JP5586113B2 - 二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池用電極を製造する方法に関し、特に水系溶媒を用いて成るペースト状組成物から形成された電極合材層を備える電極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、あるいはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして今後益々の需要増大が見込まれている。
この種のリチウムイオン二次電池の一つの典型的な構成では、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出し得る材料(電極活物質)が導電性部材(電極集電体)に保持された構成の電極を備える。例えば、負極に用いられる電極活物質(負極活物質)の代表例としては、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料が例示される。
かかる構成を有する負極を製造するにあたって、例えば負極活物質をバインダ(結着材)等とともに適当な溶媒中で混合して負極合材層形成用のペースト状組成物(ペースト状組成物にはスラリー状組成物やインク状組成物が包含される。以下、「ペースト」という。)を調製しておき、該組成物を負極集電体に塗布することにより負極合材層が形成される。この種の電極の製造に関する技術文献としては特許文献1から3が挙げられる。
特開2009−064564号公報 特開2005−310800号公報 再公表WO1996/13873号公報
ところで、ペーストを調製するときに凝集物が発生することがある。かかる凝集物を含むペーストをペースト塗工機(例えばダイコータ)を用いて電極集電体に塗布する場合、ペースト塗工機において目詰まりを起こして塗工不良が起きる虞がある。また、かかるペーストを電極集電体に塗布すると塗工ムラ(ペースト厚みのバラツキ)が発生する虞がある。該塗工ムラを有する電極を含むリチウムイオン二次電池では、充放電の際に反応ムラが発生してしまいリチウム析出による不具合が生じる虞がある。
従って、予め調製されたペースト状の材料をフィルタリングして該凝集物を除去した後にペーストを電極集電体に塗布することが好ましい。しかしながら、多大な凝集物を含むペースト状の材料をフィルタリングすると、フィルタに目詰まりが発生しやすく作業効率が悪くなる虞がある。以上より、フィルタリング前のペースト状の材料において凝集物が発生しにくい(凝集物が少ない)ことが好ましい。なお、上記各特許文献に記載の技術は、いずれもペーストの凝集物の発生を抑制することを目的とした技術ではない。
そこで本発明は、予めペーストの調製方法を工夫することによって凝集物が発生しにくいペースト調製方法を創出することを目的とし併せてそのような方法で調製されたペーストを用いて効率良く品質に優れた二次電池用の電極を製造する方法を提供することを目的とする。また、そのような製法で得られた電極を備える二次電池及び該二次電池を備える車両を提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく、本発明により、活物質と増粘材とバインダとを含む合材層が集電体に保持された構成の二次電池用電極(例えば、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池用の電極、典型的には負極)を製造する方法が提供される。即ち、ここで開示される製造方法の一つの態様は、少なくとも上記活物質と上記増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料(即ち、水系溶媒を用いて成る組成物)を用意すること、上記バインダを含む水溶液(水溶液には分散液が包含される。以下同じ。)を用意して、該バインダ含有水溶液のpHを調整すること、上記水性混合材料に上記pH調整後のバインダ含有水溶液を混合して合材層形成用ペースト(即ち、水系溶媒を用いて成るペースト状組成物)を調製すること、を包含する。ここで、上記水性混合材料のpHと上記pH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.3以内となるように上記バインダ含有水溶液のpHを調整する。
本発明によって提供される二次電池用の電極の製造方法では、少なくとも活物質と増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料にバインダ(水溶液)を混合して合材層形成用ペーストを調製している。このとき、バインダを含む水溶液のpHを調整し、水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.3以内となるようにしている。このため、水性混合材料とpH調整後のバインダ含有水溶液とを混合して得られた合材層形成用ペーストにおいて、凝集物の発生が抑制され、フィルタリングを効率良く行うことができる。或いは、上記ペーストに対してフィルタリングすることなく該ペーストを塗工機に供給することができ、より効率良く二次電池用の電極を製造することができる。従って、本発明によると、合材層形成用ペーストを用いて合材層を形成する際に、ペーストの塗工ムラを防止して品質に優れる電極を製造し得る方法を提供することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記水性混合材料は、予め上記増粘材と上記水系溶媒とを混合してなる増粘材溶液に対して所定量の上記活物質を添加して調製している。特に好適に使用される活物質として炭素材料(例えば黒鉛)が挙げられる。このように、予め増粘材を水系溶媒に溶解(或いは分散)させておくことで、活物質を添加して水性混合材料を調製する際に、未溶解の増粘材による凝集物の発生を未然に防ぐことができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記水性混合材料のpHは7〜8である。上記pH範囲の水性混合材料を用いると、凝集物の発生を抑制でき品質に優れる電極を製造することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記合材層形成用ペーストを所定のフィルタに通したとき該ペーストの透過量が少なくとも1.2g/sとなるように上記バインダ含有水溶液のpHを調整する。
このような透過量のペーストは大きな凝集物が存在しにくい状態となっているため塗工ムラ等の発生が抑制された電極を製造することができる。
また、上記目的を実現するべくここで開示される二次電池用の電極の製造方法の他の一つの態様は、少なくとも上記活物質と上記増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料を用意して、該水性混合材料のpHを調整すること、上記バインダを含む水溶液を用意すること、上記pH調整後の水性混合材料に上記バインダ含有水溶液を混合して合材層形成用ペーストを調製すること、を包含する。ここで、上記pH調整後の水性混合材料と上記バインダ含有水溶液のpHとの差が0.5以内となるように上記水性混合材料のpHを調整する。
かかる製造方法によると、水性混合材料とpH調整後のバインダ含有水溶液とを混合して得られた合材層形成用ペーストにおいて、凝集物の発生が抑制され、フィルタリングを効率良く行うことができる。或いは、上記ペーストに対してフィルタリングすることなく該ペーストを塗工機に供給することができ、より効率良く二次電池用の電極を製造することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記水性混合材料は、予め上記増粘材と上記水系溶媒とを混合してなる増粘材溶液に対して所定量の上記活物質を添加して調製している。特に好適に使用される活物質として炭素材料(例えば黒鉛)が挙げられる。予め増粘材を水系溶媒に溶解(或いは分散)させておくことで、活物質を添加して水性混合材料を調製する際に、未溶解の増粘材による凝集物の発生を未然に防ぐことができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記バインダ含有水溶液のpHは7〜8である。上記pH範囲のバインダ含有水溶液を用いると、凝集物の発生を抑制でき品質に優れる電極を製造することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記合材層形成用ペーストを所定のフィルタに通したとき該ペーストの透過量が少なくとも1.2g/sとなるように上記水性混合材料のpHを調整する。
このような透過量のペーストは大きな凝集物が存在しにくい状態となっているため塗工ムラ等の発生が抑制された電極を製造することができる。
また、本発明によると、ここで開示されるいずれかの方法により製造された二次電池用電極を用いて構築された二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)が提供される。かかる二次電池は、上記二次電池用電極を少なくとも一方の電極(好ましくは負極)に用いて構築されていることから、より良好な電池性能を示すものであり得る。
このような二次電池は、例えば自動車等の車両に搭載される電池として好適である。従って本発明によると、ここで開示されるいずれかの二次電池を備える車両が提供される。特に、軽量で高出力が得られることから、上記二次電池がリチウムイオン二次電池であって、該リチウムイオン二次電池を動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)として備える車両(例えば自動車)が好適である。
一実施形態に係る二次電池用電極の製造方法を説明するためのフローチャートである。 他の一実施形態に係る二次電池用電極の製造方法を説明するためのフローチャートである。 サンプル1〜5に係る負極合材層形成用ペーストの透過量測定試験におけるペースト透過量の変化を示すグラフである。 サンプル6〜10に係る負極合材層形成用ペーストの透過量測定試験におけるペースト透過量の変化を示すグラフである。 サンプル11〜15に係る負極合材層形成用ペーストの透過量測定試験におけるペースト透過量の変化を示すグラフである。 サンプル16〜20に係る負極合材層形成用ペーストの透過量測定試験におけるペースト透過量の変化を示すグラフである。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図7におけるVIII−VIII線断面図である。 一実施形態に係る二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識に基づいて実施することができる。
本発明によって提供される二次電池用電極の製造方法は、水性混合材料のpH及びバインダ水溶液のpHのいずれかを調整した後にこれらを混合して合材層形成用ペーストを調製することによって特徴付けられる。以下、ここで開示される二次電池用の電極を製造する方法の好適な例の一つとして、電極集電体の表面に電極活物質が形成されたリチウムイオン二次電池用の負極を製造する方法を例にして詳細に説明するが、本発明の適用対象をかかる電極または電池に限定することを意図したものではない。
以下、ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極の各構成要素について説明する。ここで開示されるリチウムイオン二次電池用の負極は、従来と同様の構成をとり得る。かかる負極を構成する負極集電体としては、従来のリチウムイオン二次電池の負極に用いられている集電体と同様、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅材やニッケル材或いはそれらを主体とする合金材を用いることができる。負極集電体の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。典型的にはシート状の銅製の負極集電体が用いられる。
次に、上記負極集電体の表面に形成される負極合材層を構成する材料について説明する。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極に形成される負極合材層を構成する負極活物質としては、本発明の目的を実現し得る性状の負極活物質である限りにおいて、その組成や形状に特に制限されない。例えば、黒鉛(グラファイト)等の炭素材料、リチウム・チタン酸化物(LiTi12)等の酸化物材料、スズ、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)等の金属若しくはこれらの金属元素を主体とする金属合金からなる金属材料、等が挙げられる。典型例として、黒鉛等から成る粉末状の炭素材料が挙げられる。例えば、黒鉛粒子を好ましく用いることができる。
上記炭素材料としては、例えば平均粒子径(典型的には電子顕微鏡観察若しくは光散乱法に基づいて得られる平均粒子径)が8〜15μmのものを好ましく使用することができる。また、窒素ガス吸着によるBET法(JIS Z 8830に準拠)で測定される比表面積が凡そ3m/g〜5m/gのものを好ましく使用することができる。さらにまた、タップ密度が凡そ0.7g/cc〜1.1g/ccのものを好ましく使用することができる。なかでもタップ密度が凡そ0.75g/cc〜0.9g/ccの炭素材料が好ましい。ここで、上記タップ密度とは、パウダテスタUSPタップ密度測定装置(PT−S型;ホソカワミクロン社製)において、タップ回数が250回のときのタップ密度をいう。
また、ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極に形成される負極合材層に含まれるバインダ(結着材)としては、後述するように少なくとも活物質と増粘材とを水系溶媒に混合してなる水性混合材料に添加して上記負極合材層を形成する組成物として水系のペースト(典型的にはペースト状またはスラリー状に調製された組成物、以下、負極合材層形成用ペーストともいう。)を用いるため、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。水に分散する(水分散性の)ポリマー材料としては、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類等が例示される。特にSBRが好適に使用され得る。その他のバインダとして、例えば、水溶性のポリマー材料であるセルロース系ポリマー等を使用することができる。
負極合材層に含まれるバインダの量は適宜決定されるが、負極活物質100質量部に対して0.3質量部〜3.0質量部程度の使用が好ましい。さらに好ましくは、0.5質量部〜2.0質量部である。
また、ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極に形成される負極合材層に含まれる増粘材としては、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);等が例示される。水性混合材料および負極合材層形成用ペーストの混練(調製)の際の作業性および安定性等の観点からCMC等のセルロース誘導体が好ましく使用される。特にCMCが好適に使用され得る。その他の増粘材としては、上記バインダとして好ましく用いられるSBR等を使用することができる。
負極合材層に含まれる増粘材の量は適宜決定されるが、負極活物質100質量部に対して0.3質量部〜3.0質量部程度の使用が好ましい。さらに好ましくは、0.5質量部〜2.0質量部である。
ここで、「水系のペースト」とは、活物質の分散媒として水または水を主体とする混合溶媒(水系溶媒)を用いた組成物を指す概念である。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
次に、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池用の負極(典型的には負極シート)の製造方法の好ましい態様について図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る製造方法は、負極活物質と増粘材とバインダとを含む負極合材層が負極集電体の表面に形成(保持)された負極を備えるリチウムイオン二次電池を製造する方法であり、(1)少なくとも負極活物質と増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料を用意する工程(水性混合材料調製工程S10)、(2)バインダを含む水溶液を用意する工程(バインダ含有水溶液調製工程S20),(3)該バインダ含有水溶液のpHを調整する工程(pH調製工程S30)、(4)上記用意した水性混合材料に上記pH調整後のバインダ含有水溶液を混合して負極合材層形成用ペーストを調製する工程(負極合材層形成用ペースト調製工程S40)、を包含する。以下、上記工程を含む負極の製造方法について詳細に説明する。
まず、負極活物質と増粘材とを水系溶媒(例えば水)に添加して混練することにより水性混合材料を調製する(水性混合材料調製工程S10)。好ましくは、予め増粘材を水系溶媒(例えば水)に添加して混練することにより増粘材水溶液を調製して、該調製された増粘材水溶液に負極活物質を添加して混練することにより水性混合材料を調製する。次いで、このときの水性混合材料のpHを市販のpHメーターを用いて測定する。なお、水性混合材料のpHは通常は凡そ6〜9が適当であり、凡そ7〜8のものが好ましい。
さらに、ここで開示される製造方法では、バインダを水系溶媒に溶解または分散させてなるバインダ含有水溶液(分散液を含む)を用意する(バインダ含有水溶液調製工程S20)。そして、該バインダ含有水溶液のpHを調整する(pH調整工程S30)。このとき上記水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.3以内となるように該バインダ含有水溶液のpHを調整することが好ましい。より好ましくは上記水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.2以内である。さらに好ましくは0.1以内である。
上記pHの調整方法としては、典型的には、調整前の水溶液よりも調整後の水溶液のほうがアルカリ性側にシフトすることが好ましく、水に溶解してアルカリ性を示す化合物を適宜選択し、該化合物を溶解させたアルカリ性水溶液をバインダ含有水溶液に所定の量だけ加えて該バインダ含有水溶液のpHを調整する。上記水に溶解してアルカリ性を示す化合物として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、又はアンモニア等が挙げられる。なお、pHの調製方法は、上述のものに限定されず、酸性側にシフトさせたい場合には、水に溶解して酸性を示す化合物を適宜選択し得る。例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸および酢酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。
そして、水性混合材料とpH調整後のバインダ含有水溶液とを混合することにより、負極合材層を構成する全ての材料を含む負極合材層形成用ペーストを調製する(負極合材層形成用ペースト調製工程S40)。特に限定するものではないが、乾燥効率を向上させるために負極合材層形成用ペーストの固形分率は凡そ50%〜70%(好ましくは52〜60%、さらに好ましくは53〜58%)であることが好ましい。かかる手順によると、負極合材層形成用の構成材料(負極活物質、バインダ、増粘材等)を同時に添加せずに水性混合材料とバインダ含有水溶液とを調製(用意)し、且つ水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.3以内になるように調整しているため、負極合材層形成用ペーストの調製(混練)の際に凝集物の発生を抑制することができる(ペーストはより細粒化して分散性に優れている)。
次に、上記調製した負極合材層形成用ペーストを所定のフィルタに透過させて凝集物を除去する(フィルタリング工程S50)。なお、かかる負極合材層形成用ペーストをフィルタ(62.5−HC−50XB;ロキテクノ社製、濾過精度50μm、濾材長さ62.5μm)に透過させた際の時間当たりの透過量は、1.2g/s以上(好ましくは1.5g/s以上、さらに好ましくは1.8g/s以上)であることが好ましい。
次に、上記調製した負極合材層形成用ペーストを負極集電体の表面に塗布(塗工)し、溶媒を揮発させて乾燥させた後、圧縮(プレス)する。これにより負極合材層が負極集電体表面に形成(保持)されたリチウムイオン二次電池の負極が得られる(負極合材層形成工程S60)。かかる負極は、凝集物の発生が抑制され、より細粒化したペーストを用いて形成されているため、塗工ムラ等の不具合のない品質に優れた負極となり得る。
なお、負極集電体に上記負極合材層形成用ペーストを塗布する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の適当な塗布装置を使用することにより、負極集電体に該ペーストを好適に塗布することができる。また、溶媒を乾燥するにあたっては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線、および電子線を、単独または組み合わせにて用いることにより良好に乾燥し得る。さらに、圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。かかる厚さを調整するにあたり、膜厚測定器で該厚みを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。
次に、上記負極を使用してリチウムイオン二次電池を構築する場合の一形態について説明する。まず、上述した負極と組み合わせて使用するのに適する正極、セパレータ等について説明する。正極は、従来と同様の構成をとり得る。かかる正極を構成する正極集電体としては、例えば、アルミニウムやアルミニウムを主体とする合金材を用いることが好ましい。正極集電体の形状は、負極の形状と同様であり得る。典型的にはシート状のアルミニウム製の正極集電体が用いられる。
ここで開示される正極に形成される正極合材層に含まれる正極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料であればよく、典型的な正極活物質として、リチウムおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含む複合酸化物が挙げられる。例えば、コバルトリチウム複合酸化物(LiCoO)、ニッケルリチウム複合酸化物(LiNiO)、マンガンリチウム複合酸化物(LiMn)、あるいは、ニッケル・コバルト系のLiNiCo1−x(0<x<1)、コバルト・マンガン系のLiCoMn1−x(0<x<1)、ニッケル・マンガン系のLiNiMn1−x(0<x<1)やLiNiMn2−x(0<x<2)で表わされるような、遷移金属元素を2種含むいわゆる二元系リチウム含有複合酸化物、或いは、遷移金属元素を3種含むニッケル・コバルト・マンガン系のような三元系リチウム含有複合酸化物でもよい。
また、一般式がLiMPO(MはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO、LiMnPO)で表記されるオリビン型リン酸リチウムを上記正極活物質として用いてもよい。
ここで開示される正極に形成される正極合材層に含まれる導電材としては、従来この種のリチウムイオン二次電池で用いられているものであればよく、特定の導電材に限定されない。例えばカーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料を用いることができる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末、等のカーボン粉末を用いることができる。これらのうち一種又は二種以上を併用してもよい。
ここで開示される正極に形成される正極合材層には、上記正極活物質、導電材の他に、上記負極合材層に配合され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有させることができる。そのような材料として、上記の負極合材層の構成材料として列挙したようなバインダ、増粘材として機能し得る各種の材料を同様に使用し得る。
ここで開示される正極は、上記負極と同様の手法により製造することができる。正極活物質とバインダ等とを適当な溶媒に分散させてなるペースト状(或いはスラリー状)の組成物(以下、正極合材層形成用ペーストという)を調製する。調製した該正極合材層形成用ペーストを正極集電体に塗布し、乾燥させた後、圧縮(プレス)することによって、正極集電体と該正極集電体上に形成された正極合材層とを備える正極を作製することができる。
また、正極と負極と共に使用されるセパレータとしては、従来と同様のセパレータを使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。かかる多孔性シートの構成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。特に、PEシート、PPシート、PE層とPP層とが積層された二層構造シート、二層のPP層の間に一層のPE層が挟まれた態様の三層構造シート等、の多孔質ポリオレフィンシートを好適に使用し得る。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
電解質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水系の電解質(典型的には電解液)と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水系の電解質は、典型的には、適当な非水溶媒(有機溶媒)に電解質として機能し得るリチウム塩を含有させた組成を有する。上記電解質には、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるリチウム塩を適宜選択して使用することができる。かかるリチウム塩として、LiPF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiBF、LiCFSO等が例示される。かかる電解質は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい例として、LiPFが挙げられる。上記非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。かかる非水溶媒は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、上記製造方法により作成された負極を備えるリチウムイオン二次電池の一形態を図面を参照しつつ説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。即ち、本実施形態に係る負極が採用される限りにおいて、構築されるリチウムイオン二次電池の形状(外形やサイズ)には特に制限はない。以下の実施形態では角型形状の電池について説明する。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図7は、一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す斜視図である。図8は、図7中のVIII−VIII線に沿う縦断面図である。
図7および図8に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、上記のリチウムイオン二次電池構成材料(正負極それぞれの活物質、正負極それぞれの集電体、セパレータ等)を具備する電極体50と、該電極体50および適当な非水系の電解質(典型的には電解液)を収容する角型形状(典型的には扁平な直方体形状)の電池ケース15とを備える。
ケース15は、上記扁平な直方体形状における幅狭面の一つが開口部20となっている箱型のケース本体30と、その開口部20に取り付けられて(例えば溶接されて)該開口部20を塞ぐ蓋体25とを備えている。ケース15を構成する材質としては、一般的なリチウムイオン二次電池で使用されるものと同様のものを適宜使用することができ、特に制限はない。本実施形態に掛かるケース15は例えばアルミニウム製である。
蓋体25は、ケース本体30の開口部20の形状に適合する長方形状に形成されている。さらに、蓋体25には、外部接続用の正極端子60と負極端子80とがそれぞれ設けられており、これらの端子60,80の一部は蓋体25からケース15の外方に向けて突出するように形成されている。また、従来のリチウムイオン二次電池のケースと同様に、蓋体25には、電池異常の際にケース15内部で発生したガスをケース15の外部に排出するための安全弁40が設けられている。安全弁40は、ケース15内部の圧力が所定レベルを超えて上昇したときに、開弁してケース15の外部にガスを排出する機構を備えていれば特に制限無く使用することができる。
図8に示すように、リチウムイオン二次電池10は、通常のリチウムイオン二次電池と同様に捲回電極体50を備えている。電極体50は、捲回軸が横倒しとなる姿勢(すなわち、上記開口部20が捲回軸に対して横方向に位置する向き)でケース本体30に収容されている。電極体50は、長尺シート状の正極集電体62の表面に正極合材層64が形成された正極シート(正極)66と、長尺シート状の負極集電体82の表面に負極合材層84が形成された負極シート(負極)86とを2枚の長尺状のセパレータシート100と共に重ね合わせて捲回し、得られた電極体50を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に形成されている。
また、捲回される正極シート66において、その長手方向に沿う一方の端部には正極合材層64が形成されずに正極集電体62が露出しており、一方、捲回される負極シート86においても、その長手方向に沿う一方の端部は負極合材層84が形成されずに負極集電体82が露出している。そして、正極集電体62の上記露出している端部に正極端子60が接合され、上記扁平形状に形成された捲回電極体50の正極シート66と電気的に接続されている。同様に、負極集電体82の上記露出している端部に負極端子80が接合され、負極シート86と電気的に接続されている。なお、正負極端子60,80と正負極集電体62,82とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合され得る。
上記構成の捲回電極体50を構成する材料および部材自体は、負極としてここで開示される負極合材層が負極集電体上に形成された負極(ここでは負極シート86)を採用する以外、従来のリチウムイオン二次電池の電極体と同様でよく特に制限はない。負極シート86および正極シート66は、上述したようにして作製される。
上記作製した正極シート66および負極シート86を2枚のセパレータ(例えば多孔質ポリオレフィン樹脂)100と共に積み重ね合わせて捲回し、得られた捲回電極体50をケース本体30内に捲回軸が横倒しとなるように収容するとともに、適当な支持塩(例えばLiPF等のリチウム塩)を適当量(例えば濃度1M)含むECとDMCとの混合溶媒(例えば質量比1:1)のような非水電解液を注入した後、開口部20に蓋体25を装着し封止する(例えばレーザ溶接)ことによって本実施形態のリチウムイオン二次電池10を構築することができる。
上述した第1実施形態に係る製造方法では、バインダ含有水溶液のpHを調整していたが、かかる方法に限定されない。以下、第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池用の負極の製造方法の好ましい態様を図2を参照しつつ説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る製造方法は、負極活物質と増粘材とバインダとを含む負極合材層が負極集電体の表面に形成(保持)された負極を備えるリチウムイオン二次電池を製造する方法であり、(1)バインダを含む水溶液を用意する工程(バインダ含有水溶液調製工程S110)、(2)少なくとも負極活物質と増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料を用意する工程(水性混合材料調製工程S120)、(3)該水性混合材料のpHを調整する工程(pH調整工程S130)、(4)上記pH調整後の水性混合材料に上記バインダ含有水溶液を混合して負極合材層形成用ペーストを調製する工程(負極合材層形成用ペースト調製工程S140)、を包含する。以下、上記工程を含む負極の製造方法について詳細に説明する。
まず、バインダを水系溶媒(例えば水)に溶解または分散させてなるバインダ含有水溶液を用意する(バインダ含有水溶液調製工程S110)。次いで、このときのバインダ含有水溶液のpHを市販のpHメーターを用いて測定する。なお、バインダ含有水溶液のpHは通常は凡そ6〜9が適当であり、凡そ7〜8のものが好ましい。
さらに、ここで開示される製造方法では、負極活物質と増粘材とを水系溶媒(例えば水)に添加して混練することにより水性混合材料を調製する(水性混合材料調製工程S120)。好ましくは、予め増粘材を水系溶媒(例えば水)に添加して混練することにより増粘材水溶液を調製して、該調製された増粘材水溶液に負極活物質を添加して混練することにより水性混合材料を調製する。そして、該水性混合材料のpHを調整する(pH調整工程S130)。pHの調整方法は、第1実施形態に係る製造方法と同様のものを水性混合材料に加えることにより行う。このとき上記バインダ含有水溶液のpHとpH調整後の水性混合材料のpHとの差が0.5以内となるように該水性混合材料のpHを調整することが好ましい。より好ましくはpH調整後の水性混合材料のpHとバインダ含有水溶液のpHとの差が0.3以内である。さらに好ましくは0.1以内である。
そして、バインダ含有水溶液とpH調整後の水性混合材料とを混合することにより、負極合材層を構成する全ての材料を含む負極合材層形成用ペーストを調製する(負極合材層形成用ペースト調製工程S140)。特に限定するものではないが、乾燥効率を向上させるために負極合材層形成用ペーストの固形分率は凡そ50%〜70%(好ましくは52%〜60%、さらに好ましくは53%〜58%)であることが好ましい。かかる手順によると、負極合材層形成用の構成材料(負極活物質、バインダ、増粘材等)を同時に添加せずに水性混合材料とバインダ含有水溶液とを調製(用意)し、且つバインダ含有水溶液のpHとpH調整後の水性混合材料のpHとの差が0.5以内になるように調整しているため、負極合材層形成用ペーストの調製(混練)の際に凝集物の発生を抑制することができる。
次に、上記調製した負極合材層形成用ペーストを所定のフィルタに透過させて凝集物を除去する(フィルタリング工程S150)。なお、かかる負極合材層形成用ペーストをフィルタ(62.5−HC−50XB;ロキテクノ社製、濾過精度50μm、濾材長さ62.5μm)に透過させた際の時間当たりの透過量は、1.2g/s以上(好ましくは1.5g/s以上、さらに好ましくは1.8g/s以上)であることが好ましい。
次に、上記調製した負極合材層形成用ペーストを負極集電体の表面に塗布(塗工)し、溶媒を揮発させて乾燥させた後、圧縮(プレス)する(負極合材層形成工程S160)。これにより負極合材層が負極集電体表面に形成(保持)されたリチウムイオン二次電池の負極が得られる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1:ペーストの調製及び該ペーストの性能評価1>
[ペーストの調製]
<サンプル1>
CMC(増粘材)0.8質量部をイオン交換水に添加してなるCMC水溶液(増粘材水溶液)中に、平均粒子径9.6μm、比表面積4.7m/g、タップ密度0.86g/cmの天然黒鉛粒子(負極活物質)100質量部を添加してプラネタリーミキサーにて混練することにより固形分率が53%の水性混合材料を調製した。このときの水性混合材料のpHを市販のpHメーターで測定したところpHは7.1であった。
また、天然黒鉛粒子100質量部に対して1質量部のSBR(バインダ)を含むバインダ含有水溶液(固形分率48.5%)に、所定量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して該バインダ含有水溶液のpHを6.3に調整した。
そして、調製した水性混合材料とpH調整後のバインダ含有水溶液とを混合し、さらに最終的な固形分率が52%となるようにイオン交換水を加えてサンプル1に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル2>
バインダ含有水溶液のpHを6.7に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル1と同様にして、サンプル2に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル3>
バインダ含有水溶液のpHを7.2に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル1と同様にして、サンプル3に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル4>
バインダ含有水溶液のpHを7.6に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル1と同様にして、サンプル4に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル5>
バインダ含有水溶液のpHを7.9に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル1と同様にして、サンプル5に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
[透過量測定試験]
上記調製したサンプル1〜5に係る負極合材層形成用ペーストをフィルタ(62.5−HC−50XB;ロキテクノ社製、濾過精度50μm、濾材長さ62.5μm)に透過させて、時間当たりの透過量を測定した。得られた結果を表1及び図3に示す。なお、図3中の縦軸は負極合材層形成用ペーストの透過量[g/s]を表し、横軸はpH調整後のバインダ含有水溶液のpHを表す。
Figure 0005586113
図3及び表1に示すように、透過量測定試験の結果によると、水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.1のとき最も透過量が多く(即ち凝集物の発生が抑制されており、ペーストが細粒化している)、上記差が0.3を超えると透過量が急激に少なくなる(即ち凝集物が多く発生している)ことが確認された。
<実施例2:ペーストの調製及び該ペーストの性能評価2>
[ペーストの調製]
<サンプル6>
平均粒子径11.8μm、比表面積4.9m/g、タップ密度0.93g/cmの天然黒鉛粒子(負極活物質)100質量部と、CMC(増粘材)1質量部とを、イオン交換水に添加してプラネタリーミキサーにて混練することにより固形分率が55%の水性混合材料を調製した。このときの水性混合材料のpHを市販のpHメーターで測定したところpHは7.7であった。
また、天然黒鉛粒子100質量部に対して1質量部のSBRを含むバインダ含有水溶液(固形分率48.6%)に、所定量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して該バインダ含有水溶液のpHを6に調整した。
そして、調製した水性混合材料とpH調整後のバインダ含有水溶液とを混合し、さらに最終的な固形分率が54%となるようにイオン交換水を加えてサンプル6に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル7>
バインダ含有水溶液のpHを6.7に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル6と同様にして、サンプル7に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル8>
バインダ含有水溶液のpHを7.2に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル6と同様にして、サンプル8に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル9>
バインダ含有水溶液のpHを7.6に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル6と同様にして、サンプル9に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル10>
バインダ含有水溶液のpHを8.1に調整して該pH調整後のバインダ含有水溶液を用いた他はサンプル6と同様にして、サンプル10に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
[透過量測定試験]
上記調製したサンプル6〜10に係る負極合材層形成用ペーストをフィルタ(62.5−HC−50XB;ロキテクノ社製、濾過精度50μm、濾材長さ62.5μm)に透過させて、時間当たりの透過量を測定した。得られた結果を表2及び図4に示す。なお、図4中の縦軸は負極合材層形成用ペーストの透過量[g/s]を表し、横軸はpH調整後のバインダ含有水溶液のpHを表す。
Figure 0005586113
図4及び表2に示すように、透過量測定試験の結果によると、水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.1のとき最も透過量が多く、上記差が0.2を超えると透過量が急激に少なくなることが確認された。
以上に説明した実施例1及び実施例2に係る透過量測定試験の結果より、バインダ含有水溶液のpHを調整する場合には、水性混合材料のpHとpH調整後のバインダ含有水溶液のPHとの差が0.3以内とのきに、負極合材層形成用ペーストのフィルタ透過量は優れている、即ち凝集物の発生が抑制されている(ペーストがより細粒化している)ことが示された。
<実施例3:ペーストの調製及び該ペーストの性能評価3>
[ペーストの作製]
<サンプル11>
CMC(増粘材)0.8質量部をイオン交換水に添加してなるCMC水溶液(増粘材水溶液)中に、平均粒子径9.6μm、比表面積4.7m/g、タップ密度0.86g/cmの天然黒鉛粒子(負極活物質)100質量部を添加してプラネタリーミキサーにて混練することにより固形分率が53%の水性混合材料を調製した。このときの水性混合材料のpHを市販のpHメーターで測定したところpHは7.1であった。
また、天然黒鉛粒子100質量部に対して1質量部のSBR(バインダ)を含むバインダ含有水溶液(固形分率49.5%)に、所定量の水酸化ナトリウム水溶液を添加してなるpH7.9のバインダ含有水溶液を用意した。
そして、調製した水性混合材料とバインダ含有水溶液とを混合し、さらに最終的な固形分率が54%となるようにイオン交換水を加えてサンプル11に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル12>
サンプル11に係る水性混合材料に所定量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して水性混合材料のpHを7.3に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル11と同様にして、サンプル12に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル13>
水性混合材料のpHを7.5に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル12と同様にして、サンプル13に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル14>
水性混合材料のpHを7.8に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル12と同様にして、サンプル14に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル15>
水性混合材料のpHを8.3に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル12と同様にして、サンプル15に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
[透過量測定試験]
上記調製したサンプル11〜15に係る負極合材層形成用ペーストをフィルタ(62.5−HC−50XB;ロキテクノ社製、濾過精度50μm、濾材長さ62.5μm)に透過させて、時間当たりの透過量を測定した。得られた結果を表3及び図5に示す。なお、図5中の縦軸は負極合材層形成用ペーストの透過量[g/s]を表し、横軸はpH調整後の水性混合材料のpHを表す。
Figure 0005586113
図5及び表3に示すように、透過量測定試験の結果によると、pH調整後の水性混合材料のpHとバインダ含有水溶液のpHとの差が0.1のとき最も透過量が多く、上記差が0.5を超えると透過量が急激に少なくなることが確認された。
<実施例4:ペーストの調製及び該ペーストの性能評価4>
[ペーストの作製]
<サンプル16>
平均粒子径12μm、比表面積4.2m/g、タップ密度0.83g/cmの天然黒鉛粒子(負極活物質)100質量部と、CMC(増粘材)1質量部とを、イオン交換水に添加してプラネタリーミキサーにて混練することにより固形分率が53%の水性混合材料を調製した。このときの水性混合材料のpHを市販のpHメーターで測定したところpHは6.7であった。
また、天然黒鉛粒子100質量部に対して1質量部のSBRを含むバインダ含有水溶液(固形分率49.3%)に、所定量の水酸化ナトリウム水溶液を添加してなるpH7.2のバインダ含有水溶液を用意した。
そして、調製した水性混合材料とバインダ含有水溶液とを混合し、さらに最終的な固形分率が52%となるようにイオン交換水を加えてサンプル16に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル17>
サンプル16に係る水性混合材料に所定量の炭酸ナトリウム水溶液を添加して水性混合材料のpHを7.2に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル16と同様にして、サンプル17に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル18>
水性混合材料のpHを7.5に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル17と同様にして、サンプル18に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル19>
水性混合材料のpHを7.7に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル17と同様にして、サンプル19に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
<サンプル20>
水性混合材料のpHを8.3に調整した。該pH調整後の水性混合材料を用いた他はサンプル17と同様にして、サンプル20に係る負極合材層形成用ペーストを調製した。
[透過量測定試験]
上記調製したサンプル16〜20に係る負極合材層形成用ペーストをフィルタ(62.5−HC−50XB;ロキテクノ社製、濾過精度50μm、濾材長さ62.5μm)に透過させて、時間当たりの透過量を測定した。得られた結果を表4及び図6に示す。なお、図6中の縦軸は負極合材層形成用ペーストの透過量[g/s]を表し、横軸はpH調整後の水性混合材料のpHを表す。
Figure 0005586113
図6及び表4に示すように、透過量測定試験の結果によると、pH調整後の水性混合材料のpHとバインダ含有水溶液のpHとの差が0(即ち同じpH)のとき最も透過量が多く、上記差が0.5を超えると透過量が急激に少なくなることが確認された。
以上に説明した実施例3及び実施例4に係る透過量測定試験の結果より、水性混合材料のpHを調整する場合には、pH調整後の水性混合材料のpHとバインダ含有水溶液のPHとの差が0.5以内とのきに、負極合材層形成用ペーストのフィルタ透過量は優れている、即ち凝集物の発生が抑制されていることが示された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明に係る電極は、凝集物の発生が抑制されてより細粒化したペーストを用いて作製されたものであるため反応ムラが抑制された高品質の電極となり得る。かかる特性により、本発明に係る電極を備える二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、本発明によると、図9に示されるように、かかるリチウムイオン二次電池10(当該電池10を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車のような電動機を備える自動車)を提供することができる。
1 車両
10 リチウムイオン二次電池
15 電池ケース
20 開口部
25 蓋体
30 ケース本体
40 安全弁
50 捲回電極体
60 正極端子
62 正極集電体
64 正極合材層
66 正極シート(正極)
80 負極端子
82 負極集電体
84 負極合材層
86 負極シート
100 セパレータシート

Claims (12)

  1. 活物質と増粘材とバインダとを含む合材層が集電体に保持された構成の二次電池用電極を製造する方法であって、
    少なくとも前記活物質と前記増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料を用意すること、
    前記バインダを含む水溶液を用意して、該バインダ含有水溶液のpHを調整すること、
    前記水性混合材料に前記pH調整後のバインダ含有水溶液を混合して合材層形成用ペーストを調製すること、
    を包含し、
    ここで、前記水性混合材料のpHと前記pH調整後のバインダ含有水溶液のpHとの差が0.3以内となるように前記バインダ含有水溶液のpHを調整する、二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記水性混合材料は、予め前記増粘材と前記水系溶媒とを混合してなる増粘材溶液に対して所定量の前記活物質を添加して調製している、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記活物質は炭素材料である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記水性混合材料のpHは7〜8である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記合材層形成用ペーストを所定のフィルタに通したとき該ペーストの透過量が少なくとも1.2g/sとなるように前記バインダ含有水溶液のpHを調整する、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 活物質と増粘材とバインダとを含む合材層が集電体に保持された構成の二次電池用電極を製造する方法であって、
    少なくとも前記活物質と前記増粘材と水系溶媒とを混合してなる水性混合材料を用意して、該水性混合材料のpHを調整すること、
    前記バインダを含む水溶液を用意すること、
    前記pH調整後の水性混合材料に前記バインダ含有水溶液を混合して合材層形成用ペーストを調製すること、
    を包含し、
    ここで、前記pH調整後の水性混合材料と前記バインダ含有水溶液のpHとの差が0.5以内となるように前記水性混合材料のpHを調整する、二次電池用電極の製造方法。
  7. 前記水性混合材料は、予め前記増粘材と前記水系溶媒とを混合してなる増粘材溶液に対して所定量の前記活物質を添加して調製している、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記活物質は炭素材料である、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記バインダ含有水溶液のpHは7〜8である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記合材層形成用ペーストを所定のフィルタに通したとき該ペーストの透過量が少なくとも1.2g/sとなるように前記水性混合材料のpHを調整する、請求項6から9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の製造方法により得られた二次電池用電極を備える二次電池。
  12. 請求項11に記載の二次電池を備える車両。
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