JP2020117622A - 半導体封止用樹脂組成物、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形収縮率が小さく、半導体装置に適用した場合の反り量を低減することが可能な半導体封止用樹脂組成物、及び当該半導体封止用樹脂組成物を用いて封止された半導体装置を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、を含む半導体封止用樹脂組成物であって、前記(D)無機充填剤が(D1)球状シリカと、(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物とを含み、(D1)球状シリカと(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物との質量比〔(D2)/(D1)〕が1/99〜10/90であることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。A2M3O12・・・・(1)(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)【選択図】なし
Description
本発明は、半導体封止用樹脂組成物、及び半導体装置に関する。
近年、電子機器の高機能化の要求に伴い、半導体パッケージのさらなる薄型化、高密度化が進んでおり、半導体パッケージの熱膨張や反りが信頼性に及ぼす影響がより大きくなっている。よって、封止材に用いる樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数を低くして、半導体パッケージの熱膨張や反りを低減する検討が行われている。
ところで、最近の半導体パッケージでは、電子機器をより小型化及び薄型化するため、封止樹脂層の厚みが薄くなりつつある。このため、半導体素子の上部側に封止樹脂層が形成されているパッケージ形態において、反りが大きくなるおそれがあった。
また、半導体素子の薄型化が進むにつれて、半導体素子に対する反り、膨張等の熱応答挙動の影響が大きくなっている。これは一般的に基板等の熱膨張係数の方が半導体素子の熱膨張係数よりも大きいことに起因する。特に、半導体素子と基板とを接続するはんだバンプ等の接続部材には、半導体素子及び基板の熱応答挙動の相違に起因する応力が集中しやすく、場合によっては接合部に破断が生じることがある。
また、半導体素子の薄型化が進むにつれて、半導体素子に対する反り、膨張等の熱応答挙動の影響が大きくなっている。これは一般的に基板等の熱膨張係数の方が半導体素子の熱膨張係数よりも大きいことに起因する。特に、半導体素子と基板とを接続するはんだバンプ等の接続部材には、半導体素子及び基板の熱応答挙動の相違に起因する応力が集中しやすく、場合によっては接合部に破断が生じることがある。
従来、熱膨張係数を調整する等の目的で、半導体用封止材などの実装材料に用いる樹脂組成物にはフィラーとして無機粒子が配合されている。熱膨張係数が低く絶縁性に優れるため、フィラーとしてシリカ(SiO2)が用いられている。
ところで、負の熱膨張係数を有する無機材料が知られている。負の熱膨張係数を有する無機材料としては、β-ユークリプライト(LiAlSiO4)やタングステン酸ジルコニウム(ZrW2O8)からなる粒子が挙げられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、負の熱膨張係数を有する無機材料が知られている。負の熱膨張係数を有する無機材料としては、β-ユークリプライト(LiAlSiO4)やタングステン酸ジルコニウム(ZrW2O8)からなる粒子が挙げられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、半導体封止樹脂組成物に、フィラーとして無機粒子を多量に含有させても、半導体パッケージの熱膨張や反りの低減は十分なものではなかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、成形収縮率が小さく、半導体装置に適用した場合の反り量を低減することが可能な半導体封止用樹脂組成物、及び当該半導体封止用樹脂組成物を用いて封止された半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、無機充填材として、熱をかけると収縮する負の熱膨張係数を有する材料を特定の割合で含む半導体封止用樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本願開示は、以下に関する。
[1](A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、を含む半導体封止用樹脂組成物であって、
前記(D)無機充填剤が(D1)球状シリカと、(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物とを含み、(D1)球状シリカと(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物との質量比〔(D2)/(D1)〕が1/99〜10/90であることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)
[2]前記樹脂組成物全体に対する(D)無機充填剤の含有量が70〜95質量%であることを特徴とする上記[1]に記載の半導体封止用樹脂組成物。
[3]前記(D2)上記一般式(1)で表わされる化合物において、Aは4価の金属元素であり、Mは6価の金属元素、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の半導体封止用樹脂組成物。
[4]半導体素子を、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物で封止してなる半導体装置。
[1](A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、を含む半導体封止用樹脂組成物であって、
前記(D)無機充填剤が(D1)球状シリカと、(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物とを含み、(D1)球状シリカと(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物との質量比〔(D2)/(D1)〕が1/99〜10/90であることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)
[2]前記樹脂組成物全体に対する(D)無機充填剤の含有量が70〜95質量%であることを特徴とする上記[1]に記載の半導体封止用樹脂組成物。
[3]前記(D2)上記一般式(1)で表わされる化合物において、Aは4価の金属元素であり、Mは6価の金属元素、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の半導体封止用樹脂組成物。
[4]半導体素子を、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物で封止してなる半導体装置。
本発明によれば、成形収縮率が小さく、半導体装置に適用した場合の反り量を低減することが可能な半導体封止用樹脂組成物、及び当該半導体封止用樹脂組成物を用いて封止された半導体装置を提供することができる。
以下、本発明について、一実施形態を参照しながら詳細に説明する。
<半導体封止用樹脂組成物>
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう)は、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、を含む半導体封止用樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物全体に対する前記(D)無機充填剤の含有量が70〜95質量%であり、
前記(D)無機充填剤が(D1)球状シリカと(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物とを含むことを特徴とする。
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう)は、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、を含む半導体封止用樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物全体に対する前記(D)無機充填剤の含有量が70〜95質量%であり、
前記(D)無機充填剤が(D1)球状シリカと(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物とを含むことを特徴とする。
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)
本実施形態で用いられる(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、その分子量や分子構造等は特に限定されない。
(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの二量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等の、ナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)エポキシ樹脂としては、なかでも、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、特にビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。
(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの二量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等の、ナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)エポキシ樹脂としては、なかでも、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、特にビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。
本実施形態で用いられる(B)フェノール硬化剤は、主として成形性を高める作用を有する。(B)フェノール硬化剤は、上記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を一分子中に2個以上有する公知の硬化剤であれば、特に制限なく使用することができる。
(B)フェノール硬化剤としては、例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール類及び/又はナフトール類と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等とから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等の変性樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が挙げられる。さらに、上記フェノール樹脂の2種以上を共重合して得られるフェノール樹脂であってもよい。(B)フェノール硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)フェノール硬化剤としては、なかでもアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、特に、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂が好ましい。
(B)フェノール硬化剤としては、なかでもアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、特に、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂が好ましい。
(B)フェノール樹脂硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(B)フェノール樹脂硬化剤が有するフェノール性水酸基数(b)との比(a)/(b)(当量比)が0.1〜10となる範囲が好ましく、0.6〜2となる範囲がより好ましい。当量比が上記範囲内であると耐熱性、成形性、硬化物の電気特性等が向上する。
また、樹脂組成物中における(A)エポキシ樹脂及び(B)フェノール樹脂硬化剤の合計含有量は、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは6〜10質量%である。
本実施形態で用いられる(C)硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般に使用されているものであれば特に制限なく使用される。
(C)硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらのシクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のイミダゾール環を有するジアミノ−s−珪素含有トリアジン化合物等のイミダゾール化合物及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;これらの有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体等が挙げられる。(C)硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらのシクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のイミダゾール環を有するジアミノ−s−珪素含有トリアジン化合物等のイミダゾール化合物及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;これらの有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体等が挙げられる。(C)硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)硬化促進剤としては、なかでもイミダゾール系硬化促進剤が好ましく、特に上述したイミダゾール化合物を配合することで樹脂組成物の流動性が優れる。
(C)硬化促進剤の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)フェノール硬化剤の合計量100質量部に対して、通常0.2〜8.0質量部、好ましくは1.0〜5.0質量部の範囲である。(C)硬化促進剤の配合量が0.2質量部以上であると硬化性が向上し、8.0質量部以下であると樹脂組成物の流動性が向上し、未充填等の成形不具合の発生を抑制することができる。
本実施形態で用いられる(D)無機充填剤は、(D1)球状シリカおよび(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物を含む。
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。)
(D1)球状シリカは、半導体封止用樹脂組成物に一般に使用されている無機充填剤であれば特に限定されない。(D1)球状シリカの平均粒径は0.1〜30μmであることが好ましく、0.2〜20μmであることがより好ましい。平均粒径を0.1μm以上とすることにより成形性が良好となり、平均粒径を30μm以下とすることにより充填性が良好となる。
なお、本明細書において、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により求めることができ、同装置で測定された粒度分布において積算体積が50%になる粒径(d50)である。
なお、本明細書において、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により求めることができ、同装置で測定された粒度分布において積算体積が50%になる粒径(d50)である。
(D2)一般式(1)で表わされる化合物は、熱をかけると収縮する負の熱膨張係数を有する。(D)無機充填剤が、(D1)球状シリカとともに(D2)一般式(1)で表わされる化合物を含むことにより、本発明の効果を発揮することができる。
一般式(1)において、Aは遷移金属であり、好ましくは4価の金属元素であり、より好ましくはHf、Zr、Ti、さらに好ましくはZrである。
Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であり、好ましくは6価の金属元素、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましくはP及びSからなる群より選択される少なくとも1種である。Mの遷移金属としては、好ましくはW、Mo、Crである。
Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であり、好ましくは6価の金属元素、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましくはP及びSからなる群より選択される少なくとも1種である。Mの遷移金属としては、好ましくはW、Mo、Crである。
(D2)一般式(1)で表わされる化合物は、固相反応法や水熱合成法によって得ることができる。固相反応法の具体例は米国特許第5919720号明細書に、水熱合成法の具体例は中国特許出願公開第102433454号明細書に、各々記載されている。
(D2)一般式(1)で表わされる化合物の具体例としては、Hf2WP2O12、Hf2MoP2O12、Hf2SP2O12、Hf2SeP2O12、Zr2WP2O12、Zr2MoP2O12、Zr2SP2O12、Zr2SeP2O12等が挙げられる。なかでも、Zr2P2WO12、Zr2SP2O12が好ましく、Zr2SP2O12がより好ましい。
(D2)一般式(1)で表わされる化合物の平均粒径は、0.1〜5μmであることが好ましく、0.3〜2μmであることがより好ましい。平均粒径を0.1μm以上とすることにより樹脂組成物中に混合するときの作業性を確保することができ、5μm以下とすることにより樹脂組成物中に均一に分散するので十分な効果を得ることができる。
樹脂組成物全体に対する前記(D)無機充填剤の含有量は、好ましくは70〜95質量%、より好ましくは80〜92質量%、更に好ましくは85〜92質量%である。(D)無機充填剤の含有量が70質量%以上であると線膨張係数の増大が抑制され、本発明の効果を得ることができ、95質量%以下であると樹脂の溶融粘度の増大が抑制され、流動性及び成形性の低下を抑制することができる。
また、(D)無機充填剤中に含まれる(D1)球状シリカ及び(D2)一般式(1)で表わされる化合物の含有量は好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
さらに、(D1)球状シリカと(D2)一般式(1)で表わされる化合物との質量比〔(D2)/(D1)〕は1/99〜10/90であり、好ましくは1/99〜15/85、より好ましくは2/98〜10/90である。質量比〔(D2)/(D1)〕が1/99より小さいと成形後の収縮率(成形収縮率)が大きくなり、当該樹脂組成物を用いることで半導体装置の反りが大きくなるおそれがある。一方、質量比〔(D2)/(D1)〕が10/90より大きいと樹脂組成物が増粘し、混練することが困難となるおそれがある。
なお、(D)無機充填剤は、半導体封止用樹脂組成物に無機充填剤として一般に使用されている、結晶シリカ、微細合成シリカ、溶融シリカ粉末、アルミナ、水酸化アルミニウム等を混合してもよい。
(D)無機充填剤が、(D1)球状シリカ及び(D2)一般式(1)で表わされる化合物以外の無機充填剤を含む場合、その含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
(D)無機充填剤が、(D1)球状シリカ及び(D2)一般式(1)で表わされる化合物以外の無機充填剤を含む場合、その含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物は、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される難燃剤、カーボンブラック、有機染料、酸化チタン、ベンガラ等の着色剤、離型剤、カップリング剤等を必要に応じて配合することができる。
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物中、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)無機充填剤の含有量は、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物を調製するにあたっては、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、その他必要に応じて配合される各種成分をミキサー等によって十分に混合(ドライブレンド)した後、熱ロールやニーダ等の混練装置により溶融混練し、冷却後、適当な大きさに粉砕すればよい。
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物は、各種電気部品、又は半導体素子等の各種電子部品の、被覆、絶縁、封止等に用いることができる。半導体素子としては、トランジスタ、集積回路、ダイオード、サイリスタ等が例示される。
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物によって半導体素子等の電子部品を封止する方法としては、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法が用いられる。成形は、例えば、温度120〜200℃、圧力2〜20MPaで行うことができる。このような条件で半導体素子等の電子部品を成形封止することにより、耐リフロー性に優れ、かつ高温動作時の信頼性に優れた樹脂封止型の電子部品装置、半導体装置を得ることができる。
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物によって半導体素子等の電子部品を封止する方法としては、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法が用いられる。成形は、例えば、温度120〜200℃、圧力2〜20MPaで行うことができる。このような条件で半導体素子等の電子部品を成形封止することにより、耐リフロー性に優れ、かつ高温動作時の信頼性に優れた樹脂封止型の電子部品装置、半導体装置を得ることができる。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、半導体素子を、前述の半導体封止用樹脂組成物で封止してなる。具体的には、リードフレーム、テープキャリア、配線板、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本実施形態の半導体封止用樹脂組成物で封止した半導体装置が挙げられる。
本実施形態の半導体装置は、半導体素子を、前述の半導体封止用樹脂組成物で封止してなる。具体的には、リードフレーム、テープキャリア、配線板、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本実施形態の半導体封止用樹脂組成物で封止した半導体装置が挙げられる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(合成例1:Zr2P2WO12の合成)
目的生成物Zr2P2WO12の化学量論比(モル比)Zr:P:W=2:2:1になるように、二塩化酸化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)およびパラタングステン酸アンモニウム(5(NH4)2O・12WO3・5H2O)をそれぞれ秤量し、水に溶解して対応する溶液を調製した。得られる混合溶液中のZr:P:Wのモル比が2:2:1になるように、NH4H2PO4溶液とZrOCl2・8H2O溶液を撹拌しながら5(NH4)2O・12WO3・5H2O溶液に滴下して濁った混合溶液を得た。得られた混合溶液にHClとNH3・H2Oとを加えpHを9に調整し、均一になるまで3時間撹拌を続け、混合物を4時間静置した後、上清を除去し、沈殿物を120℃で5時間乾燥させた。さらに、900℃で6時間焼結した後、粉砕して平均粒子径0.5μmのZr2P2WO12の粉末を得た。
目的生成物Zr2P2WO12の化学量論比(モル比)Zr:P:W=2:2:1になるように、二塩化酸化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)およびパラタングステン酸アンモニウム(5(NH4)2O・12WO3・5H2O)をそれぞれ秤量し、水に溶解して対応する溶液を調製した。得られる混合溶液中のZr:P:Wのモル比が2:2:1になるように、NH4H2PO4溶液とZrOCl2・8H2O溶液を撹拌しながら5(NH4)2O・12WO3・5H2O溶液に滴下して濁った混合溶液を得た。得られた混合溶液にHClとNH3・H2Oとを加えpHを9に調整し、均一になるまで3時間撹拌を続け、混合物を4時間静置した後、上清を除去し、沈殿物を120℃で5時間乾燥させた。さらに、900℃で6時間焼結した後、粉砕して平均粒子径0.5μmのZr2P2WO12の粉末を得た。
(合成例2:Zr2SP2O12の合成)
目的生成物Zr2SP2O12の化学量論比(モル比)Zr:P:S=2:2:1になるように、二塩化酸化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)および硫酸(H2SO4)をそれぞれ秤量し、水に溶解して対応する溶液を調製した以外は、合成例1と同様にして平均粒子径0.5μmのZr2SP2O12の粉末を得た。
目的生成物Zr2SP2O12の化学量論比(モル比)Zr:P:S=2:2:1になるように、二塩化酸化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)および硫酸(H2SO4)をそれぞれ秤量し、水に溶解して対応する溶液を調製した以外は、合成例1と同様にして平均粒子径0.5μmのZr2SP2O12の粉末を得た。
(実施例1〜4、比較例1、2)
表1に記載の種類及び配合量の各成分を常温(23℃)でミキサーを用いて混合し、80〜110℃で加熱混練し、冷却後、粉砕して半導体封止用樹脂組成物を調製した。
なお、表1中、空欄は配合なしを表す。
表1に記載の種類及び配合量の各成分を常温(23℃)でミキサーを用いて混合し、80〜110℃で加熱混練し、冷却後、粉砕して半導体封止用樹脂組成物を調製した。
なお、表1中、空欄は配合なしを表す。
半導体封止用樹脂組成物の調製に使用した表1に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
・(A)エポキシ樹脂:YX−4000H(商品名、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:193)
・(B)フェノール硬化剤:BRG−556(商品名、昭和電工(株)製、水酸基当量:104)
・(C)硬化促進剤:2P4MHZ(イミダゾール化合物)(商品名、四国化成工業(株)製)
・(B)フェノール硬化剤:BRG−556(商品名、昭和電工(株)製、水酸基当量:104)
・(C)硬化促進剤:2P4MHZ(イミダゾール化合物)(商品名、四国化成工業(株)製)
(D)無機充填剤
・(D1)球状シリカ1:FB−510FC(商品名、デンカ(株)製;平均粒径8μmの球状シリカ)
・(D1)球状シリカ2:SC−2500SQ(商品名、(株)アドマテックス製;平均粒径0.5μmの球状シリカ粉末)
・(D2)化合物1:合成例1で合成したZr2P2WO12
・(D2)化合物2:合成例2で合成したZr2SP2O12
・(D1)球状シリカ1:FB−510FC(商品名、デンカ(株)製;平均粒径8μmの球状シリカ)
・(D1)球状シリカ2:SC−2500SQ(商品名、(株)アドマテックス製;平均粒径0.5μmの球状シリカ粉末)
・(D2)化合物1:合成例1で合成したZr2P2WO12
・(D2)化合物2:合成例2で合成したZr2SP2O12
(その他の成分)
・カップリング剤:Y−9669(商品名、(株)NCU製)
・着色剤:MA−100(商品名、三菱ケミカル(株)製)
・離型剤:カルナバワックス(商品名、(株)セラリカNODA製)
・カップリング剤:Y−9669(商品名、(株)NCU製)
・着色剤:MA−100(商品名、三菱ケミカル(株)製)
・離型剤:カルナバワックス(商品名、(株)セラリカNODA製)
以下に示す測定条件により、実施例1〜4、及び比較例1、2で調製した半導体封用樹脂組成物の特性の測定、及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
[評価項目]
(1)スパイラルフロー
得られた樹脂組成物を、成形温度175℃、成形圧力6.9MPaでトランスファー成形することでスパイラルフローを測定した。
(1)スパイラルフロー
得られた樹脂組成物を、成形温度175℃、成形圧力6.9MPaでトランスファー成形することでスパイラルフローを測定した。
(2)ゲルタイム
175℃に保持された熱板上で、得られた樹脂組成物を直径4〜5cmの円状に広げ、一定速度で練り合わせた際に、当該樹脂組成物が増粘し、最終的に粘りのなくなった時間を測定した。
175℃に保持された熱板上で、得られた樹脂組成物を直径4〜5cmの円状に広げ、一定速度で練り合わせた際に、当該樹脂組成物が増粘し、最終的に粘りのなくなった時間を測定した。
(3)粘度
得られた樹脂組成物の粘度を、JIS K 7210:1999に準じて、高化式フローテスター((株)島津製作所製、製品名:CFT−500C)により測定した。
得られた樹脂組成物の粘度を、JIS K 7210:1999に準じて、高化式フローテスター((株)島津製作所製、製品名:CFT−500C)により測定した。
(4)ガラス転移温度
得られた樹脂組成物を3mm×3mm×17mmの金型内に注形した後、トランスファー成形機により、金型温度175℃、成形圧力4MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、更に、温度175℃で8時間後硬化させ、試験片(3mm×3mm×17mm)を作製した。得られた試験片を用いて、熱分析装置(セイコーインスツル(株)製、製品名:TMA/SS150)において、昇温速度5℃/min、荷重98mNの条件で測定した。
得られたTMA曲線の60℃および260℃での熱膨張係数をそれぞれα1、α2、また60℃および260℃でのTMA曲線と接線の交点温度を読み取り、この温度をガラス転位温度(Tg)とした。
得られた樹脂組成物を3mm×3mm×17mmの金型内に注形した後、トランスファー成形機により、金型温度175℃、成形圧力4MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、更に、温度175℃で8時間後硬化させ、試験片(3mm×3mm×17mm)を作製した。得られた試験片を用いて、熱分析装置(セイコーインスツル(株)製、製品名:TMA/SS150)において、昇温速度5℃/min、荷重98mNの条件で測定した。
得られたTMA曲線の60℃および260℃での熱膨張係数をそれぞれα1、α2、また60℃および260℃でのTMA曲線と接線の交点温度を読み取り、この温度をガラス転位温度(Tg)とした。
(5)成形収縮率
JIS K 6911:2006に準じて、下記式により成形収縮率(%)を求めた。
成形収縮率(%)=((D−d)/D)×100
式中、D:金型のキャビティの長さ(mm)、d:試験片の長さ(mm)である。
JIS K 6911:2006に準じて、下記式により成形収縮率(%)を求めた。
成形収縮率(%)=((D−d)/D)×100
式中、D:金型のキャビティの長さ(mm)、d:試験片の長さ(mm)である。
(6)パッケージ反り
温度175℃、圧力6.9MPaの条件で、マルチプランジャ型成形装置を使用してトランスファー成形した後、温度175℃で8時間の条件で後硬化を行って、1mm×1mm×0.25mmのチップを基板上にペーストで固定したものに成形し、半導体装置(外形:14mm×14mm×1.1mm)を作製した。この半導体装置の反りを、レーザー変位計(アクロメトリックス社製、製品名:サーモレイPS200)を用いて測定し、試料数20のうち最大値をパッケージ反りの値とした。
温度175℃、圧力6.9MPaの条件で、マルチプランジャ型成形装置を使用してトランスファー成形した後、温度175℃で8時間の条件で後硬化を行って、1mm×1mm×0.25mmのチップを基板上にペーストで固定したものに成形し、半導体装置(外形:14mm×14mm×1.1mm)を作製した。この半導体装置の反りを、レーザー変位計(アクロメトリックス社製、製品名:サーモレイPS200)を用いて測定し、試料数20のうち最大値をパッケージ反りの値とした。
(D2)一般式(1)で表わされる化合物を含む半導体封止用樹脂組成物を用いた実施例1〜4は、(D2)一般式(1)で表わされる化合物を含まない半導体封止用樹脂組成物を用いた比較例1よりも成形収縮率及びパッケージ反りが小さいことがわかる。
Claims (4)
- (A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、を含む半導体封止用樹脂組成物であって、
前記(D)無機充填剤が(D1)球状シリカと、(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物とを含み、(D1)球状シリカと(D2)下記一般式(1)で表わされる化合物との質量比〔(D2)/(D1)〕が1/99〜10/90であることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
A2M3O12・・・・(1)
(ここで、Aは遷移金属であり、Mは遷移金属、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種である。) - 前記樹脂組成物全体に対する(D)無機充填剤の含有量が70〜95質量%であることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用樹脂組成物。
- 前記(D2)上記一般式(1)で表わされる化合物において、Aは4価の金属元素であり、Mは6価の金属元素、P、S、Se、Al、Ga、In及びNからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体封止用樹脂組成物。
- 半導体素子を、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物で封止してなる半導体装置。
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JP2019009636A JP2020117622A (ja) | 2019-01-23 | 2019-01-23 | 半導体封止用樹脂組成物、及び半導体装置 |
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JP2020121895A (ja) * | 2019-01-29 | 2020-08-13 | 日産化学株式会社 | β−リン酸硫酸ジルコニウム粒子およびその製造方法 |
-
2019
- 2019-01-23 JP JP2019009636A patent/JP2020117622A/ja active Pending
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