましく、f(2)が、0.15≦f(2)≦0.30の範囲であることが好ましく、f(3)が、0.02≦f(3)≦0.20の範囲であることが好ましい。
表1に示す組成のAl含有鋼を、垂直曲げ型連続鋳造機(以下、連鋳機)により鋳造して、熱間圧延用素材のスラブを製造した。連鋳機は2つのストランドから構成され、各ストランドの鋳型は、厚みを250mm、長さ1100mmとし、幅は表3に示すものとした。
鋳型には、電磁ブレーキを適用した。電磁ブレーキのためのコイル鉄芯の中心を幅中央および、溶鋼表面の高さから下方600mmの高さに配置した。この電磁ブレーキの強度を、表3に示すように0~4500Gの範囲で変化させた。なお、関係式:電磁ブレーキ強度B(Gauss)≧-1.8×鋳型幅W(mm)+5500を満足するか否かを表3に合わせて示す。
引き抜き時の潤滑性を得るために鋳型を振動させており、鋳型振動のストロークを6mmとした。
鋳造中、溶鋼表面の高さを鋳型上端から80mmの位置に一定に制御しながら溶鋼を供給し、鋳造速度は設定値を1.3m/minとした。
そして、モールドフラックスとして、表2に示すモールドフラックスA,モールドフラックスBの2種類を用いた。
スラブ品質の評価として、割れ個数が0.5個/スラブ以下のものを「○」、割れ個数が0.5個/スラブを超え、1.0個/スラブ以下のものを「△」、割れ個数が1.0個/スラブを超えるものを「×」と評価した。評価結果を表4に示す。
さらに、温度の計測結果によりブレイクアウト予知システムが作動した場合、その作動した回数を数えた。評価結果を表4に示す。
また、実際の鋳造時の平均鋳造速度を評価した。評価結果を表4に示す。
モールドフラックスを比較すると、モールドフラックスBを用いた実施例5と比較して、モールドフラックスAを用いた実施例6の方が、鋳造中の鋳型温度が低く、緩冷却効果があり、その変動幅は小さく、安定した冷却挙動を示した。その結果、モールドフラックスAを用いた場合の方が、スラブの表面割れが少なく、スラブ表面性状も良好であった。
Claims (2)
- Alを質量比で0.1%以上を含有するAl含有鋼を連続鋳造するAl含有鋼の連続鋳造方法であって、
鋳型内の溶鋼に対して供給するモールドフラックスは、質量比で、CaOを25%以上60%以下の範囲内、SiO2を15%以上45%以下の範囲内、アルカリ金属酸化物の一種以上を0%以上20%以下の範囲内、Fを5%以上25%以下の範囲内で含有し、CaO,SiO 2 ,アルカリ金属酸化物、FおよびCを除くその他の成分の合計濃度が2%以上10%以下の範囲内とされ、CaOのSiO2に対する質量濃度比が1.3以上とされた組成を有し、凝固点が1230℃以上とされており、
前記鋳型内の溶鋼に作用させる電磁ブレーキ強度B(Gauss)を、鋳型幅W(mm)に応じて、関係式:B≧-1.8×W+5500を満足する値とすることを特徴とするAl含有鋼の連続鋳造方法。 - 前記モールドフラックスは、前記モールドフラックスに含まれる各元素又は各化合物Mの含有量(質量%)をWMと表記した場合において、SiO2、CaO、アルカリ金属酸化物、Fの含有量が、以下の(1)~(3)式を満足することを特徴とする請求項1に記載のAl含有鋼の連続鋳造方法。
(1)式:0.90≦f(1)=(CaO)h/(SiO2)h≦1.90
(2)式:0.10≦f(2)=(CaF2)h/{(CaO)h+(SiO2)h+(CaF2)h}≦0.40
(3)式:0.00≦f(3)={(アルカリ金属の弗化物)h+(Al2O3)h}/{(CaO)h+(SiO2)h+(アルカリ金属の弗化物)h+(Al2O3)h}≦0.40
ここで、
(SiO2)h=WSiO2
(Al2O3)h=WAl2O3
(CaF2)h=(WF-WLi2O×1.27-WNa2O×0.613-WK2O×0.403)×2.05
(CaO)h=(WCaO-(CaF2)h×0.718)
(アルカリ金属の弗化物)h=WLi2O×1.74+WNa2O×1.35+WK2O×1.23
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JP2001047196A (ja) | 1999-08-16 | 2001-02-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 広幅薄鋳片の連続鋳造方法 |
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