JP5277642B2 - 空気電池 - Google Patents
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Description
本発明は、空気電池に関する。
従来、空気電池としては、リチウム酸化物又はリチウム過酸化物を含み酸素を酸化還元する正極とリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質を含む負極と正極と負極との間に介在する電解質とを備え充放電する2次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された2次電池は、炭素質物質により負極表面に金属リチウムが析出するのを防止するため、充放電サイクルの寿命がより向上している。
特開2005−166685号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された空気電池では、正極側については具体的に検討されておらず、放電時に正極で酸素の還元反応などが十分に進まないことがあり、そのようなときには、早期に電池の起電圧が低下し、放電容量が小さくなってしまうことがあった。また、充電時には正極での酸素の反応などが十分に進まないことがあり、充電容量が小さくなってしまうことがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、より大きな放電容量を有する空気電池を提供することを目的とする。また、より大きな充電容量を有する空気電池を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、鋭意研究したところ、本発明者らは、正極がセリウムを含み細孔径(直径)が5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上である触媒を備えている空気電池を作製したところ、より大きな放電容量を有すること、及び2次電池の正極においては大きな充電容量を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の空気電池は、負極と、セリウムを含み細孔径が5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上である触媒を備えている正極と、前記正極と前記負極との間に介在する非水電解質と、を備えたものである。
本発明の空気電池によれば、より大きな放電容量を有するものとすることができる。また、より大きな充電容量を有するものとすることができる。
本発明の空気電池において、負極は、例えば金属リチウムであってもよいし、リチウム合金であってもよいが、金属リチウムであることが好ましい。リチウム合金は、例えばアルミニウムやスズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金であってもよい。
本発明の空気電池において、正極は、触媒が酸素の酸化還元能を有し充放電可能であるものとしてもよい。すなわち、本発明の正極は、1次空気電池に用いてもよいし、2次空気電池に用いてもよい。なお、本発明の空気電池において、正極活物質として、空気を用いてもよいし、酸素を用いてもよい。
本発明の空気電池において、正極は、細孔径が5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上である触媒(空気電池正極用触媒)を備えている。ここで、空気電池の放電容量や充電容量の大きさを左右する一因として考えられる点を以下に説明する。空気電池の正極において、放電容量や充電容量を左右する因子の1つとして、反応生成物が析出することによって正極の細孔が閉塞されたり触媒活性点が覆われるなどして酸素の移動が妨げられたり酸素の反応が起きにくくなることが考えられる。この点について、正極に用いられる触媒の細孔径の分布や細孔容積に依存するものと考えられ、特に、細孔径が5nm〜35nmの範囲、即ちメソ細孔である細孔容積が空気電池の正極反応に関与するものと考えられる。ここでは、このメソ細孔範囲の細孔容積が0.15ml/g以上あるため、触媒活性点の周囲により多くの空間が存在することになる。このため、空気電池の放電時には、析出物が触媒活性点を覆い反応の進行が困難になることや細孔の一部が閉塞することにより酸素などの物質の移動ができなくなるのを抑制可能である。また、充電時においても、リチウム酸化物の分解により生成するリチウムイオンと酸素とがスムースに移動可能である。これらのことから、細孔径が5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上とすると、正極の触媒がより長期間触媒活性を持続することができ、ひいては、より大きな放電容量及びより大きな充電容量を有するものとすることができる。この細孔径5nm〜35nmの細孔容積は、作製の容易さや機械的強度などを勘案すると、1.00ml/g以下であるものとするのが好ましい。また、この細孔容積の測定方法は、窒素吸脱着法の吸着側から計算された値を用いるものとし、この吸着側の計算方法は、BJH(Barrett−Joyner−Halenda)法を用いるものとする。
この正極の触媒は、セリウムを含んでいる。セリウムは、酸化物の形態であってもよく、例えば、他の元素の酸化物や、ゼオライト、粘土系鉱物、カーボンなどの担体に担持されていてもよいし、他の元素との複合酸化物としてもよい。他の元素の酸化物としては、特に限定されるものではないが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどの酸化物のほか、これらのうち複数を組み合わせた酸化物としてもよい。正極の触媒は、このうち他の元素との複合酸化物であることが好ましく、特にセリウム−アルミニウムの複合酸化物とすることがより好ましい。セリウム−アルミニウムの複合酸化物では、上述した細孔容積を有するものを比較的容易に作製することができる。
また、正極の触媒は、平均細孔径が10nm〜20nmであることが好ましい。こうすれば、反応物質の移動の容易性や、反応物質と触媒活性点との接触確率などが好適な範囲となり、空気電池の正極に用いるのに好ましい。この平均細孔径の測定方法は、窒素吸脱着法の吸着側から計算された値を用いるものとし、この吸着側の計算方法は、BJH法を用いるものとする。
本発明の空気電池において、正極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、カーボン類でもよいし、金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。カーボンとしては、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、木炭や石炭などを原料とする活性炭類でもよいし、合成繊維や石油ピッチ系原料などを炭化した炭素繊維類でもよい。また、正極は、上述した触媒が正極の総重量に対して0.01〜50重量%を占めていることが好ましい。0.01重量%以上では触媒の効果が十分に得られるし、50重量%以下では正極に含まれる他の成分(導電材やバインダなど)が相対的に低くなりすぎることがないため導電性や機械的強度の低下などを抑えることができる。また、正極に含まれるセリウムの量としては、正極の総重量に対して0.001〜43重量%であることが好ましい。
本発明の空気電池において、正極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の空気電池において、正極は、例えば上記触媒と導電材とバインダとを混合したあと、集電体にプレス成形して形成してもよい。集電体としては、酸素の拡散を速やかに行わせるため、網状やメッシュ状など多孔体を用いることが好ましく、ステンレス鋼やニッケル、アルミニウム、銅などの多孔体の金属板を用いることができる。なお、この集電体は、酸化を抑制するためにその表面に耐酸化性の金属または合金の被膜を被覆してもよい。
本発明の空気電池において、電解質については、支持塩を含む非水系電解液などを用いることができる。支持塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO2)2N,Li(CF3SO3),LiN(C2F5SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。これらの支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。電解液としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の空気電池は、リチウム負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、空気電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の空気電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。本発明の空気電池の一例を図1に模式的に示す。この空気電池10は、集電体12に形成された正極13と、集電体14に隣接するリチウム負極15との間に電解液18を備えたものである。正極13には電解液18側にセパレータ17が設けられている。この正極13は、触媒16と、導電材13aとがバインダ13bによりプレス成形されて作製されている。
次に、正極の触媒の製造方法について説明する。この空気電池正極用触媒は、含浸法や沈殿法などにより作製することができる。ここでは、セリウム塩とアルミニウム塩とをアルカリによって共沈させる沈殿法を用いた場合について説明する。塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などを用いることができるが、熱処理により分解しやすい硝酸塩が好ましい。まず、セリウム塩とアルミニウム塩とを目的とする比率になるよう秤量し純水に溶解させて溶液とする。この溶液に、アルカリを添加して沈殿を生成させる。アルカリとしては、ナトリウムやカリウム、アンモニアなどを用いることができるが、熱分解しやすいことからアンモニアが好ましい。この得られた沈殿物に対して、1気圧以上に加圧すると共に100℃以上の加熱を行う熟成処理を行うことが好ましい。こうすれば、細孔の生成が促進され、細孔径5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上のものをより得やすい。得られた沈殿物は、400℃〜500℃で仮焼し残存する不要成分を熱分解するのが好ましい。この仮焼後に600〜800℃で焼成処理を行うのが好ましい。このような工程を経ると、細孔径5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上の触媒を作製することができる。このように得られた触媒に、更に他の触媒成分、例えば金などを担持させてもよい。こうすれば、更に酸素の酸化還元反応を促進することが可能であり、空気電池の正極に使用すると放電容量や充電容量を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、リチウム空気2次電池を具体的に作製した例を、実験例として説明する。
[実験例1]
正極に用いる触媒は、次のようにして作製した。得られる酸化物であるセリア−アルミナの重量比が89:11となるよう硝酸セリウムと硝酸アルミニウムとを混合した水溶液を調製し、ビーカ中で撹拌しながらアンモニア水を滴下して中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を2気圧の加圧下、120℃で2時間熟成処理を行った。熟成処理後の沈殿を大気中で400℃まで加熱し、5時間保持して、沈殿に含まれる硝酸アンモニウムを蒸発・分解し、セリア−アルミナ粉末(セリウム−アルミニウム複合酸化物)を得た。
正極に用いる触媒は、次のようにして作製した。得られる酸化物であるセリア−アルミナの重量比が89:11となるよう硝酸セリウムと硝酸アルミニウムとを混合した水溶液を調製し、ビーカ中で撹拌しながらアンモニア水を滴下して中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を2気圧の加圧下、120℃で2時間熟成処理を行った。熟成処理後の沈殿を大気中で400℃まで加熱し、5時間保持して、沈殿に含まれる硝酸アンモニウムを蒸発・分解し、セリア−アルミナ粉末(セリウム−アルミニウム複合酸化物)を得た。
正極は次のようにして作製した。上記得られた触媒を14.6重量部、カーボン(三菱化学製ECP600)を83重量部、ポリテトラフルオロエチレン(クレハ製)2.4重量部の比率で混合し、薄膜状に成形したものを5mgのカーボンが含まれるよう秤量し、ステンレス製のメッシュに圧着し真空乾燥を行い、空気電池の正極とした。負極には、直径10mm、厚さ0.5mmの金属リチウム(本城金属製)を用いた。そして、これらを用いて北斗電工製のF型電気化学セル20を組み立てた。F型電気化学セル20を図2に示す。まず、SUS製のケーシング21に負極25を設置し、負極25に対向する側にセパレータ27(タピルス製E25MMS)を設けた正極23を負極25に対向するようにセットし、非水電解液として、1Mの6フッ化リン酸リチウムを支持塩としエチレンカーボネート30重量部とジエチルカーボネート70重量部からなる溶液(富山薬品工業製)を電解液28として正極23と負極25との間に注入した。その後、正極23に発泡ニッケル板22を載せ、その上から空気が正極23側へ流通可能な押さえ部材29で押し付けることにより、セルを固定した。このようにして実験例1の触媒を備えた正極を有する空気電池を得た。なお、図示しないが、ケーシング21は正極23と接触する上部と負極25と接触する下部とに分離可能であり、上部と下部との間に絶縁樹脂が介在している。これにより、正極23と負極25とは電気的に絶縁されている。
[実験例2〜4]
実験例2の正極用触媒は、400℃まで加熱し5時間保持したあと、更に大気中600℃、5時間焼成した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。実験例3の正極用触媒は、400℃まで加熱し5時間保持したあと、更に大気中800℃、5時間焼成した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。実験例4の正極用触媒は、400℃まで加熱し5時間保持したあと、更に大気中1000℃、5時間焼成した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。
実験例2の正極用触媒は、400℃まで加熱し5時間保持したあと、更に大気中600℃、5時間焼成した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。実験例3の正極用触媒は、400℃まで加熱し5時間保持したあと、更に大気中800℃、5時間焼成した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。実験例4の正極用触媒は、400℃まで加熱し5時間保持したあと、更に大気中1000℃、5時間焼成した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。
[実験例5]
実験例5は、実験例2に更に触媒成分として金をスパッタリング処理により0.7重量%を担持させた以外は、実験例2と同様の方法で調整した。また、正極も実験例1と同様に作製した。なお、得られた実験例1〜5の空気電池は、1次電池としても2次電池としても利用可能である。
実験例5は、実験例2に更に触媒成分として金をスパッタリング処理により0.7重量%を担持させた以外は、実験例2と同様の方法で調整した。また、正極も実験例1と同様に作製した。なお、得られた実験例1〜5の空気電池は、1次電池としても2次電池としても利用可能である。
[X線回折測定]
実験例1〜4の触媒のX線回折測定をX線回折装置((株)リガク製RINT2200)によりCuKα線を用いて行った。
実験例1〜4の触媒のX線回折測定をX線回折装置((株)リガク製RINT2200)によりCuKα線を用いて行った。
[窒素吸脱着測定]
実験例1〜4の触媒の窒素吸脱着測定をガス吸脱着測定装置(Quantachrome製Autosorb−1)を用いて行った。窒素吸脱着測定は、0〜760mmHgまでの範囲で、窒素の吸脱着等温線を液体窒素温度で測定した。得られた窒素の吸着側のデータをBJH法を用いてP/P0>0.19の範囲で解析し、細孔径(直径)に対する細孔容積や平均細孔径などを算出した。
実験例1〜4の触媒の窒素吸脱着測定をガス吸脱着測定装置(Quantachrome製Autosorb−1)を用いて行った。窒素吸脱着測定は、0〜760mmHgまでの範囲で、窒素の吸脱着等温線を液体窒素温度で測定した。得られた窒素の吸着側のデータをBJH法を用いてP/P0>0.19の範囲で解析し、細孔径(直径)に対する細孔容積や平均細孔径などを算出した。
[充放電試験]
上述のように得られた図2に示すF型電気化学セル20を、北斗電工製の充放電装置(型名HJ1001SM8A)にセットし、正極23と負極25との間で正極カーボン1gに対して50.5mAの電流を流して開放端電圧が2.0Vになるまで放電した。また、この放電試験のあと、正極カーボン1gに対して20mAの電流を流して開放端電圧が4.5Vになるまで充電した。
上述のように得られた図2に示すF型電気化学セル20を、北斗電工製の充放電装置(型名HJ1001SM8A)にセットし、正極23と負極25との間で正極カーボン1gに対して50.5mAの電流を流して開放端電圧が2.0Vになるまで放電した。また、この放電試験のあと、正極カーボン1gに対して20mAの電流を流して開放端電圧が4.5Vになるまで充電した。
[実験結果]
図3は、X線回折の測定結果を表す図であり、図4は、細孔径に対する細孔容積のプロット図、図5は、放電試験における電圧と放電容量の変化を表すグラフであり、図6は、細孔径5〜35nmの細孔容積と放電容量及び充電容量との関係を表すプロット図であり、図7は、平均細孔径と放電容量及び充電容量との関係を表すプロット図である。また、測定結果をまとめたものを表1に示す。なお、図6,図7では、各サンプルのシンボルにサンプル番号を付した。X線回折の測定結果によると、図3に示すように、焼成温度が高くなると結晶性が高くなる傾向を示したが、すべてのサンプルで立方晶であるCeO2に帰属するピークが得られ、各サンプルでセリアとアルミナの相の違いがないことが確認された。また、細孔分布の測定結果では、焼成温度が高くなると細孔容積のピークがより大きな細孔径側となることが確認された。また、細孔径5〜35nmでの細孔容積は、表1に示すように、焼成温度がおよそ600℃のときにピークとなることがわかった。充放電試験の測定結果では、図5及び図6に示すように、細孔径5〜35nmでの細孔容積が0.15ml/g以上である実験例2及び実験例3において、充放電容量が大きな値を示すことが明らかとなった。また、平均細孔径が10〜20nmであるときにも充放電容量が大きな値を示すことが明らかとなった。
図3は、X線回折の測定結果を表す図であり、図4は、細孔径に対する細孔容積のプロット図、図5は、放電試験における電圧と放電容量の変化を表すグラフであり、図6は、細孔径5〜35nmの細孔容積と放電容量及び充電容量との関係を表すプロット図であり、図7は、平均細孔径と放電容量及び充電容量との関係を表すプロット図である。また、測定結果をまとめたものを表1に示す。なお、図6,図7では、各サンプルのシンボルにサンプル番号を付した。X線回折の測定結果によると、図3に示すように、焼成温度が高くなると結晶性が高くなる傾向を示したが、すべてのサンプルで立方晶であるCeO2に帰属するピークが得られ、各サンプルでセリアとアルミナの相の違いがないことが確認された。また、細孔分布の測定結果では、焼成温度が高くなると細孔容積のピークがより大きな細孔径側となることが確認された。また、細孔径5〜35nmでの細孔容積は、表1に示すように、焼成温度がおよそ600℃のときにピークとなることがわかった。充放電試験の測定結果では、図5及び図6に示すように、細孔径5〜35nmでの細孔容積が0.15ml/g以上である実験例2及び実験例3において、充放電容量が大きな値を示すことが明らかとなった。また、平均細孔径が10〜20nmであるときにも充放電容量が大きな値を示すことが明らかとなった。
本発明の空気電池は、主に電気化学産業に利用可能である。
10 リチウム空気電池、12,14 集電体、13 正極、13a 導電材、13b バインダ、15 リチウム負極、16 触媒、17 セパレータ、18 電解液、20 F型電気化学セル、21 ケーシング、22 発泡ニッケル板、23 正極、25 負極、27 セパレータ、28 電解液、29 押さえ部材。
Claims (5)
- 負極と、
セリウムを含み細孔径が5nm〜35nmの範囲にある細孔容積が0.15ml/g以上である触媒を備えている正極と、
前記正極と前記負極との間に介在する非水電解質と、
を備えた空気電池。 - 前記正極は、前記触媒の平均細孔径が10nm〜20nmである、請求項1に記載の空気電池。
- 前記正極は、前記触媒がセリウム−アルミニウム複合酸化物を含む、請求項1又は2に記載の空気電池。
- 前記正極は、前記触媒が酸素の酸化還元能を有し充放電可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記負極は、金属リチウムにより形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気電池。
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