JPH0680766A - 電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH0680766A JPH0680766A JP23561392A JP23561392A JPH0680766A JP H0680766 A JPH0680766 A JP H0680766A JP 23561392 A JP23561392 A JP 23561392A JP 23561392 A JP23561392 A JP 23561392A JP H0680766 A JPH0680766 A JP H0680766A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- group
- molecular weight
- resin composition
- melt viscosity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 信頼性の高い電子・電気用エポキシ樹脂組成
物を提供する。 【構成】 下記化学式 【化1】 (式中、R1 は、水素又は炭素の数が1〜8のアルキル
基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基又は異
なる基で、R2 は、水素又は炭素の数が1〜8のアルキ
ル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子から選ばれ
た同一の基又は異なる基であって、同一の芳香核に対す
るR2 の置換数は1以上である)で示されるナフタレン
骨格を有するポリフェノール類を、エポキシ樹脂の硬化
剤として含有するエポキシ樹脂組成物を構成する。ナフ
タレン骨格の疎水性等を利用して吸湿量を低減し,剛直
性を利用して溶融粘度を低減しながらフィラーの増量を
可能とし、線膨脹率をシリコンチップに近接させて熱応
力を低減する。
物を提供する。 【構成】 下記化学式 【化1】 (式中、R1 は、水素又は炭素の数が1〜8のアルキル
基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基又は異
なる基で、R2 は、水素又は炭素の数が1〜8のアルキ
ル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子から選ばれ
た同一の基又は異なる基であって、同一の芳香核に対す
るR2 の置換数は1以上である)で示されるナフタレン
骨格を有するポリフェノール類を、エポキシ樹脂の硬化
剤として含有するエポキシ樹脂組成物を構成する。ナフ
タレン骨格の疎水性等を利用して吸湿量を低減し,剛直
性を利用して溶融粘度を低減しながらフィラーの増量を
可能とし、線膨脹率をシリコンチップに近接させて熱応
力を低減する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子・電気機器用エポキ
シ樹脂組成物に係り、特に電子デバイスの封止材料や積
層基板用のマトリックス材料などに要求される特性の改
善対策に関する。
シ樹脂組成物に係り、特に電子デバイスの封止材料や積
層基板用のマトリックス材料などに要求される特性の改
善対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂の硬化剤には酸
無水物、ダイマー酸ポリアミド、脂肪族アミン、芳香族
アミンおよびノヴォラック型フェノール樹脂等が用いら
れてきた。特に、半導体デバイスの封止には、封止用途
に要求される各種性能のバランスに優れたフェノールノ
ヴォラック樹脂が多用されている。その場合、エポキシ
樹脂の硬化反応において、フェノールノヴォラック樹脂
のフェノール性水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基に
対し、図1に示す開環を伴う重付加反応を行い、3次元
架橋構造をもつ硬化物が得られる。
無水物、ダイマー酸ポリアミド、脂肪族アミン、芳香族
アミンおよびノヴォラック型フェノール樹脂等が用いら
れてきた。特に、半導体デバイスの封止には、封止用途
に要求される各種性能のバランスに優れたフェノールノ
ヴォラック樹脂が多用されている。その場合、エポキシ
樹脂の硬化反応において、フェノールノヴォラック樹脂
のフェノール性水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基に
対し、図1に示す開環を伴う重付加反応を行い、3次元
架橋構造をもつ硬化物が得られる。
【0003】このフェノールノヴォラック樹脂は酸性触
媒の存在下にフェノールとホルムアルデヒドを付加縮合
させることで合成される。また、まれにはアルカリ触媒
存在下にフェノールに対するホルムアルデヒドのメチロ
ール化反応を先行させるという予備重合を行った後、酸
性触媒の存在下に縮合を行うという二段重合が用いられ
ることもある(SRIレポート No.93 第81ペ
ージ (1976年3月))。
媒の存在下にフェノールとホルムアルデヒドを付加縮合
させることで合成される。また、まれにはアルカリ触媒
存在下にフェノールに対するホルムアルデヒドのメチロ
ール化反応を先行させるという予備重合を行った後、酸
性触媒の存在下に縮合を行うという二段重合が用いられ
ることもある(SRIレポート No.93 第81ペ
ージ (1976年3月))。
【0004】ところで、フェノールノヴォラック樹脂の
平均分子量、分子量分布および分子構造に代表される特
性は、樹脂骨格に組み込まれたフェノール核に対するメ
チレン基のモル比(以下F/Pと略す)によって大きく
影響される。F/Pが低い場合は、図2(a)〜(e)
に示すように、2核体をはじめとする低分子の分子種が
主成分である。すなわち、図2(a)は2核体の一般
式、同図(b)は2,2´−ジヒドロキシジフェニルメ
タン、同図(c)は3核体の一般式、同図(d)は4,
4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、同図(e)は
2,4´−ジヒドロキシフェニルメタンの構造をそれぞ
れ示す。
平均分子量、分子量分布および分子構造に代表される特
性は、樹脂骨格に組み込まれたフェノール核に対するメ
チレン基のモル比(以下F/Pと略す)によって大きく
影響される。F/Pが低い場合は、図2(a)〜(e)
に示すように、2核体をはじめとする低分子の分子種が
主成分である。すなわち、図2(a)は2核体の一般
式、同図(b)は2,2´−ジヒドロキシジフェニルメ
タン、同図(c)は3核体の一般式、同図(d)は4,
4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、同図(e)は
2,4´−ジヒドロキシフェニルメタンの構造をそれぞ
れ示す。
【0005】ここで、F/Pが大きくなるにつれて高分
子成分が増大し、分子量分布は広くなっていく。フェノ
ールが3官能性であるためにフェノールノヴォラック樹
脂の分子量分布は広くならざるをえないことは公知の事
実である。これは、重合の進行に伴って、高分子量の分
子種は幾何級数的に官能基数が増大する結果、分子量の
大きい分子種ほど分子量の増大が速いためである。
子成分が増大し、分子量分布は広くなっていく。フェノ
ールが3官能性であるためにフェノールノヴォラック樹
脂の分子量分布は広くならざるをえないことは公知の事
実である。これは、重合の進行に伴って、高分子量の分
子種は幾何級数的に官能基数が増大する結果、分子量の
大きい分子種ほど分子量の増大が速いためである。
【0006】一方、F/Pが一定値を越えると、ミクロ
ゲルの発生、さらには樹脂全体のゲル化へと進行する。
エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるフェノールノヴ
ォラック樹脂のF/Pは、0.5から0.7前後であ
る。ゲルが発生しないようにフェノールとホルムアルデ
ヒドの仕込みモル比をコントロールして得られるフェノ
ールノヴォラック樹脂は、10重量%前後またはそれ以
上の2核体を含みつつ分子量が1万を越える分子種が存
在する。加えて、分子量分布が広い結果、数平均重合度
は低いが溶融粘度が高いことがフェノールノヴォラック
樹脂の欠点である。
ゲルの発生、さらには樹脂全体のゲル化へと進行する。
エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるフェノールノヴ
ォラック樹脂のF/Pは、0.5から0.7前後であ
る。ゲルが発生しないようにフェノールとホルムアルデ
ヒドの仕込みモル比をコントロールして得られるフェノ
ールノヴォラック樹脂は、10重量%前後またはそれ以
上の2核体を含みつつ分子量が1万を越える分子種が存
在する。加えて、分子量分布が広い結果、数平均重合度
は低いが溶融粘度が高いことがフェノールノヴォラック
樹脂の欠点である。
【0007】すなわち、フェノールノヴォラック樹脂を
硬化材として使用する際には、強度を向上させようとす
ると分子量を増大しなければならないが、分子量を増大
させると、溶融粘度が高くなり過ぎるという2律背反が
存在する。
硬化材として使用する際には、強度を向上させようとす
ると分子量を増大しなければならないが、分子量を増大
させると、溶融粘度が高くなり過ぎるという2律背反が
存在する。
【0008】そこで、特開昭62−212410号公報
に開示されるごとく、フェノールノヴォラック樹脂中の
2核体含有量を低減ないし除去することにより、できる
限りフェノールノヴォラック樹脂の分子量の増大を抑制
しながら、溶融粘度の上昇をある程度抑制して、フェノ
ールノヴォラック樹脂が抱える2律背反を緩和しようと
するものは公知の技術である。
に開示されるごとく、フェノールノヴォラック樹脂中の
2核体含有量を低減ないし除去することにより、できる
限りフェノールノヴォラック樹脂の分子量の増大を抑制
しながら、溶融粘度の上昇をある程度抑制して、フェノ
ールノヴォラック樹脂が抱える2律背反を緩和しようと
するものは公知の技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子・電気
機器用エポキシ樹脂組成物、特にその代表的用途である
半導体パッケージに要求される機能については、近年、
半導体デバイスの高集積化に伴うチップの大型化及びそ
れに相反するパッケージの小型化、さらに表面実装法の
採用などにより、半導体パッケージに要求される性能も
より高度になりつつある。したがって、上述のような分
子量,溶融粘度,耐熱性等の2律背反に加え、下記のよ
うな信頼性についての課題がある。
機器用エポキシ樹脂組成物、特にその代表的用途である
半導体パッケージに要求される機能については、近年、
半導体デバイスの高集積化に伴うチップの大型化及びそ
れに相反するパッケージの小型化、さらに表面実装法の
採用などにより、半導体パッケージに要求される性能も
より高度になりつつある。したがって、上述のような分
子量,溶融粘度,耐熱性等の2律背反に加え、下記のよ
うな信頼性についての課題がある。
【0010】まず、第一の課題はチップとパッケージの
線膨脹率の差により生ずる応力の低減である。半導体デ
バイスが搭載されたシリコンチップの線膨脹率は2.5
×10-6/℃であるに対し、これを封止するエポキシ樹
脂材料の線膨脹率は最近の低応力タイプのものにおいて
も15×10-6/℃前後である。かかる線膨脹率の差が
あることから、環境温度が高温・低温間で変化する温度
サイクルや内部発熱による温度サイクルが加わると、シ
リコンチップやパッケージには引張または圧縮応力が作
用する。この結果、シリコンチップの破壊、或いは、破
壊に至らないまでも素子上に加わる応力がピエゾ効果を
発現し、デバイス特性の変動といった大きな問題が生ず
る。さらに、チップ側に限らず、パッケージにおいても
チップ−樹脂間剥離、チップ−リ−ド間やチップ−ダイ
パット間の剥離といった欠陥が発生する。そして、この
ような剥離が発生すると、剥離界面を介して外界雰囲気
の水分が侵入し、半導体デバイスの信頼性の悪化を招く
虞れがあった。
線膨脹率の差により生ずる応力の低減である。半導体デ
バイスが搭載されたシリコンチップの線膨脹率は2.5
×10-6/℃であるに対し、これを封止するエポキシ樹
脂材料の線膨脹率は最近の低応力タイプのものにおいて
も15×10-6/℃前後である。かかる線膨脹率の差が
あることから、環境温度が高温・低温間で変化する温度
サイクルや内部発熱による温度サイクルが加わると、シ
リコンチップやパッケージには引張または圧縮応力が作
用する。この結果、シリコンチップの破壊、或いは、破
壊に至らないまでも素子上に加わる応力がピエゾ効果を
発現し、デバイス特性の変動といった大きな問題が生ず
る。さらに、チップ側に限らず、パッケージにおいても
チップ−樹脂間剥離、チップ−リ−ド間やチップ−ダイ
パット間の剥離といった欠陥が発生する。そして、この
ような剥離が発生すると、剥離界面を介して外界雰囲気
の水分が侵入し、半導体デバイスの信頼性の悪化を招く
虞れがあった。
【0011】また、半導体パッケージにおける第2の課
題として、基板への表面実装法の採用によるパッケージ
に加わる熱衝撃の緩和があげられる。
題として、基板への表面実装法の採用によるパッケージ
に加わる熱衝撃の緩和があげられる。
【0012】すなわち、封止材料であるエポキシ樹脂組
成物が硬化する際、図1に示すように、エポキシ基1個
に対し2級アルコール性水酸基が1個生成する。樹脂材
料には種々の分子構造を持つものが存在するので、ある
程度の吸湿性を帯びることは避けられないが、エポキシ
樹脂硬化物の場合、この2級アルコール性水酸基の存在
が吸湿量をさらに増加させている。そして、表面実装時
に、半導体がパッケージごと高温のハンダ浴に浸漬され
る際に、樹脂中に含有された水分が、樹脂材料内部で急
激に蒸発・膨脹し、樹脂材料内部に大きな引張応力を発
生させ、ついにはパッケージクラックの発生や、チップ
表面の損傷を生ぜしめる虞れがあった。しかるに、フェ
ノールノヴォラック樹脂を用いる限り、この2級アルコ
ール性水酸基の低減には限界があり、吸湿量の低下を図
ることは困難である。
成物が硬化する際、図1に示すように、エポキシ基1個
に対し2級アルコール性水酸基が1個生成する。樹脂材
料には種々の分子構造を持つものが存在するので、ある
程度の吸湿性を帯びることは避けられないが、エポキシ
樹脂硬化物の場合、この2級アルコール性水酸基の存在
が吸湿量をさらに増加させている。そして、表面実装時
に、半導体がパッケージごと高温のハンダ浴に浸漬され
る際に、樹脂中に含有された水分が、樹脂材料内部で急
激に蒸発・膨脹し、樹脂材料内部に大きな引張応力を発
生させ、ついにはパッケージクラックの発生や、チップ
表面の損傷を生ぜしめる虞れがあった。しかるに、フェ
ノールノヴォラック樹脂を用いる限り、この2級アルコ
ール性水酸基の低減には限界があり、吸湿量の低下を図
ることは困難である。
【0013】一方、半導体封止用エポキシモールディン
グコンパウンドに限れば、フィラーの増量は、硬化物の
線膨脹率と吸湿量とを低下させる効果がある。しかし、
前述したように半導体封止用途に用いられるフェノール
ノヴォラック樹脂は、広い分子量分布を持つため数平均
分子量が低いが、その溶融粘度は高い。従って、単純に
フィラー量を増大させると、エポキシ樹脂組成物の溶融
粘度が益々増大し、半導体封止用途に適する範囲を越え
てしまう虞れがある。具体的には、封止時にワイヤー流
れや、半導体デバイス表面の損傷を生じさせるという問
題がある。
グコンパウンドに限れば、フィラーの増量は、硬化物の
線膨脹率と吸湿量とを低下させる効果がある。しかし、
前述したように半導体封止用途に用いられるフェノール
ノヴォラック樹脂は、広い分子量分布を持つため数平均
分子量が低いが、その溶融粘度は高い。従って、単純に
フィラー量を増大させると、エポキシ樹脂組成物の溶融
粘度が益々増大し、半導体封止用途に適する範囲を越え
てしまう虞れがある。具体的には、封止時にワイヤー流
れや、半導体デバイス表面の損傷を生じさせるという問
題がある。
【0014】ここで、上記従来の公報によるものでは、
上述のような2律背反を回避すべく、フェノールノヴォ
ラック樹脂中の2核体成分をほとんど実質的に存在しな
い位迄低減するものであるが、抜本的な解決策とはなっ
ていない。すなわち、数平均分子量Mnを低く押さえる
と、溶融粘度の上昇は抑えうるものの耐熱性が劣化し、
数平均分子量を高くすると、耐熱性は維持し得るものの
溶融粘度が上昇するという結果となっている(同公報中
の表1参照)。さらに、線膨張率の適合性や吸湿性の低
減については、ほとんど考慮されていない。
上述のような2律背反を回避すべく、フェノールノヴォ
ラック樹脂中の2核体成分をほとんど実質的に存在しな
い位迄低減するものであるが、抜本的な解決策とはなっ
ていない。すなわち、数平均分子量Mnを低く押さえる
と、溶融粘度の上昇は抑えうるものの耐熱性が劣化し、
数平均分子量を高くすると、耐熱性は維持し得るものの
溶融粘度が上昇するという結果となっている(同公報中
の表1参照)。さらに、線膨張率の適合性や吸湿性の低
減については、ほとんど考慮されていない。
【0015】本発明は、フェノールノヴォラック樹脂を
硬化剤に用いる従来のエポキシ樹脂組成物では、温度サ
イクルにより生ずる問題や、表面実装時に生ずる熱衝撃
の問題を解決できないことに鑑み、吸湿量が低く、かつ
低分子量で耐熱性を保持しながら、線膨張率の半導体チ
ップとの適合をも可能とする材料を硬化物として含有す
るエポキシ樹脂組成物を構成することにより、上述のよ
うな問題を解決し、もって、信頼性の向上を図ることに
ある。
硬化剤に用いる従来のエポキシ樹脂組成物では、温度サ
イクルにより生ずる問題や、表面実装時に生ずる熱衝撃
の問題を解決できないことに鑑み、吸湿量が低く、かつ
低分子量で耐熱性を保持しながら、線膨張率の半導体チ
ップとの適合をも可能とする材料を硬化物として含有す
るエポキシ樹脂組成物を構成することにより、上述のよ
うな問題を解決し、もって、信頼性の向上を図ることに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の講じた手段は、電子・電気機器用エポキシ樹脂
組成物として、下記化学式
本発明の講じた手段は、電子・電気機器用エポキシ樹脂
組成物として、下記化学式
【化2】 (式中、R1 は、水素又は炭素の数が1〜8のアルキル
基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基又は異
なる基であり、R2 は、水素又は炭素の数が1〜8のア
ルキル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子から選
ばれた同一の基又は異なる基であって、同一の芳香核に
対するR2 の置換数は1以上であり、K,L,M,N,
O,Pは、0<K≦25,0<L≦25,0<K+L≦
50、0≦O≦1,0≦P≦1,1≦O+P≦2、0≦
M≦2,0≦N≦2,1≦M+N≦4の範囲にある定数
である)で示されるナフタレン骨格を有するポリフェノ
ール類を、エポキシ樹脂の硬化剤として含有する構成と
したものである。
基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基又は異
なる基であり、R2 は、水素又は炭素の数が1〜8のア
ルキル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子から選
ばれた同一の基又は異なる基であって、同一の芳香核に
対するR2 の置換数は1以上であり、K,L,M,N,
O,Pは、0<K≦25,0<L≦25,0<K+L≦
50、0≦O≦1,0≦P≦1,1≦O+P≦2、0≦
M≦2,0≦N≦2,1≦M+N≦4の範囲にある定数
である)で示されるナフタレン骨格を有するポリフェノ
ール類を、エポキシ樹脂の硬化剤として含有する構成と
したものである。
【0017】ただし、繰り返し単位Aと繰り返し単位B
の配列は、アトランダム配列,ブロック配列,交互配列
等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
の配列は、アトランダム配列,ブロック配列,交互配列
等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】分子構造は、線状構造であっても、分岐構
造であってもよい。
造であってもよい。
【0019】ナフタレン骨格を結ぶ−(R1 )CH−基
は、同一の芳香環に結合していてもよいし、隣り合った
芳香環に結合していてもよい。
は、同一の芳香環に結合していてもよいし、隣り合った
芳香環に結合していてもよい。
【0020】
【作用】以上の構成により、本発明では、ナフタレン骨
格を有するポリフェノール類がエポキシ樹脂の硬化剤に
用いられるので、ナフタレン骨格の疎水性と、エポキシ
環の開環により生成する2級水酸基含有量の低減とによ
って、硬化物の吸湿量が低減される。
格を有するポリフェノール類がエポキシ樹脂の硬化剤に
用いられるので、ナフタレン骨格の疎水性と、エポキシ
環の開環により生成する2級水酸基含有量の低減とによ
って、硬化物の吸湿量が低減される。
【0021】また、剛直なナフタレン骨格の導入によ
り、硬化剤の分子量を低くおさえても耐熱性が保たれる
ので、エポキシモールディングコンパウンドのフィラー
含有量の増加が可能になる。すなわち、半導体パッケー
ジ封止材料に応用した場合、硬化剤の分子量を低く抑制
しながらフィラー含有量を増大することにより、溶融粘
度の増大を招くことなく、半導体パッケージの線膨脹率
をシリコンチップのそれに近付けることが可能になる。
したがって、シリコンチップの割れ、デバイス表面の損
傷やパッケージクラックの防止作用が顕著となり、半導
体の信頼性が向上することになる。
り、硬化剤の分子量を低くおさえても耐熱性が保たれる
ので、エポキシモールディングコンパウンドのフィラー
含有量の増加が可能になる。すなわち、半導体パッケー
ジ封止材料に応用した場合、硬化剤の分子量を低く抑制
しながらフィラー含有量を増大することにより、溶融粘
度の増大を招くことなく、半導体パッケージの線膨脹率
をシリコンチップのそれに近付けることが可能になる。
したがって、シリコンチップの割れ、デバイス表面の損
傷やパッケージクラックの防止作用が顕著となり、半導
体の信頼性が向上することになる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】本発明の効果を確認するため、下記の方法
で実施例のサンプルを作成した。なお、他の実施例や比
較例も下記と同様の方法で試作・評価を行った。
で実施例のサンプルを作成した。なお、他の実施例や比
較例も下記と同様の方法で試作・評価を行った。
【0024】(1)エポキシ樹脂の硬化剤 本発明にかかるエポキシ樹脂の硬化剤であるナフタレン
骨格を有するポリフェノールは、以下に示す方法で合成
した。温度計、コンデンサー、滴下ロート、攪拌器、お
よびマントルヒーターを取りつけた3リットルのセパラ
ブルフラスコに、ナフタレン640g、メチルイソブチ
ルケトン200g、およびシュウ酸20gを仕込み、温
度80℃に保ちつつナフタレンを溶解する。温度を80
℃に保持しながら濃度37重量%のホルマリン水溶液3
24gを1時間かけて滴下する。滴下終了後、還流温度
で8時間反応させる。この後、オルソクレゾール540
gを50℃に保温しつつ1時間かけて反応溶液に滴下
し、還流温度でさらに8時間反応させる。反応終了後、
未反応のホルマリンを共沸蒸留により除去し、さらに減
圧下にて180℃の温度でメチルイソブチルケトンと、
未反応のナフタレンおよびオルソクレゾールを留去し、
淡黄色透明のナフタレン骨格を有するポリフェノールを
得た。
骨格を有するポリフェノールは、以下に示す方法で合成
した。温度計、コンデンサー、滴下ロート、攪拌器、お
よびマントルヒーターを取りつけた3リットルのセパラ
ブルフラスコに、ナフタレン640g、メチルイソブチ
ルケトン200g、およびシュウ酸20gを仕込み、温
度80℃に保ちつつナフタレンを溶解する。温度を80
℃に保持しながら濃度37重量%のホルマリン水溶液3
24gを1時間かけて滴下する。滴下終了後、還流温度
で8時間反応させる。この後、オルソクレゾール540
gを50℃に保温しつつ1時間かけて反応溶液に滴下
し、還流温度でさらに8時間反応させる。反応終了後、
未反応のホルマリンを共沸蒸留により除去し、さらに減
圧下にて180℃の温度でメチルイソブチルケトンと、
未反応のナフタレンおよびオルソクレゾールを留去し、
淡黄色透明のナフタレン骨格を有するポリフェノールを
得た。
【0025】このポリフェノールの構造は、一般的に下
記化学式で表される。
記化学式で表される。
【0026】
【化3】 ただし、式中、R1 は、水素又は炭素の数が1〜8のア
ルキル基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基
又は異なる基であり、R2 は、水素又は炭素の数が1〜
8のアルキル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子
から選ばれた同一の基又は異なる基であって、同一の芳
香核に対するR2 の置換数は1以上であり、K,L,
M,N,O,Pは、0<K≦25,0<L≦25,0<
K+L≦50、0≦O≦1,0≦P≦1,1≦O+P≦
2、0≦M≦2,0≦N≦2,1≦M+N≦4の範囲に
ある定数である。
ルキル基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基
又は異なる基であり、R2 は、水素又は炭素の数が1〜
8のアルキル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子
から選ばれた同一の基又は異なる基であって、同一の芳
香核に対するR2 の置換数は1以上であり、K,L,
M,N,O,Pは、0<K≦25,0<L≦25,0<
K+L≦50、0≦O≦1,0≦P≦1,1≦O+P≦
2、0≦M≦2,0≦N≦2,1≦M+N≦4の範囲に
ある定数である。
【0027】また、繰り返し単位Aと繰り返し単位Bの
配列は、アトランダム配列,ブロック配列,交互配列等
が考えられるが、これらに限定されるものではない。
配列は、アトランダム配列,ブロック配列,交互配列等
が考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】分子構造は、線状構造であっても、分岐構
造であってもよい。
造であってもよい。
【0029】ナフタレン骨格を結ぶ−(R1 )CH−基
は、同一の芳香環に結合していてもよいし、隣り合った
芳香環に結合していてもよい。
は、同一の芳香環に結合していてもよいし、隣り合った
芳香環に結合していてもよい。
【0030】次に、比較例に用いたフェノールノヴォラ
ック樹脂は以下に示す方法で合成した。温度計、コンデ
ンサー、滴下ロート、攪拌器、およびマントルヒーター
を取りつけた2リットルのセパラブルフラスコに、フェ
ノール940g、メチルイソブチルケトン200g、お
よびシュウ酸3gを仕込み、温度80℃に保ちつつフェ
ノールを溶解する。温度を80℃に保持しながら濃度3
7重量%のホルマリン水溶液486gを1時間かけて滴
下する。滴下終了後、還流温度で12時間反応させる。
反応終了後、未反応のホルマリンを共沸蒸留により除去
し、さらに減圧下にて180℃の温度でメチルイソブチ
ルケトンと未反応のフェノールを留去し、無色透明のフ
ェノールノヴォラック樹脂を得た。
ック樹脂は以下に示す方法で合成した。温度計、コンデ
ンサー、滴下ロート、攪拌器、およびマントルヒーター
を取りつけた2リットルのセパラブルフラスコに、フェ
ノール940g、メチルイソブチルケトン200g、お
よびシュウ酸3gを仕込み、温度80℃に保ちつつフェ
ノールを溶解する。温度を80℃に保持しながら濃度3
7重量%のホルマリン水溶液486gを1時間かけて滴
下する。滴下終了後、還流温度で12時間反応させる。
反応終了後、未反応のホルマリンを共沸蒸留により除去
し、さらに減圧下にて180℃の温度でメチルイソブチ
ルケトンと未反応のフェノールを留去し、無色透明のフ
ェノールノヴォラック樹脂を得た。
【0031】(2)硬化 エポキシ樹脂としてクレゾールノヴォラック型エポキシ
樹脂(住友化学株式会社製「ESCN−195X
L」)、硬化剤として前述の方法で合成した上記化学式
で表されるナフタレン骨格を有するポリフェノール(実
施例)、またはフェノールノヴォラック樹脂(比較例)
を用い、次の方法で両者を熱硬化させて硬化物を得た。
樹脂(住友化学株式会社製「ESCN−195X
L」)、硬化剤として前述の方法で合成した上記化学式
で表されるナフタレン骨格を有するポリフェノール(実
施例)、またはフェノールノヴォラック樹脂(比較例)
を用い、次の方法で両者を熱硬化させて硬化物を得た。
【0032】後述の表1に示す組成でシリカ粉末、エポ
キシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤としてトリフェニー
ルホスフィンをミルで微粉砕しつつドライブレンドし
て、粉末状の配合物をえた。この配合物を温度120℃
にて、連続ニーダーで加熱混練し、混練後ミルで微粉砕
した。得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物を錠剤成形
器で打錠しタブレットにした。このタブレットを、金型
温度180℃、キュアタイム90秒で、低圧トランスフ
ァー成形し175℃で7時間ポストキュアを行い、成形
物を得た。
キシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤としてトリフェニー
ルホスフィンをミルで微粉砕しつつドライブレンドし
て、粉末状の配合物をえた。この配合物を温度120℃
にて、連続ニーダーで加熱混練し、混練後ミルで微粉砕
した。得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物を錠剤成形
器で打錠しタブレットにした。このタブレットを、金型
温度180℃、キュアタイム90秒で、低圧トランスフ
ァー成形し175℃で7時間ポストキュアを行い、成形
物を得た。
【0033】(3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 溶融粘度は、高化式フローテスターを用い、以下に記述
する方法で測定した。粉末状の熱硬化性樹脂組成物2g
を天秤で精秤し、錠剤成形器で直径10.3mmのペレ
ットに打錠する。このペレットをシリンダー温度175
℃、ノズル寸法1mmφx10mm、荷重10kgの条
件にて測定を行った。溶融粘度は、フローカーブの最大
勾配から算出した。
する方法で測定した。粉末状の熱硬化性樹脂組成物2g
を天秤で精秤し、錠剤成形器で直径10.3mmのペレ
ットに打錠する。このペレットをシリンダー温度175
℃、ノズル寸法1mmφx10mm、荷重10kgの条
件にて測定を行った。溶融粘度は、フローカーブの最大
勾配から算出した。
【0034】(4)成形物の線膨脹率測定 ガラス転移点以下の、成形物の線膨脹率(以下α1と略
す)は、TMA法により測定した。
す)は、TMA法により測定した。
【0035】(5)成形物の吸湿量測定 成形物から、長さ15mm、幅7mm、厚さ3mmの試
験片を切り出し、吸湿量を測定するサンプルに供した。
サンプルは、温度85℃、相対湿度85%の環境試験装
置内で168時間吸湿を行い、吸湿前後の重量増加率よ
り吸湿量を算出した。なお、サンプルは、吸湿前に、1
25℃のオーブンで15時間排湿処理を行った。
験片を切り出し、吸湿量を測定するサンプルに供した。
サンプルは、温度85℃、相対湿度85%の環境試験装
置内で168時間吸湿を行い、吸湿前後の重量増加率よ
り吸湿量を算出した。なお、サンプルは、吸湿前に、1
25℃のオーブンで15時間排湿処理を行った。
【0036】
【表1】 上記表1から明らかなように、線膨脹率については、本
発明の上記実施例ででは、シリカ粉末の充填量が多い場
合(実施例3)であっても、やや少ない場合(実施例
2)であっても、線膨脹率が10×10-6以下である。
これは従来のものでは到達しえなかった値である。それ
に対し、フェノールノヴォラック樹脂を硬化剤に用いる
従来のモールディングコンパウンド(比較例1及び2)
では、線膨脹率が10×10-6/℃以上となっている。
この点に付いては、シリカ含有量を増加させることによ
り、線膨脹率を低減することが可能かもしれないが、そ
うすると、溶融粘度が1500poise を越え、半導体デ
バイスの封止用に使用することができない。
発明の上記実施例ででは、シリカ粉末の充填量が多い場
合(実施例3)であっても、やや少ない場合(実施例
2)であっても、線膨脹率が10×10-6以下である。
これは従来のものでは到達しえなかった値である。それ
に対し、フェノールノヴォラック樹脂を硬化剤に用いる
従来のモールディングコンパウンド(比較例1及び2)
では、線膨脹率が10×10-6/℃以上となっている。
この点に付いては、シリカ含有量を増加させることによ
り、線膨脹率を低減することが可能かもしれないが、そ
うすると、溶融粘度が1500poise を越え、半導体デ
バイスの封止用に使用することができない。
【0037】また、溶融粘度については、実施例1〜3
では、いずれも溶融粘度が500poise 以下で、低圧ト
ランスファー成形に要求される上限をクリアしており、
十分に実用に供することができる。ただし、シリカ粉末
の添加量を少なくすると(実施例1)、溶融粘度は低下
するが、線膨脹率が10×10-6以上となるため、シリ
カ添加量は多い目が望ましい。一方、比較例2では、上
述のように、溶融粘度が1500poise 以上と高いので
問題があり、シリカの充填量が少ない比較例1では、溶
融粘度は450poise と低いが、線膨脹率が20×10
-6を越え、信頼性が悪化する。
では、いずれも溶融粘度が500poise 以下で、低圧ト
ランスファー成形に要求される上限をクリアしており、
十分に実用に供することができる。ただし、シリカ粉末
の添加量を少なくすると(実施例1)、溶融粘度は低下
するが、線膨脹率が10×10-6以上となるため、シリ
カ添加量は多い目が望ましい。一方、比較例2では、上
述のように、溶融粘度が1500poise 以上と高いので
問題があり、シリカの充填量が少ない比較例1では、溶
融粘度は450poise と低いが、線膨脹率が20×10
-6を越え、信頼性が悪化する。
【0038】さらに、吸湿量については、実施例1〜3
では、いずれも1200〜1500ppm 程度と2000
ppm よりも低いのに対し、比較例1及び2のフェノール
ノヴォラック樹脂を硬化剤として用いた場合、3000
ppm前後の水分を含有し、十分な信頼性を有しないこ
とがわかる。
では、いずれも1200〜1500ppm 程度と2000
ppm よりも低いのに対し、比較例1及び2のフェノール
ノヴォラック樹脂を硬化剤として用いた場合、3000
ppm前後の水分を含有し、十分な信頼性を有しないこ
とがわかる。
【0039】したがって、本発明の構成によるエポキシ
樹脂組成物では、吸湿量つまり吸湿量が低下する。これ
は、2つの要因によるものと考えられる。すなわち、ナ
フタレン骨格の疎水性がフェノール基のそれよりも大き
いことと、エポキシ基の開環により精製される2級アル
コール性水酸基含有量の低減効果とによるものであろ
う。
樹脂組成物では、吸湿量つまり吸湿量が低下する。これ
は、2つの要因によるものと考えられる。すなわち、ナ
フタレン骨格の疎水性がフェノール基のそれよりも大き
いことと、エポキシ基の開環により精製される2級アル
コール性水酸基含有量の低減効果とによるものであろ
う。
【0040】また、ナフタレン骨格はフェノール基より
も剛直性を有することから、分子量を小さくしても耐熱
性を高く維持することが可能である。したがって、フェ
ノールノヴォラック樹脂を硬化材として用いる場合のよ
うに、分子量を低下させると耐熱性が悪化するという問
題がなく、分子量を小さくして、溶融粘度を低く抑制す
ることが可能である。また、そのことから、溶融粘度を
低く維持しながら、エポキミモールディングコンパウン
ドのフィラー(上記実施例ではシリカ)の含有量を増大
させることができ、このフィラー含有量の増大によっ
て、半導体パッケージにおけるエポキシ樹脂とシリコン
チップとの線膨脹率差の低減が可能になり、従来、耐熱
性を維持しようとすると到達しえなかった10×10-6
以下という低い線膨張率を実現することができるのであ
る。
も剛直性を有することから、分子量を小さくしても耐熱
性を高く維持することが可能である。したがって、フェ
ノールノヴォラック樹脂を硬化材として用いる場合のよ
うに、分子量を低下させると耐熱性が悪化するという問
題がなく、分子量を小さくして、溶融粘度を低く抑制す
ることが可能である。また、そのことから、溶融粘度を
低く維持しながら、エポキミモールディングコンパウン
ドのフィラー(上記実施例ではシリカ)の含有量を増大
させることができ、このフィラー含有量の増大によっ
て、半導体パッケージにおけるエポキシ樹脂とシリコン
チップとの線膨脹率差の低減が可能になり、従来、耐熱
性を維持しようとすると到達しえなかった10×10-6
以下という低い線膨張率を実現することができるのであ
る。
【0041】上述のように、本発明では、分子量を減少
させ、溶融粘度を抑制しながら強度を維持しうる点で、
従来のフェノールノヴォラック樹脂を硬化材として用い
る場合に付きまとう2律背反から開放される。そして、
吸湿量の低減とシリコンチップに対する線膨張率の適合
度の向上とによって、シリコンチップの割れ,デバイス
表面の損傷やパッケージクラックを有効に防止すること
ができる。
させ、溶融粘度を抑制しながら強度を維持しうる点で、
従来のフェノールノヴォラック樹脂を硬化材として用い
る場合に付きまとう2律背反から開放される。そして、
吸湿量の低減とシリコンチップに対する線膨張率の適合
度の向上とによって、シリコンチップの割れ,デバイス
表面の損傷やパッケージクラックを有効に防止すること
ができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子・電
気機器用エポキシ樹脂組成物によれば、上記化学式で示
されるナフタレン骨格を有するポリフェノール類を、エ
ポキシ樹脂の硬化剤として含有する構成としたので、ナ
フタレン骨格の疎水性とエポキシ環の開環により生成す
る2級アルコール性水酸基含有量の低減とによって、硬
化物の吸湿量を低下させることができるとともに、剛直
なナフタレン骨格の導入による耐熱性の向上により、半
導体パッケージ封止剤に応用した場合、フィラー含有量
を増大させても、溶融粘度の増大を招くことなく半導体
パッケージの線膨脹率をシリコンチップ等の線膨脹率に
近付けることができ、よって、電子・電気機器の信頼性
の向上を図ることができる。
気機器用エポキシ樹脂組成物によれば、上記化学式で示
されるナフタレン骨格を有するポリフェノール類を、エ
ポキシ樹脂の硬化剤として含有する構成としたので、ナ
フタレン骨格の疎水性とエポキシ環の開環により生成す
る2級アルコール性水酸基含有量の低減とによって、硬
化物の吸湿量を低下させることができるとともに、剛直
なナフタレン骨格の導入による耐熱性の向上により、半
導体パッケージ封止剤に応用した場合、フィラー含有量
を増大させても、溶融粘度の増大を招くことなく半導体
パッケージの線膨脹率をシリコンチップ等の線膨脹率に
近付けることができ、よって、電子・電気機器の信頼性
の向上を図ることができる。
【図1】エポキシ基とフェノール性水酸基との重付加反
応の一部を示す図である。
応の一部を示す図である。
【図2】フェノールノヴォラック樹脂に含まれる低分子
成分の例を示す図である。
成分の例を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記化学式 【化1】 (式中、R1 は、水素又は炭素の数が1〜8のアルキル
基,アリル基,アリール基から選ばれた同一の基又は異
なる基であり、R2 は、水素又は炭素の数が1〜8のア
ルキル基,アリル基,アリール基,ハロゲン原子から選
ばれた同一の基又は異なる基であって、同一の芳香核に
対するR2 の置換数は1以上であり、K,L,M,N,
O,Pは、0<K≦25,0<L≦25,0<K+L≦
50、0≦O≦1,0≦P≦1,1≦O+P≦2、0≦
M≦2,0≦N≦2,1≦M+N≦4の範囲にある定数
である)で示されるナフタレン骨格を有するポリフェノ
ール類を、エポキシ樹脂の硬化剤として含有することを
特徴とする電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23561392A JPH0680766A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23561392A JPH0680766A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0680766A true JPH0680766A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16988604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23561392A Withdrawn JPH0680766A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0680766A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001016199A1 (fr) * | 1999-08-31 | 2001-03-08 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Oligomere aromatique et son utilisation |
JP2013001807A (ja) * | 2011-06-16 | 2013-01-07 | Panasonic Corp | 電子回路基板材料用樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 |
-
1992
- 1992-09-03 JP JP23561392A patent/JPH0680766A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001016199A1 (fr) * | 1999-08-31 | 2001-03-08 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Oligomere aromatique et son utilisation |
US6713591B1 (en) | 1999-08-31 | 2004-03-30 | Nippon Steel Chemicals Co., Ltd. | Aromatic oligomer and use thereof |
JP4805503B2 (ja) * | 1999-08-31 | 2011-11-02 | 大日本塗料株式会社 | 芳香族オリゴマーを使用した粘着性付与剤及び制振性付与剤 |
JP2013001807A (ja) * | 2011-06-16 | 2013-01-07 | Panasonic Corp | 電子回路基板材料用樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1705199B1 (en) | Semiconductor encapsulating epoxy resin composition and semiconductor device | |
KR100834351B1 (ko) | 멀티칩 패키지 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를이용한 멀티칩 패키지 | |
KR101712707B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 사용하여 밀봉된 반도체 패키지 | |
US20140179832A1 (en) | Epoxy resin composition for encapsulating a semiconductor device and semiconductor device encapsulated using the same | |
US9850390B2 (en) | Epoxy resin composition for encapsulating semiconductor device and semiconductor device prepared using the same | |
US20170002192A1 (en) | Epoxy resin composition for encapsulating a semiconductor device and semiconductor device prepared using the same | |
KR101955754B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
KR20130028883A (ko) | 반도체 밀봉용 에폭시 수지 조성물, 및 이를 사용한 반도체 장치 | |
JPH0680766A (ja) | 電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物 | |
JPH0680767A (ja) | 電子・電気機器用エポキシ樹脂組成物 | |
KR102665491B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 사용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
KR102146995B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 사용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
KR101266542B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용한 반도체 소자 패키지 | |
CN113891913A (zh) | 密封用树脂组合物和电子部件装置 | |
KR100814705B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용한반도체 소자 | |
JPH05299537A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2006257309A (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
KR102507422B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 사용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
KR101669341B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 사용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
JP3042897B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
KR102587322B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 사용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
JPH07242731A (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 | |
KR102423310B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
KR101992006B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용하여 밀봉된 반도체 소자 | |
KR100671128B1 (ko) | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991130 |