JP5601525B2 - 金属部材およびその利用 - Google Patents
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Description
ここに開示される金属部材の保護層は、化学結合によって基材表面に強固に固定され、且つトリアジンチオール誘導体がMイオンによって架橋されてなる膜構造を有する。かかる構造の保護層は、Mイオンによる架橋により膜構造の緻密性が向上されているので、HF等の酸が透過し難く、該金属部材表面に優れた耐腐食性を付与し得る。かかる金属部材は、酸(典型的にはHF)が発生または存在し得る環境において用いられる金属部材として好適である。
なお、上記のように基材中の金属元素Lに保護層がメルカプチド結合した態様において、該保護層は、金属元素Lに直接的にメルカプチド結合したトリアジンチオール誘導体に加えて、金属元素Lと直接的にはメルカプチド結合していないトリアジンチオール誘導体(例えば、金属元素Lとメルカプチド結合したトリアジンチオール誘導体にMイオンによって架橋されたトリアジンチオール誘導体、かかるトリアジンチオール誘導体にさらに架橋されたトリアジンチオール誘導体等)を含んでもよい。
ここに開示される技術における保護層が上述のようなネットワーク構造を有することは、例えば、該保護層の表面をTOF−SIMS(飛行時間二次イオン質量分析計)により分析することによって把握することができる。例えば、上記金属部材において金属元素Mが銅である態様では、その保護層表面のTOF−SIMSスペクトルに、241(m/Z)(Cu3(CN)2 +)、154(m/Z)(Cu2CN+)等のピークが存在し得る。
該基材表面の一部(被保護面)のみに保護層を付与する場合は、上記混合溶液への浸漬前に、該被保護面以外の表面を上記混合溶液に対して不透過性の材料(樹脂等)で被覆しておけばよい。あるいは、被保護面以外の表面を上記混合溶液に浸漬させない等の工夫をすればよい。
(A)トリアジンチオール誘導体と金属元素Mのイオンの塩とを所定の濃度で含む混合溶液を用意すること;および、
(B)上記混合溶液に、金属元素Lを主体とする基材を浸漬させて該基材の表面に保護層を形成すること;
を包含する。ここで、上記保護層は、上記基材の表面に含まれる金属元素Lに化学結合したトリアジンチオール誘導体を含み、該トリアジンチオール誘導体は、さらに金属元素Mのイオンにより架橋されたネットワーク構造を形成している。
ここに開示される金属部材は、リチウムイオン二次電池のうち、負極端子部以外の部分を構成する部材にも適用され得る。具体的には、例えば、正極端子部を構成する部材(典型的には正極端子)、電池ケースを構成する部材、電池ケースの開口部を塞ぐ蓋体を構成する部材、等に適用することができる。
好ましい一態様では、ここに開示されるいずれかの金属部材が負極端子48として用いられている。かかる態様では、上記保護層に含まれるMイオンが銅イオンであることが特に好ましい。
(サンプル1の作製)
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール・モノナトリウム(TTN)を水に加えて溶解し、さらに硫酸銅(II)・五水和物(CuSO4・5H2O)を添加して、TTNを10質量%、CuSO4・5H2O(CuIIイオン基準)を0.001質量%の割合で含む混合溶液を調製した。予めアルカリ洗浄した後に流水洗浄および浸漬水洗を施した厚さ1mmの銅箔(銅板)を、30℃にて、上記混合溶液中に120秒間浸漬した(トリアジン処理)。次いで、該銅箔を該混合溶液から取り出し、浸漬水洗(3回)および湯洗浄(温度70℃)を施し、エアブロー乾燥した後、75℃で5分間の加熱乾燥を行った。このようにして、サンプル1に係る金属部材を作製した。このサンプル1の断面を、走査型電子顕微鏡(日立社製、型式「S−5200」)を用いて観察したところ、保護層の厚みは約100nmであった。
上記混合溶液の調製においてCuSO4・5H2Oを添加しなかった他はサンプル1の作製と同様にして、サンプル2に係る金属部材を作製した。
サンプル1,2に係る金属部材の表面を、TOF−SIMS装置を用いて分析した。サンプル1の質量スペクトルを図5に、サンプル2の質量スペクトルを図6に示す。
以下の手順で金属部材(保護層付き銅箔)を作製した。
すなわち、TTNを水に加えて溶解し、さらにCuSO4・5H2Oを添加して、TTNをX質量%、CuSO4・5H2O(CuIIイオン基準)をY質量%の割合で含む混合溶液を調製した。予めアルカリ洗浄した後に流水洗浄および浸漬水洗を施した厚さ1mmの銅箔を、所定の温度(T℃)にて、上記混合溶液中に所定時間(t秒間)浸漬した(トリアジン処理)。次いで、該銅箔を該混合溶液から取り出し、浸漬水洗(2回)および湯洗浄(温度70℃)を施し、エアブロー乾燥した後、75℃で5分間の加熱乾燥を行った。
上記手順に従って、混合溶液のTTN濃度(X質量%、ここでXは7.5〜15)、CuIIイオン濃度(Y質量%、ここでYは0.005〜0.020)、トリアジン処理時における混合溶液の温度(T℃、ここでTは30〜50)または該混合溶液への浸漬時間(t秒、ここでtは80〜150)を異ならせた複数種類の金属部材(保護層付き銅箔)サンプルを作製した。
各金属部材サンプルを1cm×5cmのサイズに切り出して試験片を作製した。温度80℃にて、HFを2%(質量基準)の割合で含む濃度1MのLiPF6溶液(体積比3:3:3のEC/EMC/DEC混合溶媒)200mLに上記試験片を3時間浸漬させた。3時間経過後、上記LiPF6溶液から上記試験片を引き上げ、該LiPF6溶液中のCuIIイオンの濃度を、東興化学研究所製の銅イオンメータ、型式「TiN−5202」を用いて測定した。得られた測定データを各変数(X,Y,T,t)との関係として整理した結果を表1〜4に示す。
サンプル1およびサンプル2の表面を、上記耐腐食性評価試験の前後において、走査型電子顕微鏡(日立社製、型式「S−5200」)を用い、×10000の倍率にて観察した。サンプル1の結果を、図7(試験前)および図8(試験後)に、サンプル2の結果を図9(試験前)および図10(試験後)に示す。
サンプル1の保護層を、その表面から0.2°〜0.4°の角度で切削刃により斜めに切削して分析試料を切り出した。その切り出された試料の切削面を、XPS分析装置を用いて、下記条件で元素分析した(n=2)。その元素分析結果と、NとCuとの原子数比の値(N/Cu)とを併せて表5に示す。
XPS装置:アルバックファイ株式会社製 型式「ESCA−PHI5700」
X線源:Alモノクロ7mm,14kV−350W
中和銃:ON
アパーチャー:No.4(直径800μm)
HRES Mode(Depth)
PE:46.5eV,STEP:0.1eV,Time/Step:50ms
SUV.Mode(定性)
PE:187.85eV,STEP:0.4eV,Time/Step:20ms
10 電池ケース
20 捲回電極体
30 正極シート
32 正極集電体
34 正極活物質層
38 正極端子
40 負極シート
42 負極集電体
44 負極活物質層
48 負極端子
50 セパレータ
100 リチウムイオン二次電池
200 金属部材
210 基材
220 保護層
Claims (4)
- 金属部材を備えたリチウムイオン二次電池であって、
前記金属部材は、金属製の表面を有する基材と、該基材の前記表面に設けられた保護層とを備え、
前記保護層は、トリアジンチオール誘導体と、金属元素Mのイオンと、を含み、
前記トリアジンチオール誘導体は、前記基材表面に含まれる金属元素Lと化学結合しており、
前記保護層は、複数の前記トリアジンチオール誘導体が前記金属元素Mのイオンによって架橋されたネットワーク構造を形成しており、
前記金属元素L,Mのいずれもが銅であり、
前記金属部材は、表面積11.2cm2の試験片を、温度80℃にて、HFを2質量%の割合で含む濃度1MのLiPF6溶液(体積比3:3:3のEC/EMC/DEC混合溶媒)200mLに浸漬させて該溶液中に3時間保持する耐腐食性評価試験において、試験開始から3時間経過時点において前記LiPF6溶液中に溶出したCuIIイオンの濃度が0.0001質量%以下である、リチウムイオン二次電池。 - 前記保護層の厚みが50nm以上200nm以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記保護層は、前記トリアジンチオール誘導体を9〜13質量%、前記金属元素Mのイオンの塩をMイオン基準で0.001〜0.01質量%の濃度で含む混合溶液に前記基材の少なくとも前記表面を浸漬させて形成されたものである、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
- 請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池を製造する方法であって、
トリアジンチオール誘導体と金属元素Mのイオンの塩とを含む混合溶液に前記基材の少なくとも前記表面を浸漬させて前記保護層を形成することと、
前記金属部材を用いてリチウムイオン二次電池を構築することと、を含み、
前記混合溶液は、前記トリアジンチオール誘導体を9〜13質量%、前記金属元素Mのイオンの塩をMイオン基準で0.001〜0.01質量%の濃度で含む、リチウムイオン二次電池製造方法。
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