JP5587999B2 - ジフルオロ酢酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の主題は、ジフルオロ酢酸の新規製造方法である。本発明は、高純度ジフルオロ酢酸の製造を目的とする。
ジフルオロ酢酸を得るための様々な方法が文献に記載されている。
EP−A1137615号に記載された入手方法の一つは、特にラネーニッケルの存在下で、塩基性媒体中での水素化によりクロロジフルオロ酢酸の水素化/脱ハロゲン化を実施することからなる。
また、ジフルオロ酢酸は、米国特許第5455376号に記載されているように、気相方法に従ってクロロジフルオロ酢酸から製造することもできるところ、この場合、水素化は、担持された状態、例えばアルミナに担持された状態のパラジウム/白金及び/又はニッケルを主成分とする触媒の存在下において120℃〜250℃で実施される。
また、特開平6−228043号公報によれば、N,N−ジアルキルジフルオロアセトアミドの塩基性加水分解によってジフルオロ酢酸を製造することも知られており、ここで、N,N−ジアルキルジフルオロアセトアミドは、塩化ジクロロアセチルとジアルキルアミンとの反応によって得られたN,N−ジアルキルジクロロアセトアミドのKF交換によって製造される。
E.Gryskiewicz−Trochimowski外(Recueil des Travaux Chimiques des Pays−Bas,1947,66,419−426)には、水及び石灰の存在下でジフルオロ酢酸のメチルエステルを鹸化することによってジフルオロ酢酸を形成させることが記載されている。
これらの方法は、全て、ジフルオロ酢酸又はその塩を生じさせる。
提起される問題は、水溶液として得られたジフルオロ酢酸を生成することが極めて困難だということである。というのは、ジフルオロ酢酸は、水に可溶であり、これらの条件では蒸留により分離するのがさらに困難な生成物だからである。
さらに、国際公開第02/10108号パンフレットには、弗素化エステルRafbfCH-O-CO-RcfとアルコールRdOHとの従来のエステル交換反応に従って弗素化エステルRd-O-CO-Rcf及び弗素化アルコールRafbfCHOHを製造する方法が記載されている;形成されたアルコールは、形成時に蒸留される。
H.Cohn外(Israel Journal of Chemistry,,1964,355-361)には、過ハロゲン化酸(ブロモジフルオロ酢酸、ジブロモフルオロ酢酸)を、対応するエチルエステルと蟻酸とのエステル交換によって製造し、蟻酸エチルを形成時に蒸留することが記載されている。しかし、この教示は、過ハロゲン化酸のみに関するものである。
欧州特許第1137615号明細書 米国特許第5455376号明細書 特開平6−228043号公報 国際公開第02/10108号パンフレット
E. Gryskiewicz−Trochimowski外,Recueil des Travaux Chimiques des Pays−Bas,1947,66,419−426 H. Cohn外,Israel Journal of Chemistry,2,1964,355-361
本発明の目的は、純粋なジフルオロ酢酸を得ることを可能にする、シンプルなジフルオロ酢酸の製造方法を提供することである。
本願明細書において、用語「高純度」とは、95重量%以上、好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上の純度を有するジフルオロ酢酸を意味するものと解する。
本発明の主題をなす、次の工程を含むことを特徴とするジフルオロ酢酸の製造方法を見出した:
・ジフルオロ酢酸エステルと脂肪族カルボン酸とを反応させ、エステル交換反応後に、ジフルオロ酢酸及び対応するカルボン酸エステルを形成させ、ここで、カルボン酸は、該カルボン酸のエステルがジフルオロ酢酸の沸点よりも低い沸点を有するように選択されるものとし、
・該カルボン酸のエステルをその形成時に蒸留により除去して、ジフルオロ酢酸を回収すること。
本発明の理解を容易にするために、本発明の反応スキームを以下に与えるが、ただし、このスキームに本発明の範囲を結びつけるものではない。
Figure 0005587999
本発明の方法によれば、少なくとも95%という高純度のジフルオロ酢酸が得られるところ、これは、後で精製操作をすることは可能であるが、必須ではないことを示唆するものである。
この良好な純度は、式(I)のジフルオロ酢酸エステルの転化率が事実上100%であり、しかも、この反応により同時に生成される生成物、すなわち式(III)のカルボン酸エステルが形成時に除去されることにより得られる。
本発明の方法によって得られるジフルオロ酢酸は、有利には1重量%未満の含水率の無水物である。
こうして、ジフルオロ酢酸エステルは本発明の方法に関与し、そのエステル官能基COOR1のR1は、ジフルオロ酢酸の沸点よりも低い沸点を有するカルボン酸エステル(III)をもたらすように決定される。
このR1基は、有利には低い炭素業凝縮を有する、例えば1〜4個の炭素原子のアルキル基であるが、R1は、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基を表すことが好ましい。
つまり、好ましくは、ジフルオロ酢酸エステルは次式に相当する:
H-CF2-COOR1(I)
式中:
・R1は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1又は2個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
好ましくは、本発明の方法で使用される式(I)の化合物は、ジフルオロ酢酸のアルキルエステル、好ましくはメチル又はエチルエステルである。
式(I)のジフルオロ酢酸エステルは、市販の化合物又は文献に記載された方法に従って容易に製造できる化合物である。
好ましい入手方法は、アルコールR1OHと式H-CF2-COFの弗化ジフルオロアセチルとを反応させることからなる。特にEP-A0694523号に記載された製造方法を参照することができる。
エステル交換を実施することを可能にするプロトン源に関しては、式(II)のR2-COOHで表されており、その酸官能基COOHに結合する炭化水素基R2は、ジフルオロ酢酸の沸点よりも低い沸点を有するカルボン酸エステル(III)をもたらすように決定される。
好ましくは、本発明の方法で使用する際に選択される脂肪族カルボン酸は、次式に相当する:
2-COOH (II)
式中:
・R2は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。
用語「ハロゲン原子」とは、弗素、塩素又は臭素原子を意味するものとする。
式(II)の化合物としては、特に、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸又はトリクロロ酢酸が挙げられる。
上記化合物のなかでは、蟻酸が好ましい。
本発明によれば、式(I)のジフルオロ酢酸エステルと式(II)の脂肪族カルボン酸とを、ジフルオロ酢酸エステルのモル数対脂肪族カルボン酸のモル数の比が0.8〜1.2、好ましくは1に等しくなるような割合で反応させる。
エステル交換反応は、好ましくは触媒を存在させずに実施されるが、ただし、本発明は、このタイプの反応のために従来から使用されている触媒、すなわち強酸型の触媒の使用を除外するものではない。特に、硫酸又はp−トルエンスルホン酸が挙げられる。
また、好適なプロトン酸触媒の他の例としては、スルホン酸基を有するポリスチレン骨格からなる樹脂、特に次の商品名で販売されている樹脂:Amberlyst15、Amberlyst35若しくはAmberlyst36、又はスルホン酸基を有する過弗素化樹脂、特にテトラフルオロエチレンとペルフルオロ[2-(フルオロスルホニルエトキシ)プロピル]ビニルエーテルとの共重合体であるNafionが挙げられる。
式(I)のジフルオロ酢酸エステルに対するプロトンH+として表される触媒の使用量は、一般に0.1〜10モル%を占める。
本発明の主題である方法は、式(I)のジフルオロ酢酸エステルと式(II)の脂肪族カルボン酸とを混合させる少なくとも1回の工程及び次のものを得るように設計された1回の蒸留工程を含む:
・蒸留底部に所期のジフルオロ酢酸、
・及び、蒸留頂部に、形成された式(III)のエステルを含む気相。
本発明の第1の実施形態は、本発明の方法をバッチ式で実施することからなる。
本発明の方法は、式(I)のジフルオロ酢酸エステルと式(II)の脂肪族カルボン酸とを、これら2種の反応物質を好ましくは周囲温度(一般には15℃〜25℃)で接触させることによって混合し、続いて、大気圧に維持された該反応混合物を、式(III)のカルボン酸エステルを形成時に蒸留させるような温度にする操作を含む。
混合物を蒸留すると共に、蒸留頂部に式(III)のエステルと過剰量の2種の反応物質のうちの一つ、及び蒸留底部にジフルオロ酢酸を集める。
これらの反応物質は、撹拌手段及び加熱手段を備え、かつ、蒸留塔が搭載された反応器に、別々に又は混合物として導入される。
蒸留を実施するために、特に反応器のジャケット内に熱伝導流体を循環させることによって塔の底部に熱を供給することができ、或いは別の形態は、熱交換器内で、蒸留底部で取り出された反応混合物の一部を加熱することからなる。この取り出された流れは、底部から上方に熱交換器を通して通過し、そして横にある熱交換器の出口で蒸留塔の下部に導入される。流れの循環は自然に行ってもよいし、ポンプを使用して強制的に行ってもよい。
この蒸留操作は、底部で、式(III)のエステル(蒸留頂部で除去される)のないジフルオロ酢酸を得ることを目的とする。
反応物質のうちの一つが過剰の場合には、それを式(III)のエステルの蒸留後に蒸留する。
式(III)のエステルの蒸留は、リボイラー内の温度が塔の頂部で式(III)のエステルの沸点を得るのに十分なものであるように選択された温度で実施される。
蒸留は、好ましくは大気圧で実施される。しかし、大気圧よりもわずかに低い又は高い圧力も可能である。
カルボン酸として蟻酸又はトリフルオロ酢酸を使用する好ましい場合には、リボイラー内の温度は、大気圧で100℃よりも下に保持し、好ましくは50℃〜100℃である。
蒸留は、慣用の蒸留塔を使用して実施される。
当業者であれば、分離すべき化合物によって採用すべき手段を完全に選択することができる。
次のことを簡単に再度述べる。蒸留塔のサイズ(特に直径)は、循環蒸気と内部圧力とによる。つまり、これらは、主として、処理すべき混合物の流量に従って設計される。理論段数である内部パラメーターは、特に、出発化合物の純度と、蒸留頂部で得られなければならない生成物の純度とによって決まる。
当業者に知られているように、これらの塔は、板で区画することなく又は積重包装材で充填できることを明示しておく。
工場設備を決定したら、当業者は、この塔の操作パラメーターを調節する。
したがって、蒸留塔は、次の規格を有する塔であることが有利だと考えられるが、それらには限定されない:
・理論段数:1〜20、好ましくは5〜10、
・0〜10、好ましくは1〜5の還流比R。
塔の底部では、ジフルオロ酢酸を含む蒸留濃縮物が回収され、塔の頂部では、式(III)のエステルからなる気相が回収される。
この気相は冷却され、そして例えば−10℃〜25℃、好ましくは0℃〜10℃の温度にまで冷却することによって液体に変化される。
この操作は、選択された冷却温度付近の温度に保持された水又は流体が供給される従来の装置、例えば管状交換器である液化装置を通過させることによって実施される。
蒸留塔の還流を与えるために、凝縮された流れを該塔の頂部の側面から導入する。
化学的純度の非常に良好なジフルオロ酢酸が蒸留底部で回収される。
エステル交換触媒を使用する場合には、該触媒は蒸留底部にも存在し、そして、蒸留を大気圧で実施した場合には132℃〜133℃の温度で追加の蒸留操作を行うことによりこの媒体からジフルオロ酢酸を分離する理由がある。
本発明の別の実施形態は、本発明の方法を連続的に実施し、反応性蒸留(これは、混合及び蒸留を蒸留塔で実施することを意味する)を実施することからなる。
この本発明の実施形態が好ましい。
蒸留塔は、2種の反応物質、すなわち式(I)のジフルオロ酢酸エステル及び式(II)の脂肪族カルボン酸を使用して連続的に供給を受ける。
さらに特定すると、ジフルオロ酢酸エステルの供給は、好ましくは塔の底部で実施される。
式(II)の脂肪族カルボン酸の供給は、好ましくは塔の上部で実施される。
反応領域は、塔の中間の高さのところに位置する。
本発明の方法によれば、式(III)のエステルを形成時に蒸留し、そしてジフルオロ酢酸を塔の底部で回収する。
塔の還流は、式(III)のエステルの凝縮後に回収され、最終的に塔に戻される液体流によって与えられる。
蒸留条件の全て、特に温度及び圧力は、バッチ式の充填について上記したとおりである。
形成されたジフルオロ酢酸は、塔の底部で取り出される。
エステル交換触媒を使用する場合には、該触媒は、固体の状態(樹脂又は担持された酸)で蒸留塔の反応部に導入される。
ジフルオロ酢酸は、塔の底部で回収されるため、 触媒の分離は不要である
本発明の方法は、有利には、ジフルオロ酢酸によってもたらされる腐食に耐えることのできる装置で実施される。
この目的のために、反応媒体と接触する部分については、耐腐食性の材料、有利にはほうろう鋼又はステンレス鋼、例えばオーステナイト鋼[Robert H.Perry外,Perry’s Chemical Engineers’ Handbook,第6版(1984),23-44頁]、特にステンレス鋼304、304L、316又は316Lが選択される。
多くとも22重量%、好ましくは6〜20重量%、さらに好ましくは8〜14重量%のニッケル含有量を有する鋼が使用される。
鋼304及び304Lは、8〜12%の範囲のニッケル含有量を有し、鋼316及び316Lは、10〜14%の範囲のニッケル含有量を有する。
特に316Lが好ましい。
上記のように、本発明の方法の様々な工程を連続的に又はバッチ式で実施することができる。
以下に本発明の実施例を与える。これらの実施例は、単なる例示として与えるものであり、限定的な性質のものではない。
これらの例において、得られる転化率及び収率を定義する。
転化率(DC)は、転化した基質[式(I)のジフルオロ酢酸エステル]のモル数対装入した基質[式(I)のジフルオロ酢酸エステル]のモル数の比率に相当する。
収率(RY)は、形成された生成物(ジフルオロ酢酸)のモル数対装入された基質[式(I)のジフルオロ酢酸エステル]のモル数の比率に相当する。
各種分析を1H NMR及び19F NMRで行った。
例1
ジフルオロ酢酸エチル(15g;0.121mol)を蟻酸(9g、0.196mol、1.6当量)及び0.1gの98重量%硫酸と共に、蒸留塔が搭載されたガラス製反応器内で接触させる。
この反応媒体を大気圧で70℃の温度にする。
還流が見られ、そして全還流を塔頂部の温度が55℃で安定化するまで維持する。
次いで、塔頂部の温度を55℃で一定に維持するように留分を集める。
9gの蟻酸エチルの留分が得られる。
反応媒体の分析から、ジフルオロ酢酸エチルの全てがジフルオロ酢酸に転化したことが示される(DC=100%)。
得られたジフルオロ酢酸は98重量%を超える純度を有する。
収率(RY)は95%である。
例2
ジフルオロ酢酸エチル(20g、0.161mol)を蟻酸(7.4g、0.161mol、1当量)及び0.1gの98重量%硫酸と蒸留塔が搭載されたガラス反応器内で接触させる。
この反応媒体を大気圧で70℃の温度にし、次いで、塔頂部の温度を55℃で一定に維持するように留分を集める。
12gの蟻酸エチルの留分を得る。
反応媒体の分析から、ジフルオロ酢酸エチルの全てがジフルオロ酢酸に転化したことが示される(DC=100%)。
次いで、この媒体を大気圧で蒸留する。
133℃の沸点を有する留分(w=14.8g)を回収する。
得られたジフルオロ酢酸は98重量%を超える純度を有する。
収率(RY)は96%である。
例3
ジフルオロ酢酸エチル(60g、0.484mol)をトリフルオロ酢酸(56g、0.484mol、1当量)と蒸留塔が搭載されたガラス反応器内で接触させる。
この反応媒体を大気圧で85℃の温度にする。
トリフルオロ酢酸エチルを蒸留すると共に、蒸留頂部の温度を63℃に維持する。
69gのトリフルオロ酢酸エチルの留分を得る。
ジフルオロ酢酸エチルの全てが消費され(DC=100%)、また、蒸留底部で得られたジフルオロ酢酸は、99.5重量%の純度を有する。
収率(RY)は99%を超える。

Claims (14)

  1. 次の工程:
    ・ジフルオロ酢酸エステルと脂肪族カルボン酸とを反応させ、エステル交換反応後に、ジフルオロ酢酸及び対応するカルボン酸エステルを形成させ、ここで、カルボン酸は、該カルボン酸のエステルがジフルオロ酢酸の沸点よりも低い沸点を有するように選択されるものとし、
    ・該カルボン酸のエステルをその形成時に蒸留により除去して、ジフルオロ酢酸を回収すること
    を含み、その際、該ジフルオロ酢酸エステルと該脂肪族カルボン酸とを混合させる少なくとも1回の工程及び蒸留塔で実施して次のものを得る1回の蒸留工程:
    ・蒸留底部に所期のジフルオロ酢酸、
    ・及び、蒸留頂部に、形成されたエステルを含む気相
    を含むことを特徴とする、ジフルオロ酢酸の製造方法。
  2. 前記ジフルオロ酢酸エステルが次式:
    H-CF2-COOR1(I)
    (式中:
    ・R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)
    に相当することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジフルオロ酢酸エステルがジフルオロ酢酸のメチル又はエチルエステルであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記脂肪族カルボン酸が次式:
    2-COOH (II)
    (式中:
    ・R2は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。)
    に相当することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記脂肪族カルボン酸が蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸又はトリクロロ酢酸であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 次式:H-CF 2 -COOR 1 (I)(式中:R 1 は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)のジフルオロ酢酸エステルと次式:R 2 -COOH (II)(式中:R 2 は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。)の脂肪族カルボン酸とを、ジフルオロ酢酸エステルのモル数対脂肪族カルボン酸のモル数の比が0.8〜1.2に等しくなるような割合で反応させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記エステル交換反応を強酸型の触媒の存在下で実施することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 次式:H-CF 2 -COOR 1 (I)(式中:R 1 は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)のジフルオロ酢酸エステルと次式:R 2 -COOH (II)(式中:R 2 は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。)の脂肪族カルボン酸とを混合させる少なくとも1回の工程及び蒸留塔で実施して次のものを得る1回の蒸留工程を含む請求項1〜7のいずれかに記載の方法:
    ・蒸留底部に所期のジフルオロ酢酸、
    ・及び、蒸留頂部に、形成された次式:R 2 −COOR 1 (III)(式中:R 1 は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R 2 は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。)カルボン酸エステルを含む気相。
  9. 式(I)のジフルオロ酢酸エステルと式(II)の脂肪族カルボン酸とを、これら2種の反応物質を周囲温度で接触させることによって混合し、続いて、大気圧に維持された該反応混合物を、式(III)のカルボン酸エステルを形成時に蒸留させるような温度にする操作を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記反応物質を、撹拌手段及び加熱手段を備え、かつ、蒸留塔が搭載された反応器に、別々に又は混合物として導入することを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 反応性蒸留を実施する、すなわち、混合及び蒸留を蒸留塔で実施することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  12. 前記蒸留塔に前記2種の反応体を使用して連続的に供給する、すなわち次式:H-CF 2 -COOR 1 (I)(式中:R 1 は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)のジフルオロ酢酸エステルを該塔の下部に、次式:R 2 -COOH (II)(式中:R 2 は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。)の脂肪族カルボン酸を該塔の上部に連続的に供給することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記塔の還流を、次式:R 2 −COOR 1 (III)(式中:R 1 は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R 2 は、水素原子、1若しくは2個の炭素原子を有するアルキル基又は1個の炭素原子を有するハロアルキル基を表し、その1〜3個の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてよい。)カルボン酸エステルの凝縮後に回収され、そして該塔に側面から戻される液体流によって与えることを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 得られたジフルオロ酢酸が95%以上の純度を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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