JP2015125948A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温保存特性などの信頼性が向上した、ラミネートフィルムを用いた外装構造を有するリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】本実施形態のリチウムイオン二次電池は、電解液に、化学式1で示される化合物を0.1〜10質量%含む。
Figure 2015125948

〔R1はC1〜4のアルキル基又は芳香族環、R2〜R4はC1〜4のアルキル基〕
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年の電子機器、特に携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラなどの携帯用情報機器の発達や普及に伴い、小型、軽量で、かつエネルギー密度が高い二次電池の需要が大きく伸張し、なお、高性能化の検討がなされている。また、今後は自動車用等の大型電池での利用の拡大が期待されている。このような二次電池として特にリチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオン二次電池の一般的な構造は、リチウム−コバルト複合酸化物などの正極活物質粉末、導電性粉末、及びバインダからなる正極活物質層をアルミニウム箔からなる正極集電体表面に形成してなる正極と、炭素系の負極活物質粉末、及びバインダからなる負極活物質層を銅箔からなる負極集電体表面に形成してなる負極を、多孔質のフィルムからなるセパレータを介して重ね、電解液を含浸し発電素子としたものである。
軽量化、薄型化のため、発電素子を封入する外装材としてアルミニウムなどの金属箔と高分子フィルムからなるラミネートフィルムが用いられている(特許文献1参照)。
図3は、3層構造のラミネートフィルムを外装に用いた、リチウムイオン二次電池の例を示す図で、図3(a)は斜視図、図3(b)はラミネートフィルムの切断端面を拡大した断面図である。図3において、30は発電素子、20は正極端子、21は負極端子、10はラミネートフィルム、11は熱融着層、12は金属箔、13は保護層である。図3において、発電素子30をラミネートフィルム10に封入してリチウムイオン二次電池が構成され、発電素子30の正極に接続された正極端子20と負極に接続された負極端子21をそれぞれラミネートフィルム10より突出させて設けている。また、図示はされていないが、熱融着層11で囲まれた空間内、および、発電素子30内部は電解液で満たされている。
しかし、近年のリチウムイオン二次電池を搭載する装置の多様化から、60℃〜80℃程度の高温保存特性を要求されるような用途も出てきている。高温保存特性の改善方法の一つとして、電解液に特定の構造を有するケイ素化合物を含有する方法が提案されている(特許文献2参照)。ところが、ラミネート型リチウムイオン二次電池の熱融着層11は、高温ストレスによって、電解液の濡れ性が低下する傾向にある。図3(b)から分かるように、発電素子30は熱融着層11と接しているため、発電素子30が熱融着層11と接している部分の電解液が不足することになり、容量低下を招くという問題があった。
特開2005−129234号公報 特開2009−4352号公報
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、高温保存特性などの信頼性が向上した、ラミネートフィルムを用いた外装構造を有するリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明にかかるリチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレータ及び電解液を有する発電素子と、発電素子側から熱融着層、金属箔および保護層を有するラミネートフィルムにより発電素子を封入してなり、電解液には、化学式(1)で示される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2015125948

〔化学式(1)において、R1は炭素数1〜4のアルキル基または、芳香族環を表し、R2、R3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。〕
化学式(1)で示される化合物は、Si−炭素−炭素三重結合を有しており、この構造がラミネートフィルムの熱融着層との結合力を高めると考えられる。具体的には、60℃〜80℃程度の高温保存試験中に、前述の構造によって化合物と熱融着層が化学結合を形成し、更には化合物同士の重合も起こり、熱融着層表面に化合物の安定な被膜が形成されるものと推測される。この被膜は、R1〜R4の置換基とSi原子の極性バランスによって、電解液の良好な濡れ性を維持する能力を有しているものと推測される。
本発明にかかるリチウムイオン二次電池は、上述の化合物が電解液中に、0.1〜10質量%含まれることを特徴とする。
添加量を上述の範囲とすることで、より効果的に60℃〜80℃程度の高温保存特性などの信頼性を向上させることが可能となる。
本発明によれば、高温保存特性などの信頼性が向上した、ラミネートフィルムを用いた外装構造を有するリチウムイオン二次電池を提供することができる。
リチウムイオン二次電池の模式断面図である。 化学式(1)で示される化合物を含有することによる効果発現のメカニズムを示した模式図である。 3層構造のラミネートフィルムを外装に用いた、リチウムイオン二次電池の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明にかかるリチウムイオン二次電池は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(リチウムイオン二次電池)
続いて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池100は、主として、発電素子30、発電素子30を密閉した状態で収容するラミネートフィルム10、及び発電素子30に接続され正極端子20,負極端子21を備えている。
発電素子30は、一対の電極40、50がセパレータ60を挟んで対向配置されたものである。正極40は、正極集電体42上に正極活物質層44が設けられたものである。負極50は、負極集電体52上に負極活物質層54が設けられたものである。正極活物質層44及び負極活物質層54がセパレータ60の両側にそれぞれ接触している。正極活物質層44及び負極活物質層54はラミネートフィルム10の熱融着層11とも接触している。また、正極活物質層44、負極活物質層54、及び、セパレータ60の内部に電解液が含有されている。正極集電体42及び負極集電体52の端部には、それぞれ正極端子20、負極端子22が接続されており、正極端子20、負極端子22の端部はラミネートフィルム10の外部にまで延びている。
(ラミネートフィルム)
ラミネートフィルム10は、その内部に発電素子30及び電解液を密封し、電解液の揮発や外部からの水分混入を防ぐものである。本発明に用いるラミネートフィルム10は、高分子からなる熱融着層11と保護層13との間に金属箔12が積層されている。このような目的に使用される金属箔12には、延性や展性に優れ、可撓性が要求される。具体的には、アルミニウムや銅などが用いられる。
また、熱融着層11には、室温では一定以上の機械的強度を有し、高温で軟化した際に接着性を発現することが要求されるので、いわゆるホットメルト接着剤に用いられる高分子が好適である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エチル共重合体などが挙げられる。また、いわゆるアイオノマーから選ばれる、接着性に優れた材料も使用できる。
アイオノマーは、オレフィンとアクリル酸やマレイン酸などからなる共重合体を金属化合物で処理したもので、イオン架橋構造を有し、常温では熱硬化性高分子のような特性を発現するので、特にこのような用途に適している。
また、保護層13には、機械的な強度、耐磨耗性、耐擦過性などが要求されるので、比較的硬質の高分子が用いられる、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、ポリイミドなどが挙げられる。
なお、ラミネートフィルムの周縁部の熱融着には、従来の熱プレス法や超音波を用いた加熱融着法などを用いることができる。
(電解液)
電解液は、溶媒と、電解質と、添加化合物として化学式(1)で示される化合物を含む。
Figure 2015125948
〔化学式(1)において、R1は炭素数1〜4のアルキル基または、芳香族環を表し、R2、R3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。〕
化学式(1)で示される化合物を含有することによる効果発現のメカニズムははっきりとしないが、本発明者らは以下のように考えている。
図2は、化学式(1)で示される化合物を含有することによる効果発現のメカニズムを示した模式図である。リチウムイオン二次電池100を高温保存試験のような60℃〜80℃程度の高温ストレスに晒した場合、熱融着層11と電解液の界面で反応が起こり、熱融着層11表面の化学的変化が起こる。その結果、電解液の濡れ性が悪くなり、熱融着層11表面で電解液のハジキを生じる。その結果、熱融着層11と接触している正極活物質層44及び/もしくは負極活物質層54にも電解液のハジキが生じる。つまり、発電素子30の一部が電解液不足となり、その部分は電池として機能しない状態となる。その結果、容量低下を招く。
化学式(1)で示される化合物は、Si−炭素−炭素三重結合を有しており、この構造がラミネートフィルム10の熱融着層11との結合力を高めると考えられる。特に、熱融着層11が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体のような高分子の場合、化合物との結合性がより高められる。また、エチレン−アクリル酸エチル共重合や、オレフィンとアクリル酸やマレイン酸などからなる共重合体を金属化合物で処理したアイオノマーの場合も、化合物との結合性がより高められる。具体的には、高温保存試験中に、前述の構造によって化合物と熱融着層11が化学結合を形成し、更には化合物同士の重合も起こり、熱融着層11表面に化合物の安定な被膜が形成されるものと推測される。この被膜は、R1〜R4の置換基とSi原子の極性バランスによって電解液の良好な濡れ性を維持する能力を有しているものと推測される。
このように、本実施形態の化合物を添加剤として用いることで、高温保存試験のような60℃〜80℃程度の高温ストレスに晒した場合でも、熱融着層11への電解液の濡れ性を低下させることがないため、発電素子30の一部が電解液不足となることを防ぐことができる。その結果、容量低下を防ぐことができる。
化学式(1)で示される化合物の含有量は0.1〜10質量%が好ましい。
添加量を上述の範囲とすることで、より効果的に高温保存特性などの信頼性を向上させることが可能となる。
溶媒は、環状カーボネートと、低粘度溶媒と、を含有していることが好ましい。環状カーボネートは電解質であるリチウム塩の解離を促す様、誘電率が20以上であることを特徴とする。低粘度溶媒はリチウムイオンの移動度を改善する様、粘度が1.0cP以下である有機溶媒のことを指す。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができ、中でもエチレンカーボネートを含むことが好ましい。エチレンカーボネートをプロピレンカーボネートやブチレンカーボネートと混合して使用してもよい。
また、低粘度溶媒として、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを用いることができ、これら低粘度溶媒を2種以上を混合して用いてもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと低粘度溶媒の割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
電解質としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiPOF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等が挙げられ、2種以上を混合して用いてもよい。特に、導電性が高くなるLiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度を0.5mol/L以上とすると、非水電解液の導電性を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度を2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度を0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
LiPFが水分と反応して生成するフッ化水素またはフッ素イオンは、非水電解液中に50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがさらに好ましい。そのためにも、非水電解液中の水分は50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがさらに好ましい。
(正極)
正極40は、正極集電体42の両面に正極活物質層44を備えて構成されている。さらに正極活物質層44は、正極活物質材料と、導電助剤と、結着剤とを含む塗料を正極集電体42に塗布することによって形成されている。
正極活物質材料は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質材料を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)やLiNiCoAl1−x−y(0.98<a<1.2、0<x,y<1)で表される複合金属酸化物、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、FeまたはVを示す)等の複合金属酸化物が挙げられる。
導電助剤は特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラックのような熱分解炭素、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成材料、炭素繊維、あるいは活性炭などの炭素材が挙げられる。また、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛などの負極活物質材料を、形状を変えて添加してもよい。
カーボンブラックとしては、特に、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が好ましく、ケッチェンブラックが特に好ましい。電子伝導性の多孔体を含有させることにより正極活物質材料の粒子と結着剤の界面に空孔を形成でき、その空孔により正極活物質層44への電解液の染み込みを容易にするので好ましい。
結着剤は、前述の正極活物質材料の粒子と導電助剤の粒子とを結着可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂が挙げられる。また、この結着剤は、前述の正極活物質材料の粒子と導電助剤の粒子との結着のみならず、正極集電体42への結着に対しても寄与している。
正極集電体42は、リチウムイオン二次電池用の集電体に使用されている各種公知の金属箔を用いることができる。具体的には、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
(負極)
負極50は、負極集電体52の両面に負極活物質層54を備えて構成されている。さらに、負極活物質層54は、負極活物質材料と、導電助剤と、結着剤とを含む塗料を負極集電体52に塗布することによって形成されている。
負極活物質材料は、天然黒鉛、人造黒鉛(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等)、MCF(メソカーボンファイバ)等の炭素材から選ばれる少なくとも1種を含んでいる。中でも、良好な負極容量及びサイクル特性を示すことから人造黒鉛が好ましく、電極密度向上の観点から、人造黒鉛を天然黒鉛と混合して使用することが更に好ましい。その他、例えば、Al、Si、Sn等のリチウムと化合物を形成することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)など公知の負極活物質材料を炭素材と混合させて使用してもよい。
更に、負極活物質材料以外の各構成要素(導電助剤、結着剤)は、正極40で使用されるものと同様の物質を使用することができる。したがって、負極50に含まれる結着剤も、前述の正極活物質材料の粒子と導電助剤の粒子との結着のみならず、負極集電体52への結着に対しても寄与している。
負極集電体52は、リチウムイオン二次電池用の集電体に使用されている各種公知の金属箔を用いることができる。具体的には、銅箔を用いることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータ60は絶縁性の多孔体から形成されていれば、材料、製法等は特に限定されず、リチウムイオン二次電池100に用いられている公知のセパレータを使用することができる。例えば、絶縁性の多孔体としては、公知のポリオレフィン樹脂、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体または共重合体が挙げられる。これらの単独重合体または共重合体は、1種を単独で使用することができるが、2種以上のものを混合して用いてもよい。また、単層であっても複層であってもよい。
正極端子20、負極端子21は、アルミやニッケル等の導電材料から形成されている。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
以下に示す手順により、実施例1〜16、比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。
(実施例1)
まず、正極を作製した。正極の作製においても、正極活物質材料としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3(90質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(6質量%)、結着剤としてPVDF(4質量%)を混合し、NMP中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを集電体であるアルミニウム箔に塗布して乾燥させ、圧延を行い、正極を得た。
次に、負極を作製した。負極の作製においては、先ず、負極活物質材料として人造黒鉛(90質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(2質量%)、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)(8質量%)を混合し、溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという。)中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法により集電体である電解銅箔に塗布し、110℃で乾燥させた。乾燥後に圧延を行い、負極を得た。
得られた負極及び正極の間にポリエチレンからなるセパレータを挟んで積層し積層体(素体)を得た。また、正極にはアルミからなる端子を、負極にはニッケルからなる端子をそれぞれ超音波溶着させた。
次に、電解液を調製した。エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比3:7で混合した溶液中に、LiPFを1.0mol/Lの割合で添加した。この電解液の全体に、化学式(1)で示される化合物として、R1、R2、R3およびR4がCH基である化合物を添加化合物として0.05質量%含まれるように添加して電解液を得た。
Figure 2015125948
〔化学式(1)において、R1、R2、R3およびR4はCH基を表す。〕
次に、熱融着層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、金属箔としてアルミニウム、保護層としてポリプロピレンからなるラミネートフィルム(縦:123mm、横:85mm)を準備した。これを熱融着層が内側になるよう半分に折り、両辺を熱融着して袋状にしてラミネートパックを作製した。前述の積層体を、正極端子および負極端子が外になるようラミネートパックに入れ、このラミネートパックに非水電解液を注入した後に真空シールし、リチウムイオン二次電池(縦:60mm、横:85mm、厚さ:3mm)を作製した。
(実施例2〜16及び比較例1〜5)
電解液に含有する添加化合物として化学式(1)のR1からR4を表1に示すように変更し添加量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜16のリチウムイオン二次電池を作製した。また、添加化合物として、化学式(1)のR1〜R4を表1に示すように変更し、添加量を4.0質量%とする以外は実施例1と同様にして比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を作製した。
(初期充放電)
実施例1〜16及び比較例1〜5で得られたリチウムイオン二次電池について、恒温槽にて25℃に設定された環境下で初回の充電を行い、その直後に初回放電を行った。なお、充電は30mAで4.2Vまで定電流定電圧充電を行い、放電は30mAで2.5Vまで定電流放電を行った。
(60℃保存試験)
初期充放電後、該電池を25℃において4.2Vまで定電流定電圧充電を行い、満充電状態にした。そして、該電池のリード部を絶縁テープで覆い、60℃に設定した恒温槽へ投入した。その状態で放置し、30日後に恒温槽から取り出し、放電容量を測定した。その放電容量を初期放電容量で除して100倍にした値を「60℃30日保存後容量(%)」として表1に示す。
(60℃保存試験後の熱融着層への電解液の濡れ性評価)
前述の60℃保存試験後、該電池を解体し、ラミネートフィルムの熱融着層への電解液の濡れ性について目視評価した。熱融着層表面での電解液のハジキが無い場合は○、ハジキがある場合は×とした。結果を表1に示す。
実施例1〜16と比較例1〜5との比較より、電解液が化学式(1)で示される化合物を含有することにより、高温保存試験後の熱融着層への電解液の濡れ性が良好であることが確認できた。発電素子の一部が電解液不足となり、その部分が電池として機能しない状態になることを防いでいることが示唆された。その結果、高温保存試験後の高い容量維持率を確認できた。
また、実施例1〜5より、化学式(1)で示される化合物の添加量を0.1質量%〜10質量%とすることで、良好な高温保存特性を得られることが示唆された。
Figure 2015125948
10・・・ラミネートフィルム、11・・・熱融着層、12・・・金属箔、13・・・保護層、20・・・正極端子、21・・・負極端子、30・・・発電素子、40・・・正極、42・・・正極集電体、44・・・正極活物質層、50・・・負極、52・・・負極集電体、54・・・負極活物質層、60・・・セパレータ、100・・・リチウムイオン二次電池、200・・・熱融着層上での電解液のハジキを示す。これにより、発電素子の一部に電解液の不足が生じる。

Claims (2)

  1. 正極、負極、セパレータ及び電解液を有する発電素子と、
    前記発電素子側から熱融着層、金属箔および保護層を有するラミネートフィルムにより前記発電素子を封入してなるリチウムイオン二次電池において、
    前記電解液には、化学式(1)で示される化合物を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2015125948
    〔化学式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基または、芳香族環を表し、R2、R3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。〕
  2. 前記化合物が前記電解液中に、0.1〜10質量%含まれることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
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