JP5600398B2 - 溶融Zn系めっき鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、建築、土木、家電等の分野で利用される耐食性に優れた溶融Zn系めっき鋼板に関する。
従来、建築、土木、家電等の分野では、溶融Zn系めっき鋼板が広く利用されており、例えば、建築分野では、海岸部など飛来塩分が多い厳しい環境でも、耐食性が優れることから無塗装で使用されることも多い。このような厳しい環境を含め、溶融Zn系めっき鋼板を構造体や屋根、壁に成形加工して使用する場合、加工部の耐食性がその構造体等の耐久性を決定する重要な要素となる。
この溶融Zn系めっき鋼板では、近年の高耐久性要求により、さらに耐食性を高める技術が検討されており、例えば、特許文献1には、めっき層組成がAl:4.0〜10質量%、Mg:1.0〜4.0質量%、残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板が示されている。
また、特許文献2には、溶融Zn−Al−Mg−Niめっき鋼板であって、めっき表面にNiを濃化させたものが示されている。
特許第3179401号公報 特開2008−138285号公報
しかし、特許文献1の溶融Zn系めっき鋼板のように、めっき層にMgを多く含有させるとめっき層が硬くなり、加工部にクラックが発生し、めっき層下地の腐食(赤錆)が進行するという欠点がある。
また、特許文献2の溶融Zn系めっき鋼板は、Niがめっき表面に濃化しているため耐黒変性の改善効果はあるが、めっき層の加工部における赤錆発生の抑制効果は小さい。
したがって本発明の目的は、めっき層が優れた加工性(耐クラック性)を有するとともに、めっき下地の腐食が生じにくい溶融Zn系めっき鋼板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、適量のAl、MgおよびNiを含有する特定のめっき組成を有する溶融Zn系めっき鋼板において、めっき層と下地鋼板の界面にNi濃化層を形成することにより、加工部でのクラック発生が抑えられるとともに、めっき下地の腐食が効果的に抑制されることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は、めっきが施されていない鋼板をめっき浴中で溶融めっきすることにより製造される溶融Zn系めっき鋼板であって、鋼板の少なくとも一方の表面に、Al:2.6〜10質量%、Mg:0.2〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.2質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなるめっき層を有するとともに、該めっき層と下地鋼板の界面にNi濃化層を有することを特徴とする溶融Zn系めっき鋼板である。
本発明の溶融Zn系めっき鋼板は、めっき層が優れた加工性を有し、加工部でのクラック発生が抑えられるとともに、めっき下地の腐食が効果的に抑制される優れた加工部耐食性を有する。
本発明の溶融Zn系めっき鋼板のめっき層断面の走査型電子顕微鏡写真 本発明の溶融Zn系めっき鋼板のめっき層断面のEPMA分析によるNi分析結果を示す図面 実施例における本発明例と比較例のサイクル腐食試験結果を示す図面
本発明の溶融Zn系めっき鋼板(以下、「本発明めっき鋼板」という)は、鋼板の少なくとも一方の表面に、Al:1.0〜10質量%、Mg:0.2〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.2質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなるめっき層を有するものである。
本発明めっき鋼板のめっき層中のAl含有量が1.0質量%未満では、めっき層と下地鋼板界面にFe−Zn系合金層が厚く形成し、加工性が低下する。一方、Al含有量が10質量%を超えるとZnの犠牲防食作用が低下し、端面部等の耐食性が劣る。また、Alが10質量%を超えるめっき層を得ようとすると、めっき浴中にAlを主体としたトップドロスが発生しやすくなり、めっき外観を損なうという問題も生じる。以上の理由から、めっき層中のAl含有量は1.0〜10質量%、好ましくは3〜6質量%とする。
Mg含有量が0.2質量%未満では耐食性の向上効果が少なく、一方、Mgが1.0質量%を超えるとめっき層の加工性が低下するという問題が生じる。以上の理由から、めっき層中のMg含有量は0.2〜1.0質量%、好ましくは0.3〜0.8質量%とする。
Ni含有量が0.005質量%未満では耐食性の向上効果が少なく、一方、Niが0.2質量%を超えるとめっき層の表面が過剰に活性化され、腐食しやすくなり、初期に白錆が出やすくなる。以上の理由から、めっき層中のNi含有量は0.005〜0.2質量%、好ましくは0.02〜0.1質量%とする。
本発明めっき鋼板は、以上のようなめっき組成において、めっき層と下地鋼板との界面にNi濃化層を有するものであり、このようなNi濃化層を有することにより、めっき層に下地に到達するような傷が入った場合や、加工によってめっき層にクラックが生じた場合でも、優れた耐食性が得られる。これに対して、Niがめっき表面に濃化しているめっき鋼板では、耐黒変性の改善効果はあるが、めっき層にクラックが発生した場合の赤錆発生の抑制効果は小さい。
本発明めっき鋼板のめっき付着量は特に制限はないが、通常は片面当たり30〜300g/m程度である。
本発明めっき鋼板において、めっき層と下地鋼板の界面に形成されるNi濃化層は、合金成分がめっき組成よりもやや多めの含有率からなるめっき浴と鋼板表面との界面で生じる金属の相互拡散(合金化反応)によるものであり、基本的にめっき浴および鋼板表面の温度を高い方がNi濃化層が形成されやすくなる。このため本発明めっき鋼板を得るには、めっき浴への鋼板の侵入板温450〜600℃、めっき浴温度400〜550℃の範囲で、板厚、ライン速度に応じてそれらを適正温度(通常よりも高めの温度)に制御するものである。
[実施例1]
めっき組成がAl:4.5質量%、Mg:0.6質量%、Ni:0.04質量%、残部Znおよび不可避的不純物で、片面当たりのめっき付着量:90g/mのめっき層を有する本発明の溶融Zn系めっき鋼板を製造した。この溶融Zn系めっき鋼板のめっき層断面の走査型電子顕微鏡写真を図1に、同じくめっき層断面のEPMA分析によるNi分析結果を図2に示す。
図1に示すように、本発明の溶融Zn系めっき鋼板のめっき層には、初晶Zn、Zn−Al2元共晶、Zn−Al−MgZn3元共晶が発生している。
図2の写真において明るい部分がNi濃度が高い部分であり(なお、実際の写真はNiの濃度がカラーで示され、黒色→青色→緑色→黄色→オレンジ色→赤色の順でNi濃度が高いことを示す)、めっき層と鋼板の界面部分にNiが濃化していることが判る。
[実施例2]
板厚0.5mmの未焼鈍冷延鋼板を種々のめっき浴組成で溶融めっきし、片面めっき付着量:90g/mの溶融Zn系めっき鋼板を製造した。これらの溶融Zn系めっき鋼板について、めっき層−鋼板界面でのNi濃化層の有無を調べるとともに、耐赤錆性を評価した。それらの結果を、めっき組成とともに表1に示す。Ni濃化層の有無の判定方法と耐赤錆性の評価方法を以下に示す。
(1)Ni濃化層の有無の判定
めっき層断面をEPMA分析し、下記基準でNi濃化層の有無を判定した。
あり:Ni濃化ピークが認められる。
なし:Ni濃化ピークが認められない。
(2)耐赤錆性(JIS−K−5600:サイクル腐食試験,サイクルA)
4辺をテープでシールし、カッターで下地鋼板まで到達するクロスカット傷を入れた平板試験片(75mm×150mm)と内R:0.5mmφで180度曲げ加工した試験片を用い、下記の腐食試験条件(合計8h)を1サイクルとして、350サイクルのサイクル腐食試験を行い、試験後のクロスカット部および曲げ加工部の赤錆発生面積率をそれぞれ目視で判定し、下記の評価基準で評価した。
・腐食試験条件
SST(35℃×2h:5%食塩水)

乾燥(60℃×4h:30%RH)

湿潤(50℃×2h:95%RH)
・評価基準
評点5:赤錆発生無
評点4:赤錆発生面積率1〜10%
評点3:赤錆発生面積率11〜25%
評点2:赤錆発生面積率26〜50%
評点1:赤錆発生面積率51%以上
表1に示されるように、本発明のめっき組成を満足し、且つめっき層と下地鋼板の界面にNi濃化層を有する本発明例のめっき鋼板は、クロスカット部および曲げ加工部の耐食性に優れている。表1の本発明例1と比較例1のクロスカット部および曲げ加工部のサイクル腐食試験結果(平板部耐食性、加工部耐食性)を図3に示す。

Claims (1)

  1. めっきが施されていない鋼板をめっき浴中で溶融めっきすることにより製造される溶融Zn系めっき鋼板であって、
    鋼板の少なくとも一方の表面に、Al:2.6〜10質量%、Mg:0.2〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.2質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなるめっき層を有するとともに、該めっき層と下地鋼板の界面にNi濃化層を有することを特徴とする溶融Zn系めっき鋼板。
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