JP5263115B2 - 水溶液系二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶液系二次電池に関し、より詳しくは、ナトリウムを溶解した水溶液系二次電池に関する。
従来より、電解液として水溶液を用いた水溶液系リチウムイオン二次電池が知られている。この水溶液系リチウムイオン二次電池は、一般的に非水系リチウムイオン二次電池が有する問題に対して以下の利点がある。即ち、水溶液系リチウムイオン二次電池は、電解液に有機溶媒を用いていないため、基本的には燃えることはない。また、製造工程においてドライ環境を必要としないため、製造にかかるコストを大幅に削減することができる。さらに、水系電解液は非水系電解液に比べて導電性が高いため、水溶液系リチウムイオン二次電池は、非水系リチウムイオン二次電池に比べて内部抵抗が低くなる。このような利点を持つ反面、水溶液系リチウムイオン二次電池は、水の電気分解反応が起こらない電位範囲での使用が求められるため、非水系リチウムイオン二次電池と比較して起電力が小さくなる。このように、水溶液系リチウムイオン二次電池においては、高電圧・高エネルギー密度を犠牲として、高い安全性、低コスト及び低内部抵抗が確保される。
このような水溶液系リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、例えば、Fe系酸化物や(例えば特許文献1参照)、Fe系ポリアニオン化合物(特許文献2参照)、リチウムバナジウム酸化物(特許文献3,4及び5参照)、などが提案されている。
特開2000−340256号公報 特開2002−110221号公報 特開2001−102086号公報 特開2000−77073号公報 特開2003−17057号公報
しかしながら、上述のように電解液を水溶液とした水溶液系リチウムイオン二次電池の報告はあるものの、電解液を水溶液とする水溶液系ナトリウム二次電池については、今までに報告がない。リチウムを吸蔵放出する負極活物質がナトリウムを吸蔵放出するとは限らないし、非水系電解液で作動する負極活物質が水系電解液でそのまま作動するとも限らない。このように、水系電解液でナトリウムの吸蔵放出が作動する負極活物質が求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、ナトリウムを含む水系電解液で作動する負極活物質を有する水溶液系二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、チタン及びリンを含む複合化合物を負極活物質とすると、ナトリウムを含む水系電解液でナトリウムを吸蔵放出することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の水系ナトリウム二次電池は、ナトリウムを溶解した水溶液系二次電池であって、ナトリウムを吸蔵放出する正極活物質を含む正極と、チタン及びリンを含む複合化合物を負極活物質として含む負極と、前記正極と前記負極との間に介在しナトリウムを溶解した水溶液である電解液と、を備えたものである。
本発明の水溶液系二次電池は、ナトリウムを含む水系電解液で作動する負極活物質を有するものとすることができる。また、この水溶液系二次電池では、資源としてより豊富なナトリウムを利用することができる。また、この水溶液系二次電池では、より高出力であり、より高レート特性を有するものとすることができる。この理由は、水溶液系二次電池は、水系リチウム二次電池と同様の利点を有し、更に、ナトリウムイオンはリチウムイオンに比して水との相互作用が小さいためであると推察される。
本発明の水溶液系二次電池10の一例を示す模式図。
本発明の水溶液系二次電池は、ナトリウムを吸蔵放出する正極活物質を含む正極と、チタン及びリンを含む複合化合物を負極活物質として含む負極と、正極と負極との間に介在しナトリウムを溶解した水溶液である電解液と、を備えている。
本発明の水溶液系二次電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合して正極材とし、集電体の表面に圧着してもよいし、この正極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。本発明の水溶液系二次電池において、正極活物質は、水溶液中でナトリウムを吸蔵放出可能なものであれば特に限定されず用いることができる。例えば、LiFePO4などが挙げられる。この正極活物質は、複合酸化物や複合化合物などを2種類以上混合して用いてもよい。また、LiM1-xFexPO4(Mは遷移金属、Xは正数)のように1つの遷移金属を他の遷移金属で置換したものとしてもよい。
正極に含まれる導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、水や有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどを用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどを用いることができる。このうち、導電性や耐腐食性を考慮すると、アルミニウム、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種で形成されていることが好ましい。この集電体は、2種類以上を複合して用いてもよい。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の水溶液系二次電池の負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合して負極材とし、集電体の表面に圧着してもよいし、この負極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。この負極活物質は、チタン及びリンを含む複合化合物であるが、チタン及びリン酸を含む複合化合物とすることがより好ましい。この負極活物質は、チタン及びリン酸を含む複合化合物として、例えばAxTi2(PO43(Aはアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる1種以上であり、Xは0以上3以下である)を含むものがより好ましい。このAは、リチウムやナトリウムが好ましい。例えば、本発明の水溶液系二次電池の負極は、負極活物質として組成式LiTi2(PO43及び組成式NaTi2(PO43の少なくとも一方を含むものが更に好ましい。LiTi2(PO43及びNaTi2(PO43は、ナトリウム挿入脱離電位が、共に−0.75V(vs.Ag/AgCl)程度である。これは、負極における水素発生の過電圧を加味した負極電位としては良好な電位であり、より大きな電池電圧を実現することができ、好ましい。また、負極活物質は、その表面が導電相によりコーティングされていることが好ましい。チタン及びリンを含む複合化合物、特に、チタン及びリン酸を含む複合化合物は、絶縁体であることが多く、導電性を高めることが好ましい。この導電相は、導電性を高めることができるものであればよく、例えば、カーボン、金属、窒化物、ホウ化物、酸化物、導電性高分子などのうち1以上を用いることができる。この負極活物質は、複合酸化物や複合化合物などを2種類以上混合して用いてもよい。また、この負極活物質は、LiM1-xTix(PO43(Mは遷移金属、Xは正数)のように1つの遷移金属を他の遷移金属で置換したものを含むものとしてもよい。
また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子及び導電性ガラスなどを用いることができる。このうち、導電性や耐腐食性を考慮すると、アルミニウム、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種で形成されていることが好ましい。この集電体は、2種類以上を複合したりして用いてもよい。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
本発明の水溶液系二次電池において、水系電解液は、ナトリウム塩を主電解質とするものであれば、特に限定されない。ナトリウム塩としては、例えばNaNO3、Na2SO4、NaOH、NaCl、及びCH3COONa等が挙げられ、このうちNaNO3が溶解性の観点から好ましい。これらのナトリウム塩は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用することもできる。水系電解液のpHは、3以上11以下であることが好ましい。水系電解液のpHが3以上11以下の範囲では、例えば、正負極の集電体などから金属が溶出するのをより抑制することができ、好ましい。
本発明の水溶液系二次電池において、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。このセパレータには、水系電解液が浸透してイオンが透過しやすいように、親水処理を施したり微多孔化を施すのが好ましい。セパレータとしては、ナトリウム二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の水溶液系二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明の水溶液系二次電池10の一例を示す模式図である。この水溶液系二次電池10は、集電体11に正極活物質12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に負極活物質17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18の間を満たす電解液20と、を備えたものである。この水溶液系二次電池10では、正極シート13と負極シート18との間にセパレータ19を挟み、これらを捲回して円筒ケース22に挿入し、正極シート13に接続された正極端子24と負極シートに接続された負極端子26とを配設して形成されている。ここでは、負極活物質17は、チタン及びリンを含む複合化合物(例えばLiTi2(PO43やNaTi2(PO43など)であり、電解液20は、ナトリウムを溶解した水溶液である。
以上詳述した本実施形態の水溶液系二次電池では、負極活物質としてチタン及びリンを含む複合化合物(例えばLiTi2(PO43やNaTi2(PO43など)を含んでおり、水系の電解液中でナトリウムイオンを吸蔵放出することができる。また、この水溶液系二次電池は、非水系二次電池や水系リチウム二次電池に比して、より高出力であり、より高レート特性を有している。この理由は、電解液である水溶液の導電率が非水系の有機溶媒と比較して10倍以上高いことが要因であると考えられる。また、水系リチウム二次電池との比較において、水溶液中のナトリウムイオンは、水溶液中のリチウムイオンと比較して水和水との相互作用が小さいため、電極反応であるナトリウムイオンの挿入脱離の際の脱水和エネルギーが小さく、反応がリチウムイオンと比較して早いためであると推察される。また、ナトリウムイオンの導電率は、一般的にリチウムイオンの導電率よりも高いことも出力特性の向上の一因であると推察される。更に、資源量の面からも、ナトリウムは地殻及び海水中などに豊富に含まれているため、コストや量産性の面でより優れている。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、チタン及びリンを含む複合化合物を負極活物質として含む負極を備えた水溶液系二次電池を具体的に作製した例を、実施例として説明する。まず、活物質の作製方法について説明する。
<LiTi2(PO43の作製>
チタンイソプロポキシド、酢酸リチウム、リン酸二水素アンモニウムを原料として用いた。チタンイソプロポキシドをプロパノールで希釈した溶液と酢酸リチウムとリン酸二水素アンモニウムを水に溶解した溶液とをLiTi2(PO43の組成になるように混合し、チタンイソプロポキシドを加水分解した。得られた白濁溶液を真空乾燥し、白色の粉末を得た。得られた粉末を400℃で12時間熱処理したあと、700℃で16時間空気中で焼成し、LiTi2(PO43の粉末を得た。得られたLiTi2(PO43の粉末に、導電性を高めるべくカーボンコートを行った。炭素源としてのスクロースを溶解した水溶液にLiTi2(PO43の粉末を入れ、乾燥したのち、不活性雰囲気(Ar)中、650℃で4時間処理を行い、活物質粉末の表面に炭素をコートした。
<NaTi2(PO43の作製>
原料として酢酸リチウムの代わりに酢酸ナトリウムを用いた以外はLiTi2(PO43の作製と同様の工程を経てNaTi2(PO43の粉末を得た。得られた粉末は、LiTi2(PO43と同様にカーボンコートを行った。
<LiFePO4の作製>
出発原料として鉄の価数が2価であるシュウ酸鉄、炭酸リチウム、リン酸二水素アンモニウムをモル比でLi:Fe:Pが1.2:1:1となるように混合し、ペレット状に成形して650℃、Ar雰囲気下で24時間焼成することによりLiFePO4を作製した。
[実施例1]
LiFePO4を正極活物質として含む正極、LiTi2(PO43を負極活物質として含む負極、NaNO3を電解質として含む水溶液である電解液とを用いた水溶液系二次電池を作製した。正極活物質のLiFePO4を90重量%、導電材のカーボンブラックを6重量%、結着材としてカルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムとの混合物を4重量%としてよく混合し、分散剤として水を適量加え、分散させてスラリー状正極合材とした。この正極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布、乾燥させたあと、ロールプレスで高密度化し、正極シート電極とした。なお、正極シート電極は54mm×450mmとした。次に、負極活物質のLiTi2(PO43を80重量%、導電材のカーボンブラックを10重量%、結着材としてカルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムとの混合物を10重量%としてよく混合し、分散剤として水を適量加え、分散させてスラリー状負極合材とした。この負極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布、乾燥させたあと、ロールプレスで高密度化し、負極シート電極とした。なお、負極シート電極は56mm×500mmとした。電解液には6mol/LのNaNO3水溶液を用いた。作製した正・負極シート電極を親水処理を施したオレフィン製のセパレータを介してロール状に捲回し、円筒製電池ケースに挿入し、上記の電解液を注入したあと、トップキャップをしめて密閉した。ここでは、集電タブ及び集電キャップとしてアルミニウム製のものを用いた。得られた水溶液系二次電池を実施例1とした。
[実施例2]
負極活物質として上記NaTi2(PO43を用いる以外は実施例1と同様の方法で水溶液系二次電池を作製し、これを実施例2とした。
[比較例1]
電解液として6mol/LのLiNO3水溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法で水系リチウム二次電池を作製し、これを比較例1とした。
[比較例2]
1mol/LのLiPF6をエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを重量比で3:7で混合した有機溶媒に溶解させた電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法で非水系リチウム二次電池を作製し、これを比較例2とした。
(電池性能評価)
作製した各電池を用いて、上限電圧を1.3Vとし、下限電圧を0.7Vとし、20mAで充放電を行った。このときの放電容量を「20mA放電容量」とする。その後、充電状態を50%(SOC=50%)とした状態から200mAで10秒間放電を行ったときの電圧降下を測定した。このときの電圧降下を「200mA分極」とする。更に、20mAで1.3Vまで定電流充電したあと200mAで放電したときの放電容量を「200mA容量」とし、200mA容量を20mA容量で除算した値を「レート特性」とした。
(実験結果)
表1に実施例1,2及び比較例1,2の電極構成、20mA放電容量、200mA分極、200mA容量及びレート特性を示す。作製した電池において、正極活物質のLiFePO4は、初回充電時にそれ自身の持つリチウムを放出し、その後、ナトリウムイオンが溶解している電解液中ではナトリウムイオンを挿入脱離する特性を有している。また、実施例1のLiTi2(PO43に含まれているリチウムや、実施例2のNaTi2(PO43に含まれているナトリウムは、結晶構造に組み込まれており、充放電時に放出されたりはしない特性を有している。実施例1,2及び比較例1,2の仕込み容量は約200mAhであり、表1に示すように、すべての電池で20mA容量が仕込み容量に近い値であった。200mA分極は、電圧降下が小さいほど出力特性がよいという指標である。実施例1,2では200mA分極の電圧降下が比較例1に比して小さく、出力特性がより高いことがわかった。これは、ナトリウムイオンと水との相互作用がリチウムイオンよりも小さいことに起因していると推察された。また、比較例2は、200mA分極が大きい値であったが、これは電解液の導電率が10倍以上違うことが原因であると推察された。レート特性についても、実施例1,2が比較例に比して高い値を示した。以上の結果より、実施例1,2は、水溶液中でナトリウムイオンを吸蔵・放出可能であり、比較例に比してより高い出力特性及びレート特性を有していることが明らかとなった。この理由は、導電率の高い水溶液を電解液としており、且つナトリウムがリチウムに比して水との相互作用が小さいためであると推察された。
Figure 0005263115
本発明は、電池産業に利用可能である。
10 水溶液系二次電池、11 集電体、12 正極活物質、13 正極シート、14 集電体、17 負極活物質、18 負極シート、19 セパレータ、20 電解液、22 円筒ケース、24 正極端子、26 負極端子。

Claims (5)

  1. ナトリウムを溶解した水溶液系二次電池であって、
    ナトリウムを吸蔵放出する正極活物質を含む正極と、
    チタン及びリンを含む複合化合物を負極活物質として含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在しナトリウムを溶解した水溶液である電解液と、
    を備え
    前記正極活物質はLiFePO 4 又はLiM 1-x Fe x PO 4 (Mは遷移金属、Xは正数)であり、前記負極活物質はA x Ti 2 (PO 4 3 (Aはアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる1種以上であり、Xは0以上3以下である)、
    水溶液系二次電池。
  2. 前記負極は、前記負極活物質として組成式LiTi2(PO43及び組成式NaTi2(PO43の少なくとも一方を含む、請求項に記載の水溶液系二次電池。
  3. 前記負極は、前記負極活物質の表面が導電によりコーティングされている、請求項1又は2に記載の水溶液系二次電池。
  4. 前記電解液は、pHが3以上11以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の水溶液系二次電池。
  5. 前記正極及び負極は、アルミニウム、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種で形成された集電体を有している、請求項1〜のいずれか1項に記載の水溶液系二次電池。
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