JP2017203090A - 封止用エポキシ樹脂組成物、硬化物、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形時の良好な流動性及び離型性を有するとともに、その硬化物が優れた耐熱信頼性を有することができる封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。【解決手段】封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び無機充填材(C)を含有する。硬化剤(B)は、式(1)に示す化合物(B1)を含有する。式(1)中のRは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜3の範囲内の整数である。【選択図】なし
Description
本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物、前記封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物、及び前記封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置に関する。
従来、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子を外部環境からの保護したり、半導体素子のハンドリング性を向上したりするため、半導体素子をプラスチックパッケージすること、例えばエポキシ樹脂組成物で封止することで、半導体装置を得ることが行われている。
特許文献1には、封止用のエポキシ樹脂組成物に硬化剤としてビフェニル骨格を有するフェノール樹脂とフェノールノボラック樹脂とを含有させることで、成形時の良好な離型性を確保しながら及び半導体装置の耐熱信頼性を向上させることが、開示されている。
近年、特に車載部品には、非常に高いレベルの信頼性が要求されており、そのため、車載部品に搭載される半導体装置にもますます高い信頼性が必要とされている。しかし、封止用のエポキシ樹脂組成物の硬化物の信頼性を向上しながら、封止用のエポキシ樹脂組成物の成形時の優れた流動性及び離型性を確保することは非常に困難である。
本発明の目的は、成形時の良好な流動性及び離型性を有することができるとともに、その硬化物が優れた耐熱性を有することができる封止用エポキシ樹脂組成物、この封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物、及びこの封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置を提供することである。
本発明の一態様に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び無機充填材(C)を含有する。前記硬化剤(B)は、下記式(1)に示す化合物(B1)を含有する。式(1)中のRは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜3の範囲内の整数である。
本発明の一態様に係る硬化物は、前記封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物である。
本発明の一態様に係る半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子を封止する封止材とを備える。前記封止材が前記硬化物を含む。
本発明の一態様によれば、成形時の良好な離型性を有するとともに、その硬化物が優れた耐熱性を有することができる封止用エポキシ樹脂組成物、この封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物、及びこの封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置が得られる。
本発明の一実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び無機充填材(C)を含有する。前記硬化剤(B)は、下記式(1)に示す化合物(B1)を含有する。式(1)中のRは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜3の範囲内の整数である。
この封止用エポキシ樹脂組成物を金型成形することで、硬化物が得られる。封止用エポキシ樹脂組成物を成形する際には、封止用エポキシ樹脂組成物を加熱すると、封止用エポキシ樹脂組成物は優れた流動性を有する。さらに、金型から硬化物を取り出す際の離型性が良好である。このため、封止用エポキシ樹脂組成物を金型成形することで硬化物を製造する際の連続成形性が良好である。
さらに、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は、優れた耐熱性を有する。このため、硬化物を含む封止材を備える半導体装置は、高い耐熱性を有し、そのため半導体装置においては、高温下での封止材の剥離などの不良が生じにくい。また、硬化物は高い耐湿性も有することができ、このため半導体装置は高い耐湿信頼性を有することができる。このため、例えばリフロー処理を含む工程で半導体装置が基板に実装される場合に、半導体装置に不良が発生しにくい。また、半導体装置が高温環境下、高湿環境下、又は高温高湿環境下で使用される場合に、半導体装置は高い耐久性を有することができる。
封止用エポキシ樹脂組成物の成分について、更に詳しく説明する。
硬化剤(B)は、エポキシ樹脂(A)の硬化剤である。硬化剤(B)は、フェノール化合物を含有する。硬化剤(B)は、更に酸無水物を含有してもよい。フェノール化合物は、化学反応によりフェノール性水酸基を生成する機能性化合物を含有してもよい。
フェノール化合物には、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー全般が含まれてよい。例えば硬化剤(B)は、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビフェニル型ノボラック樹脂、トリフェニルメタン型樹脂、ナフトールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、及びビフェニルアラルキル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。特に、硬化剤(B)が低吸湿性のフェノールアラルキル樹脂及びビフェニルアラルキル樹脂のうち少なくとも一方を含有することが、半導体装置の信頼性向上のために好ましい。
機能性化合物の例には、加熱されることでフェノール性水酸基を生成する化合物が含まれる。より具体的には、機能性化合物の例として、加熱されると開環してフェノール性水酸基を生成するベンゾオキサジン類が挙げられる。
酸無水物は、例えば無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸及びポリアゼライン酸無水物からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
硬化剤(B)は、上述の通り、式(1)で示される化合物(B1)を含有する。化合物(B1)は、式(1)で示され式(1)中のnが1である成分(B11)、式(1)で示され式(1)中のnが2である成分(B12)、及び式(1)で示され式(1)中のnが3である成分(B13)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有してよい。特に化合物(B1)全体に対する、成分(B11)の量は、80〜90質量%の範囲内であることが好ましい。この量が80質量%以上であると、硬化物中の架橋密度が適度に低下することで、硬化物が加熱された際に硬化物が適度に軟化できる。これにより、硬化物は高い耐熱性を有することができる。また、この量が90質量%以下であると、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との良好な反応性が維持できる。これにより、封止用エポキシ樹脂組成物を成形する際の高い連続性形成を確保できる。
上述の通り、化合物(B1)を含有するから、封止用エポキシ樹脂組成物は成形時の良好な流動性及び離型性を有するとともに、その硬化物が優れた耐熱性を有することができる。また、硬化物は優れた耐湿性も有することができる。このような効果が得られる理由は明確ではないが、良好な離型性と耐熱性が確保されるのは、化合物(B1)が硬化物の架橋密度を適切に調整することで、硬化物に適度な柔軟性を付与することに起因すると、考えられる。また、優れた流動性は、化合物(B1)が有するアルキル基の作用に起因すると推察される。
式(1)中のRがいずれもメチル基であれば特に好ましい。この場合、封止用エポキシ樹脂組成物は特に優れた流動性を有することができる。
硬化剤(B)の1当量に対して、化合物(B1)は0.1〜0.3当量の範囲内であることが好ましい。化合物(B1)が0.1当量以上であると、硬化物は特に高い耐熱性を有することができる。また、化合物が0.3当量以下であると、離型性が特に良好でありうる。
エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1当量に対して、硬化剤(B)は、0.5〜2.0当量の範囲内であることが好ましく、0.8〜1.4当量の範囲内であれば更に好ましい。
エポキシ樹脂(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物である。エポキシ樹脂(A)は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。特にエポキシ樹脂(A)が、ビフェニル型エポキシ樹脂と、低級アルキル基が付加されたフェニル環を有する低吸湿型のエポキシ樹脂とのうち、少なくとも一方を含有することが、半導体装置の信頼性向上のために好ましい。エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は150〜290の範囲内であることが好ましい。エポキシ樹脂(A)の軟化点又は融点は50〜130℃の範囲内であることが好ましい。
無機充填材(C)は、一般にエポキシ樹脂組成物に配合される材料を特に制限なく含有できる。例えば無機充填材(C)は、溶融シリカ;球状シリカ;球状溶融シリカ;破砕シリカ;結晶シリカ;球状アルミナ;酸化マグネシウム;窒化ホウ素;窒化アルミニウム;チタン酸バリウム、酸化チタンといった高誘電率フィラー;ハードフェライトといった磁性フィラー;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、グアニジン塩、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、スズ酸亜鉛といった無機系難燃剤;タルク;硫酸バリウム;炭酸カルシウム;並びに雲母粉からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。特に無機充填材(C)は、球状溶融シリカを含有することが好ましい。無機充填材(C)の平均粒径は3〜40μmの範囲内であることが好ましく、この場合、成形時の封止用エポキシ樹脂組成物の流動性が特に良好である。なお、平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される。
無機充填材(C)は、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して70〜95質量%の範囲内であることが好ましい。無機充填材(C)が95質量%以下であると、封止用エポキシ樹脂組成物の成形時の流動性が特に優れ、ワイヤー流れ、未充填等の不良が抑制される。無機充填材(C)が70質量%以上であると、封止用エポキシ樹脂組成物の成形時の溶融粘度が過剰に高くなることが抑制されることで、封止用エポキシ樹脂組成物から形成される封止材におけるボイドなどによる外観不良が抑制される。無機充填材(C)が封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して85〜92質量%の範囲内であれば特に好ましい。
封止用エポキシ樹脂組成物は、上記成分に加えて、硬化促進剤、シランカップリング剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、イオントラップ剤、カーボンブラック等の顔料、着色剤、低応力化剤、粘着付与剤、シリコーン可撓剤といった、添加剤を含有してもよい。
硬化促進剤は、例えばトリアリールホスフィン系化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチルイミダゾールといったイミダゾール系化合物、及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
シランカップリング剤は、2個以上のアルコキシ基を有することが好ましい。シランカップリング剤は、例えばβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、及びヘキサメチルジシラザンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
難燃剤は、ノボラック型ブロム化エポキシ樹脂、金属水酸化物等を含有できる。特に難燃剤は、三酸化二アンチモン及び五酸化二アンチモンのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。
離型剤は、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等を含有できる。例えば、離型剤は、カルナバワックス及びポリエチレン系ワックスのうち少なくとも一方を含有できる。
イオントラップ剤は、イオントラップ能力を有する公知の化合物を含有できる。例えば、イオントラップ剤は、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等を含有できる。
低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴム、並びにシリコーン化合物が挙げられる。
封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法について説明する。エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び無機充填材(C)、並びに必要により添加剤を混合してから、熱ロール、ニーダー等の混練機を用いて加熱状態で溶融混合し、続いて室温に冷却し、更に公知の手段で粉砕することで、粉末状の封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができる。この粉末状の封止用エポキシ樹脂組成物を打錠することで、成形条件に見合った寸法及び質量を有するタブレット状の封止用エポキシ樹脂組成物を得てもよい。
封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は、半導体装置における半導体チップを封止する封止材として好適である。封止材を備える半導体装置について説明する。
半導体装置は、ICチップなどの半導体チップと、半導体チップを封止する封止材とを備える。封止材は、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物である。半導体装置は、半導体チップを支持する基材を更に備えてもよい。基材は、例えばリードフレーム又は配線板である。封止材は、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法、インジェクションモールド法といった公知の成形法で作製されてよい。
半導体装置を製造する場合、例えばまず基材に半導体チップを搭載する。半導体チップは、フリップチップボンディング、ワイヤボンディング等の方法で、基材に電気的に接続される。この半導体チップが搭載されている基材をトランスファーモールド用の金型にセットする。この状態で、封止用エポキシ樹脂組成物を加熱して溶融させてから、この封止用エポキシ樹脂組成物を金型に注入し、更に金型内で封止用エポキシ樹脂組成物を加熱する。これにより、封止用エポキシ樹脂組成物が熱硬化して、半導体チップを覆う封止材が形成される。
トランスファーモールド法で封止材を作製する場合、例えば金型温度は160〜185℃の範囲内、成形時間は60〜120秒の範囲内である。なお、成形条件は、封止用エポキシ樹脂組成物の組成に応じて、適宜に変更してよい。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみには制限されない。
(1)封止用エポキシ樹脂組成物の調製
封止用エポキシ樹脂組成物である実施例1〜10及び比較例1〜6を、次のように調製した。
封止用エポキシ樹脂組成物である実施例1〜10及び比較例1〜6を、次のように調製した。
表1及び表2の「組成」の欄に示す成分を用意し、まず無機充填材をシランカップリング剤で表面処理してから、処理後の無機充填材と残りの成分とを、ミキサーで十分混合することで混合物を得た。この混合物を2軸ロールで100℃の設定温度で5分間加熱しながら溶融混練し、冷却後、粉砕機で粉砕してから打錠することで、タブレット状の封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
なお、「組成」の欄に示す成分の詳細は、次の通りである。
・エポキシ樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、品番YX4000。
・エポキシ樹脂2:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、品番NC3000。
・エポキシ樹脂3:テトラメチルビスフェノールFタイプ型エポキシ樹脂、東都化成株式会社製、品番YSLV−80XY。
・フェノール化合物1:式(1)で示され、式(1)中のRがいずれもメチル基である化合物、n=1である成分の割合80〜90質量%、群栄化学工業株式会社製。
・フェノール化合物2:フェノールアラルキル型フェノール樹脂、明和化成株式会社製、品番MEH7800。
・フェノール化合物3:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、明和化成株式会社製、品番MEH7851SS。
・無機充填材:球状溶融シリカ、電気化学工業株式会社製、品番FB5SDC。
・シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン株式会社製、品番KBM803。
・離型剤:大日化学工業株式会社製、カルナバワックス、品番F1−100。
・顔料:カーボンブラック、三菱化学株式会社製、品番MA600。
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン、北興化学工業株式会社製。
・エポキシ樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、品番YX4000。
・エポキシ樹脂2:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、品番NC3000。
・エポキシ樹脂3:テトラメチルビスフェノールFタイプ型エポキシ樹脂、東都化成株式会社製、品番YSLV−80XY。
・フェノール化合物1:式(1)で示され、式(1)中のRがいずれもメチル基である化合物、n=1である成分の割合80〜90質量%、群栄化学工業株式会社製。
・フェノール化合物2:フェノールアラルキル型フェノール樹脂、明和化成株式会社製、品番MEH7800。
・フェノール化合物3:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、明和化成株式会社製、品番MEH7851SS。
・無機充填材:球状溶融シリカ、電気化学工業株式会社製、品番FB5SDC。
・シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン株式会社製、品番KBM803。
・離型剤:大日化学工業株式会社製、カルナバワックス、品番F1−100。
・顔料:カーボンブラック、三菱化学株式会社製、品番MA600。
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン、北興化学工業株式会社製。
(2)評価試験
(2−1)耐リフロー性評価1
平面視35mm×35mmの寸法の基板に、平面視8mm×9mmの寸法の半導体チップを実装してから、この基板をアピックヤマダ株式会社製の成形機(型番:MM−536)の金型にセットした状態で、封止用エポキシ樹脂組成物を成形温度175℃、キュア時間120秒の条件で成形することで、基板上に半導体チップを覆う封止材を形成した。この封止材に、加熱温度175℃、加熱時間4時間の条件でポストキュアを施した。これにより、半導体装置を得た。
(2−1)耐リフロー性評価1
平面視35mm×35mmの寸法の基板に、平面視8mm×9mmの寸法の半導体チップを実装してから、この基板をアピックヤマダ株式会社製の成形機(型番:MM−536)の金型にセットした状態で、封止用エポキシ樹脂組成物を成形温度175℃、キュア時間120秒の条件で成形することで、基板上に半導体チップを覆う封止材を形成した。この封止材に、加熱温度175℃、加熱時間4時間の条件でポストキュアを施した。これにより、半導体装置を得た。
この半導体装置を、30℃、60%RHの雰囲気の恒温恒湿機内に192時間配置した。続いて、半導体装置に、遠赤外線式リフロー炉(旭エレクトロニクス社製)を用いて、ピーク温度265℃の条件で、リフロー処理を施した。
日立パワーソリューションズ社製の超音波探査装置を用いて、半導体装置における半導体チップに対する封止材の剥離の有無及び程度を確認した。その結果、剥離が認められない場合を「A」、剥離が認められ、その面積が半導体チップの表面積に対して5%以下である場合を「B」、剥離が認められ、その面積が半導体チップの表面積に対して5%より大きい場合を「C」と、評価した。
(2−2)耐リフロー性評価2
半導体装置を恒温恒湿機内に配置する条件を、60℃、60%RH、120時間に変更した。それ以外は、上記「耐リフロー性評価1」の場合と同じ条件で、試験を行った。
半導体装置を恒温恒湿機内に配置する条件を、60℃、60%RH、120時間に変更した。それ以外は、上記「耐リフロー性評価1」の場合と同じ条件で、試験を行った。
(2−3)連続成形性試験
平面視40mm×40mmの寸法を有する基板を、第一精工製の成形機(品名S・Pot)の金型にセットした状態で、各実施例及び比較例における封止用エポキシ樹脂組成物を成形温度175℃、キュア時間150秒の条件で成形することで、基板上に成形体を形成した。その直後に、金型から基板を持ち上げることで、成形体を金型から取り外した。このとき、金型から基板を持ち上げるために要する力をデジタルフォースゲージ(IMADA製)で測定した。この操作を50回繰り返し行い、成形回数1〜25回目、26〜50回目の各々の場合の、デジタルフォースゲージによる測定値の平均値を算出した。また50個の測定値の平均が10N以下の場合は「A」、10Nより大きく30Nより小さい場合は「B」、30N以上の場合は「C」と判定した。判定結果がA又はBであれば、離型性が良好であると判断できる。
平面視40mm×40mmの寸法を有する基板を、第一精工製の成形機(品名S・Pot)の金型にセットした状態で、各実施例及び比較例における封止用エポキシ樹脂組成物を成形温度175℃、キュア時間150秒の条件で成形することで、基板上に成形体を形成した。その直後に、金型から基板を持ち上げることで、成形体を金型から取り外した。このとき、金型から基板を持ち上げるために要する力をデジタルフォースゲージ(IMADA製)で測定した。この操作を50回繰り返し行い、成形回数1〜25回目、26〜50回目の各々の場合の、デジタルフォースゲージによる測定値の平均値を算出した。また50個の測定値の平均が10N以下の場合は「A」、10Nより大きく30Nより小さい場合は「B」、30N以上の場合は「C」と判定した。判定結果がA又はBであれば、離型性が良好であると判断できる。
(2−4)流動性
株式会社神藤金属工業所製の成形機(型番:ETA−D型)と、ASTMD3123に準じたスパイラルフロー測定金型とを用い、製造直後の封止用エポキシ樹脂組成物のスパイラルフロー長さを、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、成形時間120秒の条件で測定した。スパイラルフロー長さが長いほど流動性が良好であると評価できる。
株式会社神藤金属工業所製の成形機(型番:ETA−D型)と、ASTMD3123に準じたスパイラルフロー測定金型とを用い、製造直後の封止用エポキシ樹脂組成物のスパイラルフロー長さを、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、成形時間120秒の条件で測定した。スパイラルフロー長さが長いほど流動性が良好であると評価できる。
Claims (5)
- エポキシ樹脂(A)、
硬化剤(B)、及び
無機充填材(C)、
を含有し、
前記硬化剤(B)は、下記式(1)に示す化合物(B1)を含有し、
封止用エポキシ樹脂組成物。 - 前記硬化剤(B)の1当量に対して、前記化合物(B1)は、0.1〜0.3当量の範囲内である、
請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。 - 前記式(1)中のRはいずれもメチル基である、
請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物。
- 半導体素子と、前記半導体素子を封止する封止材とを備え、前記封止材が請求項4に記載の硬化物を含む、
半導体装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019212664A (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-12 | 住友ベークライト株式会社 | 磁性部材成形用の樹脂組成物、磁性部材、コイル、磁性部材の製造方法および磁性部材成形用キット |
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2016
- 2016-05-10 JP JP2016094801A patent/JP2017203090A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019212664A (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-12 | 住友ベークライト株式会社 | 磁性部材成形用の樹脂組成物、磁性部材、コイル、磁性部材の製造方法および磁性部材成形用キット |
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