JP5157343B2 - 空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、空気電池に関する。
従来、空気電池としては、リチウム酸化物又はリチウム過酸化物を含み酸素を酸化還元する正極とリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質を含む負極と正極と負極との間に介在する電解質とを備え充放電する2次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された2次電池は、炭素質物質により負極表面に金属リチウムが析出するのを防止するため、充放電サイクルの寿命がより向上している。
特開2005−166685号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された空気電池では、正極側については具体的に検討されておらず、放電時に正極で酸素の還元反応などが十分に進まないことがあり、そのようなときには、早期に電池の起電圧が低下し、放電容量が小さくなってしまうことがあった。また、充電時には正極での酸素の反応などが十分に進まないことがあり、充電容量が小さくなってしまうことがあった。このような、正極での酸素の反応を促進するものとして、様々なものがあるが、比較的多量に存在し、比較的容易に利用可能な元素としてマンガンが考えられる。このマンガンを利用した場合であっても、正極での酸素の反応などが十分に進まないことがあり、このマンガンの酸素の反応を促進する性能を向上することが求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、正極にマンガンを含むものにおいて、より大きな放電容量を有する空気電池を提供することを目的とする。また、正極にマンガンを含むものにおいて、より大きな充電容量を有する空気電池を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、鋭意研究したところ、本発明者らは、正極がマンガンを含み細孔径が4nm〜6nmの範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上である触媒を備えている空気電池を作製したところ、より大きな放電容量を有すること、及び2次電池の正極においては大きな充電容量を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の空気電池は、負極と、マンガンを含み細孔径が4nm〜6nmの範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上である触媒を備えている正極と、前記正極と前記負極との間に介在する非水電解質と、を備えたものである。
本発明の空気電池によれば、より大きな放電容量を有するものとすることができる。また、より大きな充電容量を有するものとすることができる。
本発明の空気電池において、負極は、例えば金属リチウムであってもよいし、リチウム合金であってもよいが、金属リチウムであることが好ましい。リチウム合金は、例えばアルミニウムやスズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金であってもよい。
本発明の空気電池において、正極は、触媒が酸素の酸化還元能を有し充放電可能であるものとしてもよい。すなわち、本発明の正極は、1次空気電池に用いてもよいし、2次空気電池に用いてもよい。なお、本発明の空気電池において、正極活物質として、空気を用いてもよいし、酸素を用いてもよい。
本発明の空気電池において、正極は、マンガンを含み4nm〜6nmの細孔径(直径)の範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上である触媒(空気電池正極用触媒)を備えている。ここで、空気電池の放電容量や充電容量の大きさを左右する一因として考えられる点を以下に説明する。空気電池の正極において、放電容量や充電容量を左右する因子の1つとして、反応生成物が析出することによって正極の細孔が閉塞されたり触媒活性点が覆われるなどして酸素の移動が妨げられたり酸素の反応が起きにくくなることが考えられる。この点について、正極に用いられる触媒の細孔径の分布や細孔容積に依存するものと考えられ、特に、細孔径が2nm〜50nmの範囲、即ちメソ細孔である細孔容積が空気電池の正極反応に関与するものと考えられる。ここでは、このメソ細孔範囲のうち特に細孔径が4nm〜6nmの範囲の細孔容積が0.005ml/g以上あるため、触媒活性点の周囲により多くの空間が存在することになる。このため、空気電池の放電時には、析出物が触媒活性点を覆い反応の進行が困難になることや細孔の一部が閉塞することにより酸素などの物質の移動ができなくなるのを抑制可能である。また、充電時においても、リチウム酸化物の分解により生成するリチウムイオンと酸素とがスムースに移動可能である。これらのことから、細孔径が4nm〜6nmの範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上とすると、正極の触媒がより長期間触媒活性を持続することができ、ひいては、より大きな放電容量及びより大きな充電容量を有するものとすることができる。この細孔径4nm〜6nmの細孔容積は、0.01ml/g以上であることがより好ましく、0.015ml/gであることが最も好ましい。この値が0.01ml/g以上では、酸素や反応性生物の移動がより円滑となり、より好ましい。また、細孔径4nm〜6nmの細孔容積は、作製の容易さや機械的強度などを勘案すると、0.5ml/g以下であるものとするのが好ましい。また、メソ細孔容積の値は、0.1ml/g以上であることが好ましく、0.4ml/g以上であることがより好ましい。この値が0.1ml/g以上では、酸素や反応性生物の移動がより円滑となり好ましい。ここで、細孔容積の測定方法は、窒素吸脱着法の吸着側から計算された値を用いるものとし、この細孔容積の計算方法は、吸着側でのBJH(Barrett−Joyner−Halenda)法を用いるものとする。
この正極の触媒は、4nm〜6nmの細孔径の範囲に微分細孔容積が0.0008ml/Å/g以上である細孔分布のピークを有していることが好ましく、0.001ml/Å/g以上である細孔分布のピークを有していることがより好ましく、0.0014ml/Å/g以上である細孔分布のピークを有していることが最も好ましい。微分細孔容積が0.0008ml/Å/g以上では、酸素や反応性生物の移動がより円滑となり好ましい。この細孔分布のピークは、4.6nm〜4.8nmの細孔径の範囲にあることがより好ましい。また、正極の触媒は、平均細孔径が4nm〜20nmであることが好ましい。こうすれば、反応物質の移動の容易性や、反応物質と触媒活性点との接触確率などが好適な範囲となり、空気電池の正極に用いるのに好ましい。また、正極の触媒は、比表面積が20m2/g以上あることが好ましく、80m2/g以上あることがより好ましい。この細孔分布のピークや平均細孔径の測定方法は、窒素吸脱着法の吸着側から計算された値を用いるものとし、この吸着側の計算方法は、BJH法を用いるものとする。また、比表面積は、窒素吸着によるBET比表面積測定で求めるものとする。
この正極の触媒は、マンガンを含んでいる。この触媒は、例えば、ゼオライト、粘土系鉱物、カーボンなどの担体にマンガンが担持されていてもよいし、他の元素との複合酸化物としてもよいが、マンガン酸化物の形態であることがより好ましい。特に、マンガン酸化物に細孔径が4nm〜6nmの範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上形成されているものとすることが好ましい。こうすれば、よりマンガンによる酸素の反応を促進することができる。また、この正極の触媒は、更に金を担持することが好ましい。こうすれば、より酸素の反応を促進することができる。金の担持量は、マンガンを含有する粉末100重量部あたり0.01重量部〜5重量部であることが好ましい。また、金の担持方法は、蒸着法を用いることが好ましい。
本発明の空気電池において、正極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、カーボン類でもよいし、金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。カーボンとしては、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、木炭や石炭などを原料とする活性炭類でもよいし、合成繊維や石油ピッチ系原料などを炭化した炭素繊維類でもよい。また、正極は、上述した触媒が正極の総重量に対して0.01〜50重量%を占めていることが好ましい。0.01重量%以上では触媒の効果が十分に得られるし、50重量%以下では正極に含まれる他の成分(導電材やバインダなど)が相対的に低くなりすぎることがないため導電性や機械的強度の低下などを抑えることができる。また、正極に含まれるマンガンの量としては、正極の総重量に対して0.001〜43重量%であることが好ましい。
本発明の空気電池において、正極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の空気電池において、正極は、例えば上記触媒と導電材とバインダとを混合したあと、集電体にプレス成形して形成してもよい。集電体としては、酸素の拡散を速やかに行わせるため、網状やメッシュ状など多孔体を用いることが好ましく、ステンレス鋼やニッケル、アルミニウム、銅などの多孔体の金属板を用いることができる。なお、この集電体は、酸化を抑制するためにその表面に耐酸化性の金属または合金の被膜を被覆してもよい。
本発明の空気電池において、電解質については、支持塩を含む非水系電解液などを用いることができる。支持塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。これらの支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。電解液としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の空気電池は、リチウム負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、空気電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の空気電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。本発明の空気電池の一例を図1に模式的に示す。この空気電池10は、集電体12に形成された正極13と、集電体14に隣接するリチウム負極15との間に電解液18を備えたものである。正極13には電解液18側にセパレータ17が設けられている。この正極13は、触媒16と、導電材13aとがバインダ13bによりプレス成形されて作製されている。
次に、正極の触媒の製造方法について説明する。この空気電池正極用触媒は、例えば、基材としてのマンガン塩とテンプレート剤としての界面活性剤とを含有するゾルを生成させ、このゾルを加水分解及び縮合反応させ、得られた生成物から界面活性剤を除去して多孔体前駆体とし、この多孔体前駆体を酸処理して作製することができる。こうすれば、比較的容易且つ確実にメソ細孔を有するマンガンを作製することができる。このマンガン塩としては、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ハロゲン化物(塩化物やフッ化物)などを用いることができるが、熱処理により分解しやすい硝酸塩や塩化物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のいずれであってもよく、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリエチルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム等のハロゲン化物塩あるいは水酸化物、脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、一級アルキルアミン等が挙げられる。このうち、アルキルトリメチルアンモニウムのハロゲン化物塩を用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で又は二種以上混合して用いることができる。なお、この界面活性剤の具体例は、例えば特開2005−305290などに詳細に記載されているからここではその記載を省略する。ゾルの生成は、例えば、マンガン塩の水溶液に塩基を添加しその後界面活性剤を添加して行ってもよいし、マンガン塩と界面活性剤との水溶液に塩基を添加して行ってもよい。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、等が挙げられ、溶液のpHは7〜11、より好ましくは8〜9の弱塩基性であることが好ましい。ここで得られた生成物を乾燥し、界面活性剤を除去する。例えば、界面活性剤に対する溶解度の高い有機溶媒(メタノール、アセトンなど)を用いて界面活性剤を除去してもよいし、400〜700℃で仮焼することにより界面活性剤を除去するものとしてもよい。このようにして得られた多孔体前駆体を酸処理してメソ細孔を有する触媒を作製する。酸処理では、pKaが2.5以下である酸の5mol/L以上の濃度の酸溶液を用いることが好ましく、例えば硫酸、硝酸、塩酸、リン酸などの無機酸やベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機酸を用いることができる。このような工程を経ると、細孔径4nm〜6nmの範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上の触媒を作製することができる。このように得られた触媒に、更に他の触媒成分、例えば金などを担持させてもよい。こうすれば、更に酸素の酸化還元反応を促進することが可能であり、空気電池の正極に使用すると放電容量や充電容量を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、リチウム空気2次電池を具体的に作製した例を、実験例として説明する。
[実験例1]
正極に用いる触媒は、次のようにして作製した。マンガン塩として塩化マンガン11.9gを水50mlに溶解した水溶液中へ、塩基として水酸化ナトリウム2.4gを水50mlに溶解させた水溶液を、撹拌しながら滴下してゾルを得た。得られたゾルに、界面活性剤としての臭化セチルトリメチルアンモニウム66.7gを水150mlへ溶解させた水溶液を加え、75℃に保ち1時間撹拌した。その後、75℃下で48時間熟成し、得られた沈殿を吸引ろ過し、室温で乾燥後、60℃で6時間乾燥した。得られた生成物(乾燥物)を粉末状にし、500℃で4時間焼成して界面活性剤を除去し、多孔体前駆体を得た。この多孔体前駆体を10mol/L硫酸100ml中に分散させ、25℃2時間撹拌の後、得られた固形分をろ過水洗し、乾燥させ、空気電池正極用触媒としてメソ細孔を持つMnO2を得た。
正極は次のようにして作製した。上記得られた触媒を14.6重量部、カーボン(三菱化学製ECP600)を83重量部、ポリテトラフルオロエチレン(クレハ製)2.4重量部の比率で混合し、薄膜状に成形したものを5mgのカーボンが含まれるよう秤量し、ステンレス製のメッシュに圧着し真空乾燥を行い、空気電池の正極とした。負極には、直径10mm、厚さ0.5mmの金属リチウム(本城金属製)を用いた。また、電解液としては、非水電解液として、1Mの6フッ化リン酸リチウムを支持塩としエチレンカーボネート30重量部とジエチルカーボネート70重量部からなる溶液(富山薬品工業製)を用いた。そして、これらを用いて図2に示す北斗電工製のF型電気化学セル20を組み立てた。F型電気化学セル20を図2に示す。まず、SUS製のケーシング21に負極25を設置し、負極25に対向する側にセパレータ27(タピルス製E25MMS)を設けた正極23を負極25に対向するようにセットし、非水電解液として、上記溶液を電解液28として正極23と負極25との間に注入した。その後、正極23に発泡ニッケル板22を載せ、その上から空気が正極23側へ流通可能な押さえ部材29で押し付けることにより、セルを固定した。このようにして実験例1の触媒を備えた正極を有する空気電池を得た。なお、ケーシング21は正極23と接触する上部21aと負極25と接触する下部21bとに分離可能であり、上部21aと下部21bとの間に絶縁樹脂24が介在している。これにより、正極23と負極25とは電気的に絶縁されている。
[実験例2]
実験例2の正極用触媒は、多孔体前駆体を5mol/L硫酸100ml中に分散させ25℃2時間撹拌した以外は、実験例1と同様にして作製した。また、正極も実験例1と同様に作製した。
[実験例3]
実験例3は、実験例1に更に触媒成分として金をスパッタリング処理により2.8重量%を担持させた以外は、実験例1と同様の方法で調整した。また、正極も実験例1と同様に作製した。なお、得られた実験例1〜3の空気電池は、1次電池としても2次電池としても利用可能である。
[実験例4]
実験例4の正極用触媒は、市販の二酸化マンガン(三井金属鉱山製)を用いた以外は、実験例1と同様にして作製した。
[窒素吸脱着測定]
実験例1〜4の触媒の窒素吸脱着測定をガス吸脱着測定装置(Quantachrome製Autosorb−1)を用いて行った。窒素吸脱着測定は、0〜760mmHgまでの範囲で、窒素の吸脱着等温線を液体窒素温度で測定した。得られた窒素の吸着側のデータをBJH法を用いてP/P0>0.19の範囲で解析し、細孔径(直径)に対する細孔容積や平均細孔径、BET比表面積などを算出した。
[充放電試験]
上述のように得られた図2に示すF型電気化学セル20を、北斗電工製の充放電装置(型名HJ1001SM8A)にセットし、正極23と負極25との間で正極カーボン1gに対して50.5mAの電流を流して開放端電圧が2.0Vになるまで放電した。また、この放電試験のあと、正極カーボン1gに対して20mAの電流を流して開放端電圧が4.5Vになるまで充電した。
[実験結果]
図3は、細孔径に対する細孔容積のプロット図、図4は、放電試験における電圧と放電容量の変化を表すグラフであり、図5は、充電試験における電圧と放電容量の変化を表すグラフである。また、測定結果をまとめたものを表1に示す。表1には、各実験例の比表面積、細孔分布曲線の最大のピークがある細孔径(ピーク細孔径)、ピーク細孔径での縦軸の値であるピーク微分細孔容積、細孔径4〜6nmの細孔容積(ピーク細孔容積)、細孔径2〜50nmの細孔容積であるメソ細孔容積、放電容量および充電容量を示している。細孔分布の測定結果では、テンプレート剤を用いて合成したマンガン酸化物は、細孔径4〜6nmの細孔容積が大きく、ピーク微分細孔容積もより大きな値を示した。なお、参考として、細孔径4〜5.5nmの細孔容積は、実験例1が0.0125ml/g、実験例2が0.0053ml/g、実験例4が0.0029ml/gであり、全細孔容積は、実験例1が0.676ml/g、実験例2が0.313ml/g、実験例4が0.036ml/gであった。充放電試験の測定結果では、図4及び図5に示すように、細孔径4〜6nmでの細孔容積が0.005ml/g以上であり、ピーク微分細孔容積が0.0008ml/Å/g以上である実験例1及び実験例2において、充放電容量がより大きな値を示すことが明らかとなった。また、実験例3において、金を担持すると充放電容量が更に高くなることが明らかになった。また、マンガンを、細孔径4〜6nmでの細孔容積が0.015ml/g以上、ピーク微分細孔容積が0.0014ml/Å/g以上とすると、更に大きな充放電容量を有するものとすることが明らかとなった。
Figure 0005157343
本発明の空気電池は、主に電気化学産業に利用可能である。
本発明の空気電池の模式図である。 F型電気化学セル20の断面図である。 細孔径に対する細孔容積のプロット図である。 放電試験における電圧と放電容量の変化を表すグラフである。 充電試験における電圧と放電容量の変化を表すグラフである。
符号の説明
10 空気電池、12,14 集電体、13 正極、13a 導電材、13b バインダ、15 リチウム負極、16 触媒、17 セパレータ、18 電解液、20 F型電気化学セル、21 ケーシング、21a 上部、21b 下部、22 発泡ニッケル板、23 正極、24 絶縁樹脂、25 負極、27 セパレータ、28 電解液、29 押さえ部材。

Claims (6)

  1. 負極と、
    媒を備えている正極と、
    前記正極と前記負極との間に介在する非水電解質と、
    を備え、前記触媒は、マンガンを含み細孔径が4nm〜6nmの範囲にある細孔容積が0.005ml/g以上である、空気電池。
  2. 前記正極は、前記触媒が4nm〜6nmの細孔径の範囲に微分細孔容積が0.0008ml/Å/g以上である細孔分布のピークを有している、請求項1に記載の空気電池。
  3. 前記正極は、前記触媒がマンガン酸化物である、請求項1又は2に記載の空気電池。
  4. 前記正極は、前記触媒が、マンガン塩と界面活性剤とを含有するゾルを生成させ該ゾルを加水分解及び縮合反応させ得られた生成物から前記界面活性剤を除去して多孔体前駆体とし該多孔体前駆体を酸処理して得られるマンガン多孔体を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気電池。
  5. 前記正極は、前記触媒が金を担持している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気電池。
  6. 前記負極は、金属リチウムにより形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気電池。
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