JP6201843B2 - リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高容量かつサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極活物質を製造する方法に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコン等のポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化等に伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされるようになってきた。現在、この要求に応える高容量二次電池として、正極材料にLiCoO2等の含リチウム複合酸化物を用い、負極活物質に炭素系材料を用いたリチウムイオン電池が商品化されている。この炭素系材料を負極に使用した場合、その理論容量は372mAh/gと金属リチウムの約1/10の容量しかなく、また理論密度が2.2g/ccと低く、実際に負極シートとした場合には、更に密度が低下する。そのため、体積当たりでより高容量な材料を負極として利用することが電池の高容量化の面から望まれている。
このため、リチウムと合金化することが知られているAl、Ge、Si、Sn、Zn、Pb等の金属又は半金属を負極活物質に用いた二次電池が検討されている。これらの材料は、高容量かつ高エネルギー密度であり、炭素系材料を用いた負極よりも多くのリチウムイオンを吸蔵、脱離できるため、これらの材料を使用することで高容量、高エネルギー密度な電池を作製することができると考えられている。例えば、純粋なスズは993mAh/gの高い理論容量を示すことが知られている。
一方、平均粒径5μm〜40μmの粒子状の第1炭素材料と、平均直径10nm〜500nmの平面状のグラファイト網が複数積層され、グラファイト網がファイバの縦軸に対して実質的に垂直であるカーボンナノファイバ(CNF)を主成分とし、CNFに加えて、更に黒鉛構造を有する炭素微粉からなる粒子状凝集体を含む第2炭素材料をそれぞれ含む負極材料(負極活物質)が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この負極材料では、第2炭素材料に含まれるCNFが1000nm以上の長さと、10以上のアスペクト比を有する。更に第1炭素材料が98重量%〜70重量%の割合で構成され、第2炭素材料が2重量%〜30重量%の割合で構成され、第2炭素材料は第1炭素材料が形成する空隙に充填されており、第2炭素材料はCNFが80重量%〜99.5重量%粒子状凝集体が0.5重量%〜20重量%の割合である。
このように構成された負極材料(負極活物質)では、平均粒径の大きな第1炭素材料とナノサイズの第2炭素材料をそれぞれ含む負極材料を用いて電池の電極を作製したので、第1炭素材料が形成する空隙に第2炭素材料が充填され、電極中の炭素材料の充填密度が効果的に向上する。また、第2炭素材料の主成分である1000nm以上の長さと、10以上のアスペクト比を有するCNFはグラファイト網のエッジ面が多く露出するため、このCNFを主成分とした第2炭素材料と、炭素材料である第1炭素材料とをそれぞれ含む負極材料を用いることによって、炭素材料のみを負極材料として用いた場合に比べて、充放電に伴うリチウムイオンの挿入、脱離反応がスムーズに進行し、高率充放電特性が向上する。また、第2炭素材料は従来より用いられてきた炭素材料に比べて、平均直径が小さい材料であるため、電池の電極を作製した場合、高密度での充電が可能となり、電池のエネルギー密度向上に繋がる。更に、本発明の負極材料は、第2炭素材料がCNFに加えて、更にCNFが粒子状に凝集した粒子状凝集体を含むことによって主成分であるCNF同士の接触が良好になり、高率充放電特性が更に向上する。
特開2009−59713号公報(請求項1、段落[0013])
しかし、上記従来の金属スズ(Sn)を含む負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池や、上記従来の特許文献1に示された負極材料(負極活物質)を用いたリチウムイオン二次電池では、充放電の繰返しに伴う負極活物質中のSn粒子や炭素粒子の大きな体積変化により微粉化するため、上記粒子が集電板から剥離したり、或いは上記粒子と導電助剤との接触が失われてしまい、十分なサイクル特性を得ることができない問題点があった。また、上記従来の特許文献1に示された負極材料(負極活物質)を用いたリチウムイオン二次電池では、未だ放電容量が低い問題点があった。
発明の目的は、湿式法で負極活物質を合成することにより、多大なイニシャルコストを必要とする特殊な装置類を不要にすることができる、リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、スズイオンとコバルトイオンを含む金属塩水溶液を調製する工程と、カーボンナノファイバをアンモニア水に分散させたファイバ分散液を調製する工程と、スズイオン及びコバルトイオンの酸化還元電位より低い電位を有する還元剤を含む還元剤水溶液を調製する工程と、金属塩水溶液にファイバ分散液と還元剤水溶液とを混合する工程とを含み、スズイオン及びコバルトイオンをカーボンナノファイバの共存下で還元することにより負極活物質を作製するリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に還元剤水溶液が、全クロムイオン中にモル比で70%以上の2価クロムイオンを含むクロム水溶液であることを特徴とする。
本発明の第1の観点のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法では、湿式法で負極活物質を合成したので、多大なイニシャルコストを必要とするスパッタリング装置等の特殊な装置類を不要にすることができる。
本発明実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の模式図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の負極活物質10は、スズ(Sn)とコバルト(Co)を含む複合粒子11と、この複合粒子11の内部に一部が位置しかつ複合粒子11の外部に残部が位置するカーボンナノファイバ(以下、CNFという)12と、複合粒子11の内部に全部が位置するCNF12と、複合粒子11の外部に全部が位置するCNF12とを有する。ここで、CNF12が複合粒子11の内部に一部が位置しかつ複合粒子11の外部に残部が位置する構造とは、CNF12の中央が複合粒子11内に位置しかつCNF12の両端が複合粒子11の外部に位置する構造(貫通構造)と、CNF12の一端が複合粒子11内に位置しかつCNF12の他端が複合粒子11の外部に位置する構造(突き刺し構造)とを含む構造をいう。またCNF12が複合粒子11の内部に全部が位置する構造とは、CNF12が複合粒子11に内包された構造(内包構造)をいう。更にCNF12が複合粒子11の外部に全部が位置する構造とは、CNF12全てが複合粒子11の外部に、この複合粒子11から離れた状態又は複合粒子11に接触した状態で位置する構造(外部位置構造)をいう。
一方、複合粒子は、スズ(Sn)を中心に配置しかつこのスズ(Sn)外面にコバルト(Co)が偏在する構造である。これにより本発明の負極活物質は、従来より知られているような、粒子の中心部と外周部とでスズ(Sn)−コバルト(Co)の組成の偏りがない、略均一に合金化した形態はとらない。複合粒子がスズ(Sn)を中心に配置しかつこのスズ(Sn)外面にコバルト(Co)が偏在する構造であることにより、硬度及び導電率の比較的低いスズ(Sn)の母材の外面に、硬度及び導電率の比較的高いコバルト(Co)の偏在した層が形成されるので、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池の充放電時における体積膨張及び収縮の繰返しによる応力を緩和できるとともに導電性を確保できる。例えば、図1に示すように、複合粒子11は、スズ(Sn)からなる粒子部11aと、この粒子部11aの外面全体にコバルト(Co)が偏在して粒子部11aを略完全に被覆する被覆部11bとを有する2層構造が挙げられる。但し、被覆部11bが粒子部11aの外周面を略完全に被覆する場合であっても、複合粒子11には外面に臨みかつ互いに連通するポアを有する多孔質構造であるため、複合粒子11中のスズ(Sn)はリチウムと効率良く反応できるようになっている。なお、上記偏在する構造には、スズ(Sn)からなる粒子部外面の略全体にコバルト(Co)が偏在して、被覆部が粒子部を略完全に被覆する2層構造のみならず、スズ(Sn)からなる粒子部の外面に部分的にコバルト(Co)が偏在して、被覆部が粒子部を部分的に被覆する構造も含まれる。
また、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対するコバルト(Co)の割合は5〜40原子%である。ここで、複合粒子11中のコバルト(Co)の割合を5〜40原子%の範囲内に限定したには、5原子%未満では、硬度の比較的低いスズ(Sn)からなる粒子部11aの外面に形成された硬度の比較的高いコバルト(Co)の偏在した被覆部11bが薄くなって、この負極活物質を用いた二次電池の充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和する効果が得られ難くなり、二次電池のサイクル特性が低下してしまい、40原子%を超えると、この負極活物質を用いた二次電池のサイクル特性は良好であるけれども、コバルト(Co)量が増大し、相対的にリチウムと反応するスズ(Sn)量が減少してしまい、初回放電容量が小さくなってしまうからである。このうち、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対するコバルト(Co)の割合は、10〜30原子%であることが好ましい。
一方、複合粒子11の平均粒径は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5.0μmである。ここで、複合粒子11の平均粒径を0.1〜10μnmの範囲内に限定したのは、0.1μm未満では、負極電極の作製時にスラリー塗工が困難になって、既存のリチウムイオン二次電池の製造プロセスが適用できず、10μmを超えると、粒径が大きくなることで、二次電池の充放電時における複合粒子11の体積膨張及び収縮の繰返しにより複合粒子11に割れが発生し易くなり、二次電池のサイクル特性が低下するからである。また、複合粒子11の粒径が小さくなれば、比表面積が増大するため、複合粒子11を所望の小さな粒径に制御することにより、この複合粒子11を負極活物質として用いた負極では、負極活物質表面に存在する導電助剤の量を多くすることができ、より良好な導電パスを確保できる。なお、上記複合粒子11の平均粒径は、電界放射型走査電子顕微鏡(日立ハイテク社製のSU8000)を用いて目測した値であり、任意の視野から任意に選んだ100サンプルの直径と長さを目測し平均した値である。また、この複合粒子は、上記所望の範囲に粒径制御された粉末であり、負極活物質をスラリー化して負極集電板に塗工することができるので、従来と同様のリチウムイオン二次電池の製造プロセスを適用できる。
CNF12の含有割合は、複合粒子11のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量を100質量%とするとき1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%である。ここで、CNF12の含有割合を1〜20質量%の範囲内に限定したのは、1質量%未満では、複合粒子11の体積膨張及び収縮の繰返しによる割れが発生した場合、この割れた複合粒子11同士を繋ぐ役割をするCNF12の量が極めて少ない状態となり、サイクル特性が低下してしまい、20質量%を超えると、サイクル特性は良好であるけれども、1回目の放電容量が小さくなってしまうからである。なお、上記複合粒子中のスズ(Sn)、コバルト(Co)や、後述するクロム(Cr)、亜鉛(Zn)等の各含有割合は、ICP(誘導結合プラズマ)を用いた定量分析により求めることができる。
一方、CNF12の平均直径及び平均長さは、それぞれ10〜20nm及び130〜190nmであることが好ましい。ここで、CNF12の平均直径を10〜20nmの範囲内に限定したのは、10nm未満では電子伝導時の抵抗が大きくなってしまい、20nmを超えると電子伝導に重要な負極活物質との有効接触点の数が少なくなってしまうからである。また、CNF12の平均長さを130〜190nmの範囲内に限定したのは、130nm未満では導電パスの繋がりを確保できなくなり、190nmを超えると負極活物質と有効に接触していないCNF12の部分が多くなるからである。なお、上記CNF12の平均直径及び平均長さは、透過型電子顕微鏡装置(日本電子(株)製のJEM−2010F)を用いて目測した値であり、任意の視野から任意に選んだ100サンプルの直径と長さを目測し平均した値である。
また、負極活物質は、クロム(Cr)の含有割合が、質量換算で負極活物質に対し1%以下であることが好ましく、亜鉛(Zn)の含有割合が、質量換算で負極活物質に対し50ppm以下であることが好ましい。ここで、クロム(Cr)の含有割合を質量換算で1%以下に限定し、亜鉛(Zn)の含有割合を質量換算で50ppm以下に限定したのは、クロム(Cr)が質量換算で1%を超えるか又は亜鉛(Zn)が質量換算で50ppmを超えると、スズ(Sn)を被覆するコバルト(Co)の強度が下がり、二次電池の充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和するという保護効果が低下してサイクル特性が向上し難くなるからである。このうちクロム(Cr)の含有割合が、質量換算で負極活物質に対し0.5%以下であることが更に好ましく、亜鉛(Zn)の含有割合が、質量換算で負極活物質に対し30ppm以下であることが更に好ましい。
更に、負極活物質は、ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種の分散剤を更に含むことが好適である。上記種類の分散剤を含ませることで、分散剤が複合粒子を覆うことになり、スズ(Sn)からなる粒子部11aの外面にコバルト(Co)が偏在して形成された被覆層11bによる膨張及び収縮の抑制効果を増強し、サイクル特性を向上させることができる。
このように構成された負極活物質10の製造方法を説明する。予め、スズイオン及びコバルトイオンを含む金属塩水溶液を調製しておく。具体的には、イオン交換水に分散剤、塩化スズ(II)(SnCl2)及び塩化コバルト(II)(CoCl2)を加えて撹拌溶解し、濃度35質量%の塩酸を加えてpHを0.5〜1.5の範囲内に調整することにより、スズイオン及びコバルトイオンを含有する金属塩水溶液を調製しておく。ここで、上記分散剤としては、ポリアクリル酸、水溶性セルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、CNFをアンモニア水に分散させたファイバ分散液を調製しておく。具体的には、5質量%のCNF分散液を28質量%のアンモニア水溶液に混合してファイバ分散液を調製しておく。更に、スズイオン及びコバルトイオンの酸化還元電位より低い電位を有する還元剤を含む還元剤水溶液を調製しておく。具体的には、イオン交換水に、塩化クロム(III)(CrCl3)を加えて撹拌溶解し、この水溶液中のクロムイオンを電気化学的な反応により又は金属亜鉛(Zn)の添加により、3価から2価に還元して、全クロムイオン中にモル比で70%以上の2価クロムイオンを含むクロム溶液を調製しておく。
先ず、上記金属塩水溶液に、上記ファイバ分散溶液と上記還元剤水溶液(クロム溶液)を同時に混合して、6〜48時間撹拌する。そして、この混合液を0.5〜1時間静置する。これによりスズイオン及びコバルトイオンがCNFの共存下で還元されて合成された負極活物質は沈降するので、上液を除去する。次いで、この沈降物にイオン交換水を加えて撹拌洗浄する工程と、この撹拌洗浄物を0.5〜1時間静置して固液分離する工程と、この固液分離工程で分離された上液を除去する工程とを数回繰返す。次に上液が除去された沈降物にエタノール、メタノール、変性アルコール等のアルコールを加えて撹拌洗浄し、この撹拌洗浄物を0.5〜1時間静置して固液分離した後に、上液を除去する。更にこの上液が除去された沈降物を真空乾燥する。これによりスズ(Sn)を中心に配置しかつこのスズ(Sn)外面にコバルト(Co)が偏在する構造の複合粒子11と、この複合粒子11に対して、貫通構造、突き刺し構造、内包構造及び外部位置構造を呈するCNF12とを有する粒子状の負極活物質10が得られる。このように負極活物質を湿式法で合成したので、多大なイニシャルコストを必要とするスパッタリング装置等の特殊な装置類を不要にすることができる。なお、上記粒子状の負極活物質10の平均粒径は、上記複合粒子11の平均粒径と略同一である。また、上記方法で調製された複合粒子11が、スズ(Sn)を中心に配置しかつこのスズ(Sn)外面にコバルト(Co)が偏在する構造になるのは、酸化還元電位の違いにより、スズ(Sn)が最初に還元されて粒子部11aが形成された後に、コバルト(Co)が還元され、スズ(Sn)からなる粒子部11aの表面にコバルト(Co)が析出して被覆部11bが形成されるためである。更に、上記方法で調製された複合粒子が、外面に臨みかつ互いに連通するポアを有する多孔質構造になるのは、コバルト(Co)が水素発生サイトとなり、スズ(Sn)の選択的優先溶解が進行するためである。
このように製造された粒子状の負極活物質10を用いた負極の製造方法を説明する。先ず、粒子状の負極活物質10に、導電助剤、結着剤及び溶媒を混練装置にて混合しスラリーを調製する。ここで、導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、VGCF(Vaper-Grown Carbon Fiver)、或いは銅やチタン等のリチウムと合金化し難い金属粉末等が挙げられ、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられ、溶媒としては、n−メチルピロリジノン(NMP)、水等が挙げられる。また、混練装置としては、あわとり練太郎(シンキー社製のミキサの商品名)、シェイカーミル、ホモジナイザ、プラネタリミキサー等が挙げられる。次に上記スラリーをアプリケータ等により銅箔に活物質密度が5mg/cm2となるように塗布し、乾燥し、更に圧延した後に、所定の寸法に切断することにより、負極が得られる。
続いて、リチウムイオン二次電池の製造方法を説明する。このリチウムイオン二次電池は、負極活物質10を有する負極と、正極活物質を有する正極と、非水電解質とを備える。先ず、負極活物質10及び負極を上述の方法で作製する。次いで、正極活物質をバインダ及び導電助剤と所定の割合で混合して正極スラリーを調製し、この正極スラリーを正極集電体上に、ドクターブレード法などの手法により塗布し乾燥することにより正極を作製する。ここで、正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24等が挙げられ、導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、VGCF、黒鉛等が挙げられ、バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が挙げられる。正極集電体としては、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケル箔等が挙げられる。
次に、負極とセパレータと正極を、正極と負極の活物質面をそれぞれ対向させた状態で積層し、積層体を形成する。セパレータは、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等により形成される。そして、上記積層体の正極側裏面及び負極側裏面にそれぞれメッシュ材の一端を接続し、袋状に作製したアルミラミネート材にメッシュ材の他端がはみ出るように積層体を装填する。更に、ラミネート材の開口部から非水電解液を加え、真空引きしながら、ラミネート材の開口部を熱融着させることより、リチウムイオン二次電池が得られる。正極側裏面に接続したメッシュ材としてはアルミメッシュ材が、負極側裏面に接続したメッシュ材としてはニッケルメッシュ材が使用される。なお、上記非水電解質には、非水溶媒に電解質を溶解させたものが使用される。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネートや、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネートが例示される。また、上記電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ほうフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]等のリチウム塩が挙げられる。
このように製造されたリチウムイオン二次電池は、上記負極活物質10を用いたリチウムイオン二次電池であるので、スズ(Sn)とコバルト(Co)を含む複合粒子11が、スズ(Sn)を中心に配置しかつこのスズ(Sn)外面にコバルト(Co)が偏在する構造であるので、硬度及び導電率の比較的低いスズ(Sn)の母材の外面に偏在する、硬度及び導電率の比較的高いコバルト(Co)の層が形成される。この結果、充放電時の体積膨張・収縮の繰返しによる応力を緩和できるとともに導電性を確保できるので、スズ(Sn)がリチウムと効率良く反応するというスズ(Sn)本来の性能を引き出すことができる。また、複数のCNF12が、複合粒子11の内部に一部が位置しかつ複合粒子11の外部に残部が位置するCNF12と、複合粒子11の内部に全部が位置するCNF12と、複合粒子11の外部に全部が位置するCNF12とからなるので、複合粒子11の体積膨張及び収縮の繰返しにより割れが発生した場合でも、この割れた複合粒子11同士を繋ぐCNF12によって導電パスが確保できる。この結果、スズ(Sn)がリチウムと効率良く反応するというスズ(Sn)本来の性能を引き出すことができ、従来の黒鉛構造の炭素材料を用いた負極活物質よりも、リチウムイオン二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
予め、イオン交換水に、ポリアクリル酸(分散剤)、塩化スズ(II)(SnCl2)及び塩化コバルト(II)(CoCl2))を加えて撹拌溶解し、濃度35質量%の塩酸を加えてpHを1.0に調整することにより、スズイオン及びコバルトイオンを含む金属塩水溶液を調製しておいた。また5質量%のCNF分散液を28質量%のアンモニア水溶液に混合してファイバ分散液を調製しておいた。更に、イオン交換水に、塩化クロム(III)(CrCl3)を加えて撹拌溶解し、この水溶液中のクロムイオンを金属亜鉛(Zn)還元法により3価から2価に還元して、全クロムイオン中にモル比で99%の2価クロムイオンを含むクロム溶液(還元剤水溶液)を調製しておいた。
先ず、上記金属塩水溶液に、上記ファイバ分散溶液と上記クロム溶液(還元剤水溶液)を同時に混合して、24時間撹拌した。そして、この混合液を1時間静置した。これによりスズイオン及びコバルトイオンがCNFの共存下で還元されて合成された負極活物質は沈降したので、上液を除去した。次いで、この沈降物にイオン交換水を加えて撹拌洗浄する工程と、この撹拌洗浄物を1時間静置して固液分離する工程と、この固液分離工程で分離された上液を除去する工程とを2回繰返した。次に上液が除去された沈降物にエタノールを加えて撹拌洗浄し、この撹拌洗浄物を1時間静置して固液分離した後に、上液を除去した。更にこの上液が除去された沈降物を真空乾燥した。これによりスズ(Sn)を中心に配置しかつこのスズ(Sn)外面にコバルト(Co)が偏在した2層構造の複合粒子と、この複合粒子に対して、貫通構造、突き刺し構造、内包構造及び外部位置構造を呈するCNFとを有する粒子状の負極活物質が得られた。この負極活物質を実施例1とした。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は2.5μmであり、CNFの含有割合はスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して2.0質量%であり、コバルト(Co)の含有割合はスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して20原子%であった。また、負極活物質中に含まれるクロム及び亜鉛の含有割合は、質量換算でそれぞれ0.001%未満及び2ppm未満であった。
<実施例2>
CNFの含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して1.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例3>
CNFの含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して5.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は0.1μmであった。
<実施例4>
CNF含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して10.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は10μmであった。
<実施例5>
CNF含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して15.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例6>
CNF含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して20.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較例1>
CNF含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して0.5質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較例2>
CNF含有割合をスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対して30.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較例3>
複合粒子を合成した後で、この複合粒子にCNFを混合したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜6及び比較例1〜3の負極活物質を用いて負極を作製し、これらの負極を用いて半電池を組んで充放電試験を行い、1回目放電容量及び50回目(51サイクル目)の寿命特性をそれぞれ測定した。具体的には、負極を次のようにして作製した。先ず、負極活物質4gに、アセチレンブラック(導電助剤)0.5gと、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)0.5gと、n−メチルピロリジノン(溶媒)5gとをあわとり練太郎(シンキー社製のミキサの商品名)にて混合しスラリーを調製した。次に、このスラリーをアプリケータで銅箔に活物質密度が5mg/cm2となるように塗布し、乾燥した。更にこの塗膜を乾燥した銅箔を圧延した後に、縦及び横がそれぞれ3cmである正方形状に切断して、負極を作製した。また、半電池の対極及び参照極として、リチウム金属(Li)をそれぞれ用い、電解液として、1M濃度で六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解した炭酸エチレン(EC:エチレンカーボネート)と炭酸ジエチル(DEC:ジエチルカーボネート)の等体積溶媒を用いた。
一方、半電池の充電は、電圧が5mVになるまで0.5mA/cm2の定電流を流して実施し、その後、電流が0.01mA/cm2になるまで5mVの一定電圧を印加して実施した。更に、半電池の放電は、電圧が1Vになるまで0.5mA/cm2の定電流を流して実施した。上記充電と放電を各1回実施した状態を1サイクルとし、50サイクルまでの充放電試験を行い、1サイクル目を活性化工程とし、2サイクル目をサイクル試験の1回目と定義して、1回目の負極活物質1g当りの放電容量と、50回目(51サイクル目のサイクル試験後)放電容量の1回目放電容量に対する割合である寿命特性とをそれぞれ測定した。これらの結果を、CNF含有割合、負極活物質の構造及び複合粒子の構造とともに、表1に示す。
なお、表1の負極活物質の構造において、『A』は、CNFの一部が複合粒子の内部に位置しかつCNFの残部が複合粒子の外部に位置する構造のうち、CNFが複合粒子を貫通した構造(貫通構造)を示す。また、表1の負極活物質の構造において、『B』は、CNFの一部が複合粒子の内部に位置しかつCNFの残部が複合粒子の外部に位置する構造のうち、CNFが複合粒子に突き刺さった構造(突き刺し構造)を示す。また、表1の負極活物質の構造において、『C』はCNFの全部が複合粒子の内部に位置する構造、即ちCNFが複合粒子内に内包された構造(内包構造)を示す。更に、表1の負極活物質の構造において、『D』はCNFの全部が複合粒子の外部に位置する構造(外部位置構造)を示す。
Figure 0006201843
表1から明らかなように、CNF含有割合が0.5質量%と少ない比較例1では、1回目放電容量が767mAh/gと大きかったけれども、寿命特性が96.0%と若干低くかった。また、CNF含有割合が30.0質量%と多い比較例2では、寿命特性が98.0%と高かったけれども、1回目放電容量が539mAh/gと小さかった。これらに対し、CNF含有割合が1.0〜20.0質量%と適切な範囲内にある実施例1〜6では、1回目放電容量が616〜763mAh/gと大きくなり、寿命特性が96.4〜99.6%と高くなった。
一方、CNFの含有割合が2.0質量%であり、負極活物質がCNFの全部が複合粒子の外部に位置する構造(D:外部位置構造)である比較例3では、1回目放電容量が750mAh/gと大きかったけれども、寿命特性が97.3%と低かった。これに対し、CNFの含有割合が2.0質量%であり、負極活物質が、CNFが複合粒子を貫通した構造(A:貫通構造)と、CNFが複合粒子に突き刺さった構造(B:突き刺し構造)と、CNFが複合粒子内に内包された構造(C:内包構造)と、CNFの全部が複合粒子の外部に位置する構造(D:外部位置構造)とを有する実施例1では、1回目放電容量が755mAh/gと大きくなり、寿命特性が98.0%と高くなった。
<実施例7>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が5原子%であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例8>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が10原子%であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は0.1μmであった。
<実施例9>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が30原子%であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例10>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が40原子%であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は10μmであった。
<比較例4>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が3原子%であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較例5>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が45原子%であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較例6>
複合粒子のスズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が20原子%であり、複合粒子の中心から外面にかけて組成の偏りがなく、略均一の組成であったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較試験2及び評価>
実施例7〜10及び比較例4〜6の負極活物質を用いて、上記比較試験1と同様に、1回目放電容量及び寿命特性をそれぞれ測定した。これらの結果を、コバルト(Co)の含有割合及び複合粒子の構造とともに、表2に示す。なお、表2には、実施例2も記載した。
Figure 0006201843
表2から明らかなように、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が3原子%と少ない比較例4では、1回目の放電容量が613mAh/gと小さく、寿命特性が94.5%と低かった。また、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が45原子%と多い比較例5では、寿命特性が97.8%と高かったけれども、1回目の放電容量が512mAh/gと小さかった。これらに対し、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が5〜40原子%と適正な範囲の実施例2及び実施例7〜10では、1回目の放電容量が627〜760mAh/gと大きくなり、寿命特性も97.0〜98.5%と高くなった。ここで、寿命特性は、複合粒子の粒径が大きくなると、電池サイクルが進むに従って負極活物質の割れが進行し、電子導電パスが切れてしまうために小さくなる。
一方、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が20原子%と適正であったけれども、複合粒子が均一構造である比較例6では、1回目放電容量が565mAh/gと小さく、寿命特性が50.3%と極めて低かった。これに対し、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対してコバルト(Co)の含有割合が20原子%と適正であり、複合粒子が2層構造である実施例2では、1回目放電容量が755mAh/gと大きくなり、寿命特性が98.0%と高くなった。
<実施例11>
複合粒子の合成工程で塩化クロム(III)(CrCl3)を、負極活物質中のクロム(Cr)の含有割合が質量換算で0.005%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は0.1μmであった。
<実施例12>
複合粒子の合成工程で塩化クロム(III)(CrCl3)を、負極活物質中のクロム(Cr)の含有割合が質量換算で0.1%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例13>
複合粒子の合成工程で塩化クロム(III)(CrCl3)を、負極活物質中のクロム(Cr)の含有割合が質量換算で1.0%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。なお、この負極活物質において、複合粒子の平均粒径は10μmであった。
<実施例14>
複合粒子の合成工程で塩化亜鉛(II)(ZnCl2)を、負極活物質中の亜鉛(Zn)の含有割合が質量換算で5ppmになるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例15>
複合粒子の合成工程で塩化亜鉛(II)(ZnCl2)を、負極活物質中の亜鉛(Zn)の含有割合が質量換算で25ppmになるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例16>
複合粒子の合成工程で塩化亜鉛(II)(ZnCl2)を、負極活物質中の亜鉛(Zn)の含有割合が質量換算で50ppmになるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例17>
複合粒子の合成工程で塩化クロム(III)(CrCl3)を、負極活物質中のクロム(Cr)の含有割合が質量換算で1.5%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<実施例18>
複合粒子の合成工程で塩化亜鉛(II)(ZnCl2)を、負極活物質中の亜鉛(Zn)の含有割合が質量換算で75ppmになるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を作製した。
<比較試験2及び評価>
実施例11〜18の負極活物質を用いて、上記比較試験1と同様に、1回目放電容量及び寿命特性をそれぞれ測定した。これらの結果を、負極活物質中のクロム(Cr)及び亜鉛(Zn)の含有割合とともに、表3に示す。
Figure 0006201843
表3から明らかなように、クロム(Cr)の含有割合が質量換算で1.5%と適正な範囲内であるけれども比較的多い実施例17では、1回目の放電容量が707mAh/gと比較的小さく、寿命特性が85.5%と比較的低かったのに対し、クロム(Cr)の含有割合が質量換算で1.0%以下と好ましい範囲である実施例11〜13では、1回目の放電容量が737〜745mAh/gと比較的大きく、寿命特性が95.6〜97.7%と比較的高くなった。また、亜鉛(Zn)の含有割合が質量換算で75ppmと適正な範囲内であるけれども比較的多い実施例18では、1回目の放電容量が696mAh/gと比較的小さく、寿命特性が73.7%と比較的低かったのに対し、亜鉛(Zn)の含有割合が質量換算で50ppm以下と好ましい範囲である実施例14〜16では、1回目の放電容量が736〜746mAh/gと比較的大きく、寿命特性が95.8〜98.2%と比較的高くなった。
本発明の負極活物質は、リチウムイオン二次電池の負極材料等に利用できる。
10 リチウムイオン二次電池用負極活物質
11 複合粒子
12 カーボンナノファイバ(CNF)

Claims (2)

  1. スズイオンとコバルトイオンを含む金属塩水溶液を調製する工程と、
    カーボンナノファイバをアンモニア水に分散させたファイバ分散液を調製する工程と、
    前記スズイオン及び前記コバルトイオンの酸化還元電位より低い電位を有する還元剤を含む還元剤水溶液を調製する工程と、
    前記金属塩水溶液に前記ファイバ分散液及び前記還元剤水溶液を同時に混合する工程と
    を含み、
    前記スズイオン及び前記コバルトイオンを前記カーボンナノファイバの共存下で還元することにより負極活物質を作製するリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  2. 前記還元剤水溶液が、全クロムイオン中にモル比で70%以上の2価クロムイオンを含むクロム水溶液である請求項記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
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