JP3383119B2 - 光沢保持性、耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法 - Google Patents

光沢保持性、耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法

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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車排気系
素材、家電、各種熱器具、建材等に使用される光沢保持
性、耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融アルミめっき鋼板は主としてアルミ
からなるアルミめっき層(以下、めっき層と言う)、及
び被めっき鋼板とアルミの反応物である金属間化合物か
らなる層(以下、合金層と言う)とを有する鋼板であ
る。この鋼板を高温下で保持すると地鉄とアルミめっき
層の相互拡散が起こり、合金層が成長して最終的に表面
まで合金化が進行するとアルミの銀白色からFe−Al
合金の黒色へと外観が変化する。溶融アルミめっき鋼板
は400〜450℃まで合金化を抑制して銀白色を保持
する機能を有し、この特長を生かして熱器具等の熱反射
板として使用される例が多数見られる。また合金化は均
一には起こらないので加熱された際の合金化している部
位としてない部位の斑模様を防止するためにも合金化を
抑制する機能が求められるところである。
【0003】ステンレス鋼板も同様に光沢保持性に優れ
るが、溶融アルミめっき鋼板はステンレス鋼板よりも廉
価であり、近年その用途が広がりつつある。しかし溶融
アルミめっき鋼板は500℃以上に加熱されたときには
合金化の進行に伴い黒変が起こっていた。この光沢保持
性については、めっき原板中の固溶Nがめっき層Alと
反応してAlN層となり、この層がAlとFeの相互拡
散を抑制するためであるという機構が知られている。こ
のためめっき原板の鋼成分とAlNを生成させるめっき
後焼鈍条件を規定した発明がなされている。例えば本出
願人はめっき原板としてC:0.1%未満、sol−
N:3〜20ppm、Al:0.005%以下を含有す
る鋼を使用して、めっき後250〜500℃で0.32
hr以上加熱する方法(特公平2−61544号公報)
を開示した。
【0004】またC:0.2%以下、N:5〜60pp
m、Al:0.005%以上0.02%未満を含有する
鋼を使用して、めっき後350〜500℃で0.5hr
以上加熱する(特公平5−26864号公報)も開示さ
れている。これら発明により光沢保持性は550〜57
0℃まで向上していた。一方耐食性を向上させるために
アルミめっき浴に元素を添加する例も多数見られる。例
えば特公昭63−23264号公報にはSi:3%以
下、Mn:0.5〜4%を含有するめっき層を有する鋼
板の例が、また特公平6−11906号公報にはCr:
0.01〜2%をめっき浴中に添加するめっき鋼板の製
造法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ような発明には次のような問題点があった。例えば鋼中
固溶Nによる光沢保持性の向上効果は上記のように55
0〜570℃であり、例えば二輪車等の排気温度が高い
エンジンのマフラー等には更に光沢保持性を高めた材料
に対するニーズがあった。一方めっき浴中に元素を添加
する発明においても、めっき浴の温度を上昇させないた
めにはめっき浴への元素の添加量は一定量に制限する必
要があり、耐食性を充分に高め得るほどの添加量を添加
することが困難であるという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のこれまで
の問題点を克服する、ステンレス鋼と同等の600℃で
の光沢保持性を有し、耐食性にも優れた溶融アルミニウ
ムめっき鋼板を提供するものである。本発明者らは溶融
アルミめっき鋼板の諸特性に及ぼすめっき層及び合金層
の性質について種々実験を繰り返し、以下の知見を得る
に至った。すなわちアルミめっき浴にMnとCrを複合
添加すると、これらの元素はめっき層に均一に分散する
のではなく、合金層へ顕著に濃化していくことを見いだ
した。これは当該元素を複合添加したときに顕著に観察
される現象で、具体的にはめっき層中のこれら元素の濃
度は添加量の1/5〜1/10程度で、残りは合金層中
へ濃化する。これらの元素は合金層の上部、つまりめっ
き層と合金層界面に特に濃化する。従って耐食性、合金
化抑制に効果のある添加元素の濃度を高めた層を創製す
ることが可能となり、かくなる組成を有する溶融アルミ
めっき鋼板は従来の鋼板に比べて、格段優れた光沢保持
性と耐食性とを有することを見いだした。
【0007】まためっき浴中のSn,Znはいずれもア
ルミめっき鋼板の耐食性を著しく阻害する元素である。
このためこれら不純物元素の和は一定量以下に制限する
必要がある。Mn,Cr添加による光沢保持性、耐食性
向上効果は前述したように、めっき層−合金層界面のM
n,Cr濃化層が合金化を抑制し、あるいは腐食が進展
した際の耐食性に対して顕著に寄与するためであると推
測される。ここで述べたMn,Cr濃化層による光沢保
持性向上効果はめっき層或いは合金層に起因するもので
ある。ところがかかる組成のめっき層、合金層だけでは
充分な光沢保持性を与えるには不十分であり、めっき原
板として固溶Nを含有する鋼板を使用してAlN層によ
る合金化抑制効果と合わせる事により、600℃という
極めて優れた光沢保持性を得ることができる。而して上
記のめっき鋼板はめっき原板として特定量のC,Si,
Al,Nを含有したものを使用し、特定量のMn,C
r,Fe,Siを添加したうえで不純物のSnとZnの
和を特定量に制限しためっき浴を使用してめっきを行
い、その後特定条件で加熱する事で製造することができ
る。
【0008】以下本発明を具体的に説明する。本発明に
よれば、めっき原板としてC:0.1%以下、Si:
0.1%以下、N:0.0015〜0.0060%、A
l:0.01%以下を含有し、残部が実質的にFe及び
不純物元素であるような鋼板を使用し、その表面に平均
組成がFe:25〜50%、Si:3〜18%、Mn:
0.1〜5%、Cr:0.05〜0.8%、残部が実質
的にAlで、かつ厚みが5μm以下である合金層を有
し、更にその表面にSi:2〜12%、Fe:1%以
下、Mn:0.005〜0.3%、Cr:0.002〜
0.05%、残部が実質的にAlからなり、かつ不純物
中のSnとZnの合計が1%以下であるめっき層を有す
る溶融アルミめっき鋼板が提供される。
【0009】またかかる溶融アルミめっき鋼板の製造法
として、上記の鋼板をSi:3〜12%、Fe:0.5
〜2.5%、Mn:0.05〜1.0%、Cr:0.0
2〜0.15%、残部が実質的にAlからなり、かつ不
純物中のZnとSnの和が1%以下であるめっき浴でめ
っきし、めっき後300〜500℃で0.5hr以上加
熱処理する製造法が提供される。
【0010】以下本発明の限定理由について説明する。
まずめっき原板の組成について説明する。 C:同程度の固溶Nであれば、Cが少ないほど合金化抑
制効果は大きい。また本発明においては固溶Nが必須で
鋼板の加工性という面からもCは少ない方が望ましい。
このためCはできるだけ低い方が望ましく、0.1%以
下に限定する。 Si:Siは溶鋼の精錬工程において酸素と反応して珪
素及び珪酸塩を生成し、溶鋼中の酸素を除去するが、同
時にNと反応してSi3 4 ,SiNを生成する。これ
らは鋼素地内に析出している。またSiは固溶Nを減少
させる事が知られている。本発明の要旨から固溶NをA
l程度に保つ必要があるため、Si量は少ない方が好ま
しい。このため上限を0.1%とする。
【0011】Al:AlもSi同様製鋼段階で鋼中酸素
を調整するために添加するものであるが、Alが固溶A
lとして存在した場合、鋼板製造過程の温度600〜9
00℃においてAlNとして析出し、固溶Nを減少させ
る。このためAlはできるだけ低い方が好ましく、上限
を0.01%とする。 N:Nは前述したようにめっき層Alと反応してAlN
を生成し、Fe−Al合金化を抑制する。本発明では固
溶Nを減じる元素をできるだけ減らしているため、Nは
殆ど固溶していると思われる。AlNの緻密な層を生成
させるには0.0015%以上必要で、これを下限とす
る。一方でNは鋼板の加工性を阻害する元素で、0.0
060%を超えると伸びが減少し、プレス成形性も大幅
に低下する。従って上限を0.0060%に限定する。
【0012】その他の鋼成分については特に限定しない
が、本発明の主旨よりTi,Nb等のNと析出物を作る
元素は固溶Nを減少させるため望ましくないのは言うま
でもない。またMn,P,S等の元素は特に光沢保持
性、耐食性に影響を及ぼすものではなく、それぞれ0.
6%以下、0.02%以下、0.02%以下程度の通常
の含有量であれば何等問題はない。
【0013】次にめっき層の組成及び製造法の浴組成に
関して説明する。 Si:溶融アルミめっき鋼板には前述したようにアルミ
めっき層に加えて非常に硬くて脆い合金層が生成し、こ
の層はめっき密着性を阻害する。この影響を少なくする
ために通常めっき浴中にSiを10%程度添加して、合
金層の厚みを抑制している。本発明においても同様の目
的でSiを添加する。この目的のためにはめっき浴中の
Si量は最低限3%は必要で、この時のめっき層中のS
i量は2%以上になる。一方Siを添加し過ぎるとめっ
き層中に粗大な初晶Siが生成して耐食性に悪影響を与
えるため上限を12%とする。この時のめっき層中Si
量も12%程度である。
【0014】Fe:Feはめっき原板あるいは浴中機器
より溶出してくるもので、本発明において特に積極的に
添加しようとするものではない。通常めっき層中にも
0.3〜0.8%程度含有されている。Feは耐食性に
悪影響を与えるため少ない方が好ましく、めっき層中上
限値を1%とする。本来的には少なければ少ないほど好
ましいが、前述したように不可避的に混入してくる元素
で完全に除去する事は困難である。また浴中においても
不可避的元素で、除去することは不可能に近い。無理に
低減すると浴中機器を溶損しやすくなるため、浴中の下
限値を0.5%とする。耐食性阻害あるいはドロス起因
の外観汚れがでることから浴中の上限値を2.5%とす
る。
【0015】Mn:この元素は本発明において特に重要
である。合金層に濃化して耐食性、耐熱性等に著しい効
果のある元素で、その効果を発揮するためにはめっき浴
に最低0.05%は必要である。このめっき浴でめっき
した場合、めっき層には0.005%は含有されるため
この濃度をめっき層中下限値とする。一方Mnのめっき
浴中の溶解度は、通常のめっき温度である650℃にお
いて約0.6%である。A1−Mn二元系状態図ではM
nの溶解度は約1%とされているが、Siを約10%を
含有する浴においては溶解度が下がるものと思われる。
Mnを0.6%以上溶かすには浴温を上げる必要があ
り、そうすると合金層が厚く成長しやすくなってめっき
密着性が劣化するという問題を生じる。このため浴中M
n濃度の上限は1%とする。この浴でめっきを行うとき
のめっき層中Mn濃度は最大0.3%程度であり、これ
をもってめっき層中Mnの上限とする。
【0016】Cr:Mnと並んでやはり本発明に重要な
元素である。Crは特に耐食性への影響が大きく、また
Mnを合金層に濃化させる効果を有する。耐食性向上効
果を期待するためにはめっき層中に0.002%以上必
要である。このためには浴中に0.02%以上の添加が
必要である。CrもMnと同様にめっき浴への溶解度が
低く、650℃で約0.1%で、これ以上溶解させよう
とするとやはり浴温を上げなければならない。すると合
金層が厚く成長するため、0.15%を浴中Cr量上限
値とする。このときのめっき層中Cr量は0.05%程
度であるため、この値をめっき層中Cr量の上限とす
る。Al−Cr二元状態図ではAl中Cr溶解度は0.
4%であるが、Mnと同様の理由で溶解度は下がってい
ると思われる。
【0017】CrとMnを複合添加した際に両元素が合
金層に濃化する理由については現在のところまだ不明確
ではあるが、Cr−Mn−Fe(−Al−Si)系の安
定な金属間化合物が生成するためにFe濃度の高い原板
側にCr,Mnが移動していく事が考えられる。 Zn,Sn:これらは全てAlの耐食性を大きく阻害
し、白錆発生を早める元素である。このためこれらの元
素の和をめっき層中、浴中共に1%以下に限定する。
【0018】次に合金層組成の限定理由を説明する。 Si:前述したように合金層成長抑制の目的からめっき
浴中にSi:3〜12%を添加している。このときの合
金層中のSi濃度は3〜18%である。故に合金層中S
iはこの範囲内に限定する。 Fe:合金層は主としてめっき浴のAlと原板のFeの
反応により生成する。このときの合金層中のFe濃度は
25〜50%になる。従って合金層中Feはこの範囲内
に限定する。
【0019】Mn:浴中に添加されたMnは前述したよ
うにCrの効果で合金層に濃化する。この効果により耐
食性、耐酸化性、溶着性等の諸性能が大幅に向上する。
これらの効果が現れるには最低0.1%のMnが必要で
ある。一方やはり前述したように浴中Mn濃度には上限
があるために合金層中Mn濃度も上限を持つ。これが5
%である。
【0020】Cr:Mnと同様Crも合金層に濃化す
る。Crも耐食性に効果があると思われ、その効果は
0.05%以上で効力を発揮する。Crの上限値もめっ
き浴に添加できるCr量に依存し、0.8%である。合
金層厚みについては、厚すぎるとめっき密着性を阻害す
るため上限を5μmとする。合金層はめっき密着性を阻
害するため薄い方が好ましいために特に下限は設けな
い。通常の操業条件では合金層厚みは2〜3μmであ
る。
【0021】次にめっき後の加熱条件について説明す
る。加熱の目的は前述したように鋼中の固溶Nとめっき
層のAlを反応させて緻密なAlN層を生成させる事に
ある。このためには固溶Nが表層まで拡散してくる必要
がある。温度が300℃未満の場合にはこのNの拡散が
容易に起きないため、AlN層が生成しにくい。またA
lNの生成する反応はAl−Fe反応との競争で、温度
が高すぎるとAl−N反応よりもAl−Fe反応が優勢
になって寧ろ合金化反応が進行して緻密なAlN層は生
成しない。このため上限温度を500℃にする。また加
熱時間についてはAlNが緻密に生成するためには0.
5hr以上は必要である。時間はこれ以上であれば特に
限定はしないが、実際にはBAF焼鈍となるため、温度
の安定性、操業のしやすさを考えると3〜30hr程度
が好ましい。
【0022】本発明によるアルミめっき鋼板は優れた光
沢保持性、耐食性を有する。その理由は前述したよう
に、合金層上部(めっき層との界面近く)に濃化したM
n,Crを含有する層がFe−Al合金化反応を抑制
し、AlNによる抑制効果と相俟って光沢保持性が向上
すると考えられる。またこの層は耐食性にも影響が大き
いと思われる。本発明品の特徴として端面、スクラッチ
からの腐食の伝播が大きく抑制されることが挙げられ、
成形時の疵やスポット溶接部位を含む成形品において高
い耐食性が期待できる。本発明品は外観を美麗にするた
めにゼロスパングル処理を行う事もできる。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例でもって更に詳しく説明
する。 実施例1 通常の熱延、冷延工程を経た板厚0.8mmの表1に示
すような数種類の鋼成分の鋼をめっき原板として使用
し、無酸化炉−還元炉タイプのラインで溶融アルミめっ
きを行った。めっき後ガスワイピング法でめっき付着量
を両面約120g/m2 に調整し、冷却後巻取った。こ
の際めっき浴成分としてSi,Mn,Crを添加してめ
っきを行い、良好な外観のめっきが可能であった。こう
して得られたアルミめっき鋼板を大気中で380℃で1
0hr焼鈍し、しかる後性能評価を行った。評価方法を
以下に示す。また製造条件と評価結果を表2及び表3に
まとめる。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】(1)めっき層、合金層組成分析方法 めっき層:3%NaOH+1%AlCl3 ・4H2
中で電解剥離によりめっき層のみを剥離してめっき層組
成分析液として、各元素の定量分析を行った。 合金層:上記の電解剥離後、化成ソーダで合金層を剥
離して合金層組成分析液を得、各元素の定量分析を行っ
た。
【0028】(2)耐食性試験:下記の3種の試験を行
った。 塩水噴霧試験 寸法70×150mmの試料に対してJIS Z 23
71に準拠した塩水噴霧試験を30日行い、腐食減量を
測定した。 自動車排気系模擬凝結水浸漬試験 寸法70×150mmの試料を表4の溶液に30分浸漬
し、70℃で30分乾燥した。このサイクルを1000
サイクルを行い試験後の腐食減量を測定した。
【0029】
【表4】
【0030】(3)めっき密着性:下記2種の試験を行
った。 リバースベンド試験 図1に示すような形状に試片の衝撃曲げを行い、曲げ部
のめっき剥離状況を観察して、評点をつけた。評点の基
準を下記に示す。 評 点 基 準 1 異常無し 2 めっき層に亀裂発生 3 点状めっき剥離あり 4 箔状めっき剥離あり 5 全面めっき剥離 カップ絞り試験 ブランク径:50mm 絞り深さ:10mm ダイス肩半径:2mm ポンチ径:33mm 上記条件で絞り加工を行い、側面部のめっき剥離状況を
観察した。評点の基準はのリバースベンド試験と同一
である。
【0031】(4)光沢保持性試験 寸法50×50mmの試料を大気中で550℃,600
℃,650℃でそれぞれ200hr保定し、加熱後の外
観を目視判定した。判定基準は次の通り。 〇:銀白色保持 △:僅かに黒化部有り
×:全面黒変 (5)プレス成形性 80mmφの直径で40mm深さに成形し、割れの発生
により成形性を評価した。 〇:割れなし ×:割れ発生
【0032】実施例2 実施例1の本発明例3の条件の溶融アルミめっき鋼板を
大気中種々の条件で焼鈍し、光沢保持性を評価した。光
沢保持性の評価方法は実施例1と同様である。焼鈍条件
と光沢保持性の評価結果を表5にまとめる。
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】本発明によって得られたアルミめっき鋼
板は優れた光沢保持性、耐食性を有する。従来550℃
までであった光沢保持の限界温度がステンレス鋼と同等
の600℃になることにより、溶融アルミめっき鋼板の
用途が更に広がる事が期待できる。また耐食性について
も塩水噴霧はもとより、自動車排気系凝結水浸漬環境の
ような厳しい環境においても腐食による板厚現象が少な
いのが顕著な特徴で、排気系材料としても期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき密着性評価法であるリバースベンド法の
成形形状、手順の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−287492(JP,A) 特開 昭61−124558(JP,A) 特開 昭58−224159(JP,A) 特開 平6−330274(JP,A) 特開 平8−319548(JP,A) 特開 平8−319549(JP,A) 特開 平8−319550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼成分が重量%でC:0.1%以下、S
    i:0.1%以下、N:0.0015〜0.0060
    %、Al:0.01%以下、残部が実質的にFe及び不
    可避的不純物元素である鋼板の表面に、その平均組成が
    重量%でFe:25〜50%、Si:3〜18%、M
    n:0.1〜5%、Cr:0.05〜0.8%、残部が
    実質的にAlからなり、かつ厚みが5μm以下である金
    属間化合物被覆層を有し、更に前記金属間化合物被覆層
    の表面に、重量%でSi:2〜12%、Fe:1%以
    下、Mn:0.005〜0.3%、Cr:0.002〜
    0.05%、残部が実質的にAlからなり、かつ不純物
    中のZn,Sn含有量が合計で1%以下である被覆層を
    有する事を特徴とする光沢保持性、耐食性に優れた溶融
    アルミめっき鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼成分が重量%でC:0.1%以下、S
    i:0.1%以下、N:0.0015〜0.0060
    %、Al:0.01%以下、残部が実質的にFe及び不
    可避的不純物元素である鋼板に、Si:3〜12%、F
    e:0.5〜2.5%、Mn:0.05〜1.0%、C
    r:0.02〜0.15%、残部が実質的にAlよりな
    り、かつ不純物中のZn,Sn含有量が合計で1%以下
    であるめっき浴で溶融アルミめっきを行い、めっき後3
    00〜500℃で0.5hr以上加熱処理する事を特徴
    とする光沢保持性、耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼
    板の製造法。
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