JP2002129350A - 耐食性、密着性に優れる金属製品、製造方法及びその化成処理液 - Google Patents

耐食性、密着性に優れる金属製品、製造方法及びその化成処理液

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JP2002129350A
JP2002129350A JP2000330097A JP2000330097A JP2002129350A JP 2002129350 A JP2002129350 A JP 2002129350A JP 2000330097 A JP2000330097 A JP 2000330097A JP 2000330097 A JP2000330097 A JP 2000330097A JP 2002129350 A JP2002129350 A JP 2002129350A
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Takao Yamazaki
隆生 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非有毒で、金属素地と密着性に優れ、かつ表
面に機能性を付与することが可能な化成処理の方法、化
成処理液、これを用いて製造された製品を提供する。 【解決手段】 鉄鋼製品、亜鉛めっき鉄鋼製品、亜鉛合
金めっき鉄鋼製品、アルミまたはアルミ合金の表面に、
赤外線吸収ピークを1452〜1546cm-1、1211〜1361cm-1
747〜860cm-1のそれぞれの領域に1本以上有し、かつ炭
素、窒素、硫黄の元素及び、原子番号が21以上の元素
の中から1種類または2種類以上の元素を有する皮膜が
表面に形成されたことを特徴とする耐食性、密着性に優
れる金属製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼材等の表面を改質
する前処理に関し、さらに詳しくは、耐食性、密着性に
優れる金属製品および耐食性、密着性に優れる金属表面
処理液にかんするものである。
【0002】
【従来技術】トリアジンチオール処理は金属、とりわけ
銅やニッケルと有機樹脂との密着性と耐食性を向上させ
るために用いられている。処理方法は処理液に数十分浸
漬あるいはアノード電解をする工程が一般的である。例
えばポリエチレンと銅の接着にトリアジンチオール誘導
体処理を用い、強い接着力を得ることが開示されている
(中村儀郎、森邦夫、田村浩作、日本接着協会誌、17、
p308(1981))。特開平7-117167号公報ではニッケル
表面にトリアジンチオール含有の電着液中でアノード処
理い樹脂との接着力を高める技術が開示されている。特
開平2-212524号公報ではスチールワイヤーを伸線する工
程でトリアジンチオール含有の伸線用潤滑剤を用い、ワ
イヤー表面にトリアジンチオール処理を行いゴムとの接
着力を向上させる技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかし従来技術は
銅、ニッケルには有効な表面処理法であるが、それ以外
の金属の場合は処理しても期待する十分な効果が得られ
ないことが多い。スチールワイヤーの場合、伸線工程が
鉄の新生表面が常に生成する特殊な環境であり、一般の
鉄の処理は新たな新生表面の生成はないため、その表面
は通常酸化物に覆われ、鉄とトリアジンチオール化合物
の結合の妨げになっている。また処理時間が長く生産性
が悪い。
【0004】
【課題を解決する手段】そこで我々は上記問題点の解決
を試みた。しかし一般に言われている、トリアジンチオ
ール環が硫黄原子を介し金属元素と直接共有結合を生成
することについて明確な知見はないため、鉄などの表面
にトリアジンチオールを化学吸着させる方法は容易に推
測できなかった。そこで本発明者は上記目的を達するた
めに、どのような添加物でトリアジンチオール誘導体の
金属への化学吸着が促進されるかを鋭意研究した結果、
トリアジンチオール溶液に原子番号が21以上の金属イ
オンを添加することにより、化学吸着が確実にかつ迅速
に行われることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(1)鉄鋼製品、亜鉛
めっき鉄鋼製品、亜鉛合金めっき鉄鋼製品、アルミまた
はアルミ合金の表面に、赤外線吸収ピークを1452〜1546
cm-1、1211〜1361cm-1、747〜860cm-1のそれぞれの領域
に1本以上有し、かつ炭素、窒素、硫黄の元素及び、原
子番号が21以上の元素の中から1種類または2種類以
上の元素を有する皮膜が形成されたことを特徴とする耐
食性、密着性に優れる金属製品、(2)鉄鋼製品、亜鉛
めっき鉄鋼製品、亜鉛合金めっき鉄鋼製品、アルミまた
はアルミ合金の表面に有機樹脂を積層した金属製品にお
いて、金属素地と有機樹脂層との間に、赤外線吸収ピー
クを1452〜1546cm-1、1211〜1361cm-1、747〜860cm -1
それぞれの領域に1本以上有し、かつ炭素、窒素、硫黄
の元素及び、原子番号が21以上の元素の中から1種ま
たは2種以上の元素を有する皮膜を有することを特徴と
する耐食性、密着性に優れる金属製品、(3)原子番号
21以上の元素が銅及び/またはニッケルであることを
特徴とする、(1)または(2)記載の耐食性、密着性
に優れる金属製品、(4)1,3,5−トリアジン−
2,4,6−トリチオール及びその誘導体、1,3,5
−トリアジン−2,4,6−トリチオール及びその誘導
体のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、脂肪族1,
2,3級アミン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウ
ム塩の中から1種または2種以上、ならびに原子番号2
1以上の元素を含有する物質を1種または2種以上、を
含有する耐食性、密着性に優れる金属表面処理液、
(5)原子番号21以上の元素が銅及び/またはニッケ
ルであることを特徴とする、(4)記載の耐食性、密着
性に優れる金属表面処理液、(6)原子番号21以上の
元素を含有する物質が、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ハロ
ゲン化物、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、酸
化物、水酸化物であることを特徴とする(4)または
(5)記載の耐食性、密着性に優れる金属表面処理液、
(7)1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオ
ール及びその誘導体、1,3,5−トリアジン−2,
4,6−トリチオール及びその誘導体のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、脂肪族1,2,3級アミン
塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩の中から1
種または2種以上、ならびに原子番号21以上の元素を
含有する物質を1種または2種以上、を含有する液体を
金属表面に接触させることを特徴とする、耐食性、密着
性に優れる金属体の製造方法、(8)原子番号21以上
の元素が銅及び/またはニッケルであることを特徴とす
る、(7)記載の耐食性、密着性に優れる金属体の製造
方法、に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】鉄鋼製品は鉄を用いたものであれ
ば限定するものではない。亜鉛めっき、亜鉛合金めっき
鉄鋼製品は鉄鋼製品に亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきを
行ったものである。亜鉛合金めっきは、5%アルミ亜鉛
合金が例示できる。アルミ合金は55%アルミ亜鉛合金等
が例示できる。
【0007】赤外線吸収スペクトルの測定方法は、金属
表面に形成された皮膜を測定するのであればFTIRによる
高感度反射法を用いることとする。また樹脂層/金属の
界面に形成された皮膜を測定する場合は、樹脂層を金属
界面から剥離させ、金属体に対してはFTIRによる高感度
反射法で、剥離樹脂層に対してはATR法で測定するのが
望ましく、他に透過法、反射法、により測定し、金属表
面及び/又は樹脂層のピークが検出されれば、請求項2に
該当する。ピークは被測定体のピークに限定され、光学
系の汚染によるピーク、空気中の水分のピークは除く。
ピークは指定された3つの領域に同時に検出されること
が必要である。このピークはトリアジンチオール化合物
の赤外線吸収固有ピークであり、1452〜1546cm-1はC=
N結合の特性振動数を、1211〜1361cm-1はC−Nの特性
振動数を、747〜860cm-1はC−S結合の特性振動数を意
味している。場合によって1040〜1140cm-1、600〜670cm
-1にピークが併在することもある。これに加えさらに処
理液添加物等に依るピークが存在することは、特に限定
するものではない。
【0008】さらに皮膜の構成元素はC、N、Sの元素
を有すること、及び原子番号21以上の元素の中から1
種または2種以上の元素を有することが必要である。ま
た、原子番号21以上の元素は元素の周期律表、特に国
際純正および応用化学連合原子量委員会資料にもとづき
日本化学会原子量小委員会が作成したものがよく知られ
るが、これらから容易に特定される。
【0009】これら原子番号21以上の元素、例えば第
一遷移元素などであれば特に限定するものではなく、処
理対象に応じて選定すべきである。これら原子番号21
以上の元素は1種類でもよく、また2種類以上でもよ
い。
【0010】皮膜の構成元素はESCA,XPS,GDS,AES,など
の物理分析測定装置を用いて行うが、金属素地元素の存
在比が飽和に達するまで深さ方向の元素濃度プロファイ
ルを測定し、皮膜形成を確認することが望ましい。存在
比率が当該発明処理による化成皮膜中でピークを持つこ
とがある。
【0011】また、有機樹脂層が複数層積層されている
場合、「金属素地と有機樹脂層との間」とは、金属素地
表面と、金属素地側から数えて1層目の有機樹脂層との
間を指す。このように、有機樹脂層が請求項1記載の金
属製品の上に積層すると、耐食性がより向上し、意匠性
の付与も容易になる。
【0012】当該処理に用いる原子番号21以上の元素
でも、銅とニッケルは安価で安全で溶液安定性と皮膜形
成性に優れている。
【0013】当該発明を特徴づける化成処理皮膜は通常
は0.1μm以上で化成処理効果が見られる。
【0014】有機樹脂層は、少なくとも炭素と水素から
なる物質であれば、その化学構造、厚さ、積層構造、顔
料・添加物等を特に限定するものではなが、当該発明を
特徴付けるトリアジンチオール化合物、その分解生成
物、その重合化合物により形成された化成処理皮膜は含
まれない。
【0015】金属製品とは製品の一部又は全部に金属を
有するものをいう。
【0016】本発明の1,3,5−トリアジン−2,
4,6−トリチオールとは、化学式(1)
【0017】
【化1】
【0018】で示される化合物である。
【0019】本発明における1,3,5−トリアジン−
2,4,6−トリチオール誘導体とは、1,3,5−ト
リアジン−2,4,6−トリチオールのチオール基の1
個または2個を、−OR,−SR,−NHR,−NR
R’(ここでR、R’は有機官能基を示し、例えばアル
キル、アルキン、アルケン、アルケニル、フェニル、フ
ェニルアルキル、アルキルフェニル、シクロアルキル、
あるいはフッ素原子を有する官能基)で置換したもの、
並びにこれらの物質を出発物質として得られる反応生成
物をいう。
【0020】本発明における1,3,5−トリアジン−
2,4,6−トリチオール及びその誘導体の塩とは、こ
れらのアルカリ金属、アルカリ土類金属、脂肪族1,
2,3級アミン、第4級アンモニウム、ホスホニウムな
どの塩、溶媒が水などの極性溶媒の場合、ナトリウム塩
やカリウム塩などが易溶性を呈し扱いやすい。
【0021】これらの1,3,5−トリアジン−2,
4,6−トリチオール誘導体の好ましい具体例として
は、例えば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−ト
リチオール一ナトリウム塩[C3332Na]、6−
ジアルキルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−
ジチオール一ナトリウム塩[C342HNa(Cn
2n+1)(Cm2m+1)、但しm=1〜20、n=0〜2
0]等を挙げることができる。
【0022】原子番号21以上の元素は元素の周期律
表、特に国際純正および応用化学連合原子量委員会資料
にもとづき日本化学会原子量小委員会が作成したものが
よく知られるが、これらから容易に特定される。
【0023】これら原子番号21以上の元素、例えば第
一遷移元素などであれば特に限定するものではなく、処
理対象に応じて選定すべきである。これら原子番号21
以上の元素は1種類でもよく、また2種類以上でもよ
い。
【0024】ハロゲン化物は、金属のフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素の塩、カルボン酸塩は有機官能基をRで表す
とRCOOnmの化学式で表される化合物であり、フタ
ル酸なども含まれる。同様にスルホン酸はR(SO3x
yの化学式で示され、リン酸塩は(Pabcxy
化学式で示される化合物である(aは0以上の整数、b,
c,x,yは自然数)。処理液の溶媒は特に限定するもので
はないが、水、エタノールが例示できる。
【0025】さて、1,3,5−トリアジン−2,4,
6−トリチオール及びその誘導体、1,3,5−トリア
ジン−2,4,6−トリチオール及びその誘導体のアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、脂肪族1,2,3級
アミン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩の中
から1種または2種以上から成る組成物をA、原子番号
21以上の遷移金属元素1種または2種以上を含有する
化合物をB、と記載すると、処理液はこれらA及びBを
含有するものである。また含有させるプロセスは特に規
定するものではなく、当該金属処理液に至る作成方法は
当該金属処理液と同一の組成を有すれば特に限定するも
のではない。すなわち固形物の状態のA及びBをそれぞ
れ溶媒に溶解させても構わないし、AまたはBの溶液に
固形物のBまたはAを溶解させても構わないし、あるい
はA及びBの溶液を混合しても構わない。また原子番号
が21以上の金属あるいはその酸化物に硫酸、硝酸、炭
酸を加えて溶解させB液としても構わないし、Aに酸を
加えたものに原子番号が21以上の金属あるいはその化
合物を溶解させてもよい。
【0026】原子番号21以上の元素を含有する物質と
しては、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、カル
ボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、酸化物、水酸化物
を用いることができる。
【0027】AとBの混合比は用いるトリアジンチオー
ル誘導体と金属塩の種類と処理条件によって最適化を図
ることが望まれるが、一般的にはモル比で表記するとB
/Aはおよそ10〜0.01が望ましい。
【0028】また金属体表面に機能性を付与する方法
も、前述したようにAとB液の混合物に金属体の表面を
接触させることによる。表面機能性としては耐食性、撥
水性、潤滑性等が例示できる。接触直後の金属体の表面
はその液体で濡れているため昇温、空気吹き付け等の乾
燥をするが乾燥方法は限定するものではない。乾燥の前
に水洗することが望ましい。処理液を攪拌しないと沈殿
物が沈殿することがあるので、その場合は攪拌すること
が望ましい。ここで接触というのは、塗布や浸漬、等の
方法がある。
【0029】処理液の処理温度は室温で実用に値する
が、さらに反応速度を高めたり、反応性が乏しい金属を
処理する場合は温度を60〜90℃で処理することが望
ましい。
【0030】処理液の塗布方法は特に限定するものでは
ないが、処理液を噴霧状にするスプレー、シャワー、刷
毛塗り、ローラー、ロールコーター、等およびこれらの
組み合わせが可能である。
【0031】浸漬の場合、数秒〜10分の浸漬時間であ
る。被処理金属によっては処理が困難な場合、浸漬中に
被処理金属体をアノード電解するとことにより処理時間
を短縮することが可能である。いずれにせよ、組成液が
金属表面に一瞬でも接触することが必要である。
【0032】後工程(塗装、ライニング、接着)により
処理後の金属表面上に有機樹脂層を形成することが必要
な場合、処理後水洗、乾燥し、インターバルをおかずに
実施することが望ましい。当該発明の前処理によって有
機樹脂層との密着力を高めることができる。また後工程
をせず処理金属体の表面に表面機能性を付与することも
可能である。
【0033】図1及び図2に、本発明の耐食性、密着性
に優れる金属製品の模式断面図を示す。図1及び図2
中、1は鉄鋼製品あるいは亜鉛めっき製品あるいはアル
ミあるいはアルミ合金を表し、2は赤外線吸収ピークを
1452〜1546cm-1、1211〜1361cm -1、747〜860cm-1のそれ
ぞれの領域に少なくとも1本以上有し、かつ炭素、窒
素、硫黄および原子番号が21以上の元素の中から1種
類または2種類以上の元素を有する皮膜を表し、3は有
機樹脂層を表す。
【0034】
【実施例】常温の水1リットルに対し1,3,5−トリ
アジン−2,4,6−トリチオールの一ナトリウム塩を
1グラム、硫酸銅を0.7グラム溶解し、処理液を調製
した。板厚4mmの圧延普通鋼をショットブラストで処
理した後、処理液に3秒浸漬し、その後水洗、乾燥させ
た。同様に冷延鋼板をエメリー紙#600で研磨し、処
理液に2分浸漬後、水洗、乾燥し、表面に付着した析出
粉末を払拭した。
【0035】有機樹脂層を形成する場合は、4mmの処
理板に乾燥膜厚で100μmのエポキシ樹脂塗装を行っ
た。
【0036】処理後の冷延鋼板を高感度反射法を用いて
赤外スペクトルを測定したところ、トリアジンチオール
化合物に特有のスペクトル3本(1490、1230、
850cm-1近辺)が観察され、トリアジンチオール環
あるいはその反応生成物が形成していることがわかっ
た。GDSでは炭素、窒素、硫黄、銅の存在が認められ
た。エポキシ樹脂塗装を行った圧延普通鋼を塗膜剥離剤
にてエポキシ塗膜を剥離し、金属素地を同様に測定した
ところ、トリアジンチオール化合物に特有のスペクトル
3本(1490、1230、850cm-1近辺)が観察
され、トリアジンチオール環あるいはその反応生成物が
形成していることがわかった。GDSでは炭素、窒素、
硫黄、銅の存在が認められた。
【0037】密着強度測定は板厚4mmの鉄板にエポキ
シ樹脂を塗装し、その直径2cmの表面の引っ張り強度
をプルオフで測定した。処理を行わない板の引っ張り強
度は55×105N/m2であったが、処理板では81×
105N/m2に達した。
【0038】
【発明の効果】当該発明により被処理金属が銅、ニッケ
ル以外の金属にも短時間で処理が可能となり、金属と有
機樹脂との密着性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属製品の模式断面図。
【図2】本発明の金属製品の模式断面図。
【符号の説明】
1:鉄鋼製品あるいは亜鉛めっき製品あるいはアルミあ
るいはアルミ合金 2:赤外線吸収ピークを1452〜1546cm-1、1211〜1361cm
-1、747〜860cm-1のそれぞれの領域に少なくとも1本以
上有し、かつ炭素、窒素、硫黄および原子番号が21以
上の元素の中から1種類または2種類以上の元素を有す
る皮膜 3:有機樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 9/00 B32B 9/00 Z 15/08 15/08 G C23C 22/08 C23C 22/08 22/34 22/34 22/48 22/48 28/00 28/00 A Fターム(参考) 4D075 BB73Y CA13 CA33 DB02 DB05 DB07 4F100 AB03A AB18A AB31A AH03B AH03K AH04B AH04K AH08B AH08K AK53C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C EH46B EH71A JB02 JK06 4K026 AA02 AA07 AA09 AA11 AA13 AA22 BA01 BA03 BA09 BA11 BB06 BB08 CA16 CA18 CA23 CA28 CA32 CA33 CA36 CA37 CA38 4K044 AA02 AB02 BA10 BA21 BB03 BC02 BC04 CA11 CA16 CA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼製品、亜鉛めっき鉄鋼製品、亜鉛合
    金めっき鉄鋼製品、アルミまたはアルミ合金の表面に、
    赤外線吸収ピークを1452〜1546cm-1、1211〜1361cm-1
    747〜860cm-1のそれぞれの領域に1本以上有し、かつ炭
    素、窒素、硫黄の元素及び、原子番号が21以上の元素
    の中から1種類または2種類以上の元素を有する皮膜が
    形成されたことを特徴とする耐食性、密着性に優れる金
    属製品。
  2. 【請求項2】 鉄鋼製品、亜鉛めっき鉄鋼製品、亜鉛合
    金めっき鉄鋼製品、アルミまたはアルミ合金の表面に有
    機樹脂を積層した金属製品において、金属素地と有機樹
    脂層との間に、赤外線吸収ピークを1452〜1546cm-1、12
    11〜1361cm-1、747〜860cm-1のそれぞれの領域に1本以
    上有し、かつ炭素、窒素、硫黄の元素及び、原子番号が
    21以上の元素の中から1種または2種以上の元素を有
    する皮膜を有することを特徴とする耐食性、密着性に優
    れる金属製品。
  3. 【請求項3】 原子番号21以上の元素が銅及び/また
    はニッケルであることを特徴とする請求項1または2記
    載の耐食性、密着性に優れる金属製品。
  4. 【請求項4】 1,3,5−トリアジン−2,4,6−
    トリチオール及びその誘導体、1,3,5−トリアジン
    −2,4,6−トリチオール及びその誘導体のアルカリ
    金属塩、アルカリ土類金属塩、脂肪族1,2,3級アミ
    ン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩の中から
    1種または2種以上、ならびに原子番号21以上の元素
    を含有する物質を1種または2種以上を含有することを
    特徴とする耐食性、密着性に優れる金属表面処理液。
  5. 【請求項5】 原子番号21以上の元素が銅及び/また
    はニッケルであることを特徴とする請求項4記載の耐食
    性、密着性に優れる金属表面処理液。
  6. 【請求項6】 原子番号21以上の元素を含有する物質
    が、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、カルボン
    酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、酸化物、水酸化物であ
    ることを特徴とする請求項4または5記載の耐食性、密
    着性に優れる金属表面処理液。
  7. 【請求項7】 1,3,5−トリアジン−2,4,6−
    トリチオール及びその誘導体、1,3,5−トリアジン
    −2,4,6−トリチオール及びその誘導体のアルカリ
    金属塩、アルカリ土類金属塩、脂肪族1,2,3級アミ
    ン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩の中から
    1種または2種以上、ならびに原子番号21以上の元素
    を含有する物質を1種または2種以上、を含有する液体
    を金属表面に接触させることを特徴とする、耐食性、密
    着性に優れる金属体の製造方法。
  8. 【請求項8】 原子番号21以上の元素が銅及び/また
    はニッケルであることを特徴とする請求項7記載の耐食
    性、密着性に優れる金属体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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