JP5577928B2 - 高分子膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子膜の製造方法およびガス分離膜に関し、より詳しくは、放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つを照射することによる高分子膜の製造方法およびこの製造方法により得られるガス分離膜に関する。
近年、地球温暖化対策技術として、化石燃料の燃焼で排出される二酸化炭素を分離回収して地中に隔離する技術が注目されている。
二酸化炭素を分離回収する技術として、コスト低減の観点から、高分子膜を利用する方法が検討されており、火力発電所、石炭ガス化複合発電(IGCC)、製鉄等により発生する二酸化炭素と水素、窒素等の分離技術への適用が期待されている。
このような高分子膜としては、二酸化炭素に対して選択的に親和性が高い材料を用いる技術が報告されており、室温で液状物質であるポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを微多孔質の支持体に含浸させた分離膜が開示されている(非特許文献1参照)。
しかしながら、PAMAMデンドリマーを微多孔質の支持体に含浸させた上記分離膜では、IGCCのプロセスへの適用に求められるような圧力化では、PAMAMデンドリマーの含浸状態の保持がされず、性能を維持できないという問題があった。
そこで、圧力がかかった状態でもPAMAMデンドリマーを高分子膜内部に保つことができる技術として、PAMAMデンドリマーをポリエチレングリコールのような高分子膜中に固定化する技術が開示されている(非特許文献2参照)。
J. Am. Chem. Soc., 122 (2000) 7594-7595 Journal of Membrane Science, 322 (2008) 277-280
上述した従来の技術では、PAMAMデンドリマーの高分子膜中への固定化は、モノマー組成物にPAMAMデンドリマーを含有させたものを、主に紫外線を用いた光重合法、または60℃程度の加熱による熱重合法により重合させることにより行われている。
紫外線を用いた光重合法では、紫外線をモノマー組成物の表面に照射しても、深い領域へのエネルギーの付与ができず、モノマー組成物に均質にエネルギーを付与できないため、均一性の高い高分子膜を得るのが難しいという問題点があった。また、熱重合法では、固定化させたいPAMAMデンドリマーの一部が加熱により蒸発して失われてしまうという問題点があった。
また、PAMAMデンドリマーを高分子膜中に固定化した膜をガス分離膜として使用するためには、使用時の高い圧力差や長期使用に耐えるべく、強度の向上が求められている。
本発明は、この様な従来の事情に鑑みて提案されたものであり、厚さ方向の均一性が高く、二酸化炭素の分離膜として有用な高分子膜の製造方法およびガス分離膜を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、良好な強度で、且つ、二酸化炭素の分離膜として有用なガス分離膜を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の高分子膜の製造方法は、下記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を、γ線の照射により重合反応させて生成する高分子重合体内に前記アミン化合物を固定化させる高分子膜の製造方法において、得られる前記高分子膜の表面に対して水平方向にγ線を照射することを特徴とする。
[式中、Xは−CO−NH−または−NH−CO−を表し、Yは炭素数1〜3の2価の有機残基を表し、nは0または1の整数を表す。]
本発明の高分子膜の製造方法は、前記アミン化合物が、ポリアミドアミン系デンドリマーであることが好ましい。
また、本発明の高分子膜の製造方法は、前記多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類およびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記製造方法により得られる高分子膜を用いてなるガス分離膜を提供する。
また、本発明は、上記製造方法により得られる高分子膜と、多孔質支持膜とを積層させてなるガス分離膜を提供する。
本発明によれば、厚さ方向の均一性が高く、二酸化炭素の分離膜として有用な高分子膜の製造方法およびガス分離膜を提供することができる。
また、本発明のガス分離膜において、本発明の製造方法により得られる高分子膜と多孔質積層膜とを積層させた構成とすることにより、良好な強度で、且つ、二酸化炭素の分離膜として有用なガス分離膜を提供することができる。
各種エネルギー線の相対線量と透過深度の関係を示すグラフである。 ガス分離能測定装置の一例を示す概略図である。 ガス分離能測定装置の他の例を示す概略図である。 図4(a)はγ線照射前のPAMAMデンドリマーのMALDI−TOF−MSスペクトルであり、図4(b)は10kGyγ線照射後のPAMAMデンドリマーのMALDI−TOF−MSスペクトルである。 図5(a)は実施例の高分子膜の写真であり、図5(b)はPEGDMAのみをγ線照射により硬化させた膜の写真である。 実施例の高分子膜および従来のCO/Nガス分離膜のCO/N選択性とCO透過係数をプロットしたグラフである。
本発明の高分子膜の製造方法は、下記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を、放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つの照射により重合反応させて生成する高分子重合体内に前記アミン化合物を固定化させることを特徴とする。
[式中、Xは−CO−NH−または−NH−CO−を表し、Yは炭素数1〜3の2価の有機残基を表し、nは0または1の整数を表す。
上記一般式(1)中、Yで示される炭素数1〜3の2価の有機残基としては、例えば、直鎖状または分枝状の炭素数1〜3のアルキレン基が挙げられる。このようなアルキレン基の具体例としては、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH(CH)−などが挙げられ、これらのうち特に−CH−が好ましい。
本発明のアミン化合物は、上記一般式(1)で表される基が1個以上含まれている限り、該アミン化合物に含まれる該基の数については特に制限されないが、2〜4096個有するものが好ましく、3〜128個有するものがさらに好ましい。
また、本発明で使用されるアミン化合物において、上記一般式(1)で表される基が占める重量分率は、特に制限されるものではない。二酸化炭素と水素の分離能を高めるという観点から、該アミン化合物に占める上記一般式(1)で表される基の重量分率が5%以上、好ましくは10〜94%、更に好ましくは15〜53%であるのが望ましい。
本発明で使用されるアミン化合物において、上記一般式(1)で表される基が結合する骨格を示すと、例えば次のものが挙げられる。
[式中、mは0〜10の整数を表す。]
すなわち、本発明で使用されるアミン化合物は、上記一般式(1)で表される基が、上記式において米印の結合子の一部または全部に、直接またはアルキレン基を介して結合し、上記一般式(1)で表される基が結合してない結合子には、水素原子、アルキル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基などが結合した化合物である。ここで、上記一般式(1)で表される基が結合していない結合子に結合することのできるアルキル基、アミノアルキル基およびヒドロキシアルキル基の炭素数は特に制限されるものではなく、例えば、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5である。
また、本発明で使用されるアミン化合物は、次に挙げる化合物の窒素原子上の水素原子の一部または全部が上記一般式(1)で表される基で置換されている構造も挙げられる。
ピロリジン、1,3−イミダゾリジン、N,N−ジメチル−3−(3−メチルイミダゾリジン−1−イル)−プロパン−1−アミン、1,3,5−トリアジネン−2,4,6−トリオン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン。
また、本発明で使用されるアミン化合物は、ベンゼン、ピリジン等の環状芳香族基の水素原子の一部または全部が上記一般式(1)で表される基で置換されている構造も挙げられる。
本発明で使用されるアミン化合物の具体的な化合物は、例えば、下記の式で示される第0世代のポリアミドアミン系デンドリマー、並びにこれら第0世代ポリアミドアミン系デンドリマーに対応する第1世代以上のものが挙げられる。
上記ポリアミドアミン系デンドリマーのうち、特に好適な化合物の一例として、下記ポリアミドアミン系デンドリマーが挙げられる。
なお、本発明で用いるポリアミドアミン系デンドリマーは、枝の長さがすべて等しいものと、そのうちの少なくとも1つがヒドロキシアルキル基またはアルキル基で置換され、枝の長さが異なるものを含む。また、ポリアミドアミン系デンドリマーは、表面基(すなわち、上記一般式(1)で表される基)の数が異なる各種のポリアミドアミン系デンドリマーを使用することができる。本発明においては市販品(例えば、アルドリッチ社製の第0〜10世代のPAMAMデンドリマー)を使用することもでき、とりわけ第0〜5世代のポリアミドアミン系デンドリマーを好適に使用することができる。
上記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物は、従来公知の有機合成法にしたがって製造することができ、その製造方法については特に限定されるものではない。
本発明に係る高分子膜は、前記のアミン化合物の存在下に多官能重合性単量体を、放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つの照射により重合させることにより調製できる。
多官能重合性単量体としては、炭素−炭素不飽和結合を2個以上有する重合可能な化合物であれば、特に限定されない。例えば、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類等の多官能アクリル系単量体、多官能ビニルエーテル類またはジビニルベンゼン等の多官能ビニル系単量体等が挙げられる。これらの多官能重合性単量体は、単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
多官能(メタ)アクリルアミド類としては、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、エチジウムブロマイド−N,N’−ビスアクリルアミド、エチジウムブロマイド−N,N’−ビスメタクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート類としては、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類またはテトラ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレート類としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
トリ(メタ)アクリレート類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
テトラ(メタ)アクリレート類としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能ビニルエーテル類としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等が挙げられる。
また、必要に応じて、重合反応を上記多官能重合性単量体と単官能重合性単量体とを併用して行ってもよい。併用することにより、放射線照射、電子線照射またはイオンビーム照射による重合反応により形成される3次元架橋構造において、本発明の上記アミン化合物が固定化される網目の大きさを適宜調節することができる。
単官能重合性単量体としては、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類等の単官能アクリル系単量体、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類または単官能ビニル化合物類等の単官能ビニル系単量体、単官能α,β−不飽和化合物類等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミド類としては、2−アセトアミドアクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
単官能N−ビニル化合物類としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
単官能ビニル化合物類としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
単官能α,β−不飽和化合物類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等が挙げられる。
本発明において、高分子重合体内に固定化される上記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物の量は、ポリマー100重量部に対して通常約2〜400重量部、好ましくは約25〜250重量部、さらに好ましくは約40〜100重量部である。
本発明において、前記アミン化合物の存在下に多官能重合性単量体を重合反応させるには、放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つの照射を行う。
放射線としては、X線、α線、β線、γ線、中性子線等の従来公知のものを使用することができるが、これらの中でもγ線が好ましい。γ線は透過深度が深く、基材の厚みが大きくても深部までγ線のエネルギーを作用させることができるため、γ線の照射により重合反応を行うことにより、多官能重合性単量体およびアミン化合物を含むモノマー組成物に対して、表面だけでなく深部にまで均質にエネルギーを付与して重合させることができ、深さ方向に均一性の高い高分子膜を得ることができる。また、γ線による重合反応は熱重合法に比べて硬化速度が速く、加熱による反応促進の必要も無いため、固定化させる前記アミン化合物が加熱により蒸発することもない。さらに、後述する本発明のガス分離膜の製造において、多孔質支持膜と高分子膜とを積層させる際に、多孔質支持膜に多官能重合性単量体およびアミン化合物を含むモノマー組成物を塗布又は含浸させて重合反応を行う場合、γ線は多孔質支持膜を透過するため、γ線の照射により重合反応を行うことにより、多孔質支持膜に含浸又は塗布されたモノマー組成部に均質にエネルギーを付与して重合させることができる。
γ線の放射線源としては、γ線を放射することのできる物質であれば特に限定されるものではなく、例えば、Co−60等が挙げられる。
イオンビームとしては、陽子線、ヘリウムイオンビーム等が挙げられる。γ線とは多少特性が異なるが、透過深度が高く、また適当なエネルギー分散を与えることで重合体に均質にエネルギーを付与して重合させることができる。図1に各種エネルギー線(放射線、電子線、イオンビーム)の相対線量と深さ(透過深度)の関係を示す。図1より明らかなように、線種、エネルギーを変化させることで最適の深さ分布の相対線量を得ることができる。
γ線を照射して多官能重合性単量体およびアミン化合物を含むモノマー組成物を重合反応させる際の、γ線の照射線量は当該モノマー組成物の重合反応を進行させることができれば特に限定されるものではないが、1〜300kGyが好ましく、2.5〜100kGyがより好ましく、2.5〜25kGyがさらに好ましい。また、前記モノマー組成物へのγ線などの放射線の照射時間は、特に限定されるものではなく、照射するγ線などの放射線の線量およびγ線などの放射線が照射されるモノマー組成物の厚みなどにより適宜調整することができる。
電子線としては、電子線照射による重合反応に用いられる範囲の加速電圧の電子線であれば特に限定されるものではなく、例えば、150keV〜10MeV程度の加速電圧とすることができる。電子線の照射時間についても特に限定されるものではなく、照射する電子線の加速電圧および電子線が照射されるモノマー組成物の厚み等により適宜調製することができる。
本発明において、多官能重合性単量体とアミン化合物とを含むモノマー組成物に放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つを照射して重合反応させる際に、当該モノマー成分に重合開始剤を添加しなくても重合反応を進行させることができる。しかしながら、必要に応じて該モノマー成分に重合開始剤を添加することも出来る。
重合開始剤としては、従来公知の光重合開始剤を使用することができ、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、キサントン類、チオキサントン類、アシルフォスフィン類、ケタール類、アントラキノン類、オキシムエステル類、トリアジン誘導体、ジアゾニウム類、有機アジド化合物、オルト−キノンジアジド類、オニウム化合物、アゾ化合物、金属アレン錯体、チタノセン化合物、ルテニウム等の遷移金属錯体、アルミナート錯体、ホウ酸塩化合物、トリアリールビスイミダゾール、有機ハロゲン化合物、スルホニウム錯体、オキソスルホニウム錯体等を例示することができ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能重合性単量体とアミン化合物とを含むモノマー組成物に、重合開始剤を添加する場合、重合開始剤の添加量としては、多官能重合性単量体100重量部に対し、好ましくは約0.5〜10重量部、より好ましくは約2〜3重量部である。
本発明に用いる多官能重合性単量体を放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つの照射により硬化させる場合、上記重合開始剤とともに増感剤として塩基性化合物を用いることができる。塩基性化合物としてはアミン化合物を用いることが好ましく、三級アミン化合物がより好ましい。
上記増感剤の使用量は、重合開始剤100重量部に対し、好ましくは約1〜10重量部、より好ましくは約5〜8重量部である。
本発明において、多官能重合性単量体とアミン化合物とを含むモノマー組成物に放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つを照射して重合反応させる際に、当該モノマー成分に溶剤が添加されていることが好ましい。
溶媒としては、上記アミン化合物と上記多官能重合性単量体を溶解するものであれば特に限定されないが、通常アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)が好適に使用できる。
このようにして、放射線、電子線またはイオンビームの少なくとも1つの照射により重合反応を行うことにより、高分子重合体が生成すると同時に、当該高分子重合体内に上記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物が固定化されてなる高分子膜が得られる。得られる高分子膜は、三次元網目構造を有する高分子重合体の該網目構造内に上記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物が封入され、固定化されているものが好適に挙げられる。
本発明の高分子膜の製造方法により得られる高分子膜は、二酸化炭素を含む混合ガスから、二酸化炭素を分離するために用いられるガス分離膜として有用である。
本発明により製造される高分子膜をガス分離膜として用いる場合には、二酸化炭素を含む混合ガスを当該高分子膜に接触させて、この混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させるように当該高分子膜を設置および使用すればよい。
ガス分離膜として使用する際には、当該ガス分離膜のガス供給側とガス透過側との間に圧力差を設けておくのが好ましい。この圧力差は、通常、ガス透過側を減圧にすることにより設けられる。また、ガス分離は、通常5〜80℃、好ましくは室温〜50℃の温度条件下で実施するのが望ましい。
本発明のガス分離膜を適用することのできる混合ガスは、二酸化炭素を含む混合ガスであれば特に制限されないが、二酸化炭素と他のガスとの分離性能を向上させるためには、混合ガスの相対湿度を30%以上、好ましくは60〜100%に調製しておくのが好ましい。
本発明のガス分離膜は、例えば、火力発電所、石炭ガス化複合発電所(IGCC)、鉄鋼プラントなどで発生する燃焼排ガスから二酸化炭素(CO)を分離するのに適用することができる。
さらに、本発明の高分子膜の製造方法により得られる高分子膜をガス分離膜として用いる場合、該高分子膜と多孔体支持体を積層させることにより、当該ガス分離膜の強度を向上させることができるため好ましい。
本発明に用いることのできる多孔質支持膜は、多孔質体として従来公知のものを使用することができ、例えば、セラミックスや多孔質樹脂シート等が挙げられる。
多孔質支持膜であるセラミックスとしては、具体的には、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ等が挙げられる。前記セラミックスは、陽極酸化などにより貫通孔が形成されていることが好ましい。
多孔質支持膜である多孔質樹脂シートとしては、具体的には、例えば、ポリマーを溶媒に溶解して原料溶液を得た後、該原料溶液と、凝固液(溶媒と非溶媒の混合溶液)と接触させて、非溶媒濃度の上昇により相分離を誘起する方法(非溶媒誘起相分離法;NIPS法、特公平1−22003号公報参照)により製造されたもの等を使用することができる。
多孔質支持膜である多孔質樹脂シートの製造に用いるポリマーとしては、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニレンスルホン、トリアセチルセルロース、酢酸セルロース、カーボン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、芳香族ナイロン、ポリエチレンフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
多孔質支持膜である多孔質樹脂シートの製造に用いる溶媒としては、凝固時に凝固液へ溶媒が溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
多孔質支持膜である多孔質樹脂シートの製造に用いる非溶媒としては、例えば、水、一価アルコール、多価アルコール、エチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。
多孔質支持膜で多孔質樹脂シートの製造において、原料溶液の調製の際に、膨潤剤を添加して凝固後の支持膜内の貫通孔を増加させ、ガス透過性を向上させることが好ましい。前記膨潤剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、食塩、塩化リチウム、臭化マグネシウムから選ばれる1種または2種以上の混合物を用いることができる。
原料溶液および凝固液の濃度は、原料溶液と凝固液とを接触させ、非溶媒誘起相分離法により、多孔質支持膜を得られる濃度であれば、特に限定されないが、例えば、原料のポリマーとしてポリエーテルスルホン(PES)を用いる場合、原料溶液は、製膜性から20〜35wt%PES溶液とするのが好ましい。
原料溶液と凝固液との接触の方法としては、特に限定されないが、例えば、原料溶液を凝固液に浸漬する方法が挙げられる。凝固液中の溶媒濃度は、特に限定されないが、原料溶液の凝固において、凝固液中の溶媒濃度を変化させることにより、支持膜の構造が変化し、耐圧性を上げることができる。
多孔質支持膜の細孔の孔径としては、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以下である。多孔質支持膜の膜厚は、高分子膜のガス透過性が多孔質支持膜のガス透過性よりも大きくならない範囲であれば、特に限定されない。
また、多孔質支持膜の厚さは、特に限定されず適宜調整可能である。
以下に、前記本発明の高分子膜の製造方法により得られる高分子膜と多孔質支持膜とを積層させた本発明のガス分離膜の製造方法について説明する。
本発明のガス分離膜として、前記本発明の高分子膜と多孔質支持膜とを積層させる方法としては、特に限定されず従来公知の積層方法を挙げることができるが、以下の方法が好ましい方法として挙げられる。
[方法1]前記本発明の高分子膜の製造方法により得られた高分子膜を、多孔質支持膜上に該多孔質支持膜のガス透過性を妨げないようにして接着剤等により接着して積層させる方法。
[方法2]前記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物および多官能重合性単量体を含むモノマー組成物を、多孔質支持膜に塗布する、又は多孔質支持膜を前記モノマー組成物に浸漬したのち、この多孔質支持膜とモノマー組成物との複合物に、放射線、電子線またはイオンビームを照射により該モノマー組成物を重合反応させて多孔質支持膜の面上および孔内に高分子膜を形成する方法。
[方法1]
方法1により高分子膜と多孔質支持膜とを積層させる場合、従来公知の方法を採用することができ、例えばラミネート法等が挙げられる。ラミネート法としては、例えば公知のドライラミネート、ホットメルトラミネート等が挙げられる。具体的には、高分子膜と多孔質支持膜とを、通常φ(直径)20〜60mm、好ましくはφ25〜50mm程度に切り取り、接着剤または接着フィルムを用いて張り合わせる方法である。
ラミネートに用いる接着剤としては、特に限定されないが、例えば、α−オレフィン系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤等の水系接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤等の水分散系接着剤、ニトロセルロース接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤等の溶剤系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤等の反応系接着剤、エチレン−酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤等のホットメルト接着剤等が挙げられる。接着フィルムとしては、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性透明樹脂からなるフィルム等が挙げられる。本発明の高分子膜のガス透過性および多孔質支持膜のガス透過性を妨げない範囲であれば、接着剤または接着フィルムの層の厚さは特に限定されない。
[方法2]
方法2により高分子膜と多孔質支持膜とを積層させるには、まず、前記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物および多官能重合性単量体を含むモノマー組成物を準備する。該モノマー組成物は、前記した本発明の高分子膜の製造方法で述べたものと同じである。
次いで、このモノマー組成物を多孔質支持膜に塗布する、又は多孔質支持膜を前記モノマー組成物に浸漬したのち、この多孔質支持膜とモノマー組成物との複合物に、放射線、電子線またはイオンビームを照射により該モノマー組成物を重合反応させて多孔質支持膜の面上および孔内に高分子膜を形成することにより、多孔質支持膜と本発明の高分子膜とを積層させることができる。
塗布または浸漬の方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、ロールコーターやバーコーターによるコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法等が挙げられる。
多孔質支持膜とモノマー組成物との複合物に、放射線、電子線またはイオンビームを照射して重合反応させる場合の照射条件は前記本発明の高分子膜の製造方法と同じである。中でも、多孔質支持膜とモノマー組成物との複合物にγ線を照射することが好ましい。γ線は多孔質支持膜を透過するため、γ線の照射により重合反応を行うことにより、多孔質支持膜に含浸又は塗布されたモノマー組成部に均質にエネルギーを付与して重合させることができる。
以上により、本発明の高分子膜と多孔体支持膜とを積層させたガス分離膜を製造することができる。
本発明のガス分離膜は、本発明の高分子膜と多孔体支持膜とを積層させた構成とすることにより、二酸化炭素を含む混合ガスから、二酸化炭素を分離するために用いられるガス分離膜としての機能を備え、且つ、高い圧力にも耐えうる強度を兼ね備えることが可能となる。
なお、上記実施形態では、本発明の高分子膜の製造方法により得られる高分子膜を、多孔質支持膜の一方の面上に積層させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。多孔質支持膜の両面に本発明の製造方法により得られる高分子膜を積層させてもよく、本発明の製造方法により得られる高分子膜の両面に多孔質支持膜を積層させてもよい。
本発明のガス分離膜の二酸化炭素ガスの分離能を評価する方法として、図2に示すようなガス分離能測定装置10を使用する評価法などが簡易的なものとして挙げられる。
ガス分離能測定装置10は、二酸化炭素と他のガス(図2では水素)との混合ガスを加湿室3で加湿し、恒温槽6中のガス透過セル2へと導入する。恒温槽6内の温度および湿度は、加湿室3とガス透過セル2とを連結するラインに設けられた温湿度計4によりモニタリングし、適宜調整される。ガス透過セル2内部には、評価対象であるガス分離膜1(高分子膜)が設置され、ガス分離膜1によりガス透過セル内はガス導入側2aとガス透過側2bとに2分割されている。ガス分離膜1の二酸化炭素含有ガスの導入側2aとガス透過側2bは、ガス導入側2aの圧力がガス透過側2bの圧力よりも高くなるように設定され、この圧力差により、二酸化炭素含有ガスの一部がガス分離膜1を透過し、ガス透過側2bへと搬送される。ガス透過側2bへと透過したガスはHeなどのキャリアガスにより、ガスクロマトグラフ5へと搬送され、その透過成分量を分析し、供給した二酸化炭素ガス含有ガスの二酸化炭素量と比較することにより、ガス分離膜1の二酸化炭素ガス分離能を評価することができる。
また、ガス分離膜1のガス分離能を評価する方法としては、図3に示すような構成のガス分離能測定装置20も例示することができる。
ガス分離能測定装置20は、二酸化炭素の高純度ガスなどの供給ガス21を、マスフローコントローラー22を介して、開閉コック25a、25bや圧力計26などが配設された流路が設けられたフランジ部材23、23へと導入する。フランジ部材23は導通管23aと、この導通管23aの一端部に形成されたフランジ部23bとを具備してなり、対になるようにフランジ部23b同士を対向させ、これらフランジ部23bの間にガス分離膜1を狭持している。すなわち、各フランジ部23bの対向面の周辺に設けられたOリングなどのシール部材27に挟まれるようにして、ガス分離膜1が狭持されている。導通管23aへと導入された供給ガスは、導通管23aの流路を隙間なく区切るようにして設けられたガス分離膜1を透過し、透過ガスをガスクロマトグラフ24へと搬送し、その透過成分量を分析し、供給した供給ガスの二酸化炭素量と比較することにより、ガス分離膜1の二酸化炭素ガス分離能を評価することができる。
本発明のガス分離膜の二酸化炭素ガスの分離能を評価する方法として、ガス分離能測定装置10および20を使用する方法について例示したが、本発明はこれらの方法に限定されるものではなく、従来公知の高分子膜のガス分離能の測定方法および装置を使用することが可能である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(検討例:γ線照射によるポリアミドアミンデンドリマーへの影響調査)
下記式(2)で表される第0世代のポリアミドアミンデンドリマー(PAMAMデンドリマー、アルドリッチ社製、20重量%メタノール溶液)にγ線を照射し、γ線照射前後の分子量をMALDI−TOF−MS(島津製作所製)にてNa系イオン化剤を使用して測定した。
図4(a)は、γ線照射前のPAMAMデンドリマーのMALDI−TOF−MSスペクトルである。図4(a)中、△印で示したピークは、PAMAMデンドリマーのNa付加体イオンピークであり、○印及び□印で示したピークはPAMAMのフラグメントに由来するピークである。
図4(b)は、10kGyのγ線を照射後のPAMAMデンドリマーのMALDI−TOF−MSスペクトルである。図4(b)に示すγ線照射後のスペクトルは、図4(a)に示すγ線照射前のスペクトルと変化していなかった。この結果より、γ線照射により、PAMAMデンドリマーが分解しないことを確認した。また、同様の手順で50kGyのγ線をPAMAMデンドリマーに照射してMALDI−TOF−MSを測定したところ、γ線照射前のMALDI−TOF−MSスペクトルと変化していなかった。
(実施例)
ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA、アルドリッチ社製、平均分子量750)と、上記式(2)で表される第0世代のポリアミドアミンデンドリマー(PAMAMデンドリマー、アルドリッチ社製、20重量%メタノール溶液)とを、重量比50:50で混合した溶液を、ガラス板上に塗布した後に別のガラス板で挟み込み、20kGyのγ線を照射することにより、厚さ0.5mm、直径約70mmの円形の高分子膜を作製した。
図5(a)は作製した高分子膜の写真であり、図5(b)はPEGDMAのみをγ線照射により硬化させた膜の写真である。図5(b)に示すようにPEGDMAのみを硬化させると硬化後の膜は透明であるが、図5(a)に示す実施例の高分子膜は白色であり、実施例の高分子膜は、PEGDMAの重合体中に、PAMAMデンドリマーが固定化されていると考えられる。
また、実施例では、γ線を図5(a)及び図5(b)に示す方向(膜表面に対して水平方向;膜の径方向)より照射した。実施例で得られた高分子膜は、全体的に均質に硬化しており、約70mmの照射深さでも均一にエネルギーが付与されていた。また、同様の手順で、直径約100mmの円形の高分子膜を作製したところ、上記実施例と同様に、均質な高分子膜が形成された。
実施例で得られた高分子膜(膜中PAMAMデンドリマー濃度6.25重量%)について、CO、N透過性能を測定した。測定条件は以下の通りである。
[測定条件]
装置 :GRTテック社製、差圧式ガス透過率測定システムGRT−30XATR
温度 :25±2℃
湿度 :80±2%RH
試験ガス :水蒸気+窒素の混合ガス(住友精化社製、ZERO−U)
水蒸気+二酸化炭素の混合ガス(住友精化製、EG)
試験ガス圧力:約76cmHg(うち窒素および二酸化酸素の分圧74cmHg)
ガス透過面積:15.2cm(直径44mm)
測定数 :N=1
試験室雰囲気:22±2℃、55±5%RH
その結果、実施例の高分子膜のCO/N選択性は50、CO透過係数は3.3×10−16・m/(m・s・Pa)=44Barrer、N透過係数は6.525×10−18・m/(m・s・Pa)であった。
図6は、実施例の高分子膜のCO/N選択性とCO透過係数を、従来公知のCO/Nガス分離膜のCO/N選択性とCO透過係数(財団法人地球環境産業技術研究機構編 図解CO貯留テクノロジー 工業調査会(2006) 第102頁〜第111頁)と共にプロットした図である。図6に示すように、本発明に係る実施例の高分子膜のCO/Nガス分離特性は、従来公知のカルド型ポリマー等のCO/Nガス分離膜と同等以上であった。
本発明の高分子膜は、二酸化炭素を他のガスから分離するための用途に使用されるものであり、例えば、火力発電所、鉄鋼プラントなどで発生する燃焼排ガスからのCO分離などにおいて有用である。
1…ガス分離膜、2…ガス透過セル、3…加湿室、5、24…ガスクロマトグラフ、10、20…ガス分離能測定装置、21…供給ガス、22…マスフローコントローラー。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される基を有するアミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を、γ線の照射により重合反応させて生成する高分子重合体内に前記アミン化合物を固定化させる高分子膜の製造方法において、
    得られる前記高分子膜の表面に対して水平方向にγ線を照射することを特徴とする高分子膜の製造方法。
    [式中、Xは−CO−NH−または−NH−CO−を表し、Yは炭素数1〜3の2価の有機残基を表し、nは0または1の整数を表す。]
  2. 前記アミン化合物が、ポリアミドアミン系デンドリマーであることを特徴とする請求項1に記載の高分子膜の製造方法。
  3. 前記多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類およびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子膜の製造方法。
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