JP5610879B2 - シート固定装置及び絶縁防水工法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の屋根や構造物等を防水する防水工法において、防水対象面となる下地に防水シートの一部分を固定するシート固定装置、及びそのシート固定装置を用いた絶縁防水工法に関する。
建物の屋根や構造物等に対する代表的な防水工法として、アスファルト防水工法やシート防水工法がある。これらの防水工法は、さらに、防水対象面となる下地と防水シートとの固定が全面にわたって行われる「全面密着工法」と、防水シートの一部分を下地に固定する「絶縁防水工法」とに分類される。絶縁防水工法では、防水シートが下地に対して部分的に固定されており全面的に固定されていない。部分固定であるため、下地に発生するクラックや繋ぎ目部分に起こる振動といった下地の挙動を、全面接着に比べ受け難く、結果として防水シートの破断が生じ難いという利点がある。
絶縁防水工法で施工された屋根の典型的な断面を図6に示す。絶縁防水工法では、通常、下地2に防水シート4を部分的に固定するために、下地2にシート固定装置6(シート固定具とも言う)を一定間隔で配置して打込み固定し、防水シート4とシート固定装置6とを接着剤等を用いて固定している。特に、防水シート4としてポリ塩化ビニル樹脂からなる塩ビシートを用い、ポリ塩化ビニル樹脂で被覆されたシート固定装置6を用いれば、防水シート4とシート固定装置6とを溶剤溶着又は加熱溶着により固定することができる。
このような絶縁防水工法、及びその工法に使用されるシート固定装置の例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のシート固定装置(文献では防水シート用摺動自在接合金具と称される)では、防水シートに貼付けられる金属片が、任意の水平方向に摺動可能な状態で取付けられ、これにより、固定した後においても、防水シートへの応力の発生を未然に防ぐことができると共に、防水シートの接着位置微調整することができるので、防水シートのしわの発生を防止することが可能になる。
特許第2536906号公報
しかしながら、絶縁防水工法では、上述のように、屋根面全体を覆う防水シートが、部分的に配置されたシート固定装置により点状に固定されおり、防水シートの大部分は下地と直接的に接着していない。そのため、例えば図6に示すように、台風等で強風Wが水平方向に発生したとき、防水シート4が膨れ上がり、シート固定装置6が引き抜かれたり、防水シート4が破断する等の被害が発生している。具体的には、シート固定装置間において、風により防水シート4にフラッタリングが発生するか、防水シート4が膨れ上がることで、シート固定装置6が斜め方向に引上げられる。そのため、単純に垂直方向の力Nだけではなく、さらに水平方向にも水平力H(横力)がかかる状態が断続的に継続することになり、シート固定装置6を固定するビスの金属疲労による折れや、ビスの抜けが発生するのである。さらに、近年の調査では、強風時に防水シート4を持ち上げる力(浮力B)が働くと共に、防水シート全体を横に引張るような水平力も働くことが判っており、シート固定装置6に接着固定された防水シート4の周辺部が引き裂かれたような破損状態となる場合があった。このように、シート固定装置等の機械的固定による防水工法の施工にあたっては、風に対する安全性の確保が重要な課題となっている。
このような課題に対し、特許文献1のシート固定装置は防水シートの接着位置のずれ等に対応して摺動可能ではあるが、強風により発生したエネルギ、すなわち防水シートの膨れ等による垂直力や水平力を吸収、放散して低減しようとする対応策については何ら示されていない。そのため、シート固定装置が引き抜かれるか、防水シートが破断される危険性がある。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、屋根の絶縁防水工法において、防水シートの膨れ等に起因するシート固定装置にかかる力を緩衝し、例えばビスの金属疲労による折れや、ビスの抜けを防止すると共に、防水シートにかかる負荷を軽減して防水シートの破損を防ぎ、延いては屋根の風に対する安全性を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、1番目の発明は、下地に防水シートを固定するシート固定装置であって、前記防水シートに固定される第一固定部材と、少なくとも前記第一固定部材の一部を覆うと共に、前記下地に固定される第二固定部材と、前記第一固定部材と前記第二固定部材との間に配置される緩衝材と、を備えることを特徴とする、シート固定装置を提供する。第一固定部材と第二固定部材との間に緩衝材を設けることで、第一固定部材が防水シートから力を受けたときに、ある程度追従して弾力的に移動し、第二固定部材にかかる力(横応力)を緩衝するか分散することができる。すなわち、緩衝材は、例えば免震ゴムのように、掛かる力のエネルギを、伝える途中で熱エネルギに変換することで、風から受けたエネルギを吸収、空気中に放散して、伝わるエネルギの絶対量を減少させて緩衝している。これにより、第二固定部材からビスにかかる負荷を軽減し、ビスの金属疲労による折れや、ビスの抜けを防止して、屋根の耐風性を向上させることができる。
2番目の発明は、1番目の発明において、前記第二固定部材は、前記第一固定部材の移動を制限する制限部を備え、前記第一固定部材は、前記第二固定部材の前記制限部によって移動が制限される被制限部を備える、シート固定装置を提供する。第二固定部材が制限部を有することで、例えば、緩衝材に変形可能な範囲以上の負荷がかかったとき、第二固定部材の制限部により、第一固定部材の移動を制限する。それにより、第一固定部材が第二固定部材に対して過剰に移動することを防ぎ、第一固定部材と第二固定部材とが分離して破損することを防止することができる。
3番目の発明は、1又は2番目の発明において、前記第一固定部材と前記第二固定部材とは円盤形状を有し、前記緩衝材は環状に配置される、シート固定装置を提供する。第一固定部材が円盤形状であるため、防水シートと第一固定部材とは円形状若しくは環状に固定される。また、緩衝材は第一固定部材及び第二固定部材と環状に接触する。そのため、水平方向においては方向性を有さないため、防水シートより何れの方向から力を受けた場合でも、シート固定装置はその力を緩衝することができる。
4番目の発明は、1から3番目の何れかの発明において、前記緩衝材が、弾性を有するゴム材からなる、シート固定装置を提供する。ゴム材を使用することで、施工現場においてシート固定装置を容易に組み立てることができる。
5番目の発明は、1から3番目の何れかの発明において、前記緩衝材が不定形弾性接着剤である、シート固定装置を提供する。不定形弾性接着剤を用いることで、例えば製造コストを低くすることができる。
6番目の発明は、1から5番目の何れかの発明であるシート固定装置を用いて、下地に防水シートの一部分を固定する、絶縁防水工法を提供する。
本発明のシート固定装置を屋根の絶縁防水工法に使用すれば、第一固定部材と第二固定部材との間に介在する緩衝材の弾性変形により、防水シートから受ける応力が吸収される。具体的には第一固定部材と第二固定部材との間に緩衝材を設けることで、第一固定部材が防水シートから応力を受けた場合に、防水シートに追従して第一固定部材が弾力的に移動する。そのため、防水シートからの力が緩衝されるか分散されて、第二固定部材にかかる負荷が軽減される。すなわち、緩衝材が、防水シートから第一固定部材にかかる力のエネルギを第二固定部材に伝える途中で、熱エネルギに変換することで、風のエネルギを吸収、空気中に放散して、風から伝わるエネルギの絶対量を減少させ「緩衝」するのである。そのため、例えば第二固定部材を固定するビスの金属疲労による折れや抜けが防止されたり、防水シート自体にかかる負荷も軽減されて、防水シートの破損を防ぎ、延いては屋根の風に対する安全性を確保することができる。
本発明の第一実施形態によるシート固定装置を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態によるシート固定装置を用いた絶縁防水工法により形成された屋根を示す斜視図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 本発明の第二実施形態によるシート固定装置を示す断面図である。 第二実施形態によるシート固定装置の別例を示す図である。 絶縁防水工法によって固定された防水シートが風によって膨れ上がる状態を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。また、以下の実施形態において同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付して示している。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるシート固定装置10を示す斜視図である。図2は、図1のシート固定装置10を用いた絶縁防水工法により形成された屋根1を示す斜視図であり、構造が判るよう一部を切り欠いて示している。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
本実施形態のシート固定装置10は、図に示すように、防水シート4に固定される第一固定部材12と、第一固定部材12の一部に重なると共に、下地2に固定される第二固定部材14と、第二固定部材14と第一固定部材12との間に配置される緩衝材16と、から構成されている。
第一固定部材12は、円盤形状を有する金属製の部材であり、その中央部には、第二固定部材14及び緩衝材16を挿入する中央凹部12aが形成されている。また、図3から判るように、中央凹部12aの中心部には、後述する第二固定部材14の一部とビス18を通すための穴12bが形成されており、第一固定部材12は概ねドーナツ型に成形されている。また、第一固定部材12の外周部分は、中央凹部12aの高さと略同じ高さとなるよう、下方に折り曲げられ、さらにその端部には水平方向にフランジ部12cが形成されている。そのため、第一固定部材12は軽量ながらも強度の高い部材となっている。なお、穴12bの径R1は、第二固定部材14上部の径R2より小さく形成されており、緩衝材16が防水シート4から受ける力により破壊されても、中央凹部12aが第二固定部材14に引掛かるので、第一固定部材12と第二固定部材14とが分離する危険性は少ない。また、第二固定部材14の上面は防水シート4に接触しないほうがよく、下地2からの第二固定部材14の高さH2は、第一固定部材14の高さH1以下であるか、より低いほうが望ましい。
第一固定部材12は、上述のように防水シート4に固定される部材であり、第一固定部材12の上面と防水シート4の裏面とがドーナツ状に接着されている。接着にはホットメルトタイプの接着剤を用いることができる。また、第一固定部材12が防水シートと同様の材料で被覆されている場合、例えば防水シートがポリ塩化ビニル樹脂からなる塩ビシートであり、第一固定部材12がポリ塩化ビニル樹脂により被覆されている場合は、接着面に溶剤を塗布して溶融接着するか、若しくは、接着面を加熱することで加熱溶着することができる。
第一固定部材12には、図1又は図3に示すように、防水シート4との接着面に、排出孔12dが複数形成されている。この排出孔12dによって、防水シート4と第一固定部材12との間に溜まる空気や、余分な接着剤又は水分等を取り除くことができる。なぜならば、防水シート4と第一固定部材12との間に気泡や余分なものが残留すると接着面の欠損部が発生し、有効最大の接着面積を確保できなくなるからである。また、シート接着時に接着剤が排出口12dを経由して第一固定部材12の裏面まではみ出してキノコ形に固まり、物理的な形状による「戻らず」の効果により、防水シート4と第一固定部材12とをより強固に固定できる効果も期待できる。なお、第一固定部材12の中央凹部12aにも、緩衝材16と第一固定部材12との間に溜まる空気や余分な接着剤等を取り除くために、複数の排出孔12eが形成されている。この排出孔12eを設けることで、接着に用いた溶剤が揮発したときに、それらを排出させることができる。
第二固定部材14は、第一固定部材12の中央凹部12aに対応した形状を有する金属製の部材である。本実施形態の第二固定部材14は円盤形状を有する。第二固定部材14は、第一固定部材12の中央凹部12aに完全に嵌合するわけではなく、第一固定部材12が、上方向又は水平方向に移動できるよう、一定の隙間(可動代)があるよう形成されている。この隙間に、後述する緩衝材16を挟み込むことで、第一固定部材12から受ける水平力が緩衝又は分散される。すなわち、緩衝材は、第一固定部材12に掛かる力のエネルギを、第二固定部材14に伝える途中で熱エネルギに変換することで、そのエネルギを吸収、空気中に放散することで、伝わるエネルギの絶対量を減少させて緩衝する。第二固定部材14は、下地2に対して固定具(ファスナー)の一つであるビス18を用いて固定される。第二固定部材14の中央部にはビス18を通すためのビス穴14aが形成されており、第二固定部材14は概ねドーナツ型になるよう成形されている。また、ビス穴14aは、ビス18の頭部に対応した形状に成形されており、そのため、第二固定部材14を固定したとき、ビス18の頭部が第二固定部材14の上面より突出することはない。また、第二固定部材14と防水シート4とが接触した場合、それらの間は滑る必要があり、そのため、第二固定部材14は、第一固定部材12のようにポリ塩化ビニル樹脂等により被覆されてもよい。但し、被覆した場合、第二固定部材14と防水シート4とが接着しないよう注意する必要がある。
第二固定部材14のビス穴14aの周辺について詳述する。第二固定部材14は、ビス穴14aの周辺より下方に延びて、第二固定部材14を支持する支持部14bを有している。支持部14bの下方端部には、さらに、外周方向に向かって広がるフランジ部14cが形成されている。支持部14b及びフランジ部14cを有することで、第一固定部材12が水平方向に移動しても、第一固定部材12の内側端部がフランジ部14cに当たり、第二固定部材14に対する第一固定部材12の移動を制限することができる。すなわち、第二固定部材14の支持部14b及びフランジ部14cは制限部として、第一固定部材12の内側端部は被制限部としての役割も有している。また、フランジ部14cが有ることにより、第一固定部材12の内側端部が、ビス18に直接当たらないので、第一固定部材12によるビス18の剪断が防止される。なお、本実施形態のフランジ部14cは外周方向に向かって広がっているが、強度を担保するために、フランジ部14cは内周方向に向かって形成されてもよい。
次に、本実施形態の緩衝材16について説明する。緩衝材16は、図3から判るよう、第二固定部材14と第一固定部材12の中央凹部12aとの間に配置されている。そのため、第一固定部材12は、防水シート4から力を受けた場合に、緩衝材16の弾性変形により、弾力的に上方又は水平方向に移動することができる。すなわち、緩衝材16が免震ゴムのように応力を吸収することで、第二固定部材14やビス18にかかる力を軽減することができる。この緩衝材16の変形量や弾力は、緩衝材16の物性により制御することができる。なお、本実施形態の緩衝材16は、ビス18の固定により第二固定部材14と第一固定部材12とに挟持されている。そのため、緩衝材16は、第一固定部材12や第二固定部材14と接着されていなくても効果を発揮する。しかしながら、第一固定部材12や第二固定部材14との接合力を補強するため、又は、施工現場での組立を容易にするために、予め接着されていてもよい。また、図では、緩衝材16と、第一固定部材12及び第二固定部材14とは密着して配置されているが、緩衝材16は、第一固定部材12または第二固定部材14との間に、可動代(移動可能空間)を残して配置されてもよい。
本実施形態の緩衝材16は、第二固定部材14と概ね同じ大きさで形成されたドーナツ型の成型ゴム材であり、第二固定部材14と同様、中央部にはビス18を通すための穴が形成されている。このように、緩衝材16はビス18を中心としたドーナツ型に形成されるので、第一固定部材12と第二固定部材14とに対して環状に接触するようになる。そのため、水平方向においては方向性を有さないことから、防水シート4から何れの方向から力を受けた場合でも、緩衝材16は同様に変形して、シート固定装置10は防水シート4からの力を緩衝することができる。
緩衝材16の材料は弾性を有する各種ゴムであり、例えば、各種天然ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ニトリル/ポリ塩化ビニルブレンドゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、エチレン−アクリルゴム、各種熱可塑性エラストマー等を使用することが可能である。特に、耐候性、耐熱性を考慮すると、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EPM、EPDMが望ましく、製造コストも考慮すると、ブチルゴムが好適である。
緩衝材16は不定形弾性接着剤でもよい。緩衝材16を成型するためのコストが不要となるので安価にシート固定装置10を実現することができる。緩衝材16に用いる不定形弾性接着剤として、例えば変性シリコーン系、アクリル樹脂系、ブチルゴム系、ポリウレタン系等の接着剤が挙げられる。
ビス18は、第二固定部材14を下地2に固定するための固定具(ファスナー)であり、従来の絶縁防水工法において、シート固定装置を固定するのに常用されているものであれば、どのような形状のビスを用いてもよい。例えばプラスチック製のカールプラグを併用するものでもよく、また、ハンマーでビス頭を叩くことによりビスの先端が開いて下地2にしっかりと固定されるものでもよい。ビス18の選定にあたっては下地2に対する引き抜き強度に留意する必要があり、引き抜き強度が小さい場合は、単位面積当たりのシート固定装置10の配置個数を多くする必要がある。
本実施形態の第一固定部材12及び第二固定部材14は、上述のように金属製であり、0.5mmから2.0mmの厚みを有する鋼板を打ち抜き加工することにより作製される。強度を考慮すると、第一固定部材12及び第二固定部材14の厚みは0.6mm以上有するのがよく、特に第二固定部材14は約1mmの厚みを有するのが望ましい。具体的な鋼板として、例えば溶融亜鉛めっき鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、塗装溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、塗装ステンレス鋼板、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、塗装溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、熱間圧延ステンレス鋼板、冷間圧延ステンレス鋼板が挙げられる。また、本実施形態の第一固定部材12は、ポリ塩化ビニル樹脂により被覆されているが、これに限定されず、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂により被覆されもよい。また、第一固定部材12及び第二固定部材14は、強度及び製造コストの観点から金属製が望ましいが、例えば、強化プラスチックや合成樹脂から作製されてもよい。
シート固定装置10の外形、すなわち第一固定部材12の径R3は70mm〜150mmの間で作製される。可搬性、製造コスト、防水シートとの接着性の観点から、第一固定部材12の径R3を80mm〜90mmで作製するのがよい。また、第二固定部材14の径R2は20mm〜50mmの間で作製することができ、下地に対する固定強度の観点から32mm程度とするのが好適である。また、上述のように、第一固定部材12の中央凹部の穴12bの径R1は、第二固定部材14の径R2より小さく、10mm〜15mmの間で形成するのがよい。なお、これらの数値は最も好適な例を示すものであって、その値は、シート固定装置10の配置間隔や、防水シート4の材質等によって、多様に変更され得るものであり、これらの数値に限定されないことは当然である。
本実施形態のシート固定装置10は、第一固定部材12と第二固定部材14と、その間に介在する緩衝材16とから構成されるが、これら構成部材の組立は、製造工程で行われてもよく、また、施工現場にて行われてもよい。
本実施形態のシート固定装置10は、第一固定部材12と第二固定部材14とが、半独立状態となっており、その間に緩衝材16が存在している。そして、緩衝材16が破壊されても、第一固定部材12と第二固定部材14とが容易に分離されない(破壊されない)構造となっている。従って、本実施形態のシート固定装置10の安全性は、従来のシート固定装置と比較しても同等かそれ以上であり、劣ることはない。
このように構成されたシート固定装置10は、例えば図2に示すように、屋根1の下地2に一定の間隔でもって配置され、ビス18により固定される。そして、例えばロール状に巻かれた防水シート4がシート固定装置10に接着されつつ、下地2上に敷設される。本実施形態のシート固定装置10を用いることで、防水シート4が風により膨れ上がっても、シート固定装置10にかかる垂直力や水平力は、緩衝材16により緩衝されて吸収されるので、第二固定部材14からビス18にかかる負荷を軽減することができ、ビス18の金属疲労による折れや抜けを防止することができる。そのため、シート固定装置10の破壊による防水シート4の破損を防ぐことができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図を用いて説明する。図4は、本実施形態のシート固定装置20が下地2に固定された状態を示す断面図である。シート固定装置20は、図1に示すシート固定装置10と同様、絶縁防水工法で使用されるものであり、下地2に固定されて、防水シート4がシート固定装置20の上面に固定されている。
シート固定装置20は、防水シート4に固定される第一固定部材22、下地2に固定される第二固定部材24、第二固定部材24と第一固定部材22との間に配置される緩衝材26と、を備えている。しかしながら、図1に示すシート固定装置10と異なり、第二固定部材24の底面が下地に接触しており、第二固定部材24は第一固定部材22を介することなく直接下地2に固定されている。第一固定部材22が第二固定部材24の上方に配置されるため、そのままでは、防水シート4が風により膨れ上がった場合、上方向や水平方向の力に対して抵抗することができない。そこで、本実施形態のシート固定装置20では、第二固定部材24の外周部分に、第二固定部材24に対する第一固定部材22の移動を制限する制限部29を有している。緩衝材26の材質や、ビス28については、第一実施形態のシート固定装置10と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
シート固定装置20は、図1のシート固定装置10と同様、円盤形状であり、略同じ大きさの径を有する第一固定部材22と第二固定部材24とから構成されている。
第二固定部材24の中央部には、ビス28を通すためのビス穴24aが形成されており、第二固定部材24はビス28の押圧により下地2に固定されている。また、第二固定部材24の外周部には、上述のように第一固定部材22の移動を制限する制限部29が垂直方向に立上がっている。制限部29の上方端部からは第二固定部材24の内側に向けてフランジ部29aが形成されている。言い換えれば、第一固定部材22に第二固定部材24の一部が重なっている。そのため第二固定部材24の制限部29には、外周に沿った溝29bが形成されるようになり、第一固定部材22の外周端部(被制限部:後述するフランジ部22a)をこの溝29bに嵌め込むことで、第二固定部材24に対する第一固定部材22の移動を制限することができる。また、制限部29の溝29bと第一固定部材22の外周端部とは完全に嵌合しているわけではない。すなわち、防水シート4に追従して第一固定部材22が移動できるよう、制限部29の溝29bと第一固定部材22の外周端部との間には、ある程度の隙間(可動代)が形成されている。この隙間は0.5mm〜2.0mm程度あればよく、約1.0mmで形成するのが好適である。
次に、本実施形態の第一固定部材22について説明する。第一固定部材22は上述のように円盤形状であり、その中央部にはビス28を通すための穴22bが形成されている。但し、この穴22bは、該穴22bを通じて第二固定部材24を固定するビス28を回すために形成されたものであり、ビス28によって第一固定部材22が第二固定部材24に固定されることはない。そのため、この穴22bの径R4はビス28の頭部より大きい径で形成されている。また、この穴22bの周囲に沿って環状の凹部22cが形成されており、第一固定部材22の内周端部の強度が高められている。第一固定部材22の外周も折り曲げられており、上述のように、外周端部には制限部29の溝29bに嵌め込むフランジ部22aが形成されている。
本実施形態のシート固定装置20では、図4に示すように、緩衝材26が、第一固定部材22と第二固定部材24との間に配置されている。図示しないが、第一固定部材22及び第二固定部材24は共に円盤形状を有するので、緩衝材26は環状に配置される。このような構造であっても、シート固定装置20の移動は制限部29によって制限されているため、防水シート4の膨れ上がりに抵抗することは可能である。しかしながら、弾力を持って抵抗するために、緩衝材26は、第一固定部材22及び第二固定部材24の両方に接着剤で接着されているのが望ましい。なお、第一固定部材22の上面の高さH3は、緩衝材26により、第二固定部材24の高さH4より高くなるようにするのがよい。
本実施形態のシート固定装置20の別例を、図5に示す。図5のシート固定装置20は、図4のシート固定装置20と略同じ構成であるが、緩衝材を配置する位置が異なっている。図に示すように、制限部29の溝29bと第一固定部材22のフランジ部22a(被制限部)との間には隙間が形成されており、その隙間に緩衝材27が埋め込まれ、第一固定部材22のフランジ部22aが、緩衝材27によって挟持されている。このような構成をとることで、シート固定装置20は、緩衝材27によって上下方向及び水平方向から受ける力を緩衝することができる。この隙間は0.5mm以上有ればよく、緩衝材27にある程度厚みが必要な場合は約1.5mmで形成するのが好適である。この構成では、図4のシート固定装置20のように、緩衝材26を第一固定部材22及び第二固定部材24に接着する必要はない。また、シート固定装置20は、図4及び図5に示す緩衝材の位置を組合わせて実現してもよい。
以上、本発明の実施形態について添付図を用いて説明した。なお、本実施形態では、屋根の下地がコンクリートスラブであることを前提に説明したが、本発明のシート固定装置20は、コンクリートスラブの下地に限らず、鉄骨構造、木構造等の一般的な建築物の構造体の下地でも使用することができる。特に、金属デッキや断熱材を敷設した下地のように、シート固定装置がより水平力が受けて移動しやすい場合に、本発明は効果を示す。
2 下地
4 防水シート
10、20 シート固定装置
12、22 第一固定部材
14、24 第二固定部材
16、26 緩衝材
18、28 ビス

Claims (6)

  1. 下地に防水シートを固定するシート固定装置であって、
    前記防水シートに固定される第一固定部材と、
    前記第一固定部材の少なくとも一部に重なると共に、前記下地に固定される第二固定部材と、
    前記第一固定部材と前記第二固定部材との間に配置され、前記第一固定部材が前記防水シートから力を受けたとき、前記防水シートに追従して前記第一固定部材を弾力的に移動させ前記第二固定部材に係る力を緩衝する緩衝材と、
    を備えることを特徴とする、シート固定装置。
  2. 前記第二固定部材は、前記第一固定部材の前記第二固定部材に対する移動を制限する制限部を備え、
    前記第一固定部材は、前記第二固定部材の前記制限部によって、移動が制限される被制限部を備える、請求項1に記載のシート固定装置。
  3. 前記第一固定部材と前記第二固定部材とは円盤形状を有し、前記緩衝材は環状に配置される、請求項1又は2に記載のシート固定装置。
  4. 前記緩衝材は弾性を有するゴム材からなる、請求項1から3の何れか一項に記載のシート固定装置。
  5. 前記緩衝材は不定形弾性接着剤である、請求項1から3の何れか一項に記載のシート固定装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載のシート固定装置を用いて、下地に防水シートの一部分を固定する絶縁防水工法。
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