JP2021038302A - 半導体封止用樹脂組成物、半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物、半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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【課題】半導体素子封止時のワイヤ変形を低減することができる半導体封止用樹脂組成物、該半導体封止用樹脂組成物を用いた半導体装置及び該半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤および(D)シリカを含有し、前記(D)シリカは、粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%以下である粒度分布を有し、レオメーターを用いて温度175℃の条件で測定した、せん断速度1s−1から10s−1における最大流動応力が700Pa以下である半導体封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用樹脂組成物、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
半導体チップと基板を接続するには、金ワイヤなどの金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されている。片面封止タイプのBGA(Ball grid array)パッケージ等においては、ワイヤの細線化や配線ピッチの縮小化によりワイヤ変形が起こりやすくなっている。このワイヤ変形を低減させるためには、封止樹脂の流動性が重要な要因となる。ところで、封止樹脂の流動性評価には、スパイラルフロー、円板フロー、及び高化式フロー粘度が使用されてきた。特に、封止樹脂の高流動性指標として用いられることの多い高化式フロー粘度では、樹脂組成物の種類によって目標とする値が異なっていた。
特許文献1では、せん断速度が1s−1以下における応力値「低せん断域流動応力」を流動性評価指標として定義し、封止樹脂の流動性評価指標としている。
特許文献2では、低剪断領域でのエポキシ樹脂組成物の流動性が、エポキシ樹脂組成物を硬化させたときの空隙率を評価することで、スパイラルフローや円板フローでは測定できない低剪断領域の粘度の指標となることが開示されている。
しかしながら、非特許文献1によると、半導体封止に使用される金型において、場所によってずり速度が異なり、ワイヤ変形発生の主要因となるキャビティ内ではせん断速度が1.0s−1〜10.0s−1の範囲にあるとしている。
特開2007−232717号公報 特開2016−035075号公報 吉原忠史、他5名、樹脂封止ICにおけるワイヤ流れに及ぼすモールド樹脂の影響、電子情報通信学会論文誌 Vol.J82−C−II No.1、p.7−12、’99/1
上記非特許文献1に対して高化式フロー粘度の測定時のずり速度は10/s以上であった。このため、高化式フロー粘度測定から得られる流動性は、ワイヤ変形に大きな影響を及ぼすキャビティ内部における樹脂組成物の流動性を表しているとは言い難かった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、半導体素子封止時のワイヤ変形を低減することができる半導体封止用樹脂組成物、該半導体封止用樹脂組成物を用いた半導体装置及び該半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の粒度分布を有するシリカを含み、特定の条件で測定した最大流動応力が特定の値以下である封止用樹脂組成物が上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本願開示は、以下に関する。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤および(D)シリカを含有し、前記(D)シリカは、粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%以下である粒度分布を有し、レオメーターを用いて温度175℃の条件で測定した、せん断速度1s−1から10s−1における最大流動応力が700Pa以下である半導体封止用樹脂組成物。
[2]前記(D)シリカが(d1)粒径1.5μm以下の粒子の割合が10〜46体積%、(d2)粒径1.5μmを超え5μm以下の粒子の割合が5〜30体積%、(d3)粒径5μmを超え10μm以下の粒子の割合が5〜30体積%、(d4)粒径10μmを超え20μm以下の粒子の割合が10〜45体積%、(d5)粒径20μmを超え50μm以下の粒子の割合が0〜30体積%、及び(d6)粒径50μmを超える粒子の割合が0〜20体積%である粒度分布を有する上記[1]に記載の半導体封止用樹脂組成物。
[3]前記(A)エポキシ樹脂の軟化点及び/又は前記(B)フェノール樹脂の軟化点が、120℃以下である上記[1]又は[2]に記載の半導体封止用樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物を用いて基板上に搭載された半導体素子を封止する半導体装置の製造方法。
[5]基板と、該基板上に搭載された半導体素子と、該半導体素子を封止してなる上記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の硬化物と、を有する半導体装置。
本発明によれば、半導体素子封止時のワイヤ変形を低減することができる半導体封止用樹脂組成物、該半導体封止用樹脂組成物を用いた半導体装置及び該半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について、一実施形態を参照しながら詳細に説明する。
<半導体封止用樹脂組成物>
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物(以下、単に封止用樹脂組成物ともいう)は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤および(D)シリカを含有し、前記(D)シリカは、粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%以下である粒度分布を有し、レオメーターを用いて温度175℃の条件で測定した、せん断速度1s−1から10s−1における最大流動応力が700Pa以下であることを特徴とする。
本発明者らは、レオメーターを用いて封止用樹脂組成物の最大流動応力を測定することによって、せん断速度が1s−1未満の領域では封止用樹脂組成物中の樹脂の溶融による挙動が支配的であり、せん断速度1s−1から10s−1の領域では封止用樹脂組成物の流動状態をよく表していることを見出した。さらに、(D)シリカの体積基準の粒度分布において、粒径1.5μm以下の粒子の割合が増大するにつれて、せん断速度1s−1から10s−1の領域における流動応力が大きくなることを見出した。
また、せん断速度0.1s−1以下の領域においては、封止用樹脂組成物中の樹脂成分の軟化温度(軟化点)が低いほど、せん断速度に対する流動応力の変化率が小さくなる。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、レオメーターを用いて温度175℃の条件で測定した、せん断速度1s−1から10s−1における最大流動応力が700Pa以下である。最大流動応力が700Paを超えると、半導体素子封止時にワイヤの変形が生じるおそれがある。このような観点から、上記最大流動応力は、好ましくは650Pa以下であり、より好ましくは600Pa以下である。また、上記最大流動応力の下限値としては、耐リフロー性の観点から、好ましくは100Paであり、より好ましくは120Paである。
上記最大流動応力は具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、後述する(D)シリカの体積基準の粒度分布において、粒径1.5μm以下の粒子の割合を適宜調整することにより、上記最大流動応力を700Pa以下とすることができる。
レオメーターは、平行な2枚のプレートの間に評価対象試料をセットし、一方を回転または振動させることで、回転や振動によるせん断応力が試料に働き、その結果として生じるひずみ速度(せん断速度)を測定し、計算式から流動応力を測定する装置である。本実施形態において、レオメーター粘度測定装置としては、市販のレオメーター粘度測定装置が用いられ、例えば(株)レオメトリック製の回転式レオメーター(ARES型)や(株)レオロジー製の回転式レオメーター、ソリキッドメーター(MR−300型)、Thermo Fisher Sientific社製の機種名:HAAKE MARSIIIなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
〔(A)エポキシ樹脂〕
本実施形態で用いられる(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、半導体封止用に一般に用いられるものであればよく、特に制限はない。
(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールベンジルアルデヒド型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。中でも、流動性、耐リフロー性の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
(A)エポキシ樹脂は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、硬化性の観点から、50〜500の範囲のものが好ましく、80〜300の範囲のものがより好ましい。
(A)エポキシ樹脂の軟化点は、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは110℃以下である。(A)エポキシ樹脂の軟化点が120℃以下であると、封止用樹脂組成物の最大流動応力を低減することができる。また、(A)エポキシ樹脂の軟化点の下限値としては、封止用樹脂組成物の溶融粘度を良好にする観点から、好ましくは40℃であり、より好ましくは50℃である。
なお、本明細書における軟化点とは、「環球式軟化点」を指し、ASTM D36に準拠して測定された値をいう。
(A)エポキシ樹脂の含有量は、封止用樹脂組成物全量に対し、好ましくは3〜10質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。(A)エポキシ樹脂の含有量が3質量%以上であると耐熱性を良好にすることができ、10質量%以下であると反りを小さくすることができる。
〔(B)フェノール樹脂〕
本実施形態で用いられる(B)フェノール樹脂は、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーであり、半導体封止用に一般に用いられるものであればよく、特に制限はない。
(B)フェノール樹脂としては、例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール類及び/又はナフトール類と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等とから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等の変性樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が挙げられる。さらに、上記フェノール樹脂の2種以上を共重合して得られるフェノール樹脂であってもよい。中でも、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂が好ましい。
(B)フェノール樹脂は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)フェノール樹脂の軟化点は、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは110℃以下である。(B)フェノール樹脂の軟化点が120℃以下であると、封止用樹脂組成物の最大流動応力を低減することができる。また、(B)フェノール樹脂の軟化点の下限値としては、作業性の観点から、好ましくは50℃であり、より好ましくは60℃である。
(B)フェノール樹脂の含有量は、封止用樹脂組成物全量に対し、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは2〜8質量%である。(B)フェノール樹脂の含有量が1質量%以上であると耐熱性を良好にすることができ、10質量%以下であると流動性を良好にすることができる。
〔(C)硬化促進剤〕
本実施形態で用いられる(C)硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般に使用されているものであればよく、特に制限はない。
(C)硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらのシクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のイミダゾール環を有するジアミノ−s−珪素含有トリアジン化合物等のイミダゾール化合物及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;これらの有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体等が挙げられる。
(C)硬化促進剤は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(C)硬化促進剤としては、中でもイミダゾール系硬化促進剤が好ましく、特に上述したイミダゾール化合物を用いることで封止用樹脂組成物の流動性を優れたものとすることができる。
(C)硬化促進剤の含有量は、封止用樹脂組成物全量に対し、好ましくは0.01〜0.1質量%であり、より好ましくは0.02〜0.08質量%である。(C)硬化促進剤の含有量が0.01質量%以上であると硬化性を良好にすることができ、0.1質量%以下であると保存安定性を良好にすることができる。
〔(D)シリカ〕
本実施形態で用いられる(D)シリカは、粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%以下である粒度分布を有する。粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%を超えると、せん断速度に対する流動応力の変化率が大きくなり、半導体素子封止時にワイヤが変形するおそれがある。このような観点から、粒径1.5μm以下の粒子の割合は、好ましくは40体積%以下である。粒径1.5μm以下の粒子の割合の下限値としては、好ましくは10体積%であり、より好ましくは15体積%である。
特に、(D)シリカは、(d1)粒径1.5μm以下の粒子の割合が10〜46体積%、(d2)粒径1.5μmを超え5μm以下の粒子の割合が5〜30体積%、(d3)粒径5μmを超え10μm以下の粒子の割合が5〜30体積%、(d4)粒径10μmを超え20μm以下の粒子の割合が10〜45体積%、(d5)粒径20μmを超え50μm以下の粒子の割合が0〜30体積%、及び(d6)粒径50μmを超える粒子の割合が0〜20体積%である粒度分布を有することが好ましく、(d1)粒径1.5μm以下の粒子の割合が15〜40体積%、(d2)粒径1.5μmを超え5μm以下の粒子の割合が6〜27体積%、(d3)粒径5μmを超え10μm以下の粒子の割合が6〜27体積%、(d4)粒径10μmを超え20μm以下の粒子の割合が13〜42体積%、(d5)粒径20μmを超え50μm以下の粒子の割合が0〜28体積%、及び(d6)粒径50μmを超える粒子の割合が0〜19体積%である粒度分布を有することがより好ましい。
さらに、粒径10μm以下の粒子の割合(x)と、粒径10μmを超える粒子の割合(y)との比率(x/y)が、0.4〜2.4であることが好ましく、0.5〜1.4であることがより好ましい。
上記(D)シリカの粒度分布は、用いるシリカの平均粒子径及び含有量を適宜調整することにより、上記範囲内とすることができる。
なお、上記(D)シリカの粒度分布は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、MC−3000、マルバーン社製)により測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
(D)シリカの形状は特に制限されないが、球状であることが好ましい。また、(D)シリカの平均粒子径は、流動性付与の観点から、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは0.2〜25μmであり、更に好ましくは0.3〜20μmである。
上記(D)シリカの平均粒子径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置等を用いて、レーザ回折法による50%平均粒径(D50)を算出することにより求めることができる。
(D)シリカの比表面積は、好ましくは2.0〜5.25m/gであり、より好ましくは3.0〜5.0m/gである。(D)シリカの比表面積が2.0m/g以上であるとバリの発生を少なくすることができ、5.25m/g以下であると流動性を良好にすることができる。
上記(D)シリカの比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素吸着によるBET 1点法により測定することができる。
(D)シリカの含有量は、封止用樹脂組成物全量に対し、好ましくは75〜95質量%であり、より好ましくは80〜90質量%である。(D)シリカの含有量が75質量%以上であると寸法変化が少なく反りを小さくすることができ、95質量%以下であると流動性を良好にすることができる。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される難燃剤、カーボンブラック、有機染料、酸化チタン、ベンガラ等の着色剤、離型剤、カップリング剤等を必要に応じて配合することができる。
本実施形態の封止用樹脂組成物中、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)シリカの含有量は、好ましくは80〜100質量%であり、より好ましくは85〜99.8質量%であり、さらに好ましくは90〜99.8質量%である。
本実施形態の封止用樹脂組成物の最低溶融粘度は、好ましくは18Pa・s以下であり、より好ましくは16Pa・s以下であり、更に好ましくは15Pa・s以下である。
上記最低溶融粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、基板と、該基板上に搭載された半導体素子と、該半導体素子を封止してなる上述の半導体封止用樹脂組成物の硬化物と、を有する。また、上記半導体装置は、上記半導体素子の表面上に形成された配線と、上記基板に形成された外部用接続端子とを備える。
基板としては、インターポーザなどの配線基板、リードフレーム、フレキシブルプリント基板等が挙げられる。
半導体素子としては、トランジスタ、集積回路、ダイオード、サイリスタ等が挙げられる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の半導体装置の製造方法は、上述の半導体封止用樹脂組成物を用いて基板上に搭載された半導体素子を封止する。
基板上に搭載された半導体素子を封止する方法としては、上記封止用樹脂組成物をタブレットとして用いる場合には、例えば、トランスファモールド、コンプレッションモールド等の成形方法が挙げられ、上記封止用樹脂組成物を粉体として用いる場合には、例えば、コンプレッションモールドを適用する成形方法が挙げられる。
成型温度は、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜220℃、更に好ましくは175〜200℃に設定される。また、成形時間は、好ましくは30〜600秒、より好ましくは45〜240秒、更に好ましくは60〜180秒に設定される。トランスファー圧力は、好ましくは2MPa以上、より好ましくは4MPa以上、更に好ましくは4〜6MPaに設定される。
上記封止用樹脂組成物を成形後にPMC(ポストモールドキュア)する場合の加熱温度は、特に限定されないが、例えば、150〜250℃であるのが好ましく、180〜220℃であるのがより好ましい。また、成形後にPMC(ポストモールドキュア)する場合の加熱時間は、特に限定されないが、例えば、0.5〜10時間であるのが好ましく、1〜5時間であるのがより好ましい。上記封止用樹脂組成物を成形後にPMC(ポストモールドキュア)する際の条件を上記範囲内に設定することにより、上記封止用樹脂組成物をより確実に硬化させることができる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜9及び比較例1、2)
表2に記載の種類及び配合量の各成分を二軸押し出し混練機で、混練温度100℃、混練時間5分の条件で混練し、封止用樹脂組成物を調製した。
なお、表2中、空欄は配合なしを表す。
封止用樹脂組成物の調製に使用した表2に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
〔(A)エポキシ樹脂〕
・YX−4000HK:ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:180、軟化点:107℃)
〔(B)フェノール樹脂〕
・MEH−7500:トリフェニルメタン型フェノール樹脂(商品名、明和化成(株)製、水酸基当量:95、軟化点:110℃)
・SN−485:アラルキル型フェノール樹脂(商品名、日鉄ケミカル&マテリアル(株)製、水酸基当量:205、軟化点:85℃)
〔(C)硬化促進剤〕
・2P4MHZ:イミダゾール化合物(商品名、四国化成(株)製)
〔(D)シリカ〕
(D)シリカとして、表1に示す粒度分布を有する(D1)〜(D9)の球状シリカは、表1に記載の各シリカを表1に記載の配合量で混合することにより調整した。
〔(D)シリカ以外のシリカ〕
(D)シリカ以外のシリカとして、表1に示す粒度分布を有する(X1)及び(X2)の球状シリカは、表1に記載の各シリカを表1に記載の配合量で混合することにより調整した。
なお、(D1)〜(D9)の球状シリカ、及び(X1)及び(X2)の球状シリカの調製に用いたシリカの詳細は以下のとおりである。
・FB-875FC(商品名、デンカ(株)製、平均粒子径24μm、比表面積4.5m/g)
・MSR-7030(商品名、(株)龍森製、平均粒子径19μm、比表面積2.0m/g)
・MSR-SF632(商品名、(株)龍森製、平均粒子径15μm、比表面積2.8m/g)
・SS-0090(商品名、Sibelco社製、平均粒子径10μm、比表面積1.2m/g)
・FB-1MDX(商品名、デンカ(株)製、平均粒子径2.2μm、比表面積11.0m/g)
・SP-30(商品名、日鉄ケミカル&マテリアルズ(株)製、平均粒子径1.8μm、比表面積9.0m/g)
・SC-2500SQ(商品名、(株)アドマテックス製、平均粒子径0.5μm、比表面積5.5m/g)
〔その他の成分〕
・シランカップリング剤:Y−9669(商品名、モメンティブ社製)
・着色剤:MA−100RMJ(カーボンブラック)(商品名、三菱ケミカル社製)
以下に示す測定条件により、実施例1〜9、及び比較例1、2で調製した封止用樹脂組成物の特性の測定、及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
[評価項目]
(1)(D)シリカの粒度分布
レーザ回折式粒度分布測定装置(MC−3000、マルバーン社製)を用いて、屈折率を1.457に設定し、シリカの粒度分布を測定した。
(2)最低溶融粘度
高化式フローテスタ((株)島津製作所製、CFT−500C)を用い、ノズル長1.0mm、ノズル径0.5mm、温度175℃、荷重圧力10kgf/cm(約0.98MPa)の条件で、封止用樹脂組成物の最低溶融粘度を測定した。
(3)最大流量応力
封止用樹脂組成物0.7gを用いて、直径18mmのタブレットを作製した。これをレオメーター(Thermo Fisher Sientific社製、機種名:HAAKE MARSIII)により、回転数制御測定、測定温度175℃、せん断速度0.01s−1から100s−1、測定時間10秒で封止用樹脂組成物の流動応力を測定した。
測定結果から、せん断速度1s−1から10s−1の範囲における流動応力の最大値を読み取った。
(4)ワイヤ流れ率(ワイヤ変形)
封止用樹脂組成物を用いて、金型温度175℃、硬化時間2分間、次いで金型温度175℃、硬化時間8時間の条件でFBGAパッケージ(50mm×50mm×0.54mm、チップ厚0.31mm)をトランスファ成形法で成形した後、X線検査装置((株)島津製作所製、SMX-1000 Plus)によりワイヤの変形を観察し、最大変形部のワイヤ流れ率(封止前のワイヤの位置と封止後のワイヤの位置との最大距離のワイヤの長さに対する比率(%))を測定した。
(5)耐リフロー性
封止用樹脂組成物を用いて、FBGAパッケージ(50mm×50mm×0.54mm、チップ厚0.31mm)を、トランスファ成形法で成形した後、得られた成形品に、175℃で、8時間の後硬化を行った後、30℃、相対湿度60%RH、192時間の吸湿処理を行った。その後、260℃の赤外線リフロー炉内で加熱し、冷却後、超音波探傷装置(日立建機ファインテック(株)製、商品名:FS300II)により、樹脂硬化物とフレームとの界面、及び樹脂硬化物と半導体チップとの界面における剥離の有無を調べ、剥離が発生した数(NG数)を計数した。
粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%以下である粒度分布を有する(D)シリカを含み、せん断速度1s−1から10s−1における最大流動応力が700Pa以下である実施例1〜9の封止用樹脂組成物は、いずれも最低溶融粘度が15.5Pa・s以下と低く、また、ワイヤ流れ率が10%以下と低いことから、半導体素子封止時のワイヤ変形を低減することができることがわかる。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤および(D)シリカを含有し、
    前記(D)シリカは、粒径1.5μm以下の粒子の割合が46体積%以下である粒度分布を有し、
    レオメーターを用いて温度175℃の条件で測定した、せん断速度1s−1から10s−1における最大流動応力が700Pa以下である半導体封止用樹脂組成物。
  2. 前記(D)シリカが(d1)粒径1.5μm以下の粒子の割合が10〜46体積%、(d2)粒径1.5μmを超え5μm以下の粒子の割合が5〜30体積%、(d3)粒径5μmを超え10μm以下の粒子の割合が5〜30体積%、(d4)粒径10μmを超え20μm以下の粒子の割合が10〜45体積%、(d5)粒径20μmを超え50μm以下の粒子の割合が0〜30体積%、及び(d6)粒径50μmを超える粒子の割合が0〜20体積%である粒度分布を有する請求項1に記載の半導体封止用樹脂組成物。
  3. 前記(A)エポキシ樹脂の軟化点及び/又は前記(B)フェノール樹脂の軟化点が、120℃以下である請求項1又は2に記載の半導体封止用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物を用いて基板上に搭載された半導体素子を封止する半導体装置の製造方法。
  5. 基板と、該基板上に搭載された半導体素子と、該半導体素子を封止してなる請求項1〜3のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の硬化物と、を有する半導体装置。
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