JP5581497B1 - 非常用混ぜご飯缶 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルファ化米に副食に相当する食材である、例えば、栗の実と香ばしい栗の渋皮をお茶にしたものを使用するとともに、発熱材を用いることで、風味があり、温かい非常用混ぜご飯缶を提供する。
【解決手段】上に蓋2が設けられ、アルファ化米4と乾燥具5とが混ぜ合わされたものが収容された上段部7と、上段部7との間を仕切る網目構造の仕切り10が設けられ、乾燥した具材が粉砕された乾燥具茶8が収容された中段部9と、中段部9との間を仕切る仕切り13が設けられ、発熱剤11が収容された下段部12とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】上に蓋2が設けられ、アルファ化米4と乾燥具5とが混ぜ合わされたものが収容された上段部7と、上段部7との間を仕切る網目構造の仕切り10が設けられ、乾燥した具材が粉砕された乾燥具茶8が収容された中段部9と、中段部9との間を仕切る仕切り13が設けられ、発熱剤11が収容された下段部12とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、非常食として用いられるアルファ化米を使用した混ぜご飯であって、乾燥具茶と発熱材を備えた非常用混ぜご飯缶に関する。
災害への対策として非常食への関心が高まっている。その中で非常時にも温かいご飯を食べたいという要望が多くの場面で求められている。しかし、従来の非常食は、災害地では、多くの場合、水や火がないので、冷たいご飯に加えて、咀嚼後、溜印するとき、喉につかえることが多い物であった。
そこで、色調が通常のご飯と同じように白く良好な食感を奏する即席米飯として、特許文献1が知られている。
この特許文献1に開示された即席米飯は、原料の粳米をアルファ化してアルファ化米を得る工程と、アルファ化米を乾燥させて乾燥アルファ化米を得る工程とを含む即席米飯の製造方法において、原料の粳米として、アミロース含量が15重量%以下の低アミロース米を用いている。また、このようにして得られた即席米飯は、冷水(温度20℃)で30分以内(好ましくは25分、より好ましくは20分)に復元する性質である冷水復元性を有している。
この特許文献1の技術によれば、重量比で2倍の水で戻すことで、冷水でも短時間で簡単に喫食することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された従来の即席米飯は、冷水を加えるので、夜や寒冷地においては、食すことで体が冷え、また、食感的に劣るもであった。
また、災害地では、副食(おかず、以下副食という。)に相当するものがないことが多く、冷たいご飯だけでは、食し難いものであった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、アルファ化米に副食に相当する食材である、例えば、栗の実と香ばしい栗の渋皮をお茶にしたものを使用するとともに、発熱材を用いることで、風味があり、温かい非常用混ぜご飯缶を提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の非常用混ぜご飯缶は、上に蓋が設けられ、アルファ化米と乾燥具とが混ぜ合わされたものが収容された上段部と、前記上段部との間を仕切る網目構造の第1仕切りが設けられ、乾燥した具材が粉砕された乾燥具茶が収容された中段部と、前記中段部との間を仕切る第2仕切りが設けられ、発熱剤が収容された下段部とを備えることを特徴としている。
請求項1に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、下段部に発熱材を備えているので、下段部から中段部と上段部とを加熱することができ、別途お湯を沸かすという手間をかけることなく温かい混ぜご飯を提供することができる。
また、請求項1に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、上段部において、アルファ化米と乾燥具とが前もって混ぜ合わされているので、乾燥具を副食として提供することができる。
さらに、請求項1に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、上段部と中段部との間の第1仕切りが網目構造であるので、水分の移動のみが可能となり、中段部に備えた乾燥具茶の風味を網目構造の第1仕切りを介してアルファ化米に浸透させて炊き込むことができ、また、風味を付与するが食用に適さない乾燥具茶の部分を網目で仕切ることができるので、不要物が混入することがなく、食感が劣ることがない。
請求項2に記載の非常用混ぜご飯缶は、請求項1において、前記乾燥具が栗であり、前記乾燥具茶が栗の渋皮を乾燥させたものであることを特徴としている。
請求項2に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、請求項1の効果に加えて、乾燥具が栗であり、乾燥具茶が栗の渋皮を乾燥させたものであるので、栗の風味が浸透したアルファ化米と栗とが混ざった温かい栗ご飯を提供することができる。
請求項3に記載の非常用混ぜご飯缶は、請求項1又は請求項2において、喫食に必要なスプーン、フォーク及び箸等の用具を備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、請求項1又は請求項2の効果に加えて、喫食に必要なスプーン、フォーク及び箸等の用具を備えたことにより、用具を別途準備する必要もなく、また、非常時には水が不足していることが多い中で、用具を洗って繰り返し使用することもなく、他人と共用したり、手で食べる等することがないので、非常時においても衛生的に食べることができる。
請求項4に記載の非常用混ぜご飯缶は、請求項1乃至請求項3のうち何れか1つにおいて、前記蓋は、タブを備えており、タブが引かれることで開封されることを特徴としている。
請求項4に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、請求項1乃至請求項3のうち何れか1つの効果に加えて、缶に蓋を開けるタブを備えているので、缶切りを常備せずに手で容易に缶を開けることができる。
請求項5に記載の非常用混ぜご飯缶は、請求項1乃至請求項4のうち何れか1つにおいて、調味料を備えたことを特徴としている。
請求項5に記載の非常用混ぜご飯缶によれば、請求項1乃至請求項4のうち何れか1つの効果に加えて、各々の好みの味に調整することができ、また、混ぜご飯の具材へ味の浸透を十分に行うことができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、例えば、図1に示すような構成の非常用混ぜご飯缶1に適用される。
先ず、図1乃至図6を参照して、非常用混ぜご飯缶1の構成について説明する。この非常用混ぜご飯缶1は、図1に示すように、容器の蓋となる蓋2と、缶14の蓋となる上面3と、アルファ化米4と乾燥具5とが混ぜ合わされた混ぜご飯6が収容された上段部7と、乾燥した具材が粉砕された乾燥具茶8が収容された中段部9と、上段部7と中段部9との間を仕切る網目構造の仕切り10(請求項1に記載の第1仕切りに対応。)と、発熱剤11が収容された下段部12と、中段部9と下段部12との間を仕切る仕切り13(請求項1に記載の第2仕切りに対応。)とを主要部として備えている。
蓋2は、図2に示すように、缶14の上部近辺の周囲に設けられた凸部15と、蓋2の内面の周囲に設けられた凹部16との嵌合によって取り外し可能に固定されている。
蓋2は、例えばアルミニウム、ブリキ、ポリエチレン樹脂等からなるが、蓋2の内面に接着材(図示省略)によって取外し可能に仮着された用具17の所在を肉眼で透視可能なようにするために、半透明に処理されたポリエチレン樹脂が好ましい。
上面3は、例えば、アルミニウムからなり、図1及び図4に示すように、缶14の最上部に備えられており、また、缶14の内側の周囲に沿って上面3の厚み方向にV字状に切り込まれた切込み部18が円形に設けられている。
上面3は、表面に、指等で引き揚げることによって切込み部18に沿って開口できるようにタブ19が連結して備えられている。
タブ19は、例えば、上面3の一部を開口する構造のパーシャルオープンエンド又は上面3の全体を開口するフルオープンエンドを使用することができるが、収納物がジュースなど液体でなく混ぜご飯の固形物なので、食べ残しがないようにするため、開口面積が広いフルオープンエンドの方が好ましい。
アルファ化米4は、炊飯または蒸煮などの加水加熱によって米の澱粉をアルファ化(糊化)させたのち、乾燥処理によってその糊化の状態を固定させた乾燥米飯であり、熱湯や冷水を注入することで飯へ復元し、可食の状態となる。また、米を水に浸漬する際に水とともにしょうゆ等の調味料を加えて米に味を付けておくことが好ましい。
乾燥具5は、例えば、脱水した乾燥栗の実を用いる。風味を残すために、生栗を略1センチメートル角に切り、しょうゆ及び塩等の調味料で味付け調理し、乾燥させる。また、より風味を出すためにシイタケを少量加えることが好ましい。生栗の実は、アルファ化米4とともに後述の上段部7に収納され、生栗の渋皮を後述の乾燥具茶8として使用することができるので、食材の全体を使用することができる。栗の他に例えば、竹の子、エンドウ、シイタケなどを乾燥具5としてもよい。竹の子の場合は、竹の子の実と外皮が、エンドウの場合は、エンドウの実と袋が、乾燥具5と乾燥具茶8にそれぞれ相当する。
混ぜご飯6は、アルファ化米4と乾燥具5とを混ぜ合わせ、後述の上段部7に収納される。
上段部7は、後述する三層構造からなる缶14の上部であり、混ぜご飯6を収容する。
乾燥具茶8は、例えば、生栗の渋皮を細かく乾燥させ細かく粉砕したものを
用いる。また、乾燥具茶8は、後述の中段部9に収納される。
用いる。また、乾燥具茶8は、後述の中段部9に収納される。
中段部9は、後述する三層構造からなる缶14の中部であり、乾燥具茶8を収容する。
上段部7と中段部9との間は、仕切り10で仕切られている。仕切り10は、図5に示すように、乾燥具茶8の香ばしい香りを混ぜご飯6に移行できるようにするとともに混ぜご飯6と乾燥具茶8とが混ざらないように100〜200メッシュ程度の細かいメッシュが好ましく用いられる。また、仕切り10の材質は、樹脂、ステンレス、ブリキ等を使用することができる。
発熱剤11は、後述の下段部12に収容されており、発熱材11は、鉄粉・水・バーミキュライト・活性炭・塩類を適宜比率で混合した混合物である。これにより、発生する熱量に比して、重量と嵩の少ない発熱材料を得ることができるとともに、発熱反応においても、発生する加熱水蒸気は、無味、無臭で、有害物質は一切含まれていないため、安全である。また、苛性ソーダを主成分として水を加えて反応させる反応熱による方法を使用することもできる。
下段部12は、後述する三層構造からなる缶14の下部であり、発熱剤11を収容する。
中段部9と下段部12との間は、仕切り13で仕切られている。仕切り13の材質は、後述する三層構造からなる缶14と同質材料にするのが好ましい。図示しないが、飲料水のような清潔な水を仕切り13の開口(図示しない。)を通じて発熱材に注入できるように仕切り13に2〜4ケ所開口が設けられている。
発熱材は、乾燥具茶8の中に漏れないように不織布からなる透水性袋に封入されている。また、仕切り13に開口を設ける場合は、発熱材が有害物質を含まない場合に限られ、仕切り13は、上述の様々発熱方法によって、開口を設けず、中段部9と下段部12との間を完全に遮断する構造としてもよい。中段部9と下段部12との間を遮断する構造の場合は、缶14の底面に例えば直径1mm程度の小さい開口を設けるようにする。
缶14は、円筒状のアルミニウム缶を用いることができる。仕切り10及び仕切り13の位置を定めて固定するため、図2に示すように内面に例えば凸部を設けるのが好ましい。また、缶14は、非常用混ぜご飯缶21の構成を示す図6のように、外形形状を四角柱とした構成にしてもよい。
用具17は、スプーン、フォーク、箸等を使用できるが、図4に示すように先端がフォーク状のスプーンの形状であれば、汁の多い混ぜご飯の場合掬い易いので好ましい。また、用具17は、缶毎に備えられていれば、備え付けの場所は限定されないが、缶14の上面3の表面又は蓋2の裏面側に備え付けられたものの方が、その存在を容易に知ることができるので好ましい。
このような非常用混ぜご飯缶1は、密閉容器に収容され、調理済み脱水食品である混ぜご飯6を脱水前の状態に還元するのに当量する還元用水に調味料を添加してなるものを付属せてもよい。また、用具17とともに小袋に収容した調味料を別途付属させて、各々の味覚にあった味に調整するようにしてもよい。
続いて、前述のように構成された非常用混ぜご飯缶1,21の使用方法について説明する。ユーザは、先ず、非常用混ぜご飯缶1,21の容器の蓋となる蓋2を取り外し、上面3上の用具17及び調味料等の付属品を取り出す。
次に、タブ19に指を掛けて上方に引き起こすとともに、切り込み部18に沿って缶14の蓋である上面3を切り取り開口する。この時、タブ19が設けられているので、ユーザは缶切り等を別途準備することなく容易に缶14を開くことができる。
続いて、飲料水等の清潔な水を上記開口から適量を注ぎ入れた後、非常用混ぜご飯缶1,21の開口を完全に密封しないように留意しながら取り外した上面3で開口を覆って、混ぜご飯6が柔らかくなるまで適当な時間放置すると炊いた直後の米と同様の堅さに還元される。
この時、仕切り10はメッシュであり、仕切り13に2〜4ケ所開口を設けているので、開口から注がれた水は、上段部7、仕切り10、中段部9、仕切り13を順次通過して、下段部12まで届くので、透水性袋の中に封入されている発熱材11は、水に満遍なく均一に浸り、表面全体から均一に水を吸収し、生石灰は発熱を開始する。高温になった水の一部は、水蒸気となって、下段部12中に充満するとともに、仕切り13に設けた2〜4ケ所の開口を通じて水蒸気の一部が抜け出て、下段部12の内圧は調整される。
下段部12で発生した水蒸気と温められた空気は上昇するので、仕切り13に設けた2〜4ケ所の開口、中段部、仕切り10、上段部7へと順次伝わって、上段部7に収容された混ぜご飯6を温める。また、缶14は、熱伝導のよいアルミニウム缶であるので、缶14自体が温まり、その接触面からも混ぜご飯6を温める。
このように、水と反応する発熱方法を使用することができるので、ユーザは、別途お湯を沸かす手間がなくなり、水を注ぐという一つの動作で、混ぜご飯6の還元と加熱という2つの効果を得ることができ、付属の用具17を使って、温かい混ぜご飯6を食することができる。
また、注入する水に、付属されている塩、醤油、出汁、化学調味料等の調味料を適宜添加したり、混ぜご飯6に直接調味料等を振りかけることもできるので、ユーザは、混ぜご飯6を好みの味に調整することができる。
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 非常用混ぜご飯缶
2 蓋
3 上面
4 アルファ化米
5 乾燥具
6 混ぜご飯
7 上段部
8 乾燥具茶
9 中段部
10 仕切り
11 発熱材
12 下段部
13 仕切り
14 缶
15 凸部
16 凹部
17 用具
18 切り込み部
19 タブ
21 非常用混ぜご飯缶
2 蓋
3 上面
4 アルファ化米
5 乾燥具
6 混ぜご飯
7 上段部
8 乾燥具茶
9 中段部
10 仕切り
11 発熱材
12 下段部
13 仕切り
14 缶
15 凸部
16 凹部
17 用具
18 切り込み部
19 タブ
21 非常用混ぜご飯缶
Claims (5)
- 上に蓋が設けられ、アルファ化米と乾燥具とが混ぜ合わされたものが収容された上段部と、
前記上段部との間を仕切る網目構造の第1仕切りが設けられ、乾燥した具材が粉砕された乾燥具茶が収容された中段部と、
前記中段部との間を仕切る第2仕切りが設けられ、発熱剤が収容された下段部とを備える非常用混ぜごはん缶。 - 前記乾燥具が栗であり、
前記乾燥具茶が栗の渋皮を乾燥させたものであることを特徴とする請求項1に記載の非常用混ぜごはん缶。 - 喫食に必要なスプーン、フォーク及び箸等の用具を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非常用混ぜごはん缶。
- 前記蓋は、タブを備えており、タブが引かれることで開封されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか1つに記載の非常用混ぜごはん缶。
- 調味料を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち何れか1つに記載の非常用混ぜごはん缶。
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JP2014007964A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-20 | Nissen Co Ltd | 発熱剤を含む米飯調理キット |
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2014
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