JP2014026777A - 非水電解質二次電池と、該二次電池用の正極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質層のバインダとして水溶性高分子を用いる場合であっても、正極集電体の腐食が防止されているとともに、抵抗特性が良好な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】
正極活物質層34を備える正極30と、負極活物質層54を備える負極50と、非水電解質とを備える二次電池である。正極活物質層54は、正極活物質36と、アルギン酸を含む第1のバインダ37と、アルギン酸以外の水溶性高分子を含む第2のバインダ39とを含んでいる。そして、正極活物質層34中の正極集電体32に近接する領域には第1のバインダ37が偏在し、正極活物質層34中の表面側の領域には第2のバインダ39が偏在している構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、非水電解質二次電池と、該二次電池用の正極の製造方法とに関する。詳しくは、正極活物質層のバインダとして水溶性高分子を用いた非水電解質二次電池と、かかる水溶性高分子をバインダとして含む正極の製造方法に関する。
近年、リチウム二次電池(例えばリチウムイオン電池)、ニッケル水素電池等の二次電池は、車両搭載用電源、あるいはパソコンおよび携帯端末の電源として好ましく用いられている。特に、リチウムイオン電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、車両搭載用の高出力電源あるいは電力貯蔵システムの電源等としての重要性が高まっている。
この種の二次電池としては、電荷担体(例えば、リチウムイオン電池の場合はリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る電極活物質が導電性部材(電極集電体)に保持された構成の正極および負極の両電極を、セパレータを介して積層した電池構造が知られている。そして、この電極の製造には、例えば、電極活物質とバインダとを適切な溶媒に分散させた合剤ペースト(スラリー状、インク状に調製され得る。)を電極集電体に塗布し、これを乾燥させることにより、電極種電体上に電極活物質層を保持させる手法が広く採用されている。
かかる二次電池の製造に際し、環境負荷の低減や、原料コストおよび製造コストの削減等を目的として、上記の合剤ペーストの溶媒として水系溶媒を用いた水系の合剤ペーストを用いることがある。しかしながら、正極の製造に水系の合剤ペーストを用いると、正極活物質の種類によっては活物質中のリチウムイオンが溶媒に溶出し、合剤ペーストが高アルカリ性となる場合がある。正極集電体として汎用されているアルミおよびアルミ合金は両性金属であるため、このような高アルカリ性のペーストが塗布されると正極集電体が腐食されて水素ガスを発生する。そして発生されたガスは気泡となって、正極活物質層に凹凸を形成したり、電池のサイクル特性に悪影響をもたらす等していた。また、この気泡により正極活物質層が正極集電体から浮き上がり、電池抵抗の上昇を招いたり、正極活物質の脱落を引き起こす原因となってもいた。
これに対し、水系の合剤ペーストを用いて正極を製造する際に、正極集電体の腐食を防止する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、pHの上昇が抑えられているために正極集電体の腐食を抑制する水系の合剤ペーストが開示されている。
特開2011−192644号公報
ところで、引用文献1には、上記の水溶性高分子の一つとしてアルギン酸が例示されている。水系の正極合剤ペーストのバインダとして上記のアルギン酸が含まれると、正極集電体の腐食を防止することは可能である。しかしながら、かかるアルギン酸を用いた場合には、低温時の抵抗(例えば、IV抵抗)が著しく増大してしまうという問題があった。
本発明は、かかる課題を鑑みて創出されたものであり、その目的とするところは、正極活物質層のバインダとして水溶性高分子を用いる場合であっても、正極集電体の腐食が防止されているとともに、抵抗特性が低く良好に維持され得る、非水電解質二次電池を提供することである。また、他の目的は、水系の正極合剤ペーストを用いた場合であっても、抵抗特性を損なうことのない正極の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明が提供する非水電解質二次電池は、正極集電体上に正極活物質層を備える正極と、負極集電体上に負極活物質層を備える負極と、非水電解質とを備えている。そして上記正極活物質層は、正極活物質と、アルギン酸を含む第1のバインダと、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子(以下、「水溶性および/または水分散性の高分子」を単に「水系の高分子」という場合がある。)を含む第2のバインダとを含んでいる。そしてこの非水電解質二次電池においては、かかる正極活物質層中の上記正極集電体に接する領域には上記第1のバインダが偏在し、上記正極活物質層中の表面側の領域には上記第2のバインダが偏在していることを特徴としている。
なお、本明細書において、「アルギン酸」とは、一般式(Cで表わされるβ−D−マンヌロン酸(M)とα−L−グルロン酸(G)が1−4結合した直線状のポリマー組成物に限定されることなく、そのナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等の塩や、エステル等の誘導体等を包含する。
本発明者らは、従来のアルギン酸をバインダとして含む正極活物質層においては、正極活物質がアルギン酸により被覆されてリチウムイオンの吸蔵放出機能が阻害されていたため、抵抗が増大したものと考えている。そして、特に、低温放電時に寄与する割合の高い正極活物質層の表面近傍でかかる正極活物質の被覆があると、正極活物質の反応性が著しく損なわれ、低温時の抵抗特性が大きく低下するものと考えている。
これに対し、ここに開示される非水電解質二次電池の構成によると、正極活物質層は、表面側の領域とこれと相対する正極集電体に近接する領域とで含有するバインダが異なり、その物性も変化されている。すなわち、正極集電体に近接する領域にはアルギン酸を含む第1のバインダが偏在しているため、正極集電体の腐食を防止する構成となっている。したがって、腐食に伴う水素ガスの発生や、正極活物質層の浮き上がりおよび活物質の脱落等の問題が解消され、接触抵抗や耐久性が改善される。一方の、正極活物質層の表面側の領域には、アルギン酸以外の水系の高分子を含む第2のバインダが偏在しているため、バインダによる正極活物質の被覆がより抑制された構成となっている。したがって、例えば、ハイレート放電や低温放電時に必要な活物質の反応面積が確保でき、反応抵抗が低く維持され、出力特性が確保される。
このように、かかる非水電解質二次電池においては、正極活物質層は正極集電体に近接する領域と表面側の領域とで機能性(典型的には防食性、低抵抗性)が制御されており、正極集電体の腐食防止と、正極の低温抵抗特性の向上とが両立される。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記の正極活物質層は、上記正極集電体上に第1層が形成され、該第1層の上に第2層が形成された二層構成である。そして、上記第1層は上記第1のバインダを含み、上記第2層は上記第2のバインダを含むことを特徴としている。
かかる構成によると、正極活物質層において第1のバインダと第2のバインダが混在することなく配置されるため、両バインダの機能および効果がより明確に得られ、正極集電体の腐食の防止および低温での低抵抗特性の向上をより効果的に実現することができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記第1層の厚みをt1、上記正極活物質層の総厚みをt2としたとき、上記第1層と上記第2層の厚みの比(t1/t2)が、0.01≦t1/t2≦0.4であることを特徴としている。
かかる構成によると、第1層と第2層との厚みの割合を適切な範囲のものとすることができ、第1のバインダによる効果と第2のバインダによる効果とをバランスよく適切に発現させることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記第1層の厚みt1が、1μm〜40μmの範囲であることを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、正極活物質層の厚みが極めて厚い場合や、極めて薄い場合であっても、第1のバインダと第2のバインダの配置される領域をより適切に決定することができ、両バインダの機能および効果をより確実に、無駄なく得ることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記第1のバインダは、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子を含むことを特徴としている。
かかる構成によると、第1層のバインダは、アルギン酸を単独で用いる必要はなく、例えば、その他の水溶性および/または水分散性の高分子を含むことができる。これにより、アルギン酸とは異なる他の特性に優れた水系高分子を正極集電体に接する領域あるいは第1層のバインダとして併用することができる。したがって、例えば、第1層のバインダとしてアルギン酸と、より結着性の高い水系高分子とを併用することで、正極活物質と集電体との接着性等の特性をも向上させることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記第2のバインダは、上記水溶性および/または水分散性の高分子として少なくともカルボキシメチルセルロース(CMC)を含むことを特徴としている。
かかる構成によると、第2のバインダは、水系の高分子の少なくとも一部として、カルボキシメチルセルロースを含むことができる。カルボキシメチルセルロースは、増粘剤等としての機能を有するとともに、正極活物質層に密着性と柔軟性を与え得る。これにより、正極活物質層を形成する際の合剤ペーストの流動性を適正化することができ、柔軟性および密着性に優れた正極活物質層を得ることができる。
なお、本明細書において、「カルボキシメチルセルロース」とは、セルロースの水酸基を部分的にカルボキシメチル基で置換(エーテル化)して得られるセルロースの誘導体を意味し、無機塩、有機酸塩等の各種塩等をも包含する。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記正極活物質層はさらに導電材を含むことを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、正極活物質がリチウム遷移金属複合酸化物等のように表面の導電性に劣る材料であっても、活物質間の導電性を確保し、低抵抗な正極活物質層とすることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様において、上記正極および上記負極はシート状であって、シート状のセパレータを介して互いに重ねられ、捲回された捲回電極体を構成していることを特徴としている。
電極体を捲回電極体とすることで、正極−負極間の反応面積を増大させることができ、エネルギー密度が高く、高出力が可能な非水電解質二次電池が提供される。また、正極活物質層は浮き上がりや剥がれ等の問題が解消されているため、捲回電極体を構築するに十分な柔軟性および集電体との密着性を備えている。したがって、かかる非水電解質二次電池は、例えば、捲回電極体を備える構成の二次電池として好適に用いることができる。
また、本発明が提供する非水電解質二次電池用の正極の製造方法は、正極活物質と、アルギン酸を含む第1のバインダとを水系溶媒に分散させて第1層形成用合剤ペーストを調製すること、正極活物質と、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子を含む第2のバインダとを水系溶媒に分散させて第2層形成用合剤ペーストを調製すること、正極集電体上に上記第1層形成用合剤ペーストを供給して第1層を形成すること、上記第1層上に上記第2層形成用合剤ペーストを供給して第2層を形成すること、を含むことを特徴としている。
かかる構成によると、ここに提供される非水電解質二次電池に好適に用いることができる正極の製造が可能となる。すなわち、バインダとしてアルギン酸を含む水系の合剤ペーストを用いて正極を製造するに際し、アルギン酸を適切な場所に配置させることができ、その機能を効果的に発現させることが可能となる。また、バインダとしてのアルギン酸以外の水系の高分子についても、適切な場所に配置させることができ、その機能を効果的に発現させることが可能となる。
以上のここに開示される非水電解質二次電池は、アルギン酸を含む第1のバインダの使用により、正極集電体の腐食が完全に防止され得る。そのため、水素ガスの発生、正極活物質層の割れ、活物質の脱落等の問題が解消され、例えば、正極集電体と正極活物質層との間の接触抵抗の増大といった問題の起こる可能性が抑制され、本来正極が有する充放電特性をいかんなく発揮できる構成となっている。また、アルギン酸以外の水系の高分子を含む第2のバインダの使用により、アルギン酸に見られる正極活物質の被覆が抑えられ、低温放電時に必要な活物質の反応面積が確保でき、低温IV抵抗が下がって出力特性が向上される。かかる構成は、例えば高エネルギー密度特性を備えるために捲回電極体を備える大型電池や、組電池等の形態の二次電池に対して好適に適用し得る。特に、例えば、ハイレートでの入出力特性が求められる動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)等として好適であり、本発明は、このような車両(例えば自動車)の動力源として利用することができる。
一実施形態に係る非水電解質二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う縦断面図である。 一実施形態に係る捲回電極体を示す模式図である。 一実施形態に係る正極シートの構造を模式的に示す横断面図である。
本明細書において「二次電池」とは、リチウム二次電池、ニッケル水素電池等の繰り返し充電可能な電池一般をいう。
また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、リチウムイオンを電荷担体として繰り返し充電可能な電池一般をいい、典型的にはリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等を包含する。また、「活物質」は、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および離脱)可能な物質をいう。
以下、本発明の非水電解質二次電池を、好適な実施形態としてのリチウムイオン電池を例にし、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、本発明の実施に必要な事柄(例えば、負極、セパレータおよび非水電解質の構成、二次電池の構成材料および構築手法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン電池10を模式的に示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿う縦断面図である。図3は、捲回電極体20の構成を説明する図である。
本実施形態に係るリチウムイオン電池10は、図1〜図3に示すように、代表的には、長尺な正極集電体32上に正極活物質層34を備える正極シート(正極)30と、長尺な負極集電体52上に負極活物質層54を備える負極シート(負極)50と、非水電解質(図示せず)とを備える。本実施形態においては、さらに、上記正極シート30と上記負極シート50との間に介在する2枚のセパレータ70を備え、これら正極30、負極50およびセパレータ70を重ね合わせて捲回することで、捲回電極体20を構成している。
また、リチウムイオン電池10は、この電極体20と適切な非水系の電解質(典型的には電解液)とを収容する電池ケース80(典型的には扁平な直方体形状)を備えている。
ここで、正極シート30は、所定の長尺の正極集電体32上に、正極活物質36およびバインダ(結着剤)を含む正極活物質層34を備えている。正極集電体32の幅方向片側には、縁部に沿って正極活物質層34が無く集電体32が露出している未塗工部43が設定されている。この実施形態においては、正極活物質層34は、正極集電体32に設定された未塗工部43を除いて、正極集電体32の両面に形成されている。この正極活物質層34は、典型的には、正極活物質36、導電材、バインダを含む正極合剤ペーストを正極集電体32上に供給することで形成される。
そしてここに開示される正極シート30においては、図4に示すように、正極集電体32の表面に、正極活物質36と共に、バインダとして、アルギン酸を含む第1のバインダ37と、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子(水系の高分子)を含む第2のバインダ39との2通りのバインダを含む正極活物質層34が形成されている。
正極集電体32は、従来のリチウムイオン電池10等の正極に用いられる電極集電体と同様、導電性の良好な金属からなる導電性部材を用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、鉄等を主成分とする金属またはその合金等を用いることができる。本実施形態においては、正極集電体32は、より好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。正極集電体32の形状については特に制限はなく、所望の二次電池の形状等に応じて様々なものを考慮することができる。例えば、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態のものであり得る。典型的には、シート状のアルミニウム製の正極集電体32が用いられる。
正極活物質36としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料を用いることができ、従来からリチウムイオン電池10に用いられている各種の物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。このような正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)が好適に用いられ、層状構造の酸化物あるいはスピネル構造の酸化物を適宜選択して使用することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物(代表的には、LiNiO)、リチウムコバルト系酸化物(代表的には、LiCoO)およびリチウムマンガン系酸化物(代表的には、LiMn)から選択される一種または二種以上のリチウム遷移金属酸化物の使用が好ましい。
ここで、例えば、「リチウムニッケル系酸化物」とは、LiとNiとを構成金属元素とする酸化物の他、LiおよびNi以外に他の一種または二種以上の金属元素(すなわち、LiおよびNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)をNiよりも少ない割合で含む複合酸化物をも包含する意味である。かかる金属元素は、例えば、Co,Al,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,LaおよびCeからなる群から選択される一種または二種以上の元素であり得る。リチウムコバルト系酸化物およびリチウムマンガン系酸化物についても同様である。
また、主組成が、一般式:
Li(LiMnCoNi)O
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z≒1、xyz≠0を満たす。)
で表わされるような、遷移金属元素を3種含むいわゆる三元系のリチウム遷移金属酸化物や、一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O・(1−x)LiMeO
(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす。)
で表わされるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等であってもよい。これらのリチウム遷移金属酸化物は、その構成の明確のため上記の示性式で示したが、かかる示性式中の遷移金属元素の一部(50原子%未満)が、上記に例示したCo,Al,Mn,Cr,Fe…等からなる金属元素群から選択される一種または二種以上の元素で置換されていても良い。
さらに、上記正極活物質として一般式がLiMAO(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnから成る群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVから成る群から選択される。)で表記されるポリアニオン型化合物も挙げられる。
このような正極活物質36は、例えば、具体的には、D50が3〜8μm程度であり、比表面積(BET法による)が0.5〜1.9m/g程度のものを用いるのが好ましい例として示される。正極活物質として、例えば上記のリチウム過剰遷移金属酸化物や、固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等を用いることで、高出力特性とハイレート特性を兼ね備えたリチウムイオン電池を構築することができる。
なお、本明細書において、D50は、レーザ回折散乱法により測定される粒度分布における、累積50%粒径(体積基準)で表わされる平均粒子径を示している。
第1のバインダ37は、アルギン酸を含んでいる。そして、第1のバインダは、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子(水系の高分子)を含むことができる。このような水系の高分子としては、溶媒として水又は水系溶媒を使用する水系のバインダ、あるいはエマルジョン系のバインダであっても良い。
このような水系の高分子としては、例えば、具体的には、水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料として、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系ポリマー、ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;等が例示される。また、水に分散する(水分散性の)ポリマー材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のビニル系重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のエチレン系ポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類等が例示される。また、かかるポリマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、第2のバインダ39は、アルギン酸以外の水系の高分子を含んでいる。ここで、第1のバインダ37と第2のバインダ39とで同じ水系の高分子を含むようにしても良いし、異なる水系の高分子を含むようにしても良い。そして、第2のバインダ39は、密着性および柔軟性に優れ、増粘剤等としても機能し得るカルボキシメチルセルロース(CMC)を少なくともその一部に含んでいるのが好ましい例として示される。
なお、正極活物質層34は、上記の正極活物質36と第1のバインダ37および第2のバインダ39の他に、例えば、正極活物質36間の導電パスを確保しうる導電材を含むことができる。
導電材としては、従来この種のリチウムイオン電池10等で用いられているものを特に制限なく用いることができる。典型的には、例えば、カーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料を用いることができる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、グラファイト粉末等のカーボン粉末を用いることができる。これらのうち一種又は二種以上を併用してもよい。
なお、図4は、正極活物質層34における第1のバインダ37および第2のバインダ39の偏在の様子を解り易く説明するために正極活物質層34の構成を模式的に示したものであって、導電材については図示しておらず、また、正極集電体32の片面にのみ正極活物質層34を記載している。そして、正極活物質層34に含まれる正極活物質36の数や密度等について実際の状態を反映することは意図していない。
ここで、特に限定するものではないが、正極活物質36を100質量部としたときの、第1のバインダ37および第2のバインダ39の合計の使用量は、例えば0.5〜10質量部とすることができる。したがって、正極活物質層34中の正極集電体32に接する領域あるいは第1層33における第1のバインダ37、および、正極活物質層34中の表面側の領域あるいは第2層35における第2のバインダ39の割合についても、例えば0.5〜10質量部程度とすることができる。また、正極活物質36を100質量部としたときの、導電材の使用量は、例えば1〜20質量部、好ましくは5〜15質量部とすることができる。
また、第1のバインダ37に占めるアルギン酸の量については厳密な制限はないものの、10質量%を超過する量であることが好ましい。例えば、15質量%〜100質量%、好ましくは20質量%〜70質量%、例えば、25質量%〜50質量%程度とすることが例示される。また、上記のバインダは、調製する合剤ペーストによっては増粘剤その他の添加剤として機能し得る。かかる増粘材の添加量(含有量)は、正極活物質36の種類や量等に応じて適宜選択すればよく、例えば、正極活物質層の固形分全量を100質量%としたときにおよそ0.3質量%〜2質量%(例えば、およそ0.5質量%〜1質量%)とすることができる。
以上の正極活物質層34を構成する材料を溶解または分散する溶媒としては、水系溶媒を好ましく用いることができる。水系溶媒としては、水、または水に水溶性のアルコール等の溶剤を混合した混合液等を用いることができる。
正極シート30は、正極活物質層34中の正極集電体32に近接する領域には、第1のバインダ37が偏在し、また、正極活物質層34中の表面側の領域には、第2のバインダが偏在していることを特徴としている。
ここで、「正極集電体32に近接する領域」とは、正極活物質層34において正極集電体32に接して略層状に広がる領域を意味し、その領域の広さについては明確な制限はない。とりわけ、正極活物質層34の総厚みを1としたとき、正極集電体32からのおおよその厚み(距離)が0.4以下の略層状に広がる領域、例えば、正極集電体32からのおおよその厚みが0.4以下の領域とするのが好ましい。そして「表面側の領域」とは、正極活物質層34から上記の「正極集電体32に近接する領域」を除いた残りの領域として理解することができる。すなわち、好ましくは、正極活物質層34の総厚みを1としたとき、正極活物質層34の表面からのおおよその厚み(距離)が0.6以上の略層状に広がる領域、例えば、正極集電体32からのおおよその厚み0.6以上の領域とすることができる。これらの領域は、明確な界面を形成していても良いし、明確な界面は形成されていなくても良い。そして界面が形成される場合は、略平面状の界面を形成しても良いし、曲面的な界面を形成していても良い。
なお、偏在とは、該領域に含まれる全てのバインダを100質量%としたとき、その50質量%を超える割合を第1のバインダ37あるいは第2のバインダ39が占める状態を意味している。より好ましくは、70質量%以上、さらに限定的には80質量%以上、好ましくは95質量%以上が望ましい。例えば、第1のバインダ37あるいは第2のバインダ39が100質量%で存在していても良い。
また、第1のバインダは、上記の通り、アルギン酸と共に、アルギン酸以外の水系の高分子を含んでいてもよく、第2のバインダは、アルギン酸以外の水系の高分子を含んでいても良い。第1のバインダ37と第2のバインダ39がともに水系の高分子を含む場合は、その水系の高分子については「正極集電体32に近接する領域」および「表面側の領域」の両方に同じものが含まれていても良い。また、カルボキシメチルセルロースについても、「正極集電体32に近接する領域」および「表面側の領域」の両方に含まれることもあり得る。
このことからもわかるように、ここに開示される正極活物質層34においては、本質的には、アルギン酸は、「表面側の領域」には含まれない。
かかる構成によると、正極活物質層34は、正極集電体32に近接する領域と表面側の領域とで含有するバインダの特性が異なり、その物性が変化されている。
すなわち、正極集電体32に近接する領域にはアルギン酸が含まれるために正極集電体32を腐食する作用が抑えられている。したがって、腐食に伴うガスの発生や集電体32の凸凹化がなく、正極集電体32から正極活物質層34が浮き上がったり、剥離する等の問題が解消され得る。
また、正極活物質層34の表面側の領域には、アルギン酸が含まれずに水系の高分子が含まれるため、かかるアルギン酸に由来して低温時の抵抗特性が著しく悪化することは無い。なお、アルギン酸をバインダとして含む正極活物質層34においては、正極活物質36がアルギン酸により被覆されてリチウムイオンの吸蔵放出機能を阻害され、抵抗が増大するものと考えられる。そして、特に、低温放電時に寄与する割合の高い正極活物質層34の表面近傍でかかる正極活物質36の被覆があると、正極活物質36の反応面積が著しく損なわれ、低温時の抵抗特性が著しく低下するものと考えられる。ここに開示される正極活物質層34では、表面側の領域でアルギン酸により正極活物質36が被覆される可能性がないため、ハイレート放電や低温放電時に必要な活物質の反応面積が確保でき、低温での抵抗値が下がり、正極30における出力特性が向上される。
このように、かかるリチウムイオン電池10においては、正極活物質層34は正極集電体32に近接する領域と表面側の領域とで物性が制御されており、例えば、正極集電体32の腐食防止と、正極30の低温時の抵抗増大の抑制とが両立されている。
そしてここに開示されるリチウムイオン電池10において、正極シート30は、代表的には、図4に示したような断面構造をとり得る。すなわち、正極シート30において、正極活物質層34は、正極集電体32上に第1層33が形成され、この第1層の上に第2層35が形成された二層構成とすることができる。ここで、第1層33には上記第1のバインダ37を含み、第2層35には上記第2のバインダ39を含む。したがって、第1層33が正極集電体32に近接する領域に相当し、第2層35が表面側の領域に相当する。かかる構成によると、正極活物質層34において第1のバインダ37と第2のバインダ39が本質的には混在することなく配設されるため、両バインダ37、39に含まれるアルギン酸および水系高分子の効果がより明確に発現される。なお、第1層33と第2層35の間においても、明確な界面が形成されていても良いし、形成されていなくても良い。
このような正極30の二層構成において、第1層33の厚みをt1、正極活物質層34の総厚みをt2とすると、第1層33と総厚みの比(t1/t2)は、0.01≦t1/t2≦0.4の範囲であるのが好ましい。上記のとおり、第1層33の厚みt1には厳密な制限はないものの、第1層33の厚みt1は正極集電体32の腐食防止効果と相関があり、例えば強アルカリ性を示す第2層から正極集電体32の腐食を防止するには、t1/t2が0.01以上であるのが好ましい。t1/t2は、0.03以上であるのがより好ましく、更には、0.08以上であるのが好ましい。なお、正極活物質層34の総厚みt2に占める第1層33の厚みの比が大きすぎると、アルギン酸に被覆される正極活物質36が増えすぎて直流抵抗の増大が顕著となるために好ましくない。t1/t2は0.4以下であるのが適当であり、好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.25以下である。これにより、第1層33と第2層35との厚みの割合を適切に設定することができ、正極集電体の耐腐食性と低温抵抗の低減とをバランスよく実現することができる。
なお、第1層33の厚みt1については、第2層35との相対的なバランス以外にも、絶対的な厚みとして規定することもできる。例えば、第1層33の厚みt1が約1μm以上であると、正極集電体32の防食効果をより確実に得ることができる。かかる厚みt1は、0.05μm以上であるのがより好ましく、0.1μm以上であるのがより好ましい。一方で、抵抗の増大の観点からは、第1層33の厚みt1は40μm以下であるのが適当であり、35μm以下であるのが好ましく、更に30μm以下であるのがより好ましい。かかる構成によると、例えば、第1層33と第2層35との相対的な厚みに加えて、絶対的な観点からも、第1層33の機能および効果をより確実かつ効果的に得ることができる。
また、負極シート50は、所定の長尺の負極集電体52上に、負極活物質およびバインダ(結着剤)を含む負極活物質層54を備えており、特定の材料、構成等に限定されず、従来この種のリチウムイオン電池10等で採用されているものであってよい。負極集電体52の幅方向片側には、縁部に沿って負極活物質層54が形成されていない未塗工部43が設定されている。負極活物質層54は、負極集電体52に設定された未塗工部43を除いて、負極集電体52の両面に形成されている。この負極活物質層54は、典型的には、負極活物質56およびバインダとともに、必要に応じて導電材を含む負極合剤ペーストを、負極集電体32上に供給することで形成される。
負極集電体52には、従来のリチウムイオン電池10等の負極に用いられる電極集電体と同様、負極に適する導電性の良好な金属からなる導電性部材を用いることができる。例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を主体とする棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン電池10等に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質は、例えば、天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)およびこれらの表面の少なくとも一部を非晶質の炭素材料でコートしたものが例示される。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに負極活物質としては、金属化合物や金属酸化物を用いることも可能である。
導電材は、必要に応じて、従来からリチウムイオン電池10等に用いられる導電材の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、具体的には、カーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料、ニッケル粉末等の導電性金属粉末が例示される。カーボン粉末としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックを好ましく採用することができる。このような導電材は、一種を単独で、または二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、バインダについても、従来からリチウムイオン電池に用いられるバインダの一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。このようなバインダは、一種を単独で、または二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒のいずれも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。また、上記でバインダとして例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、負極合剤ペーストの増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
また、特に限定するものではないが、負極活物質層54に導電材を含む配合では、負極活物質56を100質量部としたときの導電材の使用量は、例えば、およそ1〜30質量部(好ましくは、およそ2〜20質量部、例えば5〜10質量部程度)とすることができる。また、負極活物質100質量部としたときのバインダの使用量は、例えば0.5〜10質量部とすることができる。
セパレータ70としては、従来よりリチウムイオン電池10等に用いられるのと同様のセパレータを使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。かかる多孔性シートの構成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。特に、PEシート、PPシート、PE層とPP層とが積層された二層構造シート、二層のPP層の間に一層のPE層が挟まれた態様の三層構造シート等、の多孔質ポリオレフィンシートを好適に使用し得る。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
ここで用いられる電解質には、従来のリチウムイオン電池10等に用いられる非水電解質と同様の一種または二種以上のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解質は、典型的には、適当な非水溶媒に電解質(即ち、リチウム塩)を含有させた組成を有する。電解質濃度は特に制限されないが、電解質をおよそ0.1mol/L〜5mol/L(好ましくは、およそ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有する非水電解液を好ましく用いることができる。また、かかる液状電解液にポリマーが添加された固体状(ゲル状)の電解液であってもよい。
該非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が例示される。また、該電解質としては、例えばLiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiClO等が例示される。
なお、電解液には、過充電防止剤などの添加剤を加えることができる。
そして、本実施形態では、図3に示すように、上記のとおり作製した正極シート30および負極シート50を2枚のセパレータ70とともに積み重ね合わせて捲回している。負極集電体52と正極集電体32とは、集電性を高める目的で、互いの未塗工部43が捲回電極体20の幅方向で反対側に突出するように、配置される。
負極活物質層54の幅は正極活物質層34の幅よりも広く、負極活物質層54が正極活物質層34を幅方向に覆う状態であることが好ましい。また、セパレータ70は、負極活物質層54を幅方向に覆うことで、正極シート30と負極シート50の絶縁を確保する。すなわち、これらの幅方向の寸法関係は、正極活物質層34の幅a1よりも負極活物質層54の幅b1が少し広く、さらに負極活物質層54の幅b1よりもセパレータ70の幅c1、c2が少し広いものとなっている(c1、c2>b1>a1)。
かかる構成によると、負極活物質層54が正極活物質層34よりも幅広のため、正極から放出される電荷担体の負極での受け入れ性が高まり、負極の容量を確保することができる。そのため、例えば、負極でのリチウムの析出を抑制する効果を得ることができる。
電池ケース80は、上記扁平な直方体形状における幅狭面の一つが開口部(図1および図2では角型形状の上面)となっている箱型のケース本体84と、その開口部に取り付けられて(例えば溶接されて)該開口部を塞ぐ蓋体82とを備えている。電池ケース80を構成する材質としては、一般的なリチウムイオン電池等で使用されるものと同様のものを適宜使用することができ、特に制限はない。例えば、金属(例えばアルミニウム、スチール等)製の容器、合成樹脂(例えばポリオレフィン系樹脂等、ポリアミド系樹脂等の高融点樹脂等)製の容器等を好ましく用いることができる。本実施形態に掛かる電池ケース80は例えばアルミニウム製である。蓋体82は、ケース本体84の開口部の形状に適合する長方形状に形成されている。さらに、蓋体82には、外部接続用の正極端子40と負極端子60とがそれぞれ設けられており、これらの端子40、60の一部は蓋体82から電池ケース80の外方に向けて突出するように形成されている。
捲回電極体20は、通常、所定の電池ケース80の形状に合わせて成形され得る。例えば、円筒形の電池ケース80には捲回断面形状が円形の捲回電極体20が用意され、角形の電池ケース80には捲回断面形状が小判型の捲回電極体20が用意される。
以上のようにして得られた捲回電極体20は、正極集電体32の未塗工部43に正極端子40が接合され、捲回電極体20の正極シート30と電池ケース80の蓋体82とが電気的に接続される。同様に、負極集電体52の未塗工部43に負極端子60が接合され、負極シート50と電池ケース80の蓋体82とが電気的に接続されている。なお、正・負極端子40、60と正・負極集電体32、52の未塗工部43とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合され得る。
そして捲回電極体20は、その捲回軸WL(図3参照)が横倒しとなるようにして、ケース本体84内に収容される。その後、ケース本体84の開口部に蓋体82を装着し封止し、蓋体82に設けられた注液孔(図示せず)から電池ケース80内に電解液が注入される。ここで用いられる電解液には、適切な支持塩(例えばLiPF等のリチウム塩)を所定量(例えば濃度1M)含むECとDMCとの混合溶媒(例えば体積比1:1)等を用いることができる。ケース本体84の開口部の封止は、例えば、ケース本体84に蓋体82を溶接するとよい。この場合、溶接は、例えばレーザ溶接で行なうとよい。これにより、本実施形態のリチウムイオン電池10を構築することができる。また、従来のリチウム二次電池のケースと同様に、蓋体82には、電池異常の際に電池ケース80内部で発生したガスを電池ケース80の外部に排出するための安全弁(図示せず)が設けられている。安全弁は、電池ケース80内部の圧力が所定レベルを超えて上昇したときに、開弁して電池ケース80の外部にガスを排出する機構を備えていれば特に制限無く使用することができる。
以上、二次電池の一形態としてリチウムイオン電池10を例にして説明を行ってきたが、本発明がかかる実施形態に限定されることはない。即ち、正極(正極シート)30として、ここに開示されるアルギン酸を含む第1のバインダ37と水系高分子を含む第2のバインダ39とを含み、第1のバインダおよび第2のバインダが上記のとおり偏在しているものを用いる限りにおいて、その他に使用される構成材料および構成部材の組成や形態、構築される二次電池の構成、形状(外形やサイズ)等には特に制限されない。例えば、電解質についても、有機溶媒、高分子固体電解質、溶融塩電解質あるいは無機固体電解質等のいずれのものであっても良い。電池外装ケースは角型形状、円筒形状等の形状でもよく、あるいは小型のボタン形状であってもよい。また、外装がラミネートフィルム等で構成される薄型シートタイプであってもよい。
以上のここに開示される非水電解質二次電池の正極については、以下の方法により好ましく製造することができる。すなわち、ここに開示される正極の製造方法は、下記の工程を包含するものである。
(1)正極活物質と、アルギン酸を含む第1のバインダとを水系溶媒に分散させて第1層形成用合剤ペーストを調製すること。
(2)正極活物質と、アルギン酸以外の水系の高分子を含む第2のバインダとを水系溶媒に分散させて第2層形成用合剤ペーストを調製すること。
(3)正極集電体上に前記第1層形成用合剤ペーストを供給して第1層を形成すること。
(4)上記第1層上に上記第2層形成用合剤ペーストを供給して第2層を形成すること。
ここで、工程(1)では、上記で説明した正極活物質と、少なくともアルギン酸を含むバインダとを、水系溶媒に溶解又は分散させて、正極活物質層34の第1層形成用合剤ペーストを調製する。かかる第1層形成用合剤ペーストには、さらに導電材が含まれていても良い。このような第1層形成用合剤ペーストの配合は特に制限されないが、かかる合剤ペーストの固形分全量を100質量%としたとき、例えば、およそ0.3質量%〜2質量%をバインダ成分(典型的には、第1のバインダ37)が占めるのが好ましい。混合・混練のためのミキサーとしては、活物質層形成用ペーストの調製に用いられる一般的な混練機を用いることができる。例えば、ニーダー、撹拌機、分散機、混合機などと呼ばれるペーストの調製が可能な装置等を使用できる。
工程(2)では、上記で説明した正極活物質と、少なくともCMCを含むバインダとを、水系溶媒に溶解又は分散させて、正極活物質層34の第2層形成用合剤ペーストを調製する。かかる第2層形成用合剤ペーストには、さらに導電材が含まれていても良い。このような第2層形成用合剤ペーストの配合は特に制限されないが、かかる合剤ペーストの固形分全量を100質量%としたとき、例えば、およそ0.3質量%〜2質量%をバインダ成分(典型的には、第2のバインダ39)が占めるのが好ましい。第2層形成用合剤ペーストについても、第1層形成用合剤ペーストと同様にして混合・混練することができる。
上記工程(3)では、正極集電体上に第1層形成用合剤ペーストを供給して第1層を形成する。第1層形成用合剤ペーストの供給手法については特に制限はなく、例えば公知の各種の塗工装置を用いて行うことができる。例えば、コーターを用いて、集電体の片面または両面にペーストを塗布することができる。コーターとしては、ペーストを集電体に塗布可能なものであればよく、例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーターや、ドクターブレードによるコーター、コンマコーター等を使用して好適に行うことができる。ここで、第1層の厚みt1が所定の値となるよう目付量を調製しながら第1層形成用合剤ペーストの供給を行うとよい。
次いで、上記工程(4)では、上記第1層上に上記第2層形成用合剤ペーストを供給して第2層を形成する。第2層形成用合剤ペーストは、第1層の塗布後、例えば表面が乾燥しないうちに直ちに(例えば、1分以内)に行うようにしてもよいし、第1層の表面が乾燥してから行うようにしてもよい。第2層形成用合剤ペーストの供給手法は、工程(3)と同様に従来法を適宜利用することができる。ここで、第2層の厚み(または正極活物質層の総厚みt2)が所定の値となるよう目付量を調製しながら第2層形成用合剤ペーストの供給を行うとよい。
一般的な目安として、塗布量(目付量)は、集電体の片面当たり(すなわち、第1層と第2層との合計)でおよそ3〜50mg/cm(固形分基準)とすることができ、例えばおよそ5〜10g/m(固形分基準)とするのが例示される。
その後、形成された第1層および第2層は、乾燥して溶媒を除去した後、必要に応じて全体をプレスしたり、所望の大きさに裁断したりすることによって、目的とする厚みおよびサイズの正極とすることができる。プレス(圧縮)方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することで、正極活物質層および正極の厚さを調整することができる。正極活物質層の厚さの調整では、膜厚測定器で厚みを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。これにより、非水電解質二次電池用の正極を好適に製造することができる。
以下に実施例を示し、本発明についてさらに説明する。ただし、本発明がこれらの例に限定されることがないことは言うまでもない。
<サンプル1>
以下の手順で、評価用セルとして、捲回電極体を備えるリチウムイオン電池(サンプル1)を作製した。
[正極シートの作製]
第1層:正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、第1のバインダとしてのアルギン酸ナトリウム塩(アルギン酸塩と表現する場合もある。)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、これらの材料の質量比が正極活物質:導電材:アルギン酸塩:PTFEとして93:4:1:2となるように混合し、溶媒としての水に分散させてスラリー状の正極合剤第1層用ペーストを調製した。
第2層:上記の正極合剤第1層用ペーストにおける第1のバインダに代えて、第2のバインダとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム塩およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用い、その他の材料および配合は変えずに正極活物質:導電材:CMC:PTFEとしての質量比が93:4:1:2となるように混合し、溶媒としての水に分散させてスラリー状の正極合剤第2層用ペーストを調製した。
この正極合剤第1層用ペーストを、正極集電体としての厚さ15μmの長尺シート状のアルミニウム箔に、グラビアコーターにて第1層の厚みt1が0.8μmとなるように塗布した。次いで、第1層の表面が乾燥する前に、正極合剤第2層用ペーストを、上記第1層の上に、コンマコーターで第2層の厚みが99.2μmとなるように、すなわち正極活物質層の片面における総厚みt2が100μmとなるように塗布した。これにより、二層構造の正極活物質層を形成した。なお、これらの正極合剤ペーストは、集電体の幅方向の両端に未塗工部が設けられるよう中心寄りに所定の幅で塗布した。
この塗布物が乾燥した後、ロールプレス機にて、正極活物質層が所定の密度となるようにプレスした。そして、集電体の幅方向中心において押出カッターにより長手方向にスリットし、長さ5000mmの正極シート(サンプル1)を得た。
[負極シートの作製]
負極活物質として黒鉛粉末を用い、これをバインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)との質量比が、負極活物質:バインダ:増粘剤として98:1:1となるように、溶媒としての水と混合して、負極合剤用ペーストを調製した。
この負極合剤用ペーストを、負極集電体としての厚み25μmの長尺状の銅箔に、コンマコーターにより厚みが120μmで均一となるように塗布した。なお、この負極合剤ペーストは、集電体の幅方向の両端に未塗工部が設けられるよう中心寄りに所定の幅で塗布した。この塗布物を乾燥させた後、ロールプレス機にて負極活物質層が所定の密度となるようにプレスすることにより、シート状の負極を成形した。その後、集電体の幅方向中心において長手方向に押出カッターによりスリットし、長さ5600mmの負極シートを得た。
[セパレータ]
セパレータとしては、PP/PE/PPの三層構造を有する三層セパレータ(厚み:25μm)を用いた。
[評価用セルの構築]
上記正極シートと上記負極シートとを未塗工部が互いに反対方向となるように、かつ、2枚のセパレータが両シート間にそれぞれ介在するように重ね、これらを捲回して捲回電極体を作製した。この捲回電極体を非水電解質とともに角型の電池ケースに挿入して封口し、評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル1)を構築した。なお、非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)が3:4:3の体積比で混合された混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを約1mol/Lの濃度で含有させたものを用いた。
[定格容量の測定]
次に、上記のように構築した評価用のリチウムイオン電池について、温度25℃、3.0Vから4.1Vの電圧範囲で、次の手順1〜3によって定格容量を測定した。
手順1:1Cの定電流で3.0Vまで放電し、続いて2時間、定電圧で放電し、10秒間休止する。
手順2:1Cの定電流で4.1Vまで充電し、続いて2.5時間、定電圧で充電し、10秒間休止する。
手順3:0.5Cの定電流で3.0Vまで放電し、続いて2時間、定電圧で放電し、10秒間停止する。
そして、手順3における定電流放電から定電圧放電に至る放電における放電容量(CCCV放電容量)を定格容量とした。この試験用リチウムイオン電池の定格容量は、1Ahであった。
<サンプル2〜8>
正極合剤層用ペーストの塗布時の総厚みt2を100μmで一定とし、第1層の厚みt1と総厚みt2との比「t1/t2」が下記の表1に示した値となるように、正極合剤第1層用ペーストの塗布時の第1層の厚みt1と、正極合剤第2層用ペーストの塗布時の第2層の厚みとを調整し、後はサンプル1と同様にして、正極シート(サンプル2〜8)を得た。そしてこれらサンプル2〜8の正極シートを用い、その他はサンプル1の電池と同様にして、評価用のリチウムイオン電池(サンプル2〜8)をそれぞれ得た。
<サンプル9>
正極活物質層の第1層に使用した第1のバインダを、アルギン酸ナトリウム塩から、アルギン酸アンモニウム塩に変えた以外は、サンプル1と同様にして評価用のリチウムイオン電池(サンプル9)を得た。
<サンプル10〜16>
正極合剤層用ペーストの塗布時の総厚みt2を100μmで一定とし、第1層の厚みt1と総厚みt2との比「t1/t2」が下記の表1に示した値となるように、正極合剤第1層用ペーストの塗布時の第1層の厚みt1と、正極合剤第2層用ペーストの塗布時の第2層の厚みとを調整し、後はサンプル9と同様にして、正極シート(サンプル10〜16)を得た。そしてこれらサンプル10〜16の正極シートを用い、その他はサンプル1の電池と同様にして、評価用のリチウムイオン電池(サンプル10〜16)をそれぞれ得た。
<サンプル17>
上記正極合剤第1層用ペーストのみを用い、塗布時の正極活物質層の厚みが100μmとなるように調整し、2層構成ではなく単層構成の正極シート(サンプル17)を得た。そしてこのサンプル17の正極シートを用い、その他はサンプル1の電池と同様にして、評価用のリチウムイオン電池(サンプル17)を得た。
<サンプル18>
上記正極合剤第2層用ペーストのみを用い、塗布時の正極活物質層の厚みが100μmとなるように調整し、2層構成ではなく単層構成の正極シート(サンプル18)を得た。そしてこのサンプル18の正極シートを用い、その他はサンプル1の電池と同様にして、評価用のリチウムイオン電池(サンプル18)を得た。
<サンプル19〜22>
上記正極合剤第1層用ペーストの調製において、第1のバインダとして、アルギン酸ナトリウム塩とカルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム塩の両方を含むように調整し、その混合比を下記の表1に示すようにして用いた以外は、サンプル17と同様にして単層構成の正極シート(サンプル19〜22)を得た。そしてこのサンプル19〜22の正極シートを用い、サンプル1の電池と同様にして、評価用のリチウムイオン電池(サンプル19〜22)を得た。
<サンプル23>
アセチレンブラック(AB)とポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、AB:PVdF(質量比)として4:3となるように混合し、溶媒(非水系溶媒)としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させてスラリー状のカーボンコート層形成用ペーストを調製した。そして、腐食対策として、正極集電体の表面に、このカーボンコート層形成用ペーストを塗布した。このカーボンコート層を備える集電体を用い、後はサンプル18と同様にして、単層構成の正極シート(サンプル23)を得た。そしてこのサンプル23の正極シートを用い、その他はサンプル1の電池と同様にして、評価用のリチウムイオン電池(サンプル23)を得た。
Figure 2014026777
[評価]
[低温IV抵抗]
リチウムイオン電池は、特に低温環境での抵抗増加が問題になりやすい。したがって、車載される車両駆動用電池への適用を考慮すると、低温の温度環境においても適切に駆動することが要求される。そのため、ここでは−15℃程度の低温環境での評価用セルのIV抵抗を評価するべく、以下の手法によりIV抵抗を測定した。得られた結果を、「低温IV抵抗」として表1に示した。
すなわち、上記の定格容量を測定した後の電池に対し、25℃の温度条件下において各電池を3.0Vまで定電流放電した後、定電流定電圧で充電を行ってSOC(state of charge)60%に調整した。その後、−15℃にて1C、3Cおよび5Cの条件で10秒間の放電と充電を交互に行い、放電開始から10秒後の電圧値をプロットし、各電池のI−V特性グラフを作成した。このI−V特性グラフの傾きから、−15℃におけるIV抵抗値(mΩ)を算出した。
[IV抵抗]
なお、常温(25℃)環境下におけるIV抵抗の測定を、上記の手法に準じて行った。すなわち、25℃の温度条件下において各電池を3.0Vまで定電流放電した後、定電流定電圧で充電を行ってSOC60%に調整した。その後、25℃にて1C、3Cおよび5Cの条件で10秒間の放電と充電を交互に行い、放電開始から10秒後の電圧値をプロットし、各電池のI−V特性グラフを作成した。このI−V特性グラフの傾きから、25℃におけるIV抵抗値(mΩ)を算出した。得られた結果を、「25℃IV抵抗」として表1に示した。
[25℃IV抵抗増加率]
リチウムイオン電池は、車両駆動用電池への適用を考慮すると、低温だけでなく高温環境に長期間さらされた場合も適切に駆動することが要求される。そこで、各電池に対して、先ず、環境温度25℃において4CでCCCV充電を行い、SOC60%の充電状態に調整した後、25℃にて4Cの電流値で10秒間の放電を行い、放電開始から10秒後の放電開始から10秒後の電圧値をプロットしてI−V特性グラフを作成した。このI−V特性グラフの傾きから、25℃における初期IV抵抗値(mΩ)を算出した。
次いで、環境温度60℃において4CでCCCV充電を行い、SOC60%の充電状態に調整した後、60℃で30日間の保存を行い、保存後の電池について上記と同様の手法で25℃におけるIV抵抗値(mΩ)を算出した。
各電池の25℃IV抵抗増加率は、初期IV抵抗値(ΩS)と、60℃で30日間の保存後のIV抵抗値(ΩA)との百分率((ΩA‐ΩS)/ΩS×100(%))に基づいて算出している。得られた結果を、「25℃IV抵抗増加率」として表1に示した。
[集電体の腐食の有無]
上記の抵抗特性を確認した後の各電池を慎重に解体し、正極から正極活物質層の剥がれや浮きの有無を観察するとともに、正極集電体自体の腐食の有無を目視で観察した。その結果を、「腐食の有無」として表1に示した。かかる結果は、腐食が確認できない場合を「−」で示し、腐食が確認できた場合を「×」で示した。なお、表中の「*」印は、正極集電体に腐食防止のためのカーボンコート層を形成したことを示している。
(サンプル1〜8の電池について)
サンプル1〜8の電池は、正極活物質層の第1層のバインダ(第1のバインダ)としてアルギン酸ナトリウム塩を含み、第2のバインダとしてCMCナトリウム塩を含むものである。
t1/t2が0.008と第1層が薄いサンプル1の電池は、低温IV抵抗が低く抑えられているものの、正極集電体の腐食を抑制しきれずに、集電体の表面に凹凸が確認された。
t1/t2が0.01〜0.4の範囲であるサンプル2〜7の電池は、いずれも正極集電体に腐食がみられなかった。なお、低温IV抵抗は、t1/t2の値が増えるにつれて、換言すると、第1層の厚みが増えるにつれて、高くなる傾向が確認できた。
t1/t2が0.4を超過したサンプル8の電池は、正極集電体の腐食は抑制できているものの、低温IV抵抗が112mΩと高い値であった。この低温IV抵抗は、例えば、車両駆動用電池への適用を考慮した場合110mΩ以下であることが望まれるものである。
以上のことから、第1のバインダとしてアルギン酸ナトリウム塩を含む場合は、t1/t2が0.01〜0.4の範囲のときに、正極集電体の腐食を抑え、かつ、低温IV抵抗の上昇を抑制することができるために、好ましいことが確認できた。
(サンプル9〜16の電池について)
サンプル9〜16の電池は、正極活物質層の第1層のバインダ(第1のバインダ)としてアルギン酸アンモニウム塩を含み、第2のバインダとしてCMCナトリウム塩を含むものである。
t1/t2が0.008のサンプル9の電池は、低温IV抵抗が低く抑えられているものの、正極集電体の腐食を抑制しきれずに、集電体の表面に凹凸が確認された。
t1/t2が0.01〜0.4の範囲であるサンプル10〜15の電池は、いずれも正極集電体に腐食がみられなかった。なお、低温IV抵抗は、t1/t2の値が増えるにつれて、換言すると、第1層の厚みが増えるにつれて、高くなる傾向が確認できた。
t1/t2が0.4を超過したサンプル16の電池は、正極集電体の腐食は抑制できているものの、低温IV抵抗が112mΩと高い値であった。
以上のことから、第1のバインダとしてアルギン酸アンモニウム塩を含む場合であっても、上記と同様に、t1/t2が0.01〜0.4の範囲のときに、正極集電体の腐食を抑え、かつ、低温IV抵抗の上昇を抑制することができるために、好ましいことが確認できた。
(サンプル17〜22の電池について)
サンプル17〜22の電池は、正極活物質層を2層構成とせずに1層構成とし、アルギン酸ナトリウム塩とCMCナトリウム塩を種々の配合で混合して、バインダとして用いたものである。
サンプル17は、バインダとしてアルギン酸のみを用いている。かかるサンプル17の電池は、バインダとしてCMCを含まないために正極集電体の腐食は確認されなかった。しかしながら、低温IV抵抗が目標(110mΩ)よりも遥かに高い135mΩとなってしまい、低温での大幅な出力低下が認められた。この電池についてより詳細に解析したところ、反応抵抗が大幅に増加していることがわかった。これは、正極活物質の表面をアルギン酸が過度に被覆したことに因るものと考えられる。
一方のサンプル18は、従来法のように、バインダとしてアルギン酸のみを用いている。かかるサンプル18の電池は、バインダとしてアルギン酸が含まれていないことと、反応抵抗が支配的となることから、99mΩと比較的低い値が得られた。しかしながら、バインダとしてアルギン酸が含まれていないことから正極集電体の腐食が激しく、集電体の表面に激しい凹凸が形成されているのが確認できた。また、正極活物質層に浮きや脱落が散見され、また直流抵抗のばらつきが大きかったため、生産性については極めて低くなることが予想された。
サンプル19〜22は、アルギン酸とCMCとを併用し、その混合比(アルギン酸:CMC)を種々に変化させたものである。サンプル19〜21は、正極集電体の腐食は抑制できたものの、低温IV特性がいずれも目標値を超過し、例えば132mΩ(サンプル19)とかなり高い値となって、アルギン酸を用いることのメリットが相殺される結果となった。
アルギン酸の混合割合を低下させることで低温IV抵抗も低減するものの、アルギン酸:CMCの混合比が1:9であるサンプル22においても、低温IV抵抗は118mΩと依然として高い値であり、更にアルギン酸の減少によりわずかな腐食が確認されるに至った。バインダとして正極活物質層の全体にアルギン酸が含まれる場合は、たとえその割合が少量であっても低温反応抵抗を満足できる程度にまで低減させることができず、またアルギン酸の割合が少なすぎると腐食の抑制効果までもが得られなくなることが確認できた。これらの結果は、低温出力を発現する際の寄与率が高いセパレータ近傍の正極活物質が、アルギン酸によって被覆された影響であると考えられる。
以上のことから、アルギン酸を用いて腐食を抑え、かつ、低温での抵抗場を抑制するためには、アルギン酸を正極活物質層中の表面側の領域には含まないようにし、正極集電体に接する領域に含むようにするのが望ましいことがわかった。
(サンプル23の電池について)
サンプル23の電池は、正極活物質層のバインダにアルギン酸を含ませることで防食を図るのではなく、正極集電体の表面に、腐食防止のために溶剤系バインダを含むカーボンコート層を設けた構成である。かかるサンプル23の電池は、サンプル18の電池と同様に低温IV抵抗が比較的低かった。しかしながら、正極集電体に設けられたカーボンコート層に多くのバインダが含まれているために、初期電池の25℃IV抵抗が42mΩと高くなってしまった。また、60℃で30日間保存した後の25℃IV抵抗の増加率も34%と非常に高かった。これは、60℃の高温環境においてバインダが劣化し、カーボンコート層と正極活物質層との接合界面の密着性が低下したため、直流抵抗が増加してIV抵抗の増大に結びついたと考えられる。
すなわち、水系の正極合剤ペーストには、正極集電体の腐食を抑える効果のあるアルギン酸を含む第1のバインダと、抵抗特性等に悪影響を与えることのないCMCとを、適切な部位に用いることが重要であることが示された。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
本発明の構成によれば、バインダとして水溶性高分子を用いる場合であっても、正極集電体の腐食が防止されるために正極活物質層の浮き上がりや正極活物質の脱落等の問題が解消され、かつ、抵抗が低く維持されている正極を備える非水電解質二次電池が提供される。また、水系の合剤ペーストを用いる場合でも、活物質の腐食を防止しつつ、抵抗特性が良好な非水電解質二次電池を製造することができる。すなわち、環境負荷の低減や、原料コストおよび製造コストの削減を図ることが可能な、正極の製造方法が提供される。
10 リチウムイオン電池
20 捲回電極体
30 正極シート(正極)
32 正極集電体
33 第1層
34 正極活物質層
35 第2層
36 正極活物質
37 第1のバインダ
39 第2のバインダ
40 正極端子
43 未塗工部
50 負極シート(負極)
52 負極集電体
54 負極活物質層
60 負極端子
70 セパレータ
80 電池ケース
82 蓋体
84 容器本体
WL 捲回軸

Claims (9)

  1. 正極集電体上に正極活物質層を備える正極と、負極集電体上に負極活物質層を備える負極と、非水電解質とを備える二次電池であって、
    前記正極活物質層は、正極活物質と、アルギン酸を含む第1のバインダと、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子を含む第2のバインダとを含み、
    前記正極活物質層中の前記正極集電体に接する領域には前記第1のバインダが偏在し、
    前記正極活物質層中の表面側の領域には前記第2のバインダが偏在している、非水電解質二次電池。
  2. 前記正極活物質層は、前記正極集電体上に第1層が形成され、該第1層の上に第2層が形成された二層構成であって、
    前記第1層は前記第1のバインダを含み、
    前記第2層は前記第2のバインダを含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第1層の厚みをt1、前記正極活物質層の総厚みをt2としたとき、前記第1層と前記第2層の厚みの比(t1/t2)が、0.01≦t1/t2≦0.4である、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記第1層の厚みt1が、1μm〜40μmの範囲である、請求項2または3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記第1のバインダは、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記第2のバインダは、前記水溶性および/または水分散性の高分子として、カルボキシメチルセルロースを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記正極活物質層はさらに導電材を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記正極および前記負極はシート状であって、シート状のセパレータを介して互いに重ねられ、捲回された捲回電極体を構成している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  9. 正極活物質と、アルギン酸を含む第1のバインダとを水系溶媒に分散させて第1層形成用合剤ペーストを調製すること、
    正極活物質と、アルギン酸以外の水溶性および/または水分散性の高分子を含む第2のバインダとを水系溶媒に分散させて第2層形成用合剤ペーストを調製すること、
    正極集電体上に前記第1層形成用合剤ペーストを供給して第1層を形成すること、
    前記第1層上に前記第2層形成用合剤ペーストを供給して第2層を形成すること、
    を含む、非水電解質二次電池用の正極の製造方法。
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