JP2015032425A - 負極活物質及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なエネルギ密度とサイクル特性とを有する二次電池を構成可能な負極活物質及びそれを用いた二次電池を提供する。
【解決手段】バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素と、リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、を含んでなる酸化物であり、前記遷移金属元素の非晶質相を含むことを特徴とする、負極活物質及びそれを用いた二次電池とする。
【選択図】図2

Description

本発明は負極活物質及びそれを用いた二次電池に関する。
携帯機器等の高性能化及び消費電力の増大、船舶や鉄道等の電力源、電気自動車やハイブリッド自動車の開発及び普及、さらにはスマートグリッド用途等、蓄電需要の増加により、二次電池のいっそうの高性能化が求められている。このような二次電池としては、例えば、リチウム二次電池が挙げられる。
リチウム二次電池は、例えば、電極活物質としてリチウム遷移金属酸化物(例えばLiCoO)を用いた正極と、電極活物質として炭素材料等を用いた負極と、リチウム塩を支持塩としてこれを有機溶媒に溶解した非水電解液と、を備えている。このようなリチウム二次電池においては、充電時には正極から脱離したリチウムイオンが負極に吸蔵され、逆に放電時には負極から脱離したリチウムイオンが正極に吸蔵される。つまり、リチウム二次電池は、リチウムイオンをキャリアとするロッキングチェア型の二次電池である。
負極に用いられる電極活物質(即ち負極活物質)としては、炭素材料としての黒鉛が知られている。ただ、負極活物質として黒鉛が用いられる場合、黒鉛にリチウムイオンが吸蔵される際の電圧は、金属リチウムに対して0.09V〜0.2V付近である。そのため、このような電圧の低さによって非水電解液の分解が進行して、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。
このような課題を解決するために、チタン酸リチウムを用いた負極が知られている。具体的には、特許文献1には、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に収納され、正極と空間的に離間し、結晶子径が690Å以下であり、X線回折法によるスピネル型チタン酸リチウムのメインピーク強度を100としたとき、ルチル型TiO、アナターゼ型TiO及びLiTiOのメインピーク強度がいずれも7以下であるリチウムチタン複合酸化物を含む負極と、外装材内に充填された非水電解質と、を具備する非水電解質電池が記載されている。
特開2006−318797号公報
しかしながら、特許文献1に記載のチタン酸リチウムは、負極として用いた場合、負極の電圧が高くなる傾向にある。そのため、正極と負極との間での電位差が小さくなり、二次電池のエネルギ密度が低下し易い。さらには、エネルギ密度の低下に伴って、サイクル特性も低下し易い。
本発明が解決しようとする課題は、良好なエネルギ密度とサイクル特性とを有する二次電池を構成可能な負極活物質及びそれを用いた二次電池を提供することである。
本発明は、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素と、リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、を含んでなる酸化物であり、前記遷移金属元素の非晶質相を含むことを特徴とする、負極活物質及びそれを用いた二次電池である。
本発明によれば、良好なエネルギ密度とサイクル特性とを有する二次電池を構成可能な負極活物質及びそれを用いた二次電池を提供することができる。
本実施形態のリチウム二次電池の模式図である。 横軸を遷移金属含有量、縦軸を放電電圧とするプロットである。 実施例9の負極活物質を用いたリチウム二次電池の充電曲線である。 実施例10の負極活物質を用いたリチウム二次電池の充電曲線である。 ガラスについての熱重量測定により得られたグラフである。 実施例27の負極活物質を用いたリチウム二次電池の充電曲線である。 横軸をガラス転移点、縦軸を放電電圧とするプロットである。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.負極活物質]
〔物性〕
本実施形態の負極活物質は、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素と、リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、を含んでなる酸化物であり、前記遷移金属元素の非晶質相を含むものである。非晶質とは結晶よりも秩序性の低い構造で熱力学的に非平衡な純安定状態のものをいう。以下、単に「遷移金属元素」という場合には、「バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素」を表すものとする。また、「リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素」のことを、説明の便宜上、適宜「付加元素」という。
バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅(遷移金属元素)は、リチウムイオンが負極活物質に挿入(吸蔵)されたときに、電荷補償をするものである。これらのうち、バナジウムが好ましい。バナジウムは5価の金属であるため、リチウムイオンの挿入に伴う電荷補償可能な量が多くなり、エネルギ密度をより向上させることができるからである。また、バナジウムは、詳細は後記する付加元素によって、より非晶質化され易いためである。さらには、詳細は後記する非晶質相としてのバナジウムガラスが含まれていると、バナジウムガラスはホッピング伝導による電子伝導性を示すため、負極活物質としての機能をより効果的に発揮できる。
なお、負極活物質に含まれる遷移金属元素は1種であってもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていてもよい。
また、リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素(付加元素)は、上記の遷移金属元素を非晶質化させるものである。これらのうち、遷移金属元素をより非晶質化させ易いという観点から、リンが好ましい。また、リンは、遷移金属元素を非晶質化する際に、ガラス転移点を上昇させる効果が特に大きい。従って、リンを含有させることでガラス転移点をより上昇させ、負極活物質を用いた負極の電圧をより低下させることができる。ちなみに、リンを含有させると、リンは、通常、後記する非晶質相に含まれることになる。
なお、負極活物質に含まれる付加元素は1種であってもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていてもよい。
また、本実施形態の負極活物質は、遷移金属元素と付加元素とを含む酸化物である。そして、この酸化物(負極活物質)において遷移金属元素が非晶質化され、非晶質相として遷移金属元素が含まれている。負極活物質が遷移金属元素の非晶質相を含むことにより、リチウムイオンが挿入されたときの酸化還元電位を十分に低下させることができる。これにより、負極活物質としての特性を十分に引き出すことができる。また、非晶質相を含むことにより、リチウムイオンが挿入されたときの負極活物質の体積膨張を抑制することができる。これにより、負極性能の低下を抑制することができる。さらに、非晶質相を含むことにより、リチウムイオンが吸蔵される際の電圧が、従来用いられていた負極活物質としての黒鉛等よりも高くすることができ、良好なサイクル特性を達成することができる。
非晶質相は、ガラス転移点を有するガラスであることが好ましい。非晶質相がガラスであることにより、非晶質相の物性を制御し易くなるという利点がある。詳細は後記するが、本実施形態の二次電池に用いられる負極活物質は、例えばガラス転移点を調整することで負極の電圧を良好に低下させ、良好なエネルギ密度を達成できる。
また、負極活物質に含まれる非晶質相の含有量は、負極活物質の全体に対して、90体積%であることが好ましい。この理由を以下に説明する。
従来、バナジウム等の遷移金属元素は正極活物質に含まれることが多かった。これは、遷移金属元素を含む正極活物質にリチウムイオンが挿入されたり、正極活物質からリチウムイオンが脱離(放出)されたりするときの電圧(充放電電圧)が高いからである。これにより、正極と負極との間の電位差を大きくすることができ、良好なエネルギ密度とすることができる。
ここで、対極をリチウムとして、遷移金属Ma+(aは価数である)にリチウムイオンが挿入されるときに取り出し可能な電圧は、ボルン・ハーバーサイクルを使って記載すると、下記式(1)のようになる。
Figure 2015032425
式(1)中、ΔUは格子エネルギ(化合物を構成イオン(原子)の状態に解離するのに必要なエネルギ)を表し、I a+は遷移金属Ma+のイオン化ポテンシャルを表し、ILi は遷移金属Ma+のイオン化ポテンシャルを表し、ΔHsub(Li)はリチウムイオンの溶媒和エネルギを表す。リチウムイオンのイオン化ポテンシャルILi 及びΔHsub(Li)は定数である。
前記の式(1)式において、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の遷移金属を含む結晶では、格子エネルギ変化(ΔU(Li挿入後化合物)−ΔU(Li挿入前化合物))が大きく、遷移金属のイオン化ポテンシャルI a+も大きいため、電圧Eが高くなる。そのため、前記のように、これらの金属を含む活物質は、正極活物質として用いられることが多い。
しかし、これらの遷移金属(本実施形態における「遷移金属元素」)が非晶質相(好適にはガラス)に変化したとき、前記の格子エネルギ変化及びイオン化ポテンシャルが小さくなることを見出した。この理由として、格子エネルギは、原子の凝集エネルギと考えることができる。そのため、非晶質化させることで凝集エネルギを小さくすることができ、格子エネルギも小さくすることができると考えられるためである。イオン化ポテンシャルも同様であり、非晶質化させることにより、非晶質の遷移金属元素はイオンになり易く、イオン化ポテンシャルを小さくすることができると考えられる。
以上のような理由により、正極活物質として用いられていた遷移金属元素を、非晶質化により、負極活物質として適用することもできる。しかも、前記のように、非晶質化により電圧を十分に低くすることができ、良好なエネルギ密度を得ることができる。
含まれる非晶質相は、できるだけ多いことが好ましい。ここで、非晶質と結晶とが混じった負極活物質の充放電曲線は、これら二つの特性を合わせたものになる。そして、リチウムイオンが負極活物質に挿入される場合には、電圧の高い結晶の部分から先に反応するため、できるだけこの結晶量を少なくすることが好ましい。具体的には、この結晶量が10体積%以下とすることが好ましく、換言すれば、非晶質相の含有量は、前記負極活物質の全体に対して、90体積%以上とすることが好ましい。これにより、正極と負極との間の電位差をより確実に広げることができ、二次電池としてのエネルギ密度をより確実に達成することができる。
なお、負極活物質に含まれる遷移金属元素が非晶質相になっているか否かの確認は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定装置を用いて行うことができる。具体的な測定装置としては、例えば後記する実施例において用いた測定装置が挙げられる。
負極活物質に含まれる遷移金属元素の含有量は、負極活物質の全体に対して、酸化物換算で60モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。含有量をこの範囲とすることで、遷移金属元素を非晶質化することにより得られる充放電電圧低下効果(即ち負極電圧の低下効果)をいっそう発揮させることができる。
また、本実施形態の負極活物質がバナジウムを含み、前記非晶質相がガラスである場合、負極活物質のガラス転移点は340℃以上であることが好ましい。さらには、前記非晶質相がガラスである場合でもガラスではない場合でも、負極活物質の酸素イオンモル体積が13cm/mol以上であることが好ましい。ここで、「酸素イオンモル体積」とは、酸素1モルが占有する体積のことであり、この値が小さくなるほど、非晶質(好ましくはガラス)としての骨格が緻密であることを示している。ガラス転移点や酸素イオンモル体積をこの範囲に制御することで、負極電圧をより確実に低下させ、負極としての良好な機能をより確実に達成することができる。
本発明者らが検討したところによると、ガラス転移点や酸素イオンモル体積と負極電圧との間には、相関関係があると考えられる。具体的には、酸素イオンモル体積は、前記式(1)のΔU(Li挿入後化合物)と相関関係にあり、ガラス転移点は、前記式(1)のΔU(Li挿入前化合物)と相関関係にあると考えられる。例えば、酸素イオンモル体積が大きくなるとΔU(Li挿入後化合物)は小さくなり、これにより、電圧が低下すると考えられる。一方で、ガラス転移点が高くなるとΔU(Li挿入前化合物)は大きくなり、これにより、電圧が低下すると考えられる。
そこで、これらのことを考慮し、負極活物質のガラス転移点はできるだけ高いことが好ましく、具体的には前記の範囲となることが好ましい。また、負極活物質の酸素イオンモル体積も同様にできるだけ大きいことが好ましく、具体的には前記の範囲となることが好ましい。
また、負極活物質には、前記の各成分のほかにも、リチウム、ナトリウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素が含まれることが好ましい。これらの元素は、二次電池においてキャリアとなりうるイオンであり、これらを予め負極活物質に含有させておくことによって、充放電時の不可逆容量を低下させることができる。
さらに、負極活物質には、タングステン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素が含まれることが好ましい。これらの元素が含まれることにより、非晶質相としてのガラスの軟化点を上昇させることができ、二次電池の耐久性を向上させることができる。
また、負極活物質には、鉄が含まれることも好ましい。鉄が含まれることによりコンバージョン反応が生じ、二次電池の電池容量を大幅に向上させることできる。
さらに、負極活物質は、黒鉛等の炭素材料により被覆されてなることが好ましい。これにより、電気伝導性を向上させることができる。また、負極活物質の粒径は、5μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることがより好ましい。これにより、電気抵抗の大きくなりがちな非晶質相の絶対的な含有量を少なくすることができ、電気伝導性を良好なものとすることができる。
〔製造方法〕
本実施形態の負極活物質は、任意の方法により製造することができる。以下、本実施形態の負極活物質の製造方法を一例を挙げて説明する。
まず、原料となる、前記の遷移金属元素、及び、前記の付加元素を準備する。これらは単体でも化合物でもよいが、準備の容易さの観点から、酸化物を用いることが好ましい。具体的には、遷移金属元素としてバナジウムを用いる場合には五酸化バナジウムが、付加元素としてリンを用いる場合には五酸化二リン等が使用可能である。
そして、負極活物質が所望の組成になるようにこれらの使用量を決定し混合後、白金ルツボに入れ、電気炉で加熱する。これにより、所望の組成を有する負極活物質の塊を得ることができる。加熱条件としては特に制限されないが、例えば1分あたり5℃〜10℃程度の昇温速度とし、例えば900℃以上、1100℃以下、好ましくは950℃以下まで昇温させた後、電気炉中で数時間(例えば2時間程度)保持することができる。電気炉中での保持中は、均一に非晶質相が含まれるように、攪拌することが好ましい。
加熱後に白金ルツボを電気炉から取り出すとき、非晶質相への水分吸着を防止するために、予め100℃〜150℃程度に加熱しておいた黒鉛鋳型やステンレス板上に流し込み、その状態で冷却することが好ましい。そして、冷却して固化した後、所望の粒径になるように粉砕すればよい。粉砕の程度としては、例えば前記の粒径になるまで粉砕することができる。粉砕手段としては、例えばスタンプミルやジェットミルを用いることができる。
また、その後に、ボールミル等を用いて、炭素材料を負極活物質の表面に被覆することが好ましい。これにより、負極活物質の電気伝導性を向上させることができる。
以上の方法により、本実施形態の負極活物質が得られる。
[2.二次電池]
次に、本実施形態の負極活物質を含む負極を備える二次電池(以下、「本実施形態の二次電池」という)について説明する。二次電池としては種々の構造や種類が考えられるが、以下の説明においては、一例として、筒状のリチウム二次電池を例に、本実施形態の二次電池を説明する。なお、以下の説明はあくまで一例であり、本実施形態の負極活物質を含む負極を備える二次電池は、以下の内容及び図示の例に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の二次電池(リチウム二次電池)100の模式図である。図1中、図示の簡略化のために、一部部材を省略して図示している。リチウム二次電池は、非水電解液中のリチウムイオンが電気伝導を担い、電極に対するリチウムイオンの吸蔵及び放出により、電気エネルギの貯蔵及び利用を可能とする電気化学デバイスである。
二次電池100は、正極外部端子10dと、負極外部端子20dとを備え、これらの端子を通じて蓄電及び放電が行われるようになっている。正極外部端子10dには、正極リード線10cを介して、電池容器40内に収容されたシート状の正極板10a,10b(10)が接続されている。また、負極外部端子20dには、負極リード線20cを介して、電池容器40内に収容されたシート状の負極板20a,20b(20)が接続されている。正極板10a,10b(10)と負極板20a,20b(20)とは、セパレータ30を介して交互に積層されている。セパレータ30は、正極板10aと電池容器40との間、及び、負極板20bと電池容器40との間にも設けられ、電池容器40を解した短絡が防止されるようになっている。
正極外部端子10dと電池蓋60との間、及び、負極外部端子20dと電池蓋60との間には、絶縁性シール部材70が設けられている。これにより、正極外部端子10dと負極外部端子20dとの短絡が防止されるようになっている。
そして、正極板10a,10b(10)、負極板20a,20b(20)及びセパレータ30(以下、これらをまとめて「電極群」という)等を収容する電池容器40は、注液口50を備える電池蓋60により密閉状態に維持されている。即ち、電池容器40に電極群を収納した後に、電池蓋60を電池容器40に被せ、電池蓋60の外周を溶接やかしめ、接着等することで、電池蓋60が電池容器40に固定される。その後、電池蓋60に備えられている注液口50を通じて内部に非水電解液(後記する)を注入後、注液口50を封止することで、電池容器40内が密閉状態に維持されるようになっている。注入された電解液は、電極群の表面及び細孔内部に保持されるようになっている。
また、図示はしていないが、正極リード線10cの途中や負極リード線20cの途中には、正温度係数(PTC;Positive temperature coefficient)抵抗素子を利用した電流遮断機構が設けられている。これにより、二次電池100の内部温度が高くなったときに充放電を停止させて、二次電池100を保護することができるようになっている。
正極板10a,10b(10)は、例えば、正極活物質、導電剤、結着剤、溶媒等を含む正極合剤を、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム等の薄膜又はメッシュからなる集電体の両面に付与して作製することができる。正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiFePO、Li(PO等が挙げられる。導電剤としては、例えば、炭素材料等が挙げられる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等が挙げられる。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒が挙げられる。
負極板20a,20b(20)は、本実施形態の負極活物質のほか、例えば、結着剤、溶媒等を含む負極合剤を、銅箔又はアルミニウム箔又はメッシュからなる集電体の両面に付与し、これを乾燥、プレスして作製することができる。結着剤や溶媒としては、正極板10a,10b(10)の作製に用いたものと同様のものが適用可能である。
セパレータ30としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする微多孔膜や不織布等を用いることができる。
絶縁性シール部材70としては、非水電解液と反応せず、気密性に優れたものが挙げられる。具体的には例えば、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスハーメチックシール等が挙げられる。
非水電解液としては、例えば、リチウム塩と非水溶媒とを混合した溶液を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン等が挙げられる。
なお、前記の例では、2枚の正極板10a,10b(10)と2枚の負極板20a,20b(20)とが交互に積層されているが、それぞれ、1枚又は3枚以上の構成としてもよい。また、これらが積層される構成に限られず、円筒状、扁平状の任意の形状に巻回されたもの等、種々の形状にすることができる。そして、これらの形状にあわせて、電池容器40の形状も、例えば、円筒型、扁平長円形状、角型等の形状のものを適宜に選択することができる。
また、正極リード線10c及び負極リード20cは、ワイヤ状、板状等の任意の形状を採ることができる。さらに、正極リード線10c及び負極リード線20cの形状及び材質については、通電時にオーム損失を小さくすることのでき、非水電解液と反応しない材質のものを用いればよい。
以上、本実施形態の二次電池を、図1を参照しながら説明したが、本実施形態の二次電池は、前記したように、リチウム二次電池に限られるものではない。即ち、本実施形態の二次電池としては、金属イオンを吸蔵及び放出可能な電極を備える二次電池であればどのようなものでもよく、例えば、ナトリウムイオンが吸蔵及び放出されるナトリウム二次電池、マグネシウムイオンが吸蔵及び放出されるマグネシウム二次電池等にも適用可能である。さらには、電界液を用いた二次電池に限られず、全固体型の二次電池に対しても適用可能である。
次に、実施例を挙げて、本実施形態をさらに具体的に説明する。
[1.遷移金属元素含有量による放電電圧への影響]
<実施例1>
(1)負極活物質の作製
バナジウム(遷移金属元素)が65モル%、リンが35モル%の比率で含まれるようにして、負極活物質を作製した。具体的には、まず、負極活物質におけるバナジウム及びリンの含有量が前記の含有量になる量の、五酸化バナジウム及び五酸化二リンを準備した。そして、これらを混合した。得られた混合粉末100gを白金ルツボに入れ、電気炉を用いて5℃/分〜10℃/分の昇温速度で900℃〜1100℃の加熱温度まで加熱して2時間保持した。保持中は均一なガラスとするために攪拌した。
次に、白金ルツボを電気炉から取り出し、予め100℃に加熱しておいたステンレス板上に流し込み、ステンレスの板を用いてプレス冷却することで、バナジウム及びリンを含む酸化物ガラスを得た。得られた酸化物ガラスをジェットミルを用いて約3μmまで粉砕し、負極活物質を得た。得られた負極活物質に含まれるバナジウムが非晶質相であることの確認は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定装置(リガク社製 RINT2500HL)を用いて行った。確認の結果、含まれるバナジウムは非晶質相になっていることが確認された。
負極活物質:ケッチェンブラック(ライオン社製のEC600JD、粒径34nm以下)=1:0.1となるように配合した。そして、メノウ製のポットにメノウボールを100g入れ、遊星式ボールミルを用いて200rpm、3時間混合することで、負極活物質表面の炭素被覆を行った。以下の負極の作製には、この炭素被覆がされた負極活物質を用いた。
(2)負極の作製
炭素被覆がされた負極活物質55質量部、導電剤としてのJSP(日本黒鉛社製)35質量部、及びバインダ(結着剤)としてのポリフッ化ビニリデン(クレハ社製の#7305)10質量部を混合した。そして、得られた混合物に、N−メチル−2−ピロリドンを添加して、粘度を15Pa・sに調整した負極合剤を得た。
次に、この負極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体(三菱アルミニウム社製のN5−8X−073)の両面に塗工した後、これに加圧成形を施して、乾燥厚さが50μmの負極合剤層を集電体の両面にそれぞれ有するシートを形成した。そして、このシートの負極合剤層を有する部分(負極合剤の塗工部分)の面積が50mm×100mm、引き出し電極として未塗工部分の面積が15mm×15mmとなるようにこのシートを裁断して、後記する二次電池100用の負極板20を作製した。
(3)二次電池の組立
作製した負極板20を使用して、図1に示すラミネートセル型の二次電池100を組み立てた。ただし、本実施例で作製する二次電池100は、10枚の正極10と、11枚の負極20と、20枚のセパレータ30とを有して構成されている。二次電池100の正極板10としては、引き出し電極部分(15mm×15mm)を残し、60mm×110mmとなるように裁断した金属リチウムシートを使用した。また、セパレータ30としては、厚さ30μmのPP(ポリプロピレン)製の多孔質膜を用いた。
また、二次電池100に注入する非水電解液としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)の非水性有機溶媒溶液(1モル/L)を使用した。非水性有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、及びジメチルカーボネート(DMC)を、体積比で、EC:EMC:DMC=1:2:2となるように混合したものを使用した。
なお、このラミネートセル型のリチウム二次電池100では、係る積層体がラミネートセル内に前記の非水電解液と共に封入される。そして、正極10及び負極20の引き出し電極部分がラミネートセルの外部に臨むことで、これらの引き出し電極部分に対する電気的な接続が可能となり、外部との充放電が可能になっている。
(3)二次電池の特性評価
二次電池100の充放電電圧特性を評価した。ラミネートセル型のリチウム二次電池100の放電容量及び容量維持率の測定は、充放電試験機(東洋システム社製のTOSCAT3100U)を用いて行った。
この測定では、二次電池100に対して放電終止電圧0.5Vまで電流密度0.3mA/cmの定電流で放電を行い、次いで充電終止電圧4.2Vまで同電流で充電を行った。この時、容量が50Ah/kg時の負極の電圧が1.5V以下の場合には◎、1.5Vより大きく2V以下の場合には○、2Vより大きく3V以下の場合には△、3Vよりも大きい場合には×として評価した。
<実施例2〜実施例24>
遷移金属元素及び付加元素の種類及び含有量を後記する表1のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜実施例24の負極活物質(炭素被覆されている)を調製し、二次電池100を作製した。そして、作製した二次電池100について、実施例1と同様にして評価した。
なお、マンガンの原料化合物としては二酸化マンガン、鉄の原料化合物としては酸化第二鉄、コバルトの原料化合物としては酸化コバルト、ニッケルの原料化合物としては酸化ニッケル、銅の原料化合物としては酸化銅を用いた。また、バリウムの原料化合物としては酸化バリウム、ゲルマニウムの原料化合物としては二酸化ゲルマニウム、鉛の原料化合物としては酸化鉛、ケイ素の原料化合物としては二酸化ケイ素を用いた。
<比較例1及び比較例2>
負極活物質として、非晶質相を含まず結晶相のみを含む五酸化バナジウム(比較例1)及び二酸化マンガン(比較例2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、炭素被覆された負極活物質を調製し、二次電池100を作製した。そして、作製した二次電池100について、実施例1と同様にして評価した。
<結果>
評価結果を表1に示す。なお、表1では、各金属の含有量は、酸化物換算でのモル%で示している。さらに、横軸を遷移金属元素の含有量(モル%、酸化物換算)、縦軸を放電電圧とするグラフを図2に示す。また、一例として、図3に実施例9の負極活物質を用いた二次電池100の評価時に得られた充電曲線を、図4に実施例10の負極活物質を用いた二次電池100の評価時に得られた充電曲線を示す。
なお、本実施例の各試料について、前記の粉末X線回折測定装置を用いて粉末X線回折測定を行ったところ、各試料に結晶相は認められず、非晶質相が100%であることが確認された。
Figure 2015032425
表1に示すように、実施例1〜実施例24の評価結果は全て△以上であり、良好な結果であった。一方で、非晶質を含まず結晶のみを含む比較例1及び比較例2の評価結果はいずれも×であり、結晶質のみからなる場合には、良好な結果が得られないことがわかった。
また、図2に示すように、放電電圧の傾向は、遷移金属元素の含有量が酸化物換算で60モル%を境に異なることがわかった。具体的には、60モル%以下であれば放電電圧は比較的低い傾向にあるが、60モル%を越えると放電電圧は高い傾向にある。放電電圧が低い方が正極と負極との間の電位差を大きくすることができエネルギ密度が向上することから、遷移金属元素の含有量は、酸化物換算で60モル%以下が好ましいことがわかった。
また、表1に示すように、どの種類の遷移金属元素と付加元素との組み合わせでも、良好な結果を示した。この結果から、遷移金属元素や付加元素の種類によらず、放電電圧を低くすることができることがわかった。
[2.ガラス転移点による放電電圧への影響]
<実施例25〜実施例33>
(1)負極活物質の調製及び二次電池100の作製及び評価
遷移金属元素及び付加元素の種類及び含有量を後記する表2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例25〜実施例33の負極活物質(炭素被覆されている)を調製し、二次電池100を作製した。そして、作製した二次電池100について、実施例1と同様にして評価した。
なお、リチウムの原料化合物としては酸化リチウム、アンチモンの原料化合物としては酸化アンチモン、タングステンの原料化合物としては酸化タングステン、ナトリウムの原料化合物としては酸化ナトリウム、マグネシウムの原料化合物としては酸化マグネシウムを用いた。
(2)ガラス転移点の評価
また、負極活物質の作製中に得られたガラスについて、5℃/分の昇温速度で示差熱分析(DTA)を行うことによって、ガラス転移点(Tg)を測定した。なお、標準サンプルとしてアルミナ粉末を用いた。図5にガラスのDTA曲線を示す。図5に示すように、ガラス転移点Tgは第一吸熱ピークの開始温度とした。
なお、この評価は、実施例5及び実施例7〜9についても同様に行った。
評価結果を表2に示す。一例として、図6に実施例27の負極活物質を用いた二次電池100の評価時に得られた充電曲線を示す。さらに、横軸をガラス転移点、縦軸を放電電圧とするグラフを図7に示す。
Figure 2015032425
表2及び図7に示すように、ガラス転移点が340℃以上のときに良好な結果が得られることがわかった。具体的には、図7に示すように、ガラス転移点が340℃以上であれば放電電圧は低くなる傾向となり、負極として好適な特性を示すことがわかった。より具体的には、負極の放電電圧が低くなれば正極との電圧差が広がるため、二次電池100のエネルギ密度を大きくすることができる。一方で、ガラス転移点が340℃未満であれば、負極の放電電圧が高くなる傾向になる。そのため、正極との電圧差が小さくなることから、エネルギ密度が低下することになる。従って、ガラス転移点を340℃以上とすることにより、より良好なエネルギ密度を達成できることがわかった。
また、遷移金属元素としてバナジウム(五酸化バナジウム)及び鉄(酸化鉄(III))の2種を使用した場合、それらの合計量が60モル%以下となるときに、放電電圧が良好になった。即ち、含まれる遷移金属元素が1種の場合にはその含有量が(表1参照)、また、含まれる遷移金属元素が2種以上の場合にはそれらの含有量の合計が(表2参照)、負極活物質の全体に対して、酸化物換算で60モル%以下とするとよいことがわかった。
[3.サイクル特性の評価]
正極活物質としてLiCoO粒子(日本化学工業社製)、負極活物質として実施例27の負極活物質を用いて、実施例1と同様にして二次電池100(実施例1の二次電池)を作製した。また、比較として、負極活物質として黒鉛を用いたこと以外は同様にして、二次電池100(比較例1の二次電池)を作製した。
作製した二つの二次電池について、それぞれ、0.1Cの定電流で充放電を1回行い、その後、1Cの定電流で充放電を9回行った。そして、この組み合わせ(0.1Cでの充放電1回と1Cでの充放電9回)を500回(500サイクル)繰り返し、二次電池のサイクル特性を評価した。
なお、「1Cの定電流」とは、二次電池に対して、放電し切った状態から定電流充電する場合において、1時間で100%の充電を完了する電流値、又は充電し切った状態から定電流放電する場合において、1時間で100%の放電を完了する電流値をいう。言い換えれば、1Cとは、充電又は放電の速さが1時間当たり100%であることをいう。よって、0.1Cとは、充電又は放電の速さが1時間当たり10%であることをいう。
サイクル特性評価の結果、実施例1の二次電池においては、500サイクル後の容量維持率が、比較例1の二次電池と比べて、5%向上していることがわかった。従って、本実施形態によれば、二次電池のサイクル特性を向上させることができることがわかった。
[4.図1とは異なる形状の電池への適用]
前記の実施例では非水電解液を用いた二次電池100(図1参照)に本実施形態の負極活物質を適用したが、本実施形態の負極活物質は、全固体型の二次電池にも適用可能である。全固体型の二次電池(リチウム二次電池)は、電解質を含む非水電解液に代えて、固体電解質が用いられる。
(1)正極の作製
正極活物質としての平均粒径5μmのLiCoO粉末と、前記の実施例26のガラス粉末(負極活物質、正極と固体電解質との結着剤として使用)と、固体電解質である平均粒径3μmのLi1.5Al0.5Ti1.5(PO粉末(以下、「LATP」という)と、導電剤である針状(短軸:0.13μm、長軸:1.68μm)の導電性酸化チタン(ルチル型酸化チタンを母体にSbをドープしたSnO導電層を被覆したもの)とを、それぞれ体積比で53:30:10:7となるように混合した。そして、この混合粉末に樹脂バインダと溶媒とを適量混合し、正極ペーストを作製した。
なお、樹脂バインダとしては、エチルセルロースやニトロセルロース、溶媒としてはブチルカルビトールアセテートを用いた。後記する負極及び固体電解質層の作製においても、同様である。
この正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、脱溶媒、脱バインダのための熱処理後に、大気中390℃で1時間焼成し、正極活物質層厚さが10μmの正極シートを得た。これを直径14mmの円盤状に打ち抜き、正極とした。
(2)負極の作製
前記の実施例27の負極活物質と、固体電解質である平均粒径3μmのLATPと、導電剤である針状(短軸:0.13μm、長軸:1.68μm)の導電性酸化チタン(ルチル型酸化チタンを母体にSbをドープしたSnO導電層を被覆したもの)とを、それぞれ体積比で83:10:7となるように混合した。そして、この混合粉末に樹脂バインダと溶媒とを適量混合し、負極ペーストを作製した。
この負極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、脱溶媒、脱バインダのための熱処理後、大気中360℃で1時間焼成し、負極活物質層厚さが10μmの負極シートを得た。これを直径14mmの円盤状に打ち抜き、負極とした。
(3)固体電解質層の作製
固体電解質である平均粒径3μmのLATPと、前記の実施例26のガラス粉末(負極活物質、正極と固体電解質との結着剤として使用)とを、それぞれ体積比で70:30となるように混合した。そして、この混合粉末に、樹脂バインダと溶媒とを適量添加して固体電解質ペーストを作製した。
この固体電解質ペーストを正極(又は負極)に塗布し、脱溶媒、脱バインダのための熱処理後、390℃で1時間大気中焼成し、正極上に、厚さ15μmの固体電解質層を形成した。そして、これを直径15mmの円盤状に打ち抜いた。
(4)全固体電池の作製
「(3)固体電解質層の作製」において作製したもう一方の面に負極(又は正極)を積層し、正極と固体電解質層と負極との界面の密着性を向上させるため、この積層体を加圧しながら、350℃で1時間、大気中焼成した。そして、得られた積層体の側面を絶縁物でマスキングし、これをCR2025型のコイン電池に組み込み全固体電池を作製した。
(5)動作確認
作製した電池は動作することが確認できたため、本実施形態の負極活物質は、全固体電池に用いられる負極活物質としても適用可能であることが確認できた。
10 正極
20 負極
30 セパレータ
100 二次電池

Claims (14)

  1. バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素と、
    リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、
    を含んでなる酸化物であり、
    前記遷移金属元素の非晶質相を含むことを特徴とする、負極活物質。
  2. 前記非晶質相は、ガラスであることを特徴とする、請求項1に記載の負極活物質。
  3. 前記非晶質相の含有量は、前記負極活物質の全体に対して、90体積%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の負極活物質。
  4. 前記遷移金属元素の含有量は、前記負極活物質の全体に対して、酸化物換算で60モル%以下であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の負極活物質。
  5. 前記遷移金属元素としてバナジウムを含み、
    前記非晶質相はガラスであり、
    ガラス転移点が340℃以上であることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の負極活物質。
  6. 前記非晶質相は、リンを含むことを特徴とする、請求項1乃至5の何れかに記載の負極活物質。
  7. リチウム、ナトリウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする、請求項1乃至6の何れかに記載の負極活物質。
  8. タングステン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載の負極活物質。
  9. 鉄を含むことを特徴とする、請求項1に記載の負極活物質
  10. 炭素材料により被覆されてなることを特徴とする、請求項1乃至8の何れかに記載の負極活物質。
  11. バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素と、リン、バリウム、ゲルマニウム、鉛及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、を含んでなる酸化物であり、前記遷移金属元素の非晶質相を含む負極活物質を有する負極を備えることを特徴とする、二次電池。
  12. 前記非晶質相は、ガラスであることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池。
  13. 前記非晶質相の含有量は、前記負極活物質の全体に対して、90体積%以上であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の二次電池。
  14. 前記遷移金属元素の含有量は、前記負極活物質の全体に対して、酸化物換算で60モル%以下であることを特徴とする、請求項11乃至13の何れかに記載の二次電池。
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