JP5754382B2 - リチウムイオン二次電池用負極活物質及び該負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池並びにリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents
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Description
先ず、イオン交換水に分散剤、塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を、合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が20原子%となるような割合で加え、撹拌溶解し、塩酸を更に加えてpHを1.30に調整した。分散剤にはポリアクリル酸を用いた。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを1.00[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は30%であった。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.71[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は40%であった。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.57[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は50%であった。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.43[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は70%であった。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.34[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は80%であった。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを1.50[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は10%であった。
スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.25[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は90%であった。
実施例1〜6と比較例1及び2の負極活物質について、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、コバルト、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表1に示す。なお、表1中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表1の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Co位置」において、「偏在」はコバルトが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やコバルトの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が5原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が10原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
実施例4と同様に、合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が20原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製して負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が30原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が40原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が3原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子のスズとコバルトの合計に対するコバルト割合が45原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化コバルト(II)を加えてスズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
スズとコバルトの合計に対するコバルト割合が20原子%であり、中心部と外周部での組成の偏りがなく粒子が略均一組成物となっているスズ−コバルト粉を負極活物質とした。
実施例7〜11及び比較例3〜5の負極活物質について、上記比較試験1と同様に、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、コバルト、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表2に示す。なお、表2中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表2の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Co位置」において、「偏在」はコバルトが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やコバルトの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
合成して得られる複合粒子に質量比で0.005%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で0.1%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で1%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で5ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で25ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で50ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で1.5%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
合成して得られる複合粒子に質量比で75ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調節する際の金属亜鉛投入量を調整したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
実施例12〜19の負極活物質について、上記比較試験1と同様に、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、コバルト、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表3に示す。なお、表3中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表3の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Co位置」において、「偏在」はコバルトが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やコバルトの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
Claims (12)
- スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対するコバルト(Co)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、前記複合粒子が切断面において前記複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、前記コバルト(Co)が前記複合粒子の外面及び前記ポアの内面に偏在し、かつ前記複合粒子内部の平均空間率が20〜80%であるリチウムイオン二次電池用負極活物質。
- 前記複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmである請求項1記載の負極活物質。
- 構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含む請求項1又は2記載の負極活物質。
- 前記クロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、前記亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmである請求項3記載の負極活物質。
- ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種を更に含む請求項1ないし4いずれか1項に記載の負極活物質。
- 負極活物質を有する負極と、正極活物質を有する正極と、非水電解質とを備えたリチウムイオン二次電池において、
前記負極活物質が、スズ(Sn)とコバルト(Co)の合計量に対するコバルト(Co)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、前記複合粒子が切断面において前記複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、前記コバルト(Co)が前記複合粒子の外面及び前記ポアの内面に偏在し、かつ前記複合粒子内部の平均空間率が20〜80%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 前記複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmである請求項6記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質の構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含む請求項6又は7記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記クロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、前記亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmである請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種を更に含む請求項6ないし9いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
- スズイオン及びコバルトイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合し、この混合液の温度、pH、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより、前記混合液中で前記スズイオン及びコバルトイオンを還元させて複合粒子を合成するとともに、前記複合粒子内部のスズ(Sn)を溶出させて前記複合粒子内部の空間率を制御し、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を製造する方法。
- 前記混合液中にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種の分散剤を更に含む請求項11記載の負極活物質の製造方法。
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