JP2011252041A - 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び樹脂封止型半導体装置 Download PDF

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Akira Yoshizumi
章 善積
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Abstract

【課題】金属濃度を低減させることで、製造時の金属の混入も防止し、半導体封止を行った際には装置の信頼性を損なうことのないメタルフリーの半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む原材料全てを溶剤に混合、溶解して混合溶解物とし、該混合溶解物から、金属捕集用の磁石により含有する金属成分を除去し、金属成分を除去した混合溶解物を薄膜状にした後、前記溶剤を除去して固形化することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び樹脂封止型半導体装置に係り、特に、高信頼性の樹脂封止半導体装置の製造に用いるためのメタルフリーのエポキシ樹脂成形材料の製造方法及び該成形材料を用いた樹脂封止型半導体装置に関する。
半導体パッケージの封止に用いるエポキシ樹脂成形材料は、半導体デバイスを封止した場合にパッケージに高度の長期信頼性を与え、さらに、パッケージ製造時の樹脂の硬化速度を速めて生産性を向上させるため、出発原材料として、固形のエポキシ樹脂主剤と、固形のフェノール樹脂硬化剤を主成分として用いることが広く行われている。また、エポキシ樹脂成形材料の熱膨張係数を半導体素子の値に近くさせるために、大量の無機質充填剤を充填している。
このように固形の主剤と固形の硬化剤を用いるエポキシ樹脂成形材料の製造方法としては、まず、上記の成分に加えて、カップリング剤、硬化触媒、顔料、滑剤、柔軟性付与剤、難燃剤、防食剤等の原材料を加えて混合装置を用いて分散混合した後、二軸の加熱ロール装置や、二軸の加熱押出し装置を用いて、溶融混練した後、冷却、粉砕して、粒子状の成形材料を得るのが一般的である。
また、粒子状の成形材料から微粉末の発生を抑えるために、例えば、無機充填剤と樹脂成分とを実質的に無加圧状態で加熱造粒してなる粒子状半導体封止材料も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このようにして得られた粒子状の成形材料は、その後、そのまま圧縮成形機又は射出成形機によりパッケージ成形を行うか、粒子状の成形材料を、さらに打錠機によりタブレット化して、該タブレットを用いて移送成形機にて封止成形を行うのが一般的である。
特開平10−41327号公報
しかしながら、上記したような従来の半導体封止用の成形材料の製造方法では、近年の半導体素子やパッケージ設計の微細化等の変化に追いついていない点があり、そのまま用いることができない問題が生じる場合がある。この問題の一例として、例えば、エポキシ樹脂成形材料中に存在する金属異物に起因するショート不良やリーク不良の多発が挙げられる。
このショート不良又はリーク不良の原因は、半導体素子の微細化により、素子上に設置される外部接続用のパッドの間隔が急激に狭くなってきており、それに伴い、外部接続用のワイヤー間距離が極めて狭くなってきていることによるものである。すなわち、従来、数百μm程度はあったパッドピッチが、狭いものでは40μmを切るまでになってきており、また、ワイヤー接続を用いないパッケージにおいても、端子間距離が短くなってきたことで、従来は問題にならなかった小さな金属異物でも、故障を発生させるようになってきているのである。
製造されたエポキシ樹脂成形材料中に存在する金属異物は、原材料に入っていた金属異物と、製造工程で入る金属異物によるものが考えられる。特に、従来の製造方法では、二軸の加熱ロール装置や加熱押出し装置を用いて、常温では固形の混練成分を加熱溶融するが、この混練温度では、まだ樹脂成形材料の粘度は高いものである。
このような高粘度において、さらに、大量の無機充填材を含んでいることから、混練装置においては、装置の構成金属表面と混練する樹脂成形材料成分に含まれる無機充填材、例えば、アルミナ、窒化珪素、結晶性シリカ、溶融シリカ等の研磨剤類似の充填材とが接触磨耗し、製造した半導体封止用エポキシ樹脂成形材料中の金属濃度が高くなったり、切削された大きな金属が混入したりするという問題があった。
このような金属濃度の上昇や金属の混入は、特に、安全性を要求される自動車用や航空機用のデバイスへの信頼性を損なわせ、誤作動による重大な事故にも繋がることとなる。このデバイスの信頼性低下に対しては、半導体パッケージの製造者によるバーンインと云われる全数テストが行われているが、このテストで完全に不良品を除くまでには至っていない。すなわち、全数テストを行ったパッケージでも、市場不良が発生する。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するために、金属濃度を低減させ、加えて、混入する金属異物の最大長を小さくすることで、半導体装置の封止を行った際に該半導体装置の信頼性を損なうことのない、実質的にメタルフリーの半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意検討した結果、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を製造するにあたり、一旦、フィラーを含む全原材料を溶剤と混合して溶解させ、金属を捕集した後、混合溶解物を薄膜状にしてから溶剤を除去して固形化することで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む原材料全てを溶剤に混合、溶解して混合溶解物とし、該混合溶解物から金属捕集用の磁石により含有する金属成分を除去し、金属成分を除去した混合溶解物を薄膜状にした後、前記溶剤を除去して固形化することを特徴とするものである。
また、本発明の樹脂封止型半導体装置は、半導体チップを、上記のエポキシ樹脂成形材料の製造方法で得られた半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて樹脂封止したことを特徴とするものである。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法によれば、微粉砕する前に金属濃度を低減させておくことで、製造時の金属の混入も防止し、半導体封止を行った際には装置の信頼性を損なうことのないメタルフリーのエポキシ樹脂成形材料を製造することができる。
また、本発明の樹脂封止半導体装置は、上記の優れた特性を有するエポキシ樹脂成形材料を用いているため、ショート不良やリーク不良等の欠陥が生じにくくなり、信頼性の高いものである。特に、安全性の要求される自動車用や航空機に搭載する半導体パッケージに好適であり、その産業的価値は、非常に大きい。
シート状塗布装置の概略構成及び混合溶解物の平面形状を示した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明においては、樹脂成形材料として用いる原材料の全てを溶剤に溶解させて混合溶解物を得る。このとき、本発明で用いる樹脂成形材料としては、常温で固形のエポキシ樹脂及び常温で固形の硬化剤を主成分とする成形材料であれば、その他の原材料については、半導体封止用の成形材料として用いることができる公知の材料であればよく、その種類は問わない。すなわち、固形の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料であれば、その構成成分を特に限定しないものである。なお、ここで用いる原材料としては、上記したエポキシ樹脂及び硬化剤の他に、無機充填材を必須の構成材料として含むものである。
ここで用いるエポキシ樹脂は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物全般を言い、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられ、通常、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料に使用されるエポキシ樹脂を用いればよい。これらは単独でも併用しても差し支えない。
また、硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば特に限定されずに用いることができ、例えば、常温で固形のフェノール樹脂であることが好ましい。
本発明に用いるフェノール樹脂としては、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物全般を言い、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられ、通常、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料に使用されるフェノール樹脂を用いればよい。これらは単独でも併用しても差し支えない。
これらの配合量としては、全エポキシ樹脂のエポキシ基数と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数の比(エポキシ基数/フェノール性水酸基数)としては0.7〜1.4が好ましい。
また、硬化剤成分としては、成形材料の硬化を促進させて半導体の製造を効率良く行うことができることから、硬化促進剤を添加することが好ましい。
本発明に用いる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用いることができる。例えば1,8−ジアザビシクロ(5.4.1)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等が挙げられ、これらは単独でも混合しても差し支えない。
本発明に用いる無機充填材としては、一般に、封止材料に使用されているものを用いることができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、繊維状シリカ、ガラス繊維、低膨張無機素材等が挙げられ、これらは単独でも併用しても差し支えない。
無機充填材の配合量は、成形性と耐半田性のバランスから、全エポキシ樹脂組成物中75〜93質量%とすることが好ましく、さらに好ましくは80〜91質量%である。75質量%未満だと、吸水率の上昇に伴い耐半田性が低下し、93質量%を越えると、ワイヤースイープ及びパッドシフト等の成形性の問題が生じ好ましくない。
また、本発明においては、上記した成分の他、必要に応じて、カップリング剤や、カーボンブラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン等の難燃剤、リン系やリン・窒素系の難燃剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、イオン捕捉剤等を配合することができる。
次に、本発明に用いる溶剤としては、上記したエポキシ樹脂成形材料の各成分を混合・溶解させて、均一な混合溶解物とすることができるものであればよく、親水性溶剤及び親油性溶剤のいずれも用いることができる。例えば、親水性溶剤の代表例としては、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸メチル、水、ジエチルケトン、ジオキサン、蟻酸エチル、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、親油性溶剤の代表例としては、アニソール、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルエーテル、ペンタン等が挙げられる。
これら親水性溶剤と親油性溶剤は、混合して用いることもでき、混合溶解物を形成しやすいことから混合溶剤を用いることが好ましい。混合溶剤としては、アニソールとメタノール、アニソールとエタノールの混合溶剤が好ましい。混合溶剤とするにあたっては、その混合割合を30:100〜100:30とすることが好ましい。
上記したように、ここで用いる溶剤は、成形材料の原材料を均一に溶解することができるものであればよいが、後述する溶剤の除去を行うために、常温から50℃程度の加温で気化しやすいものであり、また、使用の便から、臭気や毒性が低く、また、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の諸性能を劣化させないものであることが好ましい。
混合溶解物を生成するにあたっては、上記した成形材料の原材料と上記した溶剤とを、定法に従い混合、撹拌することで均一の混合溶解物とすれば良く、特別な操作を行うものではない。なお、このとき、得られる混合溶解物の粘度は、原材料を均一に溶解していれば特に限定されるものではないが、5ポイズ以下であることが好ましい。
この混合・溶解は、例えば、撹拌装置付の混合溶解槽に上記した原材料と溶剤とを投入して、撹拌、混合すればよい。このとき注意すべきは、半導体パッケージに有害な、金属異物の混入と有害イオンの混入を防止することであり、そのため、撹拌装置としては、吊り下げ方式の撹拌羽根であることが好ましい。また、イオンを多く含むガラス製容器などは、イオンの溶出等のおそれがあるため好ましくなく、ステンレス製のように異物の溶出、混入等のおそれが少ない素材で構成されているものが好ましい。なお、混合・溶解の際に、溶剤を中温(30〜70℃)に加温して反応を進めておいてもよい。また、フィラーやワックス等で溶媒に溶けない素材は細かくしておくことで均一化する。
そして、本発明においては、このように混合溶解物とした後、この混合溶解物を金属捕集用の磁石近傍を通過させることで、混合溶解物中に含まれる金属異物を該磁石により捕集し、混合溶解物から除去するものである。この金属異物の除去は、混合溶解物を固形化するために、次に説明する薄膜状にするのと同時に行うこともできる。ここで、用いる磁石は、各種の液体用マグネットフィルターが挙げられ、例えば、(株)マグネテックジャパンの液体用マグネットフィルターが代表例である。この磁石の型式としては、ポット式、ラウンド式、エルボー式、チーズ式、クロス式、チューブ式、Tトラップ式等が挙げられる。
次いで、金属成分を除去した混合溶解物を、薄膜状にした後、混合溶解物中の溶剤を除去して固形化することにより、半導体封止用のエポキシ樹脂成形材料とすることができる。
ここで、混合溶解物を薄膜状にするには、例えば、図1に示した、混合溶解物を薄膜状に形成するためのシート状塗布装置(図1(a))を用いて、板状体の上に薄膜形状になるようにすればよい。このとき板状体としては、後述する冷却装置であることが、固形化をすぐに行うことができ好ましい。なお、図1(a)の装置により形成される混合溶解物の平面形状を、図1(b)に示した。
成形材料を薄膜状に形成するには、図1(a)に示したシート状塗布装置1の開口部であるスリット孔2から、混合溶解物を連続的に押し出して塗布することで、シート状の混合溶解物3とする。このとき、混合溶解物を後述する溶媒除去装置に直接、塗布することが好ましい。ここでは、溶媒除去装置の帯状回転ベルト4上に混合溶解物を形成した状態を示した。
次いで、薄膜状の混合溶解物から、溶剤を除去して固形化することで成形材料を得ることができる。ここで、溶剤の除去には、溶剤を除去することができるものであればよく、例えば、ステンレス製の帯状回転ベルトを持つ冷却装置と送風・吸風装置、溶剤回収ドラフトを基本構成とし、必要とあれば、減圧装置を設けた溶剤除去装置を用いればよい。
ここで、冷却装置は、混合溶解物を冷却することで固形化を行うものであり、その温度を10〜20℃程度とすることが好ましい。また、送風・吸風装置は、混合溶解物に送風することで溶剤の除去を促進させるもので、このとき送風する風の温度は40〜60℃程度であることが好ましい。なお、溶剤は気化により除去されるものであり、気化した溶剤を装置外へ排出するように、吸風装置が設けられ、さらに溶剤回収ドラフトにより気化した溶剤を回収するようにすることが好ましい。さらに、混合溶解物の周囲を減圧状態とする減圧装置を設けることで溶剤の気化による除去を促進することができる。
このようにして得られたエポキシ樹脂成形材料は、薄膜化して、溶剤を除去する。薄膜としては1mm以下を一応の目安としているが、本発明では、その厚さが15〜250μmとなるように形成することが好ましく、125μm以下の厚さとすることが、より好ましい。
薄膜状に形成した後、一旦粉末状の成形材料を形成するために、ボールミルやセラミック製粉砕機等により粉砕する。なお、このようにして得られた粉末状又は粒子状の成形材料は、従来と同様、圧縮成形機又は射出成形機によりパッケージ成形を行うか、粒子状の成形材料を、さらに打錠機によりタブレット化して、該タブレットを用いて移送成形機にて封止成形を行って、半導体素子を封止すればよい。
本発明の樹脂封止型半導体装置は、上記のように得られたエポキシ樹脂成形材料を用いて、半導体素子を封止して得られるものであり、定法により半導体素子の封止を行えばよい。このとき、用いる半導体素子として、半導体素子のワイヤー間のピッチが100μm以下、例えば、25〜50μmであっても、ショート不良やリーク不良の発生を有効に抑制することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
ステンレス製の撹拌羽根が付いたステンレス製の化学反応容器に、親油性溶剤であるアニソールを1Lと、親水性溶剤であるエタノールを1L投入し、撹拌、混合して混合溶剤とした。
次に、この混合溶剤に、撹拌しながら球状溶融シリカ粉(平均粒径21μm) 900gを投入して暫時撹拌の後、シランカップリング剤 2gを加えて3分間撹拌し、フィラーの表面処理を行った。次に、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000) 60gとフェノールノボラック樹脂(水酸基当量 104) 40gを投入して溶解させた。溶解したことを確認した後、微粉砕したトリフェニルホスフィン 2g、カルナバワックス 4g、カーボンブラック 3gを加えた。
化学反応容器を加熱し、45℃で2時間撹拌して熟成を行った。熟成した混合溶解物を、金属捕集用の磁石(液体用Tトラップマグネットフィルター((株)マグネテックジャパン製))を備えたシート状塗布装置のスリット孔を通して、ドラフト内の帯状冷却ベルトに薄膜状に押し出し、表面に送風機で50℃の温風を送って溶剤を除去・乾燥した。乾燥により固形化した固形生成物の膜厚は150μmであった。この固形生成物を、セラミック製ボールミルで粉砕し、粉末状のエポキシ樹脂成形材料Aを得た。
このエポキシ樹脂成形材料Aの金属量は、1ppm以下であった。このとき、金属量は、自動磁性体量分析装置((株)龍森製、商品名:MA−1040)を用い、100gのサンプルを用いて測定した。以下の実施例及び比較例による金属量の測定も同様である。
このエポキシ樹脂成形材料A 300gをアセトンに溶解し、強力磁石で磁性体の捕集を行ったが、顕微鏡による検知限界である45μm以上の金属は観察できなかった。また、このエポキシ樹脂成形材料A 5gを打錠してφ18mmの円柱状のタブレットに成形し、この24個を軟X線により観察したが、25μm以上の金属はなかった。この評価により、バーンインテストによる全数チェックをすり抜け、市場事故を発生する起因となるエポキシ樹脂成形材料に含有される金属異物の有無を確認できる。短絡事故やリーク事故を市場において偶発的に起こした半導体装置、すなわち樹脂封止パッケージを詳細に解析すると、その主原因が、端子間等に存在する金属異物であることは、業界では、よく知られており、喫緊の解決すべき課題となっている。
なお、本発明で得られたエポキシ樹脂成形材料の長期信頼性の平均的な実力を評価するため、アルミ配線を有する2mm角のテスト素子(ワイヤー間ピッチ 35μm)を、上記タブレットを用いて樹脂封止したサンプルを12個作り、PCT(2.5気圧、127℃)試験、TCT(150℃、マイナス55℃)試験を定法により行ったが、PCT1000Hr、TCT500サイクルまで不良は発生しなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の原料、操作により得た熟成した混合溶解物を、ドラフト内の帯状冷却ベルトに、金属捕集用の磁石を備えたスリットを通して、実施例1よりもさらに薄く薄膜状に押し出し、表面に送風機で温風を送って溶剤を除去・乾燥した。乾燥により固形化した固形生成物の膜厚は85μmであった。固形生成物を、セラミック製ボールミルで粉砕し、粉末状のエポキシ樹脂成形材料Bを得た。
エポキシ樹脂成形材料Bの金属量は、1ppm以下であった。
エポキシ樹脂成形材料B 300gをアセトンに溶解し、強力磁石で磁性体の捕集を行ったが、顕微鏡による検知限界である45μm以上の金属は観察できなかった。また、このエポキシ樹脂成形材料B 5gを打錠してφ18mmの円柱状のタブレットに成形し、この24個を軟X線により観察したが、25μm以上の金属はなかった。
アルミ配線を有する2mm角のテスト素子(ワイヤー間ピッチ 35μm)を、上記タブレットを用いて樹脂封止したサンプルを12個作り、PCT(2.5気圧、127℃)試験、TCT(150℃、マイナス55℃)試験を定法により行ったが、PCT1000Hr、TCT500サイクルまで不良は発生しなかった。
(実施例3)
実施例1と同様の原料、操作により得た熟成した混合溶解物を、ドラフト内の帯状冷却ベルトに、金属捕集用の磁石を備えたスリットを通して、実施例1よりも厚く押し出し、表面に送風機で温風を送って溶剤を除去・乾燥した。乾燥により固形化した固形生成物の膜厚は250μmであった。固形生成物を、セラミック製ボールミルで粉砕し、粉末状のエポキシ樹脂成形材料Cを得た。
エポキシ樹脂成形材料Cの金属量は、1ppm以下であった。
エポキシ樹脂成形材料C 300gをアセトンに溶解し、強力磁石で磁性体の捕集を行ったが、顕微鏡による検知限界である45μm以上の金属は観察できなかった。また、このエポキシ樹脂成形材料C 5gを打錠してφ18mmの円柱状のタブレットに成形し、この24個を軟X線により観察したが、25μm以上の金属はなかった。
アルミ配線を有する2mm角のテスト素子(ワイヤー間ピッチ 35μm)を、上記タブレットを用いて樹脂封止したサンプルを12個作り、PCT(2.5気圧、127℃)試験、TCT(150C、マイナス55℃)試験を定法により行った。PCT1000Hrは、不良がなかったが、加速試験である、TCT500サイクルでは、2/12のクラック不良が発生した。
(実施例4)
ステンレス製の撹拌羽根の付いたステンレス製の化学反応容器に、溶剤としてアセトンを2L投入し、さらに、球状溶融シリカ粉(平均粒径21μm)を900g投入して暫時撹拌の後、シランカップリング剤2gを加えて3分間撹拌し、フィラーの表面処理を行った。次に、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000) 60gとフェノールノボラック樹脂(水酸基当量104) 40gを投入して溶解させた。溶解したことを確認した後、微粉砕したトリフェニルホスフィン 2g、カルナバワックス 4g、カーボンブラック 3gを加えた。
化学反応容器を加熱し、45℃で2時間撹拌して熟成を行った。熟成した混合溶解物を、金属捕集用の磁石を備えたスリットを通して、ドラフト内の帯状冷却ベルトに薄膜状に押し出し、表面に送風機で50℃の温風を送って溶剤を除去・乾燥した。乾燥により固形化した固形生成物の膜厚は145μmであった。この固形生成物を、セラミック製ボールミルで粉砕し、粉末状のエポキシ樹脂成形材料Dを得た。
エポキシ樹脂成形材料Dの金属量は、1ppm以下であった。
エポキシ樹脂成形材料D、300gをアセトンに溶解し、強力磁石で磁性体の捕集を行ったが、顕微鏡による検知限界である45μm以上の金属は観察できなかった。また、このエポキシ樹脂成形材料D 5gを打錠してφ18mmの円柱状のタブレットに成形し、この24個を軟X線により観察したが、25μm以上の金属はなかった。
アルミ配線を有する2mm角のテスト素子(ワイヤー間ピッチ 35μm)を、上記タブレットを用いて、樹脂封止したサンプルを12個作り、PCT(2.5気圧、127℃)試験、TCT(150℃、マイナス550C)試験を定法により行ったが、PCT1000Hr、TCT500サイクルまで不良は発生しなかった。
(比較例1)
比較例1では、定法により半導体用エポキシ樹脂成形材料を製造して各種評価を行った。すなわち、ヘンシェルミキサーに、実施例の約三倍量の材料を仕込んで製造を行った。まず、球状溶融シリカ粉(平均粒径21μm) 2700gを投入し、撹拌ののち、シランカップリング剤 6gを加えて、3分間撹拌して、フィラーの表面処理を行った。
次に、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000)180gとフェノールノボラック樹脂(水酸基当量104)120gを投入した。撹拌した後、微粉砕したトリフェニルホスフィン 6g、カルナバワックス 12g、カーボンブラック 9gを加えて、5分間撹拌混合して粉体混合物とした。
次に、得られた粉体混合物を、二軸加熱ロールに少量ずつ連続的に投入し、取り出し温度が85℃から90℃となるように混練条件を整えて混練し、冷却ベルト上で冷却した後、衝撃式粉砕機で粉砕して、粉末状のエポキシ樹脂成形材料Eを得た。
このエポキシ樹脂成形材料Eの金属量は、21ppmであった。
エポキシ樹脂成形材料E 300gをアセトンに溶解し、強力磁石で磁性体の捕集を行ったところ、45μm以上の金属異物が8個観察された。
アルミ配線を有する2mm角のテスト素子(ワイヤー間ピッチ 35μm)を、エポキシ樹脂成形材料E 5gを打錠して得られたφ18mmの円柱状のタブレットを用いて樹脂封止したサンプルを12個作り、PCT(2.5気圧、127℃)試験、TCT(150℃、マイナス55℃)試験を定法により行ったが、PCT1000Hrで1/12の不良が発生した。TCT500サイクルでは不良は発生しなかった。
(比較例2)
比較例1と同様の原料、操作により得た混練物を、冷却ベルト上で冷却した後、セラミック製ボールミルで粉砕し、粉末状のエポキシ樹脂成形材料Fを得た。
エポキシ樹脂成形材料Fの金属量は、20ppmであった。
エポキシ樹脂成形材料F 300gをアセトンに溶解し、強力磁石で磁性体の捕集を行ったところ、45μm以上の金属異物が7個観察された。
アルミ配線を有する2mm角のテスト素子(ワイヤー間ピッチ 35μm)を、エポキシ樹脂成形材料F 5gを打錠して得られたφ18mmの円柱状のタブレットを用いて、樹脂封止したサンプルを12個作り、PCT(2.5気圧、127℃)試験、TCT(150℃、マイナス55℃)試験を定法により行ったが、PCT1000Hrで2/12の不良が発生した。TCT500サイクルでは不良は発生しなかった。
以上の通り、本発明のエポキシ樹脂成形材料の製造方法によれば、金属成分を有効に低減したエポキシ樹脂成形材料を得ることができ、これを用いた樹脂封止型半導体装置は、ショート不良やリーク不良の発生を有効に抑制することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
1…シート状塗布装置、2…スリット孔、3…シート状の混合溶解物、4…帯状回転ベルト

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む原材料全てを溶剤に混合、溶解して混合溶解物とし、該混合溶解物から、金属捕集用の磁石により含有する金属成分を除去し、
    金属成分を除去した混合溶解物を薄膜状にした後、前記溶剤を除去して固形化することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法。
  2. 前記溶剤が、親水性の溶剤と親油性の溶剤とからなる混合溶剤であることを特徴とする請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法。
  3. 前記混合溶解物を薄膜状とする際に、シート状に拡げることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法。
  4. 前記薄膜状に固形化した半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の厚さが、15〜250μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法。
  5. 半導体チップを、請求項1乃至4記載の製造方法で得られた半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて樹脂封止したことを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
  6. 前記半導体素子のワイヤー間のピッチが100μm以下であることを特徴とする請求項5記載の樹脂封止型半導体装置。
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