JP2004197130A - 酸素還元用電極触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素還元用として好適な電極触媒を提供し、従来の貴金属微粒子を担持したカーボン電極触媒よりも高い酸素還元活性を示す電極触媒を提供する。
【解決手段】導電性担体に触媒を担持する電極触媒であって、該触媒が貴金属微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物微粒子との混合物である電極触媒。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極触媒、特に、ガス拡散電極に好適な電極触媒に関するものであり、中でも、食塩電解用の酸素陰極、金属−空気電池、燃料電池用の酸素極などに適用される、酸素還元ガス拡散電極に好適な電極触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス拡散電極は、水素、酸素、空気などの気体を多孔性の電極に供給して電極上で反応させるもので、気体の有する化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す燃料電池、金属−空気電池などに用いられている。
食塩電解の分野では、省エネルギー化が実現可能な陰極として、ガス拡散電極の実用化開発が進められている。
ガス拡散電極は、用途に応じて各種のものが知られている。水溶液を電解液として用いるものとして、ガス拡散電極は、ガス拡散層と反応層との積層構造体であり、内部には電気的接続をとるための集電体が埋め込まれている。酸素の供給はガス拡散層側から行われ、反応層は電解液と接している。酸素はガス拡散層内部を透過拡散した後、反応層に固定化された酸素還元触媒上で還元反応を受ける。
【0003】
従来、酸素還元活性が高い触媒としては、白金(特許文献1)、銀(非特許文献1)、有機金属錯体(特許文献2)、ペロブスカイト型酸化物(特許文献3)などが知られており、主にカーボン粒子を担体とし、その上に高分散担持させて用いられる。
食塩電解用ガス拡散電極では、白金などの貴金属を用いた場合でも、触媒活性は十分なものではなく、陰極として用いた場合の過電圧が高くなる。結果として、酸素コストまで含めた経済的優位性で、現行の水素陰極方式を上回ることができていない。そこで、より高い酸素還元活性をもつ触媒が求められている。
【0004】
また、燃料電池では、リン酸型燃料電池(PAFC)や固体高分子型燃料電池(PEFC)の触媒としては、白金を導電性カーボン粉末担体に分散担持した触媒が使用されてきた。しかし、白金は高価で資源的にも制限があり、白金の使用量を低減するために、高い酸素還元活性をもつ触媒が必要である。
そこで、カソードにおける酸素還元反応の活性を上げる目的で卑金属元素と白金の合金を導電性カーボン粉末に担持した触媒(非特許文献2)が開発されてきているが、十分なものではなく、より高い酸素還元活性をもつ触媒が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−212788号公報
【非特許文献1】
F.C. Anson, et. al.,J. Am. Chem. Soc., 1980,102, 6027
【特許文献2】
特開平2−257577号公報
【特許文献3】
特開平7−289903号公報
【非特許文献2】
T. Toda, H. Igarashi, M. Watanabe, J. Electrochem. Soc., 145, 4185-4188 (1998)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の貴金属触媒よりも、酸素還元活性が高い電極触媒を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、貴金属微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子を組み合わせた電極触媒により、貴金属微粒子のみの電極触媒よりも酸素還元活性が向上することを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)導電性担体に触媒を担持する電極触媒であって、該触媒が貴金属の微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子との混合物であることを特徴とする電極触媒。
(2)導電性担体が炭素微粒子であることを特徴とする(1)記載の電極触媒。
(3)貴金属が白金、パラジウムであることを特徴とする(1)又は(2)記載の電極触媒。
(4)希土類酸化物が酸化セリウムであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電極触媒。
(5)貴金属と希土類酸化物のモル比が1:0.01〜1:4.0である(1)〜(4)のいずれかに記載の電極触媒。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の電極触媒を使用することを特徴とする食塩電解用ガス拡散電極。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の電極触媒を酸素極に使用することを特徴とする燃料電池用電極。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電極触媒は、導電性担体に触媒を担持する電極触媒であって、その触媒が貴金属の微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子との混合物であることを特徴とする。本発明は、貴金属の微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子との組み合わせによる複合触媒が、貴金属の微粒子のみを担持した場合よりも、高い酸素還元活性が得られることによるものである。すなわち、本発明の電極触媒は、貴金属の微粒子と希土類酸化物の微粒子との界面が反応活性点になり、希土類酸化物の助触媒作用により、酸素還元活性が向上する。
本発明の貴金属としては、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)が挙げられるが、好ましくは、白金、パラジウムである。
【0010】
本発明において、主触媒の貴金属の微粒子は、担体に固定されている範囲で小さければ小さいほど、主触媒である貴金属の表面積が増すので好ましい。具体的には、200nm以下が好ましく、さらに、100nm以下の粒径がより好ましい。200nmを超えて粒径が大きくなりすぎると、主触媒である貴金属の表面積が減少して、十分な酸素還元活性が得られなくなる。また、希土類酸化物の微粒子は、担体に固定されている範囲で小さければ小さいほど、活性点が増すので好ましい。具体的には、500nm以下が好ましい。500nmを超えて粒径が大きくなりすぎると、活性点となる界面が形成されにくく、十分な酸素還元活性が得られなくなる。
【0011】
本発明の電極触媒は、触媒の表面積を大きくする目的で、通常は表面積の大きな導電性担体に担持する。
導電性担体としては、通常、微粒子状の炭素微粒子が用いられる。例えば、活性炭や、BET比表面積が30〜2000m2/gのカーボンブラックを挙げることができ、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、およびサーマルブラックなどと称されるものを使用することができる。炭素粒子の粒径は0.01μm〜1μmの範囲が好ましい。
【0012】
本発明の希土類酸化物としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の酸化物が挙げられる。好ましくは酸化セリウムである。
【0013】
本発明の電極触媒に含まれる貴金属の微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子との組成比は、貴金属の微粒子の存在量をA、少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子の存在量をBとすると、モル比で、Aに対するBのモル比(B/A)が0.01〜4.0であることが好ましい。モル比が0.01未満より小さいと希土類酸化物の微粒子の量が少なすぎて、活性点となる界面の形成が不十分となり、逆にモル比が4.0を超えて大きいと、希土類酸化物の量が多くなりすぎ、貴金属の微粒子を希土類酸化物が覆ってしまう構造となり、やはり界面が減少してしまうため、どちらも酸素還元活性を向上することができない。
炭素粒子に対する電極触媒物質の重量は10〜90重量%が好ましい。電極触媒物質が少なすぎると、電極触媒物質の総反応表面積が小さくなるため、十分な酸素還元活性が得られない。一方、電極触媒物質が多すぎると、電極触媒物質が凝集しやすくなり、電極触媒物質の総反応表面積が小さくなるため、十分な酸素還元活性が得られない。
【0014】
以下、本発明の電極触媒の調製方法について説明する。
(1)貴金属の担持方法
導電性担体に貴金属を担持する方法としては、様々な調製法で作製することができるが、通常、以下の製法で調製される。
導電性担体としては通常炭素微粒子粉末を用いるため、以下、導電性担体として炭素微粒子粉末を用いた場合について説明する。
まず、分散工程では、貴金属の塩を溶解させた溶液中に炭素微粒子粉末を分散させる。貴金属の塩は溶解するものであればよく、種類としては貴金属の硝酸塩、塩化塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩などが挙げられる。
【0015】
溶媒としては、通常水を用いる。必要に応じて少量のアルコール類、有機溶媒、酸、アルカリなどを使用することもできる。上記、貴金属の塩が溶解する溶媒であれば、何を用いても構わない。
この溶液中に炭素微粒子粉末を分散させるために、攪拌子や攪拌棒を用いて攪拌する方法、混練機を用いる方法、超音波分散する方法、ホモジナイザーを用いる方法、超音波ホモジナイザーを用いる方法など、様々な方法を用いることが可能であるが、一般的に攪拌子を用いて攪拌する方法が簡便であるため使用される。
還元工程は、還元剤を用いて、貴金属イオンを還元し、炭素微粒子粉末に貴金属を担持する工程である。還元剤としては、ヒドラジン、ホルマリン等を使用することができる。
還元処理後に、ろ過、洗浄、乾燥を行い、貴金属担持カーボン粉末が得られる。
【0016】
(2)希土類酸化物の担持方法
次に、希土類酸化物の微粒子を担持させる方法について説明する。
分散工程では、希土類の塩を溶解させた溶液中に貴金属担持カーボン粉末を分散させる。希土類の塩は硝酸塩が好ましい。硝酸塩は焼成工程における不活性ガス雰囲気での焼成により希土類酸化物となるためである。
この溶液中に貴金属担持カーボン粉末を分散させるために、攪拌子や攪拌棒を用いて攪拌する方法、混練機を用いる方法、超音波分散する方法、ホモジナイザーを用いる方法、超音波ホモジナイザーを用いる方法など、様々な方法を用いることが可能であるが、一般的に攪拌子を用いて攪拌する方法が簡便であるため使用される。
この懸濁液を引き続き、乾燥工程で乾燥させてもよいが、水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリを添加することにより、水酸化物を形成させてから、蒸発乾固することもできる。
【0017】
乾燥工程では、この懸濁液を乾燥する。乾燥方法は、溶媒を除去されればどのような方法でもよい。乾燥機やオーブン中において、100℃程度で12時間以上保持する方法、真空乾燥機、エバポレーターを用いる方法などが挙げられる。
焼成工程は、乾燥工程で得られた電極物質を熱分解反応により希土類酸化物を炭素微粒子上に担持する工程である。導電性担体の炭素微粒子の酸化が進行しないように、窒素などの非酸化雰囲気において加熱焼成することが好ましいが、炭素粒子が酸化を受けないような低温で、希土類酸化物の微粒子ができれば、空気中や酸素を含んだ雰囲気にあっても加熱焼成は可能である。また、加熱焼成温度は熱分解により希土類酸化物が形成できる温度で、出来るだけ低温で焼成する方が好ましい。好ましくは200〜1000℃である。また、保持時間は1〜10時間が好ましい。あまり高い温度で焼成すると希土類酸化物の微粒子が凝集し、粒径が大きくなってしまう。また、低い温度で焼成すると、希土類の硝酸塩が完全に熱分解されずに残るため好ましくない。
【0018】
本発明の電極触媒を作製する方法としては、炭素微粒子粉末に(1)貴金属の微粒子を担持、(2)希土類酸化物の微粒子を担持するが、その順番はどのような順番でもよく、最初に貴金属の微粒子を形成させた後に、希土類酸化物の微粒子を担持してもよいし、希土類酸化物の微粒子を形成させた後に、貴金属の微粒子を担持してもよい。さらに、貴金属の塩と希土類の塩の混合溶液を使用し、貴金属の微粒子と希土類酸化物の微粒子を同時に担持しても構わない。また、複数の希土類酸化物と貴金属を担持しても構わない。
上記の方法以外に、貴金属や希土類酸化物微粒子のコロイド溶液や、溶媒に粉体を分散させた懸濁液を用いて、導電性担体に担持することもできる。
以上の工程を経て得られた電極触媒は、粉末X線回折法により結晶構造が決定できる。
【0019】
以上の方法で得られた電極触媒を、チャンネルフロー電極法により評価を行った。チャンネルフロー電極法による測定には、図1に示す測定セルを用いた。図1の測定セルは、酸素飽和した電解液を電解液導入口3から導入し、厚みは0.05mmの電解液流路4を通り、電解液排出口5から排出する構造になっている。このとき、作用極1と接する電解液の流れが層流になっていればよい。アクリル樹脂の板の一部に2×5mm、深さ2mmのキャビティがあり、このキャビティに電極触媒を充填して作用極1とする。電気的接続をするために作用極1に、作用極配線2がある。また、参照極との液絡部分6を設置してある。電解液の流速を変化させることで、電解液中の溶存酸素の拡散速度を制御することが出来る。ある一定の流速で電解液を流し、作用極1で酸素還元反応を行わせ、そのときの電流−電圧特性(I−V特性)を測定し、さらに、酸素飽和下での静止電位(開回路電位)を測定して酸素還元活性を評価した。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例などに基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は、実施例などにより何ら限定されるものではない。
【実施例1】
10重量%のパラジウム担持カーボンを以下のように作製した。
塩化パラジウム(和光純薬社製)0.33gを30gの0.2MのHClで完全に溶解させた。その後、この溶液に、ミル(Janke&Kunkel社製:A10)を用いて粉砕した活性炭(武田薬品工業社製:X7100−3)1.8gを分散させた。さらに、攪拌子を用いて、15分攪拌後、5重量%のヒドラジンを4gを添加し、液相での還元処理を行った。12時間後に、得られた懸濁液をろ過、中性になるまで洗浄を行った。さらに、得られた粉末を乾燥し、ミルを用いて粉砕し、10重量%のパラジウム担持カーボン粉末を得た。
【0021】
次に、モル比でパラジウムとセリウムが1:2になるように、このパラジウム担持カーボン粉末0.3gに、硝酸セリウム(Ce(NO33・6H2O:和光純薬社製)0.245gを添加し、水1.5gに分散させ、超音波分散を5分間行った。さらに、100℃のオーブン中で水分を蒸発させ、乾燥し、試料粉末を得た。不活性ガス焼成炉(山田電機(株)製:VMF165型)を使用し、この粉末を窒素気流中で400℃、1時間の焼成を行い、さらに、ミルを用いて粉砕し、電極触媒粉末を得た。
この電極触媒粉末について粉末X線回折を行った。装置は、RINT−2500(理学電機(株)製)を用い、線源が銅Kα線(λ=1.54184Å)で測定を行った。回折ピークを同定した結果、PdとCeO2が検出された。
【0022】
この作製した電極触媒粉末に少量の流動パラフィン(キシダ化学(株)製)を添加し、乳鉢で混合しペースト状にした。このペーストを作用極部分に充填し、チャンネルフロー電極法により評価を行った。白金線を対極、銀/塩化銀電極を参照極とした。
0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液中で純酸素で酸素飽和になるまでバブリングを行った。さらに、溶液の流速を83.2cm/secに固定し、−0.6Vにおいて10分間保持した後、静止電位を測定した。安定した15分後の静止電位は+0.035Vであった。
次に、同流速において、作用極を+0.1Vから−0.6Vの電位まで10mV/secで掃引し、電位−電流曲線を測定した。得られた評価結果を図2に示す。評価結果は高い酸素還元活性を示した。
【0023】
【比較例1】
実施例1と同様にして10重量%のパラジウム担持カーボンを作製し、窒素気流中で400℃、1時間の焼成を行い、さらに、ミルを用いて粉砕し、電極触媒粉末を得た。さらに、実施例1と同様に評価を行った。作製した電極触媒粉末で粉末X線回折を行った結果、Pdが検出された。
静止電位は−0.003Vであった。静止電位は、実施例1とくらべて、卑な電位にあった。
チャンネルフロー電極法評価による電位―電流曲線の測定結果を図2に示す。実施例1とくらべて、酸素還元電流はより卑な電位から増加した。
【0024】
【実施例2】
モル比で白金とセリウムが1:1になるように、20重量%白金担持カーボン粉末(Johnson Matthey 社製:Platinum, 20% on VULCAN XC-72R carbon)0.3gに、硝酸セリウム(Ce(NO33・6H2O;和光純薬社製)0.134gを添加し、水5gに分散させ、超音波分散を5分間行った。さらに、100℃のオーブン中で水分を蒸発し、乾燥させ、試料粉末を得た。この粉末を窒素気流中で400℃、1時間の焼成を行い、ミルを用いて粉砕し、電極触媒粉末を得た。
実施例1と同様に、この電極触媒粉末を粉末X線回折を行い、ピークを同定したところPtとCeO2が検出された。
【0025】
この作製した電極触媒粉末に少量の流動パラフィン(キシダ化学(株)製)を添加し、乳鉢で混合しペースト状にした。このペーストを作用極部分に充填し、チャンネルフロー電極法により評価を行った。白金線を対極、銀/塩化銀電極を参照極とした。酸性溶液中での酸素還元活性を調べるために、0.1Mの硫酸水溶液を使用した。この硫酸水溶液を純酸素で酸素飽和になるまでバブリングを行った。
さらに、溶液の流速を83.2cm/secに固定し、+0.1Vにおいて10分間保持した後、静止電位(無負荷時の電極電位)を測定した。安定した3分後の静止電位は+0.658Vであった。
次に、同流速において、作用極を+0.8Vから+0Vの電位まで10mV/secで掃引し、電位−電流曲線を測定した。得られた評価結果を図3に示す。評価結果は高い酸素還元活性を示した。
【0026】
【比較例2】
20重量%白金担持カーボン(Johnson Matthey 社製:Platinum, 20% on VULCAN XC-72R carbon)を実施例2と同様にして評価を行った。静止電位は+0.560Vであった。静止電位は、実施例2とくらべて、卑な電位にあった。
チャンネルフロー電極法評価による電位―電流曲線の測定結果を図3に示す。実施例2とくらべて、酸素還元電流はより卑な電位から増加した。
【0027】
【発明の効果】
本発明による電極触媒は、従来の貴金属微粒子のみを担持したカーボン電極触媒よりも、酸素還元用電極触媒として高い酸素還元活性を示すものである。本発明の電極触媒をガス拡散電極に使用すれば、イオン交換膜を用いた食塩水などのアルカリ金属ハロゲン化物水溶液の電解における酸素還元過電圧を、従来よりも低減することが出来るものである。その結果、電解に使用する電力を削減でき、塩素、苛性ソーダなどの製品を低コストで生産することが可能になる。また、本発明の電極触媒を燃料電池用触媒として使用すれば、従来よりも高出力を実現することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】チャンネルフロー電極法評価装置の説明図である。
【図2】実施例1および比較例1の電極触媒のチャンネルフロー電極法評価結果の説明図である。
【図3】実施例2および比較例2の電極触媒の硫酸溶液中での、チャンネルフロー電極法評価結果の説明図である。

Claims (7)

  1. 導電性担体に触媒を担持する電極触媒であって、該触媒が貴金属の微粒子と少なくとも1種類以上の希土類酸化物の微粒子との混合物であることを特徴とする電極触媒。
  2. 導電性担体が炭素微粒子であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
  3. 貴金属が白金、パラジウムであることを特徴とする請求項1または2記載の電極触媒。
  4. 希土類酸化物が酸化セリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電極触媒。
  5. 貴金属と希土類酸化物のモル比が1:0.01〜1:4.0である請求項1〜4のいずれかに記載の電極触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電極触媒を使用することを特徴とする食塩電解用ガス拡散電極。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の電極触媒を酸素極に使用することを特徴とする燃料電池用電極。
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