以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、本発明の実施形態に係る基板検査装置について説明する。本発明の実施形態に係る基板検査装置は、基板面に半田付けされる電子部品の半田付けの状態を検査する装置である。図1は、本発明の実施形態に係る基板検査装置を模式的に示した図である。
図1に示すように、基板検査装置1は、基板面71に対して垂直に光を出射するドーム照明10と、基板面71に対して平行に光を出射するローアングル照明20と、基板面71を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラ(撮影手段)30と、基板70を載置する基台40と、基板70を載置した基台40を移動するレール45から略構成されている。
ドーム照明10は、基板面71と対峙して配置されている。そして、ドーム照明10は、内面が反射面12とされ湾曲した形状(ドーム形状、御椀形状)をなす反射部材11と、反射部材11の基板側周囲部15に複数個配置された白色LED(白色光出射手段)13を有している。
反射部材11は、中央部が開口されており、この開口部16にはCCDカメラ30が設けられている。また、白色LED13は、レンズをCCDカメラ30側に向けて配置されており、反射面12側に白色光を出射することにより、間接的に基板面71に白色光を照射する。
ローアングル照明20は、基板70の周囲を囲むことが可能な形状(例えば、上面視すると、ドーム照明10と略同心円状の円形、又は、ドーム照明10の中心線が同一である四角形等)であり、反射部材11の基板側周囲部15に複数個配置された赤色LED21(着色光出射手段)を有している。赤色LED21は、レンズをドーム照明10の中心線に向けて配置されており、基板面71に対して略平行な方向に向けて着色光(赤色)を出射する。また、赤色LED21は、後述する半田付け部位74(図7(a)参照)の最下部より上側の位置(図7(a)の矢印A参照)に出射する。つまり、基板面71より所定間隔以内(半田付け部位74の最下部)には赤色の着色光を出射しない位置に赤色LED21が配置されている。
なお、本発明の実施形態では、着色光出射手段は、赤色LED21の場合について説明するが、着色光を出射する光源であれば他の色のLEDであってもよい(例えば、青色LED、緑色LED等)。
CCDカメラ30は、例えば、500万画素カラーCCDカメラであり、基板面71と対峙して開口部16に配置され、白色LED13及び赤色LED21を同時に発光したときに基板面71を撮影する。このように、CCDカメラ30を開口部16に設けることにより、後述する半田付け部位74(図7(a)参照)に照射された着色光を基板面71と対峙した位置から撮影することができ、高精度に半田付け状態を検査することができる。
白色LED13が発光した光は基板面71に対して垂直方向に出射し、赤色LED21が発光した光は基板面71に対して平行方向に出射するため、CCDカメラ30により撮影した画像は、基板面71に対する傾斜角度に応じて赤色の濃さが異なる画像(色位差が異なる画像)が撮影される。つまり、基板面71に対して平行な部分は白色LED12が発光した光により白く撮影されるが、基板面71に対する傾斜角度によっては赤色LED21が出射した光がCCDカメラ30に入り易くなるため、基板面71に対する傾斜角度に応じて赤色の濃さが異なるように撮影される。
基台40は、レール45の嵌合部(図示省略)と嵌合して、基板70を保持しながらレール45上を移動する。レール45は、基板70を上面視した場合に左右方向(X軸方向)に移動するX軸方向レール46と、基板70を上面視した場合に上下方向(左右方向に直交する方向、Y軸方向)に移動するY軸方向レール47から構成されている。
次に、図2を参照して、ドーム照明10の白色LED13と、ローアングル照明20の赤色LED21が照射した光と、CCDカメラ30により撮影した画像について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が基板面に白色光及び赤色光を照射した場合を示す図である。
図2(a)に示すように、ドーム照明10の白色LED13は、間接的に基板面71に白色光を照射する。つまり、白色LED13は、反射部材11側に白色光を出射し、反射部材11により反射した光は、基板面71に対して垂直方向に照射する。また、ローアングル照明20の赤色LED22は、基板面71に対して平行な方向に向けて赤色の着色光を出射する。つまり、白色LED13は、基板面71に対して垂直方向に照射するが、赤色LEDは、基板面71に対して平行方向に照射する。
図2(b)に示すように、基板面71に対して所定角度傾斜する方向に固定されているリード72等、基板面71に傾斜している部分に対して赤色LED21が照射した光は、基板面71に対する傾斜角度によってはドーム照明10側に反射するため(図2(b)の矢印L参照)、赤色光がCCDカメラ30(図1参照)に入り易くなる。また、基板面71に対して平行な部分に白色LED13が照射した光は、ドーム照明10側に反射するため、白色光がCCDカメラ30に入り易くなる。しかし、基板面71に対する傾斜角度が小さい場合には、赤色光がCCDカメラ30に入り難くなる。
つまり、赤色LED21と同時に白色LED13を発光してCCDカメラ30(図1参照)により基板面71を撮影すると、基板面71に対して平行な部分は白色の画像、基板面71に対して傾斜する部分は、基板面71に対する傾斜角度に応じて、赤色の濃さ(白色の濃さ)が異なる画像(色位差が異なる画像)が撮影される。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る基板検査装置1が備える回路の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の回路の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、基板検査装置1は、基板検査装置1全体を制御すると共に、CCDカメラ30(図1参照)による基板面71(図1参照)の撮影を行う撮影制御、CCDカメラ30で撮影された画像中の所定の領域を設定する領域設定、設定した領域中に含まれる着色領域を求める画像処理、電子部品のリード72(図2参照)の半田付けが良好か否かの判定等を行うCPU(Central Processing Unit)51を備えている。
CPU51(撮影制御手段、領域設定手段、画像処理手段、判定手段)には、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、CCDカメラ30と、ディスプレイ35と、発光制御部54と、移動制御部55と、警報灯36と、スピーカ37が接続されている。
ROM52は、CPU51により実行される制御プログラム、ディスプレイ35に表示する画像データ等を記憶する。また、RAM53は、制御プログラムの実行等により決定した各種データ等を記憶する。
CCDカメラ30は、CPU51から出力される信号に基づいて、基板面71(図1参照)を複数回撮影する。基板面71は、例えば、基板面71を上面視した場合に、縦4コマ、横6コマの撮影領域に分割されており、CCDカメラ30は分割された撮影領域毎に撮影する。CCDカメラ30で撮影した基板面71の画像はCPU51へ出力する。
ディスプレイ35は、CCDカメラ30で撮影した基板面71の画像を表示する。また、CPU51により判定したリード72の半田付けが良好であるか否か等の情報画像を表示する。
発光制御部54は、CPU51により出力された信号に基づいて、ドーム照明10の白色LED13(図1参照)、及び、ローアングル照明20の赤色LED21(図1参照)の発光を制御する。
移動制御部55は、CPU51により出力された信号に基づいて、基台40を移動することにより、基板面71に設定された撮影領域の全てをCCDカメラ30で撮影可能に制御する。
警報灯36は、CPU51によりリード72の半田付け状態が不良であると判定された場合、CPU51から出力される信号に基づいて点灯することにより作業者等に半田付けが不良である旨を報知する。
スピーカ37は、CPU51によりリード72の半田付け状態が不良であると判定された場合、CPU51から出力される信号に基づいて警報音を出力することにより作業者等に半田付け状態が不良である旨を報知する。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態に係る基板検査装置1の動作について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る制御処理のフローチャートを示す図である。図5は、本発明の実施形態に係る基板検査装置による判定結果を表示した画面を示す図である。
図4に示すように、はじめに、CPU51は、基台40(図1参照)に基板70(図1参照)を載置する(ステップS1)。つまり、CPU51は、検査対象となる基板70を所定の位置から、基台40へ移動する。基板70の移動は、一対の長尺形状の金属板等で基板70の一端及び他端を挟むことにより支持して移動してもよいし、一対の長尺形状の金属板等で基板面71(図1参照)の下方から支持して移動してもよい。
次に、CPU51は、基板70を所定の撮影位置へ移動する(ステップS2)。撮影位置とは、CCDカメラ30(図1参照)によって基板70を撮影可能な位置であり、例えば、基板面71を上面視した場合に、縦4コマ、横6コマの撮影領域に分割された複数の撮影領域のうち、任意の撮影領域(例えば、1回目の撮影は左上の撮影領域、2回目の撮影はその右隣の撮影領域等)をCCDカメラ30で撮影可能な位置へ基板70を移動する。
次に、CPU51は、白色LED13及び赤色LED21を同時に発光する(ステップS3)。つまり、ドーム照明10に複数個配置された白色LED13(図1参照)と、ローアングル照明20に複数個配置された赤色LED21(図1参照)を同時に発光する。白色LED13及び赤色LED21が出射した光は基板面71に入射する。
次に、CPU51は、CCDカメラ30で基板面71を撮影する(ステップS4)。つまり、ステップS2において、所定の位置へ移動した基板70に設定された任意の撮影領域をCCDカメラ30により撮影する。
次に、CPU51は、後で図6を参照して説明する判定処理を行う(ステップS5)。この処理では、CCDカメラ30により撮影された画像中の、電子部品のリード72近傍に所定の領域を設定し(図7から図9、図11から図13参照)、設定された所定の領域中に含まれる着色領域に基づいて、リード72の半田付けが良好であるか否かを判定する第1判定処理及び第2判定処理を行う。
次に、CPU51は、判定結果をディスプレイ35に表示する(ステップS6)。具体的には、図5に示すように、ディスプレイ35の基板判定画像領域35aにCCDカメラ30(図1参照)により撮影した基板面71の画像を表示する。ディスプレイ35は、基板判定画像領域35aの他に、総合判定を表示する総合判定領域35bと、検査基板70の情報等を表示する検査基板情報領域35cと、基板の不良情報等を表示する不良情報表示領域35d等を有している。
次に、CPU51は、所定回数撮影したか否かを判定する(ステップS7)。つまり、CCDカメラ30にて所定回数基板面71を撮影することにより、複数の撮影領域に分割された基板面71の撮影領域を全て撮影したか否かを判定する。CPU51は、所定回数撮影していないと判定したときには(ステップS7:NO)、ステップS2の処理に移り、複数の撮影領域のうち、任意の撮影領域(まだ、撮影されていない撮影領域)を撮影する。
一方、CPU51は、所定回数撮影したと判定したときには(ステップS7:YES)、最終判定結果をディスプレイ35に表示する(ステップS8)。つまり、複数の撮影領域に分割された基板面71の撮影領域を全て撮影した結果を、図5に示すディスプレイ35の総合判定領域35b、検査基板情報領域35c、不良情報表示領域35d等に表示する。
次に、CPU51は、合格判定か否かを判定する(ステップS9)。つまり、各撮影領域を撮影した画像に基づいてリード72の半田付けが良好か否かを判定した結果、各撮影領域に半田付け状態が不良の部分がなく、全ての撮像領域の半田付け状態が良好であるか否かを判定する。CPU51は、合格判定であると判定したときには(ステップS9:YES)、所定の位置へ基板70を移動する(ステップS10)。つまり、CPU51は、検査対象となる基板70を基台40から所定の位置(合格判定の基板70のみが載置される場所)へ移動する。基板70の移動は、一対の長尺形状の金属板で基板70の一端及び他端を挟むことにより支持して移動してもよいし、一対の長尺形状の金属板で基板面71(図1参照)の下方から支持して移動してもよい。この処理を終了すると、CPU51は、制御処理を終了する。
一方、CPU51は、合格判定ではないと判別したときには(ステップS9:NO)、他の位置へ基板70を移動する(ステップS11)。つまり、CPU51は、検査対象となる基板70を基台40から所定の位置(不合格判定の基板70のみが載置される場所)へ移動する。また、CPU51は、警報灯36及びスピーカ37(図3参照)に信号を出力して作業者等に半田付けが不良である旨を報知する。この処理を終了すると、CPU51は、制御処理を終了する。
このように、CPU51は、基板面71に白色光を照射する白色LED13と、基板面71に対して略平行な方向に向けて着色光を出射する赤色LED21とを同時に発光させてCCDカメラにより撮影する。後述するように、リード72がランド73に対して直交する方向に固定されている場合(図7(a)参照)、CCDカメラ30により撮影された画像は、リード72に対応する部分は着色されず、半田付けされた部位74(図7(a)参照)に対応する部分が着色される。このため、リード72と半田付け部位74を鮮明に識別することが可能となり、高精度に半田付け状態を検査することができる。
また、リード72近傍に設定された所定の領域中(後述する第1の判定領域81、第2の判定領域82、第3の判定領域83、第4の判定領域84)に含まれる着色領域に基づいて、リード72の半田付けが良好であるか否かを判定する。このため、設定する領域を変更することにより、リード72がランド73に対して直交する方向に固定されている場合(後述する図7(a)参照)のみならず、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合(後述する11(a)参照)にも、半田付け状態を検査することが可能となる。
従って、リード72と半田付け部位74を鮮明に識別することにより、検査の精度を向上した基板検査装置1を提供することができる。
次に、図6から図13を参照して、基板面71に半田付けされているリード72の半田付け状態の良否の判定について説明する。半田付けの良否の判定は、CCDカメラ30(図1参照)で撮影された画像中の、電子部品のリード72近傍に所定の領域を設定し、所定の領域中に含まれる着色領域に基づいて行う。
はじめに、図6から図9を参照して、電子部品のリード72が基板面に形成されたランド73に対して直行する方向に固定して半田付けされている場合における半田付けの良否の判定について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る基板検査装置による第1判定処理のフローチャートを示す図である。図7(a)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、リードの半田付けが良好と判定する場合を示す図である。図7(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、リードの半田付けが良好と判定する場合の半田付け部位の上面図である。図8(a)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、リードの半田付け量が過少と判定する場合を示す図である。図8(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、リードの半田付け量が過少を判定する場合の半田付け部位の上面図である。図9(a)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、リードの半田付け量が過多と判定する場合を示す図である。図9(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、リードの半田付け量が過多と判定する場合の半田付け部位の上面図である。
図6に示すように、はじめに、CPU51は、第1の領域を設定する(ステップS21)。具体的にCPU51は、図7に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して直行する方向に固定して半田付けされている場合において、図7(b)に示すように、ランド73に対して略同心円状となる第1の領域75を設定する。
次に、CPU51は、第2の領域を設定する(ステップS22)。具体的にCPU51は、図7(b)に示すように、ランド73に対して略同心円状で第1の領域75の外側となる第2の領域76を設定する。また、第1の領域75及び第2の領域76は、ラウンド73の円周に対して内側に設定される。
次に、CPU51は、着色領域を抽出する(ステップS23)。具体的にCPU51は、図7(b)に示すように、第1の領域75の外側で、且つ第2の領域75の内側となる判定領域81内で、着色領域(赤色に撮影された領域)を抽出する。つまり、第1の判定領域81内で着色領域の占める割合を求める。
次に、CPU51は、着色領域は第1閾値以上か否かを判定する(ステップS24)。つまり、図7(b)に示す第1の判定領域81内で着色領域の占める割合が第1閾値以上(例えば、第1の判定領域81内で着色領域が占める割合が60%以上)であるか否かを判定する。CPU51は、着色領域が第1閾値以上ではないと判定したときには(ステップS24:NO)、半田付けされた部位74の半田量は過少と判定する(ステップS25)。
例えば、図8(a)に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して直行する方向に固定して半田付けされている半田付け部位(フィレット)74の半田量が過少の場合には、赤色LED21(図1参照)が発光した光がCCDカメラ30に入射されにくくなる(図8(a)の矢印A参照)。このため、図8(b)に示す撮影された画像中の第1の判定領域81内では、着色領域の占める割合は少なくなる。従って、図8(a)に示す場合には、着色領域が第1閾値以上とはならないため(第1閾値以下となるため)、CPU51は、半田付け部位74の半田量が過少であると判定する。この処理を終了すると、CPU51は、第1判定処理を終了する。
このように、リード72がランド73に対して直交する方向に固定されている場合、ランド73に対して略同心円状となる第1の領域75の外側で、且つ、第1の領域75の外側に設定した第2の領域76の内側となる第1の判定領域81内で、着色領域の占める割合が第1閾値以上ではない場合(第1閾値以下の場合)に、リード72の半田付け部位74の半田量が過少と判定する。このため、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過少であるかを判定することができる。
また、電子部品のリード72を除く第1の判定領域81内でリード72の半田付け部位74の良否を判断するため、リード72が半田付けされた部位74として判定されることがなく、高精度に半田付け状態を検査することができる。
一方、CPU51は、着色領域が第1閾値以上であると判定した場合には(ステップS24:YES)、第3の領域を設定する(ステップS26)。具体的にCPU51は、図7(b)に示すように、第2の領域76の外側に第3の領域77を設定する。また、第3の領域77は、ラウンド73の円周に対して外側に設定される。
次に、CPU51は、他の着色領域を抽出する(ステップS27)。具体的にCPU51は、図7(b)に示すように、第2の領域76の外側で第3の領域77の内側となる第2の判定領域82内で、着色領域(赤色に撮影された領域)を抽出する。つまり、第2の判定領域82内で着色領域の占める割合を求める。
次に、CPU51は、着色領域は第2閾値以下であるか否かを判定する(ステップS28)。つまり、図7(b)に示す第2の判定領域82内で着色領域の占める割合が第2閾値以下(例えば、第2の判定領域82内で着色領域が占める割合が50%以下)であるか否かを判定する。CPU51は、着色領域が第2閾値以下ではないと判定したときには(ステップS28:NO)、半田付けされた部位74の半田量が過多と判定する(ステップS29)。
例えば、図9(a)に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して直行する方向に固定して半田付けされている半田付け部位(フィレット)74の半田量が過多の場合には、赤色LED21(図1参照)が発光した光がCCDカメラ30に入射されやすくなる(図9(a)の矢印A参照)。このため、図9(b)に示す撮影された画像中の第2の判定領域82内では、着色領域の占める割合は多くなる。従って、図9(a)に示す場合には、CPU51は、着色領域が第2閾値以下とはならないため(第2閾値以上となるため)、CPU51は、半田付け部位74の半田量が過多と判定する。この処理を終了すると、CPU51は、第1判定処理を終了する。
一方、CPU51は、着色領域が第2閾値以下であると判定した場合には(ステップS28:YES)、半田付けされた部位74は良好であると判定する(ステップS30)。つまり、第1の判定領域81内で着色領域が占める割合が第1閾値以上であって、第2の判定領域82内で着色領域の占める割合が第2閾値以下である場合に、半田付けされた部位74は良好であると判定する。
例えば、図7(a)に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して直行する方向に固定して半田付けされている半田付け部位(フィレット)74が山のように裾広がりの形状の場合には、赤色LED21(図1参照)が発光した光がCCDカメラ30に入射され(図7(a)の矢印A参照)、半田付け部位74は基板面71から見た仰角に応じて赤色に着色する。このため、図7(b)に示す撮影された画像中の第1の判定領域81内では着色領域の占める割合は第1閾値以上であって、第2の判定領域82内では着色領域の占める割合は第2閾値以下となる。従って、図7(a)に示す場合、CPU51は、半田付け部位74が良好であると判定する。CPU51は、この処理を終了すると第1判定処理を終了する。
このように、第2の領域76の外側に設定した第3の領域77内である第2の判定領域82で、着色領域が第2の閾値以上の場合には、第1の判定領域81内で着色領域が占める割合が第1閾値以上であっても、リード72の半田付けが不良と判定する。このため、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過多であるかを判定することができる。
次に、図10から図13を参照して、電子部品のリードが基板面に形成されたランドに対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている場合における半田付けの良否の判定について説明する。図10は、本発明の実施形態に係る基板検査装置による第2判定処理のフローチャートを示す図である。図11(a)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、半田付けが良好と判定する場合を示す図である。図11(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、半田付けが良好と判定する場合の半田付け部位の上面図である。図12(a)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、半田付け量が過少と判定する場合を示す図である。図12(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、半田付け量が過少と判定する場合の半田付け部位の上面図である。図13(a)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、半田付け量が過多と判定する場合を示す図である。図13(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が、半田付け量が過多と判定する場合の半田付け部位の上面図である。
図10に示すように、はじめに、CPU51は、第4の領域を設定する(ステップS41)、具体的にCPU51は、図11に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている場合において、図11(b)に示すように、ランド73に対して略同心円状となる第4の領域78を設定する。
次に、CPU51は、着色領域を抽出する(ステップS42)。具体的にCPU51は、図11(b)に示すように、第4の領域78中の、リード72の傾斜方向を基準として設定した領域を第3の判定領域83とし、第3の判定領域83内で、着色領域(赤色に撮影された領域)を抽出する。つまり、第3の判定領域83内で着色領域の占める割合を求める。
次に、CPU51は、着色領域は第3閾値以上か否かを判定する(ステップS43)。つまり、図11(b)に示す第3の判定領域内で着色領域の占める割合が第3閾値以上(例えば、第3の判定領域83内で着色領域が占める割合が80%以上)であるか否かを判定する。CPU51は、着色領域が第3閾値以上ではないと判定したときには(ステップS43:NO)、半田付けされた部位74の半田量は過少と判定する(ステップS44)。
例えば、図12(a)に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている半田付け部位(フィレット)74の半田量が過少の場合には、赤色LED21(図1参照)が発光した光がCCDカメラ30に入射されにくくなる(図12(a)の矢印B参照)。このため、図12(b)に示す撮影された画像中の第3の判定領域83内では、着色領域の占める割合は少なくなる。従って、図12(a)に示す場合、着色領域が第3閾値以上とはならないため(第3閾値以下となるため)、CPU51は、半田付け部位74の半田量が過少であると判定する。この処理を終了すると、CPU51は、第2判定処理を終了する。
このように、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合、ランド73に対して略同心円状となる第4の領域78中、リードの傾斜方向を基準として設定された第3の判定領域内83で、着色領域の占める割合が第3閾値以上ではない場合に、リード72の半田付け部位74の半田量が過少と判定する。このため、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合であっても、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過少であるかを判定することができる。
また、電子部品のリード72を除く第3の判定領域83内でリード72の半田付け部位の良否を判断するため、リード72が半田付けされた部位74として判定されることがなく、高精度に半田付け状態を検査することができる。
一方、CPU51は、着色領域が第3閾値以上であると判定した場合には(ステップS43:YES)、他の着色領域を抽出する(ステップS45)。具体的にCPU51は、図11(b)に示すように、第4の領域78中、第3の判定領域83以外となる第4の判定領域84内で、着色領域(赤色に撮影された領域)を抽出する。つまり、第4の判定領域84内で着色領域の占める割合を求める。
次に、CPU51は、着色領域は第4閾値以下か否かを判定する(ステップS46)。つまり、図11(b)に示す第4の領域内であって、第3の判定領域83以外となる第4の判定領域84内で、着色領域の占める割合が第4閾値以下(例えば、第4の判定領域84内で着色領域が占める割合が40%以下)であるか否かを判定する。CPU51は、着色領域が第4閾値以下ではないと判定したときには(ステップS46:NO)、半田付けされた部位74の半田量が過多と判定する(ステップS47)。
例えば、図13(a)に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73(図11(b)参照)に対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている半田付け部位(フィレット)74の半田量が過多の場合には、赤色LED21(図1参照)が発光した光がCCDカメラ30に入射されやすくなる(図13(a)の矢印B参照)。このため、図13(b)に示す撮影された画像中の第4の判定領域84内では、着色領域の占める割合は多くなる。従って、図13(a)に示す場合、CPU51は、着色領域が第4閾値以下とはならないため(第4閾値以上となるため)、半田付け部位74の半田量が過多と判定する。この処理を終了すると、CPU51は、第1判定処理を終了する。
一方、CPU51は、着色領域が第4閾値以下であると判定した場合には(ステップS46:YES)、半田付けされた部位74は良好であると判定する(ステップS48)。つまり、第3の判定領域83内の着色領域が占める割合が第3閾値以上であって、第4の判定領域84内で着色領域の占める割合が第4閾値以下である場合に、半田付けされた部位74は良好であると判定する。
例えば、図11(a)に示すように、電子部品のリード72が基板面71に形成されたランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている半田付け部位(フィレット)74が山のように裾広がりの形状の場合には、赤色LED21(図1参照)が発光した光がCCDカメラ30に入射され(図11(a)の矢印B参照)、半田付け部位74は基板面71から見た仰角に応じて赤色に着色する。このため、図11(b)に示す撮影された画像中の第3の判定領域83内では着色領域の占める割合は第3閾値以上であって、第4の判定判定領域84内では第4閾値以下となる。従って、図11(a)に示す場合、CPU51は、半田付け部位74が良好であると判定する。CPU51は、この処理を終了すると第2判定処理を終了する。
このように、第4の領域78中、第3の判定領域83以外である第4の判定領域84内で、着色領域の占める割合が第4閾値以上である場合、第3の判定領域83内で着色領域が占める割合が第3の閾値以上であっても、リード72の半田付けが不良と判定する。このため、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合であっても、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過多であるかを判定することができる。
このようにして、本発明の実施形態に係る基板検査装置1は、基板面71と対峙して配置され、内面が反射面12とされたドーム形状をなす反射部材11と、反射部材11の基板側周囲部15に複数個設置され、反射面12側に白色光を出射することにより、間接的に基板面71に白色光を照射する白色LED13と、反射部材11の基板側周囲部15に複数個設置され、基板面71に対して略平行な方向に向けて着色光を出射する赤色LED21と、基板面71と対峙して配置され、基板面71を撮影するCCDカメラ30と、白色LED13及び赤色LED21を同時に発光させて、CCDカメラ30による基板面71の撮影を行い、CCDカメラ30で撮影された画像中の、電子部品のリード72近傍に所定の領域を設定し、設定された所定の領域中に含まれる着色領域を求め、所定の領域中に含まれる着色領域に基づいて、リード72の半田付けが良好であるか否かを判定するCPU51と、を有する。
また、本発明の実施形態に係る基板検査装置1は、電子部品のリード72は、基板面71に形成されたランド73に対して略直交する方向に固定して半田付けされている場合、CPU51は、ランド73に対して略同心円状となる第1の領域75と、ランド73に対して略同心円状で第1の領域75の外側となる第2の領域76を設定し、第1の領域75の外側で、且つ第2の領域76の内側となる第1の判定領域81内で、着色領域の占める割合が第1閾値以上である場合に、リード72の半田付けが良好であると判定する。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置1は、電子部品のリード72は、基板面71に形成されたランド73に対して略直交する方向に固定して半田付けされている場合、CPU51は、第2の領域76の外側に第3の領域77を設定し、第1の判定領域81内で着色領域の占める割合が第1閾値以上であっても、第2の領域76の外側で第3の領域77の内側となる第2の判定領域82内で、着色領域の占める割合が第2閾値以上である場合には、リード72の半田付けが不良であると判定する。
また、本発明の実施形態に係る基板検査装置1は、電子部品のリード72は、基板面71に形成されたランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている場合、CPU51は、ランド73に対して略同心円状となる第4の領域78を設定し、更に、第4の領域78中の、リード72の傾斜方向を基準として設定される領域を第3の判定領域83とし、第3の判定領域83内で、着色領域の占める割合が第3閾値以上である場合に、リード72の半田付けが良好であると判定する。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置1は、電子部品のリード72は、基板面71に形成されたランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定して半田付けされている場合、CPU51は、第3の判定領域83内で着色領域の占める割合が第3閾値以上であっても、第4の領域78中の、第3の判定領域83以外となる第4の判定領域84内で、着色領域の占める割合が第4閾値以上である場合に、リード72の半田付けが不良であると判定する。
また、本発明の実施形態に係る基板検査装置1は、反射部材11は、中央部が開口され、CCDカメラ30は、開口部16に設けられる。
そして、本発明の実施形態に係る基板検査装置1によれば、基板面71に白色光を照射する白色LED13と、基板面71に対して略平行な方向に向けて着色光を出射する赤色LED21とを同時に発光させてCCDカメラ30により撮影する。リード72がランド73に対して直交する方向に固定されている場合、CCDカメラ30により撮影された画像は、リード72に対応する部分は着色されず、半田付けされた部位74に対応する部分が着色される。このため、リード72と半田付け部位74を鮮明に識別することが可能となり、高精度に半田付け状態を検査することができる。
また、リード72近傍に設定された所定の領域中(第1の判定領域81、第2の判定領域82、第3の判定領域83、第4の判定領域84)に含まれる着色領域に基づいて、リード72の半田付けが良好であるか否かを判定する。このため、設定する領域を変更することにより、リード72がランド73に対して直交する方向に固定されている場合のみならず、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合にも、半田付け状態を検査することが可能となる。
従って、リード72と半田付け部位74を鮮明に識別することにより、検査の精度を向上した基板検査装置1を提供することができる。
また、本発明の基板検査装置1によれば、リード72がランド73に対して直交する方向に固定されている場合、ランド73に対して略同心円状となる第1の領域75の外側で、且つ、ランド73に対して略同心円状で第1の領域75の外側となる第2の領域76の内側となる第1の判定領域81内で、着色領域の占める割合が第1閾値以上である場合に、リード72の半田付けが良好と判定する。このため、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過少であるかを判定することができる。
また、電子部品のリード72を除く第1の判定領域81内でリード72の半田付け部位74の良否を判断するため、リード72が半田付けされた部位74として判定されることがなく、高精度に半田付け状態を検査することができる。
さらに、本発明の基板検査装置1によれば、第2の領域76の外側に設定した第3の領域77内である第2の判定領域82で、着色領域が第2閾値以上の場合には、第1の判定領域81内で着色領域が占める割合が第1閾値以上であっても、リード72の半田付けが不良と判定する。このため、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過多であるかを判定することができる。
また、本発明の基板検査装置1によれば、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合、ランド73に対して略同心円状となる第4の領域78中、リードの傾斜方向を基準として設定された第3の判定領域内83で、着色領域の占める割合が第3閾値以上の場合に、リード72の半田付けが良好と判定する。このため、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合であっても、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過少であるかを判定することができる。
また、電子部品のリード72を除く第3の判定領域83内でリード72の半田付け部位の良否を判断するため、リード72が半田付けされた部位74として判定されることがなく、高精度に半田付け状態を検査することができる。
さらに、本発明の基板検査装置1によれば、第4の領域78中、第3の判定領域83以外である第4の領域84内で、着色領域の占める割合が第4閾値以上である場合、第3の判定領域83内で着色領域が占める割合が第3の閾値以上であっても、リード72の半田付けが不良と判定する。このため、リード72がランド73に対して所定角度傾斜する方向に固定されている場合であっても、半田付け部位74の半田量が良好であるか、又は、半田量が過多であるかを判定することができる。
また、本発明の基板検査装置によれば、CCDカメラ30は、反射部材11の中央部が開口された開口部16に設けられている。このため、半田付け部位74に照射された着色光を基板面71と対峙した位置から撮影することにより、高精度に半田付け状態を検査することができる。
以上、本発明の基板検査装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した実施形態では、反射部材11の開口部16にCCDカメラ30が設けられている場合について説明したが、CCDカメラ30をドーム照明10の内部に基板面71と対峙して設けるように構成してもよい。また、反射部材11の開口部16をガラス等で覆い、CCDカメラ20をガラス等の上側に基板面71と対峙して設けるように構成してもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、赤色LED21により、着色光を出射する場合について説明したが、着色光を出射する光源であれば、青色LED、緑色LED、黄色LED等により着色光を出射するように構成してもよい。