JP2012164641A - リチウムイオン二次電池用負極活物質及び該負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池並びにリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質及び該負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池並びにリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池を形成する際に負極活物質として用いられる複合粒子であって、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することで充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和するとともに導電性を確保し、また複合粒子内に複数のポアが存在することで充電時の体積膨張を緩和し、高容量かつサイクル特性に優れた長寿命のリチウムイオン二次電池を製造する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなる。この複合粒子は切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有する。またニッケル(Ni)が複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の平均空間率が20〜80%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高容量かつサイクル特性に優れた負極活物質と、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池と、上記負極活物質を製造する方法に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコン等のポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化等に伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされるようになってきた。現在、この要求に応える高容量二次電池として、正極材料にLiCoO2等の含リチウム複合酸化物を用い、負極活物質に炭素系材料を用いたリチウムイオン電池が商品化されている。この炭素系材料を負極に使用した場合、その理論容量は372mAh/gと金属リチウムの約1/10の容量しかなく、また理論密度が2.2g/ccと低く、実際に負極シートとした場合には、更に密度が低下する。そのため、体積当たりでより高容量な材料を負極として利用することが電池の高容量化の面から望まれている。
一方、Al、Ge、Si、Sn、Zn、Pb等の金属又は半金属は、リチウムと合金化することが知られており、これらの金属又は半金属を負極活物質に用いた二次電池が検討されている。これらの材料は、高容量かつ高エネルギー密度であり、炭素系材料を用いた負極よりも多くのリチウムイオンを吸蔵、脱離できるため、これらの材料を使用することで高容量、高エネルギー密度な電池を作製することができると考えられている。例えば、純粋なスズは993mAh/gの高い理論容量を示すことが知られている。
しかし、炭素系材料に比べてサイクル特性に劣るため未だ実用化には至っていない。その理由としては、スズをそのままリチウムイオン二次電池の負極活物質に用いると、充放電に伴う大きな体積変化により微粉化し、集電板から剥離したり、導電助剤との接触が失われたりするため、十分なサイクル特性を得ることができないという問題が生じる。
このような上記問題点を解決する技術として、シリコンやスズ等の無機質の粒子に他の物質を添加させることで、体積変化の少ない負極材料が研究、開発されている。具体的には、リチウムと合金化する金属としてスズを、リチウムと合金化しない金属としてニッケルを使用し、これらの合金薄膜を負極活物質層とした技術が研究、開発されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、電解メッキや無電解メッキ等の電気化学的な方法を用いて、Sn−Ni合金薄膜を集電板上に生成させることで、サイクル特性の向上を図っている。
特開2002−373647号公報(請求項1、請求項13、段落[0006]、段落[0011])
しかし、上記従来の特許文献1に示される負極では、リチウムと合金化しないニッケルをスズと合金化することで、サイクル特性の劣化を抑制してきたけれども、これらはほぼ均一組成であり、容量及びサイクル特性ともに十分とはいえなかった。
本発明の目的は、リチウムイオン二次電池を形成する際に負極活物質として用いられる複合粒子であって、ニッケルが負極活物質を構成する複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することで充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保でき、また複合粒子内に複数のポアが存在することで充電時の体積膨張を緩和でき、高容量でサイクル特性及び出力特性に優れた長寿命のリチウムイオン二次電池を製造できる負極活物質及びその製造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、高容量でサイクル特性及び出力特性に優れた長寿命のリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第1の観点は、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケル(Ni)が複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の平均空間率が20〜80%であるリチウムイオン二次電池用負極活物質である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmであることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更にクロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmであることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1ないし第4の観点に基づく発明であって、更にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
本発明の第6の観点は、負極活物質を有する負極と、正極活物質を有する正極と、非水電解質とを備えたリチウムイオン二次電池において、負極活物質が、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケル(Ni)が複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の平均空間率が20〜80%であることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、第6の観点に基づく発明であって、更に複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmであることを特徴とする。
本発明の第8の観点は、第6又は第7の観点に基づく発明であって、更に負極活物質の構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
本発明の第9の観点は、第8の観点に基づく発明であって、更にクロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmであることを特徴とする。
本発明の第10の観点は、第6ないし第9の観点に基づく発明であって、更に負極活物質にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
本発明の第11の観点は、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合し、この混合液の温度、pH、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより、混合液中でスズイオン及びニッケルイオンを還元させて複合粒子を合成するとともに、この複合粒子内部のスズ(Sn)を溶出させて複合粒子内部の空間率を制御し、第1の観点に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を製造する方法である。
本発明の第12の観点は、第11の観点に基づく発明であって、更に混合液中にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種の分散剤を更に含むことを特徴とする。
本発明の第1の観点の負極活物質では、スズとニッケルの合計量に対するニッケルの割合が5〜40原子%である負極活物質を構成する複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有するので、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池が充放電を繰り返したときに、複合粒子内のポアが充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和できる。またニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在するので、即ち複数のポアを有する母材でありかつ硬度及び導電率の比較的低いスズの外面又はポア内面に、硬度及び導電率の比較的高いニッケルの偏在したスズ層が形成されるので、充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保できる。更に複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有しかつ複合粒子内部の平均空間率が20〜80%と比較的大きいので、スズのリチウムとの反応面積が比較的広くなる。この結果、スズがリチウムと効率良く反応するというスズ本来の性能を引き出すことができる。従って、リチウムと合金化しないニッケルをスズとほぼ均一組成で合金化して負極を作製したため、十分な容量及びサイクル特性が得られなかった従来のリチウムイオン二次電池と比較して、本発明の負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び出力特性に優れ、寿命が長くなり、かつ容量が高くなる。
本発明の第2又は第7の観点の負極活物質又はリチウムイオン二次電池では、複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmであるので、負極活物質として粒径制御された粉末が用いられる。この結果、負極活物質をスラリー化して負極集電板に塗工することができるので、従来と同様のリチウムイオン二次電池の製造プロセスを適用できる。
本発明の第11の観点の負極活物質の製造方法では、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合する湿式法により負極活物質を合成するので、イニシャルコスト(初期投資費用)が多大に掛かる特殊な装置類を用いずに済み、製造コストを抑制できる。
本発明実施形態の複合粒子の表面からの深さの変化に対するスズ濃度及びニッケル濃度の変化をそれぞれ示す図である。 実施例1〜4のスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHの相対的な相違を示した図である。 実施例1の複合粒子を切断した面の電子顕微鏡写真図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%、好ましくは10〜30原子%である複合粒子からなる。ここで、複合粒子中のニッケルの割合を上記範囲に限定したのは、ニッケルの割合が5原子%を下回ると、硬度の比較的低いスズの外面又はポア内面に形成された硬度の比較的高いニッケルの偏在したスズ層が薄くなって、この負極活物質を用いた二次電池の充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できず、二次電池のサイクル特性が低下する不具合が生じるためであり、ニッケルの割合が40原子%を上回っても、この負極活物質を用いた二次電池のサイクル特性は良好であるけれども、ニッケル量が増大し、相対的にリチウムと反応するスズ量が減少してしまい、初回放電容量が小さくなる不具合が生じるためである。
上記複合粒子は切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有する。またニッケル(Ni)は複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の平均空間率が20〜80%、好ましくは30〜70%である。これにより本発明の負極活物質は、従来より知られているような、粒子の中心部と外周部とでスズ−ニッケルの組成の偏りがない、略均一に合金化した形態はとらない。ここで、複合粒子内部の平均空間率を上記範囲に限定したのは、平均空間率が20%を下回ると、本発明の負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下してしまい、平均空間率が80%を上回ると、サイクル特性は良好であるけれども、スズの量が少なくなって初回放電容量が小さくなる不具合が生じるためである。ここで、複合粒子内部の平均空間率が上記範囲であり、かつ複合粒子の表面に連通するポアの数の多い方が二次電池のサイクル特性を向上できる。なお、複合粒子内部の平均空間率の求め方は、次の手順で行われる。先ずクロスセクションポリッシャ加工により粒子の断面写真を撮影する。次いで写真視野の中から任意のひとつの粒子をくり抜き、その重量を測定する。更にその中から空隙部分をくり抜き、空隙部分の全質量を測定する。そして複合粒子内部の空間率は「写真中の任意の粒子の空隙部分の全質量/写真中の任意の粒子の重量」×100(%)にて定義する。任意の場所から20視野の写真を撮影し、1視野5粒子を任意に選んで、上記定義に基づいて空間率を測定し、これらの測定結果から平均空間率を求める。
このように構成された負極活物質では、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有するので、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池が充放電を繰り返したときに、複合粒子内のポアが充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和できる。またニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在するので、即ち複数のポアを有する母材でありかつ硬度及び導電率の比較的低いスズの外面又はポア内面に、硬度及び導電率の比較的高いニッケルの偏在したスズ層が形成されるので、充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保できる。更に複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有しかつ複合粒子内部の空間率が比較的大きいので、スズのリチウムとの反応面積が比較的広くなる。この結果、スズがリチウムと効率良く反応するというスズ本来の性能を引き出すことができる。従って、本発明の負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び出力特性に優れ、寿命が長くなり、かつ容量が高くなる。
本発明の負極活物質を構成する複合粒子は、平均粒径が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲に粒径制御されることがその取り扱い易さから好ましい。このように粒径制御された複数の複合粒子からなる粉末は、スラリー化して負極集電体に塗工することができ、従来からのリチウムイオン二次電池製造プロセスを適用できる。ここで、複合粒子の平均粒径を上記範囲に限定したのは、平均粒径が0.1μm未満ではスラリー化が困難となり、既存のリチウムイオン二次電池製造プロセスに適用できない不具合があり、20μmを越えるとニッケルの偏在したスズ層による膨張抑制効果が不十分となり、サイクル特性が低下する不具合があるからである。なお、複合粒子の平均粒径は、粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−950)を用いて測定し、体積基準平均粒径を平均粒径とした。
また、負極活物質は、構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含むことが好適である。クロムや亜鉛を含ませることで、初回放電容量を増大させることができる。この理由の詳細は不明であるが、クロムや亜鉛を含有することで、粒子中心部まで速やかにリチウムが拡散することができるのではないかと推察される。クロムの含有量は質量比で0.005〜1%、好ましくは0.1〜0.9%であり、亜鉛の含有量は質量比で5〜50ppm、好ましくは10〜30ppmの範囲である。ここで、クロム及び亜鉛の含有量を上記範囲に限定したのは、クロムの含有量が0.005%以上又は亜鉛の含有量が5ppm以上でないと初回放電容量の増大効果が発現せず、クロムの含有量が1%又は亜鉛の含有量が50ppmを上回ると、ニッケルの偏在したスズ層の強度が低下し保護効果が低下し、サイクル特性が低下してしまう不具合を生じるからである。なお、本発明の負極活物質を構成する複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量はICP(誘導結合プラズマ)を用いた定量分析により求めることができる。
また、負極活物質は、ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種の分散剤を更に含むことが好適である。上記種類の分散剤を含ませることで、分散剤が粒子を覆うことになり、ニッケルの偏在したスズ層による膨張収縮抑制効果を増強し、サイクル特性を向上させることができる。更に、負極活物質には、カーボンナノファイバー(CNF)からなる導電性助剤を添加することが好適である。この導電性助剤を添加することで、導電性助剤が粒子を覆うことになり、負極全体に網目状に導電性パスを形成することができるので、サイクル特性を更に向上させることができる。
次に、上記リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法を説明する。本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合し、この混合液の温度、pH、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより製造される。具体的には、上記スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合することにより、この混合液中でスズイオン及びニッケルイオンを還元させて複合粒子を合成し、上記混合液の温度、pH、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより、複合粒子内部のスズ(Sn)を溶出させて複合粒子内部の空間率を制御する。これにより、スズとニッケルの合計量に対するニッケルの割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、かつ複合粒子内部の平均空間率が20〜80%である負極活物質が製造される。
上記混合液中で還元反応させると、先ず、スズイオンが還元して均一なスズ粒子が生じ、このスズ粒子が一定の粒径まで成長する。続いて、ニッケルイオンが還元し、一定の粒径にまで成長したスズ粒子を母材として、この母材の周囲に上記ニッケルが進入し、スズ粒子の外面にニッケルが偏在した複合粒子となる。上記混合液の温度、pH、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整すると、上記複合粒子にこの粒子の表面に連通する複数のポアが形成されるとともに、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在して、複合粒子の外面及びポアの内面にニッケルの偏在したスズ層が形成される。このニッケルの偏在したスズ層におけるニッケル濃度は複合粒子の外面及びポアの内面からスズ母材内方に向うに従って次第に低くなり、スズ濃度は複合粒子の外面及びポアの内面からスズ母材内方に向うに従って次第に高くなるように形成される(図1)。なお、上記複合粒子に複数のポアが形成されるのは次の理由によると推察される。スズの水素過電圧は高いため、スズの溶解反応は起こり難い。一方、ニッケルの水素過電圧はスズの水素過電圧より低いため、スズとニッケルが接することによってニッケル側から水素が発生する。この結果、複合粒子内部のスズが非常に溶け易くなるので、複合粒子に複数のポアが形成される。
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液には、得られる複合粒子の凝集を抑制する分散剤を含ませることが好ましい。分散剤としては、ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンから選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
還元剤水溶液に含まれる2価クロムイオンは、還元剤としての機能を有する。この2価クロムイオンは不安定であるため、還元剤水溶液はスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と混合する際にその都度調製することが好ましい。具体的には、例えば、塩化第2クロム溶液を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で金属亜鉛に接触させるか、或いは電気化学的にクロムを還元し、塩化第1クロム溶液としたものを用いるとよい。塩化第2クロム溶液はpH0〜2に調整することが好ましい。それはpHが上限値を越えると、3価クロムイオンが水酸化物として沈殿するという不具合が生じ易いからである。
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合した混合液の温度は15〜50℃、好ましくは25〜40℃に設定され、混合液のpHは0〜4、好ましくは0〜2に設定される。また上記混合液の処理時間は1〜40時間、好ましくは3〜30時間に設定され、混合液の撹拌速度は0.2〜1.5m/秒、好ましくは0.4〜1.0m/秒に設定される。上記混合液の処理時間は、混合液の撹拌保持時間をいう。また上記混合液の撹拌速度は、撹拌羽根の回転により混合液が流動したときの混合液の平均流速をいう。ここで、混合液の温度を上記範囲に限定したのは、15℃未満では、スズが溶け難くなり、複合粒子に複数のポアが形成され難くなるため、充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和する効果が低下してしまい、50℃を越えると、スズの溶出が促進され、サイクル特性は良好であるけれども、スズの量が少なくなって初回放電容量が小さくなってしまうからである。また、混合液のpHを上記範囲に限定したのは、pHが0未満では、スズの溶出が促進されて、サイクル特性が良好であるけれども、スズの量が少なくなって初回放電容量が小さくなってしまい、pHが4を越えると、スズとニッケルが接することによるニッケル側からの水素発生が生じ難くなって、複合粒子内部のスズが溶け難くなるので、複合粒子に複数のポアが形成され難くなり、これにより充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和する効果が低下してしまうからである。また、混合液の処理時間を上記範囲に限定したのは、1時間未満では、複合粒子に形成されるポアの数が少なくなるため、充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和する効果が低下してしまい、40時間を越えると、目的の負極活物質を得るための時間が掛かり過ぎ、これにより製造コストが増大し、生産効率が低下してしまうからである。更に混合液の撹拌速度を上記範囲に限定したのは、0.2m/秒未満では、混合液の組成を均一に保つことができなくなって、所望の負極活物質を得ることができず、1.5m/秒を越えると、所望の負極活物質を得るために過剰のエネルギーを投入することになり、エネルギーコストの無駄が発生してしまうからである。なお、混合液の温度は高くなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなり、混合液のpHは小さくなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなる傾向にある。また、混合液の処理時間は長くなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなり、混合液の撹拌速度は速くなるに従って複合粒子の比表面積が大きくなる傾向にある。
このように本発明の製造方法は湿式法であり、水溶液調製や還元反応がともに室温程度の温度で実施可能であるため、イニシャルコストが多大にかかる特殊な装置類も不要となり、製造コストを抑制できる。
なお、製造する負極活物質の構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含ませる場合には、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を増減させる、還元剤水溶液を調製する際に使用する金属亜鉛量を増減させる、塩化亜鉛をスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液や還元剤水溶液に加えるなどの手法により、クロムや亜鉛の含有量を制御することができる。
次に上記得られた負極活物質と導電助剤と結着剤とを所定の割合で混合した後、この混合物に所定の割合(例えば、負極活物質、導電助剤及び結着剤の合計量100質量%に対して35〜60質量%)で溶媒を混合することにより負極用組成物のスラリーを調製する。次に上記負極用組成物のスラリーを負極集電体上に、ドクターブレード法などの手法により塗布した後に乾燥して負極を作製する。
なお、負極の作製に使用した導電助剤、結着剤、溶媒及び負極集電体は、特に限定されるものではなく、従来より一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、導電助剤としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、VGCF或いは銅やチタン等のリチウムと合金化し難い金属粉末などが挙げられる。そして導電助剤は、複合粒子の外面、又は複合粒子の内面及びポアの内面に網目状に付着するように構成される。また、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などが挙げられる。溶媒としてはN−メチルピロリドン、水などが挙げられる。負極集電体としては銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが挙げられる。
このようにして得られた負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する。正極活物質をバインダ及び導電助剤と所定の割合で混合して正極用組成物のスラリーを調製する。次に、上記正極用組成物のスラリーを正極集電体上に、ドクターブレード法などの手法により塗布した後に乾燥して正極を作製する。
なお、正極の作製に使用した正極活物質、バインダ、導電助剤及び正極集電体は、特に限定されるものではなく、従来より一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4などが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、VGCF、黒鉛等が挙げられる。また、バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。正極集電体としては、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケル箔等が挙げられる。
次に、負極集電体上に負極活物質層を形成して得られた負極と、セパレータと、正極集電体上に正極活物質層を形成して得られた正極とを正極と負極の活物質面をそれぞれ対向させた状態で積層し、積層体を形成する。セパレータは合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等から形成される。
そして、上記積層体の正極側裏面及び負極側裏面にそれぞれメッシュ材の一端を接続し、袋状に作製したアルミラミネート材にメッシュ材の他端がはみ出るように積層体を装填する。次に、ラミネート材の開口部から非水電解液を加え、真空引きしながら、ラミネート材の開口部を熱融着させることより、リチウムイオン二次電池が得られる。
正極側裏面に接続したメッシュ材としてはアルミメッシュ材が、負極側裏面に接続したメッシュ材としてはニッケルメッシュ材が使用される。
また、非水電解液には、非水溶媒に電解質を溶解させた溶媒が使用される。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の鎖状エーテルや、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル、クラウンエーテル、γ−ブチロラクトン等の脂肪酸エステル、アセトニトリル等の窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫化物等が例示される。上記非水電解液は単独で使用しても、2種以上混合した混合溶媒として使用してもよい。電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ほうフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]等のリチウム塩が例示される。
このように製造されたリチウムイオン二次電池では、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有するので、リチウムイオン二次電池が充放電を繰り返したときに、複合粒子内のポアが充電時の複合粒子の体積膨張を吸収して緩和でき、またニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在するので、充放電時の体積膨張・収縮による応力を緩和できるとともに導電性を確保でき、更に複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有しかつ複合粒子内部の空間率が比較的大きいので、スズのリチウムとの反応面積が比較的広くなる。この結果、スズがリチウムと効率良く反応するというスズ本来の性能を引き出すことができるので、本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び出力特性に優れ、寿命が長くなり、かつ容量が高くなる。また、負極活物質にカーボンナノファイバー(CNF)からなる導電性助剤を添加すると、この導電性助剤が粒子を覆うことになり、負極全体に網目状に導電性パスを形成することができるので、活物質当りの初回放電容量及びサイクル特性を更に向上させることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、イオン交換水に分散剤、塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を、合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が20原子%となるような割合で加え、撹拌溶解し、塩酸を更に加えてpHを1.30に調整した。分散剤にはポリアクリル酸を用いた。
一方、イオン交換水に塩化クロム(III)を加えて撹拌溶解し、これに金属亜鉛(Zn)を投入することでクロムイオンを3価から2価に還元し、全クロムイオン中の2価のクロム比が70%以上となるように調製した。これを還元剤水溶液とした。
次に、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合し、撹拌保持時間を24時間としてスズイオンとニッケルイオンを還元反応させた。この混合液の温度は25℃であり、pHは1.30[a.u.](arbitrary units:任意単位)(図2)であり、撹拌速度は0.5m/秒であった。
その後、撹拌混合した液を静置し、合成した粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。続いて、沈降物にイオン交換水を加えて撹拌洗浄、静置沈降及び上澄み液除去の操作を数回繰り返し、最後にエタノールで撹拌洗浄、静置沈降及び上澄み液除去を行った。得られた沈降物を真空乾燥することで、スズとニッケルの合計量に対するニッケルの割合が20原子%である複合粒子からなり、この複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し(図3)、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在し、更に複合粒子内部の平均空間率が20%である負極活物質を得た。
<実施例2>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを1.00[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は30%であった。
<実施例3>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.71[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は40%であった。
<実施例4>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.57[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は50%であった。
<実施例5>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.43[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は70%であった。
<実施例6>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.34[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は80%であった。
<比較例1>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを1.50[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は10%であった。
<比較例2>
スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを所定の割合で混合した混合液のpHを0.25[a.u.](図2)としたこと以外は実施例1と同様にして負極活物質を得た。この負極活物質の複合粒子内部の平均空間率は90%であった。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜6と比較例1及び2の負極活物質について、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表1に示す。なお、表1中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表1の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Ni位置」において、「偏在」はニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やニッケルの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
また実施例1〜6と比較例1及び2の負極活物質を用い、負極活物質粉末を導電助剤、結着剤、溶媒と混合しスラリーをそれぞれ調製した。即ち、合成した負極活物質粉末、アセチレンブラック、カーボンナノファイバー(CNF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)及びn−メチルピロリジノン(NMP)を質量比で80:5:5:10:100の割合となるように秤量し、混練機を用いて混練することでスラリーを作製した。
次に、得られたスラリーをアプリケータを用いて銅箔上に活物質密度が5mg/cm2となるように塗布し、乾燥、圧延し、幅3cm長さ3cmに切断することで負極電極を作製した。
上記作製した負極を用いて半電池を組み、充放電サイクル試験を行った。対極及び参照極にはリチウム金属を用い、電解液には1M濃度で六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解した炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)の等体積溶媒を用いた。充電は電圧が5mVとなるまで0.5mA/cm2の定電流条件で実施し、その後、電流が0.01mA/cm2になるまで5mVの定電圧条件で実施した。
放電は電圧が1Vになるまで0.5mA/cm2の定電流条件で実施した。充電と放電を各1回実施した状態を1サイクルとし、100サイクルまでの充放電試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。得られた評価結果を次の表1に示す。
表1から明らかなように、複合粒子内部の平均空間率が10%である比較例1では、初回放電容量が552mAh/gと低くなり、また複合粒子内部の平均空間率が90%である比較例2では、初回放電容量が491mAh/gと低くなったのに対し、複合粒子内部の平均空間率が20〜80%の範囲内である実施例1〜6では、初回放電容量が576〜801mAh/gと大きくなった。これらの結果から、複合粒子内部の平均空間率には初回放電容量を高めるのに最適な範囲が存在することが確認された。なお、比較例1では、スズのリチウムとの反応面積が狭過ぎたため、初回放電容量が低くなり、比較例2では、リチウムと反応するスズの量が少な過ぎたため、初回放電容量が低くなったのに対し、実施例1〜6では、リチウムとの反応面積が広く、かつリチウムと反応するスズの量が比較的多かったため、初回放電容量が高くなったものと推察される。
また、複合粒子内部の平均空間率が10%である比較例1では、寿命特性が89.1%と低かったのに対し、複合粒子内部の平均空間率が20〜90%の範囲内である実施例1〜6及び比較例2では、寿命特性が94.2〜98.4%と高くなった。これは、比較例1では、複合粒子がこの粒子表面に連通するポアを有せず、電池充電時の複合粒子の体積膨張を吸収できなかったため、寿命特性が低くなったのに対し、実施例1〜6及び比較例2では、複合粒子がこの粒子表面に連通する複数のポアを有し、電池充電時の複合粒子の体積膨張を複数のポアが吸収して緩和できたため、寿命特性が高くなったものと推察される。
<実施例7>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が5原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例8>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が10原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例9>
実施例4と同様に、合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が20原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製して負極活物質を得た。
<実施例10>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が30原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例11>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が40原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較例3>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が3原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較例4>
合成して得られる複合粒子のスズとニッケルの合計に対するニッケル割合が45原子%となるような割合で塩化スズ(II)及び塩化ニッケル(II)を加えてスズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液を調製したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較例5>
スズとニッケルの合計に対するニッケル割合が20原子%であり、中心部と外周部での組成の偏りがなく粒子が略均一組成物となっているスズ−ニッケル粉を負極活物質とした。
<比較試験2及び評価>
実施例7〜11及び比較例3〜5の負極活物質について、上記比較試験1と同様に、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表2に示す。なお、表2中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表2の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Ni位置」において、「偏在」はニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やニッケルの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
実施例7〜11及び比較例3〜5の負極活物質を用い、上記比較試験1と同様に、負極電極を作製した。またこの負極電極を用い、上記比較試験1と同様に、半電池を組み、充放電サイクル試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。得られた評価結果を次の表2に示す。
表2から明らかなように、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在する構造である実施例7〜11と比較例3及び4では、いずれも高い寿命特性を示したのに対し、粒子中のニッケルとスズとを略均一とした比較例5では、寿命特性が39.8%と非常に低い結果であった。この結果から、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在した構造をとる複合粒子は非常に高いサイクル特性が得られることが確認された。
また、複合粒子が切断面において複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、ニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在した構造とし、ニッケル割合を変動させた実施例7〜11と比較例3及び4を比較すると、実施例7〜11のニッケル割合が5〜40原子%の範囲では、高い初回放電容量が得られ、かつ寿命特性も高い結果になったのに対し、比較例3の3原子%のようにニッケル割合が低くなると、寿命特性が低下し、比較例4の45原子%のようにニッケル割合が高くなると、初回放電容量が低くなる傾向が見られた。これらの結果から、粒子中のニッケル割合には適切な範囲が存在することが確認された。
<実施例12>
合成して得られる複合粒子に質量比で0.005%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例13>
合成して得られる複合粒子に質量比で0.1%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例14>
合成して得られる複合粒子に質量比で1%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例15>
合成して得られる複合粒子に質量比で5ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例16>
合成して得られる複合粒子に質量比で25ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例17>
合成して得られる複合粒子に質量比で50ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調製する際の金属亜鉛投入量を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例18>
合成して得られる複合粒子に質量比で1.5%のクロムが更に含まれるように、スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と還元剤水溶液との混合割合を調節したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<実施例19>
合成して得られる複合粒子に質量比で75ppmの亜鉛が更に含まれるように、還元剤水溶液を調節する際の金属亜鉛投入量を調整したこと以外は実施例4と同様にして負極活物質を得た。
<比較試験3及び評価>
実施例12〜19の負極活物質について、上記比較試験1と同様に、ICP定量分析を行い、複合粒子中のスズ、ニッケル、クロム、亜鉛の各含有量を求めた。得られた結果を次の表3に示す。なお、表3中の「<0.001」及び「<2」は、ICPの検出限界以下の測定値であったことを示す。また、表3の「負極活物質の構造」の「ポア」において、「有」は負極活物質の複合粒子が複数のポアを有することを示し、「負極活物質の構造」の「Ni位置」において、「偏在」はニッケルが複合粒子の外面及びポアの内面に偏在することを示す。上記複数のポアの存在やニッケルの偏在は、負極活物質の電子顕微鏡写真や、この負極活物質の断面における電子顕微鏡写真により確認した。
実施例12〜19の負極活物質を用い、上記比較試験1と同様に、負極電極を作製した。またこの負極電極を用い、上記比較試験1と同様に、半電池を組み、充放電サイクル試験を行い、初回の活物質重量あたりの放電容量と、100サイクル目の放電容量の初回放電容量に対する割合を寿命特性として性能評価した。得られた評価結果を次の表3に示す。
表3から明らかなように、クロムを0.005〜1%又は亜鉛を5〜50ppm更に含有させた実施例12〜17では、クロムの含有量が0.001%未満及び亜鉛の含有量が2ppm未満と低い実施例4の結果に比べ、高い初回放電容量が得られた。一方、クロムの含有量が1.5%と高い実施例18及び亜鉛の含有量が75ppmと高い実施例19では、実施例4の結果と同程度の高い初回放電容量が得られているが、寿命特性が低い結果となった。これらの結果から、クロムや亜鉛を所定量含有することで初回放電容量値を高めることができる一方、クロムや亜鉛を含有し過ぎると、その特性が低下してしまうことから、クロムと亜鉛の含有量には適切な範囲が存在することが確認された。

Claims (12)

  1. スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、前記複合粒子が切断面において前記複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、前記ニッケル(Ni)が前記複合粒子の外面及び前記ポアの内面に偏在し、かつ前記複合粒子内部の平均空間率が20〜80%であるリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  2. 前記複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmである請求項1記載の負極活物質。
  3. 構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含む請求項1又は2記載の負極活物質。
  4. 前記クロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、前記亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmである請求項3記載の負極活物質。
  5. ポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種を更に含む請求項1ないし4いずれか1項に記載の負極活物質。
  6. 負極活物質を有する負極と、正極活物質を有する正極と、非水電解質とを備えたリチウムイオン二次電池において、
    前記負極活物質が、スズ(Sn)とニッケル(Ni)の合計量に対するニッケル(Ni)の割合が5〜40原子%である複合粒子からなり、前記複合粒子が切断面において前記複合粒子の表面に連通する複数のポアを有し、前記ニッケル(Ni)が前記複合粒子の外面及び前記ポアの内面に偏在し、かつ前記複合粒子内部の平均空間率が20〜80%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  7. 前記複合粒子の平均粒径が0.1〜20μmである請求項6記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記負極活物質の構成元素として、クロム(Cr)及び亜鉛(Zn)のうち少なくとも1種を更に含む請求項6又は7記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記クロム(Cr)の含有量が質量比で0.005〜1%であり、前記亜鉛(Zn)の含有量が質量比で5〜50ppmである請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記負極活物質にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種を更に含む請求項6ないし9いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. スズイオン及びニッケルイオンを含む水溶液と2価クロムイオンを含む還元剤水溶液とを混合し、この混合液の温度、pH、処理時間又は撹拌速度の少なくとも1つの条件を調整することにより、前記混合液中で前記スズイオン及びニッケルイオンを還元させて複合粒子を合成するとともに、前記複合粒子内部のスズ(Sn)を溶出させて前記複合粒子内部の空間率を制御し、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を製造する方法。
  12. 前記混合液中にポリアクリル酸、水溶性セルロース及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種の分散剤を更に含む請求項11記載の負極活物質の製造方法。
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