JP2009241006A - 複合膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素を他のガスから分離する複合膜とその製造方法並びに該複合膜を用いたガス分離方法を提供する。
【解決手段】多官能重合性単量体を重合させてなる高分子重合体に、式[I]
Figure 2009241006

で示される基、または式[II]
Figure 2009241006

で示されるアミン化合物が固定化された高分子膜と多孔質支持膜とを積層させたことを特徴とする複合膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を分離するための複合膜および該複合膜の製造方法並びに該複合膜を用いたガス分離方法に関する。
従来より、高分子素材には、その素材に特有の気体透過性があるため、高分子素材から構成された膜によって、気体成分を分離できることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。特に、膜による気体成分の分離技術は、エネルギーが少ない、装置が小型化できる、装置のメンテナンスが容易になる等の利点があり、種々の分野で使用されている。
近年、膜により気体成分を分離する技術の中でも、二酸化炭素を選択的に分離する技術が精力的に検討されている。この技術は、油田のオフガス、ゴミ焼却や火力発電の排ガス、天然ガス等からの二酸化炭素の分離回収に利用することができる。
しかしながら、従来の複合膜では二酸化炭素の選択性(二酸化炭素の膜透過速度/分離対象ガスの膜透過速度)が不十分で、目的とする濃度で二酸化炭素を回収することが出来なかった。そのため、二酸化炭素選択性に優れた分離膜の開発が望まれていた。
このような膜を得るために、二酸化炭素に対して選択的に親和性が高い素材を用いることが提案されている。例えば、室温で液状物質であるポリアミドアミンデンドリマーを、微多孔質の支持体に含浸させた分離膜が提案されている(非特許文献2および3)。この含浸膜の分離性能を、ヘリウムキャリアー法と言う膜に圧力差を設けない方法を用いて測定すると、二酸化炭素選択性が1000を超える優れた二酸化炭素選択性を示した。
しかしながら、液状物質であるポリアミドアミンデンドリマーを微多孔質の支持体に含浸させた分離膜では、この膜に圧力を掛けると、含浸させたデンドリマーが時間と共に支持体から抜け出して、性能を維持できないため、実用に供することが困難である。
したがって、ポリアミドアミンデンドリマーのような二酸化炭素に選択的に強い親和性を有する物質を固定して、実用的な圧力差をかけることが可能な複合膜の開発が切望されていた。
ガス分離技術の新展開、東レリサーチセンター調査研究事業部編、株式会社東レリサーチセンター発行、1990年、第345〜362頁 J.Am.Chem.Soc.122(2000)7594〜7595 Ind.Eng.Chem.Res.40(2001)2502〜2511
本発明は、実用に供する圧力差において、高い選択性をもって二酸化炭素を他のガスから分離するための複合膜およびその製造方法並びに該複合膜を用いたガス分離方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のアミン化合物の存在下、多官能重合性単量体を重合させて高分子重合体とすると、該高分子重合体内に、前記アミン化合物が固定化されてなる高分子膜を多孔質支持膜上に形成することによって、二酸化炭素に対する高い選択性を有すると共に、圧力差に耐え実用に供することが可能な複合膜を得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] 多官能重合性単量体を重合させて得られる高分子重合体内に、式[I]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基、または式[II]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基を有するアミン化合物が固定化されてなる高分子膜と多孔質支持膜とを積層させてなることを特徴とする複合膜、
[2] アミン化合物が、ポリアミドアミン系デンドリマーである前記[1]に記載の複合膜、
[3] ポリアミドアミン系デンドリマーが、式
Figure 2009241006

からなる群から選ばれる少なくとも1以上の第0世代デンドリマー、またはこれらに対応する第1〜5世代デンドリマーである前記[2]に記載の複合膜、
[4] 多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類およびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の複合膜、
[5] 多官能(メタ)アクリレート類が、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類、テトラ(メタ)アクリレート類またはエポキシアルキル(メタ)アクリレート類である前記[4]に記載の複合膜、
[6] ジ(メタ)アクリレート類が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である前記[5]に記載の複合膜、
[7] 高分子重合体が、多官能重合性単量体に単官能重合性単量体を加えて重合させて得られることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の複合膜、
[8] 単官能重合性単量体が、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類、単官能ビニル化合物類および単官能α,β−不飽和化合物類からなる群から選ばれる1種以上である前記[7]に記載の複合膜、
[9] 単官能(メタ)アクリレート類が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレートおよびポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である前記[8]に記載の複合膜、
[10] 単官能重合性単量体がポリエチレングリコールメタクリレートであり、多官能重合性単量体がポリエチレングリコールジメタクリレートである前記[7]〜[9]のいずれかに記載の複合膜、
[11] 多孔質支持膜の細孔の孔径が、100nm以下であることを特徴とする前記[1]〜[10]のいずれかに記載の複合膜、
[12] 該複合膜が、ガス分離膜である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の複合膜、
[13] 複合膜の製造方法であって、(1)式[I]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基、または式[II]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基を有するアミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物を固定化させ、高分子膜を形成する工程、および(2)該高分子膜と多孔質支持膜を積層する工程、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法、
[14] 複合膜の製造方法であって、(1)式[I]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基、または式[II]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基を有するアミン化合物および多官能重合性単量体を含む溶液を多孔質支持膜に塗布する、または多孔質支持膜を前記溶液に浸漬する工程、および(2)該多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物が固定されている高分子膜を多孔質支持膜上に形成させる工程、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法、
[15] アミン化合物が、ポリアミドアミン系デンドリマーである前記[13]または[14]に記載の複合膜の製造方法、
[16] ポリアミドアミン系デンドリマーが、式
Figure 2009241006
からなる群から選ばれる少なくとも1以上の第0世代デンドリマー、またはこれらに対応する第1〜5世代デンドリマーである前記[15]に記載の複合膜の製造方法、
[17] 多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類およびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上である前記[13]〜[16]のいずれかに記載の複合膜の製造方法、
[18] 多官能(メタ)アクリレート類が、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類、テトラ(メタ)アクリレート類またはエポキシアルキル(メタ)アクリレート類である前記[17]に記載の複合膜の製造方法、
[19] ジ(メタ)アクリレート類が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である前記[18]に記載の複合膜の製造方法、
[20] 重合反応における重合成分として、多官能重合性単量体と単官能重合性単量体とを併用することを特徴とする前記[13]〜[19]のいずれかに記載の複合膜の製造方法、
[21] 単官能重合性単量体が、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類、単官能ビニル化合物類および単官能α,β−不飽和化合物類からなる群から選ばれる1種以上である前記[20]に記載の複合膜の製造方法、
[22] 単官能重合性単量体がポリエチレングリコールメタクリレートであり、多官能重合性単量体がポリエチレングリコールジメタクリレートである前記[20]または[21]に記載の複合膜の製造方法、
[23] 重合反応が、光重合反応である前記[13]〜[22]のいずれかに記載の複合膜の製造方法、
[24] 重合反応が、熱重合反応である前記[13]〜[22]のいずれかに記載の複合膜の製造方法、
[25] 光重合反応を光重合開始剤の存在下に行う前記[23]に記載の複合膜の製造方法、
[26] 熱重合反応を熱重合開始剤の存在下に行う前記[24]に記載の複合膜の製造方法、
[27] 光重合開始剤が1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである前記[25]に記載の複合膜の製造方法、
[28] 熱重合開始剤がアゾビスイソブチロニトリルである前記[26]に記載の複合膜の製造方法、
[29] さらに、増感剤の存在下に重合反応を行う前記[25]または[27]に記載の複合膜の製造方法、
[30] 増感剤が三級アミンである前記[29]に記載の複合膜の製造方法、
[31] 三級アミンがトリエタノールアミンである前記[30]に記載の複合膜の製造方法、
[32] 多孔質支持膜の細孔の孔径が、1〜100nmであることを特徴とする前記[31]に記載の複合膜の製造方法、および
[33] 二酸化炭素を含む混合ガスを、前記[1]〜[12]のいずれかに記載の複合膜に接触させて、該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことを特徴とする二酸化炭素の分離方法、
に関する。
本発明によれば、実用に供する圧極差において、高い選択性をもって二酸化炭素を他のガスから分離できる複合膜およびその製造方法が提供される。また、本発明によれば、該複合膜を用いて効率よく二酸化炭素を他のガスから分離する方法が提供される。
なお、本発明の複合膜は、二酸化炭素分離能を有するアミン化合物が高分子膜の表面に担持されているのではなく、該高分子膜内に固定化されており、かつ前記高分子膜が多孔質支持膜に積層されてなるため、安定性が非常に優れているという特長を有する。すなわち、本発明で得られる複合膜は圧力をかけた場合に式[I]または[II]で示される基を有するアミン化合物が漏出することがなく、したがって、該複合膜を長期間安定に使用しうるという特長を有する。
本発明の複合膜は、多官能重合性単量体を重合させて得られる高分子重合体内に、式[I]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基、または式[II]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基を有するアミン化合物が固定化されてなる高分子膜と多孔質支持膜とを積層させてなることを特徴とする。なお、本発明において複合膜とは、ガス分離能を有する高分子膜と多孔質支持膜が一体に形成されたものをいう。
多官能重合性単量体を重合させてなる高分子重合体内に固定化されているアミン化合物は、前記式[I]または[II]で示される基を有するアミン化合物であるが、式[I]または[II]中、AまたはAで示される炭素数1〜3の二価有機残基としては、例えば、直鎖状または分枝状の炭素数1〜3のアルキレン基が挙げられる。このようなアルキレン基の具体例としては、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH(CH)−等が挙げられ、これらのうち特に−CH−が好ましい。本発明のアミン化合物は、式[I]または式[II]で示される基が1個以上含まれている限り、該基の数については特に制限されないが、好ましくは該基が2〜4096個、更に好ましくは該基を3〜128個有するものが例示される。
また、本発明で使用されるアミン化合物において、式[I]または式[II]の基が占める重量分率は、特に制限されるものではない。二酸化炭素と水素の分離能を高めるという観点から、該アミン化合物に占める式[I]または式[II]で示される基の重量分率が5%以上、好ましくは10〜94%、更に好ましくは15〜53%であるのが望ましい。
本発明で使用されるアミン化合物において、式[I]または[II]で示される基が結合する骨格を示すと、例えば次のものが挙げられる。
Figure 2009241006
Figure 2009241006
[式中、nは0〜10の整数を示す。]
すなわち、本発明で使用されるアミン化合物は、式[I]または[II]で示される基が、上記式において米印の結合子の一部または全部に、直接またはアルキレン基を介して結合し、式[I]または[II]で示される基が結合してない結合子には、水素原子、アルキル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基等が結合した化合物である。
本発明で使用されるアミン化合物の具体的な化合物は、例えば、下記の式で示される第0世代のポリアミドアミン系デンドリマー、並びにこれら第0世代ポリアミドアミン系デンドリマーに対応する第1世代以上のものが挙げられる。
Figure 2009241006
Figure 2009241006
Figure 2009241006

Figure 2009241006
Figure 2009241006
Figure 2009241006
Figure 2009241006
上記ポリアミドアミン系デンドリマーのうち、特に好適な化合物の一例として、下記ポリアミドアミン系デンドリマーが挙げられる。
Figure 2009241006
なお、本発明で用いるポリアミドアミン系デンドリマーは、枝の長さがすべて等しいものと、そのうちの少なくとも1つがヒドロキシアルキル基またはアルキル基で置換され、枝の長さが異なるものを含む。また、ポリアミドアミン系デンドリマーは、表面基[すなわち、式[I]または[II]で示される基]の数が異なる各種のポリアミドアミン系デンドリマーを使用することができる。ポリアミドアミン系デンドリマーの表面基の数と世代の関係は、第0世代の表面基の数をa(aは3以上の整数を示す。)とすると、第b世代(bは整数を示す。)の表面基の数cは、次の通りである。
Figure 2009241006
本発明においては市販品(例えば、アルドリッチ社製の第0〜10世代のPAMAMデンドリマー)を使用することもでき、とりわけ第0〜5世代のポリアミドアミン系デンドリマーを好適に使用することができる。第0世代の表面基の数が4個の場合の世代ごとの表面基の数を下記表1に示す。
Figure 2009241006
式[I]で示される基を有するアミン化合物は、公知の有機合成法に従って製造することができる。当該アミン化合物の合成方法の一例として、メチルエステル基を有する母核化合物と、下記式[Ia]で示されるアミン化合物を反応させる方法が例示される。かかる方法によれば、メチルエステル基を有する化合物の該メチルエステル基が式[I]で示される基に変換されて、式[II]で示される基を有するアミン化合物を製造することができる。下式は、当該合成法において、メチルエステル基が式[I]で示される基に変換される式である。
Figure 2009241006
[式中、Aおよびnは前記と同意義を示す。]
メチルエステル基を有する化合物と、式[Ia]で示されるアミン化合物との反応は、メチルエステル基を有する化合物1モルに対して、式[Ia]で示されるアミン化合物を、通常約3〜20モル、好ましくは約5〜10モルの割合で使用して行われる。
メチルエステル基を有する化合物と、式[Ia]で示されるアミン化合物との反応は、通常、適当な溶媒中で行われる。溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒には、水が含まれていていることを妨げるものではない。
メチルエステル基を有する化合物と、[Ia]で示されるアミン化合物との反応は、通常約0〜40℃、好ましくは約20〜30℃で、約90〜180時間、好ましくは約160〜170時間攪拌を続けることにより行われる。
原料として用いられるメチルエステル基を有する化合物、および式[Ia]で示されるアミン化合物は公知化合物の化合物を用いることができる。
上記反応によって得られた反応混合物を、例えば、冷却した後、濾過、濃縮、抽出等の単離操作に供して粗反応生成物を分離し、更に必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製操作を行うことによって式[I]で示される基を有するアミン化合物を単離精製することができる。
また、式[II]で示される基を有するアミン化合物は、アミノ基を有する母核化合物と下記式[IIa]で示される末端にメチルエステル基を有するアミン化合物を、前記と同様に反応させることにより製造することができる。
Figure 2009241006
[式中、Aおよびnは前記と同意義を示す。]
本発明に用いる多官能重合性単量体としては、炭素−炭素不飽和結合を2個以上有する重合可能な化合物であれば、特に限定されない。例えば、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類等の多官能アクリル系単量体、多官能ビニルエーテル類またはジビニルベンゼン等の多官能ビニル系単量体等が挙げられる。これらの多官能重合性単量体は、単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記多官能(メタ)アクリルアミド類としては、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、エチジウムブロマイド−N,N’−ビスアクリルアミド(Ethidium bromide−N,N’−bisacrylamide)、エチジウムブロマイド−N,N’−ビスメタクリルアミド(Ethidium bromide−N,N’−bismethacrylamide)、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレート類としては、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類またはテトラ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記ジ(メタ)アクリレート類としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
上記トリ(メタ)アクリレート類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記テトラ(メタ)アクリレート類としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能ビニルエーテル類としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等が挙げられる。
また、必要に応じて、重合反応を上記多官能重合性単量体と単官能重合性単量体とを併用して行ってもよい。併用することにより、高分子重合体内の網目の大きさを調節することができる。
単官能重合性単量体としては、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類等の単官能アクリル系単量体、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類または単官能ビニル化合物類等の単官能ビニル系単量体、単官能α,β−不飽和化合物類等が挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリルアミド類としては、2−アセトアミドアクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、等が挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記単官能ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
上記単官能N−ビニル化合物類としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
上記単官能ビニル化合物類としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
上記単官能α,β−不飽和化合物類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等が挙げられる。
上記高分子重合体内に固定化される上記式[I]で示される基または式[II]で示される基を有するアミン化合物の量は、高分子重合体100重量部に対して通常約2〜400重量部、好ましくは約25〜250重量部、さらに好ましくは約40〜100重量部である。
本発明に用いる多孔質支持膜は、例えば、後述するポリマー等を用いて製造することができ、セラミックスやポリエチレンフタレート(PET)フィルム等を用いることもできる。具体的には、ポリマーを用いて製造する場合、ポリマーを溶媒に溶解して、原料溶液を得たのち、該原料溶液と、凝固液(溶媒と非溶媒の混合溶液)と接触させて、非溶媒濃度の上昇により相分離を誘起する方法(非溶媒誘起相分離法;NIPS法、特公平1−22003号公報参照)により、多孔質支持膜を製造することができる。前記セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ等が挙げられる。
多孔質支持膜の製造に用いるポリマーとしては、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニレンスルホン、トリアセチルセルロース、酢酸セルロース、カーボン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、芳香族ナイロン、ポリエチレンフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
前記溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。凝固時に凝固液へ溶媒が溶解するものであれば、特に限定されない。前記非溶媒としては、例えば水、一価アルコール、多価アルコール、エチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。
原料溶液の調製の際に、膨潤剤を添加して、凝固後の支持膜内の貫通孔を増加させ、ガス透過性を向上させることが好ましい。前記膨潤剤としては、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、食塩、塩化リチウム、臭化マグネシウムから選ばれる1種または2種以上の混合物を用いることができる。この膨潤剤の中で、ポリエチレングリコールが好ましく、特に重量平均分子量400〜800のポリエチレングリコールが好ましい。原料溶液および凝固液の濃度は、原料溶液と凝固液とを接触させ、非溶媒誘起相分離法により、多孔質支持膜を得られる濃度であれば、特に限定されないが、例えば、原料のポリマーとしてポリエーテルスルホン(PES)を用いる場合、原料溶液は、製膜性から20〜35wt%PES溶液とするのが好ましい。
原料溶液と凝固液との接触の方法としては、特に限定されないが、例えば、原料溶液を凝固液に浸漬する方法が挙げられる。凝固液中の溶媒濃度は、特に限定されないが、原料溶液の凝固において、凝固液中の溶媒濃度を変化させることにより、支持膜の構造が変化し、耐圧性を上げることができる。
多孔質支持膜の細孔の孔径としては、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以下である。多孔質支持膜の膜厚は、高分子膜のガス透過性が多孔質支持膜のガス透過性よりも大きくならない範囲であれば、特に限定されない。
以下に、本発明の複合膜の製造方法について説明する。
本発明の複合膜の製造方法の第一の態様としては、
(1)式[I]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基、または式[II]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基を有するアミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物を固定化させ、高分子膜を形成する工程、および(2)該高分子膜と多孔質支持膜を積層する工程、を含む方法が挙げられる。
[工程(1)]
本工程は、前記アミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に前記アミン化合物を固定化させ、高分子膜を形成する工程である。
本発明の多官能重合性単量体を前記アミン化合物の存在下に重合反応させる方法としては、熱重合であっても光重合であってもよい。この場合、通常(熱または光)重合開始剤が用いられる。
上記熱重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等が好適である。また、熱重合時には硬化促進剤を混合して使用してもよく、硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等または3級アミン等が好適である。熱重合開始剤の添加量としては、上記多官能重合性単量体100重量部に対し、約0.01〜10重量部とすることが好ましい。より好ましくは、約0.1〜1重量部である。
上記光重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、以下のような化合物が好適である。これらは単独または2種以上の混合物として使用される。
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類。
2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;アシルフォスフィンオキサイド類およびキサントン類。
上記光重合開始剤の添加量としては、上記多官能重合性単量体100重量部に対し、約0.5〜10重量部とすることが好ましい。より好ましくは約2〜3重量部である。
本発明に用いる多官能重合性単量体を光により硬化させる場合、光重合開始剤とともに増感剤として塩基性化合物を用いることができる。塩基性化合物としてはアミン化合物を用いることが好ましく、上記アミン化合物としては、特に制限されないが、具体的には、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等が挙げられる。これらの中で特に三級アミン化合物が好適である。
上記三級アミン化合物としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、メチルジブタノールアミン、エチルジエタノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、エチルジブタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、プロピルジイソプロパノールアミン、プロピルジブタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルブタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、ジエチルブタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジプロピルイソプロパノールアミン、ジプロピルブタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジブチルイソプロパノールアミン、ジブチルブタノールアミン、メチルエチルエタノールアミン、メチルエチルイソプロパノールアミン、メチルエチルブタノールアミン、ベンジルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、テトラエタノールエチレンジアミン、テトラプロパノールエチレンジアミン等が挙げられる。また、これら水酸基含有三級アミン化合物にエチレンオキサイドを付加させてポリエチレングリコール鎖を導入したもの、水酸基含有三級アミン化合物に水酸基と反応性を有する官能基を含有するモノマーを付加させて重合性二重結合を導入したもの、ポリマーまたはオリゴマーに三級アミノ基を導入したもの等も用いることができる。これらのアミン化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記増感剤の使用量は、光重合開始剤100重量部に対し、約1〜10重量部とすることが好ましい。より好ましくは約5〜8重量部である。
上記重合反応は、適当な溶媒中、熱重合の場合は加熱により、光重合の場合は紫外線の照射により実施することが好ましい。溶媒としては、上記アミン化合物と上記多官能重合性単量体を溶解するものであれば特に限定されないが、通常アルコール(例えば、メタノール、エタノール等)が好適に使用できる。熱重合の加熱は、通常約40〜90℃、好ましくは約60〜70℃で、通常約2〜24時間、好ましくは約5〜10時間で行われる。光重合の紫外線照射は、通常約200〜400nm、好ましくは約250〜360nmの波長を用いて、通常約30秒〜10分、好ましくは約1〜3分で行われる。なお、熱重合と光重合とは併用して行うこともでき、例えば熱重合の後に光重合を行うか、光重合させた後に熱重合するか、あるいは光重合と熱重合を同時に行うこともできる。
かくして、高分子重合体が生成すると同時に、該高分子重合体内に式[I]または式[II]で示される基を有するアミン化合物が固定化されてなる高分子膜が得られる。得られる高分子膜は、該三次元網目構造を有する高分子重合体の該網目構造内に式[I]または式[II]で示される基を有するアミン化合物が封入され、固定化されているものが好適に挙げられる。
[工程(2)]
本工程は、前記工程(1)で得られた高分子膜と多孔質支持膜を積層させてなる複合膜を得る工程である。
高分子膜と多孔質支持膜を積層させる方法としては、それ自体公知の方法を採用することができ、例えばラミネート法等が挙げられ、ラミネート法としては、例えば公知のドライラミネート、ホットメルトラミネート等が挙げられる。具体的には、高分子膜と多孔質支持膜とを、通常φ(直径)20〜60mm、好ましくはφ25〜50mm程度に切り取り、接着剤または接着フィルムを用いて張り合わせる方法である。
ラミネートに用いる接着剤としては、特に限定されないが、水系接着剤(例えば、α−オレフィン系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤等)、水分散系接着剤(例えば、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤等)、溶剤系接着剤(例えば、ニトロセルロース接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤等)、反応系接着剤(例えば、シアノアクリレート系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤等)、ホットメルト接着剤(例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤等)等が挙げられる。接着フィルムとしては、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性透明樹脂からなるフィルム等が挙げられる。本発明の高分子膜のガス透過性および多孔質支持膜のガス透過性を妨げない範囲であれば、接着剤または接着フィルムの層の厚さは特に限定されない。
本発明の複合膜の製造方法の第二の態様としては、(1)式[I]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基、または式[II]
Figure 2009241006
(式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
で示される基を有するアミン化合物および多官能重合性単量体を含む溶液を多孔質支持膜に塗布する、または多孔質支持膜を前記溶液に浸漬する工程、および(2)該多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物が固定されている高分子膜を多孔質支持膜上に形成させる工程、を含む方法が挙げられる。
[工程(1)]
本工程は、前記アミン化合物および多官能重合性単量体を含む溶液を多孔質支持膜に塗布する、または多孔質支持膜を前記溶液に浸漬する工程である。
前記アミン化合物および多官能重合性単量体を含む溶液は、溶媒に前記アミン化合物および多官能重合性単量体を溶媒に溶解させて得られる(以下、前駆体溶液という。)。
前記溶媒としては、重合反応を阻害しない溶媒であれば公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒には、水が含まれていていることを妨げるものではない。
前駆体溶液には、通常、重合開始剤が用いられる。前駆体溶液に添加する重合開始剤としては、上記した熱重合開始剤または光重合開始剤を用いることができ、光重合を行う場合は、上記した増感剤を前駆体溶液に添加することができる。熱重合開始剤、光重合開始剤または増感剤の使用量は上記と同様である。
塗布または浸漬の方法は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、それ自体公知のスピンコーティング法やディップコーティング法が好ましい。
前記スピンコーティング法は、多孔質支持膜の表面に前記前駆体溶液を所定量滴下し、表面を均一に塗布する方法である。なお、スピンコーティングにおける滴下量は0.1〜1μl/mm程度が好ましい。スピンコーティング時における回転速度は500〜4000rpm程度が好ましい。
また、前記ディップコーティング法は、前記前駆体溶液内に多孔質支持膜を浸し、ついで1〜10mm/sec程度で引き上げることにより、多孔質支持膜に前駆体溶液を塗布する方法である。
[工程(2)]
本工程は、前記工程(1)に続いて、多孔質支持膜表面に塗布された多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物が固定されている高分子膜を多孔質支持膜上に形成させる工程である。
前記アミン化合物の存在下に、多孔質支持膜表面に塗布された多官能重合性単量体を重合反応させる方法としては、熱重合であっても光重合であってもよい。また、重合反応の温度、時間等の条件も上記と同様にすることができる。
(炭酸ガス分離方法)
本発明の他の一つは、上記で得られた複合膜を用いて、二酸化炭素を含む混合ガスから、二酸化炭素を分離する方法である。すなわち、本発明のガス分離方法は、二酸化炭素を含む混合ガスを上記で得られた複合膜に接触させて該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことを特徴とする。
当該ガス分離方法は、分離膜のガス供給側とガス透過側との間に圧力差を設けておくのが好ましい。この圧力差は、通常、ガス透過側を減圧にすることにより設けられる。また、本分離方法は、通常5〜80℃、好ましくは室温〜50℃の温度条件下で実施するのが望ましい。
本発明の分離方法に適用できる混合ガスは、二酸化炭素を含む混合ガスであれば特に制限されないが、二酸化炭素と他のガスとの分離性能を向上させるためには、混合ガスの相対湿度を30%以上、好ましくは60〜100%に調製しておくのが好ましい。
上記ガス分離方法は、例えば、火力発電所、鉄鋼プラント等で発生する燃焼排ガスから二酸化炭素(CO)を分離するのに適用することができる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
1.支持膜の作製
(原料溶液の調製)
ポリエーテルスルホン(PES)150gを窒素雰囲気下、80℃でN−メチルピロリドン(NMP)350gに溶解し、原料溶液として30wt%PES溶液を得た。得られた原料溶液500gを金属フィルターでろ過したのち、2gをガラス板上に固定した。また、NMP500gを精製水0.5Lに溶解して、50wt%NMP凝固液1000gを得た。
(原料溶液の凝固)
固定した原料溶液に凝固液1000gを注ぎ、非溶媒誘起相分離法(NIPS法)によって凝固させ、次いで、60℃の恒温槽にて乾燥させて、ポリエーテルスルホン支持膜を得た。支持膜の表面を走査型電子顕微鏡(SEM、製品名:S−4800;日立製作所製)により観察したところ、10nm以上の孔径はなかった。得られたポリエーテルスルホン支持膜は膜厚が約0.25mmであった。
2.複合膜の作製
下記式
Figure 2009241006
で示される第0世代のポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー(表面基:−CONHCHCHNH;アミノ基の数:4個;20重量%メタノール溶液;アルドリッチ社製)1g、トリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、TMPTMAと略す)0.25g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(以下、PEGDMAと略す、分子量:750;アルドリッチ社製)0.75g(1.00mmol)をメタノール(和光純薬工業株式会社製)2gに溶かした。次いで、トリエタノールアミンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンをそれぞれ0.8mmol/mL、0.04mmol/mLとなるように加え、前駆体溶液を得た。
ガラスシャーレ(φ47)上に前記支持膜をおき、その上に前記前駆体溶液1.3gを滴下し、B−100APランプ(UVP社製)を用いて紫外光(波長ピーク:360nm)を室温で3分間照射することにより、PEGDMAを重合した。その後、反応溶媒であるエタノールを減圧下で留去し、目的の複合膜(以下、本発明品1という)を得た。得られた複合膜のうち、支持膜を除く高分子膜の膜厚は約0.5mmで、該高分子膜中のTMPTMA、PEGDMA、PAMAMデンドリマーの割合は、それぞれ12.5、37.5、50wt%であった。
[実施例2]
実施例1において、高分子膜中のPAMAMデンドリマー、TMPTMAおよびPEGDMAの割合を下記表2の通りとする以外は、実施例1と同様にして目的の複合膜を得た(以下、本発明品2という)。
Figure 2009241006
[比較例1〜2]
支持膜を用いない以外は実施例1および2と同様にして高分子膜を得た(以下、比較品1、2という)。
[試験例1]二酸化炭素と水素の分離試験
実施例1〜3で得た複合膜(本発明品1〜3)を用い、図1に概略図を示す装置を用いてCO分離能を測定した。すなわち、複合膜の高分子膜層が供給ガスと接触するように設置して、該複合膜に表3に示すCO分圧の二酸化炭素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給し、複合膜を透過したガスの透過速度QCO2(m(STP)/mPa s)を下記条件でガスクロマトグラフィーと流量計を用いて測定し、下記式に従って選択性αを算出した。試験に用いた複合膜中の高分子膜は、0.8cmとした。なお、複合膜に代えて、比較例1〜2で得た高分子膜(比較品1、2)を用いて同様の試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2009241006
(式中、(XCO2は供給ガスのCOのモル分率を意味し、(XH2は供給ガスのHのモル分率を意味し、(XCO2は膜を透過したガス中のCOのモル分率を意味し、(XH2は膜を透過したガス中のHのモル分率を意味する。)
<ガス透過測定装置の設定条件>
供給ガス量:約100ml/分、
測定温度:40℃、
供給ガス組成:CO/H=80/20(vol/vol)、
透過側循環ガス:He(乾燥)、
相対湿度:80%、
圧力:供給側;100〜700kPa、透過側;0kPa
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
製品:GC390B(ツクバリカセイキ社製)
Heキャリアーガス量:約20ml/分、
カラム1: シリコ 1/8 inch×4m/MS/シリコ 1/8 inch×2m
カラム2: ユニビーズ 2S 1/8 inch×4m
Figure 2009241006
上記の結果から、本発明の複合膜は、優れたガス分離性能を有することが確認された。
[試験例2]
実施例1で得た複合膜(本発明品1)を用い、図1に概略図を示す装置を用いて複合膜の圧力差に対する強度を測定した。すなわち、複合膜の高分子膜層が供給ガスと接触するように設置して、該複合膜に表4に示すCO分圧の二酸化炭素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給し、複合膜を透過したガスのQH2、QCO2(m(STP)/mPa s)を下記条件でガスクロマトグラフィーと流量計を用いて測定し、試験例1に記載の式に従って選択性αを算出した。試験に用いた複合膜中の高分子膜は、0.8cmとした。なお、複合膜に代えて、比較例1で得た高分子膜(比較品1)を用いて同様の試験を行った。結果を表4に示し、値をグラフ化したものを図2に示す。
<ガス透過測定装置の設定条件>
供給ガス量:約100ml/分、
測定温度:40℃、
供給ガス組成:CO/H=80/20(vol/vol)、
透過側循環ガス:He(乾燥)、
相対湿度:80%、
圧力:供給側;100〜700kPa、透過側;0kPa
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
製品:GC390B(ツクバリカセイキ社製)
Heキャリアーガス量:約20ml/分、
カラム1: シリコ 1/8 inch×4m/MS/シリコ 1/8 inch×2m
カラム2: ユニビーズ 2S 1/8 inch×4m
Figure 2009241006
表4から明らかなように、比較品1では圧力を変化させた場合に選択性αが低下したが、本発明の複合膜は、供給ガスの圧力を変化させた場合でも、圧力差に耐える強度を有し、安定して、優れたガス分離能を示すことが確認された。
[試験例3]
実施例2で得た複合膜(本発明品2)を用い、図1に概略図を示す装置を用いて複合膜の圧力差に対する強度を測定した。すなわち、複合膜の高分子膜層が供給ガスと接触するように設置して、該複合膜に表5に示すCO分圧の二酸化炭素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給し、複合膜を透過したガスのQH2、QCO2(m(STP)/mPa s)を試験例2と同様の条件でガスクロマトグラフィーと流量計を用いて測定し、試験例1に記載の式に従って選択性αを算出した。試験に用いた複合膜中の高分子膜は、0.8cmとした。なお、複合膜に代えて、比較例2で得た高分子膜(比較品2)を用いて同様の試験を行った。結果を表5に示し、値をグラフ化したものを図3に示す。
Figure 2009241006
表5から明らかなように、比較品2では圧力を変化させた場合に膜が破壊したが、本発明の複合膜は、供給ガスの圧力を変化させた場合でも、圧力差に耐える強度を有し、安定して、優れたガス分離能を示すことが確認された。
本発明の複合膜は、二酸化炭素を他のガスから分離するための用途に使用されるものであり、例えば、火力発電所、鉄鋼プラント等で発生する燃焼排ガスからのCO分離等において有用である。
図1は、ガス分離装置の概略図である。図中、GCはガスクロマトグラフィーを意味する。 図2は、試験例2の結果を示す。図中、縦軸は選択性αを表し、横軸は供給ガス中のCO分圧を表す。 図3は、試験例3の結果を示す。図中、縦軸は選択性αを表し、横軸は供給ガス中のCO分圧を表す。
符号の説明
1 複合膜
2 ガス透過セル
3 圧力計
4 恒温槽
5 加湿器
6 背圧弁

Claims (33)

  1. 多官能重合性単量体を重合させて得られる高分子重合体内に、式[I]
    Figure 2009241006
    (式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    で示される基、または式[II]
    Figure 2009241006
    (式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    で示される基を有するアミン化合物が固定化されてなる高分子膜と多孔質支持膜とを積層させてなることを特徴とする複合膜。
  2. アミン化合物が、ポリアミドアミン系デンドリマーである請求項1に記載の複合膜。
  3. ポリアミドアミン系デンドリマーが、式
    Figure 2009241006
    からなる群から選ばれる少なくとも1以上の第0世代デンドリマー、またはこれらに対応する第1〜5世代デンドリマーである請求項2に記載の複合膜。
  4. 多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類およびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の複合膜。
  5. 多官能(メタ)アクリレート類が、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類、テトラ(メタ)アクリレート類またはエポキシアルキル(メタ)アクリレート類である請求項4に記載の複合膜。
  6. ジ(メタ)アクリレート類が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である請求項5に記載の複合膜。
  7. 高分子重合体が、多官能重合性単量体に単官能重合性単量体を加えて重合させて得られることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合膜。
  8. 単官能重合性単量体が、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類、単官能ビニル化合物類および単官能α,β−不飽和化合物類からなる群から選ばれる1種以上である請求項7に記載の複合膜。
  9. 単官能(メタ)アクリレート類が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレートおよびポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である請求項8に記載の複合膜。
  10. 単官能重合性単量体がポリエチレングリコールメタクリレートであり、多官能重合性単量体がポリエチレングリコールジメタクリレートである請求項7〜9のいずれかに記載の複合膜。
  11. 多孔質支持膜の細孔の孔径が、100nm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の複合膜。
  12. 該複合膜が、ガス分離膜である請求項1〜11のいずれかに記載の複合膜。
  13. 複合膜の製造方法であって、(1)式[I]
    Figure 2009241006
    (式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    で示される基、または式[II]
    Figure 2009241006
    (式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    で示される基を有するアミン化合物の存在下に、多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物を固定化させ、高分子膜を形成する工程、および(2)該高分子膜と多孔質支持膜を積層する工程、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法。
  14. 複合膜の製造方法であって、(1)式[I]
    Figure 2009241006
    (式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    で示される基、または式[II]
    Figure 2009241006
    (式中、Aは炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    で示される基を有するアミン化合物および多官能重合性単量体を含む溶液を多孔質支持膜に塗布する、または多孔質支持膜を前記溶液に浸漬する工程、および(2)該多官能重合性単量体を重合反応させることにより、生成する高分子重合体内に上記アミン化合物が固定されている高分子膜を多孔質支持膜上に形成させる工程、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法。
  15. アミン化合物が、ポリアミドアミン系デンドリマーである請求項13または14に記載の複合膜の製造方法。
  16. ポリアミドアミン系デンドリマーが、式
    Figure 2009241006
    からなる群から選ばれる少なくとも1以上の第0世代デンドリマー、またはこれらに対応する第1〜5世代デンドリマーである請求項15に記載の複合膜の製造方法。
  17. 多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類およびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上である請求項13〜16のいずれかに記載の複合膜の製造方法。
  18. 多官能(メタ)アクリレート類が、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類、テトラ(メタ)アクリレート類またはエポキシアルキル(メタ)アクリレート類である請求項17に記載の複合膜の製造方法。
  19. ジ(メタ)アクリレート類が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である請求項18に記載の複合膜の製造方法。
  20. 重合反応における重合成分として、多官能重合性単量体と単官能重合性単量体とを併用することを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載の複合膜の製造方法。
  21. 単官能重合性単量体が、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類、単官能ビニル化合物類および単官能α,β−不飽和化合物類からなる群から選ばれる1種以上である請求項20に記載の複合膜の製造方法。
  22. 単官能重合性単量体がポリエチレングリコールメタクリレートであり、多官能重合性単量体がポリエチレングリコールジメタクリレートであるである請求項20または21に記載の複合膜の製造方法。
  23. 重合反応が、光重合反応である請求項13〜22のいずれかに記載の複合膜の製造方法。
  24. 重合反応が、熱重合反応である請求項13〜22のいずれかに記載の複合膜の製造方法。
  25. 光重合反応を光重合開始剤の存在下に行う請求項23に記載の複合膜の製造方法。
  26. 熱重合反応を熱重合開始剤の存在下に行う請求項24に記載の複合膜の製造方法。
  27. 光重合開始剤が1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである請求項25に記載の複合膜の製造方法。
  28. 熱重合開始剤がアゾビスイソブチロニトリルである請求項26に記載の複合膜の製造方法。
  29. さらに、増感剤の存在下に重合反応を行う請求項25または27に記載の複合膜の製造方法。
  30. 増感剤が三級アミンである請求項29に記載の複合膜の製造方法。
  31. 三級アミンがトリエタノールアミンである請求項30に記載の複合膜の製造方法。
  32. 多孔質支持膜の細孔の孔径が、100nm以下であることを特徴とする請求項13〜31のいずれかに記載の複合膜の製造方法。
  33. 二酸化炭素を含む混合ガスを、請求項1〜12のいずれかに記載の複合膜に接触させて、該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことを特徴とする二酸化炭素の分離方法。
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