JP5606431B2 - 空気電池用触媒およびそれを用いた空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は空気電池用触媒およびそれを用いた空気電池に関する。
空気電池には、正極に空気を活物質に用い、負極に空気と電位差が取れるLi金属やその合金またはLiがカーボン等にインターカレートしたもの、さらには水素吸蔵合金に水素を吸蔵したものを用いることが一般的である。またZnやMg、Caなどの2価イオンになる金属やAlなどの3価イオンになる金属またはそれらの合金を負極に用いることもある。
このような空気電池は正極活物質が大気中の空気であるので、非常に高エネルギー密度な電池となり得、次世代蓄電池としてもまた金属燃料電池としても極めて魅力的な電池である。
また放電過程では負極から放出される金属イオンと正極側の空気(酸素)が反応して金属酸化物が生成される。また充電過程では生成された金属酸化物が金属イオンと空気に還元される。
放電時の酸素還元と充電時の金属酸化物からの酸素発生が効率よく行われるには適した触媒が必要であり、現状では非特許文献1に示したように電解二酸化マンガン、ポルフィリン錯体、高分子Coフタロシアン、白金などが用いられている。しかし、非特許文献2に示したように電解二酸化マンガン、ポルフィリン錯体は酸化に弱く、また白金族は溶媒に僅かずつだが溶解し、その溶解種が負極に析出して副反応の要因になる。
他にも例えば空気電池用触媒については、特開平2-257577、特開2003-200051、特開2004-076084、特開2008-112724、特開2008-270166、特開2008-300273等に種々の金属化合物が開示されている。
ケミカル・エンジエアリング,9月号,P23〜30,1990 荒井創 資源と素材,Vol.117,No3, P177〜182,2001
しかし、これらはいずれも酸素還元特性または酸素発生特性または使用条件での耐久性などが不十分である。
しかも空気電池を二次電池として用いる場合には、これらの反応に充分に可逆的であり、充電時の高い電位にも安定である触媒としては電解二酸化マンガン、ポルフィリン錯体では不十分である。
現在のところ、これらの要件を充分に満たす触媒はいまだ見出されていない。
本発明は、このような従来技術における問題点の解決を課題としており、本発明の目的は、空気電池における放電時の酸素還元性能が高効率であり、また空気二次電池として用いる場合は充電時の酸素発生性能も効率的で、充電時の高い電位にも安定な触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の遷移金属の炭窒酸化物からなる触媒が、空気電池における放電時の酸素還元と二次電池に用いた場合の充電時の酸素発生の両機能を有し、充電時の高い電位にも安定であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の(1)〜(11)に関する。
(1)
4族遷移金属及び/または5族遷移金属の炭窒酸化物からなることを特徴とする空気電池用触媒。
(2)
金属炭窒酸化物は、さらに、他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種が添加されていることを特徴とする(2)に記載の空気電池用触媒。
(3)
4族遷移金属及び/または5族遷移金属が、チタン、ジルコニウム、及びニオブからなる群より選択される少なくとも1種の金属であることを特徴とする(1)または(2)に記載の空気電池用触媒。
(4)
他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種が、錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属であることを特徴とする(2)または(3)に記載の空気電池用触媒。
(5)
金属炭窒酸化物の組成式が、NbCxNyOz(ただし、x、y、zは原子数の比を表し、0.02≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.4≦z≦2.5、かつ1≦x+y+z≦3.9である。)で表されることを特徴とする(3)に記載の空気電池用触媒。
(6)
金属炭窒酸化物の組成式が、NbaMbCxNyOz(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1、0<b≦0.99、a+b=1、0.02≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.4≦z≦2.5、かつ1≦x+y+z≦3.9である。
また、Mは錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表す。)で表されることを特徴とする請求項4に記載の空気電池用触媒。
(7)
金属炭窒酸化物の組成式が、TiCxNyOz(ただし、x、y、zは原子数の比を表し、0.05≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦3.1、かつ2.0≦4x+3y+2zである。)で表されることを特徴とする(3)に記載の空気電池用触媒。
(8)
金属炭窒酸化物の組成式が、TiaMbCxNyOz(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1.0、0<b≦0.99、a+b=1、0.05≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦3.1、かつ2.0≦4x+3y+2zである。
また、Mは錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表す。)で表されることを特徴とする(4)に記載の空気電池用触媒。
(9)
金属炭窒酸化物の金属がチタンであって、かつ粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって測定した前記金属炭窒酸化物の結晶構造がルチル型結晶構造を含むことを特徴とする(7)または(8)のいずれかに記載の空気電池用触媒。
(10)
空気電池用負極がリチウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、それらと他の金属との合金またはそれらがカーボンにインターカレーションされたものであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の空気電池用触媒。
(11)
(1)〜(10)のいずれかに記載の触媒を用いることを特徴とする空気二次電池。
本発明の触媒は、空気一次電池または空気二次電池における放電時の酸素還元と、空気二次電池における充電時の酸素発生の両機能を有し、充電時の高い電位にも安定である。従って、前記触媒を備えた空気電池は放電特性が良く、また二次電池に用いても可逆性が良くエネルギー密度が高い点で非常に性能が優れているという利点がある。
実施例1のNbCNの粉末X線回折スペクトルである。 実施例1のNbCNO触媒の粉末X線回折スペクトルである。 Li空気二次電池評価用セルの断面図である。 実施例2の触媒の粉末X線回折スペクトルである。 実施例3の触媒の粉末X線回折スペクトルである。 実施例4の触媒の粉末X線回折スペクトルである。 実施例5のTiCNの粉末X線回折スペクトルである。 実施例5の触媒の粉末X線回折スペクトルである。 実施例6のTiZrCNの粉末X線回折スペクトルである。 実施例6の触媒の粉末X線回折スペクトルである。 実施例7の酸素還元能を示した電流電位曲線である。 実施例8の酸素還元能を示した電流電位曲線である。 比較例1の酸素中での酸素還元能を示した電流電位曲線である。 比較例1の酸素還元能を示した電流電位曲線である。 比較例1の窒素中のデータである。 比較例2の酸素還元能を示した電流電位曲線である。 比較例3の酸素還元能を示した電流電位曲線である。 実施例9の3つの電極の電流電位曲線である。 実施例9(実施例7の空気極)の電流電位曲線である。 実施例9(白金板)の電流電位曲線である。 実施例9(比較例1の空気極)の電流電位曲線である。 実施例10の電極の電流電位曲線である。
<触媒>
本発明の触媒は、周期表の4族遷移金属及び/または5族遷移金属の炭窒酸化物、あるいは4族遷移金属及び/または5族遷移金属の炭窒酸化物にさらに他の遷移金属、周期表の13族または14族に属する金属、希土類金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種を添加した炭窒酸化物からなることを特徴とする。
具体的には例えば4族遷移金属としてはチタン、ジルコニウム及びハフニウムが挙げられる。また、5族遷移金属としてはバナジウム、ニオブ及びタンタルが挙げられる。
さらに他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及び/またはアルカリ土類金属からなる群としては、錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、ニッケル、イットリウム、ランタン、セリウム、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムが挙げられる。
これらの中で、4族遷移金属のうち最も好ましいのはチタンである。また、5族遷移金属のうち最も好ましいのはニオブである。
また、他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及び/またはアルカリ土類金属として好ましいのは錫及び鉄である。特にニオブの場合に錫又は鉄と組み合わせることが好ましい。
5族遷移金属にニオブを用いた場合は、金属炭窒酸化物の組成式が、
NbCxNyOz (1)
(ただし、x、y、zは原子数の比を表し、0.02≦x≦1.2(好ましくは0.02≦x≦0.7、より好ましくは0.05≦x≦0.7)、0.01≦y≦0.7、0.4≦z≦2.5、かつ1≦x+y+z≦3.9である。)
で表されるものが良い。
上記式(1)のx、y、zでは好ましくは、0.02≦x≦0.5、0.01≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5であり、さらに好ましくは0.10≦x≦0.5、0.02≦y≦0.1、2.0≦z≦2.5である。さらに、0.02≦x≦0.5、0.01≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5のとき、1.7≦x+y+z≦3.5であることが望ましく、0.10≦x≦0.5、0.02≦y≦0.1、2.0≦z≦2.5のとき、2.2≦x+y+z≦2.9であることが望ましい。元素の比率が上記範囲であると、電解液に溶出せず、さらに酸素発生および酸素還元の過電圧が小さく好ましい。
また、さらに他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及び/またはアルカリ土類金属を含む場合は金属炭窒酸化物の組成式が、
NbaMbCxNyOz (2)
(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1、0<b≦0.9、a+b=1、0.02≦x≦1.2(好ましくは0.02≦x≦0.7、より好ましくは0.05≦x≦0.7)、0.01≦y≦0.7、0.4≦z≦2.5、かつ1≦x+y+z≦3.9である。
また、Mは錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表す。)
で表されるものが良い。
上記式(2)のx、y、zでは好ましくは、0.02≦x≦0.5、0.01≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5であり、さらに好ましく0.10≦x≦0.5、0.02≦y≦0.1、2.0≦z≦2.5である。さらに、0.02≦x≦0.5、0.01≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5のとき、1.7≦x+y+z≦3.5であることが望ましく、0.10≦x≦0.5、0.02≦y≦0.1、2.0≦z≦2.5のとき、2.2≦x+y+z≦2.9であることが望ましい。
5族遷移金属にニオブを用いた場合、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって前記金属炭窒酸化物を測定した際に、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが2つ以上観測されるものがよい。結晶構造的にはNb12O29の組成のものを主として含んでいるものが高活性である。
回折線ピークとは、試料(結晶質)に様々な角度でX線を照射した場合に、特異的な回折角度および回折強度で得られるピークのことをいう。本発明においては、信号(S)とノイズ(N)の比(S/N)が2以上で検出できるシグナルを一つの回折線ピークとしてみなす。ここで、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
NbCNOの組成で、ニオブが酸化物構造であり、決してNbCNの岩塩構造でないことが重要であると考えられる。回折角2θ=33°〜43°の間に回折線ピークが2つ以上観測されることで、構造が岩塩構造から酸化物構造に変化していることを示す。岩塩構造が主体では触媒活性がほとんど現れないと考えられる。
X線回折法の測定装置としては、例えば粉末X線解析装置:リガク RAD−RXを用いて行うことができる。その測定条件としては、X線出力(Cu−Kα):50kV、180mA、走査軸:θ/2θ、測定範囲(2θ):10°〜89.98°、測定モード:FT、読込幅:0.02°、サンプリング時間:0.70秒、DS、SS、RS:0.5°、0.5°、0.15mm、ゴニオメーター半径:185mmで行うことができる。
一方、4族遷移金属にチタンを用いた場合、金属炭窒酸化物の組成式が、
TiCxNyOz (3)
(ただし、x、y、zは原子数の比を表し、0.05≦x≦1.2(好ましくは0.05≦x≦0.7)、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦3.1(好ましくは1.0≦x+y+z≦2.0)、かつ2.0≦4x+3y+2zである。好ましくは0.05≦x≦0.7、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦2.0、かつ2.0≦4x+3y+2zである。)
で表されるものが良い。
上記式(3)のx、y、zでは、好ましくは、0.05≦x≦0.5、0.01≦y≦0.50、0.1≦z≦1.90であり、さらに好ましくは、0.08≦x≦0.4、0.03≦y≦0.30、1.4≦z≦1.85である。0.05≦x≦0.5、0.01≦y≦0.50、0.1≦z≦1.90のとき、1.2≦x+y+z≦3.0、かつ2.5≦4x+3y+2zであることが望ましく、0.08≦x≦0.4、0.03≦y≦0.30、1.4≦z≦1.85のとき、1.8≦x+y+z≦2.5、かつ3.5≦4x+3y+2zであることが望ましい。元素の比率が上記範囲であると、電解液に溶出せず、さらに酸素発生および酸素還元の過電圧が小さく好ましい。
また、さらに他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及び/またはアルカリ土類金属を含む場合は金属炭窒酸化物の組成式が、
TiaMbCxNyOz (4)
(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1.0、0<b≦0.99、a+b=1、0.05≦x≦1.2(好ましくは0.05≦x≦0.7)、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦3.1(好ましくは1.0≦x+y+z≦2.0)、かつ2.0≦4x+3y+2zである。好ましくは0.05≦x≦0.7、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦2.0、かつ2.0≦4x+3y+2zである。
また、Mは錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表す。)
で表されるものが良い。
上記式(4)のx、y、zでは、好ましくは、0.05≦x≦0.5、0.01≦y≦0.50、0.1≦z≦1.90であり、さらに好ましくは、0.08≦x≦0.4、0.03≦y≦0.30、1.4≦z≦1.85である。0.05≦x≦0.5、0.01≦y≦0.50、0.1≦z≦1.90のとき、1.2≦x+y+z≦3.0、かつ2.5≦4x+3y+2zであることが望ましく、0.08≦x≦0.4、0.03≦y≦0.30、1.4≦z≦1.85のとき、1.8≦x+y+z≦2.5、かつ3.5≦4x+3y+2zであることが望ましい。
4族遷移金属にチタンを用いた場合、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって測定した結果、ルチル型結晶構造を主として有するものが良い。いいかえると、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって測定した前記金属炭窒酸化物の結晶構造がルチル型結晶構造を含むことが好ましい。
なお、本発明において、前記金属炭窒酸化物とは、組成式がM’Cxyzで表される化合物;金属M’の酸化物、金属M’の炭化物、金属M’の窒化物、金属M’の炭窒化物、金属M’の炭酸化物、金属M’の窒酸化物などを含み、組成式が全体としてM’Cxyzで表される混合物;あるいはM’Cxyzで表される化合物とともに、金属M’の酸化物、金属M’の炭化物、金属M’の窒化物、金属M’の炭窒化物、金属M’の炭酸化物、金属M’の窒酸化物などを含み、組成式が全体としてM’Cxyzで表される混合物を意味する。ここで、金属M’とは、4族遷移金属及び/または5族遷移金属を表す。また、他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及び/またはアルカリ土類金属が添加されているときは、金属M’には、4族遷移金属及び/または5族遷移金属と、他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及び/またはアルカリ土類金属とが含まれる。
本発明に用いる触媒の評価方法としては、空気電池に触媒を組み込んで評価するのが最も確実である。
一方、例えば亜鉛−空気電池用空気極評価の場合は、空気極側にカーボンロッドの1端面に触媒とカーボンブラックを混ぜて水中に懸濁させたものを垂らして乾燥させて表面を多孔性の4フッ化エチレン樹脂膜で固定したものを触媒として用い、対極に白金や黒鉛を用い、参照極に水素電極を用いて、アルカリ溶液中で電位走査などで単極評価してもよいし、
空気極側に触媒を担持した集電体を設置し、それに負極活物質の酸化物を接触させて、対極に電解液に浸した白金などの集電体兼用の電極を設置し、参照極に銀/塩化銀などの基準になる電極を用いて、空気極側の酸化物からの酸素発生や空気還元の効率を求める方法で行ってもよいし、
また簡易の空気電池セルを組み込んで評価してもよい。
具体的には、負極にLiなどの金属を用いて、電解液を染み込ませたセパレータを挟んで空気極側に触媒を担持した白金メッシュを用いて、白金メッシュの裏側から空気が取り入れ、取り出しできるようにして全体を4フッ化エチレン樹脂の枠で挟んで、空気二次電池を組み立てて可逆性を評価することもできる。
<触媒の製造方法>
上記触媒の製造方法は特に限定されないが、例えば、チタンまたはニオブを含有する炭窒化物を酸素を含む不活性ガス中で熱処理することにより、チタンまたはニオブの炭窒酸化物ができ、これを触媒として用いることができる。
また、錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属Mならびにチタンまたはニオブを含有する金属炭窒化物を、酸素を含む不活性ガス中で熱処理することにより、錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属Mならびにチタンまたはニオブを含有する金属炭窒酸化物を得る工程を含む製造方法が挙げられる。
また希土類金属やアルカリ土類金属を添加する場合は最初にそれぞれの金属または酸化物などの化合物の状態で添加して、それを焼成して求める組成のものを作ることもできる。
上記工程に用いる金属炭窒化物を得る方法としては、前記金属の酸化物及び炭素との混合物を、窒素雰囲気中で熱処理することにより金属炭窒化物を製造する方法(I)、前記金属の酸化物および窒化物の混合物を、窒素雰囲気中などで熱処理することにより金属炭窒化物を製造する方法(II)、または前記金属の酸化物、炭化物および窒化物の混合物を、窒素雰囲気中などで熱処理することにより金属炭窒化物を製造する方法(III)、または前記金属の含有物(例えば有機酸塩、塩化物、炭化物、窒化物、錯体など)、炭化物、窒化物の混合物を、窒素雰囲気中などで熱処理することにより金属炭窒化物を製造する方法(IV)が挙げられる。
また金属が2種類以上の場合も上記(I)〜(IV)の方法を用いることができる。例えばニオブと鉄の炭窒化物を製造するにも、ニオブ酸化物と鉄酸化物との混合物に炭素を混ぜて、窒素雰囲気中で熱処理してもよいし(I)、鉄の酸化物に、ニオブ窒化物を混ぜ、窒素雰囲気中で熱処理してもよい(II)。
また、鉄の酸化物に、ニオブ炭化物とニオブ窒化物を混ぜ窒素雰囲気中で熱処理しても良い(III)。
有機酸鉄にニオブ炭化物とニオブ窒化物を混ぜて、窒素雰囲気中で熱処理することで、ニオブ鉄の炭窒化物を得ることができる。またチタンとセリウムの炭窒化物を作るときも同様な操作で製造することができる。
金属炭窒化物を製造する際の熱処理の温度は600℃〜1800℃の範囲であり、好ましくは800〜1600℃の範囲である。前記熱処理温度が前記範囲内であると、結晶性および均一性が良好な点で好ましい。前記熱処理温度が600℃未満であると結晶性が悪く、均一性が悪くなる傾向があり、1800℃以上であると焼結しやすくなる傾向がある。
原料の金属Mの酸化物は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化白金、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ハフニウム、酸化チタニウム、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化セリウムまたは酸化ニッケル等が挙げられる。金属Mの酸化物は、1種類以上用いることができる。
また原料の酸化ニオブとしては、NbO、NbO2やNb2O5等が挙げられる。
また原料の酸化チタンとしてはTiO2が一般的に用いられるが特に限定はなく、他の価数の酸化物でも良い。
原料の炭素としては、カーボン、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレンが挙げられる。カーボンの粉末の粒径が小さいと、比表面積が大きくなり、酸化物との反応がしやすくなるため好ましい。
例えば、カーボンブラック(比表面積:100〜300m2/g、例えばキャボット社製 XC-72)などが好適に用いられる。
原料については、特に限定されない。いずれの原料を用いても、酸化ニオブまたは酸化チタンまたは前記金属Mの酸化物を混ぜたもの、および炭素から得られる金属炭窒化物を、酸素を含む不活性ガス中で熱処理することにより得られる金属炭窒酸化物からなる触媒は、空気二次電池に用いた場合、空気極の酸素還元性能や充電時の酸素発生性能が極めて高く、活性が大きい。
他の金属を混ぜた炭窒素酸化物を触媒にする場合は、例えばニオブと他の金属との炭窒酸化物の場合は、他の金属酸化物、酸化ニオブおよび炭素の配合量(モル比)を制御すると、適切な金属炭窒化物が得られる。
前記配合量(モル比)は、通常、酸化ニオブ1モルに対して、前記金属Mの酸化物が0.01〜10モル、炭素が1〜10モルであり、好ましくは、酸化ニオブ1モルに対して、前記金属Mの酸化物が0.01〜4モル、炭素が2〜6モルである。上記範囲を満たす配合モル比で作られた金属炭窒化物を用いると、空気二次電池用触媒としての活性が極めて高いものができる。
(金属炭窒酸化物の製造工程)
次に、上記製造方法(I)〜(IV)で得られた金属炭窒化物を、酸素を含む不活性ガス中で熱処理することにより、金属炭窒酸化物を得る工程について説明する。
上記不活性ガスとしては、窒素、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスまたはラドンガスが挙げられる。窒素またはアルゴンガスが比較的入手しやすい点で特に好ましい。
当該工程における酸素濃度は、熱処理時間と熱処理温度に依存するが、0.1〜10容量%が好ましく、0.5〜5容量%が特に好ましい。前記酸素濃度が前記範囲内であると、均―な炭窒酸化物が形成する点で好ましい。また、前記酸素濃度が0.1容量%未満であると未酸化状態になる傾向があり、10容量%を超えると酸化が進み過ぎてしまう傾向がある。
反応を全体に均―に行わせるために水素ガスを少量混入させて酸化反応を起こさせると、極めて効率的に高活性な触媒を合成することができる。混入させる水素ガスの濃度は雰囲気ガス全体の10モル%以下が好ましく、さらに好ましくは5モル%以下である。これは反応性と安全性を考慮している。
当該工程における熱処理の温度は、通常は400〜1400℃の範囲であり、好ましくは600〜1200℃の範囲である。前記熱処理温度が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成する点で好ましい。前記熱処理温度が400℃未満であると酸化が進まない傾向があり、1400℃以上であると酸化が進み過ぎ、結晶成長する傾向がある。
当該工程における熱処理方法としては、整地法、攪拌法、落下法、粉末捕捉法などが挙げられる。
落下法とは、誘導炉中に微量の酸素を含む不活性ガスを流しながら、炉を所定の熱処理温度まで加熱し、該温度で熱的平衡を保った後、炉の加熱区域である坩堝中に金属炭窒化物を落下させ、熱処理する方法である。落下法の場合は、金属炭窒化物の粒子の凝集および成長を最小限度に抑制することができる点で好ましい。
粉末捕捉法とは、微量の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で、金属炭窒化物を飛沫にして浮遊させ、所定の熱処理温度に保たれた垂直の管状炉中に金属炭窒化物を捕捉して、熱処理する方法である。
落下法の場合、金属炭窒化物の熱処理時間は、通常0.5〜10分であり、好ましくは0.5〜3分である。前記熱処理時間が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成される傾向があり好ましい。前記熱処理時間が0.5分未満であると金属炭窒酸化物が部分的に形成される傾向があり、10分を超えると酸化が進みすぎる傾向がある。
粉末捕捉法の場合、金属炭窒化物の熱処理時間は、0.2秒〜1分、好ましくは0.2〜10秒である。前記熱処理時間が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成される傾向があり好ましい。前記熱処理時間が0.2秒未満であると金属炭窒酸化物が部分的に形成される傾向があり、1分を超えると酸化が進みすぎる傾向がある。管状炉で行なう場合、金属炭窒化物の熱処理時間は、0.1〜10時間、好ましくは0.5時間〜5時間である。前記熱処理時間が前記範囲内であると、均―な金属炭窒酸化物が形成される傾向があり好ましい。前記熱処理時間が0.1時間未満であると金属炭窒酸化物が部分的に形成される傾向があり、10時間を超えると酸化が進みすぎる傾向がある。
本発明の触媒としては、上述の製造方法等により得られる金属炭窒酸化物を、そのまま用いてもよいが、得られる金属炭窒酸化物をさらに解砕し、より微細な粉末にしたものを用いてもよい。
金属炭窒酸化物を解砕する方法としては、例えば、ロール転動ミル、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、槽解機による方法等が挙げられ、金属炭窒酸化物をより微粒とすることができる点では、気流粉砕機による方法が好ましく、少量処理が容易となる点では、乳鉢による方法が好ましい。
<用途>
本発明の触媒は、空気電池用触媒として使用することができる。
本発明の触媒は酸素還元能が高いばかりでなく、充電時の酸素発生過電圧も低いため、金属空気二次電池用触媒としても適している。空気電池は、正極に空気を活物質に用い、負極は空気と電位差が取れるLi金属やその合金またはLiがカーボン等にインターカレートしたもの、さらには水素吸蔵合金に水素を吸蔵したものを用いるか、またZnやMg、Caなどの2価イオンになる金属やAlなどの3価イオンになる金属またはそれらの合金を負極に用いることもある。
このような空気電池は正極活物質が大気中の空気であるので、非常に高エネルギー密度な電池となり得、次世代電池として極めて魅力的な電池である。中でも負極に亜鉛を用いた空気電池は電解液に水溶液を用いることができるので本発明には好適である。また負極にLiなどのアルカリ金属またはそれらがカーボンなどにインターカレートしたものを用いると電池電圧を大きく取れるので、それも有効である。
放電過程では負極から放出される金属イオンと正極側の空気(酸素)が反応して金属酸化物が生成される。二次電池として用いた場合は充電過程で生成された金属酸化物が金属イオンと空気に還元される。このように放電時の酸素還元と充電時の金属酸化物からの酸素発生が効率よく行われるには適した触媒が必要であり、その触媒として本発明は用いることができる。
本発明の触媒層には、さらに電子伝導性粉末を含むことが好ましい。電子伝導性粉末は、前記触媒に電気化学的反応を誘起させるための電気的接点を生じさせるため触媒反応電流を高めると考えられる。
前記電子伝導性粒子は通常、触媒の担体として用いられる。
電子伝導性粒子としては、炭素、導電性高分子、導電性セラミクス、金属または酸化タングステンもしくは酸化イリジウムなどの導電性無機酸化物が挙げられ、それらを単独または組み合わせて用いることができる。特に、炭素は比表面積が大きいため、炭素単独または炭素とその他の電子伝導性粒子との混合物が好ましい。すなわち空気電池用触媒層としては、前記触媒と炭素とを含むことが好ましい。
炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレンなどが使用できる。カーボンの粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると空気電池用触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下する傾向があるため、10〜1000nmの範囲であることが好ましく、10〜100nmの範囲であることがよりに好ましい。
電子伝導性粒子が、炭素の場合、前記触媒と炭素との質量比(触媒:電子伝導性粒子)は、好ましくは4:1〜1000:1である。
導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェエル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。
前記触媒を、担体である前記電子伝導性粒子上に分散させる方法としては、気流分散、液中分散等の方法が挙げられる。
液中分散は、溶媒中に触媒および電子伝導性粒子を分散したものを、燃料電池用触媒層形成工程に使用できるため好ましい。液中分散としては、オリフィス収縮流による方法、回転せん断流による方法または超音波による方法等があげられる。液中分散の際、使用される溶媒は、触媒や電子伝導性粒子を浸食することがなく、分散できるものであれば特に制限はないが、揮発性の液体有機溶媒または水等が一般に使用される。
また、触媒を、前記電子伝導性粒子上に分散させる際、さらに上記電解質と分散剤とを同時に分散させてもよい。
空気電池用触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記触媒と電子伝導性粒子と結着剤を含む懸濁液を集電体またはセパレータまたは固体電解質に塗布する方法が挙げられる。前記塗布する方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などが挙げられる。また、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、塗布法またはろ過法により基材に触媒層を形成した後、転写法でセパレータや固体電解質に触媒層を形成する方法が挙げられる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行なった。
[分析方法]
1.粉末X線回折
理学電機株式会社製 ロータフレックスを用いて、試料の粉末X線回折を行った。
各試料の粉末X線回折における回折線ピークの本数は、信号(S)とノイズ(N)の比(S/N)が2以上で検出できるシグナルを1つのピークとしてみなして教えた。なお、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
2.元素分析
炭素:試料約0.1gを量り取り、堀場製作所 EMIA-110で測定を行った。
窒素・酸素:試料約0.1gを量り取り、Ni−Cupに封入後、ON分析装置で測定を行った。
ニオブ・他の金属M:試料約0.1gを白金皿に量り取り、酸を加えて加熱分解した。この加熱分解物を定容後、希釈し、ICP一MSで定量を行った。
3.BET比表面積測定
島津製作所株式会社製 マイクロメリティクス ジェミニ2360を用いて触媒のBET比表面積を測定した。
[実施例1]
1.触媒の調製
酸化ニオブ(IV)(NbO2)2.50g(20mmol)にカーボン(キャボット社製、Vulcan72)600mg(50mmol)を十分に粉砕して混合した。この混合粉末を管状炉において、1600℃で1時間、窒素雰囲気中で加熱することにより、炭窒化ニオブ2.54gが得られた。
得られた炭窒化ニオブの粉末X線回折スペクトルを図1に示す。
得られた炭窒化ニオブ1.00gを、1容量%の酸素ガスを含むアルゴンガスを流しながら、管状炉で、800℃で1時間加熱することにより、ニオブの炭窒酸化物(以下「触媒(1)」とも記す。)1.08gが得られた。
触媒(1)の粉末X線回折スペクトルを図2に示す。このスペクトルはちょうどNb12O29のスペクトルと重なった。また、触媒(1)のBET比表面積は、2.2m2/gであった。
またこの触媒の元素分析からのモル比は次の通りであつた。
Nb:C:N:O=1:0.35:0.1:2.20。
2.評価用空気二次電池の製造
触媒能の測定は、次のように行った。触媒(1)0.095gとカーボン(キャボット社製 XC-72)0.005gをイソプロピルアルコール:純水=2:1の質量比で混合した溶液10gに入れ、超音波で境拌、縣濁して混合した。この混合物を加圧成形器で直径10mmΦに成形しそれを14.5mmΦの白金製の網状集電体の中央に載せた。
対極に直径14.5mmΦのNi製集電体上中央部に10mmΦのLi金属を圧着したものを負極とした。正極、負極の集電体は電解液に直接触れないように触媒または電極と接触する部分以外は絶縁樹脂でコートした。
電解質として、それぞれ脱気乾燥済みの1MのLiPF6をエチレンカーボネートとエチルカーボネートとジメチルカーボネートの質量比1:1:1の混合物溶媒に溶かしたものを用いた。
これをポリエチレン製セパレーター(厚み2mm)に染み込ませ、負極と正極触媒で挟んで、さらに全体を空気極側に10mmΦの穴をあけたPTFE製容器と負極側は穴のない容器で狭んで図3のような評価用セルを組み立てた。
また、評価実験中に外部にわずかに漏れた液相当分を常に補充できるようにした。
3.触媒能の評価
このようにして作製したセルの開回路電圧は3.OVであった。これを北斗電工製充放電装置を用いて、まずは放電(空気がLiイオンと反応してLi酸化物ができ、外部に電気が取り出せる)電流密度0.2mA/cm2で2時間放電した。
次いで、反対方向(生成したLi酸化物から酸素発生反応)に充電電流を0.2mA/cm2で電圧が4.5Vに上昇するまで流した。
その後、再び放電電流を一回日と同じ条件で2時間流した後、逆向きに充電電流を電圧が4.5Vになるまで流した。
さらに上記の繰り返しを行い、充電時の電気量が1回目の半分以下に低下するまでを寿命と仮定し、その寿命まで繰り返し続けた。いいかえると、寿命は、1回目の放電時の電気量に対する充電時の電気量を百分率で表した場合、この値が50%以上であるときまでとした。
その結果、この電池の寿命は136回で、放電時の電気量に対する充電時の電気量の百分率は、1回目が97%、2回目が98%、3回日以降ほぼ100%で、102回日から下がり始め120回目で85%、130回目で76%、136回日で51%、137回目で47%であった。
[実施例2]
1.触媒の調製
酸化ニオブ(IV)(NbO2)4.95g(39.6mmol)、酸化スズ(IV)(SnO2)60mg(0.4mmol)にカーボン(キャボット社製、Vulcan72)1.2g(100mmo1)を十分に粉砕して混合した。この混合粉末を管状炉において、1400℃で3時間、窒素雰囲気中で熱処理することにより、スズ(ニオブに対して0.01モル)およびニオブを含有する炭窒化物(2)4.23gが得られた。
得られた炭窒化物(2)1.02gを、1容量%の酸素ガスと2容量%の水素ガスを含むアルゴンガスを流しながら、回転式管状炉で、800℃で1時間熱処理することにより、スズ(1モル%)およびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(2)」とも記す。)1.10gが得られた。得られた触媒(2)の元素分析結果を表1に示す。
触媒(2)の粉末X線回折スペクトルを図4に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
またこの触媒の元素分析からのモル比は次の通りであった。
Nb:Sn:C:N:O=1:0.01:0.2:0.05:2.38
2.評価用空気二次電池の製造
触媒(1)を触媒(2)とした以外は実施例1と同様に行った。
3.触媒能の評価
このようにして作製した評価用空気二次電池を実施例1と同様にして評価実験を行った。その結果、この電池の寿命は128回で、放電時の電気量に対する充電時の電気量の百分率は、1回目が96%、2回目が98%、3回目が99%で4回日以降ほぼ100%で、98回目から下がり始め100回日で95%、110回目で86%、120回目で71%、128回目で50%であった。
[実施例3]
1.触媒の調製
炭化ニオブ5.88g(56mmol)、酸化第二鉄0.40g(2.5mmol)、窒化ニオブ5.14g(48mmol)を十分に粉砕して混合した。この混合粉末を管状炉において、該混合物を1600℃で3時間、窒素雰囲気中で熱処理することにより、鉄およびニオブを含有する炭窒化物(3)11.19gが得られた。焼結体の炭窒化物(3)をボールミルで粉砕した。
得られた炭窒化物(3)1.00gを、1容量%の酸素ガス、0.8容量%の水素ガスを含む窒素ガスを流しながら、管状炉で、900℃で6時間熱処理することにより、鉄(ニオブに対して0.02モル)およびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(3)」とも記す。)1.24gが得られた。
触媒(3)の粉末X線回折スペクトルを図5に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
またこの触媒の元素分析からのモル比は次の通りであった。
Nb:Fe:C:N:O=1:0.02:0.30:0.01:2.27
2.評価用空気二次電池の製造
触媒(1)を触媒(3)とした以外は実施例1と同様に行った。
3.触媒能の評価
このようにして作製した評価用空気二次電池を実施例1と同様にして評価実験を行った。その結果、この電池の寿命は178回で、放電時の電気量に対する充電時の電気量の百分率は、1回目が97%、2回目が98%、3回目が99%で4回日以降ほぼ100%で、160回目から下がり始め170回日で95%、175回日で85%、178回日で70%、179回日で49%であった。
[実施例4]
1.触媒の調製
酸化ニオブ(IV)(NbO2)4.75g(38mmol)、酸化スズ(IV)(SnO2)302mg(2mmol)にカーボン(キャボット社製、Vulcan72)1.2g(100mmol)を十分に粉砕して混合した。この混合粉末を管状炉において、1400℃で3時間、窒素雰囲気中で熱処理することにより、スズ(5モル%)およびニオブを含有する炭窒化物(4)4.10gが得られた。
得られた炭窒化物(4)の1.02gを、1容量%の酸素ガス含むアルゴンガスを流しながら、管状炉で、800℃で1時間熱処理することにより、スズ(ニオブに対して0.05モル)およびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(4)」とも記す。)1.09gが得られた。
触媒(4)の粉末X線回折スペクトルを図6に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
またこの触媒の元素分析からのモル比は次の通りであった。
Nb:Sn:C:N:O=1:0.05:0.4:0.02:2.15
2.評価用空気二次電池の製造
触媒(1)を触媒(4)とした以外は実施例1と同様に行った。
3.触媒能の評価
このようにして作製した評価用空気二次電池を実施例1と同様にして評価実験を行った。その結果、この電池の寿命は128回で、放電時の電気量に対する充電時の電気量の百分率は、1回目が95%、2回目が96%、3回目が98%で4回日以降ほぼ100%で、115回目から下がり始め117回目で95%、120回日で92%、125回日で83%、128回目で62%、129回目で45%であった。
[実施例5]
1.触媒の調製
炭化チタン(TiC)5.10g(85mmol)、酸化チタン(TiO2)0.80g(10mm01)、窒化チタン(TiN)0.31g(5mmol)をよく混合して、1800℃で3時間、窒素雰囲気中で加熱することにより、炭窒化チタン5.73gが得られた。焼結体になるため、自動乳鉢で粉砕した。
得られた炭窒化チタンの粉末X線回折スペクトルを図7に示す。
得られた炭窒化チタン298mgを、1容量%の酸素ガスおよび4容量%の水素ガスを含む、窒素ガスを流しながら、管状炉で、1000℃で10時間加熱することにより、チタンの炭窒酸化物(以下「触媒(5)」とも記す。)393mgが得られた。得られた触媒(5)の粉末X線回折スペクトルを図8に示す。
またこの触媒の元素分析からのモル比は次の通りであった。
Ti:C:N:O=1:0.18:0.06:1.52
2.評価用空気二次電池の製造
触媒(1)を触媒(5)とした以外は実施例1と同様に行った。
3.触媒能の評価
このようにして作製した評価用空気二次電池を実施例1と同様にして評価実験を行った。その結果、この電池の寿命は165回で、放電時の電気量に対する充電時の電気量の百分率は、1回目が97%、2回目が99%、3回日以降ほぼ100%で、150回目から徐々に下がり始め155回目で95%、160回目で92%、163回日で85%、164回日で64%、165回目で57%で、166回日で43%であった。
[実施例6]
1.触媒の調製
酸化チタニウム(IV)(TiO2)2.87g(39,6mmol)、酸化ジルコニウム(ZrO2)0.49g(4mmol)にカーボン(キャボット社製、Vulcan72)1.2g(100mmol)を十分に粉砕して混合した。この混合粉末を管状炉において、1800℃で3時間、窒素雰囲気中で熱処理することにより、ジルコニウム(チタンに対して0.09モル)及びチタニウムを含有する炭窒化物(6)3.05gが得られた。炭窒化物(6)の粉末X線回折スペクトルを図9に示す。
得られた炭窒化物(1)1.02gを、1容量%の酸素ガス含むアルゴンガスを流しながら、管状炉で、1000℃で1時間熱処理することにより、ジルコニウム(1モル%)及びチタニウムを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(6)」とも記す。)1.10gが得られた。触媒(6)の粉末X線回折スペクトルを図10に示す。
またこの触媒の元素分析からのモル比は次の通りであった。
Ti:Zr:C:N:O=1:0.09:0.23:0.07:1.43
2.評価用空気二次電池の製造
触媒(1)を触媒(6)とした以外は実施例1と同様に行った。
3.触媒能の評価
このようにして作製した評価用空気二次電池を実施例1と同様にして評価実験を行った。その結果、この電池の寿命は185回で、放電時の電気量に対する充電時の電気量の百分率は、1回目が96%、2回目が99%、3回日以降ほぼ100%で、170回日から徐々に下がり始め175回日で96%、178回日で92%、180回目で88%、183回日で74%、184回目で65%で、185回日で55%であった。186回日で48%であった。
[実施例7]
1.触媒の調製
触媒は実施例1と全く同じ方法で製造した。
2.空気極評価用電極の作製
触媒を30mg秤量し、それに粉砕したケッチェンブラックEC300J(ライオン(株)社製)を1.5mgを混合し、そこから25mg採取し、それにイソプロパノールと蒸留水の体積比1:1のものを1.25mL入れて、超音波漕に浸けて混合した。
そこからマイクロピペットで数μLずつを表面をよく研磨したカーボンロッド(直径5.8mm、長さ30mm)の一端面に滴下させ、120℃で乾燥させる工程を繰り返してロッド表面に塗布した触媒とカーボンの量が20mgになるようにした。ロッド側面はマニキュアタイプの絶縁性樹脂でコーティングし、ロッドから金線で集電して作用極とした。
3.空気板の性能評価
対極に白金黒ワイヤを用い、参照極に水素電極(NHE)を用いて、電解液には1規定のKOH水溶液を用いた。それらを5mL容量のガラス製4ロフラスコに入れ、電解槽内の温度を30℃にて、作用極側には窒素または酸素をバブリングさせて、電位走査させることで空気極としての酸素還元能及び酸素発生能を調べた。これは亜鉛−空気二次電池などの水溶液電池の空気側の触媒能を判断するのに好都合な方法である。酸素還元能は作用極を酸素バブリングした状態で電位走査した電流電位曲線と窒素バブリングした状態で電位走査した電流電位曲線との電流値の差から酸素還元能を判断した。なお、図11〜16までが「酸素の分極曲線−窒素の分極曲線」を示した図である。
4.評価結果
1.2V(vsNHE)から酸素還元側に走査した電流電位曲線を図11に示した。酸素還元開始電位は0.97Vと高く、還元電流も大きく流れた。
[実施例8]
1.触媒の調製
触媒は実施例5と全く同じ方法で製造した。
2.空気極評価用電極の作製
評価用電極も触媒のみを変更した以外は実施例7と同じように電極を作製した。
3.空気極の性能評価
作用極を変更した以外は実施例7と全く同じようにして評価した。
4.評価結果
1.2V(vsNHE)から酸素還元側に走査した電流電位曲線を図12に示した。酸素還元開始電位は0.95Vと高く、還元電流もほどほどよく流れた。
[比較例1]
1.触媒の調製
市販の電解二酸化マンガン((株)高純度化学研究所製)を乳鉢でよく練りつぶしたものを用いた。
2.空気極評価用電極の作製
評価用電極も触媒のみを変更した以外は実施例7と同じように電極を作製した。
3.空気極の性能評価
作用極を変更した以外は実施例7と全く同じようにして評価した。
4.評価結果
酸素中で酸素還元側に走査した電流電位曲線を図13に示した。一方酸素中で電位走査した曲線から窒素中で電位走査した曲線の電流値の差を図14に示した。これを見ると、酸素中でも窒素中でも酸素還元側ではMnO2自身が反応しており、酸素のよい還元性は見られなかった。
なお、図14−2に窒素中のデータを示す。窒素中のデータ(図14−2)でも、酸素中のデータ(図13)でも、水が酸化し、酸化電流が流れる電位=1.23Vより低い電位から酸化電流が流れ始めてしまっているため、すなわち、MnO2が酸化溶解してしまっているため、電極としては使えないと考えられる。
[比較例2]
空気極の性能評価は2cm2の白金板を用いた以外は実施例7と全く同様にして評価した。その結果を図15に示した。酸素還元能は良好(0.98V)であるが、図17−2で見られるように、酸素発生過電圧が大きく、空気極として用いることはエネルギーの無駄が多い。
[比較例3]
空気極の性能評価は実施例7で用いた鏡面状態まで磨き上げたカーボンロッドを用いた以外は実施例7と全く同様にして評価した。その結果を図16に示した。酸素還元能はあるが、過電圧が大きく酸素還元開始電位は0.80V(vsNHE)であった。
[実施例9]
実施例7及び比較例1で得た空気極、並びに白金板(片側面積2cm2)を酸素中でスキャンさせて、酸素還元から酸素発生の状態を電流電位曲線にて比較した。その結果を図17に示した。なお、実施例7の空気極、白金板(片側面積2cm2)、および比較例1の空気極の結果について、それぞれ図17-1〜17-3にも示した。
実施例7の空気極は酸素還元能も良く、酸素発生過電圧も小さく、用いた触媒が空気二次電池には適した触媒であることが分かる(図17-1)。
一方、白金板は酸素還元能は良いが、酸素発生の過電圧が大きすぎることが分かる(図17-2)。
また、比較例で得た空気極(二酸化マンガン)は、酸素還元状態でも酸素発生状態でも二酸化マンガン自身が反応しており、二次電池に用いた場合は効率が良い優れた空気極にはなりえないことが分かる(図17-3)。
[実施例10]
実施例8と同じ電極を用いて、実施例9と同じように酸素中でスキャンさせた。その結果を図18に示すが、酸素還元能も高く、酸素発生過電圧も低く、空気二次電池用触媒に適していることが分かった。
本発明の触媒は、酸素還元能が高いばかりでなく、充電時の酸素発生過電圧も低いため、金属空気二次電池用触媒として使用することができる。
1: 空気穴
2: 空気極集電体
3: 空気極触媒
4: セパレーター
5: Li負極
6: Li極集電体

Claims (11)

  1. 4族遷移金属及び/または5族遷移金属の炭窒酸化物からなることを特徴とする空気二次電池用触媒。
  2. 前記金属炭窒酸化物は、さらに、他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の空気二次電池用触媒。
  3. 前記4族遷移金属及び/または5族遷移金属が、チタン、ジルコニウム、及びニオブからなる群より選択される少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気二次電池用触媒。
  4. 前記他の遷移金属、13族または14族に属する金属、希土類金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種が、錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の空気二次電池用触媒。
  5. 前記金属炭窒酸化物の組成式が、NbCxNyOz(ただし、x、y、zは原子数の比を表し、0.02≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.4≦z≦2.5、かつ1≦x+y+z≦3.9である。)で表されることを特徴とする請求項3に記載の空気二次電池用触媒。
  6. 前記金属炭窒酸化物の組成式が、NbaMbCxNyOz(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1、0<b≦0.99、a+b=1、0.02≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.4≦z≦2.5、かつ1≦x+y+z≦3.9である。
    また、Mは錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表す。)で表されることを特徴とする請求項4に記載の空気二次電池用触媒。
  7. 前記金属炭窒酸化物の組成式が、TiCxNyOz(ただし、x、y、zは原子数の比を表し、0.05≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦3.1、かつ2.0≦4x+3y+2zである。)で表されることを特徴とする請求項3に記載の空気二次電池用触媒。
  8. 前記金属炭窒酸化物の組成式が、TiaMbCxNyOz(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1.0、0<b≦0.99、a+b=1、0.05≦x≦1.2、0.01≦y≦0.7、0.1≦z≦1.94、1.0≦x+y+z≦3.1、かつ2.0≦4x+3y+2zである。
    また、Mは錫、インジウム、白金、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表す。)で表されることを特徴とする請求項4に記載の空気二次電池用触媒。
  9. 前記金属炭窒酸化物の金属がチタンであって、かつ粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって測定した前記金属炭窒酸化物の結晶構造がルチル型結晶構造を含むことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の空気二次電池用触媒。
  10. チウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、それらと他の金属との合金またはそれらインターカレーションされた負極材料を含む負極を備えた空気二次電池に使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の空気二次電池用触媒。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の触媒を用いることを特徴とする空気二次電池。
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