JPH06206983A - 電子機器用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
電子機器用エポキシ樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH06206983A JPH06206983A JP237593A JP237593A JPH06206983A JP H06206983 A JPH06206983 A JP H06206983A JP 237593 A JP237593 A JP 237593A JP 237593 A JP237593 A JP 237593A JP H06206983 A JPH06206983 A JP H06206983A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- phenol
- resin composition
- curing agent
- molecular weight
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- Pending
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- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 半導体デバイスとパッケージの線膨脹率の違
いによって生ずる種々の問題を改善し、半導体の信頼性
を向上させることが可能な封止材料用のエポキシ樹脂組
成物を提供する。 【構成】 封止材料用エポキシ樹脂の硬化剤としてこれ
まで用いられてきたフェノールノボラックは、その分子
量分布が広いため溶融粘度が大きい。このため半導体デ
バイスの封止に用いた場合、硬化物の線膨脹率の低減に
は限界があった。よって、硬化剤としてビフェニール骨
格を有するポリフェノール類を用いることにより、半導
体封止材料に要求される諸物性を損なうことなく、硬化
物の線膨脹率を大幅に低減した。
いによって生ずる種々の問題を改善し、半導体の信頼性
を向上させることが可能な封止材料用のエポキシ樹脂組
成物を提供する。 【構成】 封止材料用エポキシ樹脂の硬化剤としてこれ
まで用いられてきたフェノールノボラックは、その分子
量分布が広いため溶融粘度が大きい。このため半導体デ
バイスの封止に用いた場合、硬化物の線膨脹率の低減に
は限界があった。よって、硬化剤としてビフェニール骨
格を有するポリフェノール類を用いることにより、半導
体封止材料に要求される諸物性を損なうことなく、硬化
物の線膨脹率を大幅に低減した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器に使用されるエ
ポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイス
の封止材料や積層板用のマトリックス材料などの用途に
有用な電子機器用エポキシ樹脂組成物に関する。
ポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイス
の封止材料や積層板用のマトリックス材料などの用途に
有用な電子機器用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂の硬化剤には酸無水
物、ダイマー酸、脂肪族アミン、芳香族アミンおよびノ
ボラック型フェノール樹脂等が用いられてきた。特に、
半導体デバイスの封止用途には耐湿性に優れたフェノー
ルノボラックが硬化剤として多用されている。硬化反応
において、フェノールノボラックのフェノール性水酸基
は、エポキシ基と開環を伴う重付加反応をし、三次元架
橋構造をもつ硬化物が得られる。
物、ダイマー酸、脂肪族アミン、芳香族アミンおよびノ
ボラック型フェノール樹脂等が用いられてきた。特に、
半導体デバイスの封止用途には耐湿性に優れたフェノー
ルノボラックが硬化剤として多用されている。硬化反応
において、フェノールノボラックのフェノール性水酸基
は、エポキシ基と開環を伴う重付加反応をし、三次元架
橋構造をもつ硬化物が得られる。
【0003】フェノールノボラックは酸性触媒存在下に
フェノールとホルムアルデヒドを付加縮合させることで
合成される。また、まれには、アルカリ触媒存在下にフ
ェノールとホルムアルデヒドのメチロール化反応を先行
させるという予備重合を行った後、酸触媒存在下に縮合
を行うという二段重合が用いられることもある。しか
し、フェノールが3官能性であるためにフェノールノボ
ラックの分子量分布は広くならざるを得ないことは公知
の事実である。すなわち、重合の進行に伴って、高分子
量の分子種は幾何級数的に官能基数が増大する結果、分
子量の大きい分子種ほど分子量の増大が早く、最終的に
はゲルを生じる。この点に関し重合手法から分子量分布
を改善する試みがなされているが、いまだ抜本的な解決
法は見いだされていない。
フェノールとホルムアルデヒドを付加縮合させることで
合成される。また、まれには、アルカリ触媒存在下にフ
ェノールとホルムアルデヒドのメチロール化反応を先行
させるという予備重合を行った後、酸触媒存在下に縮合
を行うという二段重合が用いられることもある。しか
し、フェノールが3官能性であるためにフェノールノボ
ラックの分子量分布は広くならざるを得ないことは公知
の事実である。すなわち、重合の進行に伴って、高分子
量の分子種は幾何級数的に官能基数が増大する結果、分
子量の大きい分子種ほど分子量の増大が早く、最終的に
はゲルを生じる。この点に関し重合手法から分子量分布
を改善する試みがなされているが、いまだ抜本的な解決
法は見いだされていない。
【0004】フェノールノボラックの平均分子量、分子
量分布および分子量構造に代表される特性は、樹脂骨格
に組み込まれたメチレン基とフェノール核のモル比(以
下F/Pと略す)によって決定される。F/Pは重合を
行うにあたって仕込まれるフェノールに対するホルムア
ルデヒドのモル比に影響されるが、この値と一致するも
のではない。重合にあたって、仕込まれるホルムアルデ
ヒドのモル量から重合終了時の未反応ホルムアルデヒド
のモル量を差し引いた値(以下Xと略す)を、仕込まれ
るフェノールのモル量から重合終了時の未反応フェノー
ル量のモル量を差し引いた値(以下Yと略す)で除した
値、すなわちX/Yが一般的なフェノールノボラックで
はF/Pにほぼ一致する。X/Yが完全にF/Pに一致
するには、消費されたすべてのホルムアルデヒドが、樹
脂骨格のメチレン基にすべて変換されるという前提が必
要であるが、汎用のフェノールノボラックでは両者の間
に若干の差が生じ、X/Yの値がF/Pの値を若干上回
る。これは、消費されたホルムアルデヒドがホルマール
基やオキシメチレン結合をもつオリゴマー等の不純物と
して残存するためである。これら不純物は、電子デバイ
スの封止時や表面実装時の熱により容易に酸化され有機
酸を生成し、デバイス上のアルミニウム配線を腐食する
という問題が生ずる。
量分布および分子量構造に代表される特性は、樹脂骨格
に組み込まれたメチレン基とフェノール核のモル比(以
下F/Pと略す)によって決定される。F/Pは重合を
行うにあたって仕込まれるフェノールに対するホルムア
ルデヒドのモル比に影響されるが、この値と一致するも
のではない。重合にあたって、仕込まれるホルムアルデ
ヒドのモル量から重合終了時の未反応ホルムアルデヒド
のモル量を差し引いた値(以下Xと略す)を、仕込まれ
るフェノールのモル量から重合終了時の未反応フェノー
ル量のモル量を差し引いた値(以下Yと略す)で除した
値、すなわちX/Yが一般的なフェノールノボラックで
はF/Pにほぼ一致する。X/Yが完全にF/Pに一致
するには、消費されたすべてのホルムアルデヒドが、樹
脂骨格のメチレン基にすべて変換されるという前提が必
要であるが、汎用のフェノールノボラックでは両者の間
に若干の差が生じ、X/Yの値がF/Pの値を若干上回
る。これは、消費されたホルムアルデヒドがホルマール
基やオキシメチレン結合をもつオリゴマー等の不純物と
して残存するためである。これら不純物は、電子デバイ
スの封止時や表面実装時の熱により容易に酸化され有機
酸を生成し、デバイス上のアルミニウム配線を腐食する
という問題が生ずる。
【0005】F/Pが低い場合には、図2に示すような
2核体をはじめとする低分子の分子種が主成分である。
F/Pが大きくなるにつれて高分子成分が増大し、分子
量分布は広くなっていく。F/Pが一定値を越えると、
ミクロゲルの発生、さらには樹脂全体のゲル化へと進行
する。フローリーのゲル化理論では、ゲル化にいたるF
/Pの理論値は0.7であるが、実際にはこの値以下に
おいても樹脂中にミクロゲルが発生する場合もある。エ
ポキシ樹脂の硬化剤として用いられるフェノールノボラ
ックのF/Pは、0.3〜0.6前後である。ゲルが発生
しないようにフェノールとホルムアルデヒドの仕込みモ
ル比をコントロールして得られるフェノールノボラック
樹脂は、10重量%前後またはそれ以上のの2核体を含
みつつ分子量が10000を越える分子種が存在する。
加えて、分子量分布が広い結果、数平均重合度は低いが
溶融粘度が高いということがフェノールノボラックの欠
点である。これらは、分子量分布が最確分布を示す2官
能性の熱可塑性樹脂と大きく異なる。
2核体をはじめとする低分子の分子種が主成分である。
F/Pが大きくなるにつれて高分子成分が増大し、分子
量分布は広くなっていく。F/Pが一定値を越えると、
ミクロゲルの発生、さらには樹脂全体のゲル化へと進行
する。フローリーのゲル化理論では、ゲル化にいたるF
/Pの理論値は0.7であるが、実際にはこの値以下に
おいても樹脂中にミクロゲルが発生する場合もある。エ
ポキシ樹脂の硬化剤として用いられるフェノールノボラ
ックのF/Pは、0.3〜0.6前後である。ゲルが発生
しないようにフェノールとホルムアルデヒドの仕込みモ
ル比をコントロールして得られるフェノールノボラック
樹脂は、10重量%前後またはそれ以上のの2核体を含
みつつ分子量が10000を越える分子種が存在する。
加えて、分子量分布が広い結果、数平均重合度は低いが
溶融粘度が高いということがフェノールノボラックの欠
点である。これらは、分子量分布が最確分布を示す2官
能性の熱可塑性樹脂と大きく異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体デバイス
の高集積化に伴うチップの大型化や表面実装法の採用に
より半導体パッケージに要求される性能もより高度にな
りつつある。その最大の課題はチップとパッケージの線
膨脹率の差により生ずる応力の低減である。半導体デバ
イスが搭載されたシリコンチップの線膨脹率は2.5×
10-6であるのに対して、これを封止するエポキシ樹脂
材料の線膨脹率は最近の低応力タイプのものにおいても
15×10-6前後である。両者の線膨脹率に差があるた
め、表面実装時に加わる熱履歴により、シリコンチップ
には圧縮応力が、封止樹脂材料には引張応力が加わる。
この結果、シリコンチップの破壊、またはその破壊に至
らないまでも、素子上に加わる応力がピエゾ効果を発現
し、デバイス特性の変動といった大きな問題が生ずる。
チップ側に限らず、パッケージにおいてもクラックの発
生やチップ樹脂間剥離といった、信頼性における重大な
問題が生ずる。また、フェノールノボラックを硬化剤に
用いる限り、上述した不純物から有機酸が生成すること
は避けられない。
の高集積化に伴うチップの大型化や表面実装法の採用に
より半導体パッケージに要求される性能もより高度にな
りつつある。その最大の課題はチップとパッケージの線
膨脹率の差により生ずる応力の低減である。半導体デバ
イスが搭載されたシリコンチップの線膨脹率は2.5×
10-6であるのに対して、これを封止するエポキシ樹脂
材料の線膨脹率は最近の低応力タイプのものにおいても
15×10-6前後である。両者の線膨脹率に差があるた
め、表面実装時に加わる熱履歴により、シリコンチップ
には圧縮応力が、封止樹脂材料には引張応力が加わる。
この結果、シリコンチップの破壊、またはその破壊に至
らないまでも、素子上に加わる応力がピエゾ効果を発現
し、デバイス特性の変動といった大きな問題が生ずる。
チップ側に限らず、パッケージにおいてもクラックの発
生やチップ樹脂間剥離といった、信頼性における重大な
問題が生ずる。また、フェノールノボラックを硬化剤に
用いる限り、上述した不純物から有機酸が生成すること
は避けられない。
【0007】樹脂の線膨脹率は樹脂の分子構造と相関が
ある。フェノールノボラックではフェノール骨格の間に
柔軟な分子構造であるメチレン結合が存在する。このメ
チレン結合の存在が、分子運動の自由度が大きくし、硬
化物の線膨脹率を増大させる。また、半導体封止用エポ
キシモールディングコンパウンドに限れば、フィラーの
増量は、硬化物の線膨脹率を低下させる効果がある。し
かし、前述したようにフェノールノボラックは、広い分
子量分布を持つため、数平均分子量は低いが、その溶融
粘度は高い。したがって、単純にフィラー量を増大させ
ると、モールディングコンパウンドの溶融粘度が増大
し、半導体封止用途に適する範囲を越えてしまう。具体
的には、封止時においてシリコンチップとリードフレー
ムを結ぶワイヤーが破損するという問題や、デバイス表
面を損傷させるという問題が発生する。溶融粘度を下げ
るには、フェノールノボラックの分子量を低下させれば
よいが、この場合硬化物の架橋密度が低下し、封止材料
に要求される耐熱性が損なわれる。
ある。フェノールノボラックではフェノール骨格の間に
柔軟な分子構造であるメチレン結合が存在する。このメ
チレン結合の存在が、分子運動の自由度が大きくし、硬
化物の線膨脹率を増大させる。また、半導体封止用エポ
キシモールディングコンパウンドに限れば、フィラーの
増量は、硬化物の線膨脹率を低下させる効果がある。し
かし、前述したようにフェノールノボラックは、広い分
子量分布を持つため、数平均分子量は低いが、その溶融
粘度は高い。したがって、単純にフィラー量を増大させ
ると、モールディングコンパウンドの溶融粘度が増大
し、半導体封止用途に適する範囲を越えてしまう。具体
的には、封止時においてシリコンチップとリードフレー
ムを結ぶワイヤーが破損するという問題や、デバイス表
面を損傷させるという問題が発生する。溶融粘度を下げ
るには、フェノールノボラックの分子量を低下させれば
よいが、この場合硬化物の架橋密度が低下し、封止材料
に要求される耐熱性が損なわれる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電子機器用エポ
キシ樹脂組成物は、ビフェニール骨格を有するポリフェ
ノール類をエポキシ樹脂の硬化剤として含むことを特徴
とするものである。具体的には、図1の一般式に示され
るフェノール類を硬化剤に用いる。
キシ樹脂組成物は、ビフェニール骨格を有するポリフェ
ノール類をエポキシ樹脂の硬化剤として含むことを特徴
とするものである。具体的には、図1の一般式に示され
るフェノール類を硬化剤に用いる。
【0009】
【作用】エポキシ樹脂の硬化剤としてビフェニール骨格
を有するポリフェノール類を用いることによりエポキシ
モールディングコンパウンドのフィラー含有量を増加さ
せ、半導体パッケージの線膨脹率を従来のモールディン
グコンパウンドに比べて大幅に低下させることが可能と
なり、半導体の信頼性の向上をもたらす。具体的には、
シリコンチップの割れ、デバイス表面の損傷やパッケー
ジクラックの防止が可能となる。また、本発明の硬化剤
は、実質的に有機酸の遊離がなく、この点においても、
半導体の信頼性を向上させる。
を有するポリフェノール類を用いることによりエポキシ
モールディングコンパウンドのフィラー含有量を増加さ
せ、半導体パッケージの線膨脹率を従来のモールディン
グコンパウンドに比べて大幅に低下させることが可能と
なり、半導体の信頼性の向上をもたらす。具体的には、
シリコンチップの割れ、デバイス表面の損傷やパッケー
ジクラックの防止が可能となる。また、本発明の硬化剤
は、実質的に有機酸の遊離がなく、この点においても、
半導体の信頼性を向上させる。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例および一比較例について述
べる。なお、他の実施例および比較例も以下に記述する
手法と同様に試作・評価を行った。
べる。なお、他の実施例および比較例も以下に記述する
手法と同様に試作・評価を行った。
【0011】本発明にかかるエポキシ樹脂の硬化剤であ
る、ビフェニール骨格を有するポリフェノールには、
4,4’−ジヒドロキシビフェニール(試薬特級)を用
いた。また、比較例に用いたフェノールノボラックは以
下に示す方法で合成した。
る、ビフェニール骨格を有するポリフェノールには、
4,4’−ジヒドロキシビフェニール(試薬特級)を用
いた。また、比較例に用いたフェノールノボラックは以
下に示す方法で合成した。
【0012】温度計、コンデンサー、滴下ロート、攪拌
器、およびマントルヒーターを取りつけた2リットルの
セパラブルフラスコに、フェノール940g、メチルイ
ソブチルケトン100g、およびシュウ酸3gを仕込
み、温度80℃に保ちつつフェノールを溶解する。温度
を80℃に保持しながら濃度37重量%のホルマリン水
溶液405gを1時間かけて滴下する。滴下終了後、還
流温度で12時間反応させる。反応終了後、未反応のホ
ルマリンを共沸蒸留により除去し、さらに減圧下にて1
80℃の温度でメチルイソブチルケトンと未反応のフェ
ノールを留去し、無色透明のフェノールノボラック樹脂
を得た。
器、およびマントルヒーターを取りつけた2リットルの
セパラブルフラスコに、フェノール940g、メチルイ
ソブチルケトン100g、およびシュウ酸3gを仕込
み、温度80℃に保ちつつフェノールを溶解する。温度
を80℃に保持しながら濃度37重量%のホルマリン水
溶液405gを1時間かけて滴下する。滴下終了後、還
流温度で12時間反応させる。反応終了後、未反応のホ
ルマリンを共沸蒸留により除去し、さらに減圧下にて1
80℃の温度でメチルイソブチルケトンと未反応のフェ
ノールを留去し、無色透明のフェノールノボラック樹脂
を得た。
【0013】エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(住友化学株式会社製「ESCN−19
5XL」)、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニール(実施例)または、前記した方法で合成したフ
ェノールノボラック樹脂(比較例)を用い、次の方法で
両者を熱硬化させて硬化物を得た。
型エポキシ樹脂(住友化学株式会社製「ESCN−19
5XL」)、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニール(実施例)または、前記した方法で合成したフ
ェノールノボラック樹脂(比較例)を用い、次の方法で
両者を熱硬化させて硬化物を得た。
【0014】表1に記述した組成でシリカ粉末、エポキ
シ樹脂、硬化剤および硬化促進剤としてトリフェニール
ホスフィンをミルで微粉砕しつつドライブレンドして、
粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得る。この粉末を錠剤成
型器で打錠しペレットにした。得られたペレットを、低
圧トランスファー成型して成型物を得た。
シ樹脂、硬化剤および硬化促進剤としてトリフェニール
ホスフィンをミルで微粉砕しつつドライブレンドして、
粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得る。この粉末を錠剤成
型器で打錠しペレットにした。得られたペレットを、低
圧トランスファー成型して成型物を得た。
【0015】
【表1】
【0016】4,4’−ジヒドロキシビフェニールまた
はフェノールノボラックを硬化剤に用いた各熱硬化性樹
脂組成物および各成型物について、次の評価を行い本発
明の効果を確認した。
はフェノールノボラックを硬化剤に用いた各熱硬化性樹
脂組成物および各成型物について、次の評価を行い本発
明の効果を確認した。
【0017】 (a)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 溶融粘度は高化式フローテスターを用いて測定した。方
法を以下に記述する。粉末状の熱硬化性樹脂組成物2g
を天秤で精秤し、錠剤成型器で直径10.3mmのペレ
ットに打錠する。このペレットをシリンダー温度175
℃、ノズル寸法1mmφ×10mm、荷重10kgの条
件にて測定を行った。溶融粘度は、フローカーブの最大
勾配から算出した。
法を以下に記述する。粉末状の熱硬化性樹脂組成物2g
を天秤で精秤し、錠剤成型器で直径10.3mmのペレ
ットに打錠する。このペレットをシリンダー温度175
℃、ノズル寸法1mmφ×10mm、荷重10kgの条
件にて測定を行った。溶融粘度は、フローカーブの最大
勾配から算出した。
【0018】(b)成型物の線膨脹係数測定 成型物のガラス転移点以前の線膨脹係数(以下α1と略
す)は、TMA法により測定した。
す)は、TMA法により測定した。
【0019】
【発明の効果】表1の実施例より、線膨脹率において従
来は不可能であった10×10-6を下回る成型物を得る
ことが可能となった。しかもその溶融粘度は、500po
ise以下であり、低圧トランスファー成型に要求される
上限をクリアしており、十分に実用に供することができ
る。フェノールノボラックを硬化剤に用いる従来モール
ディングコンパウンドでは、表1の比較例から明らかな
ように、10×10-6を下回ることができない。シリカ
含有量を増加させることで線膨脹率を10×10 -6以下
にすることも可能かもしれないが、比較例2より明らか
なように、その溶融粘度は1500poiseを越えてしま
い、半導体デバイスの封止用途に用いることはできな
い。
来は不可能であった10×10-6を下回る成型物を得る
ことが可能となった。しかもその溶融粘度は、500po
ise以下であり、低圧トランスファー成型に要求される
上限をクリアしており、十分に実用に供することができ
る。フェノールノボラックを硬化剤に用いる従来モール
ディングコンパウンドでは、表1の比較例から明らかな
ように、10×10-6を下回ることができない。シリカ
含有量を増加させることで線膨脹率を10×10 -6以下
にすることも可能かもしれないが、比較例2より明らか
なように、その溶融粘度は1500poiseを越えてしま
い、半導体デバイスの封止用途に用いることはできな
い。
【図1】本発明にかかるビフェニール骨格を有するポリ
フェノール類の一般式を示す図
フェノール類の一般式を示す図
【図2】フェノールノボラック樹脂に含まれるオリゴマ
ーの分子構造を示す図
ーの分子構造を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】エポキシ樹脂の硬化剤としてビフェニール
骨格を有するポリフェノール類を含有することを特徴と
する電子機器用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】硬化剤が4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ールである請求項1記載の電子機器用エポキシ樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP237593A JPH06206983A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 電子機器用エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP237593A JPH06206983A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 電子機器用エポキシ樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06206983A true JPH06206983A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11527509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP237593A Pending JPH06206983A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 電子機器用エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06206983A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011252086A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 樹脂成形体及びその製造方法、ならびに、電子部品装置 |
JP2012052090A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-03-15 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 機能性粒子およびその製造方法、充填剤、電子部品用樹脂組成物、電子部品および半導体装置 |
-
1993
- 1993-01-11 JP JP237593A patent/JPH06206983A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011252086A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 樹脂成形体及びその製造方法、ならびに、電子部品装置 |
JP2012052090A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-03-15 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 機能性粒子およびその製造方法、充填剤、電子部品用樹脂組成物、電子部品および半導体装置 |
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