JP2012164632A - リチウムイオン二次電池の負極用組成物及びこれを用いたリチウムイオン二次電池の負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の負極用組成物及びこれを用いたリチウムイオン二次電池の負極 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和するとともに導電性を確保し、また複合粒子内に複数のポアが存在することで充電時の体積膨張を緩和し、高容量でサイクル特性及び出力特性に優れた長寿命のリチウムイオン二次電池を製造する。
【解決手段】負極用組成物は負極活物質と導電助剤と結着剤を含む。負極活物質は、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなる。この複合粒子は切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有する。またニッケル(Ni)が複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の空間率が20〜80%である。導電助剤はカーボンナノファイバ等の炭素材料であり複合粒子の外面等に網目状に付着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高容量かつサイクル特性に優れた負極用組成物と、この負極用組成物を用いたリチウムイオン二次電池の負極に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコン等のポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化等に伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされるようになってきた。現在、この要求に応える高容量二次電池として、正極材料にLiCoO2等の含リチウム複合酸化物を用い、負極活物質に炭素系材料を用いたリチウムイオン電池が商品化されている。この炭素系材料を負極に使用した場合、その理論容量は372mAh/gと金属リチウムの約1/10の容量しかなく、また理論密度が2.2g/ccと低く、実際に負極シートとした場合には、更に密度が低下する。そのため、体積当たりでより高容量な材料を負極として利用することが電池の高容量化の面から望まれている。
一方、Al、Ge、Si、Sn、Zn、Pb等の金属又は半金属は、リチウムと合金化することが知られており、これらの金属又は半金属を負極活物質に用いた二次電池が検討されている。これらの材料は、高容量かつ高エネルギー密度であり、炭素系材料を用いた負極よりも多くのリチウムイオンを吸蔵、脱離できるため、これらの材料を使用することで高容量、高エネルギー密度な電池を作製することができると考えられている。例えば、純粋なスズは993mAh/gの高い理論容量を示すことが知られている。
しかし、炭素系材料に比べてサイクル特性に劣るため未だ実用化には至っていない。その理由としては、スズをそのままリチウムイオン二次電池の負極活物質に用いると、充放電に伴う大きな体積変化により微粉化し、集電板から剥離したり、導電助剤との接触が失われたりするため、十分なサイクル特性を得ることができないという問題が生じる。
このような上記問題点を解決する技術として、シリコンやスズ等の無機質の粒子に他の物質を添加させることで、体積変化の少ない負極材料が研究、開発されている。具体的には、リチウムと合金化する金属としてスズを、リチウムと合金化しない金属としてニッケルを使用し、これらの合金薄膜を負極活物質層とした技術が研究、開発されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、電解メッキや無電解メッキ等の電気化学的な方法を用いて、Sn−Ni合金薄膜を集電板上に生成させることで、サイクル特性の向上を図っている。
特開2002−373647号公報(請求項1、請求項13、段落[0006]、段落[0011])
しかし、上記従来の特許文献1に示される負極では、リチウムと合金化しないニッケルをスズと合金化することで、サイクル特性の劣化を抑制してきたけれども、これらはほぼ均一組成であり、容量及びサイクル特性ともに十分とはいえなかった。
本発明の目的は、ニッケルが負極活物質を構成する複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することで充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保でき、また複合粒子内に複数のポアが存在することで充電時の体積膨張を緩和でき、高容量でサイクル特性及び出力特性に優れた長寿命のリチウムイオン二次電池を製造できる負極用組成物及びこれを用いた負極を提供することにある。本発明の別の目的は、導電助剤としてカーボンナノファイバやアセチレンブラック等を添加することにより、サイクル特性や出力特性を更に向上できるリチウムイオン二次電池を製造できる負極用組成物及びこれを用いた負極を提供することにある。
本発明の第1の観点は、負極活物質と導電助剤と結着剤とを含むリチウムイオン二次電池の負極用組成物であって、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケル(Ni)が複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の空間率が20〜80%であり、導電助剤がカーボンナノファイバ、アセチレンブラック及びケッチェンブラックからなる群より選ばれた1種又は2種以上の炭素材料でありかつ複合粒子の外面又は複合粒子の外面及びポアの内面に網目状に付着するように構成されたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に上記複合粒子が、構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更にクロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmであることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に負極活物質の含有割合が70〜95質量%であり、導電助剤の含有割合が2〜20質量%であり、結着剤の含有割合が3〜15質量%であって、導電助剤の含有割合をX質量%としかつ結着剤の含有割合をY質量%とするとき、X/Yが0.4〜3の範囲内に設定され、導電助剤がカーボンナノファイバを含むとき、カーボンナノファイバの含有割合が2〜15質量%であることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1ないし第4の観点に記載の負極用組成物が負極集電体に塗工されたリチウムイオン二次電池の負極である。
本発明の第1の観点の負極用組成物では、スズとニッケルの合計量に対するニッケルの割合が5〜40原子%である負極活物質を構成する複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有するので、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池が充放電を繰り返したときに、複合粒子内のポアが充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和できる。またニッケルが負極活物質を構成する複合粒子の外面及びポアの内面に偏在するので、即ち複数のポアを有する母材でありかつ硬度及び導電率の比較的低いスズの外面又はポア内面に、硬度及び導電率の比較的高いニッケルの偏在したスズ層が形成されるので、充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保できる。更に複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有しかつ複合粒子内部の空間率が20〜80%と比較的大きいので、スズのリチウムとの反応面積が比較的広くなる。この結果、スズがリチウムと効率良く反応するというスズ本来の性能を引き出すことができる。従って、リチウムと合金化しないニッケルをスズとほぼ均一組成で合金化して負極を作製したため、十分な容量及びサイクル特性が得られなかった従来のリチウムイオン二次電池と比較して、本発明の負極用組成物を用いたリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び出力特性に優れ、寿命が長くなり、かつ容量が高くなる。また導電助剤としてカーボンナノファイバを添加することにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を更に向上でき、導電助剤としてアセチレンブラック等を添加することにより、リチウムイオン二次電池の出力特性を更に向上できる。
本発明実施形態の複合粒子の表面からの深さの変化に対するスズ濃度及びニッケル濃度の変化をそれぞれ示す図である。 実施例1〜4のスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHの相対的な相違を示した図である。 実施例1の複合粒子を切断した面の電子顕微鏡写真図である。 本発明実施形態の負極用組成物(固形分)の配合割合の範囲を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。本発明のリチウムイオン二次電池の負極用組成物は負極活物質と導電助剤と結着剤とを含む。上記負極活物質は、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%、好ましくは10〜30原子%である複合粒子からなる。ここで、複合粒子中のニッケルの割合を上記範囲に限定したのは、ニッケルの割合が5原子%を下回ると、硬度の比較的低いスズの外面又はポア内面に形成された硬度の比較的高いニッケルの偏在したスズ層が薄くなって、この負極活物質を用いた二次電池の充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できず、二次電池のサイクル特性が低下する不具合が生じるためであり、ニッケルの割合が40原子%を上回っても、この負極活物質を用いた二次電池のサイクル特性は良好であるけれども、ニッケル量が増大し、相対的にリチウムと反応するスズ量が減少してしまい、初回放電容量が小さくなる不具合が生じるためである。
上記複合粒子は切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有する。またニッケル(Ni)は複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の空間率が20〜80%、好ましくは30〜70%である。これにより本発明の負極活物質は、従来より知られているような、粒子の中心部と外周部とでスズ−ニッケルの組成の偏りがない、略均一に合金化した形態はとらない。ここで、複合粒子内部の空間率を上記範囲に限定したのは、空間率が20%を下回ると、本発明の負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下してしまい、空間率が80%を上回ると、サイクル特性は良好であるけれども、スズの量が少なくなって初回放電容量が小さくなる不具合が生じるためである。ここで、複合粒子内部の空間率が上記範囲であり、かつ複合粒子の表面に連通するポアの数の多い方が二次電池のサイクル特性を向上できる。なお、複合粒子内部の空間率の測定方法としては、 C.P.Auger による粒子の断面写真において、全体の断面写真の質量に対する空隙面積の写真の質量を測定する方法を用いることが好ましい。
このように構成された負極活物質では、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有するので、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池が充放電を繰り返したときに、複合粒子内のポアが充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和できる。またニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在するので、即ち複数のポアを有する母材でありかつ硬度及び導電率の比較的低いスズの外面又はポア内面に、硬度及び導電率の比較的高いニッケルの偏在したスズ層が形成されるので、充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保できる。更に複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有しかつ複合粒子内部の空間率が比較的大きいので、スズのリチウムとの反応面積が比較的広くなる。この結果、スズがリチウムと効率良く反応するというスズ本来の性能を引き出すことができる。従って、本発明の負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び出力特性に優れ、寿命が長くなり、かつ容量が高くなる。
また、負極活物質を構成する複合粒子は、平均粒径が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲に粒径制御されることがその取り扱い易さから好ましい。このように粒径制御された複数の複合粒子からなる粉末は、スラリー化して負極集電体に塗工することができ、従来からのリチウムイオン二次電池製造プロセスを適用できる。ここで、複合粒子の平均粒径を上記範囲に限定したのは、平均粒径が0.1μm未満ではスラリー化が困難となり、既存のリチウムイオン二次電池製造プロセスに適用できない不具合があり、20μmを越えるとニッケルの偏在したスズ層による膨張抑制効果が不十分となり、サイクル特性が低下する不具合があるからである。なお、複合粒子の平均粒径は、粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−950)を用いて測定し、体積基準平均粒径を平均粒径とした。
更に、負極活物質は、構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含むことが好適である。クロムや亜鉛を含ませることで、初回放電容量を増大させることができる。この理由の詳細は不明であるが、クロムや亜鉛を含有することで、粒子中心部まで速やかにリチウムが拡散することができるのではないかと推察される。クロムの含有量は質量比で0.005〜1%、好ましくは0.1〜0.9%であり、亜鉛の含有量は質量比で5〜50ppm、好ましくは10〜30ppmの範囲である。ここで、クロム及び亜鉛の含有量を上記範囲に限定したのは、クロムの含有量が0.005%以上又は亜鉛の含有量が5ppm以上でないと初回放電容量の増大効果が発現せず、クロムの含有量が1%又は亜鉛の含有量が50ppmを上回ると、ニッケルの偏在したスズ層の強度が低下し保護効果が低下し、サイクル特性が低下してしまう不具合を生じるからである。なお、本発明の負極活物質を構成する複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量はICP(誘導結合プラズマ)を用いた定量分析により求めることができる。
一方、導電助剤は、カーボンナノファイバ、アセチレンブラック及びケッチェンブラックからなる群より選ばれた1種又は2種以上の炭素材料である。そして導電助剤は、複合粒子の外面、又は複合粒子の外面及びポアの内面に網目状に付着するように構成される。また結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などが挙げられる。なお、負極活物質の含有割合は好ましくは70〜95質量%、更に好ましくは80〜93質量%であり、導電助剤の含有割合は好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜10質量%であり、結着剤の含有割合は好ましくは3〜15質量%、更に好ましくは4〜10質量%である(図4の破線で囲まれる部分)。また導電助剤の含有割合をX質量%としかつ結着剤の含有割合をY質量%とするとき、X/Yは好ましくは0.4〜3、更に好ましくは0.5〜2の範囲内に設定される(図4の一点鎖線で示す直線A及びBの間の部分)。これにより図4のハッチングを施した部分が負極活物質、導電助剤及び結着剤のそれぞれの含有割合を示す範囲となる。更に導電助剤がカーボンナノファイバを含むとき、カーボンナノファイバの含有割合は好ましくは2〜15質量%、更に好ましくは3〜11質量%である。
ここで、負極活物質の含有割合を70〜95質量%の範囲内に限定したのは、70質量%未満ではリチウムと充放電反応する負極活物質の割合が低下し、電池のエネルギー密度が小さくなるという不具合があり、95質量%を越えると電池性能を発現するための結着剤及び導電助剤が相対的に不足し、放電容量、サイクル特性及び出力特性が低下するという不具合があるからである。導電助剤の含有割合を2〜20質量%の範囲内に限定したのは、2質量%未満では負極活物質から集電体への電子伝導の経路の構築が不十分で放電容量及び出力特性が低下するという不具合があり、20質量%を越えると相対的に負極活物質の割合が低下し電池のエネルギー密度が小さくなるという不具合があるからである。結着剤の含有割合を3〜15質量%の範囲内に限定したのは、3質量%未満では負極活物質及び導電助剤をシート上に十分に保持できず、サイクル特性が悪くなるという不具合があり、15質量%を越えると相対的に負極活物質の割合が低下し電池のエネルギー密度が小さくなったり、負極活物質と導電助剤の接触を妨げ放電容量や出力特性が低下するという不具合があるからである。またX/Yを0.4〜3の範囲内に限定したのは、0.4未満では結着剤が導電助剤と負極活物質の接触を妨げる効果が顕著となり放電容量及び出力特性が低下するという不具合があり、3を越えると結着剤による導電助剤及び負極活物質の保持力低下が顕著となりサイクル特性が悪くなるという不具合があるからである。更にカーボンナノファイバの含有割合を2〜15質量%の範囲内に限定したのは、2質量%未満ではカーボンナノファイバが微細な負極活物質表面を十分に覆う量が確保できず充放電反応に寄与できない負極活物質が発生し放電容量が低下するという不具合があり、15質量%のカーボンナノファイバで負極活物質表面を十分に覆うことができるため、これを越えて含有させてもそれ以上の効果は得られず、相対的に負極活物質の割合が低下するため電池のエネルギー密度が低下するという不具合があるからである。
また、上記負極用組成物は、n−メチルピロリジノン、水等の溶媒を含む。これにより負極用組成物がスラリー化し、負極集電体への塗工(塗布)が可能になる。この溶媒はスラリー状の負極用組成物を負極集電体に塗工した後の乾燥工程で蒸発する。更に、上記負極用組成物は、ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種の分散剤を更に含むことが好適である。上記種類の分散剤を含ませることで、分散剤が粒子を覆うことになり、ニッケルの偏在したスズ層による膨張収縮抑制効果を増強し、サイクル特性を向上させることができる。
次に、上記負極用組成物の製造方法を説明する。先ず負極活物質を製造する。スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合し、この混合液の温度、酸濃度、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより製造される。具体的には、上記スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合することにより、この混合液中でスズイオン及びニッケルイオンを還元させて複合粒子を合成し、上記混合液の温度、酸濃度、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより、複合粒子内部のスズ(Sn)を溶出させて複合粒子内部の空間率を制御する。これにより、スズとニッケルの合計量に対するニッケルの割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の空間率が1.0〜6.0m2/gである負極活物質が製造される。
上記混合液中で還元反応させると、先ず、スズイオンが還元して均一なスズ粒子が生じ、このスズ粒子が一定の粒径まで成長する。続いて、ニッケルイオンが還元し、一定の粒径にまで成長したスズ粒子を母材として、この母材の周囲に上記ニッケルが進入し、スズ粒子の外面にニッケルが偏在した複合粒子となる。上記混合液の温度、酸濃度、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整すると、上記複合粒子にこの粒子の表面に連通する複数のポアが形成されるとともに、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在して、複合粒子の外面及びポアの内面にニッケルの偏在したスズ層が形成される。このニッケルの偏在したスズ層におけるニッケル濃度は複合粒子の外面及びポアの内面からスズ母材内方に向うに従って次第に低くなり、スズ濃度は複合粒子の外面及びポアの内面からスズ母材内方に向うに従って次第に高くなるように形成される(図1)。なお、上記複合粒子に複数のポアが形成されるのは次の理由によると推察される。スズの水素過電圧は高いため、スズの溶解反応は起こり難い。一方、ニッケルの水素過電圧はスズの水素過電圧より低いため、スズとニッケルが接することによってニッケル側から水素が発生する。この結果、複合粒子内部のスズが非常に溶け易くなるので、複合粒子に複数のポアが形成される。
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液には、得られる複合粒子の凝集を抑制する分散剤を含ませることが好ましい。分散剤としては、ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンから選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
還元剤水溶液に含まれる2価クロムイオンは、還元剤としての機能を有する。この2価クロムイオンは不安定であるため、還元剤水溶液はスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と混合する際にその都度調製することが好ましい。具体的には、例えば、塩化第2クロム溶液を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で金属亜鉛に接触させるか、或いは電気化学的にクロムを還元し、塩化第1クロム溶液としたものを用いるとよい。塩化第2クロム溶液は酸濃度0.0079〜1.26[a.u.](arbitrary units:任意単位、以下[a.u.]という。)に調整することが好ましい。それは酸濃度が下限値を下回ると、3価クロムイオンが水酸化物として沈殿するという不具合が生じ易いからである。
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合した混合液の温度は15〜50℃、好ましくは25〜40℃に設定され、混合液の酸濃度は0.035〜0.50[a.u.]、好ましくは0.06〜0.3[a.u.]に設定される。また上記混合液の処理時間は1〜40時間、好ましくは3〜30時間に設定され、混合液の撹拌速度は0.2〜1.5m/秒、好ましくは0.4〜1.0m/秒に設定される。上記混合液の処理時間は、混合液の撹拌保持時間をいう。また上記混合液の撹拌速度は、撹拌羽根の回転により混合液が流動したときの混合液の平均流速をいう。ここで、混合液の温度を上記範囲に限定したのは、15℃未満では、スズが溶け難くなり、複合粒子に複数のポアが形成され難くなるため、充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和する効果が低下してしまい、50℃を越えると、スズの溶出が促進され、サイクル特性は良好であるけれども、スズの量が少なくなって初回放電容量が小さくなってしまうからである。また、混合液の酸濃度を上記範囲に限定したのは、酸濃度が0.50[a.u.]を越えると、スズの溶出が促進されて、サイクル特性が良好であるけれども、スズの量が少なくなって初回放電容量が小さくなってしまい、酸濃度が0.035[a.u.]未満では、スズとニッケルが接することによるニッケル側からの水素発生が生じ難くなって、複合粒子内部のスズが溶け難くなるので、複合粒子に複数のポアが形成され難くなり、これにより充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和する効果が低下してしまうからである。また、混合液の処理時間を上記範囲に限定したのは、1時間未満では、複合粒子に形成されるポアの数が少なくなるため、充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和する効果が低下してしまい、40時間を越えると、目的の負極活物質を得るための時間が掛かり過ぎ、これにより製造コストが増大し、生産効率が低下してしまうからである。更に混合液の撹拌速度を上記範囲に限定したのは、0.2m/秒未満では、混合液の組成を均一に保つことができなくなって、所望の負極活物質を得ることができず、1.5m/秒を越えると、所望の負極活物質を得るために過剰のエネルギーを投入することになり、エネルギーコストの無駄が発生してしまうからである。なお、混合液の温度は高くなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなり、混合液の酸濃度は小さくなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなる傾向にある。また、混合液の処理時間は長くなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなり、混合液の撹拌速度は速くなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなる傾向にある。
このように負極活物質の製造方法は湿式法であり、水溶液調製や還元反応がともに室温程度の温度で実施可能であるため、イニシャルコストが多大にかかる特殊な装置類も不要となり、製造コストを抑制できる。
なお、製造する負極活物質の構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含ませる場合には、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を増減させる、還元剤水溶液を調製する際に使用する金属亜鉛量を増減させる、塩化亜鉛をスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液や還元剤水溶液に加えるなどの手法により、クロムや亜鉛の含有量を制御することができる。
次に上記負極活物質と導電助剤と結着剤とを所定の割合で混合した後、この混合物に所定の割合(例えば、負極活物質、導電助剤及び結着剤の合計量100質量%に対して35〜60質量%)で溶媒を混合することにより、負極用組成物のスラリーを調製する。次に上記負極用組成物のスラリーを負極集電体に塗工(塗布)した後に乾燥して負極を製造する。なお、負極の作製に使用した負極集電体は、特に限定されるものではなく、従来より一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、負極集電体としては、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが挙げられる。
このようにして得られた負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する。正極活物質をバインダ及び導電助剤と所定の割合で混合して正極スラリーを調製する。次に、調製した正極スラリーを正極集電体上に、ドクターブレード法などの手法により塗布し乾燥することにより正極を作製する。なお、正極の作製に使用した正極活物質、バインダ、導電助剤及び正極集電体は、特に限定されるものではなく、従来より一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4などが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、VGCF、黒鉛等が挙げられる。また、バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。正極集電体としては、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケル箔等が挙げられる。
次に、負極とセパレータと正極を、正極と負極の活物質面をそれぞれ対向させた状態で積層し、積層体を形成する。セパレータは合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等から形成される。そして、上記積層体の正極側裏面及び負極側裏面にそれぞれメッシュ材の一端を接続し、袋状に作製したアルミラミネート材にメッシュ材の他端がはみ出るように積層体を装填する。次に、ラミネート材の開口部から非水電解液を加え、真空引きしながら、ラミネート材の開口部を熱融着させることより、リチウムイオン二次電池が得られる。正極側裏面に接続したメッシュ材としてはアルミメッシュ材が、負極側裏面に接続したメッシュ材としてはニッケルメッシュ材が使用される。
また、非水電解液には、非水溶媒に電解質を溶解させた溶媒が使用される。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の鎖状エーテルや、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル、クラウンエーテル、γ−ブチロラクトン等の脂肪酸エステル、アセトニトリル等の窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫化物等が例示される。上記非水電解液は単独で使用しても、2種以上混合した混合溶媒として使用してもよい。電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ほうフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]等のリチウム塩が例示される。
このように製造されたリチウムイオン二次電池では、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有するので、リチウムイオン二次電池が充放電を繰り返したときに、複合粒子内のポアが充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和でき、またニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在するので、充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保でき、更に複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有しかつ複合粒子内部の空間率が比較的大きいので、スズのリチウムとの反応面積が比較的広くなる。この結果、スズがリチウムと効率良く反応するというスズ本来の性能を引き出すことができるので、リチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び出力特性に優れ、寿命が長くなり、かつ容量が高くなる。また、負極活物質にカーボンナノファイバ(CNF)からなる導電助剤を添加すると、この導電助剤が粒子を覆うことになり、負極全体に網目状に導電性パスを形成することができるので、活物質あたりの初回放電容量及びサイクル特性を更に向上させることができる。負極活物質にアセチレンブラックからなる導電助剤を添加すると、アセチレンブラックがカーボンナノファイバより大きいため、大電流を取出すことができ、これにより出力特性を更に向上させることができる。従って、負極活物質にカーボンナノファイバ及びアセチレンブラックを質量比で(10:90)〜(80:20)の範囲内で混合した導電助剤を添加すると、サイクル特性及び出力特性を更に向上できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、イオン交換水に分散剤、塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を、合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が20原子%となるような割合で加え、撹拌溶解し、塩酸を更に加えて酸濃度を0.050[a.u.]に調整した。分散剤にはポリアクリル酸を用いた。
一方、イオン交換水に塩化クロム(III)を加えて撹拌溶解し、これに金属亜鉛(Zn)を投入することでクロムイオンを3価から2価に還元し、全クロムイオン中の2価のクロム比が70%以上となるように調製した。これを還元剤水溶液とした。
次に、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合し、撹拌保持時間を24時間としてスズイオンとニッケルイオンを還元反応させた。この混合液の温度は25℃であり、酸濃度は0.050[a.u.](図2)であり、撹拌速度は0.5m/秒であった。
その後、撹拌混合した液を静置し、合成した粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。続いて、沈降物にイオン交換水を加えて撹拌洗浄、静置沈降及び上澄み液除去の操作を数回繰り返し、最後にエタノールで撹拌洗浄、静置沈降及び上澄み液除去を行った。得られた沈降物を真空乾燥することで、スズとニッケルの合計量に対するニッケルの割合が20原子%である複合粒子からなり、この複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し(図3)、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、更に複合粒子内部の空間率が20%である負極活物質を得た。
<実施例2>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.100[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は30%であった。
<実施例3>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.195[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は40%であった。
<実施例4>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.269[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は50%であった。
<実施例5>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.372[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は70%であった。
<実施例6>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.457[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は80%であった。
<比較例1>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.032[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は10%であった。
<比較例2>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液の酸濃度を0.562[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の空間率は90%であった。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜6と比較例1及び2の負極活物質について、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表1に示す。なお、表1中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表1の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Ni位置」において、「偏在」はニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やニッケルの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
また実施例1〜6と比較例1及び2の負極活物質を用い、負極活物質粉末を導電助剤、結着剤、溶媒と混合しスラリーをそれぞれ調製した。即ち、合成した負極活物質粉末、アセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)、カーボンナノファイバ(CNF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で80:5:5:10:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。
次に、得られたスラリーをアプリケータを用いて銅箔上に活物質密度が5mg/cm2となるように塗布し、乾燥、圧延し、幅3cm長さ3cmに切断することで負極電極を作製した。
上記作製した負極を用いて半電池を組み、充放電サイクル試験を行った。対極及び参照極にはリチウム金属を用い、電解液には1M濃度で六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解した炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)の等体積溶媒を用いた。充電は電圧が5mVとなるまで0.5mA/cm2の定電流条件で実施し、その後、電流が0.01mA/cm2になるまで5mVの定電圧条件で実施した。
放電は電圧が1Vになるまで0.5mA/cm2の定電流条件で実施した。充電と放電を各1回実施した状態を1サイクルとし、100サイクルまでの充放電試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。得られた評価結果を次の表1に示す。
表1から明らかなように、複合粒子内部の空間率が10%である比較例1では、初回放電容量が552mAh/gと低くなり、また複合粒子内部の空間率が90%である比較例2では、初回放電容量が491mAh/gと低くなったのに対し、複合粒子内部の空間率が20〜80%の範囲内である実施例1〜6では、初回放電容量が576〜801mAh/gと大きくなった。これらの結果から、複合粒子内部の空間率には初回放電容量を高めるのに最適な範囲が存在することが確認された。なお、比較例1では、スズのリチウムとの反応面積が狭過ぎたため、初回放電容量が低くなり、比較例2では、リチウムと反応するスズの量が少な過ぎたため、初回放電容量が低くなったのに対し、実施例1〜6では、リチウムとの反応面積が広く、かつリチウムと反応するスズの量が比較的多かったため、初回放電容量が高くなったものと推察される。
また、複合粒子内部の空間率が10%である比較例1では、寿命特性が89.1%と低かったのに対し、複合粒子内部の空間率が20〜90%の範囲内である実施例1〜6及び比較例2では、寿命特性が94.2〜98.4%と高くなった。これは、比較例1では、複合粒子がこの粒子表面に連通するポアを有せず、電池充電時の複合粒子の体積膨張を吸収できなかったため、寿命特性が低くなったのに対し、実施例1〜6及び比較例2では、複合粒子がこの粒子表面に連通する複数のポアを有し、電池充電時の複合粒子の体積膨張を複数のポアが吸収して緩和できたため、寿命特性が高くなったものと推察される。
<実施例7>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が5原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例8>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が10原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例9>
実施例4と同様に、合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が20原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製して負極活物質を得た。
<実施例10>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が30原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例11>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が40原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較例3>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が3原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較例4>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が45原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較例5>
スズとニッケルの合計に対するニッケル割合が20原子%であり、中心部と外周部での組成の偏りがなく粒子が略均一組成物となっているスズ−ニッケル粉を負極活物質とした。
<比較試験2及び評価>
実施例7〜11及び比較例3〜5の負極活物質について、上記比較試験1と同様に、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表2に示す。なお、表2中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表2の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Ni位置」において、「偏在」はニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やニッケルの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
実施例7〜11及び比較例3〜5の負極活物質を用い、上記比較試験1と同様に、負極電極を作製した。またこの負極電極を用い、上記比較試験1と同様に、半電池を組み、充放電サイクル試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。得られた評価結果を次の表2に示す。
表2から明らかなように、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在する構造である実施例7〜11と比較例3及び4では、いずれも高い寿命特性を示したのに対し、粒子中のニッケルとスズとを略均一とした比較例5では、寿命特性が39.8%と非常に低い結果であった。この結果から、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在した構造をとる複合粒子は非常に高いサイクル特性が得られることが確認された。
また、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在した構造とし、ニッケル割合を変動させた実施例7〜11と比較例3及び4を比較すると、実施例7〜11のニッケル割合が5〜40原子%の範囲では、高い初回放電容量が得られ、かつ寿命特性も高い結果になったのに対し、比較例3の3原子%のようにニッケル割合が低くなると、寿命特性が低下し、比較例4の45原子%のようにニッケル割合が高くなると、初回放電容量が低くなる傾向が見られた。これらの結果から、粒子中のニッケル割合には適切な範囲が存在することが確認された。
<実施例12>
合成して得られる複合粒子に質量比で0.005%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例13>
合成して得られる複合粒子に質量比で0.1%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例14>
合成して得られる複合粒子に質量比で1%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例15>
合成して得られる複合粒子に質量比で5ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例16>
合成して得られる複合粒子に質量比で25ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例17>
合成して得られる複合粒子に質量比で50ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例18>
合成して得られる複合粒子に質量比で1.5%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例19>
合成して得られる複合粒子に質量比で75ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調節する際の金属亜鉛投入量を調整したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較試験3及び評価>
実施例12〜19の負極活物質について、上記比較試験1と同様に、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表3に示す。なお、表3中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表3の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Ni位置」において、「偏在」はニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やニッケルの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
実施例12〜19の負極活物質を用い、上記比較試験1と同様に、負極電極を作製した。またこの負極電極を用い、上記比較試験1と同様に、半電池を組み、充放電サイクル試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。得られた評価結果を次の表3に示す。
表3から明らかなように、クロムを0.005〜1%又は亜鉛を5〜50ppm更に含有させた実施例12〜17では、クロムの含有量が0.001%未満及び亜鉛の含有量が2ppm未満と低い実施例4の結果に比べ、高い初回放電容量が得られた。一方、クロムの含有量が1.5%と高い実施例18及び亜鉛の含有量が75ppmと高い実施例19では、実施例4の結果と同程度の高い初回放電容量が得られているが、寿命特性が低い結果となった。これらの結果から、クロムや亜鉛を所定量含有することで初回放電容量値を高めることができる一方、クロムや亜鉛を含有し過ぎると、その特性が低下してしまうことから、クロムと亜鉛の含有量には適切な範囲が存在することが確認された。
<実施例20>
実施例2の負極活物質を用い、負極活物質を、結着剤、導電助剤及び溶媒と混合しスラリーを調製した。即ち、負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で80:10:10:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で5:5の割合となるように秤量した。次に、得られたスラリーをアプリケータを用いて銅箔上に活物質密度が5mg/cm2となるように塗布し、乾燥、圧延し、幅3cm長さ3cmに切断することで負極を作製した。この負極を実施例20とした。
<実施例21>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で95:3:2:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)のみを用いた。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例21とした。
<実施例22>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で88:3:9:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で4:5となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例22とした。
<実施例23>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で80:5:15:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で7:8となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例23とした。
<実施例24>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で75:5:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で2:18となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例24とした。
<実施例25>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で75:5:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で5:15となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例25とした。
<実施例26>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で75:5:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で10:10となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例26とした。
<実施例27>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で75:5:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で15:5となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例27とした。
<実施例28>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で70:10:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で10:10となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例28とした。
<実施例29>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で70:15:15:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で7:8となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例29とした。
<実施例30>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で79:15:6:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で3:3となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例30とした。
<実施例31>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で86:10:4:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で2:2となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例31とした。
<実施例32>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で88:7:5:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で2:3となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例32とした。
<実施例33>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で73:12:15:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で7:8となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例33とした。
<実施例34>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で80:10:10:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とケッチェンブラック(KB、ケッチェンブラックインターナショナル社製、商品名:ケッチェンブラックEC300J)とが質量比で2:8となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例34とした。
<実施例35>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で95:3:2:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で1:1となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例35とした。
<実施例36>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で75:5:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で1:19となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例36とした。
<実施例37>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で75:5:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で18:2となるように秤量した。カーボンナノファイバ(CNF)のみを用いた。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例37とした。
<実施例38>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で78:4:18:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で9:9となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例38とした。
<実施例39>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で70:7:23:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で11:12となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例39とした。
<実施例40>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で65:15:20:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で10:10となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例40とした。
<実施例41>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で70:20:10:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で5:5となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例41とした。
<実施例42>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で88:10:2:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)のみを用いた。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例42とした。
<実施例43>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で95:4:1:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で0.5:0.5となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例43とした。
<実施例44>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で97:2:1:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で0.5:0.5となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例44とした。
<実施例45>
負極活物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:結着剤)、導電助剤及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で95:1:4:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。ここで、導電助剤は、カーボンナノファイバ(CNF)とアセチレンブラック(AB、電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)とが質量比で2:2となるように秤量した。上記以外は実施例20と同様にして負極を作製した。この負極を実施例45とした。
<比較試験4及び評価>
実施例20〜45の負極を用いて半電池を組み、充放電サイクル試験を行った。対極及び参照極にはリチウム金属を用い、電解液には1M濃度で六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解した炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)の等体積溶媒を用いた。充電は電圧が5mVとなるまで0.5mA/cm2の定電流条件で実施し、その後、電流が0.01mA/cm2になるまで5mVの定電圧条件で実施した。
放電は電圧が1Vになるまで0.5mA/cm2の定電流条件で実施した。充電と放電を各1回実施した状態を1サイクルとし、100サイクルまでの充放電試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。また負極合材シート(負極活物質+導電助剤+結着剤)単位重量あたりの放電容量を測定した。更に0.5mA/cm2の電流密度で得られた放電容量に対する、その10倍の5mA/cm2の電流密度で得られた放電容量の割合を出力特性として測定した。得られた評価結果を次の表4及び表5に示す。
表4,表5から明らかなように、導電助剤のカーボンナノファイバ(CNF)が好ましい範囲(2〜15質量%)を下回る実施例35及び36では活物質あたりの初回放電容量が691mAh/g及び694mAh/gと比較的低く、寿命特性も86.5及び86.7%と比較的低かったのに対し、導電助剤のカーボンナノファイバ(CNF)が好ましい範囲(2〜15質量%)内にある実施例20〜34では活物質あたりの初回放電容量が752〜795mAh/gと比較的高くなり、寿命特性も87.6〜94.9%と比較的高くなることが分かった。また導電助剤のカーボンナノファイバ(CNF)が好ましい範囲(2〜15質量%)を上回る実施例37では寿命特性及び出力特性がそれぞれ87.5%及び46.8%と比較的低かったのに対し、導電助剤のカーボンナノファイバ(CNF)が好ましい範囲(2〜15質量%)内にある実施例20〜34では寿命特性及び出力特性がそれぞれ87.6〜94.9%及び53.5〜73.6%と比較的高くなることが分かった。更に導電助剤の含有割合Xと結着剤の含有割合Yとの比X/Yが好ましい範囲(0.4〜3)を外れる実施例38では寿命特性が85.1%と比較的低かったのに対し、導電助剤の含有割合Xと結着剤の含有割合Yとの比X/Yが好ましい範囲(0.4〜3)内にある実施例20〜34では寿命特性が87.6〜94.9%と比較的高くなることが分かった。
一方、導電助剤の含有割合が好ましい範囲(2〜20質量%)を上回る実施例39ではシートあたりの初回放電容量が545mAh/gと比較的低く、寿命特性も86.5%と比較的低かったのに対し、導電助剤の含有割合が好ましい範囲(2〜20質量%)内にある実施例20〜34ではシートあたりの初回放電容量が554〜714mAh/gと比較的高くなり、寿命特性も87.6〜94.9%と比較的高くなることが分かった。また導電助剤の含有割合が好ましい範囲(2〜20質量%)を下回る実施例43では活物質あたりの初回放電容量が636mAh/gと比較的低く、出力特性も30.3%と低かったのに対し、導電助剤の含有割合が好ましい範囲(2〜20質量%)内にある実施例20〜34では活物質あたりの初回放電容量が752〜795mAh/gと比較的高くなり、出力特性も53.5〜73.6%と比較的高くなることが分かった。
負極活物質の含有割合が好ましい範囲(70〜95質量%)を下回る実施例40ではシートあたりの初回放電容量が507mAh/gと比較的低かったのに対し、負極活物質の含有割合が好ましい範囲(70〜95質量%)内にある実施例20〜34ではシートあたりの初回放電容量が554〜714mAh/gと比較的高くなることが分かった。また負極活物質の含有割合が好ましい範囲(70〜95質量%)を下回る実施例44では寿命特性が80.2%と低く、出力特性も35.4%と低かったのに対し、負極活物質の含有割合が好ましい範囲(70〜95質量%)内にある実施例20〜34では寿命特性が87.6〜94.9%と比較的高くなり、出力特性も54〜74%と比較的高くなることが分かった。
更に結着剤の含有割合が好ましい範囲(3〜15質量%)を上回る実施例41ではシートあたりの初回放電容量が535mAh/gと比較的低かったのに対し、結着剤の含有割合が好ましい範囲(3〜15質量%)内にある実施例20〜34ではシートあたりの初回放電容量が554〜714mAh/gと比較的高くなることが分かった。また結着剤の含有割合が好ましい範囲(3〜15質量%)を下回る実施例45では寿命特性が78.2%と低く、出力特性も40.4%と低かったのに対し、結着剤の含有割合が好ましい範囲(3〜15質量%)内にある実施例20〜34では寿命特性が87.4〜94.9%と比較的高くなり、出力特性も54〜74%と比較的高くなることが分かった。
一方、導電助剤の含有割合Xと結着剤の含有割合Yとの比X/Yが好ましい範囲(0.4〜3)を越える実施例42では活物質あたりの初回放電容量及び出力特性がそれぞれ617mAh/g及び35.4%と比較的低かったのに対し、導電助剤の含有割合Xと結着剤の含有割合Yとの比X/Yが好ましい範囲(0.4〜3)内にある実施例20〜34では活物質あたりの初回放電容量及び出力特性がそれぞれ752〜795mAh/g及び53.5〜73.6%と比較的高くなることが分かった。

Claims (5)

  1. 負極活物質と導電助剤と結着剤とを含むリチウムイオン二次電池の負極用組成物であって、
    前記負極活物質が、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、前記複合粒子が切断面において前記複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、前記ニッケル(Ni)が前記複合粒子の外面及び前記ポアの内面に偏在し、かつ前記複合粒子内部の空間率が20〜80%であり、
    前記導電助剤がカーボンナノファイバ、アセチレンブラック及びケッチェンブラックからなる群より選ばれた1種又は2種以上の炭素材料でありかつ前記複合粒子の外面又は前記複合粒子の外面及び前記ポアの内面に網目状に付着するように構成された
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池の負極用組成物。
  2. 前記複合粒子が、構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含む請求項1記載の負極用組成物。
  3. 前記クロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、前記亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmである請求項2記載の負極用組成物。
  4. 前記負極活物質の含有割合が70〜95質量%であり、前記導電助剤の含有割合が2〜20質量%であり、前記結着剤の含有割合が3〜15質量%であって、前記導電助剤の含有割合をXとしかつ前記結着剤の含有割合をYとするとき、X/Yが0.4〜3の範囲内に設定され、更に前記導電助剤がカーボンナノファイバを含むとき、前記カーボンナノファイバの含有割合が2〜15質量%である請求項1ないし3いすれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の負極用組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の負極用組成物が負極集電体に塗工されたリチウムイオン二次電池の負極。
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