JP2005239892A - 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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剛 石坂
Shinya Akizuki
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Abstract

【課題】薄型の半導体パッケージの成形に際して、無機質充填剤の高充填においても高い流動性を有し、成形時のワイヤー流れ等の発生が抑制され、優れた成形性を有する半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂、硬化剤および無機質充填剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物であって、上記無機質充填剤が下記に示す無機粉末(A)を主成分とするものである。
(A)体積頻度粒度分布において、0.1μm以上2μm未満の領域(a1)、2〜10μmの領域(a2)、15〜100μmの領域(a3)のそれぞれに極大値を有し、かつ上記各領域(a1)〜(a3)の体積頻度が下記の示す範囲にそれぞれ設定されている無機粉末。
(a1)1〜30%。
(a2)1〜50%。
(a3)49〜98%。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形時のパッケージ内におけるワイヤー流れ等の問題の生じない優れた成形性を有する半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、通常、エポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を用いてトランスファー成形により樹脂封止され半導体装置化されている。この種のパッケージとしては、従来から各種形態のパッケージが開発されている。
上記エポキシ樹脂組成物は、通常、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機質充填剤、離型剤、難燃剤、カップリング剤等から構成され、一般にはこれら各原材料を攪拌混合機等で予備混合し、ついで単軸混練機、二軸混練機、加熱ロール、連続混練機、バッチ式混練機等の加熱混練機を用いて溶融混練することによって、各原材料を混合・分散し製造されている。
一方、電気機器の小型化・軽量化・高機能化に伴い、半導体パッケージの小型・薄型化、狭ピッチ化が加速し、これに伴い、半導体パッケージの半田耐熱性や耐湿性の一層の向上が求められている。このため、上記エポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤の含有量がますます多くなってきており、この無機質充填剤の含有量の増加は封止成形時の流動性の低下を招き、結果、ワイヤー流れやボイド発生等の成形不良を増大させている。
例えば、表面実装タイプのような薄型のパッケージにおいては、表面実装工程での半田耐熱性を向上させるために、無機質充填剤の含有量の多い樹脂組成物を用いて樹脂封止する。このことに起因し、成形時の欠陥、すなわち、ワイヤー流れ、ボイド形成、リードピンの変形、ダイパッドシフト等が発生しやすいという問題がある。すなわち、パッケージの吸湿を抑え、樹脂強度を向上させる目的で無機質充填剤の含有量を極限まで多量に充填した樹脂組成物を用いた結果、上記のような問題が発生する。そして、このような樹脂組成物を用いた場合、流動性が著しく低下し、先に述べたような成形上の種々の問題を引き起こすこととなる。
このような問題を解消するため、無機質充填剤の形状を真球に近い形状にし、樹脂の流動性を向上させることが検討されている。また、無機質充填剤の含有量を増やしながらも成形時の良好な流動性を確保するために、より低粘度の樹脂成分を用いることも検討されている。さらに、頻度粒度分布において、20〜70μmの領域、3.0〜10μmの領域、0.20〜1.0μmの領域に極大値を有する球状無機質粉末を用いた樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−158614号公報
しかしながら、上記真球に近い形状の無機質充填剤を用いたり、低粘度の樹脂成分を用いたりする方法では、流動性の向上において充分とは言い難いものである。また、上記特定の頻度粒度分布を有する球状無機質粉末を用いた樹脂組成物では、近年の薄型の半導体パッケージの成形に際して、やはり流動性に関して充分なものとは言い難いのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、薄型の半導体パッケージの成形に際して、無機質充填剤の高充填においても高い流動性を有し、成形時のワイヤー流れ等の発生が抑制され、優れた成形性を有する半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、熱硬化性樹脂、硬化剤および無機質充填剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物であって、上記無機質充填剤が下記に示す無機粉末(A)を主成分とする半導体封止用樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)体積頻度粒度分布において、0.1μm以上2μm未満の領域(a1)、2〜10μmの領域(a2)、15〜100μmの領域(a3)のそれぞれに極大値を有し、かつ上記各領域(a1)〜(a3)の体積頻度が下記の示す範囲にそれぞれ設定されている無機粉末。
(a1)1〜30%。
(a2)1〜50%。
(a3)49〜98%。
そして、本発明は、上記半導体封止用樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、半導体装置の封止に用いられる熱硬化性樹脂組成物の組成のうち、流動性に大きく関与する無機質充填剤を中心に研究を重ね、特に無機質充填剤の粒度分布について鋭意検討を行った。その結果、無機質充填剤として用いられる、粒度分布が上記特定の範囲に設定された無機粉末は、上記両領域(a1)+(a2)の充填率が高い、空間率の小さな粉体であり、これに上記領域(a3)を添加することにより、さらに充填率が高く高充填が可能な無機質充填剤となることを突き止めた。すなわち、通常、上記領域(a3)は流動性向上および粘度低減を目的として添加されるが、添加しすぎると比表面積が増えるため、チキソ性の発現、低剪断領域での増粘が生じてしまう。しかし、上記両領域(a1)+(a2)の充填率が高くなるような粒度分布設計とすることにより、領域(a3)の添加量を最小限に抑えることが可能となり、これを用いることで無機質充填剤が高充填のわりに流動性が良好であり、成形流動時における粘度が低減され、結果、成形時のパッケージ内でのワイヤー流れの発生等が抑制されることを見出し本発明に到達した。
以上のように、本発明は、上記特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤を含有する半導体封止用樹脂組成物である。このため、上記無機質充填剤の含有量が従来のように樹脂組成物全体の高含有量であっても、封止材料としての流動性が大幅に向上し、優れた成形性が得られる。したがって、本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて得られる半導体装置は、その封止成形時において、パッケージ内のワイヤー流れの発生が抑制され、信頼性に優れたものである。
さらに、上記体積頻度粒度分布において、前記領域(a3)の粒度分布を体積頻度対粒子径(対数スケール表示)で示した場合の半値幅が20μm未満となる分布であると、より一層の流動性の向上がみられ、優れた成形性が得られる。
そして、無機質充填剤として、球状溶融シリカを用いると、より一層流動性に優れたものが得られる。
本発明の半導体封止用樹脂組成物である熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定するものではなく、従来から封止材料として用いられている各種熱硬化性樹脂が用いられ、これに硬化剤および特定の無機質充填剤、さらに各種添加剤等を用いて得られる。そして、半導体封止用樹脂組成物である熱硬化性樹脂組成物は、通常、粉末状もしくはこれを打錠したタブレット状になっている。
本発明の半導体封止用樹脂組成物においては、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が好適に用いられる。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合は、これにフェノール樹脂と、特定の無機質充填剤を用いて得られる。
上記エポキシ樹脂は、特に限定されるものではなく各種のエポキシ樹脂が用いられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらエポキシ樹脂の中でも、ビフェニル型エポキシ樹脂や低級アルキル基をフェニル環に付加したような低吸湿型のエポキシ樹脂を用いることが信頼性の点から好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃のものが好ましい。
上記エポキシ樹脂とともに用いられるフェノール樹脂は、上記エポキシ樹脂の硬化剤としての作用を奏するものであり、特に限定するものではなく1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般をいう。例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビフェニル型ノボラック、トリフェニルメタン型、ナフトールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものを用いることが信頼性の点から好ましい。
上記エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.5〜2.0当量となるように配合することが好ましい。より好ましくは0.8〜1.2当量である。
上記エポキシ樹脂およびフェノール樹脂とともに用いられる特定の無機質充填剤とは、特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤である。なお、上記特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とするとは、無機質充填剤全体が上記無機粉末(A)のみで構成されていてもよいし、上記無機粉末(A)以外の無機質充填剤を併用してもよいということである。
上記無機粉末(A)以外の無機質充填剤としては、例えば、上記無機粉末(A)以外のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、タルク、炭酸カルシウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記無機粉末(A)以外の無機質充填剤を併用する場合の上記無機粉末(A)以外の無機質充填剤の割合は、無機質充填剤全体の92重量%以下に設定することが好ましく、特に好ましくは89重量%である。
上記特定の粒度分布を有する無機粉末(A)は、体積頻度粒度分布において、0.1μm以上2μm未満の領域(a1)、2〜10μmの領域(a2)、15〜100μmの領域(a3)のそれぞれに極大値を有するものである。しかも、上記各領域(a1)〜(a3)の体積頻度が下記の示す範囲にそれぞれ設定されていなければならない。このように上記三つの各領域(a1)〜(a3)のそれぞれに極大値を有することにより、充填率が高まるとともに、流動性も向上して、ワイヤー流れ等が抑制され、優れた成形性を発揮することとなる。
(a1)1〜30体積%。
(a2)1〜50体積%。
(a3)49〜98体積%。
すなわち、上記領域(a3)において49体積%未満では、無機粉末の充填率が低下し、樹脂溶融粘度が増大する。また、領域(a2)において50体積%を超えると、上記と同様、無機粉末の充填率が低下し、樹脂溶融粘度が増大する。さらに、領域(a1)において30体積%を超えると、比表面積が増大し、特に低剪断速度領域での溶融粘度が上昇するからである。なかでも、上記各領域(a1)〜(a3)の体積頻度として、領域(a1)を5〜15体積%、領域(a2)を10〜30体積%、領域(a3)を65〜85体積%の範囲にそれぞれ設定することが特に好ましい。
さらに、上記体積頻度粒度分布において、上記領域(a3)の粒度分布を体積頻度対粒子径(対数スケール表示)で示した場合の半値幅が20μm未満となる分布となることが好ましく、このような分布となることにより、より一層の流動性の向上がみられ、優れた成形性が得られる。
このような無機粉末(A)としては、特に限定するものではなく従来公知の各種充填剤が用いられる。例えば、溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等のシリカ粉末、アルミナ粉末、タルク等があげられる。これら充填剤は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これら充填剤は、破砕状、球状、あるいは摩砕処理したもの等いずれのものでも使用可能である。なかでも、球状もの、特に球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。
そして、上記特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤としては、無機質充填剤全体における球形度が0.85以上であることが特に好ましい。当然、球形度は1.0に近づくほど好ましいものである。上記球形度は、いわゆる真円度にて表される値であり、通常、この真円度は、つぎのようにして算出される。すなわち、真円度の測定対象となる対象物の投影像aにおいて、その実面積をαとし、上記投影像aの周囲の長さをPMとした場合、上記投影像aと周囲の長さが同一のPMとなる真円の投影像bを想定する。そして、上記投影像bの面積α′を算出する。その結果、上記投影像aの実面積αと投影像bの面積α′の比(α/α′)が真円度を示し、この値(α/α′)は、つぎの式:(α/α′)=(α・4π)/〔(PM)〕2 =〔π2 ・(HD)〕/〔(PM)〕2 〔HDは、投影像aの実面積αと等面積となる真円の直径であり、(HD)2 =(4α/π)である。〕により算出される。したがって、真円度が1.0とは、この定義からも明らかなように、真円であるといえる。なお、本発明において、上記無機質充填剤の真円度とは、測定対象となる無機質充填剤から一部を任意に抽出し上記方法にて測定して得られる値であり、通常、平均の真円度をいう。
さらに、上記特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤としては、無機質充填剤全体の平均粒径が5〜40μmの範囲のものを用いることが、流動性を良好にするという点から好ましい。上記平均粒径の測定は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
上記特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の70〜95重量%の範囲に設定することが好ましい。特に好ましくは80〜92重量%の範囲である。すなわち、70重量%未満では、パッケージの耐半田性が低下する傾向がみられ、逆に95重量%を超えると、流動性が低下し、パッケージ内のワイヤー流れ、ダイパッドシフト、リードピンの変形が多発する傾向がみられるからである。
そして、封止材料であるエポキシ樹脂組成物では、上記エポキシ樹脂,フェノール樹脂および特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤に加えて、通常、各種添加剤が必要に応じて適宜配合される。
上記各種添加剤としては、例えば、硬化促進剤、シランカップリング剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、イオントラップ剤、低応力化剤、カーボンブラック等の顔料等があげられる。
上記硬化促進剤としては、従来公知の各種硬化促進剤があげられ、例えば、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記シランカップリング剤としては、特に限定するものではなく各種シランカップリング剤を用いることができ、なかでも2個以上のアルコキシ基を有するものが好適に用いられる。具体的には、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワックスが用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム化エポキシ樹脂や金属水酸化物等があげられ、さらに上記難燃助剤としては、三酸化二アンチモンや五酸化二アンチモン等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記イオントラップ剤としては、イオントラップ能力を有する公知の化合物全てが使用でき、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が用いられる。
また、上記低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴムやシリコーン化合物があげられる。
本発明の半導体封止用樹脂組成物としてのエポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、上記エポキシ樹脂,フェノール樹脂および特定の粒度分布を有する無機粉末(A)を主成分とする無機質充填剤、さらに必要に応じて上記他の添加剤を配合し混合した後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で溶融混合し、これを室温に冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により製造することができる。
このようなエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止は、特に制限するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂〕
ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、YX−4000H、エポキシ当量194、融点106℃)
〔フェノール樹脂a〕
明和化成社製、MEH7851SS(水酸基当量203、軟化点69℃)
〔フェノール樹脂b〕
三井化学社製、VR8210(水酸基当量107、軟化点61℃)
〔硬化促進剤〕
北興化学社製、TPP(トリフェニルホスフィン)
〔離型剤〕
カルナバワックス
〔無機質充填剤〕
下記の表1に示す粒度分布を有する球状溶融シリカ粉末A〜Gを準備した。なお、表1中の粒度分布(体積頻度%、極大値の数、極大値の粒径)および平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA910)を用いて測定した。
〔実施例1〜5、比較例1〜2〕
下記の表2に示す各原料を同表に示す割合で配合し、バッチ式混練機(東洋精機社製、ラボプラストミル)を用いて110℃で10分間溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕することにより目的とする粉末状エポキシ樹脂組成物を作製した。
得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法にしたがって溶融粘度を測定した。また、上記各エポキシ樹脂組成物を用いて半導体装置を製造し、このときの金線ワイヤーの変形状態を下記の方法にしたがって測定・評価した。これらの結果を下記の表3に示した。
〔溶融粘度〕
各エポキシ樹脂組成物の粘度を、パラレルプレート型レオメーター( Haake社製、Rheostress1)を用いて、175℃で剪断速度1.0(1/s)と9.2(1/s)で粘度を測定した。
〔金線ワイヤー変形〕
各エポキシ樹脂組成物を打錠してタブレット化し、これを用いて低圧トランスファー成形機(TOWA社製の自動成型機、CPS−40L)にて成形温度175℃×成形時間90秒の成形条件でパッケージを封止し、175℃×5時間で後硬化することにより半導体装置を得た。この半導体装置は、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ(樹脂封止部分サイズ:35mm×35mm×厚み1.2mm)であり、チップサイズは7.5mm×7.5mmである。また、金線ワイヤーは、金線ワイヤー径が23μm、平均金線ワイヤー長さが5mmである。そして、作製したこのパッケージを軟X線解析装置を用いて、金線ワイヤーの変形状態を観察し、変形の有無を調べた。
上記結果から、実施例品は、いずれも溶融粘度が低く、したがって金線ワイヤーの変形が生じず、成形性に優れたものであった。
これに対して、上記特定の範囲を外れた粒度分布を有する球状溶融シリカ粉末を用いた比較例品は、溶融粘度が高く、その結果、金線ワイヤーに変形がみられ成形性に劣るものであった。

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂、硬化剤および無機質充填剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物であって、上記無機質充填剤が下記に示す無機粉末(A)を主成分とすることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
    (A)体積頻度粒度分布において、0.1μm以上2μm未満の領域(a1)、2〜10μmの領域(a2)、15〜100μmの領域(a3)のそれぞれに極大値を有し、かつ上記各領域(a1)〜(a3)の体積頻度が下記の示す範囲にそれぞれ設定されている無機粉末。
    (a1)1〜30%。
    (a2)1〜50%。
    (a3)49〜98%。
  2. 上記体積頻度粒度分布において、上記領域(a3)の粒度分布を体積頻度対粒子径(対数スケール表示)で示した場合の半値幅が20μm未満となる分布である請求項1記載の半導体封止用樹脂組成物。
  3. 上記無機質充填剤が球状である請求項1または2記載の半導体封止用樹脂組成物。
  4. 上記無機質充填剤が球状溶融シリカである請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体封止用樹脂組成物。
  5. 上記無機質充填剤の含有量が、半導体封止用樹脂組成物全体の70〜95重量%である請求項1〜4のいずれか一項記載の半導体封止用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の半導体封止用樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置。
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