JP5194979B2 - 水系リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、水系リチウムイオン二次電池に関する。
従来より、電解液として水溶液を用いた水系リチウムイオン二次電池が知られている(例えば特許文献1参照)。この水系リチウムイオン二次電池は、非水系リチウムイオン二次電池が有する問題に対して以下の利点がある。即ち、水系リチウムイオン二次電池は、電解液に有機溶媒を用いていないため、基本的には燃えることはない。また、製造工程においてドライ環境を必要としないため、製造にかかるコストを大幅に削減することができる。さらに、一般的に水系電解液は非水系電解液に比べて導電性が高いため、水系リチウムイオン二次電池は、非水系リチウムイオン二次電池に比べて内部抵抗が低くなる。このような利点を持つ反面、水系リチウムイオン二次電池は、水の電気分解反応が起こらない電位範囲での使用が求められるため、非水系リチウムイオン二次電池と比較して起電力が小さくなる。水の電気分解電圧から計算すると、起電力は1.2V程度が限界であるが、現実には電気分解してガスが発生するには過電圧が必要であるため、2V程度が限界であると予想される。このように、水系リチウムイオン二次電池においては、高電圧・高エネルギー密度を犠牲として、高い安全性、低コスト及び低内部抵抗が確保される。そのため、水系リチウムイオン二次電池は、比較的コストを重視し、大型の電池が必要とされる電気自動車やハイブリッド電気自動車や家庭用分散電源等の用途に適する。こうした水系リチウムイオン二次電池において、特許文献1には、水系電解液として硝酸リチウムや硫酸リチウム、酢酸リチウムなどのリチウム塩を溶解した水溶液が用いられている。
特表平9−509490号公報
しかしながら、水系電解液として単独のリチウム塩を溶解した水溶液を用いた場合には、充放電サイクル特性が十分得られないことが多かった。その主な要因は、充放電サイクルを繰り返している間に活物質内の遷移金属が溶出してしまうことにあると考えられる。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、水系リチウムイオン二次電池において、従来に比べて充放電サイクル特性が向上したものを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、硝酸リチウムを主電解質塩とし、これとは異なる酢酸カリウムを副電解質塩とし、両者を溶解した水溶液を非水系電解液として水系リチウムイオン二次電池を組み立てたところ、硝酸リチウムのみを溶解した水溶液を非水系電解液とした場合に比べて充放電サイクル特性が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の水系リチウムイオン二次電池は、充電時にリチウムイオンを放出し放電時にリチウムイオンを吸蔵する材料を正極活物質とする正極と、充電時にリチウムイオンを吸蔵し放電時にリチウムイオンを放出する材料を負極活物質とする負極と、リチウムイオンを含む主電解質塩及び該主電解質塩とは異なる副電解質塩(ハロゲン化物塩を除く)が溶解した水系電解液と、を備えたものである。
本発明の水系リチウムイオン二次電池によれば、リチウムイオンを含む主電解質塩のみを溶解した水溶液を非水系電解液とした場合に比べて、充放電サイクル特性が向上する。こうした効果が得られる理由は定かではないが、充放電サイクルを繰り返している間に活物質内の遷移金属が溶出するのを副電解質塩のカチオン又はアニオンが抑制しているのではないかと考えられる。
本発明の水系リチウムイオン二次電池は、充電時にリチウムイオンを放出し放電時にリチウムイオンを吸蔵する材料を正極活物質とする正極と、充電時にリチウムイオンを吸蔵し放電時にリチウムイオンを放出する材料を負極活物質とする負極と、リチウムイオンを含む主電解質塩及び該主電解質塩とは異なる副電解質塩(ハロゲン化物塩を除く)が溶解した水系電解液と、を備えたものである。
本発明の水系リチウムイオン二次電池において、正極は、充電時にリチウムイオンを放出し放電時にリチウムイオンを吸蔵する材料を正極活物質とするものであれば、特に限定されないが、例えばスピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物や層状構造のリチウムマンガン複合酸化物、欠損型層状構造のリチウムマンガン複合酸化物、オリビン構造のリチウムリン酸化合物等を正極活物質とすることが好ましい。正極活物質は、水の電気分解による酸素が生じない電位範囲において、可逆的にできるだけ大量のリチウムイオンの吸蔵・放出が可能であることが好ましい。こうした観点から、正極活物質としては、オリビン構造のリチウムリン酸化合物が好ましく、Li及びFeを金属元素の主成分とするオリビン構造のリチウムリン酸化合物がより好ましく、LiFePO4が更に好ましい。
本発明の水系リチウムイオン二次電池において、負極は、充電時にリチウムイオンを吸蔵し放電時にリチウムイオンを放出する材料を負極活物質とするものであれば、特に限定されないが、例えばバナジウム、鉄、チタン、マンガン等の遷移金属を含有する酸化物や水酸化物、また、これらの金属とリチウムとの複合酸化物等を負極活物質とすることが好ましい。こうした負極活物質としては、例えばLiV24、LiV38、VO2、FeOOH、TiP27等が挙げられる。負極活物質は、水の電気分解による水素が生じない電位範囲において、可逆的にできるだけ大量のリチウムイオンの吸蔵・放出が可能であることが好ましい。こうした観点から、負極活物質としては、スピネル構造のリチウム複合酸化物が好ましく、Li及びVを金属元素の主成分とするスピネル構造のリチウム複合酸化物がより好ましく、LiV24が更に好ましい。
本発明の水系リチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の水系リチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の水系リチウムイオン二次電池において、水系電解液は、リチウムイオンを含む主電解質塩及びその主電解質塩とは異なる副電解質塩(ハロゲン化物塩を除く)が溶解した水溶液である。主電解質塩は、硝酸リチウム又は硫酸リチウムであり、このうち硝酸リチウムが好ましい。副電解質塩は、酢酸カリウム又は酢酸ナトリウムであり、酢酸と組みあわせることなく添加されている。こうした水系電解液のpHは、4〜11であることが好ましい。水系電解液のpHが4未満の場合には、多量のプロトンの存在のため正極活物質や負極活物質のLi+挿入脱離が阻害され、電池の容量や充放電サイクル特性が低下するおそれがある。また、水素発生の過電圧が低下し、負極上で水素が発生しやすくなる。一方、pHが11を超える場合には、酸素発生の過電圧が低下し、正極上で酸素が発生しやすくなる。
本発明の水系リチウムイオン二次電池において、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、例えば高分子化合物の微多孔フィルムなど、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる材質であれば、特に限定されずに用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルムなどが挙げられる。また、これらは、単独で用いてもよいし、複数のフィルムを重ね合わせた複層フィルムとして用いてもよい。また、これらのフィルムには、例えばイオンの伝導性を高める添加剤や強度・耐食性を高めるような種々の添加剤を添加してもよい。この微多孔フィルムのうち、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンなどが好ましく用いられる。このセパレータは、水系電解液が浸透してイオンが透過しやすいように、微多孔化を施すのが好ましい。この微多孔化の方法としては、上記高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、この溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜したのち熱処理し、結晶を一方向に配列させ、さらに延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」などが挙げられ、用いられる材質等により適宜選択される。
本発明の水系リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、こうした水系リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して電気自動車用電源としてもよい。電気自動車としては、例えば、電池のみで駆動する電池電気自動車や内燃機関とモータ駆動とを組み合わせたハイブリッド電気自動車、燃料電池で発電する燃料電池自動車等が挙げられる。
以下、本発明の具体例を実施例を用いて説明する。
[実施例1]
正極活物質を以下のようにして作製した。すなわち、出発原料として鉄の価数が2価であるシュウ酸鉄、炭酸リチウム、リン酸二水素アンモニウムをモル比でLi:Fe:P=1.05:1:1となるように混合し、ペレット状に成形して650℃、アルゴンガス雰囲気下で24時間焼成し、オリビン構造のLiFePO4を得た。これを正極活物質とした。
負極活物質を以下のようにして作製した。すなわち、炭酸リチウム(Li2CO3)、五酸化バナジウム(V25)を化学量論比に従って秤量し、自動乳鉢で120分間混合した。次いで、この混合物をプレス成形し、水素気流中、700℃で3時間焼成した。得られた混合物を乳鉢にて十分に解砕した後、炭酸ガスと酸素とよりなる酸素含有ガス中で650℃で48時間焼成した。更に乳鉢で十分に解砕してもう一度650℃、48時間の条件で焼成してスピネル構造のLiV24を得た。これを負極活物質とした。
次に、図1に示すCR2016型のコインセル10を組み立てた。まず、LiFePO4と導電材であるカーボンと結着材であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを重量比が70:25:5となるように秤量して良く混合した。この混合粉末20mgをあらかじめコインセル10のケース本体11の内側に溶接したSUS製メッシュ上に約0.6ton/cm2で圧着して正極13とした。続いて、LiV24と導電材であるカーボンと結着材であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを重量比が70:25:5となるように秤量して良く混合した。この混合粉末14.3mgをあらかじめコインセル10のケース蓋体12の内側に溶接したSUS製メッシュ上に約0.6ton/cm2で圧着して負極14とした。そして、ケース本体11の内周にガスケット15を配置すると共に正極13と負極14との間に親水処理を施したポリプロピレン製のセパレータ16を配置し、ケース本体11に水系電解液17を適量注入してセパレータ16に含浸させた。この水系電解液17としては、硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸カリウム(KOAc)をそれぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した。そして、ケース本体11の端部をかしめ加工することにより密封して試験用のコインセル10を得た。なお、コインセル10の仕込み容量は1.25mAhとなるように調整した。
[実施例2]
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸カリウム(KOAc)をそれぞれ6M及び0.2Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
[実施例3]
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸カリウム(KOAc)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
[実施例4]
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸ナトリウム(NaOAc)をそれぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例1
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸リチウム(LiOAc)をそれ
ぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例2
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸カリウム(KNO3)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例3
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸ナトリウム(NaNO3)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例4
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO32・6H3O)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例5
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸カルシウム四水和物(Ca(NO32・4H3O)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例6
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び四ホウ酸ナトリウム(Na2472)をそれぞれ6M及び0.1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
[比較例1]
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)を6Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
[実施例
正極活物質としてスピネル構造のLiMn24を固相法を用いて合成した。すなわち、水酸化リチウム(LiOH)と二酸化マンガン(MnO2)とをモル比でLi:Mn=1.05:2.0となるように混合し、エタノール溶媒を用いてボールミル混合を24時間行った。続いて、得られた粉末を十分に乾燥させて乾式ボールミル混合を12時間行って混合粉末を得た。得られた混合粉末を800℃、12時間、酸素雰囲気中で焼成することにより、スピネル構造のLiMn24を得た。そして、正極活物質としてこのLiMn24、負極活物質として前出のLiV24を用い、水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸カリウム(KOAc)をそれぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
[実施例
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸ナトリウム(NaOAc)をそれぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例7
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸カリウム(KNO3)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例と同様の方法でコインセル10を作製した。
[比較例2]
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)を6Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例と同様の方法でコインセル10を作製した。
[実施例
負極活物質としてTiP27を合成した。すなわち、リン酸(H3PO4)85%水溶液に酸化チタン(TiO2(アナターゼ))をモル比でP:Ti=2:1となるように分散させ、120℃で24時間乾燥させた。得られた粉末を大気中、700℃で24時間焼成することにより、TiP27を得た。そして、正極活物質として前出のLiFePO4、負極活物質として今回のTiP27を用い、水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸カリウム(KOAc)をそれぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法でコインセル10を作製した。
[実施例
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び酢酸ナトリウム(NaOAc)をそれぞれ6M及び0.5Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例と同様の方法でコインセル10を作製した。
参考例8
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸カリウム(KNO3)をそれぞれ6M及び1Mとなるように溶解した水溶液を使用した以外は、実施例と同様の方法でコインセル10を作製した。
[比較例3]
水系電解液として硝酸リチウム(LiNO3)を6Mとなるように溶解した水溶液を使
用した以外は、実施例と同様の方法でコインセル10を作製した。
[初回放電容量の確認]
各実施例、各参考例及び各比較例につき、初回放電容量を確認した。すなわち、作製した各コインセル10につき、電流密度0.1mA(0.08C相当)で所定の上限電圧まで充電し、同じく0.1mAで所定の下限電圧まで放電した。このときの放電電流容量を初期容量とし、下記表1にまとめた。実施例1〜4、参考例1〜6及び比較例1では上限電圧を1.3V、下限電圧を0.7Vとし、実施例5,6、参考例7及び比較例2では上限電圧を1.8V、下限電圧を1.0Vとし、実施例7,8、参考例8及び比較例3では上限電圧を1.2V、下限電圧を0.6Vとした。
ここで、電流の単位Cは、以下のように定義される。1Cは、電池を完全に充電したあと定電流放電した場合に1時間で完全に放電し切るときの電流値である。各実施例、各参考例及び比較例では、上述したように電池容量を1.25mAhに調整したため、1C=1.25mAとなる。
[容量維持率の算出]
各実施例、各参考例及び各比較例につき、充放電サイクル試験を行い、容量維持率を算出した。すなわち、初回の充放電を終えた各コインセル10につき、電流密度2mA(1.6C相当)で所定の上限電圧まで充電し、同じく2mAで所定の下限電圧まで放電するというサイクル試験を、20℃で20サイクル行った。20サイクル目の放電容量を記録し、以下の計算式(1)によって容量維持率を算出し、下記表1にまとめた。実施例1〜4、参考例1〜6及び比較例1では上限電圧を1.3V、下限電圧を0.7Vとし、実施例5,6、参考例7及び比較例2では上限電圧を1.8V、下限電圧を1.0Vとし、実施例7,8、参考例8及び比較例3では上限電圧を1.2V、下限電圧を0.6Vとした。
Figure 0005194979
Figure 0005194979
表1から明らかなように、実施例1〜4、参考例1〜6及び比較例1のように正極活物質としてLiFePO4、負極活物質としてLiV24を用いた水系リチウムイオン二次電池、実施例5,6、参考例7及び比較例2のように正極活物質としてLiMn24、負極活物質としてLiV24を用いた水系リチウムイオン二次電池、実施例7,8、参考例8及び比較例3のように正極活物質としてLiFePO4、負極活物質としてTiP27を用いた水系リチウムイオン二次電池のいずれにおいても、水系電解液に主電解質塩である硝酸リチウムのみを溶解した場合に比べて、主電解質塩とは異なる副電解質塩を添加した場合には、容量維持率が向上し、初回放電容量も概ね高くなる傾向を示した。また、実施例1〜4、参考例1〜6及び比較例1の容量維持率を対比すると、副電解質塩が酢酸塩、特に酢酸カリウムや酢酸ナトリウムの場合に容量維持率が顕著に向上した。更に、実施例1〜3及び比較例1の容量維持率を対比すると、副電解質塩の濃度が低くても高くても、副電解質塩を添加しない場合に比べると容量維持率が向上した。
コインセル10の断面図である。
符号の説明
10 コインセル、11 ケース本体、12 ケース蓋体、13 正極、14 負極、15 ガスケット、16 セパレータ、17 水系電解液。

Claims (1)

  1. 充電時にリチウムイオンを放出し放電時にリチウムイオンを吸蔵する材料を正極活物質とする正極と、
    充電時にリチウムイオンを吸蔵し放電時にリチウムイオンを放出する材料を負極活物質とする負極と、
    リチウムイオンを含む主電解質塩及び該主電解質塩とは異なる副電解質塩(ハロゲン化物塩を除く)が溶解した水系電解液と、
    を備え
    前記主電解質塩は硝酸リチウム又は硫酸リチウムであり、
    前記副電解質塩は酢酸カリウム又は酢酸ナトリウムであり、酢酸と組み合わせることなく添加されている、
    水系リチウムイオン二次電池。
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