JP5821094B2 - 積層フィルム - Google Patents

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本発明は、天然ガスや燃焼ガスなどの混合ガスから高濃度の二酸化炭素を分離し、回収するのに好適な積層フィルムに関するものである。
近年、地球温暖化問題に対して天然ガスや燃焼ガスから二酸化炭素を分離・濃縮し、回収する需要が増大している。二酸化炭素の分離膜としては、炭素膜(例えば特許文献1)、ポリイミド膜(例えば特許文献2)、セラミック膜(例えば特許文献3)などが挙げられるが、これらの分離原理は空隙(自由体積)の大きさに起因する分子ふるい効果であるため、サイズの小さな分子ほど速く透過することになる。しかし、火力発電所などから排出される混合ガスは二酸化炭素より分子サイズの小さな水素を含んでおり、二酸化炭素のみを選択的に取り出すことは不可能である。また、天然ガスなど、水素が含まれていないガスに関しても水蒸気を含んでいるため、分離前に予め除湿して除去しておく必要がある。よって、これらの膜は水素も水蒸気も含まれていないような限られたガスにしか適用ができないのが現状である。
水蒸気を含有した二酸化炭素を分離する方法としては、ポリエチレングリコールなどに高圧で吸収させる「物理吸着法」、及びアミン系やアンモニア系溶剤に吸収させる「化学吸収法」が取り挙げられているが、親和性溶剤に吸収された炭酸ガスを脱着させるコストが大きく、炭酸ガスの吸収と脱着が繰り返されるため親和性溶剤の寿命が短いという問題もある。
また、一部ではあるが、これらの問題を解決するために化学吸着の原理を膜分離法に展開した研究も行われており、アミン、アンモニア、炭酸塩などの二酸化炭素と親和性がある溶剤を親水性多孔質膜や高分子重合体で被覆させた液膜(例えば特許文献4,5)が挙げられる。しかし、これらの液膜は親和性溶剤が固定されていないため圧力や溶解によって漏出し、欠陥が生じる問題があった。その問題を改善するために液膜の支持体として疎水性の多孔質膜で挟むことが通常であるが、この方法では多孔質内への親和性溶剤の漏出を完全に防ぐことはできなかった。このように、現在知られている二酸化炭素を選択的に濃縮させる分離膜では、低コスト、長寿命かつ高い選択率で二酸化炭素の分離を達成することはできなかった。
特開2009−34614号公報 特開平3−267130号公報 特開2009−6260号公報 特開2008−36463号公報 特表2001−519711号公報
そこで、本発明の目的は、低コスト、長寿命かつ高い選択率で二酸化炭素を分離するようにした二酸化炭素分離用の積層フィルムを提供することである。
上記目的を解決する本発明の積層フィルムは、以下の構成を有する。
(1)ポリアミドもしくはポリイミドから構成され、酸素透過率が100(cc/m 2 /24hr/atm/0.1mm)以下である基材フィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられた積層フィルムであり、前記塗布層に下記の化学式[I]または[II]で示される基を有するアミン化合物が固定化されてなる積層フィルム。
Figure 0005821094
(化学式[I]のAr1は炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
Figure 0005821094
(化学式[II]のAr2は炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
)前記基材フィルムの厚みが5μm以上である(1)に記載の積層フィルム。
)前記基材フィルムが化学式[III]及び/または化学式[IV]で表される繰り返し単位を有するポリアミドからなるフィルムである(1)または(2)に記載の積層フィルム。
Figure 0005821094
Figure 0005821094
(ここで、化学式[III],[IV]のAr3、Ar4、Ar5はそれぞれ化学式[V]及び/または化学式[VI]から選ばれる。
Figure 0005821094
Figure 0005821094
また、化学式[V]のX、Y、Zは−O−,−CH2−,−CO−,−CO2−,−S−,−SO2−,−C(CH32−から選ばれ、化学式[VI]のnは2〜8のいずれかの整数を示す。)
)前記ポリアミドフィルムを構成するAr3、Ar4、Ar5の総数の10モル%以上が化学式[V]の群から選ばれることを特徴とする()に記載の積層フィルム。
)前記基材フィルムを構成するポリアミドフィルムのヤング率が少なくとも一方向で3GPa以上である(1)から()のいずれかに記載の積層フィルム。
)前記基材フィルムを構成するポリアミドフィルムが溶液製膜法で製造されたものであり、該ポリアミドフィルムをフィルム状に成形後に160℃以上で熱処理を行った後に得られたものである(1)から()のいずれかに記載の積層フィルム。
)前記塗布層がアミン化合物を(メタ)アクリル樹脂で固定化されてなるものである(1)から()のいずれかに記載の積層フィルム。
)前記(メタ)アクリル樹脂が(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上のジ(メタ)アクリレート類を重合することを特徴とする()に記載の積層フィルム。
)60℃以上の混合ガスから二酸化炭素を選択透過させることに用いられる(1)から()のいずれかに記載の積層フィルム。
10)水素が含まれた混合ガスから二酸化炭素を選択透過させることに用いられる(1)から()のいずれかに記載の積層フィルム。
本発明の積層フィルムは、上述した構成により、高濃度の二酸化炭素を濃縮するとき
[1]二酸化炭素と親和性の高いアミン化合物を高分子重合体で強固に固定化された塗布層を有すること。
[2]二酸化炭素親和性部位が欠落することのない高分子成形体を支持体(基材フィルム)として用いること。
によって、高圧下でも安定して使用でき、低コスト、長寿命かつ高い選択率で、混合ガスの中から高濃度に二酸化炭素を濃縮して回収することができる。
本発明では、二酸化炭素と親和性のあるアミン化合物を高分子重合体で強固に固定化すると共に、微多孔が存在しない高分子成形体(基材フィルム)を用いることにより支持体を改良したので、従来技術のように液膜から親和性溶剤が漏出するのを防止するようにした。また、従来、疎水性多孔質膜を支持体にしたとき、製造過程において親和性溶剤の一部が支持体の多孔質部分へ漏出したり、漏出を無視して積層したとしても多孔質平面が平滑でないため高分子重合体の厚みが均一にならなかったりするため、混合塗剤を直接、疎水性多孔質膜上に塗布して硬化させることが出来なかった問題も同時に解決する。
さらにこの基材フィルムに二酸化炭素を選択的に透過する高分子を用いることによりアミン化合物との相乗効果で高い分離性能を持たせることができる。すなわち、この積層フィルムは、ポリイミドやポリアミドからなるフィルムや、二酸化炭素と親和性のあるアミン化合物が高分子重合体で固定化された液膜単独よりも高い選択性で二酸化炭素を分離濃縮が可能であり、耐圧性も優れることから、高い圧力での分離も可能である。
二酸化炭素を選択的に透過する基材フィルムとしては、二酸化炭素と親和性の高い構造が共有結合で連結されたポリアミドフィルムを用いることが好適であり、その構造により耐圧性や耐熱性といった特性も付与することが出来る。
実施例で使用したガス分離装置の概略図である。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に塗布層を積層して形成される。基材フィルムはポリアミドもしくはポリイミドからなるフィルムである。塗布層は、アミン化合物(親和性溶剤)が高分子重合体によって固定化された高分子膜(液膜)である。本発明において、「固定化された」とは液体状であるアミン化合物を力学的、熱的特性で高分子成形体と同等に扱うことができる状態にすることと定義し、両者が完全相溶しているか、もしくは、相分離していてもミクロ相分離状態にある。
本発明において、塗布層は基材フィルムの少なくとも片面に積層されていればよく、基材フィルムの両面に積層させてもよい。また塗布層は、積層フィルムの被処理ガス(供給ガス)と接触する側に配置することが好ましい。
本発明の積層フィルムの塗布層内において固定化されるアミン化合物は、下記化学式[I]、または化学式[II]で示される基を有する。
Figure 0005821094
(化学式[I]のAr1は炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
Figure 0005821094
(化学式[II]のAr2は炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
これらの基を有するアミン化合物を、塗布層を構成する高分子重合体に固定することにより、高い選択性を有すると共に圧力差に耐えることが可能な高分子膜を得ることができる。この高分子重合体は、多官能重合性単量体を重合させたものである。
多官能重合性単量体を重合させてなる高分子重合体内に固定化されているアミン化合物は、前記化学式[I]または[II]で示される基を有するアミン化合物であるが、化学式[I]および[II]中、Ar1およびAr2で示される炭素数1〜3の二価有機残基としては、例えば、直鎖状または分枝状の炭素数1〜3のアルキレン基が挙げられる。このようなアルキレン基の具体例としては、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH(CH3)−等が挙げられ、これらのうち特に−CH2−が好ましい。
本発明におけるアミン化合物は、化学式[I]または式[II]で示される基が1個以上含まれている限り、これらの基の数については特に制限されないが、好ましくはこれら基が2〜4096個、更に好ましくは該基を3〜128個有するものが例示される。
また、本発明で使用されるアミン化合物において、化学式[I]または式[II]の基が占める重量分率は、特に制限されるものではない。二酸化炭素と水素の分離能を高めるという観点から、該アミン化合物に占める式[I]または式[II]で示される基の重量分率が5%以上、好ましくは10〜94%、更に好ましくは15〜53%であるのが望ましい。
本発明で使用されるアミン化合物の具体的な化合物は、例えば、下記の化学式[VII]から[XIII]で示される第0世代のポリアミドアミン(以下、「PAMAM」ということがある。)デンドリマー、並びにこれら第0世代PAMAMデンドリマーに対応する第1世代以上のものが挙げられる。ここでいう世代とは、デンドリマー側鎖の分岐のことであり、側鎖にデンドリマー単位が繰り返されることによって第1世代、第2世代と増えていくことになる。
Figure 0005821094
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上記PAMAMデンドリマーのうち、以下の化学式[XIV]で表わされる構造を持つものが特に好ましい。
Figure 0005821094
本発明の積層フィルムの高分子膜(塗布層)内においてPAMAMデンドリマーを固定化している高分子重合体は、特に限定されるものではないが、例えば(メタ)アクリル系樹脂やビニル系樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂やビニル系樹脂は、多官能の(メタ)アクリル系モノマーやビニル系モノマーを重合することで得ることができる。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリレート類、テトラ(メタ)アクリレート類が挙げられる。(メタ)アクリルアミド類としては、N,N'−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、エチジウムブロマイド−N,N'−ビスアクリルアミド(Ethidium bromide−N,N'−bisacrylamide)、エチジウムブロマイド−N,N'−ビスメタクリルアミド(Ethidium bromide−N,N'−bismethacrylamide)、N,N'−エチレンビスアクリルアミド、N,N'−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
(メタ)アクリレート類としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
テトラ(メタ)アクリレート類としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
ビニル系モノマーになるビニルエーテル類としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等が挙げられる。
また、必要に応じて、重合反応を上記多官能重合性単量体と単官能重合性単量体との共存下で行ってもよい。共存下で行うことにより、高分子重合体内の網目の大きさを調節することができる。
単官能重合性単量体としては、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類等の単官能アクリル系単量体、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類または単官能ビニル化合物類等の単官能ビニル系単量体、単官能α,β−不飽和化合物類等が挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリルアミド類としては、2−アセトアミドアクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、等が挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記単官能ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
上記単官能N−ビニル化合物類としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
上記単官能ビニル化合物類としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
上記単官能α,β−不飽和化合物類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等が挙げられる。
この中で好適なものとしては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明の積層フィルムの基材フィルムを構成するポリアミドもしくはポリイミドフィルムについて説明する。
本発明の積層フィルムは二酸化炭素のガス分離用として研究されている液膜の支持体として従来考えられていた疎水性の多孔質膜ではなく、二酸化炭素と親和性の高い高分子成形体(フィルムなど)からなる基材フィルムを使用することに特徴がある。疎水性多孔質膜を支持体とした場合、液膜中の親和性溶剤が支持膜の多孔質内へ漏出する問題があった。また、製造方法としてコーティング法を用いようとすると硬化前の親和性溶剤を塗布する工程で親和性溶剤の一部が多孔質膜中に漏出したり、多孔質膜は表面が平滑でないため均一な厚みで塗布することが出来なかったりするなどの問題が生じるため、生産面での問題もあった。これは多孔質体が持つ空隙によって生じる問題であり、ポリアミドもしくはポリイミドフィルムのような高分子成形体の持つ空隙(いわゆる自由体積)では、このような問題は発生しない。しかし、フィルムを支持体に用いるためには二酸化炭素がフィルム内を一定速度以上で透過する必要がある。フィルム内をガスが透過する速度には、分子構造や分子配向、結晶化度などに由来する空隙(自由体積)の他、親和性が影響することが知られている。本発明者らは、フィルムの高分子構造を二酸化炭素と親和性が高いものとすることによって、透過させるようにした。このことよって、二酸化炭素を選択的に透過できるため、塗布層である高分子膜との相乗作用で高い二酸化炭素分離性能を発揮できるのではないかと考えたためである。
本発明の積層フィルムに用いられる基材フィルムは、多孔質体ではなく高分子成形体であり、かつ、親和性を有効に活用する必要がある。このためには、空隙が特定の範囲にある必要があり、空隙の大きさの指標としてアミドと親和性の少ない単ガスの透過率を測定すれば判定できる。アミドと親和性の少ない単ガスとしては酸素を挙げることができる。
本発明において、基材フィルムの酸素透過率は100(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以下、好ましくは0.001(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以上100(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以下、より好ましくは0.01(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以上10(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以下、さらに好ましくは0.1(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以上1(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)以下である。基材フィルムの酸素透過率が0.001(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)未満の場合、二酸化炭素が透過できる速度が小さくなるため、面積を大きくする必要があるなど非効率となる。また酸素透過率が100(cc/m2/24hr/atm/0.1mm)を超える場合、分子配向、結晶化度、親和性にほとんど影響されずにガスが透過してしまうので、二酸化炭素を選択的に透過することはできない。本発明において、基材フィルムの酸素透過率は、ASTM D−3985に基づき、25℃、50%RHの条件で測定するものとする。
このような酸素透過率となる基材フィルムの空隙(自由体積)の大きさは陽電子消滅法などで測定でき、空隙(自由体積)の直径が0.2nm以上0.8nm未満であることが好ましく、0.25nm以上0.6nm未満であることがより好ましく、0.3nm以上0.5nm未満あることがさらに好ましい。このような範囲とするためには、特定の分子構造を持つ樹脂(ポリアミドやエチレン−ポリビニルアルコール共重合体など)を非多孔質体となるような条件で製膜する必要がある。
本発明の積層フィルムに用いられる基材フィルムは、二酸化炭素と親和性が高い分子構造を持つ必要があり、具体的な構造としては、イミド結合、アミド結合が挙げられる。フィルム内をガスが透過する速度には、前述したように分子構造や分子配向、結晶化度などに由来する空隙(自由体積)の大きさの他、親和性が影響することが知られている。ポリイミドやポリアミドを持つことにより、二酸化炭素を選択的に透過できるので液膜の支持体(基材フィルム)として用いると、液膜との相乗効果で二酸化炭素の分離性能を高めることが出来る。
本発明の積層フィルムに用いられる基材フィルムの分子構造は、下記の化学式[III]及び/または化学式[IV]で表される繰り返し単位を有するポリアミドであることが好ましい。このような構造を持つポリアミドとすることで、高い二酸化炭素親和性を持たせることが出来る。
Figure 0005821094
Figure 0005821094
(ここで、化学式[III]、[IV]のAr3、Ar4、Ar5はそれぞれ化学式[V]及び/または化学式[VI]から選ばれる。
Figure 0005821094
Figure 0005821094
また化学式[V]のX、Y、Zは−O−,−CH2−,−CO−,−CO2−,−S−,−SO2−,−C(CH32−から選ばれ、化学式[VI]のnは2〜8のいずれかの整数を示す。)
本発明の積層フィルムに用いられる基材フィルムの分子構造は、芳香族ポリアミドであることが好ましく、具体的には、芳香族ポリアミドのAr3、Ar4、Ar5の総数の10モル%以上が化学式[V]の群から選ばれる芳香環であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。さらに、式[V]で表される芳香環にはパラ系配位とメタ系配位があるが、全芳香族の50モル%以上がパラ系配位であることが好ましく、80モル%以上がパラ系配位であることがより好ましく、90モル%以上がパラ系配位であることがさらに好ましい。式[V]の群から選ばれる割合が増加することおよび/またはパラ系配位の割合が大きくなることで、ポリアミドフィルムの耐熱性が上昇して、二酸化炭素の拡散速度が大きくなる高温条件下で使用することが出来たり、ヤング率が上昇したりするため、高圧の条件下でも破れることなく使用することが出来るようになる。
さらに、化学式[V]で表される芳香環上の水素原子の一部が、フッ素,臭素,塩素等のハロゲン基、ニトロ基、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基等のアルコキシ基等の置換基で置換されているものを用いると、立体障害によって吸湿サイトであるアミド基へ水分が吸着しにくくなるため耐湿性が向上して、二酸化炭素の拡散速度が大きくなる高湿条件下で使用することが出来るため好ましい。この中でも、物理的性能低下がほとんどなく、耐熱性に優れることから、塩素,メチル基,メトキシ基で置換されていることがより好ましい。
基材フィルムを製膜するときは、公知の方法でフィルム化すればよく、溶融製膜でも溶液製膜でも構わない。ここでいうフィルムとは、いわゆる非多孔質体で空隙(自由体積)の小さい平面状の成形体のことを言い、多孔質体は含まない。
溶融製膜法で成形すれば非多孔質体となるが、溶液製膜で製膜する場合は、樹脂内に存在している溶媒を除去する乾燥工程で溶媒部分が空隙となって多孔質体となる。よって、この多孔質体を非多孔質体とするために熱処理などの後処理を施すことになるが、後処理が不十分であるとガスが透過しやすい大きさの空隙が残ってしまう。以下に、後処理方法として熱処理を行う工程を例に説明するが、後処理工程は熱処理に限定されるものではない。
まず、空隙をできるだけ小さくするために溶媒を比較的低温で乾燥する。例えば、N−メチル−2−ピロリドンであれば、80℃〜180℃程度で乾燥する。この低温での乾燥の後、真空乾燥を行ったり、水中で沈殿させたりすると溶媒の除去率が高まるので好ましい。ついで、熱処理を好ましくは3分以上行うことによって、樹脂の収縮によりさらに空隙を小さくする。熱処理の温度としては、樹脂の構造にもよるがフィルムの軟化や分解が起こらない範囲で出来るだけ高温であることが好ましく、例えば全芳香族ポリアミドであれば、160℃以上であることが好ましく、230℃以上450℃未満であることがより好ましく、280℃以上350℃未満であることがさらに好ましい。
溶液製膜の場合は、このような後処理工程を行わないと空隙から二酸化炭素以外のガスも透過していくため本発明に用いる支持体として好ましくない。また、熱処理を行う場合、結晶化度が上がったり、架橋が生じて空隙が小さくなる分子構造になったりすることによってさらにガスバリア性が向上するため、二酸化炭素の選択率が上昇する効果も生じる。
本発明の二酸化炭素の積層フィルムに用いられる基材フィルムは、特に制限があるわけではないが、厚みが5μm以上100μm未満であることが好ましく、8μm以上50μm未満であることがより好ましく、11μm以上25μm未満であることがさらに好ましい。厚みが5μm未満の場合には、ボイドが生じやすく全てのガスが透過しやすくなるため結果として二酸化炭素の選択率が低くなり、厚みが100μm以上の場合、二酸化炭素の透過速度が小さくなる。
本発明の積層フィルムに用いられる基材フィルムは、特に制限があるわけではないが、ヤング率が少なくとも一方向で3GPa以上であることが好ましく、7GPa以上であることがより好ましく、9GPa以上であることがさらに好ましい。なお、ヤング率はASTM−D882(1997)などの方法で測定することができる。ヤング率の上限は特に限定されるものではないが、現実的には25GPa程度である。ヤング率が高いと剛性が高くなるため、供給ガスの圧力が高くても破れにくくなる。ヤング率を高くするためには前述したように芳香族を導入した構造にすることや、分子配向させることなどが考えられる。分子配向させる場合は、延伸によって配向させることが好ましく、縦横二軸方向に延伸することがより好ましい。縦横二軸方向に延伸する方式は逐次二軸延伸、同時二軸延伸のどちらでも良い。
以下に、本発明の積層フィルムを得るための方法について、基材フィルムとして芳香族ポリアミドフィルムを用い、アミン化合物として0世代のPAMAMデンドリマー、多官能重合性単量体(塗布層)としてポリエチレングリコールジメタアクリレート(以下、「PEGDMA」ということがある。)、トリメチロールプロパントリメタアクリレート(以下、「TMPTMA」ということがある。)をコーティングして高分子膜(塗布層)とする例を説明するが、本発明の積層フィルムを製造するに当たり、以下の方法に限定されるものではない。
まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用したりする界面重合などで合成される。得られたポリマー溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
これらポリマー溶液は、そのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。ポリマー溶液中のポリマー濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
上記のように調製されたポリマー溶液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法の乾湿式法で製膜する場合は、該原液をステンレス板などにキャストして薄膜とし、次いで前述したように80〜180℃で乾燥することでかかる薄膜層から溶媒を飛散させる。
乾式工程を終えたフィルムは、ステンレス板から剥離されて次の湿式工程の湿式浴に導入され、脱塩、脱溶媒が行なわれる。湿式浴組成は、ポリマーに対する貧溶媒であれば特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いるのが、経済性、取扱いの容易さから好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていてもよい。
この際、フィルム中の不純物を減少させるために、浴組成は有機媒/水=70/30〜20/80、浴温度40℃以上であることが好ましい。さらに、最後に40℃以上の水浴に通すことが有効である。
湿式工程を経たフィルムは水分を乾燥後、熱処理が行なわれて本発明の積層フィルムに用いられる基材フィルムとなるが、熱処理と同時またはその前に延伸を行っても良い。延伸温度はフィルムの機械特性向上のために200〜400℃の温度範囲内で行うことが好ましく、より好ましくは220〜350℃、さらに好ましくは240〜300℃であり、延伸倍率は長手方向、幅方向ともに1〜3倍の範囲内とすることが好ましい。熱処理温度は前述した160℃以上、好ましくは230℃〜450℃の範囲内であることが好ましい。熱処理温度が230℃未満では残存揮発分が多くなったり、高温での熱寸法変化が大きくなることがあり、450℃以上では相分離構造の粗大化が起こったり、フィルムの靱性が悪化したりすることがある。
続いて、塗布層を構成する高分子膜について説明する。高分子膜は塗布によって基材フィルムに積層されるが、具体的には、アミン化合物として前記0世代のPAMAMデンドリマー、多官能重合性単量体としてPEGDMAとTMPTMAに溶媒を加えて混合した混合塗剤を調整し、基材フィルム上で多官能重合性単量体を重合することにより得られる。混合比はPAMAMデンドリマー/多官能重合性単量体の重量比で70/30〜30/70であることが好ましく、60/40〜40/60であることがより好ましく、55/45〜45/55であることがさらに好ましい。多官能重合性単量体の混合比はPEGDMA/TMPTMAの重量比で95/5〜50/50であることが好ましく、85/15〜60/40であることがより好ましく、80/20〜70/30であることがさらに好ましい。溶媒としては、重合反応を阻害しない溶媒であれば公知のものを広く使用できるが、溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。塗剤には、通常、重合開始剤が用いられる。混合塗剤に添加する重合開始剤としては、通常用いられる熱重合開始剤または光重合開始剤を用いることができ、光重合を行う場合は、通常用いられる増感剤を溶液に添加することができる。熱重合開始剤、光重合開始剤または増感剤の使用量は、本発明の課題に反しなり限り通常用いられる範囲にすることができる。
上述した混合塗剤を基材フィルムへ塗布する方法は、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、塗布の前に芳香族ポリアミドフィルムにコロナ放電処理、プラズマ処理などを施して芳香族ポリアミドフィルム表面の濡れ張力を向上させることが高分子膜とフィルムの接着性を上げることができるために好ましい。
混合塗剤を基材フィルムへ塗布した後、熱重合や光重合で基材フィルム上のPEGDMAとTMPTMAを重合することで、高分子重合体にアミン化合物(PAMAMデンドリマー)が固定化された高分子膜(塗布層)となる。
このようにして得られた本発明の積層フィルムは以下のような混合ガスから二酸化炭素を選択透過することができる。また二酸化炭素以外の酸性ガスを選択透過するときも有効に使用することができる。
本発明の積層フィルムで選択透過できる供給ガスは二酸化炭素を含む混合ガスであれば特に制限されないが、二酸化炭素の他に水素、ヘリウム、窒素、メタン、水蒸気等が含まれている混合ガスが挙げられる。
本発明の積層フィルムを用いた二酸化炭素の濃縮方法は、供給ガスの二酸化炭素分圧が1atm以上であることが好ましく、より好ましくは3atm以上50atm以下であり、さらに好ましくは4atm以上30atm以下である。二酸化炭素分圧が1atm未満の場合は、供給側と膜透過側の分圧差を大きくしにくいため、二酸化炭素の透過速度が小さくなる場合がある。また、二酸化炭素分圧が50atmを超えるほど高い場合には、積層フィルムに破れなどが生じる可能性があり、また、二酸化炭素以外のガスの分圧も同時に高い場合には、それらのガスの透過を抑制出来ずに選択率が低くなる。一方で、疎水性多孔質膜を支持体とした液膜による分離では、二酸化炭素分圧が1atm以上と高い条件下においては、液膜から親和性溶剤の漏出が発生して選択率が低下していくため長期の使用は困難であった。しかし、本発明の積層フィルムは支持体にポリアミドもしくはポリイミドからなる基材フィルムを用いているため、液膜から親和性溶剤の漏出の心配が少なく、安定した使用が可能となる。
本発明の積層フィルムを用いて二酸化炭素を濃縮するとき、供給ガスの温度に特に制限があるわけではないが、40℃以上で用いられることが好ましく、より好ましくは50℃以上160℃以下であり、さらに好ましくは60℃以上100℃以下である。混合ガスの温度が高いほど、ポリアミドフィルム中で二酸化炭素が拡散する速度が大きくなるため、二酸化炭素の膜透過速度を大きくすることが出来、選択率を上げることが出来る。一方で、供給ガスの温度が高すぎる場合は、熱変形する可能性があるため、用いる基材フィルムや高分子膜の耐熱性にもよるが、混合ガスの温度は160℃以下さらには100℃以下であることが好ましい。また、アミン吸収法が分離できる供給ガスの温度は30℃〜50℃程度であるため、60℃以上の範囲では、本発明の積層フィルムを用いることが有用である。さらに、疎水性膜に挟まれた液膜と比較しても、供給ガスが高温の場合、液膜を構成する親和性溶剤の粘度が下がって圧力で疎水性膜から漏出しやすくなるし、疎水性膜が熱変形することで親和性溶剤に覆われていない欠陥が生じやすくなる。この点で供給ガスが高温の場合には、ポリアミドやポリイミドフィルムを基材フィルムに使用した本発明の積層フィルムが優位となる。
本発明の積層フィルムを用いて二酸化炭素を濃縮するときに、供給ガス中に水素が0.1atm以上含まれている場合に有用であり、1atm以上含まれていることがより有用であり、5atm以上含まれていることがさらに有用である。本発明のポリアミドフィルムによる透過速度は親和性の寄与が大きく、供給ガス中に水素やヘリウムが混合していても二酸化炭素の透過速度がもっとも大きくなるため、供給ガス中の水素が上記範囲にあるときの二酸化炭素を濃縮する分離膜として特に有用である。
本発明の積層フィルムを用いて二酸化炭素を濃縮するときは、供給ガスから二酸化炭素が選択率15以上で濃縮されることが好ましく、25以上であることがより好ましく、30以上であることがさらに好ましい。二酸化炭素の選択率は高ければ高いほど好ましく、15未満であると高濃度の二酸化炭素を得ることが出来ず、効果的な濃縮方法であるとはいえない。二酸化炭素の選択率は「供給ガス中の二酸化炭素以外のガスの分圧に対する二酸化炭素分圧の比」に対する「濃縮ガス中の二酸化炭素以外のガスの分圧に対する二酸化炭素分圧の比」の比に基づき定義するものとする。
本発明の積層フィルムは、二酸化炭素(CO2)のような酸性ガスを分離するのに有用である。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明において説明に使用した特性値の測定方法および効果の評価方法は、次のとおりである。
(1)二酸化炭素とヘリウムの分離試験
図1に概略図を示す装置を用いて積層フィルムの二酸化炭素の選択率を測定した。図1において、二酸化炭素ガス(CO2)とヘリウムガス(He)との混合ガスからなる供給ガスを、加湿器6を通して湿度を調整した後、恒温槽5内に設置されたガス透過セル2に供給する。二酸化炭素ガス、ヘリウムガスおよび水蒸気を含む供給ガスの圧力は圧力計3により測定する。ガス透過セル2において、供給ガスは所定の条件下で、積層フィルム1を透過する透過ガス9と積層フィルム1を透過しない非透過ガス8に分離される。透過ガス9は、アルゴンからなるスイープガスによりガス透過セル2から排出された後、圧力計4により圧力が測定され、ガスクロマトグラフィーによりガス組成が分析される。また、非透過ガス8は、背圧弁7を通した後、ガスクロマトグラフィーによりガス組成が分析される。
実施例において、積層フィルム1に二酸化炭素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを温度60℃、相対湿度80%に調節して供給し、表2に示す二酸化炭素分圧で積層フィルム1を透過したガスの選択率(α)を算出した。試験に用いたガス透過セル中の積層フィルムの面積は、0.8cm2とした。供給ガスの二酸化炭素分圧(PCO2f、ヘリウム分圧(PHef、透過ガスの二酸化炭素分圧(PCO2p、ヘリウム分圧(PHep、選択率(α)は数式1〜5にしたがって算出した。
Figure 0005821094
Figure 0005821094
Figure 0005821094
Figure 0005821094
Figure 0005821094
数式中のPfは圧力計3で測定した供給圧力であり、cは処理温度での飽和水蒸気圧である。(73.5559/76)は圧力計4で測定した透過圧力である。(XCO2f、(XHef、は供給ガス中の二酸化炭素とヘリウムの濃度、(XCO2p、(XHep、は透過ガス中の二酸化炭素とヘリウムの濃度であり、それぞれガスクロマトグラフィーで測定した。ここで、透過分圧は供給分圧と比較して微小なため供給分圧の測定値に影響を与えておらず、水蒸気の透過は湿度計にて測定しているが観測されなかった。
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
製品:GC390B(ツクバリカセイキ社製)
Arキャリアーガス量:約20ml/分、
透過側圧力:1atm
カラム1:シリコ 1/8 inch×4m/MS/シリコ 1/8 inch×2m
カラム2:ユニビーズ 2S 1/8 inch×4m
(2)基材フィルムの厚み
基材フィルムの厚みは、(株)アンリッツ製デジタルマイクロメーターK402Bを用い、下記の方法で求めた。
直径5cmの円状にサンプリングして中心の厚みを測定した(点1)。次にその位置から任意の方向に1cm移動させて厚みを測定した(点2)。続いて、その位置から点1の方向に2cm移動させて厚みを測定した(点3)。次いで、点1の位置に移動させ、点2、点1、点3を結んで得られる直線に対し90°および270°となる方向にともに1cm移動させた位置の厚みをそれぞれ測定した(点4、点5)。以上5点の合計値を5で割ることによりフィルムの厚みを得た。
(3)高分子膜(塗布層)の厚み
まず積層フィルムを減圧下で12時間放置して乾燥させた。その後、直径5cmの円状にサンプリングして基材フィルムと同様にして積層フィルムの厚みを計測し、積層フィルムの値から基材フィルムの値を引くことで塗布層の厚みを得た。
(4)ヤング率
ASTM−D882(1997)に規定された方法に従い、ロボットテンシロン(登録商標)RTA(オリエンテック社製)を用いて23℃、相対湿度65%雰囲気下において測定した。試験片は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速度は300mm/分である。ただし、試験を開始してから加重が0.1kgfを通過した点を伸びの原点とした。その結果を下記の基準に則り◎〜×で判定した。
9GPa以上 :◎
7GPa以上9GPa未満 :O
3GPa以上7GPa未満 :△
3GPa未満 :×
(5)芳香族含有率
化学式[III][IV]で示されるAr3、Ar4、Ar5の総数のうち化学式[V]から選ばれる構造のモル分率を算出し、以下の基準で評価した。
80モル%以上 :◎
30モル%以上80モル%未満 :O
10モル%以上30モル%未満 :△
10モル%未満 :×
(6)酸素透過率
ASTM D−3985に準じて、モダンコントロール(株)製酸素透過率測定装置OX−TRAN100を用いて、25℃、50%RHの条件にて測定した。
(製膜例1)
脱水したN−メチル−2−ピロリドンに100モル%に相当する2−クロロパラフェニレンジアミンを溶解させ、99モル%に相当する2−クロロテレフタル酸クロライドを添加し、2時間攪拌により重合した。次に、この溶液に100モル%に相当する4,4'−ジアミノジフェニルスルホンを溶解後、99モル%に相当するテレフタル酸クロライドを前記ポリマー単位に対してブロック共重合させるポリマー単位が3モル%になるように添加し、更に2時間攪拌により重合した。この後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマー濃度10重量%の芳香族ポリアミドの溶液(芳香族ポリアミドAとする)を得た。250μmのアプリケーターでポリマー溶液をステンレス板上にキャストして、熱風温度180℃でフィルムが自己支持性を持つまで乾燥させた後、得られたゲルフィルムをステンレス板から剥離した。次に、ゲルフィルムを金属枠に固定して、水槽内で残存溶媒などの水抽出を行った。水抽出後、含水フィルム両面の水分をガーゼで拭き取り、金枠に固定したまま280℃のオーブンで熱処理して未配向フィルムを得た。この未配向フィルムを、ストレッチャーを用いて280℃でフィルムの幅方向に1.3倍、長手方向に1.1倍延伸することで二軸配向ポリアミドフィルムを得た。得られた基材フィルムのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例2)
製膜例1で芳香族ポリアミドAの溶液を150μmのアプリケーターを使用してステンレス板上にキャストして、熱風温度180℃でフィルムが自己支持性を持つまで乾燥させた後、得られたゲルフィルムをステンレス板から剥離した。以下製膜例1と同様に、ゲルフィルムを金属枠に固定して、水槽内で残存溶媒などの水抽出を行った。水抽出後、含水フィルム両面の水分をガーゼで拭き取り、金枠に固定したまま280℃のオーブンで熱処理して未配向フィルムを得た。この未配向フィルムを、ストレッチャーを用いて280℃でフィルムの幅方向に1.3倍、長手方向に1.1倍延伸することで二軸配向ポリアミドフィルムを得た。得られた基材フィルムのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例3)
製膜例1で芳香族ポリアミドAの溶液を80μmのアプリケーターを使用してステンレス板上にキャストして、熱風温度180℃でフィルムが自己支持性を持つまで乾燥させた後、得られたゲルフィルムをステンレス板から剥離した。以下製膜例1と同様に、ゲルフィルムを金属枠に固定して、水槽内で残存溶媒などの水抽出を行った。水抽出後、含水フィルム両面の水分をガーゼで拭き取り、金枠に固定したまま280℃のオーブンで熱処理して未配向フィルムを得た。この未配向フィルムを、ストレッチャーを用いて280℃でフィルムの幅方向に1.3倍、長手方向に1.1倍延伸することで二軸配向ポリアミドフィルムを得た。得られた基材フィルムのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例4)
ナイロン6T/ナイロン66を55/45重量%で共重合したナイロン樹脂(芳香族ポリアミドBとする)を、60tプレスを用いて、溶融温度320℃、20MPaでプレスし、そのまま2分間保持した。その後30℃に冷却して金型から離型して未配向フィルムを得た。この未配向フィルムを、ストレッチャーを用いて110℃でフィルムの幅方向に1.3倍、長手方向に1.1倍延伸することで二軸配向ポリアミドフィルムを得た。得られた基材フィルムのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例5)
ナイロン6樹脂を、60tプレスを用いて、溶融温度240℃、20MPaでプレスし、そのまま2分間保持した。その後30℃に冷却して金型から離型して未配向フィルムを得た。この未配向フィルムを、ストレッチャーを用いて60℃でフィルムの幅方向に2.3倍、長手方向に2.1倍延伸することで二軸配向ポリアミドフィルムを得た。得られた基材フィルムのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例6)
ナイロン6樹脂の量を製膜例5の半分とする以外は同様にして製膜し、二軸配向ポリアミドフィルムを得た。そのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例7)
製膜例6で得たナイロン6樹脂からなる未配向フィルムを延伸せずにそのまま使用した。そのフィルム特性を表1に示す。
(製膜例8)
固有粘度0.65のホモポリエチレンテレフタレートを、60tプレスを用いて、溶融温度280℃、20MPaでプレスし、そのまま2分間保持した。その後30℃に冷却して金型から離型して未配向フィルムを得た。この未配向フィルムを、ストレッチャーを用いて100℃でフィルムの幅方向に3.4倍、長手方向に3.2倍延伸することで二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。そのフィルム特性を表1に示す。
Figure 0005821094
(混合塗剤の調製例)
分離機能剤(アミノ化合物):第0世代のPAMAM50重量部
多官能重合性単量体:PEGDMA(シグマアルドリッチ製)37.5重量部、TMPTMA(東京化成製 4051F)12.5重量部
溶媒:エタノール 100重量部
開始剤:トリエタノールアミン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(実施例1)
製膜例1で作製した芳香族ポリアミドフィルムの片面に空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面にコーティング液として上記の混合塗剤を500μmのアプリケーターを用いて、片面にコーティングした。波長ピーク365nmの紫外光を室温で3分間照射することにより厚みPAMAM含有層が積層されたポリアミドフィルムを得た。得られた積層フィルムの二酸化炭素分離性能は、表2に示したとおり優れたものであった。
(実施例2)
製膜例1で作製した芳香族ポリアミドフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面にコーティング液として上記の混合塗剤を500μmのアプリケーターを用いて、任意の片面にコーティングした。波長ピーク365nmの紫外光を室温で3分間照射することにより厚みPAMAM含有層が片面に積層されたポリアミドフィルムを得た。次いで、PAMAM含有層が積層された面と反対の面に同様に500μmのアプリケーターを用いてコーティングを行い、波長ピーク365nmの紫外光を室温で3分間照射することにより厚みPAMAM含有層が両面に積層されたポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの二酸化炭素分離性能は、表2に示したとおり優れたものであった。
(実施例3)
コーティング液として上記の混合塗剤をテフロン(登録商標)シャーレにキャスティングし、波長ピーク365nmの紫外光を室温で3分間照射することによりPAMAMが含有された高分子膜を得た。その高分子膜をガラス板の上に置き、製膜例1で作製した芳香族ポリアミドフィルムの片面に空気中でコロナ放電処理を施したものを上に重ね合わせてローラーでラミネートを行うことで、PAMAM含有層が積層されたポリアミドフィルムを得た。得られた積層フィルムの二酸化炭素分離性能は、表2に示したとおり優れたものであった。
(実施例4〜9)
製膜例2〜7で作製したポリアミドフィルムに、実施例3と同様にしてコーティングを行い、目的のPAMAM含有層が積層されたポリアミドフィルムを得た。得られた積層フィルムの二酸化炭素分離性能は、表2に示したとおり優れたものであった。
(実施例10)
ポリイミドフィルムである厚み25μmのカプトン(東レデュポン(株)製)に、実施例3と同様にしてコーティングを行い、目的のPAMAM含有層が積層されたポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの二酸化炭素分離性能は、表2に示したとおり優れたものであった。
(比較例1、2)
製膜例2、製膜例4で作製したポリアミドフィルムを、それぞれ塗布層をコーティングせずにそのまま使用した。表2に示したとおり、得られたフィルムは二酸化炭素の分離性能に劣るものであった。
(比較例3)
テフロン(登録商標)シャーレ上にポリスルホン多孔質膜を置き、その上にコーティング液として上記の混合塗剤をキャスティングして、波長ピーク365nmの紫外光を室温で3分間照射することでPAMAMを含有した高分子膜を得た。表2に示したとおり、得られた高分子膜は二酸化炭素の分離性能に劣るものであった。
(比較例4)
製膜例8で作製したPETフィルムに、実施例2と同様にしてコーティングを行い、目的のPAMAM含有層が積層されたPETフィルムを得た。表2に示したとおり、得られたフィルムは二酸化炭素の分離性能に劣るものであった。
Figure 0005821094
1 積層フィルム
2 ガス透過セル
3 圧力計
4 圧力計
5 恒温槽
6 加湿器
7 背圧弁
8 非透過ガス
9 透過ガス

Claims (10)

  1. ポリアミドもしくはポリイミドから構成され、酸素透過率が100(cc/m 2 /24hr/atm/0.1mm)以下である基材フィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられた積層フィルムであり、前記塗布層に下記の化学式[I]または[II]で示される基を有するアミン化合物が固定化されてなる積層フィルム。
    Figure 0005821094
    (化学式[I]のAr1は炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数を示す。)
    Figure 0005821094
    (化学式[II]のAr2は炭素数1〜3の二価有機残基を示し、nは0または1の整数
    を示す。)
  2. 前記基材フィルムの厚みが5μm以上である請求項に記載の積層フィルム。
  3. 前記基材フィルムが化学式[III]及び/または化学式[IV]で表される繰り返し単位を有するポリアミドからなるフィルムである請求項1または2に記載の積層フィルム。
    Figure 0005821094
    Figure 0005821094
    (ここで、化学式[III],[IV]のAr3、Ar4、Ar5はそれぞれ化学式[V
    ]及び/または化学式[VI]から選ばれる。
    Figure 0005821094
    Figure 0005821094
    また、化学式[V]のX、Y、Zは−O−,−CH2−,−CO−,−CO2−,−S−,−SO2−,−C(CH32−から選ばれ、化学式[VI]のnは2〜8のいずれかの整数を示す。)
  4. 前記ポリアミドフィルムを構成するAr3、Ar4、Ar5の総数の10モル%以上が化学式[V]の群から選ばれることを特徴とする請求項に記載積層フィルム。
  5. 前記基材フィルムを構成するポリアミドフィルムのヤング率が少なくとも一方向で3GPa以上である請求項1からのいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 前記基材フィルムを構成するポリアミドフィルムが溶液製膜法で製造されたものであり、該ポリアミドフィルムをフィルム状に成形後に160℃以上で熱処理を行った後に得られたものである請求項1からのいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 前記塗布層がアミン化合物を(メタ)アクリル樹脂で固定化されてなる請求項1からのいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 前記(メタ)アクリル樹脂が(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上のジ(メタ)アクリレート類を重合した樹脂である請求項に記載の積層フィルム。
  9. 60℃以上の混合ガスから二酸化炭素を選択透過させる二酸化炭素分離に用いられる請求項1からのいずれかに記載の積層フィルム。
  10. 水素が含まれた混合ガスから二酸化炭素を選択透過させる二酸化炭素分離に用いられる請求項1からのいずれかに記載の二酸化炭素分離用積層フィルム。
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