JP5596640B2 - 水田作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、粉粒状の農用資材を圃場に供給する農用資材供給装置と、筒状の排出手段から空気とともに排出される前記農用資材を、袋状の回収体に回収する農用資材回収装置とを備えた水田作業機に関する。
この種の水田作業機に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1に記された水田作業機は、農用資材供給装置のホッパ(農用資材貯留部)に貯留されている肥料や種籾といった粉粒体状の農用資材を、ブロワによって形成される空気流を利用して水田などの圃場に供給する作業を終えたときに、ホッパに残留している農用資材を、農用資材回収装置によって袋状の回収体に回収することができる。この回収時には、例えば、農用資材を圃場に供給する際に用いた空気流の経路を切換弁によって変更することで、ホッパの下部と連通配置された回収管を介して回収体に回収する。
尚、特許文献1に記された水田作業機では、農用資材を搬送してきた空気の大半が回収体には入ることなく大気中に抜けるように、袋状の回収体の上半がメッシュ状の素材で構成されている。
特開平8‐130951号公報(0018−0020段落、図8、図9)
しかし、特許文献1に記された水田作業機では、例えば袋状の回収体をメッシュ状の素材の下方部位と回収体の本体との中間部位などを介して支持しておいた場合、農用資材の回収体への回収行程の途中で、回収体の底部に堆積され始めた農用資材の重量の作用で同底部が下向きに引っ張られ、回収体がその開口部を狭めるように変形するために、農用資材の円滑な回収ができなくなる虞があった。また、農用資材の回収時には、回収される農用資材に匹敵する量の空気が回収体から追い出される必要があるが、回収体の開口部が狭められると、回収体内の空気が外に放出され難くなる点も農用資材の円滑な回収ができなくなる一因となっていた。
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術による水田作業機が与える課題に鑑み、農用資材を回収体に回収する際に一貫して円滑な回収が可能な水田作業機を提供することにある。
本発明による水田作業機の特徴構成は、
粉粒状の農用資材を圃場に供給する農用資材供給装置と、筒状の排出手段から空気とともに排出される前記農用資材を、袋状の回収体に回収する農用資材回収装置とを備えた水田作業機であって、
前記農用資材回収装置が、前記排出手段を前記回収体の開口部に受け入れた状態で、前記回収体の上端付近を支持する支持ロッドを備え、
前記排出手段の外周と前記開口部の間に所定量の間隙が形成されるように、前記開口部を内側から保持する保持部材が前記支持ロッドに設けられている点にある。
上記の特徴構成による水田作業機では、筒状の排出手段を回収体の開口部に受け入れ、回収体の上端付近を支持ロッドによって支持させると、支持ロッドに設けられた保持部材が回収体の開口部を内側から保持し、排出手段の外周と開口部の間に所定量の間隙が形成、保持される。したがって、もしも回収体の底部が堆積され始めた農用資材の重量によって下向きに引っ張られても、保持部材の間隙保持作用によって、回収体がその開口部を閉じるような変形をする傾向が解消され、回収される農用資材に匹敵する量の空気が回収体から追い出される作用も正常に確保される。その結果、回収体が農用資材で一杯になるまで一貫して農用資材の円滑な回収が継続される。
本発明の他の特徴構成は、前記開口部から前記回収体内に挿入された前記支持ロッドの支持部が前記開口部に隣接配置された未開口部を持ち上げ支持可能に構成されており、前記未開口部を前記支持ロッドの外周に挟着する挟着姿勢と挟着解除された解除姿勢との間で変位操作自在な固定手段が前記支持ロッドに設けられている点にある。
本構成であれば、農用資材の流通にも一般的に使用されている縦長の袋の上部を切って開口部を作る際に、同上部の一部を切らずに未開口部として残すことで、農用資材を回収するための回収体とすることができ、農用資材の回収時には開口部から差し込んだ支持ロッドの支持部を未開口部の下面に差し込めば、回収体が支持ロッドの支持部に吊下げられた安定した姿勢で支持される。また、回収体を支持ロッドの支持部に支持させた状態で、支持ロッドに設けられている固定手段を挟着姿勢に揺動切り換えすることで、未開口部が固定手段によって支持ロッドの外周に挟着され、回収体を支持ロッドに対して正しい姿勢で固定することができる。
本発明の他の特徴構成は、前記支持ロッドは、前記農用資材供給装置の農用資材貯留部に支持された基端部と、前記回収体をその上端付近を介して支持する支持部と、前記基端部の側方外側の端部から前記支持部の側方内側の端部に向かって下向きに延出される接続部とを有する点にある。
本構成であれば、支持ロッドの基端部は一般的に地面に立った作業者の手元よりも高い位置に支持された状態となるが、支持ロッドの支持部は、同基端部よりも下方に配置されるので、作業者は地面に立った楽な姿勢のまま支持ロッドの支持部に対して回収体の付け外しなどを行い易い。
本発明の他の特徴構成は、基端部は、農用資材を回収するべく前記支持部が水田作業機から側方に突出した回収位置と、前記支持部が引退した退避位置との間で摺動移動可能に支持されており、
前記接続部が、前記基端部の側方外側の端部から前記支持部の側方内側の端部に向かって、斜め内向きに延出されている点にある。
すなわち、例えば接続部が真下向きに延出されている構成であれば、非回収時などに基端部を退避位置に摺動移動させても、未だ支持部の一部が水田作業機の幅から横向きに突出した状態となり易い。しかし、本構成であれば、接続部が、基端部の側方外側の端部から支持部の側方内側の端部に向かって斜め内向きに延出されているので、基端部を退避位置に摺動移動させると、支持部の全体が水田作業機の幅内に収まり易い。
本発明の他の特徴構成は、予備の前記回収体を収納する収納部が、前記農用資材供給装置の農用資材貯留部の蓋部材の裏面に設けられている点にある。
本構成であれば、農用資材貯留部の上方空間という比較的大きな既存の未活用空間を予備の回収体のための収納部として有効に用いることができる。また、本構成であれば、農用資材貯留部の蓋部材を開けるだけで、予備の回収体を簡単に収納、取り出しできるだけでなく、農用資材を圃場に供給する作業を終えたとき、農用資材回収の準備作業として、農用資材貯留部の蓋部材を開け、農用資材貯留部に残留している農用資材の量を確認し、その量に適した枚数の回収体を蓋部材の裏面に設けられている収納部から取り出すという一連の操作を円滑に行うことができ、好都合である。さらに、農用資材貯留部の蓋部材の裏面を予備の回収体の収納部としたことで、回収体が雨などで濡れ難く好都合である。
本発明の他の特徴構成は、農用資材の清掃用具を収納する収納部が、前記農用資材供給装置の農用資材貯留部の蓋部材の裏面に設けられている点にある。
本構成であれば、農用資材貯留部の上方空間という比較的大きな既存の未活用空間を予備の回収体のための収納部として有効に用いることができる。また、本構成であれば、農用資材貯留部の蓋部材を開けるだけで、農用資材の清掃用具を簡単に収納、取り出しできるだけでなく、農用資材貯留部に残留している農用資材の大半を回収した後、農用資材貯留部の蓋部材を再び開け、蓋部材の裏面から清掃用具を取り出し、農用資材貯留部の内面に付着した農用資材を清掃用具で底部に集め、それを再び回収体に回収するという一連の操作を円滑に行うことができ、好都合である。
田植機の全体側面図である。 田植機の全体平面図である。 施肥装置の正面図である 施肥装置の調節機構を示す側面図である。 施肥時における搬送風の流れを示す図である。 肥料回収時における搬送風の流れを示す図である。 繰出部の駆動系等を示す側面図である。 繰出部の縦断側面図である。 排出シャッターが閉じ状態での切換レバー等の操作系の側面図である。 排出シャッターが開放状態での切換レバー等の操作系の側面図である。 排出ダクトの内部に備えられたガイド体を示す断面図である。 下部繰出ケースと送風ダクトとの接続部を示す断面図である。 導風シャッターのシャッターバネ等を示す図12のXIII−XIII方向の断面図である。 操作ロッド、操作バネ、連係ロッド等を示す分解斜視図である。 切換シャッターを示す断面図である。 農用資材回収装置(支持ロッドは退避位置)を示す後面図である。 農用資材回収装置(支持ロッドは回収位置)を示す後面図である。 排出部のメッシュ状排出筒及び収納ケース部を示す部分拡大図である。 農用資材回収装置を示す斜視図である。 農用資材回収装置の固定手段を示す斜視図である。 貯留ホッパの蓋に設けられた収納部を示す斜視図である。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
〔田植機の全体構成〕
本発明に係る水田作業機の一例として図1及び図2に示す田植機は、機体1の運転部ステップ18上にステアリングホイール10等を装備した操縦部11と運転席12とを備え、本発明に係る施肥装置2(農用資材供給装置の一例)が運転席12の後方に配設されている。機体1は操向操作自在な左右一対の前輪14及び後輪15を備えており、車体フレーム13の前部側にエンジン16及びミッションケース17が配設される。
運転部ステップ18の両外側には、運転部ステップ18と連続的なステップ面をなす前部補助ステップ19が設けられ、さらにその両外側に予備苗のせ台22が設置される。また、前部補助ステップ19の後方には後部が高くなる後部補助ステップ20が配設されている。前部補助ステップ19及び後部補助ステップ20は、ステップ支持フレームに支持されている。
機体1の背面にはリフトシリンダ21aを備えたリンク機構21を昇降操作自在に連結してあり、このリンク機構21の後端側に苗植付装置3が備えられている。施肥装置2の繰出部32から繰り出された肥料は、ホース82を介して苗植付装置3の作溝器81に送られ、この作溝器81から圃場面に供給される。
〔苗植付装置〕
図2に示すように、苗植付装置3は8条植えに構成され、4つの植付伝動ケース83、植付伝動ケース83に支持される一対の回転ケース84、夫々の回転ケース84に備えた2つの植付爪85、5つの接地フロート86、及び、マット状苗が載置される苗のせ台87夫々を備えている。各植付爪85による苗植付け箇所の横側付近には、接地フロート86に取付けた作溝器81が1個ずつ配置され、その上端部にはホース82が接続している。この構成により、植え付け作動と連係して圃場面に植え付けられた苗の近傍位置に作溝器81が溝を形成し、この溝に肥料が供給される。
〔施肥装置〕
図3及び図5に示すように、施肥装置2は粒状の肥料(農用資材の一例)を貯留する4つの貯留ホッパ31(農用資材貯留部の一例)と、各貯留ホッパ31の下側に配置された4つの繰出部32とを備える。貯留ホッパ31は透明樹脂製の容器であり、支持フレーム33に固定されている。この支持フレーム33は丸パイプ状の横フレーム部33aと、横フレーム部33aに連結する角パイプ状で貯留ホッパ31を支持する支持フレーム部33bとを備えている。
貯留ホッパ31の上部に開閉可能な蓋31aが設けられ、この蓋31aを開放することで貯留ホッパ31内への肥料の投入が可能となる。貯留ホッパ31は機体1の幅方向に沿った長辺を有するほぼ直方体形状であり内部が4つの貯留空間に仕切られている。これらの各貯留空間の下側に一つの繰出部32が配設され、これら4つの貯留ホッパ31から繰出部32に肥料が送られる。1つの繰出部32は、2条の苗列に肥料を供給するように2本のホース82に対して肥料を送り出す。
図8に示すように、1つの繰出部32は、貯留ホッパ31の下方に配置された繰出ケース34と、繰出ケース34に内装された繰出ロール37及びブラシ38とを備えている。繰出ケース34は貯留ホッパ31の下端に支持された上部繰出ケース35と、繰出しロール37を間に挟むように上部繰出ケース35の下方開口部に連設された下部繰出ケース36とを有する。繰出ロール37は、上部繰出ケース35と下部繰出ケース36の境界部に横向き姿勢の軸芯を中心にして回転自在に備えられ、ブラシ38は毛先が繰出ロール37の外周に接触するように配置されている。
貯留ホッパ31に貯留されている肥料は自重により上部繰出ケース35に流入する。繰出ロール37の外周には肥料が入り込む凹部37aが周方向に沿って複数形成されており、この繰出ロール37の軸芯と同軸芯に配置した繰出軸65が図8において時計回り(矢印で示す方向)に回転することで凹部37a内にある肥料が下部繰出ケース36に送られる。このとき余分となる肥料は、ブラシ38ですり切られるため、凹部37aに入り込んでいる一定量の肥料だけが繰り出される。なお、下部繰出ケース36は透明な樹脂材料から作製されてため外部から内部を視認することができる。
下部繰出ケース36の下部前方には、後述するブロア104から送られる圧送用空気を受け入れる送風管路36aが連通状に配置されている。
他方、下部繰出ケース36の下部後方には、繰出しロール37によって繰出された肥料を送風管路36aから送られた圧送用空気と共に圃場に向けて送り出す搬送管55が連通状に配置されており、搬送管55の突出端に前述したホース82が連結されている。
また、下部繰出ケース36の前部側には、ブロア104からの圧送用空気を送風管路36aに送り込むための筒状の送風ダクト101が、水田作業機の幅方向に沿って並設された4つの繰出しケース部に沿って横長姿勢で配設されており、前述した送風管路36aは、後述する導入部材108を介して、送風ダクト101と連通接続されている。
送風管路36aのうち下部繰出ケース36との接続部には搬送風の流れを制限する絞り部36dが形成されている。このような構成から、施肥が行われる際には、繰出ロール37の回転により上部繰出ケース35の肥料が下部繰出ケース36の下部空間に送り出され、送風管路36aには送風ダクト101からの搬送風が供給される。この供給時には絞り部36dが搬送風の流れを少し制限することにより複数の送風管路36aに対して均一した搬送風が供給される。次に、下部空間に送り出された肥料は搬送風の圧力により搬送管55に送られ、更に、搬送風とともにホース82から作溝器81に搬送され作溝器81を介して圃場面に供給される。
苗植付装置3は機体1に対して昇降するため、昇降に応じて柔軟に変形するコルゲート管がホース82として用いられている。苗植付装置3のレベルに拘わらずホース82に対して肥料を円滑に搬送するためホース82の基端側、つまり、施肥装置2に連結する位置を高いレベルにすることが望ましい。そこで、図8などに示すように、側面視で搬送管55の搬送方向での下流側の端部位置を高い位置に設定している。
具体的には、搬送管55の搬送方向での中間位置から搬送上流側を搬送下流側ほど低くなる下り傾斜に設定し、中間位置から下流側を下流側ほど高くなる登り傾斜に設定するように、この搬送管55を緩やかに屈曲させている。搬送管55の内面が滑らかに成形されているため、繰出部32の下部空間から搬送風とともに肥料が搬送管55に送り込まれた際には、肥料は下り傾斜に沿って流れた後に登り傾斜に沿って登り、高いレベルからホース82に供給されることになる。
図5、図6、図12に示すように、1つの繰出部32は2本の搬送管55に対して肥料を送り出す構造であり、この2本の搬送管55を下部繰出ケース36に連結するため、2本の搬送管55に連結する単一の基端部55Aが2本の搬送管55と一体的に形成されている。基端部55Aには1本の開閉軸56が備えられ、この開閉軸56と一体的に作動することで対応する搬送管55を開閉作動する2つの導風シャッター57が開閉軸56に備えられている。開閉軸56に対して付勢力を作用させることで2つの搬送管55の導風シャッター57を同時に開放状態に設定するシャッターバネ58が2つの搬送管55の中間位置に備えられている。
下部繰出ケース36の下部空間(繰出部32の下部空間)から搬送管55に肥料が搬送される領域が搬送経路であり、導風シャッター57は搬送経路の何れの箇所に備えられても良い。従って、導風シャッター57を下部繰出ケース36に備えても良い。特に、導風シャッター57を閉じ状態にした場合には送風管路36aに供給される搬送風を繰出部32の下部繰出ケース36から上部繰出ケース35の方向に送ることが可能となる。
繰出部32の送風管路36aと送風ダクト101とを接続する箇所に、導入部材108が取り付けられている。図8、図12に示すように、導入部材108は、送風ダクト101内に突出する椀状の導入部108aを備えている。導入部108aは送風ダクト101の上流側に開口部を向けるように配置され、搬送風を送風ダクト101から送風管路36aに導くように構成されている。
図8、図11に示すように、繰出ロール37の外周近傍のうちブラシ38と反対側で、貯留ホッパ31と繰出部32との中間位置には、田植作業が完了した時点で貯留ホッパ31に残留している肥料を回収するための経路として排出口35aが設けられている。排出口35aには排出シャッター39が開閉自在に備えられ、この排出シャッター39は、横軸40と一体的に揺動することにより開閉操作される。
図6に示すように、繰出部32の後面側には排出ダクト102が横長姿勢で備えられており、各排出口35aはこの排出ダクト102に形成された筒状の接続部102aと連通接続されている。
通常の田植作業時には、排出シャッター39は図8の実線で示す閉じ状態に維持される。排出シャッター39を閉じ状態に設定した状態で、この排出シャッター39の揺動端39aが接触する接当部35bが上部繰出ケース35に形成され、この接当部35bを基準にして、排出ダクト102の方向ほど排出ダクト側の底面が低レベルとなる案内底壁35cが上部繰出ケース35に形成され、これに連なる接続部102aの内部には段部102bが形成されている。閉じ状態では、排出シャッター39の揺動端39aが排出口35aの接当部35bに接当する状態にあるため、肥料は排出ダクト102には排出されない。
一方、田植作業の終了後等に貯留ホッパ31に残留している肥料を回収する場合、排出シャッター39を図8の二点鎖線で示す開放状態に操作する。この開放状態では、貯留ホッパ31に残留する肥料が案内底壁35cから段部102bに送られると同時に、繰出部32の下部空間から供給される搬送風の圧力により接続部102aから排出ダクト102に送り出され、図6に示すように、排出ダクト102を流れる回収用の搬送風によって、排出ダクト102の排出部102cへと搬送されて回収袋5などに回収される。送風ダクト101及び排出ダクト102の配置や排出シャッター39の切り換え操作については後述する。
〔駆動・伝達機構〕
ここで、エンジン16の動力を繰出部32に伝達して駆動する駆動・伝達機構について説明する。繰出部32を操作する動力は、図1に示すミッションケース17から後方に延出された伝動軸51から伝達される。図3に示すように、伝動軸51及び回転アーム52は機体1の左右中央に配置され、左右の車体フレーム13の間に配置されている。伝動軸51に回転アーム52が連結され、回転アーム52の偏芯位置に作動ロッド53が上方に延出するように連結されている。このような構成により、伝動軸51とともに回転アーム52が回転駆動した際には作動ロッド53が上下往復運動を行い、この作動ロッド53の上下往復運動は調節機構70を介して駆動ロッド59から繰出ロール37へと伝えられる。
調節機構70には、作動ロッド53から伝えられる駆動力の作動ストロークを調節して駆動ロッド59に伝える作動量調節手段(不図示)が内装されている。作動量調節手段は図4に示す調節ノブ70Aを含み、この調節ノブ70Aを人為的に回転操作することにより、作動量変更手段による調節量が変更され、作動ロッド53の1作動当たりの繰出ロール37の回転角度が変更されて肥料の繰出し量の調整が実現される。
図7に示すように、繰出ケース34の後部位置には駆動軸62が配置され、この駆動軸62と一体回転する駆動ギヤ63が、各繰出ケース34の近傍に備えられている。繰出ロール37と一体回転する繰出軸65に備えた受動ギヤ65Aが繰出ケース34の側方外部に備えられ、この受動ギヤ65Aと駆動ギヤ63とが噛合されている。駆動軸62の軸端にはワンウエイクラッチ64が備えられ、このワンウエイクラッチ64のアームに対して、調節機構70の駆動ロッド59が連結している。
苗植付作業が行われる際には、伝動軸51からの駆動力が作動ロッド53と、調節機構70と、駆動ロッド59とを介してワンウエイクラッチ64に伝えられ、駆動軸62の駆動ギヤ63に噛合する受動ギヤ65Aが回転する結果、繰出軸65と一体的に繰出ロール37が回転し、貯留ホッパ31の肥料が繰り出され、施肥が行われる。そして、調節機構70の調節ノブ70Aを回転操作すると、駆動ロッド59の上下方向の作動ストロークが変更されるため、作動ロッド53の1作動あたりの繰出ロール37の回転角度が変更され肥料の繰り出し量の変更が実現する。
〔ブロア・搬送手段〕
図2から図5に示すように、肥料の供給あるいは回収の際に利用される搬送風を作り出すブロア104が運転席12の下後方に配設されている。このブロア104は、電動モータ104aをファンケース104bに連結した構造を有しており、ファンケース104bに内蔵したファン104cが電動モータ104aで駆動されることによりファンケース104bから送風ダクト101に搬送風が供給される。
また、図2に示すように、ブロア104に外気を導入する導入ダクト105は、導入ダクト105の吸気口105aがエンジン16の近傍でマフラー25の後方に位置するように配設されている。すなわち、エンジン16で加熱された空気やマフラー25で加熱された空気を吸気口105aから吸引し、搬送風の温度を上昇させることが可能となり、搬送風により肥料の乾燥を促進できる。
図3に示すように、左右一対の車体フレーム13から上方に補助フレーム13aが立設され、この左右の補助フレーム13aの上端に対して着脱自在に備えたブラケット67で吊り下げる形態でブロア104が支持されている。ブラケット67は、水平姿勢で補助フレーム13aの上端に対してボルトにより着脱自在に取り付けられる支持片67aと、この支持片67aの中間位置から下方に垂下する姿勢でファンケース104bに連結する連結片67bとで構成されている。したがって、例えば、メンテナンスのためにブロア104を取り外す場合には、ボルトの操作により補助フレーム13aからブラケット67を取り外すことにより、ブロア104を上方に抜き出すことができる。
図5及び図6に示すように、送風ダクト101は、右側送風ダクト101aと左側送風ダクト101bとを備え、これらにブロア104から搬送風を供給する分岐ダクト101cを備えており、これらは繰出部32の前側(図5、図6の下側)に配設されている。図7及び図8に示すように、右側送風ダクト101a及び左側送風ダクト101bには各繰出部32の送風管路36aが連結されている。
肥料回収用の排出ダクト102は、繰出部32の後側(図5、図6の上側)に配設され、各繰出部32の排出口35aと連結される。排出ダクト102の右端(図5、図6の左側)には、肥料を回収袋5(図6を参照)に回収するための排出部102cが設けられている。送風ダクト101と排出ダクト102とは、各ダクトの左端(図5、図6の右側)にて、平面視でコ字状の連結ダクト103により連通状態で連結されている。連結ダクト103には切換シャッター107が設けられ、排出ダクト102への搬送風の流入を許容する状態と遮断する状態との間で切り換えることができる。
〔施肥装置の操作機構〕
図9及び図10に示すように、施肥装置2を、貯留ホッパ31の肥料を搬送風とともにホース82から圃場面に供給するための「作業位置」と、貯留ホッパ31に残留している肥料を搬送風とともに回収するための「回収位置」とに操作自在な切換レバー26が、繰出部32の前部側(機体1の前側)に向けて突出する位置に備えられている。この切換レバー26は、4つの排出シャッター39と、8つの導風シャッター57と、切換シャッター107とを連係して操作する切換操作具として機能する。
切換レバー26は、切換軸27の右端(図5、図6の左側)で、排出部102cに近接した位置に設けられているので、作業者が肥料の回収状況を確認しながら切換レバー26の操作を行うことができる。切換軸27には4つの切換アーム28と、回動アーム45(図5、図6、図15を参照)が固定されており、切換レバー26を操作して切換軸27を回動させることにより、4つの排出シャッター39と切換シャッター107との開閉を同時に行い、排出シャッター39の開閉と連係して導風シャッター57を開閉する連係が構成されている。
図7に示すように、切換レバー26と支持フレーム33との間には、この切換レバー26を「作業位置」と「回収位置」との何れか一方にトグル式に保持するように切換レバー26に常時付勢力を作用させるスプリング24が設けられている。つまり、スプリング24が切換レバー26に係合する位置を付勢力作用点とすると、切換レバー26が「作業位置」にある場合には、付勢力作用点は切換軸27より上側にあり、スプリング24の付勢力は切換レバー26を「作業位置」に保持する力として作用する。これとは逆に、切換レバー26を「作業位置」から「回収位置」に操作した場合には、付勢力作用点が切換軸27の下側に切り換わるため、スプリング24の付勢力は切換レバー26を「回収位置」に保持する力として作用する。
図9、図14に示すように、排出シャッター39を開閉作動させる横軸40の端部に2つのアーム部を有する切換部材72が取付られ、この切換部材72の一方の端部と切換アーム28との間に付勢手段としての操作バネ73と、操作ロッド74とが介装されている。つまり、操作バネ73は、一方の端部を切換部材72に係合させ、他方の端部を切換アーム28に係合させている。また、操作ロッド74の一方の端部を切換部材72に係合させ、他方の端部を切換アーム28の長孔28aに係合させている。
また、一対の導風シャッター57を開閉作動させる開閉軸56の端部に開閉レバー75が備えられ、この開閉レバー75と切換部材72の他方のアームとの間に連係機構としての連係ロッド76が介装されている。この連係ロッド76は上端側を切換部材72に係合させ、中間部をガイド部35eに挿通させ、下端部の操作端76aを開閉レバー75に近接させている(図14を参照)。ガイド部35eは、U字状のロッドを上部繰出ケース35のフランジ部35fの側面に備えて形成されている。
特に、開閉レバー75において連係ロッド76が係合する部位には、アームの上方に開放しており、この開放部分には係合部75aが形成されている。すなわち、搬送管55を下部繰出ケース36から取り外す場合にも、連係ロッド76が開閉レバー75から分離しているのでメンテナンスを容易にできるものとなる。また、係合部75aは連係ロッド76が下方に作動した際に、下端の操作端76aに係合することにより開閉レバー75と連係ロッド76との分離を阻止する。
このように、操作バネ73と、操作ロッド74と、切換アーム28の長孔28aとで施肥装置2の操作機構が構成されている。この操作機構では、切換レバー26を「作業位置」に設定した際には、操作ロッド74の切換アーム側の端部が長孔28aの内部で自由に変位できる状態にあり、操作バネ73(付勢手段)が伸長状態に達することから、この操作バネ73の付勢力だけを切換部材72に作用させ、横軸40を中心にして切換部材72を揺動させることで排出シャッター39が閉じ状態に操作される。また、切換レバー26を「作業位置」に設定した場合には、切換部材72の揺動姿勢の切り換わりに伴い、連係ロッド76が引き上げ方向に作動し、シャッターバネ58の付勢力によって開閉レバー75が揺動することにより、導風シャッター57が開放状態に操作される。
この操作機構では、切換レバー26を「回収位置」に設定した際には、操作バネ73が弛緩して付勢力が切換部材72に作用しない状態に達するとともに、操作ロッド74の切換アーム側の端部が長孔28aの端部に接当し、切換レバー26からの押し込み方向への操作力を切換部材72に伝えることにより排出シャッター39が開放状態に操作される。また、切換レバー26を「回収位置」に設定した場合には、切換部材72の揺動姿勢の切り換わりに伴い、連係ロッド76が押し下げ方向に作動し、操作端76aからの押圧力によって開閉レバー75を揺動させることにより、シャッターバネ58の付勢力に抗して導風シャッター57が閉鎖状態に操作される。
図5、図6、図15に示すように切換軸27は、切換ロッド46を介して切換シャッター107と連係している。具体的には切換シャッター107のシャッター軸47aの軸端に操作アーム47を備えており、切換軸27に備えた回動アーム45と操作アーム47とが切換ロッド46によって連係されている。すなわち、切換レバー26が「作業位置」にある状態では、切換シャッター107が実線で示す閉じ状態に設定され、切換レバー26が「回収位置」に操作されると、切換シャッター107が仮想線で示す開放状態に達する。
田植作業を行う際には、切換レバー26を「作業位置」に設定維持することにより、図5及び図8(実線記載)に示すように、排出シャッター39を閉状態に、導風シャッター57を開状態にし、切換シャッター107を閉じ状態とする。これにより、ブロア104からの搬送風は、右側送風ダクト101a及び左側送風ダクト101bに送られるが、排出ダクト102への供給は切換シャッター107により遮断されている。このため、搬送風は送風ダクト101から繰出部32の下部に送られ、この繰出部32から繰り出される肥料の圃場面への供給を実現する。
他方、田植作業が終了し、貯留ホッパ31の肥料を回収する際には、切換レバー26を「回収位置」に設定維持して、図8において二点鎖線で示すように、排出シャッター39を開放状態に、導風シャッター57を閉じ状態にし、切換シャッター107を開放状態とする。これにより、ブロア104からの搬送風は繰出部32の下部から繰出部32の繰出ロール37の方向に送られると同時に、連結ダクト103を経て排出ダクト102に送られる。また、排出シャッター39が開いているので、繰出ロール37とブラシ38との間を通過した空気の流れと、その自重とにより肥料は繰出部32から排出ダクト102に排出される。その結果、排出ダクト102に排出された肥料が、搬送風によって排出部102cへと運ばれ、肥料回収を行うことができる。
図11に示すように、上部繰出ケース35に接続する接続部102aの開口部位を排出ダクト102の内部側に少し突出させ、この部位の搬送風の流れを高速化することにより、この排出ダクト102の負圧が高まり、吸引が良好に行われる。
また、上部繰出ケース35と接続している接続部102aに、平面視で三角形状の突起部102dを形成している。この突起部102dは、搬送風の流れの方向で下流側となる接続部102aの側面に形成され、搬送風が上部繰出ケース35に流れ込むことや、接続部102aで搬送風が拡散して渦を作る不都合を抑制する。
更に、複数の接続部102aのうち連結ダクト103に最も近い部位では、連結ダクト103から排出ダクト102に搬送風が送られる際に流れが90度変更されるため、空気の流れが乱れる現象を招くものである。このような理由から、複数の接続部102aのうち空気の流れの上流側(連結ダクト103の側)には、搬送風を接続部102aへ案内することにより、この接続部102aの方向への搬送風の流入を抑制するガイド体110を備えている。これにより、接続部102aから肥料の排出を良好に行わせ、搬送風の流れにより搬送できるようにしている。
〔肥料回収装置の構造〕
図3、図16及び図17に示すように、排出ダクト102の排出部102cの付近には、排出部102cから空気とともに排出される肥料を袋状の回収体に回収する農用資材回収装置100が配置されている。
図17に示すように、排出部102cは、排出ダクト102の右端を斜め下向きに屈曲させることにより肥料の排出方向を下向きに設定してあり、農用資材回収装置100は、排出部102cの先端から延出される柔軟なメッシュ状排出筒111(排出手段の一例)と、メッシュ状排出筒111から排出される肥料が回収袋5(回収体の一例)に入るように回収袋5を支持する概して横長の支持ロッド90とを備える。
回収袋5は、例えば肥料の流通に用いられている縦長の袋を利用したもので、上辺部を一端から中央に向かって切り取ることで開口部5aを設け、同中央付近から上辺部の他端までは故意に切り取らずに未開口部5bとして残されている。
回収袋5を支持ロッド90で支持させる際には、後述する支持ロッド90の支持部90cを開口部5aから回収袋5内に挿入し、この未開口部5bを下から持ち上げた形態で、言い換えれば、回収袋5が未開口部5bによって支持部90cに吊り下げられる形態で、回収袋5を支持させることになる。
尚、排出部102cの先端付近には、メッシュ状排出筒111を収納するための収納ケース部14が形成されている。収納ケース部14は、先端に向かって次第に拡径された概して漏斗状のケース本体14aと、ケース本体14aの開口面を閉じる蓋部材14bとを有する。ケース本体14aの内側の基端部には短い補助筒112が装着されており、メッシュ状排出筒111の基端部は、環状またはベルト状などの締結手段によって、この補助筒112の外周に外嵌状に装着されている。
図18(a)に例示するように、メッシュ状排出筒111は、使用しない時には小さくロール状などに畳み込んだ状態で収納ケース部14内に収納しておくことができ、図18(b)に例示するように、肥料の回収時など必要なときに適宜、蓋部材14bを開けてメッシュ状排出筒111を引き出し、図19に示すように、支持ロッド90の支持部90cに吊り下げられた回収袋5の開口部5a内にメッシュ状排出筒111の先端を装着させればよい。
このように、排出手段としてメッシュ状排出筒111を用いるので、保持部材120によってメッシュ状排出筒111と回収袋5の開口部5aとの間に間隙が確保されるだけでなく、メッシュ状排出筒111のメッシュ状の壁面自身を通して搬送用の空気が大気中に排出されるので、さらに円滑な肥料の回収が確保される。
〔支持ロッドの構成〕
図16、図17に示すように、支持ロッド90は、貯留ホッパ31の右端付近に略水平に支持された基端部90aと、回収袋5の未開口部5bを支持する支持部90cと、基端部90aの側方外側の端部と支持部90cの側方内側の端部とを接続する接続部90bとを有する。より詳細には、接続部90bは、基端部90aの外側端部から支持部90cの内側端部に向かって、斜め内向きに延出されており、その結果、後方から見ると支持ロッド90は概してZ字状を呈している。
支持ロッド90の基端部90aは、最も右寄りに配置された貯留ホッパ31の後方に突出配置された2つのステー91に支持されている(図4も参照のこと)。より具体的には、繰出部32を支持する支持フレーム33の支持フレーム部33bから後方に突出するように2つのステー91が固設され、各ステー91に穿設された貫通孔に対して支持ロッド90の基端部90aが挿通されている。
基端部90aは、支持部90cよりも十分に長く、ステー91に対して左右に摺動移動可能に設けられている。したがって、支持ロッド90を、図16に示すように支持部90cが水田作業機の幅内に引退した退避位置と、図17に示すように、肥料を排出部102cから回収袋5に回収するべく支持部90cが水田作業機から側方に突出した回収位置との間で手動によって切り換えることができる。
尚、基端部90aの外周面の1箇所にはステー91の側面と当接可能な一つの規制突起90pが形成されている。規制突起90pは左右2つのステー91の間に挟まれる領域に配置されており、支持ロッド90が退避位置に配置されたときは、左側のステー91の側面と接当することで、図16に示す退避位置よりも左側に移動することを規制し、支持ロッド90が回収位置に配置されたときは、右側のステー91の側面と接当することで、支持ロッド90が図17に示す回収位置よりも右側に突出することを規制する。
〔保持部材の構成〕
図19に示すように、支持ロッド90の支持部90cには、回収袋5の開口部5aを内側から保持するコ字状の保持部材120が設けられている。保持部材120は、前後方向に延びる中央部120aと、中央部120aの両端から田植機の幅方向の内側に向かって平行に延びる一対のアーム部120b,120cとを有する。
アーム部120b,120cの先端にはゴム製などの保護キャップ120dが取り付けられている。保護キャップ120dは、金属製のアーム部120b,120cの先端が回収袋5を損傷させ難くするのと同時に、回収袋5を支持部90cに吊り下げたとき、開口部5aが肥料の重量でずり下がるのを、回収袋5の内面との摩擦に基づいて防止する役目をも果たす。
保持部材120は、その中央部120aを支持部90cの下面に溶接することで支持ロッド90に取り付けられているが、保持部材120の全体が支持部90cに対して田植機の前寄りに配置されるように、中央部120aの前後中央部ではなく後端付近が支持部90cの下面に溶接されている。
また、前寄りのアーム部120cの一部からは、後寄りのアーム部120bに向かって補助アーム121が延設されている。補助アーム121は中央部120aから田植機の幅方向の内向きに離間した位置で、概して中央部120aと平行に、支持ロッド90の支持部90cの手前の位置まで延びている。
肥料の回収を行う際は、未開口部5bが右側に位置する姿勢で回収袋5を持ち、支持部90cの先端を回収袋5の開口部5aに受け入れ、次に保持部材120の全体が開口部5aに収まり、且つ、支持部90cの先端が未開口部5bの内側に来るように回収袋5の位置を田植機の幅方向の内側に向かって調整する。
これで、回収袋5は、未開口部5bを介して支持部90cの先端に吊り下げられ、且つ、開口部5aが保持部材120によって径方向内側から保持された状態になる。このとき、メッシュ状排出筒111と保持部材120との位置関係から自然に、メッシュ状排出筒111は、保持部材120の一対のアーム部120b,120cの間、特に前寄りのアーム部120cに近接するように、且つ、補助アーム121の内側に配置される。
尚、支持ロッド90の全体が排出ダクト102の後方側に隣接しているために、メッシュ状排出筒111は支持ロッド90の支持部90cよりも前寄りに位置するが、前述したように、保持部材120は支持部90cに対して田植機の前寄りに配置されているので、支持部90cの先端に吊り下げられた回収袋5の開口部5aの大半が支持部90cよりも前寄りに配置されることになり、メッシュ状排出筒111から横向きで斜め下向きに排出される肥料を回収袋5に確実に回収できる。
また、メッシュ状排出筒111の外形は円形または楕円形であるのに対して、保持部材120の実質的な内面形状は概して矩形を呈しているので、特に保持部材120の4つのコーナー付近にはメッシュ状排出筒111の外周に隣接する間隙が形成され、その結果、肥料回収の全期間を通じて、メッシュ状排出筒111と回収袋5の開口部5aとの間にも十分な間隙が形成、保持されることになる。
尚、保持部材120は、閉じられた矩形ではなく、田植機の幅方向内側に開放されたコ字状としてあるので、円筒状のメッシュ状排出筒111に限らず、互いに先端形状の異なる複数種類の排出管を保持部材120の内部にフレキシブルに受け入れることができる。
このように、回収袋5の開口部5aの周囲に所定量の間隙が確保されているので、肥料の回収に際して、肥料と共にメッシュ状排出筒111から排出される搬送用の空気の大半が同間隙から容易に外気へと流れ出し易い。その結果、搬送用の空気が回収袋5の内部で勢い良く旋回して肥料の微粉を回収袋5の外に噴き出させるなどの現象が生じ難い。また、回収開始後に肥料の重みによって回収袋5が変形し、回収袋5の開口部5aが閉じられたり、メッシュ状排出筒111の先端の開口部に密着して肥料の排出を阻害したりする虞が少ない。
さらに、メッシュ状排出筒111の保持部材120内での位置は補助アーム121との接当によって制限されているため、補助アーム121と中央部120aとで挟まれ、メッシュ状排出筒111や回収袋5の上縁部によって塞がれ難い矩形の空間も、搬送用の空気を迅速に外気へと流れ出させることを助けている。
〔固定手段の構成〕
支持ロッド90の支持部90cには、回収袋5の未開口部5bを支持部90cの外周に挟着するための固定手段125が設けられている。図20に示すように、固定手段125は、1本の鋼線などを曲げ加工して作られており、同鋼線の中心部を円形に加工して得られたハンドル部125aと、ハンドル部125aの両端に設けた第1近接部126aから一旦左右に広がり、再び近接するように円形に加工して得られた挟着部125bと、挟着部125bの両端に設けた第2近接部126bから左右に直線状に延びた第1直線部125cと、第1直線部125cの両端からハンドル部125a及び挟着部125bの作る平面に対して直角に延びた第2直線部125dと、第2直線部125dの両端から内側に延出された第3直線部125eを有する。
第3直線部125eの先端は、保持部材120に近接した位置で、支持部90cの前後側面に形成された一対の貫通孔に挿通されている。円形の挟着部125bは外力から解放された状態で支持部90cの外径を下回る内径を備えている。
固定手段125は、挟着部125bが支持部90cの外周面に外嵌された作用位置と、挟着部125b及び第2近接部126bが支持部90cの上方に配置された解除位置との間で、第3直線部125eを中心に揺動操作することができる。解除位置から作用位置への切り換えは、ハンドル部125aを指で移動させることで実現できるが、この切り換え時には、ハンドル部125aの持つ弾性に基づいて、第2近接部126bが支持部90cの外周面に沿って滑り降りながら広げられる。
回収袋5を支持部90cに吊り下げる際は、事前に固定手段125を解除位置にしておき、支持部90cが回収袋5の未開口部5bの下面に挿通され、開口部5aが保持部材120に保持された状態で、固定手段125を作用位置に切り換えれば、回収袋5の開口部5aの左右一対の上縁部が支持部90cと挟着部125bの間に挟着される。
尚、固定手段125は支持ロッド90のストッパとして支持ロッド90の基端部90aの一部にも取り付けられている。この第2の固定手段125の第3直線部125eは、支持ロッド90が退避位置にあるときに、外側のステー91よりも外側に隣接配置された貫通孔に挿通されている。
支持ロッド90が退避位置にあるときに、固定手段125を作用位置に切り換えれば、ステー91が、基端部90aに係止された挟着部125bと貫通孔に挿通された第3直線部125eの間に挟まれる状態となり、支持ロッド90が回収位置に向かう伸張も含めて不用意に横向きに移動することが抑制される。
支持ロッド90の基端部90aと右側のステー91との間には、支持ロッド90が基端部90aの軸心回りで回転することを規制する規制機構が設けられている。この規制機構は、図19に示すように、基端部90aの右端付近から前方向きに突出配置された板状の規制片90sと、右側のステー91の一部に形成された規制凹部91tとからなる。
支持ロッド90をその接続部90bが正確に上下に延びた姿勢のまま回収位置から退避位置に移動させると、規制片90sが右側のステー91の規制凹部91tに係止され、退避位置における支持ロッド90の軸心回りでの不用意な回転が規制される。
〔収納部の構成〕
貯留ホッパ31のホッパ蓋31a(蓋部材の一例)の裏面には、予備の数枚の回収袋5、及び、貯留ホッパ31の内面などに付着している肥料を掃き落とすためなどに使われる清掃用ブラシ128(清掃用具の一例)を収納する収納部が設けられている。
この収納部は、ホッパ蓋31aの裏面に互いに左右に離間するように配置された一対のクリップ部材130によって構成されている。クリップ部材130は、ホッパ蓋31aの裏面にネジなどで固定された基端部130aと、基端部130aの先端から延設された中間部130bと、中間部130bの先端から延設された挟着部130cとを一体的に備えている。
クリップ部材130は、基端部130aがホッパ蓋31aのヒンジ側に位置し、挟着部130cがホッパ蓋31aの反ヒンジ側寄りに位置するように取り付けられ、基端部130aと中間部130bを接続する部位は、中間部130bがホッパ蓋31aの裏面から離間するように湾曲しており、挟着部130cは中間部130bによってホッパ蓋31aの裏面に弾性的に押付けられている。
挟着部130cの先端もまたホッパ蓋31aの裏面から離間するように湾曲しているため、ホッパ蓋31aを開放した状態で、予備の回収袋5を挟着部130cとホッパ蓋31aの裏面との間に押し込むだけで、予備の回収袋5はホッパ蓋31aの裏面に挟着・保持される。
また、基端部130aの一部には、清掃用ブラシ128を着脱自在に収納するための補助クリップ部132が一体的に形成されている。補助クリップ部132は、基端部130aの面から互いに前後方向で対向するように立設された一対の矩形の脚部132aと、各脚部132aの先端から内側に向かって突出した爪部132bとを備えている。清掃用ブラシ128を横向きに持って一対の脚部132aに押付けることで、清掃用ブラシ128が一対の脚部132aの間に挟着・保持される。
肥料の代わりに種籾(農用資材の一例)を貯留ホッパ31に貯留することで施肥装置2を直播用の装置として用いることが可能であり、この場合も、直播を完了してから貯留ホッパ31に残留した種籾を回収するための装置として、本発明による農用資材回収装置を用いることができる。
本発明は、肥料や種籾など粉粒状の農用資材を圧送用空気と共に圃場に向けて送り出すべく水田作業機に設置される農用資材回収装置を、農用資材の回収がより円滑に行われ易い構成に改良する技術として利用可能な発明である。
2 施肥装置(農用資材供給装置)
5 回収袋(回収体)
5a 開口部
5b 未開口部
82 ホース
90 支持ロッド
90a 基端部
90b 接続部
90c 支持部
91 ステー
100 農用資材回収装置
101 送風ダクト
102 排出ダクト
102c 排出部
104 ブロア
111 メッシュ状排出筒(排出手段)
120 保持部材
125 固定手段
128 清掃用ブラシ(清掃用具)
130 クリップ部材(収納部)
132 補助クリップ部(収納部)
31 貯留ホッパ(農用資材貯留部)
31a ホッパ蓋(蓋部材)

Claims (6)

  1. 粉粒状の農用資材を圃場に供給する農用資材供給装置と、筒状の排出手段から空気とともに排出される前記農用資材を、袋状の回収体に回収する農用資材回収装置とを備えた水田作業機であって、
    前記農用資材回収装置が、前記排出手段を前記回収体の開口部に受け入れた状態で、前記回収体の上端付近を支持する支持ロッドを備え、
    前記排出手段の外周と前記開口部の間に所定量の間隙が形成されるように、前記開口部を内側から保持する保持部材が前記支持ロッドに設けられている水田作業機。
  2. 前記開口部から前記回収体内に挿入された前記支持ロッドの支持部が前記開口部に隣接配置された未開口部を持ち上げ支持可能に構成されており、前記未開口部を前記支持ロッドの外周に挟着する挟着姿勢と挟着解除された解除姿勢との間で変位操作自在な固定手段が前記支持ロッドに設けられている請求項1に記載の水田作業機。
  3. 前記支持ロッドは、前記農用資材供給装置の農用資材貯留部に支持された基端部と、前記回収体をその上端付近を介して支持する支持部と、前記基端部の側方外側の端部から前記支持部の側方内側の端部に向かって下向きに延出される接続部とを有する請求項1または2に記載の水田作業機。
  4. 前記基端部は、農用資材を回収するべく前記支持部が水田作業機から側方に突出した回収位置と、前記支持部が引退した退避位置との間で摺動移動可能に支持されており、
    前記接続部が、前記基端部の側方外側の端部から前記支持部の側方内側の端部に向かって、斜め内向きに延出されている請求項3に記載の水田作業機。
  5. 予備の前記回収体を収納する収納部が、前記農用資材供給装置の農用資材貯留部の蓋部材の裏面に設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の水田作業機。
  6. 農用資材の清掃用具を収納する収納部が、前記農用資材供給装置の農用資材貯留部の蓋部材の裏面に設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載の水田作業機。
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