JP2010129430A - 非水系リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成元素にFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする非水系リチウムイオン二次電池において、高温下で使用したときの容量劣化を抑制する。
【解決手段】本発明の非水系リチウムイオン二次電池は、構成元素に金属元素としてFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料を負極活物質とする負極とを、非水電解液内で分離して配置したものである。そして、正極は、正極活物質に対して0.5〜5wt%のゼオライトを含有し、そのゼオライトは、有効細孔径が前記金属元素のイオン半径より大きく0.5nm(5Å)以下のものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系リチウムイオン二次電池に関する。
従来より、炭素材料を負極活物質とする負極と、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質とする正極と、正負極間でリチウムイオンを移動させるための非水電解液とを備えたリチウムイオン二次電池が知られている。こうしたリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度や作動電圧が高く、自己放電が小さいという優れた利点を有している。その一方で、コバルトは希少金属なので高価なうえ、供給が不安定になりやすいという問題がある。このため、コバルト酸リチウムの代替候補として、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)などのオリビン型の結晶構造をとるリチウム複合酸化物やマンガン酸リチウム(LiMn24)などのスピネル型の結晶構造をとるリチウム複合酸化物などが注目されている。特に、リン酸鉄リチウムは、資源として豊富な元素で構成されているのでコストが安価で安定供給が見込まれる。また、温度を上げても酸素を放出しにくい性質のため、高温での電解液との反応性が低く、電池の信頼性向上に寄与する材料としても期待されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−158719号公報
しかしながら、こうしたリチウムイオン二次電池を60℃程度の高温下で使用した場合、正極活物質中に含まれるFeやMnが微量ではあるが、電解液中にイオンとして溶出し、溶出したイオンが負極上でリチウムを失活させ、容量劣化を引き起こすという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、構成元素にFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする非水系リチウムイオン二次電池において、高温下で使用したときの容量劣化を抑制することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、構成元素にFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする非水系リチウムイオン二次電池において、正極に適量のゼオライトを含有させたところ、高温下で使用したときの容量劣化が抑制されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水系リチウムイオン二次電池は、構成元素に金属元素としてFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料を負極活物質とする負極とを、非水電解液内に分離して配置したものであり、前記正極は、前記正極活物質に対して0.5〜5wt%のゼオライトを含有し、該ゼオライトは、有効細孔径が前記金属元素のイオン半径より大きく0.5nm(5Å)以下のものである。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池によれば、60℃程度の高温下で使用した場合の容量劣化を抑制することができる。構成元素に所定の金属元素(Fe又はMn)を含むリチウム化合物を正極活物質とする非水系リチウムイオン二次電池では、充放電反応に伴い正極活物質に含まれるFe又はMnが微量ではあるが非水電解液中に溶出する。このようにFe又はMnが非水電解液に溶出すると、正極では正極活物質の結晶構造が壊れるなどの不具合が生じると思われるが、溶出量が微量なためほとんど問題にならない。一方、非水電解液に溶出した金属イオン(Feイオン又はMnイオン)は負極へ移動する。すると、負極では、移動してきた金属イオンが還元されて金属が析出し、炭素材料に付着する。このように金属が付着した炭素材料は、リチウムイオンの充放電反応に寄与できない状態になるため、電池の容量劣化が起きると考えられる。これに対して、本発明のように正極活物質にゼオライトが含まれていると、ゼオライトが金属イオンを吸着するため、金属イオンが負極へ到達するのを防止し、その結果、電池の容量劣化が抑制されると考えられる。
即ち、本発明の非水系リチウムイオン二次電池は、構成元素に所定の金属元素(Fe又はMn)を含むリチウム化合物を正極活物質とする正極と、炭素材料を負極活物質とする負極とが非水電解液内で分離して配置されたものであり、正極は、正極活物質に対して0.5〜5wt%のゼオライトを含有するものである。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、正極は、構成元素に所定の金属元素(Fe又はMn)を含むリチウム化合物を正極活物質とするものである。このようなリチウム化合物としては、例えば基本式LiFePO4で表されるオリビン構造のリン酸鉄リチウムや基本式LiMnPO4で表されるオリビン構造のリン酸マンガンリチウム、基本式LiMn24で表されるスピネル構造のマンガン酸リチウムなどが挙げられる。このうち、基本式LiFePO4で表されるリン酸鉄リチウムが、資源として豊富な元素Feを構成元素としているのでコストが安価で安定供給が見込まれるばかりでなく、温度を上げても酸素を放出しにくい性質のため高温での非水電解液との反応性が低いことから好ましい。また、基本式LiFePO4で表されるリン酸鉄リチウムは、例えば、Li1-xFe1-yyPO4(但し、−0.2≦x≦0.2、0≦y≦0.5、MはLi、Mg、Al、及び遷移金属元素から選ばれる1種以上の元素)で表されるオリビン構造のリン酸鉄リチウムなどが挙げられ、具体的には、LiFePO4やLiFe0.75Mn0.25PO4などが挙げられる。これらの製法は、例えば特開2007−103298号公報に記載されている。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料を負極活物質とするものである。こうした炭素材料としては、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素などが挙げられる。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、電解液は、非水電解液を用いる。非水電解液は、特に限定されるものではないが、例えば、支持塩を有機溶媒に溶解させたものを用いることができる。支持塩としては、LiPF6,LiClO4,LiBF4,Li(CF3SO3)、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。有機溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、正極は、正極活物質に対して0.5〜5wt%のゼオライトを含有している。ゼオライトとは、結晶中に微細孔を持つアルミノケイ酸塩の総称であり、Si−O四面体とAl−O四面体とが頂点のO原子を共有した三次元ネットワーク構造をもつ。ゼオライトとしては、ZSM−5型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、L型ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライトなどが挙げられる。このゼオライトの含有量が正極活物質に対して0.5wt%未満の場合には、溶出するFeイオン又はMnイオンを十分トラップしきれないため好ましくなく、5wt%を超える場合には、初期放電容量が低下するため好ましくない。
ゼオライトの有効細孔径は、0.5nm(5Å)以下であることが好ましい。有効細孔径が0.5nmを超えると、ゼオライトに入り込んだFeイオン又はMnイオンがゼオライトの外へ出てしまうおそれがあるため好ましくない。また、有効細孔径は、構成元素にFeを含むリチウム化合物を正極活物質とする場合にはFeイオンのイオン半径より大きいことが必要であり、構成元素にMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする場合にはMnイオンのイオン半径より大きいことが必要である。なお、ゼオライトの有効細孔径は、Arガス吸着法により測定した値である。
ゼオライトの平均粒径は、20nm以下であることが好ましい。平均粒径が20nmを超えると、正極中に満遍なく分散しにくくなるため好ましくない。また、平均粒径が小さければ小さいほど分散性が高くなるため好ましいが、上述した有効細孔径の数値範囲を確保できるような平均粒径を下限とするのが好ましい。なお、ゼオライトの平均粒径は、レーザー回折法により測定した値である。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、正極活物質又は負極活物質と導電材とバインダとを所定の配合比で混合した後、集電体にプレス成形して形成してもよい。混合方法としては、メタノールなどの溶媒存在下で湿式混合してもよいし、乳鉢などを使って乾式混合してもよい。なお、集電体としては、特に限定するものではないが、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム、銅などの金属板や金属メッシュを用いてもよい。あるいは、InSnO2やSnO2,ZnO,In22などの透明導電材を用いてもよいし、フッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)やアンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、錫ドープ酸化インジウム(In23:Sn)、ZnO,Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)などの不純物がドープされた材料等の単層又は積層層を、ガラスや高分子状に形成させたものを用いてもよい。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、こうしたリチウムイオン二次電池を複数直列に接続して電気自動車用電源としてもよい。電気自動車としては、例えば、電池のみで駆動する電池電気自動車や内燃機関とモータ駆動とを組み合わせたハイブリッド電気自動車、燃料電池で発電する燃料電池自動車等が挙げられる。
[実施例1]
正極活物質として、平均粒径が100nmの基本組成式がLiFePO4で示されるオリビン構造リン酸鉄リチウムを用いた。なお、平均粒径はSEM観察により測定した値である。正極に含有させるゼオライトとして、平均粒径が20nm、有効細孔径が0.5nm(5Å)のゼオライト(東ソー社製の商品名ゼオラムを粉砕後、分級したもの)を用いた。この正極活物質を100重量部、ゼオライトを5重量部、導電剤としてカーボンブラックを10重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5重量部の割合で混合し、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、分散してスラリー状正極合材とした。このスラリー状正極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布し乾燥させた後、ロールプレスで高密度化し、幅52mm×長さ450mmの形状に切り出したものを正極シートとした。なお、正極活物質の付着量は、片面あたり約7mg/cm2であった。
負極活物質として、人造黒鉛を用いた。この負極活物質を95重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5重量部の割合で混合し、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、分散してスラリー状負極合材とした。このスラリー状負極合材を厚さ10μmmの銅箔集電体の両面に塗布し乾燥させた後、ロールプレスで高密度化し、幅54mm×長さ500mmの形状に切り出したものを負極シートとした。なお、負極活物質の付着量は、片面あたり約4mg/cm2であった。
上述のようにして作製した正極シートと負極シートとの間に、幅56mmで厚さ25μmのポリエチレン製セパレータを挟んで捲回し、ロール状電極体を作成した。このロール状電極体を18650型円筒ケースに挿入し、非水電解液を含浸させた後に密閉して円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを30:70(体積比)で混合した混合溶媒に、支持塩としてLiPF6を1Mの濃度で溶解したものを用いた。
(充放電サイクル試験)
充放電サイクル試験は、電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下で、電流密度2mA/cm2の定電流で充電上限電圧4.1Vまで充電を行い、次いで電流密度2mA/cm2の定電流で放電加減電圧2.5Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行った。そして、サイクルごとに、それぞれのリチウムイオン二次電池について放電容量を測定した。
(容量維持率)
充放電サイクル試験の初回放電容量を初期放電容量として、下記式を用いて容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
容量維持率=(500サイクル後の放電容量/初期放電容量)×100(%)
[実施例2]
ゼオライトの添加量を正極活物質100重量部に対して0.5重量部(0.5wt比)となるようにした以外は、実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製し、初期放電容量や容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例1]
ゼオライトを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製し、初期放電容量や容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例2]
有効細孔径が9.5nmのゼオライトを使用した以外は、実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製し、初期放電容量や容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例3]
ゼオライトの添加量を正極活物質100重量部に対して10重量部(10wt比)になるようにした以外は、実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製し、初期放電容量や容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例4]
ゼオライトをロール状電極体と円筒ケース(電池缶)の内壁との間に配置した以外は、実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製し、初期放電容量や容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例5]
ゼオライトを正極ではなく負極に含有させた以外は、実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製し、初期放電容量や容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2010129430
[評価]
表1に示すように、ゼオライトが無添加の比較例1では、初期放電容量は約150mAh/gと高いが、容量維持率が約60%であり、容量劣化が激しく実用に供し得ないことがわかった。この場合、負極中のFe量は0.12wt%であった。なお、負極中のFe量は、負極活物質重量あたりのFe重量の割合を表すものとした。これに対して、実施例1では、初期放電容量は約150mAh/gつまり比較例1と同等のまま、容量維持率が95%に顕著に向上し、実用に供し得る程度になった。この場合、負極中のFe量は0.02wt%まで低減していた。したがって、実施例1では、正極中に添加したゼオライトに正極活物質から溶出したFeイオンが吸着されて負極の劣化が抑制され、その結果容量の低下が防止されたと考えられる。実施例2では、ゼオライトの添加量が実施例1よりも少ないが、ゼオライトがFeイオンを吸着することにより容量維持率が向上した。
これに対して、比較例2では、容量維持率の向上効果がほとんどみられなかった。これは、使用したゼオライトの有効細孔径がFeイオン(Fe2+のイオン半径:0.074nm(0.74Å))よりもかなり大きいため、Feイオンが効率的に吸着されなかったことによると考えられる。比較例3では、容量維持率は顕著に向上したが、初期放電容量が比較例1と比べて顕著に低下した。これは、使用したゼオライトの添加量が多すぎるため、絶縁性のゼオライトが充放電反応を阻害したことによると考えられる。比較例4,5では、容量維持率の向上効果がほとんど見られなかった。これは、ゼオライトが正極活物質近傍に配置されていないため、溶出したFeイオンを吸着できなかったことによると考えられる。
なお、平均粒径1000nm(1μm)のゼオライトを用いて実施例1と同様にして非水系リチウムイオン二次電池を作製したところ、実施例1と比べて容量維持率が低くなる傾向が見られた。これは、ゼオライトの平均粒径が大きすぎてゼオライトが正極全体に満遍なく分散していなかったことによると考えられる。
以上の結果から、正極活物質から高温時に溶出して負極を劣化させるFeイオンは、正極活物質近傍に満遍なく配置したゼオライトによって吸着され、容量維持率を実用的なレベルまで向上させることができたといえる。この場合、ゼオライトの平均粒径の好ましい範囲は20nm以下、ゼオライトの有効細孔径の好ましい範囲は0.5nm(5Å)以下といえる。また、ゼオライトは絶縁性を有するため、充放電反応を阻害するが、添加量を正極活物質に対して0.5〜5wt%とすることにより、充放電反応をほとんど阻害させることなく、Feイオンによる負極劣化ひいては容量劣化を抑制することができたといえる。
なお、正極活物質としてオリビン型のリン酸鉄リチウムの代わりにスピネル型のマンガン酸リチウムを用いた電池でも、高温下で使用するとMnイオンが溶出し負極が劣化することにより著しい容量劣化が見られるが、この場合も実施例1,2のように適量のゼオライトを正極に添加することにより容量劣化を抑制することができる。すなわち、Mnイオンのイオン半径は0.08nm(0.8Å)程度であり、Feイオンのイオン半径とほぼ同等であることから、実施例1,2のゼオライトの添加によって容量維持率が向上する。
ところで、特開2005−56672号公報には、非水リチウムイオン二次電池において、集電体と電池缶との間にゼオライトシートを配置したものが開示されている。しかし、比較例4に示したように、このような位置にゼオライトを配置したとしても、本発明の効果は得られなかった。したがって、この公報に記載された電池は、本発明の電池と全く異なるものである。
また、特開2005−317266号公報には、非水リチウムイオン二次電池において、正極活物質とゼオライトと導電剤とを含む正極を備えたものが開示されている。しかし、ここでのゼオライトの役割は、電池作製時に混入した水分を吸着することにあり、正極活物質に含まれるFeイオンが溶出したときの容量劣化が生じるという課題には気づいていない。また、ゼオライトの添加量も正極合材全体に対して5wt%以上(正極活物質に対しては5wt%を超える)、特に10wt%以上とすることが効果を得るために好ましいとしているが、本発明は正極活物質に対してゼオライトを0.5〜5wt%添加するものであり、比較例3のように10wt%添加すると好ましくない結果が得られる。したがって、この公報に記載された電池も、本発明の電池と全く異なるものである。

Claims (3)

  1. 構成元素に金属元素としてFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料を負極活物質とする負極とを、非水電解液内に分離して配置した非水系リチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、前記正極活物質に対して0.5〜5wt%のゼオライトを含有し、
    該ゼオライトは、有効細孔径が前記金属元素のイオン半径より大きく0.5nm(5Å)以下のものである、
    非水系リチウムイオン二次電池。
  2. 前記ゼオライトの平均粒径は、20nm以下である、
    請求項1に記載の非水系リチウムイオン二次電池。
  3. 前記正極活物質は、基本式LiFePO4で表されるリチウム化合物である、
    請求項1又は2に記載の非水系リチウムイオン二次電池。
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