JP2009173845A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置において、基本性能である薄肉成形品における耐炎性を確保した上で、高温特性に優れ、より環境性能の高い半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材を必須成分とし、前記硬化剤としては、次式(I)
Figure 2009173845

で表されるアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂を含有することとする。式中、Rは水素、メチル基、又はメチルフェノール基であり、Rは水素、アミノ基、又はアミノメチルフェノール基である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いて封止した半導体装置に関するものである。
半導体装置の基本性能として、耐炎性グレードがUL94−V0以上であることが要求され、従来難燃剤としてブロム化合物や三酸化アンチモン等が使用されていたが、近年の地球環境保護の観点から有害物質の使用削減のために、前記難燃剤に代替する新たな難燃剤の開発が推進され、有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物、金属酸化物、金属水酸化物等が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、エポキシ樹脂組成物を用いて封止されることで形成される半導体パッケージの形状も多ピン化、高密度実装化、薄型化、小型化設計が進み、薄肉形成品の状態での耐炎性の確保が必要となっている。また、半導体装置が車載部品用途へ適用拡大されるに伴い、より高い高温特性が要求されるようになってきている。
これらの新たな難燃剤の使用は、従来の難燃剤(ブロム化合物や三酸化アンチモン)を使用した樹脂組成物に比べ、耐炎効果が低いために、薄肉成形品での耐炎性確保が十分でなかったり、耐炎性を補う目的で添加量を増やすことによる耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下が生じやすく、環境性能との両立化が非常に困難な状況となっている。
ところで、従来からアミノトリアジン骨格をその分子内に含有するフェノール硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物が知られているが(例えば、特許文献2参照)、このものは成形性と高温リフロー信頼性を同時に満足させるためになされたものであり、地球環境保護を考慮した薄肉形成品の耐炎性の確保および高温特性を高めるための検討は行われていない。
特開平10−152599号公報 特開2003−231735号公報
本発明は以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、半導体装置において、基本性能である薄肉成形品における耐炎性を確保した上で、高温特性に優れ、より環境性能の高い半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材を必須成分とし、前記硬化剤としては、次式(I)
Figure 2009173845
(式中、Rは、水素、メチル基、または次式(II)
Figure 2009173845
で表されるメチルフェノール基であり、Rは、水素、アミノ基、または次式(III)
Figure 2009173845
で表されるアミノメチルフェノール基である。)で表されるアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂を含有することを特徴とする。
第3に、半導体装置として、上記第1の発明または第2の発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物によって封止されていることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、環境に悪影響を及ぼすブロム化合物、三酸化アンチモン等や、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を引き起こす有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等を含有させることなく、より肉厚の薄い成形品での耐炎性を確保するとともに、高い環境性能を発揮しつつ良好な高温特性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性等を発揮することができる。
上記第2の発明によれば、入手容易な水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等をシラン化合物で表面処理した金属水酸化物を用いて上記効果を奏する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができるものであり、また、熱分解温度が異なる両者を適宜併用することでも、熱時の体積抵抗率を高めた上で、より優れた耐炎性を確保することができる。
上記第3の発明によれば、半導体装置、特にパッケージ厚みが薄い先端分野の半導体装置において、環境に悪影響を及ぼすおそれのあるブロム化合物、三酸化アンチモン等や、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を引き起こす有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等を含有させることなく、より高い耐炎性を確保することができるとともに、高い環境性能を発揮しつつ良好な高温特性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性等を発揮することができる。さらに、表面処理された金属水酸化物によって上記の効果をより一層向上させることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、前記のとおり、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材を必須成分として含有する。
本発明におけるエポキシ樹脂は、一般的に半導体封止用として使用される各種のエポキシ樹脂であってよく、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を持つものであれば、特に限定されない。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂肪族系エポキシ樹脂等を用いることができる。また、上記のエポキシ樹脂の芳香環に水素が添加されたエポキシ樹脂等を用いることもできる。これらのエポキシ樹脂は一種単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ樹脂の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して好ましくは5〜35質量%である。エポキシ樹脂の配合量が過少であると、成形時の流動性と金型充填性が低下する場合がある。一方、エポキシ樹脂の配合量が過剰であると、無機充填材の配合割合が少なくなるため熱伝導性や熱膨張率などの特性が低下する場合がある。
本発明における硬化剤は、前記式(I)で表されるアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂を含有し、エポキシ樹脂と反応するものであれば、特に制限されない。
式(I)のアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂は、大日本インキ化学工業(株)製アミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂(ATノボラック、水酸基当量120)を使用した。
式(I)のアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂を含有する硬化剤を配合することで、肉厚の薄い成形品での耐炎性を確保するとともに、熱時の体積抵抗率向上による高温特性を高めることができる。したがって、従来難燃剤として用いられている、環境に悪影響を及ぼすブロム化合物、三酸化アンチモン等や、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を引き起こす有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等を含有させる必要はなく、高い環境性能を発揮しつつ、さらに良好な耐湿信頼性、成形性、硬化物物性等を発揮することができる。
本発明における硬化剤は、前記式(I)のアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂以外の硬化剤を併用してもよく、例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸等の酸無水物、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾールシン等とホルムアルデヒドとを縮合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
硬化剤の配合量は、色目や硬化物物性の点から、好ましくは、エポキシ樹脂と硬化剤の化学両論上の当量比が、エポキシ樹脂/硬化剤(当量比)=0.8〜2となる量であり、より好ましくは当量比が0.8〜1.2である。当量比が当該範囲外であると、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化特性が低下し、あるいは成形後の耐湿性が低下する場合がある。
前記式(I)のアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂の含有量は、耐炎性や高温特性、流動性の点から、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは1重量%以上、15重量%以下であることが好ましく、より好ましくは、3重量%以上、11重量%以下である
本発明における無機充填材としては、シリカ粉末、アルミナ、窒化ケイ素等、各種のものを用いることができ、特に制限されない。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。中でもシリカ粉末を好ましいものとして用いることができ、より具体的には、結晶シリカ、溶融シリカ、低α線シリカ等である。その形状は特に制限されず、例えば、球状、破砕状等の適宜の形状のものを用いることができる。シリカの平均粒径は5〜20μmであることが好ましく、その最大粒径は150μm以下、さらに好ましくは74μm以下であることが好ましい。シリカ粉末の平均粒径が5μm未満であると、封止成形する際に樹脂漏れや樹脂バリ等に起因する成形不具合が生じて歩留まりの低下が生じる場合があり、逆にシリカ粉末の平均粒径が20μmを超えるとパッケージの薄肉部への樹脂の充填性が悪化して未充填等の成形不具合の原因となる場合がある。また、シリカ粉末の最大粒径が150μmを超えると、樹脂封入時のゲートの詰り、未充填等の成形不具合が生じる場合がある。
無機充填材の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは50〜90重量%である。無機充填材の配合量が過少であると、熱伝導性、熱膨張率などの特性が低下する場合がある。一方、無機充填材の配合量が過剰であると、成形時の流動性と金型充填性が低下する場合がある。
本発明における金属水酸化物としては、工業的に比較的安価で入手可能な、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムを用いることが好ましい。これらは、一種単独で用いてもよいが、熱分解温度が異なる両者を適宜併用してもよい。例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの併用比率を、それぞれ7:3〜3:7の範囲とすることで、より高い耐炎効率が得られる。
これら金属水酸化物の表面を酸化珪素やγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物で予め表面処理することで流動性が向上する。これにより、成形性や硬化物の曲げ強度、耐湿信頼性、耐リフロー性等の特性を向上することができるため、ブロム化合物や三酸化アンチモン等の環境に悪影響を及ぼすおそれのある物質の不使用による環境性能を発揮しつつ良好な耐炎性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性等を発揮することができる。これらの表面処理方法は、所定の量の水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物粉末と一緒にボールミル等に投入し、均一混合する方法により行うことができる。
金属水酸化物の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは5〜15重量%であり、この範囲において特に硬化物の耐炎性、成形性、曲げ強度等を向上することができる。配合量が当該範囲より過少であると、十分な耐炎性を得ることができなくなる場合があり、配合量が過剰であると、曲げ強度が低下する場合がある。
また、金属水酸化物の最大粒径は100μm以下の範囲であることが好ましく、この最大粒径が100μmを超えるようになると、成形時において未充填等の成形不具合やワイヤー変形等が生じる場合がある。
本発明は、さらに硬化促進剤を併用してもよく、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進させる作用があるものであれば、特に制限されい。例えば、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン系硬化促進剤、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン系硬化促進剤およびその有機塩類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の有機酸塩類、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。これらは単独もしくは複数種併用することができる。
硬化促進剤のの配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは0.05〜5重量%である。配合量が当該範囲より過少であると、エポキシ樹脂と硬化剤の反応の十分な促進効果を得ることができず、成形サイクルが悪化する場合があり、配合量が過剰であると、ゲル化時間が短くなりすぎるため、ボイドや未充填等の成型不具合が生じる場合がある。
さらに、本発明においては、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、変性剤、可塑剤、希釈剤等を含有させてもよい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合し、これをミキサーやブレンダーで均一にドライブレンドした後に、ニーダー等の連続混合機で溶融混練することによって調製できる。ここで、上記の各成分の配合順序は特に限定されるものではなく、また混練物を必要に応じて冷却固化させ、粉砕してペレット(粒状)やパウダーにしたり、あるいはタブレット化して使用することができる。
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られた封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体チップを封止することにより製造することができる。この封止には、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールドなどの従来より用いられている成形方法を適用することができる。
トランスファーモールドを適用する場合、例えば、ICチップなどの半導体チップを搭載したリードフレームを成形金型のキャビティに配置した後、キャビティに封止用エポキシ樹脂組成物を充填し、これを加熱下にて硬化させることで、半導体チップを封止用エポキシ樹脂組成物で封止した半導体装置を製造することができる。
トランスファーモールドを適用する場合、例えば、金型温度170〜180℃、成形時間30〜120秒に設定することができるが、金型温度、成形時間およびその他の成形条件は、封止用エポキシ樹脂組成物の配合組成などに応じて適宜に変更すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
表1に示す各配合成分を、表1に示す割合で配合し、ミキサーで均一にドライブレンドした後、ニーダーで溶融混練し、次にこの混練物を冷却・固化した後、この固形物を粉砕することによって、粒状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物について、以下のように環境対応性、耐炎性、流動性、体積抵抗率、耐リフロー性、耐湿信頼性の各評価を行った。
表1に示す配合成分として、以下のものを使用した。
エポキシ樹脂1:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「N665EXP−S」)
エポキシ樹脂2:テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(JER(株)製「YX4000」)
エポキシ樹脂3:ブロム化エポキシ樹脂(住友化学(株)製「ESB400T」
硬化剤1:ダイマーレス3核体フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製「DL−65」)
硬化剤2:アミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「ATノボラック、水酸基当量120」)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(北興化学工業(株)製「TPP」)
難燃剤:三酸化アンチモン
無機充填材:シリカ粉末(平均粒子径 15μm、カットポイント74μm)
顔料:カーボンブラック
金属水酸化物1:水酸化アルミニウム(表面処理有り)(昭和電工(株)製「HP−360STE」)
金属水酸化物2:水酸化マグネシウム(表面処理有り)(協和化学工業(株)製「キスマ−8SN」)
離型剤:天然カルナバワックス
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM403」)
着色剤:カーボンブラック
<環境対応性>
得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物について、ハロゲンフリー対応がなされているものを[○]、ハロゲンフリー対応がなされていないもを[×]と判定して評価した。その結果を表1に示す。
<耐炎性>
金型温度175℃、キュア時間120秒の成形条件で、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を金型を用いてトランスファー成形した後、175℃で6時間ポストキュアすることによって、厚み1/16インチ(1.59mm)をはじめ各種所定の厚みの試験片を作製した。この試験片に対して、UL94試験方法に従い、耐炎性を評価した。0.4mm厚みV−0 OKを[◎]、0.8mm厚みV−0 OKを[○]、1.6mm厚みV−0 OKを[△]、3.2mm厚みV−0 OKを[△△]、3.2mm厚みV−0 NGを[×]と判定して評価した。その結果を表1に示す。
<流動性>
流動性の評価は、170℃におけるスパイラルフローにより評価を行った。スパイラルフローはワイヤーへのダメージを少なくパッケージ内部へ樹脂を充填させるための指標として用いられており、パッケージ厚みが薄い先端分野の半導体装置においては、流動性の確保が材料設計の基本として求められている。そこで、スパイラルフローが120cm以上のものを[◎]、120〜70cmのものを[○]、70cm以下のものを[×]と判定して流動性を評価した。その結果を表1に示す。
<体積抵抗率の測定>
上記成形条件により100mmΦ×3mmtの寸法のテストピースを成形した。次に試験温度(20℃、130℃)に設定した試験用電極層に試験片をセットし、TAKEDA RIKEN製エレクトロメーターを用い、印加電圧DC500V、印加時間60sで電流値を読み取り、その電流値から下記式を用いて堆積抵抗率(ρv)を算出した。試験温度が20℃の場合、その体積抵抗率が1×1016以上のものを[○]、1×1015以上1×1016未満のものを[△]、1×1015未満のものを[×]と判定して評価した。試験温度が130℃の場合、その体積抵抗率が1×1015以上のものを[○]、1×1014以上1×1015未満のものを[△]、1×1014未満のものを[×]と判定して評価した。その結果を表1に示す。
(ρv)=πd/4t×V/I
d:マイナス電極の外径
t:試験片の厚み
V:印加電圧(V)
I:電流(A)
<耐リフロー性>
上記性形条件により評価用パッケージとして18SOPを10個作製した。この評価用パッケージに125℃で16時間ベーク処理を施した後、85℃/85%RH/96hrの条件で吸湿前処理を施し、さらにピーク温度260℃でのIRリフロー処理を三回施した。リフロー処理後、超音波探査装置を用い、チップ表面の剥離発生の有無を各10個のパッケージについて行った。そして、チップ剥離がないものを[○]、チップ剥離の発生があるものを[×]と判定して評価した。なお、表1に示す結果は、10個の評価用パッケージについての平均的な評価である。
<耐湿信頼性>
上記成形条件により評価用パッケージとして回路幅3μmのアルミニウム配線を施したテスト用素子を実装した16DIPを各10個作製した。この評価用パッケージに、85℃/85%RH/25V/1000hrの条件で高温高湿バイアステストを実施し、電気的なオープン不良の発生がないものを[○]、オープン不良の発生があるものを[×]と判定して評価した。なお、表1に示す結果は、10個の評価用パッケージについての平均的な評価である。
Figure 2009173845
表1より、式(I)のアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂を含有する硬化剤を配合した実施例1〜3の半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、耐炎性、流動性、体積抵抗率、耐リフロー性、耐湿信頼性がいずれも良好であることが確認できた。また、表面処理した金属水酸化物を配合した実施例2の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、実施例3と比べて、耐炎性が向上していることが確認できた。なお、実施例1〜3の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、いずれも地球環境保護の点からハロゲン系エポキシ樹脂や難燃剤として三酸化アンチモンを使用していない。
一方、比較例1〜2ではハロゲン系エポキシ樹脂や三酸化アンチモンを使用しており、環境対応性(環境性能)が劣る。また、試験温度130℃時の体積抵抗率が実施例1〜3と比較して劣ることが確認された。比較例3は、ハロゲン系エポキシ樹脂や三酸化アンチモンを使用しておらず、環境対応性が良好であるが、耐炎性、試験温度130℃時の体積抵抗率が実施例1〜3と比較して劣ることが確認された。

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材を必須成分とし、前記硬化剤としては、次式(I)
    Figure 2009173845
    (式中、Rは、水素、メチル基、または次式(II)
    Figure 2009173845
    で表されるメチルフェノール基であり、Rは、水素、アミノ基、または次式(III)
    Figure 2009173845
    で表されるアミノメチルフェノール基である。)で表されるアミノトリアジン型フェノールノボラック樹脂を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. シラン化合物で表面処理された金属水酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物によって封止されていることを特徴とする半導体装置。
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