JP2014041732A - 正極活物質及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質のサイクル特性を向上する。
【解決手段】Vを主成分とし、Pを含む酸化物ガラスで形成された正極活物質において、前記酸化物ガラスは、Fe又はTeの少なくとも1種を含み、全Vに対する5価のVの割合(V5+/Vtotal)が、50%以上95%以下である。また、Vを主成分とし、Pを含む酸化物ガラスで形成された正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを備えた二次電池において、前記酸化物ガラスは、Fe又はTeの少なくとも1種を含み、全Vに対する5価のVの割合が、電池の満充電状態で50%以上95%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質及び二次電池に関する。
一般に、リチウム二次電池は、電極活物質としてリチウム遷移金属酸化物(例えばLiCoO2)を用いた正極と、電極活物質として炭素材料等を用いた負極と、リチウム塩を支持塩としてこれを有機溶媒に溶解した電解液と、を備えている。このようなリチウム二次電池においては、充電時には正極から脱離したリチウムイオンが負極に吸蔵され、逆に放電時には負極から脱離したリチウムイオンが正極に吸蔵される。つまり、リチウム二次電池は、リチウムイオンをキャリアとするロッキングチェア型の二次電池である。
そして、近年では、携帯機器の高性能化及び消費電力の増大、また船舶の電力源、電気自動車及びハイブリッド自動車の開発・普及、さらには電力貯蔵用蓄電池の需要増大により、リチウム二次電池の一層の高性能化が求められている。一方、この高性能化のためには、現状では負極よりも正極の容量が小さいために、正極活物質の高容量化が不可避の要件となっている。
この高容量正極活物質の一つとしてV25が古くより用いられている。例えば特許文献1では、V25、P25、遷移金属酸化物にマイクロ波を照射して、一部を結晶化させた複合酸化物を用いて正極活物質を作成することが開示されている。
特開2011−241133号公報
しかしながら、特許文献1のものは、充放電によりガラス構造が不安定となり壊れやすくなるために、サイクル特性が悪化するという課題がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性を向上することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、Vを主成分とし、Pを含む酸化物ガラスで形成された正極活物質において、前記酸化物ガラスは、Fe又はTeの少なくとも1種を含み、全Vに対する5価のVの割合が、50%以上95%以下であることを特徴とする。
また、Vを主成分とし、Pを含む酸化物ガラスで形成された正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを備えた二次電池において、前記酸化物ガラスは、Fe又はTeの少なくとも1種を含み、全Vに対する5価のVの割合が、電池の満充電状態で50%以上95%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、サイクル特性を向上することができる。
本発明の実施形態に係る二次電池の構成説明図である。 ガラス組成物のDTA測定で得られるDTAカーブの一例である。 本発明の実施例2の充放電曲線である。 本発明の実施例2のサイクル特性評価結果である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。この実施形態では、まず正極活物質を正極に使用したリチウム二次電池、及び当該正極活物質の順番で以下に説明する。
(リチウム二次電池)
リチウム二次電池は、電解質中におけるリチウムイオンが電気伝導を担い、電極に対するリチウムイオンの吸蔵・放出により、電気エネルギーの貯蔵及び利用を可能とする電気化学デバイスである。次に参照する図1は、本実施形態に係るリチウム二次電池の構成説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウム二次電池201は、正極207と、負極208と、正極207及び負極208の両電極間に挿入されるセパレータ209と、これらを密閉状態で収納する電池容器202と、を備えて構成されている。
前記の正極207、負極208及びセパレータ209からなる電極群は、図1に示すように、シート状の正極207と負極208とが交互に複数配置されると共に(図1の2組の正極207、負極208に限定されずに、3組以上であってもよい)、正極207と負極208との間にセパレータ209が介在するように積層されたもの、円筒状、扁平状の任意の形状に巻回されたもの等、種々の形状にすることができる。セパレータ209は、電極群の最外側に配置されている電極(正極207又は負極208)と電池容器202の間にも挿入し、正極207又は負極208が電池容器202を通じて短絡しないようにしている。
本実施形態での正極207は、特許請求の範囲にいう「電極」に相当する。この正極207は、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含む正極合剤を、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム等の薄膜又はメッシュからなる集電体の両面に付与して形成することができる。なお、この正極207については後に更に詳しく説明する。
負極208は、負極活物質及び結着剤を含む負極合剤を、銅箔又はメッシュからなる集電体の両面に付与し、これを乾燥、プレスして形成することができる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素等の炭素材料を含むものが挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等が挙げられる。
なお、負極合剤は、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を含むこともできる。
セパレータ209としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする微多孔膜や不織布等を用いることができる。
電池容器202には、前記した正極207、負極208及びセパレータ209からなる電極群の形状に合わせて、円筒型、扁平長円形状、角型等の形状のものを適宜に選択することができる。
電池容器202の上部に蓋203があり、その蓋203に正極外部端子204、負極外部端子205、注液口206を有する。本実施形態では、電池容器202に電極群を収納した後に、蓋203を電池容器202に被せ、蓋203の外周を溶接して電池容器202と一体にする構成とした。電池容器202への蓋203の取り付けには、溶接の他に、かしめ、接着等の他の方法を採ることができる。
正極207は、正極リード線210を介して正極外部端子204に接続されている。負極208は、負極リード線211を介して負極外部端子205に接続されている。
なお、リード線210,211は、ワイヤ状、板状などの任意の形状を採ることができる。リード線210、211の形状及び材質については、通電時にオーム損失を小さくすることのできる構造であり、かつ電解液と反応しない材質であれば任意である。
また、正極外部端子204又は負極外部端子205と、電池容器202との間には、絶縁性シール材212が挿入され、両端子204,205同士が短絡しないようになっている。
絶縁性シール材212としては、例えば、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスハーメチックシール等が挙げられるが、電解液と反応せず、かつ気密性に優れた任意の材質のものであれば特に制限はない。
また、正極リード線210、若しくは負極リード線211の途中、正極リード線210と正極外部端子204との接続部、又は負極リード線211と負極外部端子205との接続部に、正温度係数(PTC;Positive temperature coefficient)抵抗素子を利用した電流遮断機構を設ける構成とすることができる。このような構成によれば、リチウム二次電池201の内部温度が高くなったときに、その充放電を停止させて、リチウム二次電池201を保護することが可能となる。
また、電池容器202内には、電解液が封入されており、この電解液は、セパレータ209、正極207、負極208の表面、並びに細孔内部に保持されている。
電解液としては、例えば、リチウム塩の非水溶媒溶液を使用することができる。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4等が挙げられる。
非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン等が挙げられる。
(正極活物質)
本発明における正極活物質は、バナジウム(V)を主成分とする酸化物ガラスである。
ここでVを主成分とは、酸化物ガラス中における全カチオン元素中最も多い元素であることを意味する。
酸化物ガラスは、層状構造を有するV25がリン(P)を介して結合することによりガラス化し、リチウムイオンの出入りする大きな空間を形成することで、V25系ガラス正極活物質が高容量化を維持したまま、サイクル維持率を改善することができる。しかし、ガラス化成分がPのみだと耐湿性に欠けるため、鉄(Fe)及びテルル(Te)のどちらか一種以上を含有することで、正極活物質の高容量を保持したまま耐湿性を向上させることができる。そのため、正極活物質の水分吸収に起因するサイクル特性劣化を防ぐことができる。
また、PはVの還元成分でもあり、Vの価数はPによって調整される。V25はP、Fe、Teといったガラス化成分で結合するだけでなく、層状のV25の一部が還元されてV24が形成され、このV24がV25の層を結合した三次元の網目構造を形成することによって更に耐湿性を向上させることができる。
しかし電池の充放電を担うリチウムイオンは、層状構造においては出入り可能だが、網目構造においては出入りしにくい。そのため、網目構造を多く形成して層状構造を減らしすぎると、リチウムイオンの出入りできる量が少なくなるため、電池の容量が小さくなってしまう。このとき酸化物ガラス中に含まれる全V中に対する5価のVの価数割合(V5+/Vtotal)は、電池の満充電状態で50%以上95%以下であることが望ましい。50%未満の場合はV25の量が少なくなるので、放電容量が著しく低下するために好ましくなく、95%を超える場合はガラス化しにくくなり耐湿性が低下するので、サイクル特性が低下する。
酸化物ガラスの添加剤としては、さらにリチウム(Li)、銅(Cu)を含有することが望ましい。これにより放電容量を向上させることができる。また、酸化物ガラスの添加剤として、さらにバリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、フッ素(F)、マグネシウム(Mg)、タングステン(W)のうちから選ばれる1種以上の元素を含むことが望ましい。Ba、Zn、Bは酸化物ガラスの修飾元素であり、耐湿性を向上させることができる。F、Mgは添加することで電池としてのエネルギー密度を向上させることができる。Wは、酸化物ガラスの熱的安定性を向上させる効果がある。
これら酸化物ガラスの組成範囲として、より望ましい組成は次の酸化物換算でV25が35〜86質量%、P25が5〜25質量%、Fe23+TeO2の合計が5〜40質量%、及びBaO、Li2O、ZnO、B23、CuO、LiF、MgF、WO3のうち1種以上が0〜20質量%であることが望ましい。なお、本発明において例えば35〜86質量%と記載される場合は、35質量%以上86質量%以下を示す。この組成範囲に含まれるとき、正極活物質として高容量と優れたサイクル特性を発現することが可能となる。
ここで組成範囲の理由は、V25が35質量%未満の場合には正極活物質として放電容量が小さくなってしまうために好ましくなく、一方で86質量%より多いときは、ガラス化することが難しくなるばかりか、添加剤の量も少なくなるために耐湿性を向上させることが難しい。P25はガラス形成成分且つVの還元成分でもあるため、5質量%未満の場合にはガラス化することができず、25質量%より多い場合には5価のVが減少して放電容量が低下するために望ましくない。Fe23+TeO2の合計が5質量%未満の場合には、耐湿性向上の効果が小さいために望ましくなく、40質量%より多い場合には、放電容量が小さくなってしまうので好ましくない。また、さらに添加物として含有するBaO、Li2O、ZnO、B23、CuO、LiF、MgF、WO3のうち1種以上が30質量%より多い場合には、酸化物ガラスの熱的安定性、耐湿性、及び正極活物質としての特性に悪影響を及ぼすために望ましくない。
また、本発明の酸化物ガラスの作製法としては、特に制限されるものではないが、原料となる各酸化物を配合・混合した原料を白金ルツボに入れ、電気炉で5〜10℃/分の昇温速度で900〜950℃まで加熱し、数時間保持することで作製することができる。保持中は均一なガラスとするために攪拌することが望ましい。ルツボを電気炉から取り出す際には、酸化物ガラス表面への水分吸着を防止するために予め150℃程度に加熱しておいた黒鉛鋳型やステンレス板上に流し込むことが望ましい。
以下、実施例を用いて更に詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施例の記載に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
(実施例1〜実施例23)
<正極活物質の作製>
表1は、作製・検討したガラス組成を示したものである。いずれの成分も酸化物換算の質量%で表示した。各成分の原料は、五酸化バナジウム、五酸化リン、酸化第二鉄、酸化テルル、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化銅、マグネシウム、酸化タングステンである。リチウム、バリウムについては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウムを用いた。また、フッ素源には、フッ化リチウムを用いた。
酸化物ガラスの作製は、以下の手順で行った。
原料化合物を表1の組成となるように配合・混合した混合粉末300gを白金ルツボに入れ、電気炉を用いて5〜10℃/min(℃/分)の昇温速度で900℃〜1100℃の加熱温度まで加熱して2時間保持した。保持中は均一なガラスとするために攪拌した。
次に、白金ルツボを電気炉から取り出し、予め100℃に加熱しておいたステンレス板上に流し込み、酸化物ガラスを得た。得られた酸化物ガラスをジェットミルを用いて約3μmまで粉砕したものを正極活物質とした。
<ガラス転移点の評価>
ステンレス板上に流し込んだガラスを平均粒子径(D50)が20μm未満になるまで粉砕し、5℃/分の昇温速度で示差熱分析(DTA)を行うことによって、転移点(Tg)を測定した。なお、標準サンプルとしてアルミナ粉末を用いた。図2にガラスの代表的なDTA曲線を示す。図2に示すように、Tgは第一吸熱ピークの開始温度とした。
<ガラス耐湿性の評価>
耐湿性試験は、温度85℃,湿度85%の条件で24時間実施した。耐湿試験サンプルには、4×4×20mmの直方体に加工したガラスを用いた。評価は、外観上変化ない場合には○、変化が認められた場合には×とした。
<正極の作製>
調製した本発明の正極活物質の粉末85質量部、導電剤としてのケッチェンブラック(ライオン社製のEC600JD、粒径34nm以下)10質量部、及びバインダ(結着剤)としてのポリフッ化ビニリデン(クレハ社製の#7305)5質量部を混合した混合物に、N−メチル−2−ピロリドンを添加して粘度を15Pa・sに調整した正極合剤を得た。
次に、この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔からなる図1に示す集電体207a(三菱アルミニウム社製のN5−8X−073)の両面に塗工した後、これに加圧成形を施して、乾燥厚さが50μmの図1に示す正極合剤層207bを、集電体207aの両面にそれぞれ有するシートを形成した。そして、このシートの正極合剤層207bを有する部分(正極合剤の塗工部分)の面積が50mm×100mm、引き出し電極として未塗工部分の面積が15mm×15mmとなるようにこのシートを裁断して、本発明に係る二次電池用の図1に示す正極207(電極)を作製した。
<二次電池の組立>
作製した前記の正極207を使用してラミネートセル型のリチウム二次電池201(図1参照)を組み立てた。このリチウム二次電池201の負極208としては、引き出し電極部分(15mm×15mm)を残し、60mm×110mmとなるように裁断した金属リチウムシートを使用した。また、正極207と負極208との間に挿入する図1に示すセパレータ209としては、厚さ30μmのPP(ポリプロピレン)製の多孔質膜を用いた。
そして、このラミネートセル型のリチウム二次電池201は、セパレータ209を介して負極208と正極207とが交互に積層され、図1のものとは異なって、11枚の負極208と10枚の正極207と、20枚のセパレータ209とを有して構成されている。
そして、このラミネートセル型のリチウム二次電池201では、係る積層体がラミネートセル内に電解液と共に封入されると共に、前記の正極207及び負極208の引き出し電極部分がラミネートセルの外部に臨むことで、これらの引き出し電極部分に対する電気的な接続が可能となっている。
なお、前記の電解液としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)の非水性有機溶媒溶液(1モル/L)を使用した。非水性有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、及びジメチルカーボネート(DMC)を、体積比で、EC:EMC:DMC=1:2:2となるように混合したものを使用した。
<二次電池評価>
組み立てたラミネートセル型のリチウム二次電池201の放電容量及びサイクル特性を評価した。ラミネートセル型のリチウム二次電池201の放電容量及び容量維持率の測定は、充放電試験機(東洋システム社製のTOSCAT3100U)を用いて行った。
この測定では、まずラミネートセル型のリチウム二次電池201に対して放電終止電圧1.5Vまで電流密度0.3mA/cm2の定電流で放電を行い、次いで充電終止電圧4.2Vまで同電流で充電を行った(初期化)。その後、0.1Cの定電流で充放電を1回行い(1サイクル目とする)、1Cの定電流で充放電を9回行う充放電サイクルを複数回繰り返した。
この時、正極の放電容量は1サイクル目の放電容量を評価に用いた。この放電容量が300mAh/gを超える場合には◎、200mAh/g以上300mAh/g未満の場合には○、200mAh/gの場合には×として評価した。その結果を表1に示す。また、一例として図3に実施例2の充放電曲線を、図4にはサイクル特性を示す。
サイクル維持率は、上記の充放電サイクルを101サイクル繰り返した後の容量維持率を下記式により求めた。
容量維持率[%]=(101サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
この時、容量維持率が90%を超える場合には◎、80%以上90%未満の場合には○、80%未満の場合には×とした。その結果を表1に示す。
なお、前記の「1Cの定電流」とは、リチウム二次電池201に対して、放電し切った状態から定電流充電する場合において、1時間で100%の充電を完了する電流値、又は充電し切った状態から定電流放電する場合において、1時間で100%の放電を完了する電流値をいう。言い換えれば、1Cとは、充電又は放電の速さが1時間当たり100%であることをいう。よって、0.1Cとは、充電又は放電の速さが1時間当たり10%であることをいう。
<Vの価数割合>
初期化後のリチウム二次電池201を解体し、正極活物質中のVの価数割合をJIS−G1221に準じて酸化還元滴定法にて測定した。測定したV5+/Vtotal[%]を表1に示す。
以上の結果から、酸化物ガラスの耐湿性及びサイクル特性を向上させるためにはFeもしくはTeとPの含有が必要であり、Fe23+TeO2の合計が5質量%以上必要なことが分かる。また、耐湿性を向上させるためにはV5+/Vtotalを50%以下にすることでも可能であったが、このときには放電容量が著しく低下した。そのため、正極活物質としての高容量を保つためには5価のVの価数割合は、50%以上である必要がある。また、添加剤としてLi2OやCuOを添加した場合には放電容量が300mAh/gを超える高容量が得られた。また、それぞれの組成はV25が46〜86質量%、P25が5〜22質量%、Fe23+TeO2の合計が5〜40質量%、及びBaO、Li2O、ZnO、B23、CuO、LiF、MgF、WO3のうち1種以上が0〜20質量%のとき、ガラスの特性及び正極活物質としての特性が良好であった。
201:リチウム二次電池、202:電池容器、203:蓋、204:正極外部端子、205:負極外部端子、206:注液口、207:正極、208:負極、209:セパレータ、
210:正極リード線、211:負極リード線、212:絶縁性シール材料。

Claims (8)

  1. Vを主成分とし、Pを含む酸化物ガラスで形成された正極活物質において、前記酸化物ガラスは、Fe又はTeの少なくとも1種を含み、全Vに対する5価のVの割合が、50%以上95%以下であることを特徴とする正極活物質。
  2. 請求項1において、前記酸化物ガラスは、更にLi又はCuの少なくとも1種を含むことを特徴とする正極活物質。
  3. 請求項1において、前記酸化物ガラスは、更にBa、Zn、B、F、Mg、Wの少なくとも1種を含むことを特徴とする正極活物質。
  4. 請求項1において、前記酸化物ガラスは、次の酸化物換算でV25が35〜86質量%、P25が5〜25質量%、Fe23+TeO2の合計が5〜40質量%、及びBaO、Li2O、ZnO、B23、CuO、LiF、MgF、WO3のうち1種以上が0〜20質量%であることを特徴とする正極活物質。
  5. Vを主成分とし、Pを含む酸化物ガラスで形成された正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを備えた二次電池において、
    前記酸化物ガラスは、Fe又はTeの少なくとも1種を含み、全Vに対する5価のVの割合が、電池の満充電状態で50%以上95%以下であることを特徴とする二次電池。
  6. 請求項5において、前記酸化物ガラスは、更にLi又はCuの少なくとも1種を含むことを特徴とする二次電池。
  7. 請求項5において、前記酸化物ガラスは、更にBa、Zn、B、F、Mg、Wの少なくとも1種を含むことを特徴とする二次電池。
  8. 請求項5において、前記酸化物ガラスは、次の酸化物換算でV25が35〜86質量%、P25が5〜25質量%、Fe23+TeO2の合計が5〜40質量%、及びBaO、Li2O、ZnO、B23、CuO、LiF、MgF、WO3のうち1種以上が0〜20質量%であることを特徴とする二次電池。
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