JP5601034B2 - 樹脂成形体及びその製造方法、ならびに、電子部品装置 - Google Patents

樹脂成形体及びその製造方法、ならびに、電子部品装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂成形体及びその製造方法、ならびに、電子部品装置、特に、室温での長期保存性に優れ、硬化性や流動性が良好な樹脂成形体及びその製造方法に関するものである。
IC、LSI、ディスクリート等の素子は、主にエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形により封止されており、低コスト、高信頼性及び生産性に適した方法として従来から用いられている。トランスファー成形では、大部分がエポキシ樹脂組成物をタブレット状に成形した成形体を金型内のポットに投入し、加熱溶融させながらプランジャーで加圧し、金型キャビティ内に移送し、硬化させて成形するのが一般的である。
このエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機質充填材等を含み、各成分を所定量秤量して混合した後、混練機で加熱溶融、混練を行い、冷却後に粉砕しタブレット状に成形して製造された後、低温室に保管される。また、使用する際は低温室から取り出した後、エポキシ樹脂組成物が室温に戻るまで放置するのが一般的である。しかしながら、混練機で加熱溶融、混練、冷却、粉砕したエポキシ樹脂組成物をタブレット状に成形するまでに長時間を要する場合、エポキシ樹脂組成物の品質を損なわないように10℃〜−20℃程度の低温室に保管し、タブレット状に成形する前に10数時間程度の室温戻しの処理をした後に成形する。また、タブレット状に成形した後も同様に、10℃〜−20℃程度の低温室に保管し、トランスファー成形する前に10数時間程度の室温戻しの処理をした後に成形される。さらに、成形時に全量使用されれば問題ないがエポキシ樹脂組成物が残った場合、再度低温室に保管する必要がある。低温保管をしないと、その保管期間にもよるが著しく流動性が低下し、また、低温室から取り出した後室温戻しの処置をせずに使用すれば、温度環境差による結露が発生し吸水状態となり、ボイドや硬化性低下等が発生するなど、取り扱い上の問題がある。これらの点から、低コスト化、大量生産性、省人化等に限界があり、室温付近(20℃〜25℃)で保管できることが望まれていた。
こうした課題に対して、エポキシ樹脂と無機質充填材を混合、加熱溶融、混練、破砕したものと、フェノール樹脂と硬化促進剤及び無機質充填材を混合、加熱溶融、混練、破砕したものと、を再混合した状態でタブレット状に成形しトランスファー成形を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、成形物の成形は可能であるが、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との硬化反応が不充分となり、成形物にひび割れ、フクレ等が発生する場合があった。硬化性を改善するために、スクリューインライン方式の射出成形機を用いる方法も考えられるが、新規設備の導入が必要となり、現実的でない。
特開平11−5888号公報
本発明は、室温での長期保存性に優れ、硬化性や流動性が良好な樹脂成形体(特に封止用樹脂タブレット)及びその製造方法、ならびに、それを用いた電子部品装置を提供することを目的とする。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物から構成される樹脂成形体の製造方法であって、前記硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と、微粉砕された前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記無機質充填材とを、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合して樹脂組成物を得る混合工程と、前記樹脂組成物を、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で加圧して樹脂成形体を成形する成形工程とを有し、前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤と、を含む混合物を、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに前記成形体を得ることを特徴とする。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記樹脂成形体が封止用樹脂タブレットであるものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記粉砕工程が、前記硬化促進剤のメディアン径が20μm以下で、かつ粒径50μm以上の粒子の割合が該硬化促進剤全体の10質量%以下となるように、前記硬化促進剤を微粉砕するものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記粉砕工程が、前記硬化促進剤の微粉砕を、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル及びポットミルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の粉砕機を用いて行うものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記混合工程の前に、前記硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程とは別に、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化する粉末化工程を有するものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記粉末化工程が、前記エポキシ樹脂の粉末化と前記硬化剤の粉末化とを個別に行うものであり、前記エポキシ樹脂のメディアン径が100μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該エポキシ樹脂全体の10質量%以下となるように、前記硬化剤のメディアン径が100μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該硬化剤全体の10質量%以下となるように、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化するものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記粉末化工程が、前記エポキシ樹脂と前記硬化剤の粉末化を同時に行うものであり、前記エポキシ樹脂及び硬化剤の混合物のメディアン径が100μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該混合物全体の10質量%以下となるように、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化するものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記粉末化工程が、前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物を予め溶融混合した後に前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物の粉末化を行うものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記粉末化工程が、前記微粉砕された硬化促進剤を添加して、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、又は前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物の粉末化を行うものであり、前記硬化促進剤と前記エポキシ樹脂との混合物、前記硬化促進剤と硬化剤との混合物又は前記硬化促進剤と前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物のメディアン径が100μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合がそれぞれの混合物全体の10質量%以下となるように、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、又は前記
エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物を粉末化するものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記樹脂組成物が離型剤をさらに含むものであり、前記粉末化工程が、前記離型剤及び/又は前記無機質充填材の一部を添加して前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤の粉末化を行うものであり、前記混合工程が、前記粉末化工程によって得られる粉末化物に前記離型剤及び/又は無機質充填材の残部と前記硬化促進剤とを添加して分散混合を行うものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記混合工程が、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化するとともに、前記硬化促進剤及び前記無機質充填材と分散混合するものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記混合工程が、前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記無機質充填材との分散混合を、回転式混合機及び分散運動式混合機からなる群より選ばれる少なくとも1種類の混合機を用いて行うものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記混合工程により得られる前記樹脂組成物が、前記樹脂組成物のメディアン径が100μm以下であり、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該樹脂組成物全体の10質量%以下であることを確認する検査工程を含むものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記混合工程により得られる前記樹脂組成物が、任意の10箇所からサンプリングした試料の灰分量のバラツキR(最大値−最小値)が2質量%以内であることを確認する検査工程を含むものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記硬化促進剤が、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物及びホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物であるものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記エポキシ樹脂の融点又は軟化点が40℃以上、150℃以下であるものとすることができる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記硬化剤の融点又は軟化点が40℃以上、150℃以下であるものとすることができる。
本発明の樹脂成形体は、上述の樹脂成形体の製造方法により得られる樹脂成形体であって、30℃、相対湿度50%RHで30日間保管後のスパイラルフローの流動性残存率が90%以上であることを特徴とする。
本発明の電子部品装置は、上述の樹脂成形体を用いて素子が封止されてなることを特徴とする。
本発明に従うと、室温での長期保存性に優れるため、保管や輸送時の利便性に優れ、かつ成形性(特に流動性)、硬化性は現行品と同等である樹脂成形体(特に封止用樹脂タブレット)を、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに製造することが可能なため、生産工程の簡略化、ならびに、保管、輸送コストの低減化を図ることができ、産業上有用である。
既存の方法と本発明による樹脂成形体の製造方法の一例を示す工程図である。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物から構成される樹脂成形体の製造方法であって、硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と、微粉砕された硬化促進剤と、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填材とを、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合して樹脂組成物を得る混合工程と、樹脂組成物を、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で加圧して樹脂成形体を成形する成形工程とを有し、硬化促進剤と、エポキシ樹脂及び硬化剤と、を含む混合物を、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに成形体を得ることを特徴とする。これにより、室温での長期保存性に優れ、硬化性や流動性が良好な樹脂成形体を得ることができる。また、本発明の電子部品装置は、上記の樹脂成形体を用いて素子が封止されてなることを特徴とする。以下に本発明について詳細に説明する。
図1は、樹脂成形体の製造方法について、既存の製造方法と本発明による製造方法の一例を示す工程図である。本発明で用いられる樹脂成形体は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物から構成される樹脂成形体であって、図1に示すように、硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と、微粉砕された硬化促進剤と、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填材とを、加熱溶融、混練することなく、かつエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合して樹脂組成物を得る混合工程と、樹脂組成物を加熱することなく、かつエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で加圧して成形体を成形する成形工程とにより作製されるものであり、硬化促進剤とエポキシ樹脂及び硬化剤とを含む混合物をエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点に加熱する工程を経ずに成形体を得るため、硬化促進剤の種類にかかわらず、室温での長期保存性に優れ、かつ成形性(特に流動性)、硬化性は既存の製造方法によって得られる封止成形体と同等のものを得ることができる。これにより、成形体を成形するまでに長時間を要する場合や成形体を成形した後の保管を10℃〜−20℃程度の低温で保管する必要がなく、かつ、成形体を成形する前及びトランスファーモールド、コンプレッションモールド等の成形方法により成形する前における10数時間程度の室温戻しの処理も不要とすることができる。また、硬化促進剤を予め単独で微粉砕して用いることにより、加熱溶融、混練したり、加熱して樹脂成形体を成形したりせずに、充分な流動性を確保することができる。
先ず、樹脂成形体を構成する樹脂組成物の各成分について、詳細に説明を行う。本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。保存性及び作業性の観点から、エポキシ樹脂の融点又は軟化点は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、流動性の観点から、エポキシ樹脂の融点又は軟化点は150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に対するエポキシ樹脂の含有量の下限値は、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。一方、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、特に限定されない
が、樹脂組成物全体に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に用いられる硬化剤は、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェニレン又はジフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。保存性及び作業性の観点から、硬化剤の融点又は軟化点は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、流動性の観点から、硬化剤の融点又は軟化点は150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に対する硬化剤の含有量の下限値は、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上である。一方、硬化剤の含有量の上限値は、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
なお、硬化剤としてのフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とは、全エポキシ樹脂のエポキシ基数(EP)と、全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP)/(OH)が、0.8以上、1.3以下となるように配合することが好ましい。当量比が上記範囲内であると、得られる封止用樹脂を成形する際、十分な硬化特性を得ることができる。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に用いられる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基と反応を促進するものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7の塩酸塩等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等のテトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。これらのうち、流動性、保存性及び硬化性のバランスの観点から、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物がより好ましい。流動性という点を重視する場合にはテトラ置換ホスホニウム化合物が特に好ましく、また封止用樹脂組成物の硬化物熱時低弾性率という点を重視する場合にはホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が特に好ましく、また潜伏的硬化性という点を重視する場合にはホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物が特に好ましい。
テトラ置換ホスホニウム化合物としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005601034
(ただし、上記一般式(1)において、Pはリン原子を表す。R1、R2、R3及びR4は芳香族基又はアルキル基を表す。Aはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸のアニオンを表す。AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表す。x、yは1〜3の整数、zは0〜3の整数であり、かつx=yである。)
一般式(1)で表される化合物において、リン原子に結合するR1、R2、R3及びR4がフェニル基であり、かつAHはヒドロキシル基を芳香環に有する化合物、すなわちフェノール類であり、かつAは該フェノール類のアニオンであるのが好ましい。
ホスホベタイン化合物としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005601034
(ただし、上記一般式(2)において、X1は炭素数1〜3のアルキル基、Y1はヒドロキシル基を表す。iは0〜5の整数であり、jは0〜4の整数である。)
ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物としては、例えば下記一般式(3)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005601034
(ただし、上記一般式(3)において、Pはリン原子を表す。R5、R6及びR7は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R8、R9及びR10は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基
を表し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R8とR9とが結合して環状構造となっていてもよい。)
ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるホスフィン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリス(ベンジル)ホスフィンなどの芳香環に無置換又はアルキル基、アルコキシル基などの置換基が存在するものが好ましく、アルキル基、アルコキシル基などの置換基としては1〜6の炭素数を有するものが挙げられる。入手しやすさの観点からはトリフェニルホスフィンが好ましい。またホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるキノン化合物としては、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、アントラキノン類が挙げられ、中でもp−ベンゾキノンが保存安定性の点から好ましい。一般式(3)で表される化合物において、リン原子に結合するR5、R6及びR7がフェニル基であり、かつR8、R9及びR10が水素原子である化合物、すなわち1,4−ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物が封止用樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率を低く維持できる点で好ましい。
ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物としては、例えば下記一般式(4)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005601034
(ただし、上記一般式(4)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ、芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X2は、基Y2及びY3と結合する有機基である。式中X3は、基Y4及びY5と結合する有機基である。Y2及びY3は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y2及びY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y4及びY5はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y4及びY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X2、及びX3は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y2、Y3、Y4、及びY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である。)
一般式(4)において、R11、R12、R13及びR14としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基及びシクロヘキシル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基などの置換基を有する芳香族基もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。
また、一般式(4)において、X2は、Y2及びY3と結合する有機基である。同様に、X3は、基Y4及びY5と結合する有機基である。Y2及びY3はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の基Y2及びY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。同様にY4及びY5はプロトン供与性基がプロトンを
放出してなる基であり、同一分子内の基Y4及びY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。基X2及びX3は互いに同一であっても異なっていてもよく、基Y2、Y3、Y4、及びY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。このような一般式(4)中の−Y2−X2−Y3−、及び−Y4−X3−Y5−で表される基は、プロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものであり、プロトン供与体としては、例えば、カテコール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、クロラニル酸、タンニン酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−プロパンジオール及びグリセリンなどが挙げられるが、これらの中でも、カテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンがより好ましい。
また、一般式(4)中のZ1は、芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、これらの具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基などの脂肪族炭化水素基や、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基及びビフェニル基などの芳香族炭化水素基、グリシジルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基及びビニル基などの反応性置換基などが挙げられるが、これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ナフチル基及びビフェニル基が一般式(4)の熱安定性を向上させることができるという点で、より好ましい。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に対する硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物全体に対して、0.1質量%以上、1質量%以下であることが好ましい。硬化促進剤の含有量が上記範囲内であると、充分な流動性、保存性及び硬化性を得ることができる。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に用いられる無機質充填材としては、特に限定されないが、当該分野で一般的に用いられる無機質充填材を使用することができる。例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。無機質充填材は単独でも混合して使用してもよい。これらの中でも溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末が好ましく、特に溶融球状シリカが好ましい。これにより耐熱性、耐湿性、強度等を向上させることができる。無機質充填材の形状は、特に限定されないが、真球状であることが好ましく、かつ粒度分布がブロードであることが好ましい。これにより流動性を特に向上させることができる。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に対する無機質充填材の含有量の下限値は、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは83質量%以上であり、さらに好ましくは85質量%以上である。含有量の下限値が上記範囲内であると、得られる封止用樹脂組成物の硬化物の吸湿量を抑えることや、強度の低下を低減でき、したがって良好な耐半田クラック性を有する硬化物を得ることができる。また、本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物に対する無機質充填材の含有量の上限値は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは93質量%以下であり、より好ましくは91質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以下である。含有量の上限値が上記範囲内であると、得られる樹脂組成物は良好な流動性を有するとともに、良好な成形性を備える。なお、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物や、硼
酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛などの無機系難燃剤を用いる場合には、これらの無機系難燃剤と上記無機質充填材の合計量を上記範囲内とすることが望ましい。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機質充填材を含むものであるが、必要によって通常の封止材料に用いられている臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、燐酸エステル、ホスファゼン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の難燃剤;ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン等の着色剤;カルナバワックスなどの天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類若しくはパラフィン等の離型剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;シランカップリング剤等を適宜含んでいてもよい。
次に、本発明の樹脂成形体の製造方法について、封止用樹脂タブレットの製造方法を例に、以下に詳細に説明する。
(粉砕工程)
粉砕工程は、硬化促進剤を微粉砕する工程であるが、均一分散の観点から、硬化促進剤を、そのメディアン径が20μm以下で、かつ粒径50μm以上の粒子の割合が10質量%以下となるように微粉砕することが好ましく、さらにメディアン径が10μm以下で、かつ粒径50μm以上の粒子の割合が5質量%以下となるように微粉砕することがより好ましい。硬化促進剤のメディアン径が上記上限値以下であり、かつ硬化促進剤の上記特定粒径以上の粒子の割合が上記上限値以下となるように微粉砕すれば、硬化促進剤の分散が不十分となり、部分的な反応速度の違いによるボイドや割れが発生したり、反応速度が十分得られないことによる硬化不良が発生したり、部分的な反応の進行により流動性が低下したりする恐れが少ない。なお、硬化促進剤の粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)を用いて測定することができる。
粉砕工程は、圧縮、衝撃、剪断、摩擦及び冷凍からなる群から選ばれる少なくとも1種類の外力により粉砕を行うことができる。より具体的には、例えば、ジェットミル等の気流式粉砕機;振動ボールミル、連続式回転ボールミル、バッチ式ボールミル等のボールミル;ACM粉砕機等のハンマーミル;湿式ポットミル、遊星ポットミル等のポットミル;ローラーミル等の粉砕機を用いることができる。これらの中でも、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル及びポットミルが好ましく、特にジェットミルが好ましい。これにより、硬化促進剤を効率良く微粉砕することができる。
硬化促進剤を微粉砕するのに、ジェットミルを用いる場合は、その粉砕条件は特に限定されるものではないが、空気圧0.5〜1.0MPaが好ましく、特に0.6〜0.8MPaが好ましい。これにより、効率良く目的の粒径に粉砕することができる。硬化促進剤の供給速度は、特に限定されるものではなく、またジェットミルの大きさによっても異なってくるものではあるが、1〜100kg/hが好ましく、特に3〜50kg/hが好ましい。これにより、効率良く目的の粒径に粉砕することができる。
また、粉砕工程は、作業性の観点から、硬化促進剤に離型剤及び/又は無機質充填材の一部(微量)を添加して硬化促進剤の微粉砕を行うことができる。これにより、硬化促進剤の融点が比較的低い場合であっても、粉砕機の壁面等への硬化促進剤の付着を防止することができる。
(粉末化工程)
本発明の封止用樹脂タブレットの製造方法では、均一分散の観点から必要に応じて、後
述する混合工程の前に、硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程とは別に、エポキシ樹脂及び硬化剤を予め粉末化する粉末化工程を行うことができる。エポキシ樹脂及び硬化剤を予め粉末化する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂の粉末化と硬化剤の粉末化とを個別に行う方法、エポキシ樹脂と硬化剤の粉末化を同時に行う方法、あるいは、粉砕工程で微粉砕された硬化促進剤を添加して、エポキシ樹脂、硬化剤又はエポキシ樹脂と硬化剤との混合物の粉末化を行う方法等が挙げられる。これらにより、各成分の均一分散性を向上させることができる。
粉末化工程は、均一分散の観点から、エポキシ樹脂、硬化剤又はエポキシ樹脂と硬化剤との混合物、あるいは、硬化促進剤とエポキシ樹脂との混合物、硬化促進剤と硬化剤との混合物又は硬化促進剤とエポキシ樹脂と硬化剤との混合物を、そのメディアン径が100μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が10質量%以下となるように粉末化することが好ましく、メディアン径が70μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が5質量%以下となるように粉末化することがより好ましく、さらにメディアン径が50μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が1質量%以下となるように粉末化することが特に好ましい。粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤又は各混合物のメディアン径が上記上限値以下であり、かつ粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤又は各混合物の上記特定粒径以上の粒子の割合が上記上限値以下となるように粉末化すれば、混合が不十分となり、反応時に部分的な反応速度の違いによるボイドや割れが発生したり、反応速度が十分得られないことによる硬化不良が発生したりする恐れが少ない。なお、粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤及び各混合物の粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)を用いて測定することができる。
粉末化工程は、硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と同様に、圧縮、衝撃、剪断、摩擦及び冷凍からなる群から選ばれる少なくとも1種類の外力により粉砕を行うことができる。より具体的には、例えば、ジェットミル、振動ボールミル、連続式回転ボールミル、バッチ式ボールミル等のボールミル、ACM粉砕機等のハンマーミル、湿式ポットミル、遊星ポットミル等のポットミル、ローラーミル等の粉砕機を用いることができる。これらの中でも、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル及びポットミルが好ましく、特にジェットミルが好ましい。これにより、エポキシ樹脂及び硬化剤を効率良く粉末化することができる。
エポキシ樹脂、硬化剤又は各混合物を粉末化するのに、ジェットミルを用いる場合は、その粉末化条件は特に限定されるものではないが、空気圧0.5〜1.0MPaが好ましく、特に0.6〜0.8MPaが好ましい。これにより、効率良く目的の粒径に粉砕することができる。エポキシ樹脂及び硬化剤の供給速度は、特に限定されるものではなく、またジェットミルの大きさによっても異なってくるものではあるが、1〜100kg/hが好ましく、特に3〜50kg/hが好ましい。これにより、効率良く目的の粒径に粉砕することができる。
また、粉末化工程は、成形性向上の観点から、エポキシ樹脂と硬化剤との混合物を予め溶融混合した後に粉砕することができる。これにより樹脂成分の均一分散性が向上し、成形性が特によい。また、エポキシ樹脂と硬化剤との混合物の溶融混合の際、硬化促進剤を添加しないことにより、室温での長期保存性を維持できる。
また、エポキシ樹脂及び硬化剤を粉末化する工程は、作業性の観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤に離型剤及び/又は無機質充填材の一部を入れることができる。これにより、エポキシ樹脂や硬化剤の融点又は軟化点が比較的低い場合であっても、粉砕機の壁面等へのエポキシ樹脂や硬化剤の付着を防止することができる。
(混合工程)
混合工程は、微粉砕された硬化促進剤と、必要に応じて粉末化されたエポキシ樹脂及び硬化剤と、無機質充填材とを、加熱溶融、混練することなく、分散混合して樹脂組成物を得る工程である。これにより、硬化促進剤と、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填材が均一に分散された混合粉体を得ることができる。この際、上記成分以外に必要に応じて適宜添加することができる、難燃剤、イオン捕捉剤、着色剤、離型剤、低応力剤及びシランカップリング剤等のその他の成分を同時に分散混合することができる。
混合工程で、硬化促進剤、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填材及びその他の成分を分散混合する方法としては、羽根回転式ミキサ、ボールミル、リボンブレンダー等の回転式混合機及びV型混合機、ロッキングミル等の分散運動式混合機からなる群より選ばれる少なくとも1種類の混合機を用いることができる。これにより、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を均一に分散混合することができる。
また、混合工程は、上述したエポキシ樹脂及び硬化剤を予め粉末化する粉末化工程を行わない場合、均一分散の観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤を粉末化するとともに、硬化促進剤及び無機質充填材と分散混合することもできる。これにより各成分の均一分散性を向上させることができる。また、この場合、粉末化工程と混合工程とを一工程とすることができ、工程の効率を向上させることができる。
エポキシ樹脂及び硬化剤を粉末化するとともに、硬化促進剤及び無機質充填材と均一に分散混合するには、エポキシ樹脂及び硬化剤を粉末化することができ、かつ分散混合機能も有する粉砕機、より具体的には、例えば、ジェットミル、振動ボールミル、連続式回転ボールミル、バッチ式ボールミル等のボールミル、ACM粉砕機等のハンマーミル、湿式ポットミル、遊星ポットミル等のポットミル、ローラーミル等の粉砕機を用いることができる。これらの中でも、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル及びポットミルが好ましく、特にジェットミルが好ましい。これにより、エポキシ樹脂及び硬化剤を効率良く粉末化するとともに、硬化促進剤及び無機質充填材と均一に分散混合することができる。
一般に、粉体の混合においては、粒子同士のぶつかり合い等により発熱し、被混合物の温度が上昇することとなるが、本発明においては、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合を行う。ここで、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度とは、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤のいずれの融点又は軟化点よりも、混合機内における被混合物の温度を低い状態に保って分散混合を行うことを意味する。エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合を行うためには、粒子同士のぶつかり合い等による発熱が起こり難い混合機を用いたり、被混合物の温度を検知しながら温度調節を行ったりすることが望ましい。これにより、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の種類にかかわらず、室温での長期保存性に優れ、かつ成形性(特に流動性)、硬化性に優れた封止用樹脂タブレットを得ることができる。粒子同士のぶつかり合い等による発熱が起こり難い混合機としては、例えば、V型混合機等が挙げられる。また、温度調節を行う方法としては特に限定するものではないが、例えば、被混合物に冷風等の冷却媒体を供給する等の直接的な冷却方法、あるいは、混合機の容器を冷却液、冷風等の冷却媒体で冷却する等の間接的な冷却方法が挙げられる。温度調節を容易に行うことができる混合機としては、例えば、羽根回転式ミキサ等が挙げられる。例えば、混合機として羽根回転式ミキサを用い、温度調節せずにエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物を10分間混合した場合における被混合物の温度は30℃程度まで上昇するところ、15℃の冷水により容器を冷却した場合には、被混合物の温度を25℃程度に止めることができる。
本発明では、混合工程の後、混合工程により得られる樹脂組成物が、そのメディアン径
、及び粒径200μm以上の粒子の割合が所定範囲内であることを確認する検査工程を行うことができる。メディアン径としては、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、さらに50μm以下であることが特に好ましい。また、粒径200μm以上の粒子の割合としては、樹脂組成物全体の10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、さらに1質量%以下であることが特に好ましい。これにより、良好な成形性を確保することができる。なお、樹脂組成物の粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)を用いて測定することができる。
また、本発明では、混合工程の後、混合工程により得られる樹脂組成物が、任意の10箇所からサンプリングした試料の灰分量のバラツキR(最大値ー最小値)が所定範囲内であることを確認する検査工程を行うことができる。灰分量のバラツキRとしては、2質量%以内であることが好ましく、1質量%以内であることがより好ましい。灰分量のバラツキRを検査し、その値が上記範囲内にあるものを用いることにより、良好な成形性を確保することができる。また、検査に合格した樹脂組成物をタブレット状に成形した樹脂タブレットを用いて素子を封止することで、品質の安定した電子部品装置を得ることができる。
(成形工程)
成形工程は、混合工程によって得られた樹脂組成物を加圧してタブレット状に成形する工程である。これによって保管、輸送、成形作業を容易にすることができる。
混合工程によって得られた樹脂組成物を加圧してタブレット状に成形する方法としては、例えば、顧客の要求に合わせたタブレットのサイズ(径、高さ、重量)の金型に投入し、圧縮成形機を使用して圧縮率80〜95%で圧縮成形する方法等が挙げられる。タブレットのサイズ等は、特に限定されないが、具体的には外径Dが20mm以下で、外径Dと長さLとの比L/Dが1以上である場合;外径Dが20mm以上で、外径Dと長さLとの比L/Dが1以下である場合等の形状が挙げられる。
一般に、粉体を加圧してタブレット状に成形する場合においては、得られるタブレットの形状保持性や作業性の観点から加熱を行う場合があった。また、金属等の不純物の混入が少ない半導体封止用樹脂タブレットを提供することを目的として、実質的に混合粉体を溶融混練する工程を経ずにタブレット状に成形することが開示された特開2006−187873においては、所定の流動性を得るために、80〜130℃程度まで加熱を行ってタブレット状に成形することが必要であった。しかしながら、本発明においてタブレット状に成形する際は、室温での長期保存性を低下させないため、加熱は行わない。本発明においては、硬化促進剤を単独で微粉砕する粉砕工程を有しているため、加熱を行わずにタブレット状に成形しても、流動性が不足することがない。
また、積極的に加熱を行わない場合であっても、連続でタブレット状に成形を行うと、摺動等により発熱し、タブレットの温度が上昇することとなるが、本発明においては、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度でタブレット状への成形を行う。ここで、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度とは、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤のいずれの融点又は軟化点よりも、タブレットの温度を低い状態に保ってタブレット状への成形を行うことを意味する。エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合を行うためには、タブレットの温度を検知しながらタブレット成形用金型の温度調節を行うことが望ましい。これにより、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の種類にかかわらず、室温での長期保存性に優れ、かつ成形性(特に流動性)、硬化性に優れた封止用樹脂タブレットを得ることができる。温度調節を行う方法としては特に限定するものではないが、例えば、タブレッ
ト成形用金型を冷却液、冷風等の冷却媒体で冷却する等の間接的な冷却方法が挙げられる。例えば、温度調節せずにエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物を1時間連続でタブレット状に成形した場合におけるタブレットの温度は40℃程度まで上昇するところ、15℃の冷水によりタブレット成形用金型を冷却した場合には、タブレットの温度を25℃程度に止めることができる。
上述のとおり、本発明の封止用樹脂タブレットの製造方法は、硬化促進剤と、エポキシ樹脂及び硬化剤と、を含む混合物を、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに樹脂タブレットを得るものであるため、室温でも反応を抑制することができ、反応を防止するための低温保管を必要とせず、使用前に低温から室温に戻す準備が不要となり、使用して余っても特性変化しにくいため次回そのまま使用することが可能である。
本発明の封止用樹脂タブレットは、30℃、相対湿度50%RHで30日間保管後のスパイラルフローの流動性残存率が90%以上であることが好ましい。このような封止用樹脂タブレットは、上述した封止用樹脂タブレットの製造方法よって得ることができる。
なお、本発明の樹脂成形体の製造方法について、封止用樹脂タブレットの製造方法を具体的に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、封止用ではない一般のエポキシ樹脂組成物等にも適用可能である。また、樹脂成形体の形状についても、タブレット状のもの以外に、例えば、シート状、短冊状、ペレット状のもの等にも適用可能である。
次に、本発明の電子部品装置の製造方法について、樹脂成形体として封止用樹脂タブレットを用いる場合を例に、詳細に説明する。本発明の封止用樹脂タブレットを用いて電子部品装置を製造する方法としては、例えば、素子を搭載したリードフレーム又は回路基板などを金型キャビティ内に設置した後、封止用樹脂タブレットをトランスファーモールド、コンプレッションモールドなどの成形方法で成形、硬化させることにより、この素子を封止する方法が挙げられる。
封止される素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子などが挙げられるが、これらに限定されない。
得られる電子部品装置の形態としては、例えば、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)、プラスチック・リード付きチップ・キャリヤ(PLCC)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、ロー・プロファイル・クワッド・フラット・パッケージ(LQFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(TSOP)、薄型クワッド・フラット・パッケージ(TQFP)、テープ・キャリア・パッケージ(TCP)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)などが挙げられるが、これらに限定されない。
封止用樹脂組成物のトランスファーモールドなどの成形方法により素子が封止された電子部品装置は、そのまま、あるいは80℃から200℃程度の温度で、10分から10時間程度の時間をかけてこの樹脂組成物を完全硬化させた後、電子機器などに搭載される。
なお、本発明の電子部品装置の製造方法について、封止用樹脂タブレットを用いた製造方法を具体的に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、タブレット状のもの以外に、例えば、シート状、短冊状、ペレット状のもの等、他の形状の封止用樹脂成形体を用いることも可能である。また、微粉砕された硬化促進剤とエポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填材とを分散混合した封止用樹脂組成物を、成形体に成形せずにそのまま用いること
もできる。
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。配合量の部は質量部を表す。
実施例及び比較例で用いた原材料を以下に示す。なお、微粉砕前後、粉末化前後を含めて、硬化促進剤、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填材、混合物及び樹脂組成物の粒度分布は、レーザー式粒度分布計((株)島津製作所製、SALD−7000)を用いて、屈折率:D=1.70−1.00iの条件にて測定を行った。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000を、サンプルミルKIIW−1(不二パウダル(株)製)を用いて、粗粉砕したもの。エポキシ当量280g/eq、軟化点55℃。メディアン径200μm、粒径200μm以上の粒子の割合48質量%。)
エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、YX−4000K。エポキシ当量185g/eq、融点105℃。メディアン径180μm、粒径200μm以上の粒子の割合43質量%。)
(硬化剤)
硬化剤1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851を、サンプルミルKIIW−1(不二パウダル(株)製)を用いて、粗粉砕したもの。水酸基当量205g/eq、軟化点65℃。メディアン径160μm、粒径200μm以上の粒子の割合33質量%。)
硬化剤2:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、PR−HF−3を、サンプルミルKIIW−1(不二パウダル(株)製)を用いて、粗粉砕したもの。水酸基当量105g/eq、軟化点92℃。メディアン径150μm、粒径200μm以上の粒子の割合26質量%。)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:下記式(5)で表される1,4−ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物(融点305℃。メディアン径100μm、粒径50μm以上の粒子の割合80質量%。)
Figure 0005601034
硬化促進剤2:トリフェニルホスフィン(融点80℃。メディアン径70μm、粒径50μm以上の粒子の割合70質量%。)
(無機質充填材)
無機質充填材1:溶融球状シリカ(電気化学工業(株)製、FB560、メディアン径30μm粒径200μm以上の粒子の割合0質量%。)
(その他の添加剤)
シランカップリング剤1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)
着色剤1:カーボンブラック(三菱化学(株)製、♯5)
離型剤1:モンタン酸ワックス(クラリアントジャパン(株)製、WE 4)
(樹脂タブレットの製造)
実施例1
空気圧0.6MPa、原料供給速度3kg/hの条件でジェットミル(日本ニューマチック(株)製、PJM200SP)を用いて硬化促進剤1を微粉砕した後、微粉砕された硬化促進剤1と、空気圧0.6MPa、原料供給速度3kg/hの条件でジェットミル(日本ニューマチック(株)製、PJM200SP)を用いて個別に粉末化したエポキシ樹脂1及び硬化剤1と、無機質充填材1と、シランカップリング剤1、着色剤1、離型剤1とを、表1に記載の配合量割合で、羽根回転数1000rpm、10分間の条件で羽根回転式ミキサ(日本コークス工業(株)製、FM20)を用いて分散混合して樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、得られた樹脂組成物について、任意の10箇所からサンプリングした試料各3gについて、700℃、3時間の条件で加熱処理した際の灰分量のバラツキR(最大値ー最小値)を併せて表1に示した。その後、加圧力2MPaの条件でタブレットマシン(三菱マテリアルテクノ(株)製S−20A)を用いて、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
実施例2
硬化促進剤1の微粉砕を、回転数60rpm、粉砕時間60分の条件でポットミル((株)森田鉄工製、ポットミルII型)を用いて行った点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表1に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
実施例3
硬化促進剤1の微粉砕を、空気圧1.0MPa、原料供給速度1kg/hの条件でジェットミル(日本ニューマチック(株)製、PJM200SP)を用いて行った点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表1に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.6mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
参考例4
エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を、回転数60rpm、粉砕時間60分の条件でポットミル((株)森田鉄工製、ポットミルII型)を用いて行った点以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表1に示した。その後、実施例2と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率87%、直径18mm、高さ31.5mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
実施例5
エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を、空気圧0.6MPa、原料供給速度3kg/hの条件でジェットミル(日本ニューマチック(株)製、PJM200SP)を用いて同時に行った点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂及び硬化剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表1に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.6mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
実施例6
エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を、微粉砕された硬化促進剤1を添加して行った点以外は、実施例5と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び硬化促進剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表1に示した。その後、実施例5と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
実施例7
エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化前に、140℃、30分の条件でセパラブルフラスコ(柴田科学(株)製、丸形5L)を用いてエポキシ樹脂1と硬化剤1とを予め加熱溶融混合した点以外は、実施例5と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂及び硬化剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表1に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表1に示した。その後、実施例5と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.6mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表1に示した。
実施例8
エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を、離型剤1の全量を添加して行った点以外は、実施例5と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び離型剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表2に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表2に示した。その後、実施例5と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表2に示した。
実施例9
エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を、無機質充填材1の一部(15.6質量部(無機質充填材の20質量%))を添加して行い、分散混合時に無機質充填材1の残部を添加した点以外は、実施例5と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び無機質充填材1の一部を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表2に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表2に示した。その後、実施例5と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表2に示した。
実施例10
分散混合を、回転数25rpm、混合時間10分の条件でV型混合機((株)徳寿工作所製、V−30)を用いて行った点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表2に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表2に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.6mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表2に示した。
実施例11
硬化促進剤として、硬化促進剤2を用いた点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表2に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表2に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表2に示した。
実施例12
エポキシ樹脂として、結晶性エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂2を用い、硬化性調整のために硬化促進剤1を増量した点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表2に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表2に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.6mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表2に示した。
実施例13
硬化剤として、硬化剤2を用いた点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕後の硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表2に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表2に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表2に示した。
比較例1
硬化促進剤1の微粉砕を行わなかった点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕なしの硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂1及び硬化剤1;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表3に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表3に示した。その後、実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.6mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表3に示した。
比較例2
硬化促進剤1の微粉砕を行わなかった点以外は、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕なしの硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び硬化促進剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表3に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表3に示した。その後、実施例6と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.7gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表3に示した。
比較例3
エポキシ樹脂1を予め粉末化した点以外は、比較例2と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕なしの硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び硬化促進剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表3に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表3に示した。その後、比較例2と同様にして、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率86%、直径18mm、高さ31.7mm、重量13.6gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表3に示した。
比較例4
硬化促進剤1の微粉砕化、エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を行わずに、表3に記載の各成分をヘンシェルミキサにて室温で混合し、80℃〜100℃の加熱ロールで溶融混練を行い、その後冷却し、次いで粉砕して、樹脂組成物を得た。その後、加圧力2MPaの条件でタブレットマシン(三菱マテリアルテクノ(株)製S−20A)を用いて、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率91%、直径18mm、高さ31.6mm、重量14.5gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表3に示した。
比較例5
樹脂組成物を得るまでの工程については、比較例2と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕なしの硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び硬化促進剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表3に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表3に示した。その後、温度60℃、加圧力2MPaの条件でタブレットマシン(三菱マテリアルテクノ(株)製S−20A)を用いて、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率94%、直径18mm、高さ31.6mm、重量14.9gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表3に示した。
比較例6
硬化促進剤1の微粉砕を、空気圧0.6MPa、原料供給速度3kg/hの条件でジェットミル(日本ニューマチック(株)製、PJM200SP)を用いて行った点以外は、比較例5と同様にして樹脂組成物を得た。微粉砕した硬化促進剤1;粉末化後のエポキシ樹脂;粉末化後のエポキシ樹脂、硬化剤1及び硬化促進剤1を含む混合物;分散混合後の樹脂組成物の粒度(メディアン径及び所定粒径以上の粒子の割合);ならびに分散混合時における最高混合物温度を表3に示した。また、分散混合後の樹脂組成物の灰分量のバラツキRも併せて表3に示した。その後、温度60℃、加圧力2MPaの条件でタブレットマシン(三菱マテリアルテクノ(株)製S−20A)を用いて、得られた樹脂組成物をタブレット状に成形し、圧縮率94%、直径18mm、高さ31.7mm、重量14.9gの樹脂タブレットを得た。タブレット成形時における最高タブレット温度を表3に示した。
得られた樹脂タブレットを、以下の方法で評価した。結果を表4〜6に示す。
評価方法
流動性:低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS−15)を用いて、ANSI/ASTM D 3123−72に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件にて、上記で得られた樹脂タブレットを注入して、流動長を測定し、スパイラルフローとした。単位はcm。判定基準は、スパイラルフロー値が125cm以上のものを◎、120cm以上、125cm未満のものを○、120cm未満のものを×とした。
30℃長期保存性:得られた樹脂タブレットを30℃、相対湿度50%RHで30日間保管した後においても、上記の流動性の評価と同様にしてスパイラルフローを測定し、30℃、相対湿度50%RHで30日間保管する前のスパイラルフローの値(初期値)に対する、30℃、相対湿度50%RHで30日間保管した後のスパイラルフローの値を百分率で表し、流動性残存率とした。単位は%。判定基準は、流動性残存率が93%以上のものを◎、90%以上、93%未満のものを○、90%未満のものを×とした。
硬化性:175℃に制御された熱板上に、樹脂タブレットを載せ、スパチュラで約1回/sec.のストロークで練る。樹脂タブレットが熱により溶解してから硬化するまでの時間を測定し、ゲルタイムとした。単位は秒。判定基準は、ゲルタイムが45秒以下のものを◎、45秒を超え、50秒以下のものを○、50秒を超え、60秒以下のものを△、60秒を超えるものを×とした。
成形後外観:低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120sで直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験片を成形し、成形品の外観を目視で観察した。合計10個観察を行い、ボイドや割れの発生がなかったものを○、ボイドや割れの発生が1個以上、3個未満のものを△、ボイドや割れの発生が3個以上のものを×とした。
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実施例1〜3、5〜13は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物から構成される樹脂成形体の製造方法であって、硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と、硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程とは別に、エポキシ樹脂及び硬化剤を粉末化する粉末化工程と、微粉砕された硬化促進剤と、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填材とを、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合して樹脂組成物を得る混合工程と、樹脂組成物を、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で加圧して樹脂成形体(樹脂タブレット)を成形する成形工程とを有し、硬化促進剤と、エポキシ樹脂及び硬化剤と、を含む混合物を、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに成形体を得る樹脂成形体の製造方法であり、粉砕工程における粉砕機の種類及び粉砕条件、粉末化工程における粉砕機の種類及び被粉砕物の組み合わせ、混合工程における混合機の種類、ならびに、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の種類を変更したものを含むものであるが、いずれにおいても、流動性、30℃長期保存性、硬化性及び成形後外観に優れる結果が得られた。特に、実施例1、2及び10は、流動性及び30℃長期保存性と、硬化性及び成形後外観とのバランスに優れるものであった。
一方、硬化促進剤1の微粉砕を行わなかった点以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た比較例1では、流動性及び成形後外観が著しく劣る結果となり、30℃長期保存性を測定する意味がないものであった。また、硬化促進剤1の微粉砕を行わなかった点以外は、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た比較例2、ならびに、硬化促進剤1の微粉砕を行わなかった点及びエポキシ樹脂1を予め粉末化した点以外は、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た比較例3では、30℃長期保存性に優れる結果が得られたものの、流動性、硬化性及び成形後外観が劣る結果となった。また、硬化促進剤1の微粉砕化、エポキシ樹脂1及び硬化剤1の粉末化を行わず、各成分を分散混合後、加熱溶融混練を行った比較例4では、流動性、硬化性及び成形後外観に優れる結果が得られたものの、30℃長期保存性が著しく劣る結果となった。また、硬化促進剤1の微粉砕を行わなかった点以外は、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た後、加熱加圧条件で樹脂タブレットを得た比較例5、ならびに、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た後、加熱加圧条件で樹脂タブレットを得た比較例6では、硬化性及び成形後外観に優れる結果が得られたものの、30℃長期保存性が著しく劣る結果となった。
本発明は、室温での長期保存性に優れた封止用樹脂タブレットの製造方法ならびにそれを用いた電子部品装置を提供するものである。また、本発明の成形体の製造方法は、封止用ではない一般のエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂成形材料にも適用可能である。

Claims (18)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物から構成される樹脂成形体の製造方法であって、
    前記硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と、
    微粉砕された前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記無機質充填材とを、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合して樹脂組成物を得る混合工程と、
    前記樹脂組成物を、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で加圧して樹脂成形体を成形する成形工程とを有し、
    前記粉砕工程は、前記硬化促進剤のメディアン径が20μm以下で、かつ粒径50μm以上の粒子の割合が該硬化促進剤全体の10質量%以下となるように、前記硬化促進剤を微粉砕するものであり、
    前記混合工程の前に、前記硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程とは別に、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化する粉末化工程を有し、
    前記粉末化工程は、前記エポキシ樹脂の粉末化と前記硬化剤の粉末化とを個別に行うものであり、前記エポキシ樹脂のメディアン径が70μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該エポキシ樹脂全体の5質量%以下となるように、前記硬化剤のメディアン径が70μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該硬化剤全体の5質量%以下となるように、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化するものであり
    前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤と、を含む混合物を、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに前記成形体を得ることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  2. エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機質充填材を含む樹脂組成物から構成される樹脂成形体の製造方法であって、
    前記硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程と、
    微粉砕された前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記無機質充填材とを、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で分散混合して樹脂組成物を得る混合工程と、
    前記樹脂組成物を、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点より低い温度で加圧して樹脂成形体を成形する成形工程とを有し、
    前記粉砕工程は、前記硬化促進剤のメディアン径が20μm以下で、かつ粒径50μm以上の粒子の割合が該硬化促進剤全体の10質量%以下となるように、前記硬化促進剤を微粉砕するものであり、
    前記混合工程の前に、前記硬化促進剤を微粉砕する粉砕工程とは別に、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化する粉末化工程を有し、
    前記粉末化工程は、前記エポキシ樹脂と前記硬化剤の粉末化を同時に行うものであり、前記エポキシ樹脂及び硬化剤の混合物のメディアン径が70μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該混合物全体の5質量%以下となるように、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化するものであり、
    前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤と、を含む混合物を、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記硬化促進剤の融点又は軟化点以上に加熱する工程を経ずに前記成形体を得ることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記樹脂成形体が封止用樹脂タブレットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記粉砕工程は、前記硬化促進剤の微粉砕を、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル及びポットミルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の粉砕機を用いて行うこと特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記粉末化工程は、前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物を予め溶融混合した後に前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物の粉末化を行うことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記粉末化工程は、前記微粉砕された硬化促進剤を添加して、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、又は前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物の粉末化を行うものであり、前記硬化促進剤と前記エポキシ樹脂との混合物、前記硬化促進剤と硬化剤との混合物又は前記硬化促進剤と前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物のメディアン径が70μm以下で、かつ粒径200μm以上の粒子の割合がそれぞれの混合物全体の質量%以下となるように、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、又は前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との混合物を粉末化することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  7. 前記樹脂組成物が離型剤をさらに含むものであり、
    前記粉末化工程は、前記離型剤及び/又は前記無機質充填材の一部を添加して前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤の粉末化を行うものであり、
    前記混合工程は、前記粉末化工程によって得られる粉末化物に前記離型剤及び/又は無機質充填材の残部と前記硬化促進剤とを添加して分散混合を行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記混合工程は、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を粉末化するとともに、前記硬化促進剤及び前記無機質充填材と分散混合することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  9. 前記混合工程は、前記硬化促進剤と、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤及び前記無機質充填材との分散混合を、回転式混合機及び分散運動式混合機からなる群より選ばれる少なくとも1種類の混合機を用いて行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  10. 前記混合工程により得られる前記樹脂組成物が、前記樹脂組成物のメディアン径が100μm以下であり、かつ粒径200μm以上の粒子の割合が該樹脂組成物全体の10質量%以下であることを確認する検査工程を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  11. 前記混合工程により得られる前記樹脂組成物が、任意の10箇所からサンプリングした試料の灰分量のバラツキR(最大値−最小値)が2質量%以内であることを確認する検査工程を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  12. 前記硬化促進剤が、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物及びホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  13. 前記エポキシ樹脂の融点又は軟化点が40℃以上、150℃以下であることを特徴とする請求項1ないし12いずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  14. 前記硬化剤の融点又は軟化点が40℃以上、150℃以下であることを特徴とする請求項1ないし13いずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  15. 前記混合工程において、前記樹脂組成物の温度が29℃以下である請求項1ないし14いずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  16. 前記成形工程において、前記成形体の温度が27℃以下である請求項1ないし15いずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  17. 請求項1ないし16のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法により得られる樹脂成形体であって、30℃、相対湿度50%RHで30日間保管後のスパイラルフローの流動性残存率が90%以上であることを特徴とする樹脂成形体。
  18. 請求項17に記載の樹脂成形体を用いて素子が封止されてなることを特徴とする電子部品装置。
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