JP3042897B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3042897B2
JP3042897B2 JP2407715A JP40771590A JP3042897B2 JP 3042897 B2 JP3042897 B2 JP 3042897B2 JP 2407715 A JP2407715 A JP 2407715A JP 40771590 A JP40771590 A JP 40771590A JP 3042897 B2 JP3042897 B2 JP 3042897B2
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淳介 田中
彰宏 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐クラック性
に優れた樹脂組成物に関する。すなわち、電子・電気部
品、半導体分野等の絶縁材料、積層板材料、樹脂封止用
材料として、耐熱性、耐クラック性の向上をはかる樹脂
組成物に関わり、特に耐半田クラック性を要求される半
導体装置を封止するのに適した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気部品、半導体等の分野
で耐熱性、耐クラック性の優れた樹脂組成物が求められ
ている。例えば、電気・電子部品、とりわけ半導体の分
野では、これを使用する機器、装置の小型化、薄型化に
ともなって部品を取り付ける配線基板への実装密度が高
くなる傾向にあり、また、部品そのものも多機能化の傾
向にある。これを封止する材料には、配線基板への半田
付け工程における高温半田に対して、耐熱性に優れた樹
脂組成物の開発が強く望まれている。従来、このような
用途に対する樹脂組成物、いわゆる半導体封止用樹脂組
成物としては、O-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
に代表されるエポキシ樹脂、その硬化剤としてフェノー
ルノボラック樹脂およびシリカを主成分とする樹脂組成
物が、成形性、信頼性の点で優れており、この分野での
主流となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂封
止型半導体装置について言えば、前述の高密度実装化の
流れにより表面実装型の半導体装置に変わりつつある。
このような表面実装型の半導体装置においては、従来の
挿入型半導体装置と違って、基板への半田付け工程で半
導体装置全体が 200℃以上の半田付け温度に曝される。
この際、封止樹脂にクラックが発生し、半導体装置の信
頼性を大幅に低下させるという問題が生じてきた。この
半田付け時におけるクラックは、半導体装置の保管中に
吸湿した水分が 200℃以上の温度で爆発的に膨張し、応
力が発生し、これが封止樹脂の強度を超えるとクラック
が発生する。この際、樹脂に加わる応力は、近似的に次
式で表される。 σ=k・p・a2/t2 ただし、σ:樹脂に加わる応力 k:定数 p:水蒸気圧 a:ダイパッドの短辺の長さ t:ダイパッド下部の樹脂の厚み 従って、封止樹脂のガラス転移温度を高くし水分の膨張
により発生する応力に打ち勝つだけの十分な樹脂強度を
もたせる目的で、イミド系の樹脂が検討されてきた。し
かし、イミド系樹脂の硬化物は吸水率が増大する傾向に
有り、前述の式から考えると、樹脂に加わる応力を増大
させイミド樹脂の特徴である高強度を活かすことが出来
なくなる。従って、吸水率を小さくして半田付け時の水
蒸気圧を下げることはクラックの発生を抑える上で有効
な手段である。
【0004】本発明の目的は、実装時に於ける耐半田ク
ラック性を要求される樹脂封止型半導体装置にも適用で
きる、耐熱性、耐クラック性の優れた樹脂組成物を提供
することにあり、さらに、絶縁材料、積層板等の耐熱
性、耐クラック性の向上をはかる電子・電気部品にも巾
広く応用できる樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、イミド樹脂と
して比較的低温度で硬化が可能なポリマレイミドを使用
し、更に吸水率の低いジシクロペンタジェンフェノール
樹脂を併用することで封止樹脂の吸水率を増大させるこ
となく強度を大幅に向上させることに成功し、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1)で表さ
れるポリマレイミドと一般式(2)で表されるジシクロ
ペンタジエンフェノール樹脂を含む有機成分、あるいは
これらに更にエポキシ樹脂を含む有機成分、及び無機充
填剤とを含有してなる樹脂組成物である。より詳しく
は、(A)成分として、 (a)一般式(1);
【化7】 (式中、Rは少なくとも2個の炭素原子を有するm価
の有機基を示し、mは2以上の正の整数を示す)で表さ
れるポリマレイミド化合物と (b)一般式(2);
【化8】 (式中、Rは水素原子または炭素原子4以下のアル
キル基を示し、nは0〜5の整数を示す)で表されるジ
シクロペンタジエンフェノール樹脂または該樹脂とフェ
ノール類との混合物とを含む有機成分および (B)成分として、無機充填剤とを含有してなる樹脂組
成物、ならびに、 (A)成分として、前記の(a)のポリマレイミド化合
物と(b)ジシクロペンタジエンフェノール樹脂または
該樹脂とフェノール類との混合物とに、さらに(c)エ
ポキシ樹脂を含む有機成分と (B)成分として、無機充填剤とを含有してなる樹脂組
成物であり、特に耐半田クラック性の優れた半導体封止
に好適な半導体封止用樹脂組成物である。
【0007】本発明の組成物において、有機成分(A)
として使用される(a)成分は一般式(1)で表され
るポリマレイミド化合物である。一般式(1)で表され
るポリマレイミド化合物は、1分子中に2個以上のマレ
イミド基を有する化合物である。このようなポリマレイ
ミド化合物としては、例えば、N,N'- エチレンビスマレ
イミド、N,N'- ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N'-
(1,3-フェニレン) ビスマレイミド、N,N'-(1,4-フェニ
レン) ビスマレイミド、ビス(4- マレイミドフェニル)
メタン、ビス(4- マレイミドフェニル) エーテル、ビス
(3- クロロ-4- マレイミドフェニル) メタン、ビス(4-
マレイミドフェニル) スルホン、ビス(4- マレイミドシ
クロヘキシル) メタン、1,4-ビス(4-マレイミドフェニ
ル) シクロヘキサン、1,4-ビス (マレイミドメチル) シ
クロヘキサン、1,4-ビス (マレイミドメチル) ベンゼ
ン、1,3-ビス(4- マレイミドフェノキシ) ベンゼン、1,
3-ビス(3- マレイミドフェノキシ) ベンゼン、ビス〔4-
(3- マレイミドフェノキシ) フェニル〕メタン、ビス
〔4-(4- マレイミドフェノキシ) フェニル〕メタン、1,
1-ビス〔4-(3- マレイミドフェノキシ) フェニル〕エタ
ン、1,1-ビス〔4-(4- マレイミドフェノキシ) フェニ
ル〕エタン、1,2-ビス〔4-(3- マレイミドフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(4- マレイミドフェノ
キシ) フェニル〕エタン、2,2-ビス〔4-(3- マレイミド
フェノキシ) フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4- マ
レイミドフェノキシ) フェニル〕プロパン、2,2-ビス
〔4-(3- マレイミドフェノキシ) フェニル〕ブタン、2,
2-ビス〔4-(4- マレイミドフェノキシ) フェニル〕ブタ
ン、2,2-ビス〔4-(3- マレイミドフェノキシ) フェニ
ル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス
〔4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル〕-1,1,1,3,3,
3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'- ビス(3- マレイミド
フェノキシ) ビフェニル、4,4'- ビス(4- マレイミドフ
ェノキシ) ビフェニル、ビス〔4-(3- マレイミドフェノ
キシ) フェニル]ケトン、ビス[4-(4- マレイミドフェ
ノキシ) フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3- マレイミドフ
ェノキシ) フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4- マレイ
ミドフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-
マレイミドフェノキシ) フェニル〕スルホキシド、ビス
〔4-(4- マレイミドフェノキシ) フェニル〕スルホキシ
ド、ビス〔4-(3- マレイミドフェノキシ) フェニル〕ス
ルホン、ビス〔4-(4- マレイミドフェノキシ) フェニ
ル〕スルホン、ビス〔4-(3- マレイミドフェノキシ) フ
ェニル〕エーテル、ビス〔4-(4- マレイミドフェノキ
シ) フェニル〕エーテル、ポリマレイミドフェニルメチ
レン、及び一般式(5):
【化9】 (式中、lは平均値で 0〜10である)で表されるポリマ
レイミド化合物が挙げられる。また、これらのポリマレ
イミド化合物は、単独で用いても2種類以上を混合して
用いてもよい。
【0008】また、本発明の組成物において有機成分
(A)として使用される(b)成分は、一般式(2)で
表されるジシクロペンタジエンフェノール樹脂または該
樹脂とフェノール類との混合物であり、一般式(2)で
表されるジシクロペンタジエンフェノール樹脂を単独ま
たはこれに更に、1分子中に2個以上のフェノール性水
酸基を有する化合物を併用してもよい。一般式(2)で
表されるジシクロペンタジエンフェノール樹脂は、フェ
ノールあるいはアルキル置換フェノールとジシクロペン
タジエンを反応させることにより得ることができる。本
発明の効果を得るためには、一般式(2)で表されるジ
シクロペンタジエンフェノール樹脂の繰り返し数nが5
以下のものが好ましく用いられ、nが5を越えると樹脂
組成物の粘度が高くなり、溶融混練及びトランスファー
成形が困難となる。
【0009】本発明の組成物において、一般式(2)で
表されるジシクロペンタジエンフェノール樹脂と併用で
きる1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する
フェノール化合物としては、フェノール、及び置換フェ
ノールとアルデヒド類との反応生成物である一般式
(3)
【化10】 (式中、Rは水素原子、水酸基または炭素原子数1〜
9のアルキル基を示し、rは1以上の整数を示す)で表
されるノボラック型フェノール樹脂が最も好ましく用い
られるが、これ以外のフェノール化合物、例えば、一般
式(6)、(7)、(8)及び(9);
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 (式中、いずれもqは0〜5の整数を示す)で表される
アラルキル樹脂、及びトリヒドロキシフェニルメタン、
テトラヒドロキシフェニルエタン、アルカンテトラキス
フェノール等の多価フェノール類が挙げられる。一般式
(2)で表されるジシクロペンタジエンフェノール樹脂
に、前記フェノール化合物を併用する場合の両者の割合
は、前者100 重量部に対して後者0〜100重量部の範囲
で使用することが好ましい。
【0010】更に、有機成分(A)として(c)成分を
含む場合、(c)成分として使用されるエポキシ樹脂
は、耐熱性、電気特性の点からフェノール及び、置換フ
ェノールとアルデヒド類との反応生成物であるノボラッ
ク型フェノール樹脂より誘導される一般式(4);
【化15】 (式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜9のアルキ
ル基を示し、pは1以上の整数を示す)で表されるエポ
キシ樹脂が最も好ましく用いられるが、1分子中に少な
くとも2個のエポキシ基を有するものであれば全て使用
可能である。具体的には、1分子中に2個以上の活性水
素を有する化合物から誘導されるエポキシ樹脂、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシ
ン、ビスヒドロキシジフェニルエーテル、ビスヒドロキ
シビフェニル、テトラブロムビスフェノールA、トリヒ
ドロキシフェニルメタン、テトラヒドロキシフェニルエ
タン、アルカンテトラキスフェノール等の多価フェノー
ル類;エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等の多価アルコール類;エチレンジアミン、アニリ
ン、ビス(4−アミノフェニル)メタン等のアミン類;
アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸等の多価カルボン
酸類とエピクロルヒドリンまたは2−メチルエピクロル
ヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂、及び一般
式(10)、(11);
【化16】
【化17】 (式中、いずれもxは0〜5の整数を示す)等が挙げら
れ、これらのエポキシ樹脂の1種類または2種類以上が
使用される。
【0011】また、前記のエポキシ樹脂は、オイル状、
ゴム状等のシリコーン化合物で変性して使用することも
できる。例えば、特開昭 62-270617号、特開昭 62-2732
22号に開示されたごとく、エポキシ樹脂とビニルポリマ
ーとの反応物中にシリコーンポリマーの微粒子を分散さ
せることにより製造されるシリコーン変性エポキシ樹脂
である。本発明の組成物において、(A)成分について
は、(a)成分の一般式(1)で表されるポリマレイミ
ド化合物と(b)成分の一般式(2)で表されるジシク
ロペンタジエンフェノール樹脂または該樹脂とフェノー
ル類との混合物の配合量は、通常、(a)成分100 重量
部に対して、(b)成分が10〜500 重量部、好ましくは
25〜300 重量部の範囲である。
【0012】また、本発明の組成物において、(A)成
分が(c)成分を含む場合には、(a)成分の一般式
(1)で表されるポリマレイミド化合物、(b)成分の
一般式(2)で表されるジシクロペンタジエンフェノー
ル樹脂または該樹脂とフェノール類との混合物および
(c)成分のエポキシ樹脂の配合量は、(a)成分100
重量部に対して、(b)成分と(c)成分の合計量が10
〜500 重量部、好ましくは25〜300 重量部であり、
(b)成分の一般式(2)で表されるジシクロペンタジ
エンフェノール樹脂または該樹脂とフェノール類との混
合物に対して(c)成分のエポキシ樹脂が当量比で0.1
〜10 の範囲、好ましくは0.5〜2.0の範囲である。本発
明において、樹脂組成物を通常のように配合、混練させ
てもよいし、ポリマレイミド化合物を上記、(b)成分
または(b)成分と(c)成分の混合物の一部または全
部に予め溶解させておいてもよく、またこれらを反応さ
せたプレポリマーとして使用してもよい。
【0013】本発明の組成物において(B)成分として
使用される無機充填剤は、無機質の粉体、または繊維体
の物が使用可能で、例えば、結晶性シリカ、溶融シリ
カ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タルク、ケイ
酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタ
ンホワイト等の粉体;ガラス繊維、ガーボン繊維等の繊
維体があるが、熱膨張率と熱伝導率の点から、結晶性、
溶融性のシリカ粉末が好ましい。さらに、成形時の流動
性の点から球形、または球形と不定形のシリカ粉末の混
合物が好ましい。(B)成分の無機充填剤の配合量は、
(a)成分の一般式(1)で表されるポリマレイミド化
合物と(b)成分の一般式(2)で表されるジシクロペ
ンタジエンフェノール樹脂または該樹脂とフェノール類
との混合物の合計量、あるいはこれに(c)成分のエポ
キシ樹脂を加えた合計量100 重量部に対して、100〜900
重量部であることが必要であり、好ましくは200〜600重
量部である。
【0014】また上記の無機充填剤は、機械的強度、耐
熱性の点から、樹脂との接着性向上の目的でカップリン
グ剤を併用することが好ましく、かかるカップリング剤
としては、シラン系、チタネート系、アルミネート系お
よびジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用で
きる。その中でもシラン系カップリング剤が好ましく、
特に、反応性の官能基を有するシラン系カップリング剤
が最も好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例と
しては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等を挙げることができ、これらの1種類または
2種類以上が使用される。これらのシラン系カップリン
グ剤は、予め無機充填剤表面に吸着ないしは反応により
固定されていることが好ましい。
【0015】本発明において、樹脂組成物を硬化するに
あたっては、硬化促進剤を含有させることが望ましく、
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類;
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン塩類;1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導体が挙げ
られる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種類
以上を併用してもよく、また、必要に応じて、有機過酸
化物やアゾ化合物を併用することもできる。これら硬化
促進剤の含有量は、(a)成分の一般式(1)で表され
るポリマレイミド化合物と(b)成分の一般式(2)で
表されるジシクロペンタジエンフェノール樹脂または該
樹脂とフェノール類との混合物の合計量、あるいはこれ
に(c)成分のエポキシ樹脂を加えた合計量に対して、
0.01〜10重量%の範囲である。
【0016】本発明の樹脂組成物は各種成分の他、必要
に応じてジアリルフタレート、トリアリルイソシアムレ
ート、o,o'- ジアリルビスフェノールA等のイミド樹脂
に対して一般的に使用される反応性希釈剤;各種シリコ
ーンオイル;脂肪酸、脂肪酸塩、ワックスなどの離型
剤;ブロム化合物、アンチモン、リン等の難燃剤;カー
ボンブラック等の着色剤等を配合し、混合・混練し、成
形材料とすることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、試験方法は次の通りである。 ・ガラス転移温度:TMA 法 ・曲げ強度および曲げ弾性率:JIS K-6911 ・吸水率ラルフロー:曲げ試験用の試験片を用い、65
℃、95%の恒温恒湿槽に168 時間放置した後の重量増加
を測定。 ・V.P.S.テスト:試験用の半導体装置を65℃、95%の恒
温恒湿槽に168 時間放置した後、直ちに 260℃の溶融半
田浴に投入し、パッケージ樹脂にクラックの発生した半
導体装置の数を数えた。試験値を分数で示し、分子はク
ラックの発生した半導体装置の数、分母は試験に供した
半導体装置の総数である。
【0018】合成例1(ジシクロペンタジエンフェノー
ル樹脂−1) 温度計、攪拌装置を付したガラス製反応器にフェノール
1645g(17.5 mol)と触媒のトリフルオロメタンスルホ
ン酸1gを装入し、攪拌をしながら昇温して120 ℃に保
った。次いで、これにジシクロペンタジエン463 g(3.
5 mol )を5時間かけて滴下した。滴下後、同温度で5
時間熟成を行って反応を終了した。次に、この粘稠な反
応溶液を真空下で内温160 ℃まで昇温し、未反応のフェ
ノール等を回収したのち、ただちに排出して放冷した。
このようにして暗赤色のフェノールとジシクロペンタジ
エンの共重合体であるジシクロペンタジエンフェノール
樹脂−1を1003g得た。このもののJIS-K-2548による環
球法で測定した軟化点は103 ℃であり、水酸基当量は17
4.7 g/eqであった。
【0019】合成例2(ジシクロペンタジエンフェノー
ル樹脂−2) 温度計、攪拌装置を付したガラス製反応器にp−クレゾ
ール270 g(2.5mol )と触媒のペンタフルオロエタンス
ルホン酸0.5 gを装入し、攪拌をしながら昇温して90℃
に保った。次いで、これにジシクロペンタジエン132.2
g(1 mol) を4時間かけて滴下した。滴下後、90〜100
℃の温度範囲で5時間熟成を行って反応を終了した。次
に、この粘稠な反応溶液を真空下で内温160 ℃まで昇温
し、未反応のp−クレゾール等を回収した。この蒸留残
渣にトルエン 500gを注加して均一溶液とし、攪拌下で
水 500gを加えた。1時間還流状態を保った後静置した
ところ2層に分液した。下層の水層を抜き去り、上層の
トルエン層から真空下でトルエンを留去させた後、ただ
ちに排出して放冷した。このようにして茶褐色のp−ク
レゾールとジシクロペンタジエンの共重合体であるジシ
クロペンタジエンフェノール樹脂−2を280 g得た。こ
のもののJIS-K-2548による環球法で測定した軟化点は12
8 ℃であり、水酸基当量は 188.3g/eq であった。
【0020】実施例1〜8及び比較例1、2 表1に示す組成(重量部)の配合物をヘンシェルミキサ
ーで混合し、更に、100 〜130 ℃の熱ロールにて3分間
溶融・混練した。この混合物を冷却、粉砕し、打錠して
成形用樹脂組成物を得た。
【0021】尚、表1中で使用した原料で、合成例1、
2によるもの以外は、次のものを使用した。 ・フェノール化合物;ノボラック型フェノール樹脂(PN
-80 、日本化薬(株)製) ・エポキシ樹脂;o−クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(ECON-1020 、日本化薬(株)製) ・無機充填剤;球形溶融シリカ(ハリミックS-CO、(株)
マイクロン製)50重量部と不定形溶融シリカ(ヒューズ
レックスRD-8、(株)龍森製)50重量部との混合物 ・シランカップリング剤(SZ-6083 、東レダウコーニン
グシリコーン(株)製)
【0022】以上のようにして得られた成形用樹脂組成
物を用いてトランスファー成形(180℃、30kg/cm2、3
分間)により、物性測定用の試験片を成形した。又、フ
ラットパッケージ型半導体装置用リードフレームの素子
搭載部に、試験用素子(10mm×10mm角)を搭載した
後トランスファー成形(180 ℃、30kg/cm2、3分間)に
より、試験用半導体装置を得た。これらの試験用成形物
は、各試験を行なう前に、180 ℃で6時間、後硬化を行
った。試験結果を表2に示す。
【0023】
【表1】
【表2】
【0024】
【発明の効果】実施例および比較例で説明したように、
本発明による樹脂組成物は、吸水性を損なうことなくイ
ミド樹脂の耐熱性を効率良く付与することのできるもの
である。従って、この樹脂組成物でリフロー及びフロー
半田付け方法が適用される表面実装型の半導体装置を封
止した場合、優れた耐半田クラック性を示し、信頼性の
高い樹脂封止型半導体装置を得ることができ、工業的に
有益な発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 H01L 23/29 H01L 23/30 23/31 (72)発明者 鳥飼 基之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 朝比奈 浩太郎 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 田中 淳介 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−214743(JP,A) 特開 平2−214765(JP,A) 特開 平2−138330(JP,A) 特開 平2−255825(JP,A) 特開 平1−213335(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 65/00,61/06 C08G 59/40,59/62

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分として、 (a)一般式(1); 【化1】 (式中、Rは少なくとも2個の炭素原子を有するm価
    の有機基を示し、mは2以上の正の整数を示す)で表さ
    れるポリマレイミド化合物と、 (b)一般式(2); 【化2】 (式中、Rは水素原子または炭素原子数4以下のアル
    キル基を示し、nは0〜5の整数を示す)で表されるジ
    シクロペンタジエンフェノール樹脂または該樹脂とフェ
    ノール類との混合物とを含む有機成分および (B)成分として、無機充填剤とを含有してなる樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分として、 (a)一般式(1); 【化3】 (式中、Rは少なくとも2個の炭素原子を有するm価
    の有機基を示し、mは2以上の正の整数を示す)で表さ
    れるポリマレイミド化合物と、 (b)一般式(2); 【化4】 (式中、Rは水素原子または炭素原子数4以下のアル
    キル基を示し、nは0〜5の整数を示す)で表されるジ
    シクロペンタジエンフェノール樹脂または該樹脂とフェ
    ノール類との混合物と (c)エポキシ樹脂とを含む有機成分および (B)成分として、無機充填剤とを含有してなる樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 実質的に請求項1記載の樹脂組成物から
    なる半導体封止用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 実質的に請求項2記載の樹脂組成物から
    なる半導体封止用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (b)成分においてジシクロペンタジエ
    ンフェノール樹脂と混合物を形成するフェノール類が、
    フェノールおよびまたは置換フェノールとアルデヒドと
    の反応生成物である一般式(3) 【化5】 (式中、Rは水素原子、水酸基または炭素原子数1〜
    9のアルキル基を示し、rは1以上の整数を示す)で表
    されるノボラック型フェノール樹脂を含有するものであ
    る請求項3または4記載の半導体封止用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂(c)が、フェノールおよ
    びまたは置換フェノールとアルデヒド類との反応生成物
    であるノボラック型フェノール樹脂より誘導される一般
    式(4); 【化6】 (式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜9のアル
    キル基を示し、pは1以上の整数を示す)で表されるエ
    ポキシ樹脂である請求項4記載の半導体封止用樹脂組成
    物。
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